説明

体調管理支援装置、体調管理支援方法およびコンピュータプログラム

【課題】鉄分の充足状況についての客観的な判断を容易に行うことが可能な体調管理支援装置を提供する。
【解決手段】この体調管理支援装置100は、出力部と、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける受付部と、受付部により入力が受け付けられた被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するデータ分析部と、被験者のヘモグロビン濃度を測定する測定部と、データ分析部による分析結果および測定部による測定結果を出力部に出力させる出力制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体調管理支援装置、体調管理支援方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、測定結果を表示部に表示する体調管理支援装置、体調管理支援方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定結果を表示部に表示する体調管理支援装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、被験者の指を撮像する撮像部と、撮像部により得られる生体画像中の血管を解析する解析部と、測定結果を表示する表示部とを備えた非侵襲生体計測装置が開示されている。この非侵襲生体計測装置は、生体画像中の血管を解析することにより被験者のヘモグロビン濃度を測定し、得られたヘモグロビン濃度を測定結果として表示部に表示するように構成されている。この非侵襲生体計測装置を用いることにより、被験者は自身のヘモグロビン濃度の測定結果を採血などによることなく容易に得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−262496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1による非侵襲生体計測装置で測定されたヘモグロビン濃度が適正な値であるか否かは被験者の状況(年齢、性別、および、身体状況など)によって異なる。ここで、ヘモグロビン濃度が適正値を下回っている場合、鉄分が充足していない可能性がある。しかし、被験者のヘモグロビンの濃度から鉄分の充足状況について客観的な判断を行うためには、被験者に対する問診から得られる被験者の体調に関する情報(鉄分不足度)も必要である。そのため、被験者が、自身の鉄分の充足状況を客観的に判断するためには、上記非侵襲生体計測装置による測定結果と、被験者の状況、ヘモグロビン濃度の適正値、および、被験者の体調に関する情報が対応付けられた表などと照合するといった煩雑な作業が必要であった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、鉄分の充足状況について、簡単かつ客観的に判断を行うことが可能な体調管理支援装置、体調管理支援方法およびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による体調管理支援装置は、出力部と、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける受付部と、受付部により入力が受け付けられた被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するデータ分析部と、被験者のヘモグロビン濃度を測定する測定部と、データ分析部による分析結果および測定部による測定結果を出力部に出力させる出力制御部とを備える。
【0008】
この第1の局面による体調管理支援装置では、上記のように、データ分析部による被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果および測定部による被験者のヘモグロビン濃度の測定結果を出力部に出力させる出力制御部を設けることによって、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と、ヘモグロビン濃度の測定結果との両方を出力部に出力させることができる。このため、被験者は、ヘモグロビン濃度の測定結果と別途用意された表などとを照らし合わせる作業を行うことなく、ヘモグロビン濃度の測定結果と分析結果との両方を同一の出力部の出力から確認することができる。これにより、被験者は、出力部により出力されたヘモグロビン濃度の測定結果と鉄分不足度に関する情報の分析結果とに基づいて、簡単に、鉄分の充足状況についての客観的な判断を行うことができる。
【0009】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、被験者の属性に関する情報は、性別、年齢、身長および体重の少なくともいずれかの情報を含む。このように構成すれば、これらの性別、年齢、身長および体重の少なくともいずれかを含む情報をデータ分析部により分析することによって、データ分析部は、被験者の性別および年齢などにより異なるヘモグロビン濃度の適正値を分析結果として取得することができるとともに、ヘモグロビン濃度の適正値に基づいた分析結果を得ることができる。これにより、被験者は、表などを参照する煩雑な作業を行うことなく、性別および年齢などの情報を入力するだけで自身のヘモグロビン濃度の適正値に基づいた分析結果を出力部において参照することができるので、被験者自身が鉄分の充足状況についての客観的で適正な判断を容易に行うことができる。
【0010】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、被験者の鉄分不足度に関する情報は、鉄分の不足に関連する被験者の体調に関する情報を含む。このように構成すれば、被験者が日常的に自覚し易い体調(自覚症状)に関する情報に基づいて、データ分析部により、容易に、被験者が自覚し難い鉄分の不足に関する情報を取得することができる。
【0011】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、受付部は、出力制御部により出力部に出力された質問に対して被験者が回答する形式により、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付けるように構成されている。このように構成すれば、被験者は、提示された質問に対して回答するだけで自身の属性および鉄分不足度についての情報の入力を行うことができる。
【0012】
上記被験者の鉄分不足度に関する情報が鉄分の不足に関連する被験者の体調に関する情報を含む構成において、好ましくは、データ分析部は、被験者の体調に関する情報を分析し、分析結果として被験者の鉄分不足度を取得するように構成されている。このように構成すれば、データ分析部により被験者の日常的な体調に関する情報を分析することによって、鉄分の不足を示す度合い(鉄分不足度)を取得することができる。これにより、被験者は、鉄分不足度の高さに基づいてヘモグロビン濃度の測定値の裏付けを得ることや、医師の診断を受けるべきか否かの参考とすることができる。
【0013】
この場合、好ましくは、被験者の体調に関する情報は、被験者の体調に関する複数の項目を含み、項目の内容に応じて、複数の異なる鉄分不足度の重み付けがされている。このように構成すれば、項目の内容に応じて、鉄分の不足を顕著に示す項目には大きな鉄分不足度の重み付けをするなどによって、複数の体調に関する情報を項目の内容によらず均等の重みで分析する場合と異なり、被験者の鉄分不足度をより実情に沿った形で取得することができる。
【0014】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、出力制御部は、データ分析部により取得される被験者の鉄分不足度に関する情報と測定部により取得される被験者のヘモグロビン濃度とをパラメータとする図表を、出力部に出力させるように制御するように構成されている。このように構成すれば、出力部により出力された図表から、被験者が自身の鉄分の充足状況を視覚的に容易に把握することができるので、鉄分の充足状況についての判断をより容易に行うことができる。
【0015】
この場合において、好ましくは、図表は、被験者の鉄分不足度に関する情報の所定値およびヘモグロビン濃度の所定値を境界として色分けされている。このように構成すれば、たとえばヘモグロビン濃度の適正範囲の下限値を境界として、この下限値よりも低い領域を赤色の警告色で出力するなどにより、被験者が自身の鉄分の充足状況をより容易に把握することができるように出力することができる。
【0016】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、出力制御部は、データ分析部による分析結果と測定部による測定結果とを、数値として出力部に出力させるように制御するように構成されている。このように構成すれば、被験者に対して、分析結果および測定結果としての具体的な数値データを提供することができる。
【0017】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、出力制御部は、データ分析部による分析結果と測定部による測定結果とに応じて、分析結果および測定結果に関するメッセージを出力部に出力させるように制御するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、データ分析部による分析結果と測定部による測定結果とを総合評価したコメントを出力することによって、被験者が鉄分の充足状況についての判断を行う際に参考とすることが可能な客観的な情報を、被験者に提供することができる。これにより、被験者は、鉄分の充足状況についての客観的な判断を容易に行うことができる。
【0018】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、データ分析部は、さらに、データ分析部による分析結果および測定部による測定結果の少なくとも一方に基づき、測定部による被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定するように構成されている。このように構成すれば、たとえば1回目のヘモグロビン濃度の測定結果や、被験者の鉄分不足度に関する分析結果から鉄分不足の可能性が高いと判断される場合などに、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、測定部による被験者のヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行うことによってヘモグロビン濃度の測定精度を向上させることができる。
【0019】
この場合において、好ましくは、データ分析部は、データ分析部による分析結果としての被験者の鉄分不足度が第1閾値以上の場合に、測定部による被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うように測定部を制御するように構成されている。このように構成すれば、被験者の鉄分不足度が第1閾値よりも高い(鉄分不足の可能性が高い)場合に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行うことによって、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0020】
上記データ分析部が被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定する構成において、好ましくは、被験者の属性に関する情報は、被験者の身長および体重の情報を少なくとも含み、データ分析部は、被験者の身長および体重に基づいて算出される分析結果としての低体重の指標となる値に基づき、測定部による被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定するように構成されている。このように構成すれば、低体重に該当する被験者は食事制限などにより鉄分不足となっている可能性が高いので、たとえばBMI(Body Mass Index)などに基づき被験者の身長および体重から低体重と判断される場合に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行うことによって、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0021】
上記データ分析部が被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定する構成において、好ましくは、データ分析部は、測定部により測定されたヘモグロビン濃度が第2閾値以下の場合に、測定部による被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うように測定部を制御するように構成されている。このように構成すれば、たとえば第2閾値を被験者のヘモグロビン濃度の適正範囲の下限値として設定すれば、被験者のヘモグロビン濃度が第2閾値よりも低い(鉄分不足の可能性が高い)場合に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行うことによって、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0022】
この場合において、好ましくは、データ分析部は、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の少なくとも一方に応じて、第2閾値の値を設定するように構成されている。このように構成すれば、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の少なくとも一方に基づいてヘモグロビン濃度の適正範囲を決定することにより、この適正範囲に基づいて被験者毎に適切な第2閾値を設定することができる。
【0023】
上記被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の少なくとも一方に応じて第2閾値の値を設定する構成において、好ましくは、データ分析部は、被験者の性別、年齢および妊娠の有無の少なくともいずれかに応じて、第2閾値の値を設定するように構成されている。このように構成すれば、ヘモグロビン濃度の適正範囲(基準値)は主として性別、年齢および妊娠の有無によって決定することができるので、これらの情報の少なくともいずれかに基づいて被験者毎に適切な第2閾値を設定することができる。
【0024】
上記第1の局面による体調管理支援装置において、好ましくは、測定部は、被験者の指に光を照射する光源と、光源により照射されるとともに被験者の指を透過した光を受光する受光部とを含み、データ分析部は、受光部により受光したデータを分析して被験者のヘモグロビン濃度を取得するように構成されている。このように構成すれば、被験者のヘモグロビン濃度の測定を採血することなく行うことができる。これにより、被験者自身が単独でもヘモグロビン濃度測定を行うことができるとともに、ヘモグロビン濃度の測定結果に基づき、鉄分の充足状況についての判断を簡便かつ容易に行うことができる。
【0025】
この発明の第2の局面による体調管理支援方法は、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付けるステップと、受け付けられた被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するステップと、被験者のヘモグロビン濃度を測定するステップと、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と被験者のヘモグロビン濃度の測定結果とを出力部に出力させるステップとを備える。
【0026】
この第2の局面による体調管理支援方法では、上記のように、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と被験者のヘモグロビン濃度の測定結果とを出力部に出力させることによって、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と、ヘモグロビン濃度の測定結果との両方を出力部に出力させることができる。このため、被験者は、ヘモグロビン濃度の測定結果と別途用意された表などとを照らし合わせる作業を行うことなく、ヘモグロビン濃度の測定結果と分析結果との両方を同一の出力部の出力から確認することができる。これにより、被験者は、出力部により出力されたヘモグロビン濃度の測定結果と鉄分不足度に関する情報の分析結果とに基づいて、容易に、鉄分の充足状況についての客観的な判断を行うことができる。
【0027】
この発明の第3の局面によるコンピュータプログラムは、コンピュータを、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、受付手段により入力が受け付けられた被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するデータ分析手段と、データ分析手段による分析結果および被験者のヘモグロビン濃度の測定結果を出力部に出力させる出力制御手段と、として機能させる。
【0028】
この第3の局面によるコンピュータプログラムでは、上記のように、データ分析手段による被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果および被験者のヘモグロビン濃度の測定結果を出力部に出力させることによって、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と、ヘモグロビン濃度の測定結果との両方を出力部に出力させることができる。このため、被験者は、ヘモグロビン濃度の測定結果と別途用意された表などとを照らし合わせる作業を行うことなく、ヘモグロビン濃度の測定結果と分析結果との両方を同一の出力部の出力から確認することができる。これにより、被験者は、出力部により出力されたヘモグロビン濃度の測定結果と鉄分不足度に関する情報の分析結果とに基づいて、容易に、鉄分の充足状況についての客観的な判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態による体調管理支援装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置を示したブロック図である。
【図3】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置のディスプレイに表示される結果表示画面を示した図である。
【図4】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置のアンケート情報を説明するための図である。
【図5】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置のメッセージ情報を説明するための図である。
【図6】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置のディスプレイに表示される初期画面を示した図である。
【図7】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示した一実施形態による体調管理支援装置のアンケート処理(サブルーチン)を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示した一実施形態による体調管理支援装置のヘモグロビン濃度の閾値を説明するための図である。
【図10】図7に示した一実施形態による体調管理支援装置の測定・解析処理(サブルーチン)を説明するためのフローチャートである。
【図11】図7に示した一実施形態による体調管理支援装置の結果表示処理(サブルーチン)を説明するためのフローチャートである。
【図12】図3に示した結果表示画面に含まれる図表を説明するための図である。
【図13】図3に示した結果表示画面に含まれる図表を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
まず、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による体調管理支援装置100について説明する。
【0032】
本発明の一実施形態による体調管理支援装置100は、薬局、学校または家庭内などに配置され、利用者(被験者)が自身で操作して使用することが可能なように構成されている。図1および図2に示すように、体調管理支援装置100は、PC(Personal Computer)10と、ヘモグロビン推定器30と、プリンタ40とを備えている。また、体調管理支援装置100は、サーバ200(図2参照)と接続されており、体調管理支援装置100を用いて測定された測定データをサーバ200に送信することが可能なように構成されている。
【0033】
また、図1に示すように、PC10には、性別、年齢、身長などの被験者の属性情報、および、被験者の体調についての情報などを入力するためのキーボード11aおよびタッチパッド11bと、被験者に測定結果などを表示するためのディスプレイ12とが設けられている。また、図2に示すように、PC10は、CPU13と、RAM14と、ROM15と、ハードディスク16とをさらに備えている。また、PC10には、ディスプレイ12に画像を出力するための画像出力インタフェース17と、キーボード11aおよびタッチパッド11bから入力されたユーザからの情報を受け付けるための入力インタフェース18と、外部周辺機器との接続を行うI/O(Input/Output)部19とが設けられている。また、I/O部19には、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介してヘモグロビン推定器30およびプリンタ40が接続されている。さらに、I/O部19には、有線または無線によりサーバ200が接続されている。
【0034】
CPU13は、ROM15に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM14にロードされたコンピュータプログラムを実行するために設けられている。
【0035】
RAM14は、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM14は、ROM15およびハードディスク16に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM14は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU13の作業領域として利用される。
【0036】
ROM15は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU13に実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0037】
ハードディスク16には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU13に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータベースなどがインストールされている。具体的には、図2に示すように、ハードディスク16には、ヘモグロビン測定器30から送信されたデータを分析するためのプログラムと、被験者が自身の鉄分不足度をセルフチェックするためのアプリケーションプログラム16aと、このアプリケーションプログラムの実行時に使用されるアンケート情報16bおよびメッセージ情報16cとが格納されている。
【0038】
鉄分不足度をセルフチェックするためのアプリケーションプログラム16aは、PC10を体調管理支援装置100として機能させるためのプログラムである。CPU13によりアプリケーションプログラム16aが実行されることによって、アンケート方式により被験者の属性(性別、年齢など)および鉄分不足度に関する情報の入力が受け付けられるとともに、ヘモグロビン推定器30を用いて被験者のヘモグロビン濃度が測定されるように構成されている。また、本実施形態では、アプリケーションプログラム16aは、被験者の属性に関する情報および鉄分不足度に関する情報の分析結果と、被験者のヘモグロビン濃度の測定結果とに基づいて結果表示画面311(図3参照)をディスプレイ12に表示することにより、被験者の鉄分不足および鉄分不足に関連する体調管理についての総合的な情報の提供を行うように構成されている。
【0039】
アンケート情報16bは、被験者の属性(性別、年齢など)および鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける際に表示される情報である。本実施形態では、アンケート情報16bは、図4に示すように、被験者の属性(性別、年齢など)に関するアンケート項目4問(図4の質問1〜4)と、被験者の鉄分不足度に関するアンケート項目13問(図4の質問5〜質問17)の合計17項目の質問からなる。これらの被験者の鉄分不足度に関するアンケート項目は、鉄分の不足に関連する被験者の体調に関する質問から構成されている。また、被験者の体調に関するアンケート項目は、被験者が容易に回答できるように、「はい」または「いいえ」の2択により回答するように構成されている。
【0040】
被験者へのメッセージ情報16cは、図5に示すように、取得された鉄分不足度と測定されたヘモグロビン濃度とに対応した、被験者へのアドバイスメッセージである。メッセージ情報は、被験者の鉄分不足度(点数)とヘモグロビン濃度値との組み合わせに応じて複数種類設けられている。鉄分不足度の分析結果およびヘモグロビン濃度の測定結果に応じて適切なメッセージが選択されることにより、鉄分不足度の分析結果およびヘモグロビン濃度の測定結果の総合的な評価を被験者に提供することが可能なように構成されている。
【0041】
ヘモグロビン推定器30は、図1に示すように、指挿入部30aに被験者の指をセットした状態で、被験者の指に所定の波長(近赤外線など)の光を照射して指の中の血管を撮像するように構成されている。図2に示すように、ヘモグロビン推定器30は、被験者の指に光を照射する光源31と、光源31により照射されるとともに被験者の指を透過した光を受光する受光部32とを含んでいる。光源31は、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。また、受光部32は、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどから構成されている。また、撮像された画像データはPC10に送信されるとともに、CPU13により測定データ分析用プログラムが実行されることによって画像データが分析されるように構成されている。そして、画像から判定した血管の幅と血中のヘモグロビンによる吸光度とに基づき、被験者のヘモグロビン濃度が測定されるように構成されている。なお、画像データを解析することによって、ヘモグロビン濃度以外にも静脈酸素化指標(VOI)が算出される。この静脈酸素化指標は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの光の吸収特性が互いに異なることに基づいて算出される、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの比率に関する値である。静脈酸素化指標は冷気や冷水にさらされた直後などの指先の温度が低い場合(血行不良となる場合)に低下するため、この静脈酸素化指標が低値の場合には、被験者の手指の温度が低すぎるなど測定条件が適切でない場合がある。したがって、静脈酸素化指標に基づいて、ヘモグロビン濃度の測定値の信頼性を判定することができる。
【0042】
サーバ200には、体調管理支援装置100から送信された測定データ201などが格納されている。具体的には、被験者の性別、年齢、身長および体重などの属性情報、被験者の体調に関する情報(設問および設問に対する被験者の回答)、および、測定された被験者のヘモグロビン濃度値などの情報がサーバ200に格納されるように構成されている。
【0043】
次に、図2〜図13を参照して、本発明の一実施形態による体調管理支援装置100の処理動作について説明する。
【0044】
まず、被験者によるPC10の操作入力に基づきアプリケーションプログラム16aが選択されると、CPU13によりアプリケーションプログラム16aが起動される。これにより、図6に示すように、初期画面301がディスプレイ12に表示される。この初期画面301の画面下部には、被験者が鉄分不足度チェック(体調管理支援装置100の処理動作)の概要を容易に把握することが可能なように、体調管理支援装置100の処理フロー303が表示されている。また、初期画面301の画面右側には、「はじめる」ボタン302が大きく表示されている。被験者がタッチパッド11bなどを用いて「はじめる」ボタン302をクリック操作することにより、処理が開始される。
【0045】
図7に示すように、ステップS1では、被験者に対するアンケート(質問)処理が行われる。アンケート処理は、図4に示した被験者に対する質問(アンケート項目)のディスプレイ12への表示と、キーボード11aまたはタッチパッド11bなどを用いた被験者による情報入力(質問への回答)の受け付けとによって行われる。アンケート項目の情報入力が完了すると、ステップS2に進み、ヘモグロビン推定器30を用いて、被験者のヘモグロビン濃度の測定および解析処理が行われる。そして、ステップS3では、ステップS1で得られた被験者に対するアンケートの分析結果(鉄分不足度)と、ステップS2で得られた被験者のヘモグロビン濃度の測定結果と、これらの分析結果および測定結果に基づく総合評価のメッセージ(図5参照)とを含む結果表示画面311(図3参照)が、ディスプレイ12に表示される。以下では、ステップS1〜S3の各処理の詳細について説明する。
【0046】
まず、図4、図7〜図9を参照して、ステップS1において行われるアンケート処理について説明する。このアンケート処理では、図8に示すように、ステップS11において、CPU13によりハードディスク16に格納されたアンケート情報16bが読み出され、アンケート項目がディスプレイ12に表示される。図4に示すように、被験者の属性に関するアンケートは、被験者の性別、年齢、身長および体重の4つの情報(質問)からなる。被験者の体調に関するアンケートは、「最近疲れやすくなった」、「顔色が悪いといわれることがある」などの鉄分不足に起因する可能性のある自覚症状の有無についての質問や、「朝食を食べないことが良くある」、「ダイエットで食事制限をしている」などの鉄分不足になり易い生活習慣の有無についての質問を含んでいる。被験者の体調に関する質問は、それぞれ対応する鉄分不足度(点数)が設定されており、該当する数が多いほど鉄分不足度が高い(鉄分不足の可能性が高い)ことを示している。なお、図4には、各質問の回答(「はい」および「いいえ」)を選択した場合の鉄分不足度(点数)が括弧内の数字により示されている。各質問の鉄分不足度(点数)は、質問の項目毎に、それぞれ質問の内容に応じた重み付けがされている。つまり、鉄分不足との関係が密接である質問ほど高い点数(鉄分不足度)が設定されている。たとえば、この鉄分不足度(点数)は、「最近疲れやすくなった」、「顔色が悪いといわれることがある」などの項目(鉄分不足度1点)と比較して、より鉄分不足との関連性の高いと考えられる「ダイエットで食事制限をしている」、「抜け毛・枝毛が増えた」(鉄分不足度2点)などのアンケート項目に、より高い点数が設定されている。
【0047】
図8に示すように、ステップS11でアンケート項目がディスプレイ12に表示されるとともに、ステップS12において、CPU13により、被験者による情報入力が受け付けられる。キーボード11aまたはタッチパッド11bなどを介して情報入力が受け付けられると、ステップS13に進む。ステップS13では、CPU13により、全ての項目に回答済みか否かが判断される。未回答の質問が存在する場合には、ステップS11に戻り、CPU13によりアンケート項目の表示および回答の入力受け付けが再度行われる。ステップS11〜S13が繰り返されることにより、被験者の属性に関するアンケート(4問)と、被験者の体調に関するアンケート(13問)との合計17問の質問に対する回答(情報入力)が得られた場合には、ステップS14に進む。
【0048】
次に、ステップS14では、被験者の属性に関するアンケート(4問)の内の身長および体重の情報に基づき、CPU13により被験者のBMI(Body Mass Index)が算出される。BMIの算出式を以下の式(1)に示す。
【0049】
B=W/H・・・・・(1)
上記式(1)において、BはBMI(kg/m)、Wは体重(kg)、Hは身長(m)をそれぞれ表す。なお、このBMIが18.5未満の場合には「低体重」とされ、食事制限などのダイエットを被験者が行っている場合などに起因する鉄分不足となっている可能性がある。
【0050】
ステップS15では、被験者の体調に関するアンケート(13問)の結果に基づき、CPU13により被験者の鉄分不足度が算出される。具体的には、図4における各アンケート項目の回答(「はい」または「いいえ」欄参照)に応じて重み付けして設定された点数に基づき、被験者の鉄分不足度が各アンケート項目の合計点数として数値(点数)化されて算出される。なお、被験者の体調に関するアンケート(13問)以外にも、被験者のBMIの値が低体重(BMI 18.5未満)の場合にも鉄分不足の可能性があるため、さらに1点の鉄分不足度が設定されている。
【0051】
ステップS16では、CPU13により、被験者のヘモグロビン濃度測定における再測定を行うか否かの閾値が設定される。後述するように、この閾値を下回るヘモグロビン濃度が測定された場合には、ヘモグロビン濃度の再測定が行われることにより測定精度を向上させる。ヘモグロビン濃度の閾値は、ヘモグロビン濃度の基準値(適正範囲)の下限値として設定される。本実施形態では、このヘモグロビン濃度の基準値は、図9に示すように、被験者の性別、年齢および妊娠の有無によって被験者毎に異なる。具体的には、たとえば12歳未満の男女の場合、ヘモグロビン濃度の基準値は約11(g/dl)以上約15(g/dl)以下とされている。この場合の閾値は、約11(g/dl)に設定される。また、15歳以上の女性であればヘモグロビン濃度の基準値は約12(g/dl)以上約15(g/dl)以下とされているが、妊娠中においては、ヘモグロビン濃度の基準値は約11(g/dl)以上約15(g/dl)以下とされている。したがって、閾値は、15歳以上の女性の場合および妊娠中の場合に、それぞれ、約12(g/dl)および約11(g/dl)に設定される。このように、被験者の属性に関するアンケート(4問)に含まれる被験者の性別および年齢の情報と、被験者の体調に関するアンケート(13問)に含まれる被験者の妊娠の有無に関する情報とに基づき、ヘモグロビン濃度の閾値が設定される。
【0052】
ステップS17では、CPU13により、「被験者の鉄分不足度が8以上」および「被験者のBMIが18.5未満(低体重)」の少なくともいずれかに該当するか否かが判定される。ステップS14およびS15の結果に基づき、この条件に該当すると判断された場合には、ステップS18に進み、ステップS2(図7参照)のヘモグロビン濃度の測定・解析処理におけるヘモグロビン濃度測定の測定回数が2回に設定される。一方、条件に該当しない場合には、ステップS19に進み、ヘモグロビン濃度測定の測定回数が1回に設定される。すなわち、「被験者の鉄分不足度が8以上」および「被験者のBMIが18.5未満(低体重)」の少なくともいずれかに該当する場合には、鉄分不足の可能性が高いと考えられるため、1回目のヘモグロビン濃度の測定結果に拘らずヘモグロビン濃度の測定を2回行う。以上により、ステップS1のアンケート処理が完了する。
【0053】
次に、図6、図8および図10を参照して、ステップS2において行われるヘモグロビン濃度の測定・解析処理について説明する。
【0054】
まず、図10のステップS21において、CPU13により、ヘモグロビン濃度の測定における測定回数をカウントするためのカウンタが初期化(「0」に設定)される。そして、ステップS22に進み、CPU13により、測定開始ボタン(図示せず)が押下げ入力を受け付けたか否かが判断される。この際、ディスプレイ12には、ヘモグロビン推定器30による測定方法の説明などとともに、図6に示した初期画面301の「はじめる」ボタン302と同様にして、測定開始ボタンが表示される。そして、被験者により、キーボード11aまたはタッチパッド11bなどを介して測定開始ボタンの押下げ入力が受け付けられるまでステップS22の判断が繰り返される。そして、測定開始ボタンの押下げ入力が受け付けられるとステップS23に進む。
【0055】
ステップS23では、CPU13により、ヘモグロビン推定器30に対してI/O19を介して測定開始信号が送信される。この測定開始信号に基づき、ヘモグロビン推定器30によって被験者の指の血管が撮像される。撮像された画像データは、ヘモグロビン推定器30からPC10に対して送信される。
【0056】
ステップS24では、CPU13により、ヘモグロビン推定器30からの測定データ(画像データ)が受信されたか否かが判断される。画像データが受信されるまでの間は、CPU13によりステップS24の判断が繰り返されることによって測定データ(画像データ)の送信が待ち受けられる。測定データ(画像データ)が受信されると、ステップS25に進む。
【0057】
ステップS25では、CPU13により、受信した測定データが画像解析されることにより、被験者のヘモグロビン濃度の算出が行われる。そして、ステップS26において、CPU13により、カウンタの値が「1」加算される。すなわち、測定回数が1回分カウントされる。
【0058】
ステップS27では、CPU13により、ヘモグロビン濃度の測定が不能であるか否かが判断される。被験者の指がヘモグロビン推定器30の適切な位置にセットされていない場合など、正常に画像が取得できない場合には、測定不能と判断されてステップS28に進む。そして、ステップS28でディスプレイ12にエラー表示がされるとともに、処理が終了される。受信した測定データからヘモグロビン濃度が算出された場合(測定不能ではない場合)には、ステップS29に進む。
【0059】
ステップS29では、CPU13により、算出されたヘモグロビン濃度が設定された閾値未満であるか否かが判断される。すなわち、ステップS16(図8参照)において被験者の性別、年齢および妊娠の有無に基づいて設定されたヘモグロビン濃度の閾値と、測定されたヘモグロビン濃度値とが比較されることにより、ヘモグロビン濃度が設定された閾値未満であるか否かが判断される。ヘモグロビン濃度値が閾値未満となる場合には、ステップS30に進み、ヘモグロビン濃度値が閾値以上の場合には、ステップS31に進む。
【0060】
ステップS30では、CPU13により、カウンタの値が「1」であるか否かが判断される。すなわち、測定回数が1回目であるか否かが判断される。測定回数が1回目である場合には、ヘモグロビン濃度が閾値を下回ったことに基づいて、再測定を行うためにステップS22に戻る。一方、測定回数が2回目の場合には、ヘモグロビン濃度測定・解析処理が終了する。
【0061】
ステップS31では、CPU13により、測定されたヘモグロビン濃度が低信頼データであるか否かが判断される。ステップS25における測定データ(画像データ)の画像解析に際して、たとえば血管が指の皮膚表面から深い位置を通っている場合や、冷気や冷水にさらされた直後などの指先の温度が低い場合(静脈酸素化指標が低い場合)には、画像解析によるヘモグロビン濃度値の信頼性は低下してしまう。このため、測定されたヘモグロビン濃度が低信頼データであると判断された場合には、ステップS32に移行して低信頼フラグが設定される。一方、低信頼データではないと判断された場合には、フラグ設定を行うことなくステップS33に進む。
【0062】
ステップS33では、CPU13により、カウンタの値が設定された測定回数以上であるか否かが判断される。測定回数が2回(鉄分不足度が8以上および/またはBMI18.5未満)であって、カウンタの値が「1」の場合には、ステップS22に戻り、2回目の測定が開始される。一方、測定回数が1回(鉄分不足度が8未満、かつ、BMI18.5以上)の場合や、測定回数が2回の場合でカウンタの値が「2」の場合には、カウンタの値が設定された測定回数以上であると判断されることにより、ヘモグロビン濃度の測定および解析処理が終了する。以上により、ヘモグロビン濃度の測定・解析処理が完了して、ステップS3の結果表示処理に進む。
【0063】
次に、図2、図3、図5、図6および図9〜図13を参照して、ステップS3において行われる結果表示処理について説明する。
【0064】
結果表示処理では、図3に示すように、CPU13によりディスプレイ12に結果表示画面311が表示される。まず、図11のステップS41において、測定結果としてのヘモグロビン濃度値および分析結果としての鉄分不足度が、数値表示される。すなわち、結果表示画面311の鉄分不足度表示欄312にステップS1(図7参照)で算出された鉄分不足度(点数)が表示されるとともに、ヘモグロビン測定値表示欄313(ヘモグロビン推定値)にステップS2(図7参照)で測定されたヘモグロビン濃度値が表示される。ここで、上述のように、鉄分不足度が8以上の場合およびBMIが18.5未満の場合(測定回数2回の場合)、または、測定されたヘモグロビン濃度値が設定された閾値未満の場合(再測定を行う場合)の少なくともいずれかに該当した場合(測定が2回行われた場合)には、2回目に取得された測定値が採用される。これは、一般的に1回目の測定では、被験者が測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすいためである。また、ステップS32(図10参照)において低信頼フラグが設定されている場合には、ヘモグロビン測定値に低信頼を示すマーク(図示せず)が表示される。
【0065】
次に、ステップS42において、ヘモグロビン濃度および鉄分不足度をパラメータとした図表(グラフ)314が結果表示画面311に表示される。この図表314は、図3に示すように、横軸にヘモグロビン測定値(推定値)をとり、縦軸に鉄分不足度をとった図表である。そして、図表314には、分析結果である被験者の鉄分不足度と測定結果である被験者のヘモグロビン濃度とを示すプロット点314aが表示される。
【0066】
この際、図表314は、ステップS16で設定されたヘモグロビン濃度の閾値と、測定回数を2回に設定するか否かの鉄分不足度の閾値(8点)とを境界として、色分けして表示される。なお、図9に示したように、ヘモグロビン濃度の閾値は被験者の属性情報(性別や年齢など)によって異なるので、この図表314の横軸の境界線も被験者毎に閾値に応じた位置に配置される。たとえば、図12に示すように、被験者が15歳以上の男性の場合、ヘモグロビン濃度の閾値(基準値の下限値)は13(g/dl)(図9参照)であるので、図表314の横軸の境界線も13(g/dl)の位置に配置される。一方、図13に示すように、被験者が12歳未満の男女または妊娠中である場合には、ヘモグロビン濃度の閾値は11(g/dl)であるので、図表314の横軸の境界線も11(g/dl)の位置に配置される。
【0067】
そして、図3に示すように、図表314において、ヘモグロビン濃度が閾値未満かつ鉄分不足度が閾値以上の領域314bは、鉄分が不足している可能性が高い要注意領域であるので、赤色などの注意が必要であることを示す色により表示される。また、ヘモグロビン濃度が閾値未満で鉄分不足度は閾値以下となる領域314c、および、鉄分不足度が閾値以上でヘモグロビン濃度は基準値(適正値)となる領域314dは、自覚症状とヘモグロビン濃度の測定値とのいずれかに問題が認められる領域であるので、赤色領域(領域314b)よりは軽度ではあるものの注意が必要であることを示す黄色など(図では無地で表示している)により表示される。一方、ヘモグロビン濃度が基準値(適正値)であり、かつ、鉄分不足度も閾値未満となる領域314eは、ヘモグロビン濃度および鉄分不足度のいずれにも問題がない事を示す青色などにより表示される。
【0068】
次に、ステップS43において、CPU13により、今回の分析結果および測定結果を総合評価するメッセージがハードディスク16のメッセージ情報16bから読み出されるとともに、結果表示画面311のメッセージ表示欄315に表示される。このメッセージは、被験者の属性情報(性別、年齢、妊娠の有無など)に応じて異なるメッセージが表示されるように、被験者の属性毎に異なる複数のメッセージパターンが用意されている。なお、図5には、15歳以上の男女用のメッセージパターンを示している。このメッセージパターンには、ヘモグロビン濃度と鉄分不足度とに応じた9種類のメッセージが含まれている。すなわち、鉄分不足度が2点以下(充足)、3点以上8点未満(鉄分不足の可能性あり)、および、8点以上(鉄分不足の可能性高い)の各区分に応じて、3種類ずつのメッセージが含まれている。この区分毎の3種類のメッセージは、ヘモグロビン濃度が基準値(閾値以上)、閾値よりも僅かに低値、および、閾値よりも低値の3種類の濃度区分に対応している。以上の各区分のいずれに該当するかに応じて、被験者のヘモグロビン濃度および鉄分不足度に対応するメッセージが選択される。また、このメッセージパターンには、所定の条件(質問13「ダイエット(で食事制限を)している」(図4参照)が「はい」、かつ、BMI18.5未満)に合致した場合に表示される追加メッセージM2も含まれている。このようにして、メッセージ表示欄315に表示されるメッセージは、被験者の鉄分不足度とヘモグロビン濃度との組み合わせに応じて複数のメッセージから選択される。したがって、図3の結果表示画面311の例では、鉄分不足度11点(8点以上)、ヘモグロビン濃度12.5(g/dl)(12(g/dl)以上)であることから、図5のメッセージM1(要改善レベル)が選択されるとともに、メッセージ表示欄315に表示されている。なお、この図3の結果表示画面311に示した例は、被験者が15歳以上の女性である場合の例を示している。
【0069】
以上により、ステップS3の結果表示処理が完了する。被験者は、結果表示画面311の「トップに戻る」ボタン316を入力することにより、初期画面301(図6参照)に戻ることが可能である。また、この結果表示画面311をプリンタ40(図2参照)を用いて印刷したり、分析結果、測定結果、各アンケート項目の回答内容などをサーバ200(図2参照)に送信することが可能である。このようにして、体調管理支援装置100の処理動作が行われる。
【0070】
本実施形態では、上記のように、CPU13による被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果およびヘモグロビン推定器30によるヘモグロビン濃度の測定結果を含む結果表示画面311をディスプレイ12に表示させることによって、被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と、ヘモグロビン濃度の測定結果との両方をディスプレイ12に表示させることができる。このため、被験者は、ヘモグロビン濃度の測定結果と別途用意された表などとを照らし合わせる作業を行うことなく、ヘモグロビン濃度の測定結果と分析結果との両方をディスプレイ12の画面上において確認することができる。これにより、被験者は、ディスプレイ12の画面に表示されたヘモグロビン濃度の測定結果と鉄分不足度の分析結果とに基づいて、容易に、鉄分の充足状況についての客観的な判断を行うことができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13により、被験者の鉄分不足度とヘモグロビン推定器30により取得される被験者のヘモグロビン濃度とをパラメータとする図表314を含む結果表示画面311をディスプレイ12に表示させることによって、ディスプレイ12に表示された図表314から、被験者が自身の鉄分の充足状況を視覚的に容易に把握することができるので、鉄分の充足状況についての判断をより容易に行うことができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、結果表示画面311の図表314を、被験者の鉄分不足度の閾値(8点)およびヘモグロビン濃度の閾値を境界として色分けすることによって、たとえばヘモグロビン濃度が閾値よりも低く、かつ、鉄分不足度が閾値よりも高い領域314b(鉄分不足の可能性が高い領域)を注意が必要であることを示す赤色で表示するなどにより、被験者が自身の鉄分の充足状況をより容易に把握することができるように表示することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13により、被験者の鉄分不足度とヘモグロビン濃度とに応じて、分析結果および測定結果に関するメッセージ(図5参照)を結果表示画面311のメッセージ表示欄315に表示させることによって、被験者が鉄分の充足状況についての判断を行う際に参考とすることが可能な客観的な情報を、被験者に提供することができる。これにより、被験者は、鉄分の充足状況についての客観的な判断を容易に行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13による分析結果としての被験者の鉄分不足度が閾値(8点)以上の場合に、ヘモグロビン推定器30による被験者のヘモグロビン濃度の測定回数を2回に設定することによって、被験者の鉄分不足度が閾値(8点)よりも高い(鉄分不足の可能性が高い)場合に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行う結果、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、分析結果としての被験者のBMIが18.5未満(低体重)の場合に、ヘモグロビン推定器30による被験者のヘモグロビン濃度の測定回数を2回に設定することによって、低体重に該当する被験者は食事制限などにより鉄分不足となっている可能性が高いので、被験者の身長および体重から低体重と判断される場合(BMIが18.5未満の場合)に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行う結果、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、ヘモグロビン推定器30により測定されたヘモグロビン濃度が閾値(基準値の下限値)以下の場合に、ヘモグロビン推定器30による被験者のヘモグロビン濃度の再測定を行うことによって、被験者のヘモグロビン濃度が第2閾値よりも低い(鉄分不足の可能性が高い)場合に、測定に不慣れなために測定精度が低くなりやすい第1回目の測定に加えて、ヘモグロビン濃度の再測定(第2回目の測定)を行う結果、鉄分不足の可能性が高い被験者に対してのヘモグロビン濃度の測定精度を高めることができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13により、被験者の性別、年齢および妊娠の有無に応じてヘモグロビン濃度の閾値の値を設定することによって、ヘモグロビン濃度の適正範囲(基準値)は主として性別、年齢および妊娠の有無によって決定することができるので、これらの情報に基づいて被験者毎に適切なヘモグロビン濃度の閾値を設定することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、被験者の指に光を照射する光源31と、光源31により照射されるとともに被験者の指を透過した光を受光する受光部32とを含むヘモグロビン推定器30を用いて被験者の指を撮像するとともに、CPU13により、受光部32により受光したデータ(画像データ)を分析して被験者のヘモグロビン濃度を取得するように構成することによって、被験者のヘモグロビン濃度の測定を採血することなく行うことができる。これにより、被験者自身が単独でもヘモグロビン濃度測定を行うことができるとともに、ヘモグロビン濃度の測定結果に基づき、鉄分の充足状況についての判断を簡便かつ容易に行うことができる。
【0079】
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0080】
たとえば、上記実施形態では、CPU13により、被験者の属性および体調に関するアンケートを分析して鉄分不足度を算出する処理と、ヘモグロビン推定器30から送信されたデータからヘモグロビン濃度を取得する処理と、分析結果および測定結果を含む結果表示画面311をディスプレイ12に表示する処理とを行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アンケートを分析して鉄分不足度を算出する処理と、ヘモグロビン濃度を取得する処理と、結果表示画面311をディスプレイ12に表示する処理とを、それぞれ別個のCPUなどを用いて実行するように構成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、PC10とヘモグロビン推定器30とを別体で設けるとともに、USBケーブルなどを介して接続するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、PC10とヘモグロビン推定器30とを一体的に設けた専用の体調管理支援装置として構成してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、PC10のキーボード11aおよびタッチパッド11bを用いて被験者の属性および体調に関する情報入力を受け付けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、タッチパッド11bに代えて外部入力機器としてマウスを用いてもよいし、ディスプレイ12をタッチパネルにより構成し、表示画面上で情報入力を受け付けるように構成してもよい。このほか、たとえばマイクを用いて音声認識などにより情報入力を受け付けてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、光源31および受光部32を含むヘモグロビン推定器30を用いて被験者のヘモグロビン濃度の測定を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被験者のヘモグロビン濃度の測定を採血によって行ってもよいし、他のヘモグロビン濃度測定機器を用いて行うように構成してもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、ヘモグロビン推定器30を用いて被験者の指(指の血管)を撮像するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被験者の手首や、手のひらなどを撮像するように構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ヘモグロビン推定器30を用いて取得したデータ(画像データ)をPC10に送信し、CPU13によりデータを分析することによってヘモグロビン濃度を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ヘモグロビン推定器30にCPU13とは異なるデータ解析部を設け、ヘモグロビン推定器単独でヘモグロビン濃度を取得するように構成してもよい。この場合、PC10には、分析結果としてのヘモグロビン濃度値がヘモグロビン推定器から送信されるように構成すればよい。
【0086】
また、上記実施形態では、被験者の属性に関する情報として、被験者の性別、年齢、身長および体重の4項目の情報入力を受け付けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被験者の属性に関する情報として性別、年齢、身長および体重の4項目以外の項目の情報を取得するように構成してもよい。また、これらの4項目のいずれかの情報(たとえば性別および年齢)のみを取得するように構成してもよいし、これらの4項目を含む、より多くの項目の属性に関する情報を取得するように構成してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、被験者の鉄分不足度に関する情報として、図4の質問5〜17に記載した13項目の情報入力を受け付けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被験者の属性に関する情報として、図4に示した質問以外の質問を含むように構成してもよい。また、質問数も、14問以上でも、12問以下でもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、被験者の鉄分不足度に関する情報として、鉄分の不足に関連する被験者の体調に関する情報を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被験者の鉄分不足度に関する情報として、被験者の食事に関する情報を取得するように構成してもよい。すなわち、被験者が鉄分を多く含む食品を日常的に摂取しているか否かに関する質問などをアンケート項目に含めることにより、被験者の鉄分不足度を算出するように構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、図4の質問5〜17に記載した被験者の鉄分不足度に関する13項目の質問について、それぞれ鉄分不足度の点数を1点または2点に重み付けした例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1点または2点以外のより細分化した重み付けを行ってもよいし、全ての質問について一律に同一の点数を設定してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、結果表示画面311にヘモグロビン濃度および鉄分不足度をパラメータとした図表314を表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図表を表示させることなく、分析結果および測定結果として数値のみを表示してもよい。また、逆に、分析結果および測定結果としての数値を表示せずに、ヘモグロビン濃度および鉄分不足度をパラメータとした図表のみを表示してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、図表314を、ヘモグロビン濃度の閾値と、鉄分不足度の閾値とを境界として、色分けして表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図表を境界毎に色分けして表示することなく、単に測定結果および分析結果をプロットするのみでもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、図表314の色分けされた領域314bを赤色、領域314cおよび314dを黄色、領域314eを青色表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。各領域は、赤色、黄色および青色以外の色を用いて色分けしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、結果表示画面311のメッセージ表示欄315に分析結果および測定結果に関するメッセージを表示するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、分析結果および測定結果に関するメッセージを表示することなく、分析結果および測定結果のみを表示するように構成してもよい。また、メッセージの内容についても、図5に示したメッセージ以外のメッセージを表示するように構成してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、ヘモグロビン濃度の再測定を行うための閾値を、被験者の性別、年齢および妊娠の有無に基づいて設定するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘモグロビン濃度の再測定を行うための閾値を被験者の性別および年齢のみに基づいて設定してもよい。また、ヘモグロビン濃度の再測定を行うための閾値を、被験者の性別、年齢および妊娠の有無のいずれか1つにのみ基づいて設定してもよい。また、ヘモグロビン濃度の再測定を行うための閾値を性別や年齢などによらず所定値に固定的に定めてもよい。また、被験者の性別、年齢および妊娠の有無以外の他の情報に基づいて閾値を設定するように構成してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、被験者の鉄分不足度が8以上および/またはBMI18.5未満の場合には測定回数を2回に設定するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、鉄分不足度が8以上の場合にのみ、測定回数を2回に設定するようにしてもよいし、鉄分不足度やBMIによっては測定回数を設定することなく、「ヘモグロビン濃度が閾値未満となるか否か」のみに基づいて再測定を行うように構成してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、ヘモグロビン推定器30を用いて被験者のヘモグロビン濃度の測定が2回行われた場合には、2回目に取得された測定値をヘモグロビン濃度の測定結果として採用するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被験者のヘモグロビン濃度の測定が2回行われた場合に、2回の測定値の平均値をヘモグロビン濃度の測定結果として採用してもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、鉄分不足度が8以上の場合およびBMIが18.5未満の場合、または、測定されたヘモグロビン濃度値が設定された閾値未満の場合の少なくともいずれかに該当した場合に、ヘモグロビン濃度の測定を2回行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、再測定の条件を設定せずに、常に1回に限って測定を行うように構成してもよい。また、再測定の条件を満たした場合には、3回以上の測定を行う(再測定を2回以上行う)ように構成してもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、PC10からサーバ200に測定データを送信可能に構成して例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーバ200を設けなくともよい。
【0099】
また、上記実施形態では、出力部としてディスプレイ12を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、出力部としてプリンタを用いてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、PC10に、ヘモグロビン推定器30が接続されている例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、PC10に血圧計および体重計などの装置が接続されており、これらの装置によって測定された被験者の血圧および体重がPC10に送信されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 PC
11a キーボード
11b タッチパッド
12 ディスプレイ
13 CPU
16a アプリケーションプログラム
30 ヘモグロビン推定器
31 光源
32 受光部
100 体調管理支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部と、
被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部により入力が受け付けられた前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するデータ分析部と、
前記被験者のヘモグロビン濃度を測定する測定部と、
前記データ分析部による分析結果および前記測定部による測定結果を前記出力部に出力させる出力制御部とを備える、体調管理支援装置。
【請求項2】
前記被験者の属性に関する情報は、性別、年齢、身長および体重の少なくともいずれかの情報を含む、請求項1に記載の体調管理支援装置。
【請求項3】
前記被験者の鉄分不足度に関する情報は、鉄分の不足に関連する被験者の体調に関する情報を含む、請求項1または2に記載の体調管理支援装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記出力制御部により前記出力部に出力された質問に対して前記被験者が回答する形式により、前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付けるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項5】
前記データ分析部は、前記被験者の体調に関する情報を分析し、分析結果として被験者の鉄分不足度を取得するように構成されている、請求項3に記載の体調管理支援装置。
【請求項6】
前記被験者の体調に関する情報は、前記被験者の体調に関する複数の項目を含み、前記項目の内容に応じて、複数の異なる前記鉄分不足度の重み付けがされている、請求項5に記載の体調管理支援装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、前記データ分析部により取得される被験者の鉄分不足度に関する情報と前記測定部により取得される被験者のヘモグロビン濃度とをパラメータとする図表を、前記出力部に出力させるように制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項8】
前記図表は、前記被験者の鉄分不足度に関する情報の所定値および前記ヘモグロビン濃度の所定値を境界として色分けされている、請求項7に記載の体調管理支援装置。
【請求項9】
前記出力制御部は、前記データ分析部による分析結果と前記測定部による測定結果とを、数値として前記出力部に出力させるように制御するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記データ分析部による分析結果と前記測定部による測定結果とに応じて、前記分析結果および前記測定結果に関するメッセージを前記出力部に出力させるように制御するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項11】
前記データ分析部は、さらに、前記データ分析部による分析結果および前記測定部による測定結果の少なくとも一方に基づき、前記測定部による前記被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定するように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項12】
前記データ分析部は、前記データ分析部による分析結果としての前記被験者の鉄分不足度が第1閾値以上の場合に、前記測定部による前記被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うように前記測定部を制御するように構成されている、請求項11に記載の体調管理支援装置。
【請求項13】
前記被験者の属性に関する情報は、被験者の身長および体重の情報を少なくとも含み、
前記データ分析部は、前記被験者の身長および体重に基づいて算出される分析結果としての低体重の指標となる値に基づき、前記測定部による前記被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うか否かを判定するように構成されている、請求項11または12に記載の体調管理支援装置。
【請求項14】
前記データ分析部は、前記測定部により測定されたヘモグロビン濃度が第2閾値以下の場合に、前記測定部による前記被験者のヘモグロビン濃度の測定を再度行うように前記測定部を制御するように構成されている、請求項11〜13のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項15】
前記データ分析部は、前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報の少なくとも一方に応じて、前記第2閾値の値を設定するように構成されている、請求項14に記載の体調管理支援装置。
【請求項16】
前記データ分析部は、前記被験者の性別、年齢および妊娠の有無の少なくともいずれかに応じて、前記第2閾値の値を設定するように構成されている、請求項15に記載の体調管理支援装置。
【請求項17】
前記測定部は、
被験者の指に光を照射する光源と、
前記光源により照射されるとともに前記被験者の指を透過した光を受光する受光部とを含み、
前記データ分析部は、前記受光部により受光したデータを分析して前記被験者のヘモグロビン濃度を取得するように構成されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の体調管理支援装置。
【請求項18】
被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付けるステップと、
受け付けられた前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するステップと、
前記被験者のヘモグロビン濃度を測定するステップと、
前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報の分析結果と前記被験者のヘモグロビン濃度の測定結果とを出力部に出力させるステップとを備える、体調管理支援方法。
【請求項19】
コンピュータを、
被験者の属性に関する情報および被験者の鉄分不足度に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられた前記被験者の属性に関する情報および前記被験者の鉄分不足度に関する情報を分析するデータ分析手段と、
前記データ分析手段による分析結果および前記被験者のヘモグロビン濃度の測定結果を出力部に出力させる出力制御手段と、として機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−62326(P2011−62326A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215225(P2009−215225)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】