説明

体重管理のための亜麻仁

本発明は、体重を減少させたい被験体の、正のエネルギーバランス、体重増加、および肥満を予防するための、かつ負のエネルギーバランスと体重減少とを誘導するための、哺乳動物の消化管での脂肪の摂取を低下させる方法に関する。特に本発明の食物および/または飲料成分と栄養補助食品は、消化管からの便による脂肪排泄を増加させるのに有用な亜麻仁を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重管理(すなわち正のエネルギーバランス、体重増加、および体重超過の予防、体重超過と肥満の治療、ならびに美容目的の脂肪減少)のための方法、食品成分、および栄養補助食品に関する。特に本発明の食品成分と栄養補助食品は、消化管での脂肪取り込みを低下させ、体重を減少させたい被験体の負のエネルギーバランスと体重減少とを誘導するのに有用な亜麻仁(flaxseed)を含む。
【背景技術】
【0002】
現在の先進工業国の生活様式は、肉体的作業が少なく脂肪や炭水化物の摂取が増加していることが特徴であり、その結果エネルギー摂取がエネルギー消費を上回っている。このエネルギーバランスのシフトが、体内での脂肪の形でのエネルギーの貯蔵を引き起こし、生活様式に関連する長期のエネルギー不均衡のために、体重超過と肥満が増加している。
【0003】
体重超過している人の割合は毎年増加しており、いくつかの国では肥満は流行病と言える比率に達している。体重超過と肥満が引き起こす健康リスクは多く、これらの状態が、高血圧、脳卒中、II型糖尿病、胆嚢疾患、および虚血性心疾患のような疾患に罹ったヒトの罹患率と死亡率の一因になっていることが証明されている。よりやせた体を得るかまたは維持するために栄養補助食品または薬剤に対する需要が増加し続けているため、体脂肪の美容的側面も考慮する必要がある。
【0004】
体重超過と肥満のリスクを低下させるための一般的な方法は、食事からの脂肪摂取を低下させて平均エネルギー摂取を減少させることである。食事からの脂肪は、食事のエネルギー密度の、従ってエネルギー摂取の主要な決定因子である。脂肪の毎日の摂取を低下させることと同時に、複合炭水化物の豊富な食物の摂取を増加させることが、多くの国で推奨される食事の一部である。
【0005】
さらなる方法は、消化性の低い食物を取ることである。食事の食物繊維含量は、エネルギーおよびエネルギーに寄与する主要栄養素の消化性の重要な決定因子である。食物中の食物繊維量を増加させることは満腹感を促進し、従ってエネルギー摂取を低下させ、摂取された食物が消化管中を移動する時間を短縮することが示唆されている。
【0006】
体重管理のための他の方法は、種々の薬剤を使用して消化管からの脂肪の吸収を低下させることである。脂肪は主にトリグリセリドの形で消費され、トリグリセリドをモノグリセリドと脂肪酸に分解して体が消化管から脂肪を吸収できるようにするためには膵臓リパーゼが必要である。US4,598,089は、膵臓リパーゼを阻害して脂肪吸収を低下させる化合物リプスタチン(lipstatin)とテトラヒドロリプスタチンを開示する。WO9933450は、シブトラミン(sibutramine)とオルリスタット(orlistat)の体重減少作用を開示する(ここで、シブトラミンは満腹感を増強することにより食物摂取の低下を促進し、オルリスタットは、摂取された脂肪をリパーゼが分解するのを阻害する)。US5,643,874は、肥満治療用にグルコシダーゼ/アミラーゼインヒビター(例えばアカルボーズ(acarbose)またはボグリボーズ(voglibose))およびリパーゼインヒビター(例えばオルリスタットまたはリプスタチン(lipstatin))を含む組成物を開示する。しかし、肥満の遺伝的成分および生活習慣を維持するのに関与する種々の心理的要因の複雑さを考慮すると、体重管理を管理し肥満に関連する合併症を低下させるのにかかる薬剤の長期有効性は不明である。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
すなわち代替治療法を特定することは、体重超過の治療と予防にとって好ましい。本発明者らは、有効量の亜麻仁(faxseed)製品、特に全加工亜麻仁の投与が、哺乳動物の消化管における脂肪の摂取を低下させることにより、体重を減らしたいと考えている被験体の正のエネルギーバランス、体重増加、体重超過、および肥満を予防し、かつ負のエネルギーバランスおよび体重減少を誘導するのに有効であることを発見した。従って本発明は、ヒトを含む哺乳動物の消化管からの便による脂肪排泄を増加させるのに有用な亜麻仁を含んでなる、方法、食物および/または飲料成分、および栄養補助食品を提供する。
【0008】
従って第1の態様において本発明は、哺乳動物の腸管から、亜麻仁製品から、および/または該亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に摂取される他の食物および/または飲料からの、便による脂肪排泄を増加させるための、食物および/または飲料製品の調製における亜麻仁製品の使用に関する。
【0009】
本発明のさらなる態様は、哺乳動物の腸管から、該亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に摂取される該食物および/または飲料製品の少なくとも7重量%の脂肪含量を有する食物および/または飲料製品からの、便による脂肪排泄を増加させるための亜麻仁製品の使用に関する。
【0010】
さらなる態様において、1〜50重量%の亜麻仁製品の含量に相当する亜麻仁製品の総含量を含む、少なくとも7重量%の脂肪含量を有する高脂肪含量の食物および/または飲料製品が提供される。
【0011】
さらに本発明は、該食物および/または飲料製品の摂取の前に、同時に、または直後に、有効量の亜麻仁製品を投与することを含む、摂取された食物および/または飲料からの、哺乳動物の便による脂肪排泄を増加させる方法を提供する。
【0012】
さらなる態様において、肥満を患う人に、亜麻仁製品を含む組成物の有効量を投与することを含む、肥満の治療法が提供される。
【0013】
本発明のさらなる態様は、亜麻仁製品または亜麻仁製品を含む組成物の有効量を経口投与することを含んでなる、体重超過の美容的治療または予防方法を提供する。
【0014】
さらに本発明は、美容的体重超過の治療または予防のための、水和および/または熱処理亜麻仁の使用に関する。
【0015】
本発明のさらなる態様は、哺乳動物の便による脂肪排泄を増加させるための、食品成分または栄養補助食品としての水和および/または熱処理亜麻仁の使用に関する。
【0016】
さらなる態様において本発明は、組成物は、美容的体重超過、医学的体重超過または肥満の治療または予防のための亜麻仁製品の有効量を経口投与するために調製されることを特徴とする、組成物の調製のための亜麻仁製品の使用に関する。
【0017】
さらに本発明は、亜麻仁製品および/または本発明の亜麻仁製品を含む食物および/または飲料製品を含む組成物を該被験体に投与することを含んでなる、被験体の体重超過または肥満の予防および/または低下方法に関する。
【0018】
最後に本発明は、亜麻仁製品を含む組成物の有効量を肥満を患う人に投与することを含んでなる、肥満の治療法に関する。
【0019】
発明の詳細な説明
亜麻仁は食物繊維が豊富(28g/100g)であり、同時に多量の食物脂肪(34g/100g)を含む。亜麻仁はしばしば、パンやマフィンのような普通に摂取される食物に添加され、ここで水分と味が加えられて、最終製品のおいしさに寄与する。さらに亜麻仁は、既知の植物リグナンの最も豊富な供給源として認識されており、亜麻仁の食事からの摂取は健康を維持するために重要であるとされている。従って亜麻仁は、いくつかの食品で栄養補助食品として使用されている。US5,612,074は、非調理食品バーの成分として亜麻仁の使用を開示し、WO0019842は、食事において健康な油ならびに繊維を提供するための肉製品における亜麻仁繊維および亜麻仁油の使用を開示する。さらに粉砕された亜麻仁の安定な懸濁物の製造方法が、US4,857,326に記載されている。懸濁物は、安定な懸濁物中で健康な油を入手できるため、血清コレステロールを低下させるのに特に有用である。すなわち食物の味を良くするための、および/または繊維を提供するための、および健康な油を提供するための食事成分としての亜麻仁の使用は、当該分野で公知である。
【0020】
しかし亜麻仁は、後述のように本発明で使用される時、体重を減らしたい被験体の便による脂肪排泄を促進し、すなわち腸管からの脂肪の摂取を低下させ、こうして正のエネルギーバランスを防止し、負のエネルギーバランスを誘導することが発見されたことは驚くべきことである。この知見は、ヒトのような哺乳動物における体重超過の治療と予防を含む、体重の全体的管理のための亜麻仁製品の使用の基礎となった。本明細書において用語「予防」は、本明細書に記載したような亜麻仁製品の使用が、体重超過と肥満の開始を妨害するか、または体重増加を引き起こす正のエネルギーバランスを妨害することを意味するか、または亜麻仁製品を摂取していない被験体と比較して亜麻仁製品を摂取している被験体における体重超過と肥満の進展の程度が小さいことを意味する。
【0021】
本明細書において用語「体重の管理」は、「望ましい体重」の維持または達成のために体重を調節するすべての観点をカバーする。「望ましい体重」に対して「体重超過」および「肥満」という表現は、「望ましい体重」を超える体重を示すのに使用される。
【0022】
ヒトの「望ましい体重」、「標準体重」または「最適体重」は、体格指数(Body Mass Index:BMI)のような基準に従って定義され、これは体重対身長の関係(または比率)を表す一般的な尺度である(定義については後述)。BMIは、身長や体重のような他の単純な尺度より体脂肪に最も良く相関する。望ましいBMIレベルは年齢とともに変動するが、「標準」BMIは18.5〜24.9であると考えられている。
【0023】
「体重超過」の定義は、許容されるかまたは望ましい体重の基準と比較した場合、身長に対して体重が増加していることである。BMIの範囲が25〜25.9である個体は体重超過であると見なされる。
【0024】
肥満は、健康を害するのに充分な過剰の脂肪組織(fat)の蓄積を含む多因子性疾患である。上記したように体重超過と肥満はいくつかの疾患を発症させ、体重超過または肥満の人は一般に健康状態が悪い。肥満は、主に生活様式、特に食事の変更により防ぐことができるが、体重の減少を補助するのに真の治療が好ましくかつ必要である。
【0025】
肥満には多くのタイプがあるが、最も一般的には単一の尺度である、体重と身長の比である体格指数(BMI)(BMI=体重(kg)/身長(m)2)により評価される。世界保健機構(WHO)は、BMIの分類(下記表を参照)に従って体重不足、標準体重、体重超過、および肥満に分類している。身長に依存しない体重の尺度は、集団内および集団間の比較を容易にする。しかしBMI値は、脂肪を脂肪の少ない組織から区別できず、脂肪が特定の部位(例えば、より深刻な意味を有する腹部に)にあるかどうかを特定できない。腰周りの測定値も、腹部肥満を同定するための単純な手段として認識されてきている。体脂肪分布は、皮下脂肪値、腰対臀部周囲比、または超音波、コンピュータ断層撮影、もしくは磁気共鳴イメージングなどの方法により評価することができる。
【0026】
【表1】

【0027】
上記表1に示すように肥満の重症度はBMIの範囲により分類され、BMIが30〜34.9の場合は中程度で、35.0〜39.9のBMIは重症、そしてBMIが40を超えると非常に重症の肥満とされる。肥満の定義はまた、体内の脂肪の分布や脂肪組織の沈着物の大きさを考慮する場合もある。
【0028】
上記分類で「肥満」に入る個体は、体重超過の結果として健康への影響をはるかに受けやすい。2型糖尿病、心疾患、高血圧、および脳卒中を含むいくつかの重症の症状が肥満に関連している。肥満はまたある種の癌の頻度の高さに関連している。肥満の男性は非肥満男性より、結腸癌、直腸癌、または前立腺癌で死亡する確率が高い。肥満女性は非肥満女性より、胆嚢癌、乳癌、子宮癌、子宮頚癌、または卵巣癌で死亡する確率が高い。肥満に関連した他の疾患および健康問題には、胆嚢の疾患や胆石、肝臓疾患、骨関節炎(おそらく関節への過剰の重量の結果として関節が劣化する疾患)、痛風(関節に影響を与える他の疾患)、肺(呼吸)問題(睡眠中に短時間呼吸が停止する睡眠時無呼吸を含む)、女性の生殖器問題(生理不順および不妊症を含む)がある。医療提供者は一般に、肥満の男性または女性ほど健康上の問題が発症し易いと考えている。
【0029】
「美容的体重超過」という表現は、個人に対する直接の医学的意味は無いが、美容的理由から満足できない範囲である。体のサイズによりファッションは変化するため、ある人は「正常な体重」を「美容的体重超過」と考えることがある。その結果このような人は、美容的体重超過を治したいという要求を持っている。
【0030】
「脂肪消化性」という表現は、「脂肪吸収」、「脂肪の摂取」、「脂肪結合」および「脂肪消化」という用語と同義で使用される。本発明者らは、ヒトへの上記で定義した亜麻仁製品の投与は便による脂肪排泄に大きく影響し、すなわち便による脂肪排泄が脂肪摂取(亜麻仁製品から直接、または同時に摂取された食物および/または飲料からの)を超えることを見いだした。試験(明細書の実施例を参照)から、この作用は既知の「繊維効果」が原因ではないことは明らかであった。従って本発明の亜麻仁製品は、脂肪の消化性に本質的に影響を与える「脂肪保持能力」を示す。
【0031】
本明細書において用語「脂肪保持能力」および「脂肪排泄の上昇」は、本発明の亜麻仁製品の特徴を示すのに同義で使用される。脂肪保持能力/脂肪排泄の上昇は、亜麻仁製品を含む食事を与えられた個体の便による脂肪排泄を、亜麻仁製品を含まない同様の食事を与えられた対照群と比較することにより測定することが便利である。亜麻仁製品の脂肪保持作用は、後に定義される部分消化エネルギー値を計算することにより定量される。ある亜麻仁製品または亜麻仁強化食品が、脂肪排泄を増加させる能力を有するかどうかを測定するための具体的な試験は以下の通りである:哺乳動物の食事に18グラムのある亜麻仁製品を添加すると、主要栄養素とエネルギー含量は同様であるが本明細書の亜麻仁製品を添加していない対照食事と比較すると、少なくとも14グラム脂肪/日だけ便による脂肪排泄およびエネルギー排泄を増加させる。好ましくはこの上昇は、主要栄養素とエネルギー、および繊維含量は同様であるが本明細書の亜麻仁製品を添加していない対照食事と比較すると、より高く、少なくとも15グラム脂肪/日(20グラム脂肪/日を含む)、または少なくとも140グラム脂肪/日(例えば、280グラム脂肪/日、少なくとも420グラム脂肪/日を含む)である。本亜麻仁製品の証明された作用および種々の方法で活性成分を調製する可能性は、体重の管理において亜麻仁製品を使用する明らかな可能性を与える。
【0032】
本明細書において用語「繊維作用」は、消化と満腹感に及ぼす食物繊維摂取の生理学的作用を示す。可溶性食物繊維または複合繊維は、液体と混合すると容量が何倍にも増加し、従って満腹感を促進する。さらに不溶性食物繊維の豊富な食事は、摂取した食物および/または飲料の腸管中の通過時間(口から肛門へ)を短縮させる。従って全体の食物繊維作用は、総食物繊維摂取が、満足感または満腹感に寄与し、食間の満腹感を維持し、通過時間を短縮し、エネルギー摂取を減少させることにより、エネルギー摂取を低下させる。
【0033】
本明細書において用語「部分的消化可能エネルギー値」は、補助食品が基礎食に加えられる時、全体の消化可能な栄養物質の差を示す。多くのヒトの食事中の利用できない炭水化物の部分的消化可能エネルギー値の計算は、-20〜+10kJ/gの利用できない炭水化物の範囲であることがわかった。負の値は、利用できない炭水化物の多い食事に関連した、特にタンパク質と脂肪の便への追加の喪失を示す。部分的消化可能エネルギー値の計算の例は、以下の実施例に記載される。
【0034】
本明細書において用語「亜麻仁製品」および「活性成分」は、全亜麻仁および/または亜麻仁の一部、および/または「脂肪保持能力」を示す亜麻仁由来の任意の材料を意味する。さらに詳しくは用語「全亜麻仁」は、無傷の、破壊されていないある完全な亜麻仁に関するが、亜麻仁のすべての成分または部分が本発明において使用される亜麻仁粉および粉砕および破砕された亜麻仁である。用語「亜麻仁の一部」は、全亜麻仁の成分および/または一部を意味し、後述するように粘液(mucilage)、ならびにアラビノキシラン(arabinoxylan)類およびガラクツロン酸(これらは粘液の一部を形成する)を包含する。しかし亜麻仁油(flaxseed oil)または亜麻仁油(linseed oil)は脂肪保持能力を持たず、従って用語「亜麻仁の一部」は亜麻仁の油を包含しない。従って亜麻仁の油および脂肪部分は用語「亜麻仁製品」の意味には含まれず、従って本発明では請求されない。
【0035】
理論に拘束はされないが、本明細書に記載の亜麻仁製品および/または活性成分の脂肪保持能力の部分は、亜麻仁の粘液の結果であると考えられる。結合は亜麻仁の粘液と消化管中の脂肪との間で起き、従って脂肪の全体の消化性を低下させるという仮説が立てられる。水和により粘液が顕著に増加するため、水和プロセスは脂肪結合作用を最適化するのに重要である。従って粘液細胞は亜麻仁の1つの非常に重要な部分である。亜麻仁由来物質の他の関係する部分には、特に限定されないが、アラビノキシラン(arabinoxylan)類およびガラクツロン酸(これらは粘液の一部を形成する)を含む種皮(seed coat)がある。
【0036】
活性成分が、上記した亜麻仁の一部および/または亜麻仁由来の物質の形である場合、他の植物種から得られてもよいことに注意されたい。特に脂肪を哺乳動物の腸管に結合させることができかつ上記試験の条件を満足する粘液を含有する植物種もまた、本発明の範囲内である。かかる植物種の例は、例えばライ麦とオート麦である。
【0037】
用語「医薬組成物」は、治療用に調製された、本明細書の亜麻仁製品を含む組成物を意味する。本発明の医薬組成物はまた、空腹感を減少させ満腹感および代謝速度を増加させる物質(例えば緑茶、カフェインおよびエフェドリン)、および脂肪の摂取を低下(便による脂肪排泄を上昇)させる他の物質、口から肛門への通過時間などを低下させる物質を含む。本発明の医薬組成物は、特に限定されないが、食品成分、栄養補助食品、薬草化合物、生薬、散剤、カプセル剤、および錠剤を含む任意の所望の形で調製される。
【0038】
亜麻仁製品、すなわち全亜麻仁および/または亜麻仁の一部および/または亜麻仁由来の物質は、上記の医薬組成物として調製され、従ってその特徴を有する。しかし亜麻仁製品は、食物または飲料製品、すなわち食物および/または飲料組成物、または該亜麻仁製品を含む組成物としての調製に同様に適している。すなわち用語「調製された」は、組成物の調製、または該組成物を使用する食物および/または飲料製品の調製における、賦形剤、担体、ビヒクル、希釈剤、アジュバント、溶媒、共溶媒、保存剤、着色剤、香味剤、またはこれらの任意の組合せの選択に関する。用語「調製された」はさらに、組成物を使用する食物または飲料製品の調製における適当な食物および/または飲料成分の選択に関する。
【0039】
好ましくは、最大の脂肪保持能力を確保するために本発明の全亜麻仁および/または亜麻仁の一部は加工される。典型的には加工は、水和および熱処理を含む。亜麻仁および/またはその一部は、調製または使用の前、その最中または後に加工される。水和プロセスは、亜麻仁が膨潤することを可能にする時間、加湿環境(例えば、水または他の任意の適当な溶媒)における亜麻仁および/またはその一部の水和を含む。典型的な水和プロセスは、周囲温度、例えば少なくとも20℃、少なくとも24℃、または少なくとも37℃で、水または水性液体中で数時間、例えば少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、例えば少なくとも5時間水和することを含む。有用な実施態様において水和プロセスは、亜麻仁および/またはその一部を水または水性液体中で、最大5時間、最大4時間、最大3時間、例えば最大2時間(1時間を含む)水和することを含む。水和プロセスはまた、組成物、例えば食物組成物(例えばドウ)中で、または同時に摂取される食物および/または飲料製品中で行われる。さらに水和は、発酵プロセス中、例えばサワードウが膨張する場合、またはミルク製品(例えばヨーグルト)の発酵中に行われる。
【0040】
上記したように本発明の亜麻仁製品または組成物は任意の適当な方法で処理されるが、該処理製品または組成物の脂肪保持能力は保持されるものとする。すなわち亜麻仁製品または組成物は、製粉、粉砕、分離などを含む任意の所望のプロセスにより機械的に調製されるか、および/または水和、発酵、熱処理などにより物理的に調製される。
【0041】
適当な実施態様において熱処理は、60℃を超える温度、例えば70℃を超える温度、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、110℃、130℃、150℃、170℃、190℃、210℃、230℃、250℃、270℃、290℃、またはさらには300℃を超える温度を含む温度で行われる。好ましくは熱処理は、150℃〜300℃、例えば200℃〜250℃の範囲の温度で行われる。
【0042】
上記したように本発明の第1の態様は、哺乳動物の腸管から、該亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に該亜麻仁製品および/または他の食物および/または飲料からの、便による脂肪排泄を増加させるための食物および/または飲料製品の調製における亜麻仁製品の使用に関する。
【0043】
従って本発明の亜麻仁製品は、便による脂肪排泄を増加させる直接の結果として体重を管理することを目指す、低脂肪食または任意の他の食事の組み込まれた一部(例えば成分または栄養補助食品)として使用される。本明細書で定義される亜麻仁製品は、食物および/または飲料製品の摂取および/または食事の前に、同時に、または直後に投与または摂取してもよい。本明細書において用語「同時に」は、亜麻仁製品と食物および/または飲料製品が同じ食事内(例えば、1〜2時間離れて)に摂取されることを意味する。本発明において用語「前」は、亜麻仁製品を、食物および/または飲料製品が摂取される少なくとも1時間前に摂取するかまたは取ることを意味し、その逆の場合もある。本明細書において用語「後」または「直後」は、亜麻仁製品を、食物および/または飲料製品が摂取される少なくとも1時間後に摂取するかまたは取ることを意味し、その逆の場合もある。
【0044】
さらに本発明の亜麻仁製品は、糖尿病または循環器疾患の治療計画の一部として使用してもよい。さらに亜麻仁製品は、哺乳動物の腸管から、該製品および他の同時に摂取された食物および/または飲料からの、便による脂肪排泄を増加させるための食物および/または飲料製品として調製してもよい。
【0045】
亜麻仁製品の使用は好ましくはヒトのような被験体に関するが、任意の哺乳動物(例えばある動物)も本明細書で定義される亜麻仁製品で治療される。好適な実施態様において被験体は、体重を減らしたい哺乳動物またはヒトである。さらなる実施態様において、体重超過(例えば美容的体重超過または肥満)になっている被験体は、上記表1に示すようにBMIが少なくとも25であるヒトである。本発明の方法と使用は、表1に定義されるように体重超過、非肥満、または肥満被験体で特に有用であると考えられる。
【0046】
本発明の亜麻仁製品は、全亜麻仁および/または亜麻仁の1つ以上の部分、および/または亜麻仁由来の物質(上記で定義したように、ゴールデン(Golden)、ダファリン(Dufferin)、ラハブ(Rahab)、ベルヌ(Verne)、クラーク(Clark)、カルバート(Culbert)、カルバート79(culbert79)、フロール(Flor)、ライノット(Linott)、リントン(Linton)、マクレガー(McGregor)、ノーリン(NorLin)、ノルマン(NorMAn)、およびこれらの組合せよりなる群から選択される1つ以上の変種から得られる)を含む。
【0047】
上記したように本発明の亜麻仁製品は任意の適切な方法で加工または処理されるが、該加工された製品の脂肪保持能力は維持されなければならない。すなわち亜麻仁製品は、製粉、粉砕、分離などを含む任意の所望のプロセスにより機械的に調製されるか、および/または水和、発酵、熱処理およびこれらの組合せにより物理的に調製される。
【0048】
好適な実施態様において本発明で使用される亜麻仁製品は、上記で詳述したように、種皮(seed coat)、粘液、アラビノキシラン(arabinoxylan)類、ガラクツロン酸、およびこれらの組合せよりなる群から選択される亜麻仁の1つ以上の部分を含む。
【0049】
上記したように、観察された便による脂肪排泄の上昇が上記で定義した繊維作用には依存せず、便による脂肪排泄の上昇が口から肛門への通過時間の短縮にも依存しないことを、本発明の発明者らが認識したことは非常に驚くべきことであった。
【0050】
好適な実施態様において本発明で使用される場合、亜麻仁製品は、-1〜-40kJ/g亜麻仁製品の範囲(-10〜-30kJ/g亜麻仁製品の範囲を含み、例えば-15〜-25kJ/g亜麻仁製品の範囲)の上記した負の部分消化エネルギー値を有することを特徴とする。すなわち、例えば本発明の亜麻仁製品を基礎食に加えると、便による脂肪排泄は、亜麻仁製品自体からまたは同時に摂取した食物または飲料からの脂肪摂取を超えるであろう。すなわち正のエネルギーバランスが予防され、および/または負のエネルギーバランスが誘導され、体重を減らしたい被験体の体重が減少する。
【0051】
好適な実施態様において便による脂肪排泄は脂肪摂取を、少なくとも5%、例えば少なくとも10%、例えば少なくとも15%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも30、例えば少なくとも40%超える。本発明において亜麻仁製品は食物および/または飲料製品とともに摂取される場合、亜麻仁製品および食物または飲料を摂取する哺乳動物の腸管中の脂肪の摂取を低下させる。好適な実施態様において亜麻仁製品は、同時に摂取される食物および/または飲料中に存在する脂肪の消化性を、後述の実施例1で使用される方法により計算すると、5〜10%、好ましくは2〜15%、さらに好ましくは10〜18%、最も好ましくは20〜25%低下させる。
【0052】
便による脂肪排泄の上昇の結果としての美容的体重超過の予防または治療のための、または医学的体重超過または肥満の治療のための充分な1日量は、体重超過/肥満の重症度ならびに所望の結果を得るための個体の変動およびニーズに従って変動する。すなわち亜麻仁またはその任意の部分の1日量は、1〜100gの量の全亜麻仁、例えば1〜30gの量(10〜20gの量を含む)の全亜麻仁に等しい。典型的には1日量は、約5グラムの全亜麻仁、例えば10g、15g、25g、30g、35g、40g、45g、50g、60g、70g、80g、または90gの亜麻仁の量に等しい。かかる量は明らかに、亜麻仁の活性部分が直接使用されるよりはるかに多い。粘液は亜麻仁の5〜8重量%を構成し、従って100〜1000g粘液、150〜800g(250〜600g粘液を含む)の1日量が適している。
【0053】
すなわち便による脂肪排泄を増加させるためのおよび/または体重超過を治療するための典型的な摂取量は、約10〜25gの全亜麻仁/日に等しい用量であり、これは摂取された脂肪の通常4〜10%から15〜25%への便の脂肪の消失を引き起こす。これは、10〜20グラム脂肪/日または375〜750kJ/日、または300〜600g体重/月の便エネルギーの消失に相当する。本明細書において用語「便エネルギーの追加の喪失」は、負の部分消化エネルギー値に関し、従って全体の便による脂肪排泄が、上記したように亜麻仁添加による追加の脂肪摂取をかなり超えることに関する。
【0054】
さらなる実施態様において、食物および/または飲料製品中の本発明で使用される亜麻仁製品、亜麻仁の部分、および/または亜麻仁由来の物質の総含量は、典型的には亜麻仁製品の1〜50重量%に相当し、食物および/または飲料製品中の亜麻仁製品の1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、30重量%、40重量%を含む。有用な実施態様において、食物および/または飲料製品中の本発明で使用される亜麻仁製品、亜麻仁の一部、および/または亜麻仁由来の物質の総含量は、典型的には亜麻仁製品の5〜40重量%、例えば10〜30重量%(15〜25重量%を含む)に相当する。
【0055】
有用な実施態様において、亜麻仁製品と同時に摂取される食物および/または飲料製品は、ヒマワリ、ライ麦、小麦、トウモロコシ、ダイズ、およびこれらの組合せよりなる群から選択される1つ以上の種の粉砕穀物および/または全粒をさらに含む。関係する実施態様において該食物および/または飲料製品は低脂肪食に含まれる。本明細書において用語「低脂肪食」は、脂肪含量が総エネルギー摂取の10〜25%のみである食事に関する。
【0056】
上記より、食物および/または飲料製品は亜麻仁製品とともに、食事中の2つの別々の成分として摂取されるか、または亜麻仁製品が食物および/または飲料製品に加えられ、こうして強化食物および/または飲料製品となる。上記食物および/または飲料製品は好ましくは、亜麻仁製品とともに摂取される前もしくは後に、または亜麻仁製品と混合される前もしくは後に、熱処理を受ける。
【0057】
後述の実施例において、亜麻仁製品がパンに取り込まれる場合、または健常者により全食事の一部として摂取される場合、亜麻仁製品はその被験体の腸管中の脂肪結合に対して負の影響を与える。食物および/または飲料製品中で使用される場合本発明の亜麻仁製品が同じ作用を有することを、当業者は理解するであろう。すなわち有用な実施態様において食物および/または飲料製品は、栄養バー、スナックバー(チョコレートバーおよび他のスイーツを含む)、焼いた製品(例えば、パン、ライ麦パン、ビスケット、ティービスケット、クラッカー、ポテトチップス、パイクラスト、パテおよびパティ)、ミルク製品(例えばバター、クリーム、バターミルク、ヨーグルト、ジャンケット、アイスクリーム、チーズ)、植物製品、肉製品(例えばレバーペースト、ソーセージ、ミートボール、ビーフバーガー、フィッシュケーキ)、半製造製品、およびこれらの組合せの形態を有してもよい。
【0058】
同時に摂取された食物の脂肪に結合する亜麻仁の能力は、脂肪含量の高い食物および/または飲料製品で特に有用である。すなわち本発明の有用な態様は、哺乳動物の腸管から、亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に摂取される食物および/または飲料製品の少なくとも7重量%(w/w)の脂肪含量を有する食物および/または飲料製品からの、便による脂肪排泄を増加させるための亜麻仁製品の使用に関する。好適な実施態様において摂取された食物および/または飲料の脂肪含量は、食物および/または飲料製品の少なくとも10重量%、例えば少なくとも15重量%(少なくとも20重量%、例えば少なくとも25重量%を含む)、少なくとも30重量%(例えば少なくとも40重量%を含む)である。
【0059】
いくつかの食物および/または飲料製品は、その比較的高い脂肪含量のために非健康的であるとされている。すなわち好適な実施態様において亜麻仁製品は、栄養バー、スナックバー(チョコレートバーおよび他のスイーツを含む)、焼いた製品(例えば、パン、ライ麦パン、ビスケット、ティービスケット、クラッカー、ポテトチップス、パイクラスト、パテおよびパティ)、ミルク製品(例えばバター、クリーム、バターミルク、ヨーグルト、ジャンケット、アイスクリーム、チーズ)、植物製品、肉製品(例えばレバーペースト、ソーセージ、ミートボール、ビーフバーガー、フィッシュケーキ)、半製造製品、およびこれらの組合せよりなる群から選択される食物および/または飲料製品中の、体重を管理するための組み込まれた部分として使用される。
【0060】
明らかなように本発明のある態様の好適な特性、特徴および実施態様は、本発明の他の態様に適用可能である。
【0061】
本発明のさらなる観点は、1〜50重量%の亜麻仁製品の含量に相当する亜麻仁製品の総含量を含む、少なくとも7重量%の脂肪含量を有する高脂肪含量の食物および/または飲料製品に関する。有用な実施態様において高脂肪含量の食物および/または飲料製品中の亜麻仁製品の含量は、食物および/または飲料製品中の亜麻仁製品の1重量%、2重量%、3重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、30重量%、または40重量%である。有用な実施態様において、本発明で使用される時、食物および/または飲料製品中の亜麻仁製品、亜麻仁の一部、および/または亜麻仁由来の物質の総含量は、典型的には亜麻仁製品の5〜40重量%、例えば10〜30重量%(15〜25重量%を含む)の含量に相当する。
【0062】
好適な実施態様において該食物および/または飲料製品は、製品の少なくとも9重量%の脂肪、例えば食物および/または飲料製品の少なくとも10重量%、例えば少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、例えば25重量%(少なくとも30重量%、例えば少なくとも40重量%)を含有する。
【0063】
興味深いほど高い脂肪含量の食物および/または飲料製品(ここで亜麻仁は体重を管理するための組み込まれた一部として使用される)は、より多量の脂肪を有する上記製品の変種である。
【0064】
本発明の亜麻仁製品の使用に関して上記した実施態様および/または特徴は、類推によって本発明の以下の観点に適用されることを理解すべきである。
【0065】
さらなる観点において本発明は、上記したように、食物および/または飲料製品の前に、同時に、または直後に、有効量の亜麻仁製品を含む組成物を哺乳動物に投与することを含んでなる、食物および/または飲料製品の少なくとも7重量%の脂肪含量を有する、摂取された食物および/または飲料製品からの、哺乳動物の腸管からの便による脂肪排泄を増加させる方法を提供する。
【0066】
さらなる観点において本発明は、亜麻仁製品を食物および/または飲料製品に処方することを含んでなる、哺乳動物の腸管からの便による脂肪排泄を増加させるための食物および/または飲料製品の調製方法を提供する。
【0067】
さらなる観点において本発明は、組成物の調製のための上記で定義した亜麻仁製品の使用であって、組成物は上記したように、美容的体重超過、医学的体重超過または肥満の治療または予防のための該亜麻仁製品の有効量の経口投与用に調製される、上記使用に関する。治療は好ましくはヒトのような被験体に向けられるが、動物のような任意の哺乳動物が上記で定義した亜麻仁製品またはその任意の活性成分により治療される。亜麻仁製品のこの使用により利益を受ける好適な被験体の例は、上記表1に概説される。BMIが18.5より大きく、特に25より大きい被験体が、亜麻仁の使用の利益を受けることは明らかである。
【0068】
本発明のさらなる観点は、上記で定義した亜麻仁製品の上記した有効量を、食物および/または飲料製品の摂取の前に、同時に、または直後に投与することを含んでなる、上記で定義した摂取した食物および/または飲料製品からの、哺乳動物で便による脂肪排泄を増加させる方法に関する。
【0069】
他の観点は、上記で定義した亜麻仁製品または亜麻仁製品を含む組成物の上記有効量を投与することにより、肥満を予防または治療するかまたは美容的体重超過を予防または治療する方法に関する。治療は好ましくはヒトのような被験体に向けられるが、動物のような任意の哺乳動物もまた上記で定義した亜麻仁製品またはその任意の活性成分により治療される。
【0070】
さらなる観点において本発明は、体重超過、肥満、および美容的体重超過よりなる群から選択される症状の予防または治療方法であって、上記で定義した亜麻仁製品、または亜麻仁またはその任意の活性成分を含む上記の食物および/または飲料製品の有効量を、該症状を患うヒトに投与することを含んでなる方法に関する。
【0071】
本発明の興味深い観点は、上記で定義した亜麻仁製品またはその任意の活性成分の治療的有効量を投与することを含んでなる、被験体の体重超過または肥満を予防および/または低下させる方法に関する。
【0072】
さらなる観点において本発明は、医薬としての水和および/または熱処理された亜麻仁を提供する。上記より、活性成分が消化管からの便による脂肪排泄を増加させる(脂肪保持能力を有する)ことは明らかである。従って有用な応用は、便による脂肪排泄を上昇させたための、体重超過と肥満の医学的治療のための、ならびに体重超過の予防と美容的治療のための、上記で定義した亜麻仁製品の使用を含む。さらに、哺乳動物の便による脂肪排泄を増加させるための食品成分としてまたは栄養補助食品として、水和および/または熱処理した亜麻仁を調製することを含んでなる、栄養補助食品、食物製品、飲料製品、またはこれらの組合せを調製する方法が提供される。
【0073】
本発明のさらなる観点は、上記で定義した亜麻仁製品を含む医薬組成物に関する。組成物は、食品成分、栄養補助食品、薬草化合物として、または任意の許容される担体、ビヒクルもしくは希釈剤を含む医薬組成物として調製される。好ましくは組成物は経口投与用に調製される。
【0074】
特に薬学的用途に、組成物は長期保存、例えば周囲条件下(例えば、25℃で60% RHで)で昼光から防御して少なくとも6ヶ月安定であることが適している。より長期の保存期間が好ましく、好適な実施態様において組成物は最大2年(最大1年を含む)まで安定である。
【0075】
本発明のさらなる観点は、被験体の体重超過または肥満を予防および/または低下する方法であって、上記で定義した本発明の亜麻仁製品、および/または亜麻仁製品を含む食物および/または飲料製品を含む組成物を、該被験体に投与することを含む方法に関する。
【0076】
最後に肥満を患う人に、本明細書で定義される亜麻仁製品を含む組成物の有効量を投与することを含む、肥満を予防または治療する方法が提供される。
【0077】
以下の例は、本発明の具体的な実施態様を示すために含まれる。しかし、開示された具体例に多くの改変が可能であり、それでも本発明の精神と範囲を逸脱することなく、よく似たまたは同様の結果が得られことを、当業者は本開示から理解するであろう。以下の例は例示のためであり決して本発明を限定するものではない。以下の非限定例と図面により本発明をさらに詳述する。
【実施例】
【0078】
実施例1
健常な青年男性における全亜麻仁の試験と食事全体からの消化される脂肪の量に対する作用
体重超過と肥満のリスクを低下させるための一般的な方法は、脂肪摂取を低下させて平均エネルギー摂取を低下させることである。さらなる方法は、消化性の低い食物を食べることである。食事の食物繊維含量が、エネルギーとエネルギーに寄与する主要栄養素の重要な決定因子であることは、充分確立されている。
【0079】
部分消化性という概念は、補助食品を基礎食に加えた時に全体の消化性栄養物質の差を説明するために、動物のエネルギー学で初めて導入された(Kleiber、1987)。後にこの概念はヒトの食事に適用された。多くのヒトの食事において利用できない炭水化物(UC)の部分消化性エネルギー値が計算された。この値は−20〜+10kJ/g UCの範囲であった(Livesey、1990)。負の値は、UCの多い食事により引き起こされる便への特にタンパク質と脂肪の追加的消失により説明することができる。
【0080】
本試験の目的は、より多くのヒマワリ種子または亜麻仁がパンに取り込まれ、健常者により食事全体の一部として摂取される時の、消化される脂肪の1日の量に及ぼす影響を測定することであった。具体的な目的は、それぞれヒマワリ種子と亜麻仁の部分消化性エネルギー値を計算することであった。
【0081】
1.1 被験体と方法
1.1.1 被験体
この試験のためにコペンハーゲンの大学から13人の健常な成人男性を集めた。かれらの年齢(平均±SD)は24.6±2.7才であり、BMIは22.5±1.7kg/m2であった。定期的に薬物を服用している者はおらず、いずれも非喫煙者であった。被験者は試験期間中、肉体活動レベルを一定に維持し禁酒するように指示された。各介入期間の初めと最後の介入期間の最後に被験者の体重を測定した。すべての被験者は、試験について書類と口頭による説明を受けた後、インフォームドコンセントに署名した。プロトコールはコペンハーゲンとフレデリクスバーグの市倫理委員会(Municipal Ethical Committee of Copenhagen and Frederiksberg)により認可された(ジャーナル番号KF01-070/01)。それぞれ、値が得られなかったことと抗生物質の使用のために2人の被験者を試験から除外した。
【0082】
1.1.2 試験計画
試験は、各7日間の4回の介入期間を含み、これらは互いに7日間のウォッシュアウト期間(この間、被験者は自分たちの食事を摂取した)により区切られた。被験者は、ランダムなクロスオーバー計画で4つの食事介入法の1つに割り当てられた。介入期間中すべての被験者は、交代メニュー+後述の300gのライ麦パンを含む同じ基礎体重維持食を与えられた。介入期間中の食事の唯一の差は、4つの異なるタイプのライ麦パンの摂取であった。試験中参加者は自宅で生活したが、週末を除いては毎日食事を取りにヒト栄養部門(Department of Human Nutrition)に来た。
【0083】
1.1.3 食事
食事はデンマーク人の食事に典型的な食品からなっていたが、主要栄養素摂取について北欧栄養推奨(Nordic Nutrient Recommendations for macronutrient intake)に合わせた:タンパク質E% 10〜15;脂肪E% 30未満;炭水化物E% 55〜60、および食物繊維摂取3g/MJ。3種類の基礎メニュー(表1.1)を含み、介入期間中循環させて被験者に与えて、各介入期間中の唯一の食事の差をライ麦パンとした。
【0084】
【表2】

【0085】
4種類のライ麦パンは以下である(表1.2):
C:全粒ライ麦パン(対照)
SF:ヒマワリ種子(SF)を含む対照
FS:亜麻仁(FS)を含む対照、および
SF/FS:SFとFSとを含む低抽出率ライ麦パン
【0086】
試験ライ麦パンC、SFおよびFSは、全粒粉砕ライ麦粉とサワードウから作成し、試験ライ麦パンSF/FSは低抽出率ライ麦粉(すなわち、粉砕ライ麦粉からライ麦ふすまを除去)とサワードウから作成した。ライ麦パンSFとFSでは全粒粉砕ライ麦粉にヒマワリ種子(6.2g/100gパン)と亜麻仁(6.2g/100gパン)を加え、一方ライ麦パンSF/FSでは、ヒマワリ種子(6.8g/100gパン)と亜麻仁(6.1g/100gパン)を低抽出率ライ麦粉に加えた。ライ麦パンは、サワードウを使用する伝統的方法に従って作成した。ヒマワリ種子と亜麻仁は、ドウを作成する2時間前に水を加えた。すべての成分をゆっくり10分間混合後、ドウをさらに10分間休ませ、次にパン皿中に分割した。ドウを30℃で85%相対湿度の膨張チャンバー中で72分間膨張させ、次に220℃で72分間焼いた。
【0087】
【表3】

【0088】
パンを1時間冷却後、包装した。ライ麦パンCとSF/FSはデンマークで入手できたが、ライ麦パンSFとFSとは本試験のために作成した。各被験者に、基礎食以外(これは、各被験者のWHO(1985)の方法により推定される1日の総エネルギー必要量を満たすことを確実にする量で与えた)に1日300gのライ麦パンを与えた。被験者は、与えられたすべての食品を食べるように指示され、残った食品は返却するように指示された。
【0089】
1.1.4 便試料の採取と通過時間の測定
CummingsとWigginsの単一スツール法(1976)を使用して通過時間を測定した。4、5、および6日目の朝食で被験者に、比重が1.25〜1.60の用量(60マーカー)の放射線不透過性マーカーを投与し、毎日異なる形のマーカーを投与した。各介入期間の7日目の起床後に排便された最初の便をプラスチック容器に集め、直ちにヒト栄養部門(Department of Human Nutrition)に送った。便試料の重量を測定し、送付後直ちに凍結した。マーカーの内容物をX線により分析した。プラスチックマーカーの摂取の正確な時間と最大量で存在する2つのマーカーの量とともに便の採取の正確な時間を使用して、各被験者の平均通過時間を推定した。
【0090】
1.1.5 化学分析
3種類の基礎メニュー、4種類の試験パン、およびすべての便試料を凍結乾燥しホモジナイズした後、すべて二重測定で化学分析した。3種類の基礎メニューと試験パンについては85℃で20時間乾燥後、便試料について100℃で20時間乾燥後、乾燥物質含量を測定した。総エネルギーは、安息香酸(IKA C400A)で較正した断熱熱量計により測定した。脂肪は、BlighとDyer(1959)の方法に従って加水分解してケン化脂肪酸を放出させた後に重量測定した。食物繊維は非デンプン多糖(NSP)として定義され、基礎メニューと試験パン中のその含量は、ガス液体クロマトグラフィー(Kundsen、1997)により酢酸アルジトールとして測定した。
【0091】
1.1.6 計算と統計解析
理論的マーカー出力の60マーカー/日に補正して7日目の朝の便の重量から各被験者の平均の1日の便重量を推定した。脂肪とエネルギーの吸収は、栄養物質摂取と便による消失の差(栄養物質摂取のパーセントとして表示)として計算した。
【0092】
ヒマワリ種子と亜麻仁の部分消化エネルギー値(DEpartial)は、1.0未満の見かけの消化性を有する別の物質を置換する物質について、式に従って計算した(Livesey、1990):
【0093】
DEpartial(kJ/g)=ΔHseed(1−Z)
[式中ΔHseedは、それぞれヒマワリ種子と亜麻仁の燃焼熱(=総エネルギー)であり、
Z=ΔFE/ΔGE+(1−D0
(式中ΔFEとΔGEは、それぞれ基礎食+パンCと基礎食+パンSF/FSの便エネルギーの変化と総エネルギー摂取の変化である。D0は置換される物質のエネルギーの見かけの消化性であり、この場合ライ麦粉はD0が0.92である(Livesey、1990))]。
【0094】
すべての統計解析は、ウィンドウズ(登録商標)のSAS(登録商標)システム(リリース8.2、サスインスチチュートインク(SAS Institute Inc.)、ケアリー(Cary)、ノースカロライナ州)で行った。便乾燥重量、便水分含量、通過時間、摂取、便による排泄、消化性、および脂肪とエネルギーの消化量(それぞれ従属変数として評価)と組合せた方法で、分散分析を行った。パンの種類、期間、および2つの間の相互作用を、独立固定変数として評価した。被験者は独立ランダム変数として含めた。有意差が見つかった場合は、Tukeyのポストホック検定(post hoc test)を使用して4つの食事の比較のための対応のあるt検定を適用した。表中の結果は、最小自乗平均±推定値の標準誤差(SEE)として示される。
【0095】
1.2 結果
ヒマワリ種子と亜麻仁を含めたことは、試験パンの測定された脂肪とエネルギー含量に反映された。パン100g当たりの脂肪含量は、ライ麦パンCの1.8gからライ麦パンSF/FSの7.3gの範囲であり、パン100g当たりのエネルギー含量はライ麦パンCの910kJからライ麦パンSF/FSの1138kJの範囲であった(表1.2)。
【0096】
便の乾燥重量と便の水分含量は食事により有意に影響を受けた(表1.3)。便の乾燥重量(平均±SEE)は、基礎食+ライ麦パンC(62.0±6.6g)と基礎食+ライ麦パンSF(61.1±6.6g)に比較して、基礎食+ライ麦パンFS(84.0±6.6g)と基礎食+ライ麦パンSF/FS(72.5±6.6g)を与えられた被験者で有意に高かった。平均通過時間(平均±SEE)の33.3±2.0時間は食事により影響を受けなかった。
【0097】
総脂肪摂取は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンSF/FSを摂取した被験者で121±2.4g/日の最大の平均脂肪摂取(平均±SEE)であり、基礎食+ライ麦パンCを摂取した被験者で104±2.4g/日の最小の平均脂肪摂取(平均±SEE)であった(表1.4)。便による脂肪排泄は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンCを摂取した被験者の1日の排泄(平均±SEE)8.6±1.6gから、基礎食+ライ麦パンSF/FSを摂取した被験者の25.0±1.5gの範囲であった。脂肪消化性は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンSF/FSを摂取した被験者の最小値76.0±2.0%と、基礎食+ライ麦パンCを摂取した被験者の最大値92.1±1.9%の範囲であった。消化された脂肪の量は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンFSを摂取した被験者で吸収された脂肪(平均±SEE)は最小量であった(88.8±2.8g/日)。
【0098】
【表4】

【0099】
総エネルギー摂取は総脂肪摂取を反映した(表1.5)。総エネルギー摂取は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンSF/FSを摂取した被験者では他の食事と比較して15.3±0.29MJ/日の有意に高い総エネルギー摂取(平均±SEE)であった。便エネルギー排泄は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンSF/FSを摂取した被験者と基礎食+ライ麦パンFSを摂取した被験者で最も高い便エネルギー排泄であった。エネルギー消化性は食事により有意に影響を受け、基礎食+ライ麦パンFSを摂取した被験者(87.3±1.0%)および基礎食とライ麦パンSF/FSを摂取した被験者(88.6±1.0%)と比較して、基礎食+ライ麦パンCを摂取した被験者(91.7±1.0%)と基礎食+ライ麦パンSFを摂取した被験者(90.8±1.0)では最も高い値(平均±SEE)が得られた。消化されたエネルギーの量は食事群間で有意差があり、基礎食+FSパンを摂取した被験者で最も低い値であった。
【0100】
【表5】

【0101】
【表6】

【0102】
ヒマワリと亜麻仁の総エネルギーは、それぞれ29.4と24.7kJ/gであった。ヒマワリ種子と亜麻仁の部分消化エネルギー値は、それぞれ19.8と-27.3kJ/gであった(表1.6)。
【0103】
【表7】

【0104】
1.3 考察
本試験の結果は、ライ麦パン中の全粒ライ麦粉の6%を構成する亜麻仁が消化管内で脂肪結合能力を有することを示唆する。この結果は、便による脂肪排泄の上昇を引き起こして亜麻仁自体からの脂肪摂取を超え、亜麻仁について負の部分消化エネルギー値-27.3kJ/gとなる。「部分消化エネルギー」は、1gの種子を加えた時食事全体からどれだけエネルギーが消化されるかを表すため、この結果は、食事への亜麻仁の添加は消化可能なエネルギーの低下を引き起こしたが、ヒマワリ種子の添加は同じ性質を示さなかったことを明確に示す。すなわちこの結果は、脂肪摂取、脂肪消化、およびエネルギーバランスについて重要な知見であり、従って体重調節/管理に重要な知見である。
【0105】
ヒマワリ種子と亜麻仁は、食物繊維(DF)と食物脂肪の含量が高く水分含量が少ないことが特徴であり、すべての因子が種子の高エネルギー密度に寄与する。健康上の観点から、市販のパン生産システムにおけるヒマワリ種子と亜麻仁の使用は、比較的高いその食物繊維の含量により強化されている。しかしヒマワリ種子と亜麻仁の高脂肪含量は、種子の栄養価を相殺していると言われる。
【0106】
食物繊維は、口から肛門への通過時間を短縮し便の量を増加させるのに有効であることは繰り返し示されている。本試験では食事群間のDFの総平均摂取は35.5〜42.0g DF/日(結果は示していない)で変動したが、平均通過時間については食事群間で有意差はなかった(表1.3)。本試験で平均通過時間を測定するのに使用した方法は、食事で連続的に与えられたセルロース繊維と同様の比重を有するマーカーの量が便中に回収されるという原理に基づく。数週間にわたって連続的マーカー法を使用して、1日20または80のマーカーの量により、通過時間の同様の推定値が得られ、結果は本試験で適用した単一スツール法と有意に相関することが示された。本試験で適用したように60マーカー/日を使用する別の試験で、回収率は95%±9と高いことがわかった(Sandstromら、2000)。本試験の通過時間は33.3±2.3時間(平均±SD)であり、これは、DFの豊富な食事を摂取した健常青年男性について行った試験で見られた通過時間に匹敵する。
【0107】
亜麻仁食物繊維(粘液(mucilage)と呼ぶ)は、主にアラビノキシラン(arabinoxylan)類およびガラクツロン酸とを含む種皮(seed coat)の外側に存在する不均一多糖の群である。本試験は、ライ麦やライ麦パン中にアラビノキシラン類として存在するペントサン類が、特別の便かさ増し作用を有するという以前の観察結果を確認する。この結果は、基礎食と亜麻仁単独またはヒマワリ種子と組合せて有するライ麦パンとを与えられた被験者で有意に高い乾燥物質により見られるように、亜麻仁中のアラビノキシラン類は便かさ増しに付加的作用を有することをさらに示唆する(表1.3)。これは、昔から知られており行われている全亜麻仁の緩下剤としての作用に一致する。
【0108】
水和すると亜麻仁の粘液は極端に急速に膨張して、元々の大きさの何倍にもなり、粘液細胞のコルク質化した内壁のために、粘液は周りの溶液中に移動して、媒体の粘度が劇的に上昇する。亜麻仁パンの血糖低下作用に対する影響についての研究は、亜麻仁粘液が食後の血糖応答を低下させる能力において典型的な粘性繊維のように挙動することを示唆する(WoleverとJenkins、2001)。可溶性繊維は、小腸内容物の粘度を上昇させて、炭水化物の消化と吸収を遅らせることにより、血糖応答を低下させることができることが証明された。本試験の結果は、亜麻仁の粘液が、おそらく消化管中の脂肪への亜麻仁の粘液の結合により食物脂肪の消化と吸収を妨害し、こうして脂肪の全体の消化性を低下させることを示唆する(表1.4)。
【0109】
アルファ−リノール酸(ALA)の高濃度のために、亜麻仁の脂肪含量に多大な栄養的関心が払われている。すなわちALAは、ヒトの血清脂質プロフィール、脂肪酸組成、および血小板機能に正の影響を及ぼすことが証明されている。しかし我々の知る限り、全亜麻仁の脂肪の消化性を調べるために、ヒトでの研究はなされていない。
【0110】
亜麻仁の18:3n-3の生物学的利用能を調べるヒトでの試みが記載されている。4週間の介入期間後の評価は、18:3n-3の生物学的利用能が亜麻仁油と同様に亜麻仁でも高いことを示した(Cunnaneら、1993)。
【0111】
本試験の結果に基づくと、全亜麻仁または加工亜麻仁による食物および飲料の強化が、食物/飲料の味を犠牲にすることなくヒトでの脂肪吸収を低下させるための有用な方法かも知れない。これらの結果は、食物表で使用される消化可能なエネルギー価にとって重要な意味を有する。
【0112】
1.4 結論
本試験は、青年の健常男性により18g/日の量で摂取される場合、亜麻仁は脂肪吸収を低下させることを証明した。亜麻仁の脂肪結合能は、-27kJ/gの負の部分消化エネルギー値をもたらす。
【0113】
実施例2
亜麻仁の脂肪結合と脂肪吸着性のインビトロ試験
実施例1は、健常な青年男性でランダムなクロスオーバー計画として行ったヒト食事介入試験の結果を示した。この試験の結果は、亜麻仁を含むライ麦パンを含む食事の摂取後の便による脂肪排泄は、亜麻仁を含まないライ麦パンを含む食事の脂肪排泄より有意に大きいことを示し、これは、ライ麦パンの脂肪含量の差によるだけではなかった。試験は、亜麻仁が、脂肪結合と脂肪吸収に対する作用を有する成分を含有することを示した。
【0114】
この試験の目的は、亜麻仁、ライ麦パン中の成分としての亜麻仁、および日々の食事の一部としてライ麦パンの成分としての亜麻仁の、インビトロの脂肪結合と吸収作用の理由を明らかにすることであった。
【0115】
2.1 材料と方法
2.1.1 試験物質の組成
試験的試験物質:
1. 亜麻仁
2. 亜麻仁を含むライ麦パン
3. 亜麻仁を含まないライ麦パン
4. ライ麦粉
5. 亜麻仁を含まないライ麦パンを含む食事
6. 亜麻仁を含むライ麦パンを含む食事
【0116】
全粒粉砕ライ麦粉とサワードウから、試験ライ麦パンを作成した。亜麻仁(6.2g/100gパン)をライ麦パン中の全粒粉砕ライ麦粉に加えた。ライ麦パンは、伝統的な方法に従ってサワードウを使用して製造した。全亜麻仁をドウを作成する2時間前に水を加えた。すべての成分をゆっくり10分間混合後、ドウをさらに10分間休ませ、次にパン皿中に分割した。ドウを30℃で85%相対湿度の膨張チャンバー中で72分間膨張させ、次に220℃で72分間焼いた。パンを1時間冷却後、包装した。
【0117】
亜麻仁を含む完全な食事と亜麻仁を含まない完全な食事の組成を実施例1に記載した。
【0118】
2.1.2 試験物質の分析方法
1. 凍結乾燥試験物質の前粉砕
2. トリグリセリドと脂質の総含量についてのデータを得るための改質剤有りおよび無しでの超臨界流体抽出による試験物質の脂肪抽出
3. 摂取可能な物質の単離のためのペプシン/パンクレアチン酵素(酵素消化可能有機物質(EDOM)法)を使用するインビトロ消化
4. 改質剤有りおよび無しの超臨界流体抽出法(SFE)による摂取可能な物質の脂肪抽出
【0119】
2.1.3 材料
EDOM法に使用される酵素は、ペプシン(ブタの胃粘膜から、2000FIP U/g、メルク(Merck)7190)、パンクレアチン(ブタの膵臓から、グレードVII、活性4×USP、P-1750、シグマ(Sigma))を含有した。他のすべての化学物質は分析グレードであり、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(セントルイス、ミズーリ州)から購入した。
【0120】
2.1.4 試料調製
亜麻仁、ライ麦粉、亜麻仁を含むライ麦パン、通常のライ麦パン、2つの完全な食事を凍結乾燥し、コーヒーグラインダーで粉砕し、ふるいにかけ、0.7mmまたはそれ以下の固体の粒子を得た。
【0121】
2.1.5 インビトロ消化
EDOM記載をほとんど調整せずにインビトロ消化を行った。簡単に説明すると、粉砕しふるいにかけた試料(0.5g)をリン酸緩衝液A(25mL;0.1M;pH6)中に注意深く懸濁し、次にHCl(10mL;0.2M)とペプシン懸濁液(1mL;25mg/mL、0.2M HCl中)を加えた。懸濁液のpHをHCl(1M)またはNaOH(1M)で2に調整した。懸濁液にアジ化ナトリウム(0.5mL;0.05%)を加え、40℃の水浴で自動攪拌して75分間インキュベートした。次にペプシン消化物にNaOH(5mL;0.6M)とリン酸緩衝液B(10mL;0.2M;pH6.8)を加えた。次にNaOH(1M)またはHCl(1M)でpHを6.8に調整した。膵臓酵素の懸濁液(1mL;リン酸緩衝液B中100mg/mL)を加え、40℃の水浴で自動攪拌して18時間消化を続けた。インキュベーション後、消化した試料を遠心分離(6000rpmで10分間、4℃)し、沈殿と上清を分離し、凍結乾燥した。
【0122】
EDOM法によるインビトロ消化は、未消化試験物質の尺度を与える。未消化試験物質は一般的に食物繊維と呼ばれ、半分以上は、未消化多糖、リグニンおよび他の関連する未消化植物物質に由来する。
【0123】
脂肪の抽出は、試験物質の油/脂質含量についての情報を与える。抽出は改質剤有りおよび無しで行われる。改質剤無しでは非常に親油性の高い脂肪画分が得られ、改質剤有りでは、より両新媒性の化合物(例えばリン脂質)が得られる。
【0124】
EDOM法から得られる未消化物質を使用する第2の脂肪抽出は、試験物質の未消化部分中で吸着される脂肪量の尺度を与える。
【0125】
2.1.6 CO2を用いるSFE(SFE-CO2
油および脂質抽出のために、試験室規模の超臨界流体抽出システムを使用した。圧力と温度を調整して二酸化炭素(99.9%の純度)を圧縮して超臨界流体にして、油と脂質抽出に所望の性質を得る。粉砕しふるいにかけた試料(2g)を抽出容器に充填し、抽出セルに入れた。抽出物をガラス管に集めた。抽出は600barのCO2で流速4L/分で行った。オーブン中の温度を60℃に維持し、弁温度は90℃であった。油抽出は30分間行った。
【0126】
2.1.7 改質剤としてエタノールを用いるSFE
SFE-CO2抽出後に、超臨界流体に改質剤としてエタノールを添加して抽出を続けた。抽出条件はSFE-CO2について記載したものと同じである。エタノールの流速は1ml/分であり、約10%のエタノールとなる。SFE-改質剤画分を別のガラス管中に集めた。この脂質抽出は30分間行った。
【0127】
2.2 結果
試験物質のSFE分析は、予測通り亜麻仁中の油含量が多く、さらに亜麻仁を含むライ麦パンの油含量が亜麻仁を含まないライ麦パンより多いことを示す(表2.1)。第1の脂肪抽出の分析(SFE分析)は、試験物質中の脂肪含量はトリグリセリドが優勢であることを示した(表2.1)。
【0128】
【表8】

【0129】
亜麻仁、亜麻仁を含むライ麦パン、亜麻仁を含まないライ麦パン、ライ麦粉、亜麻仁を含まない食事、および亜麻仁を含む食事のインビトロ消化(EDOMi)後の未溶解物質の量は、図1に示すように有意差を示した。
【0130】
インビトロのEDOM消化後に亜麻仁試料が最も多量の不溶性物質を与えた。しかし、亜麻仁を含むおよび含まないライ麦パンのEDOMにより得られた不溶性物質の比率が注目される。結果は、亜麻仁を含まないライ麦パンのEDOMから得られた不溶性物質と比較して、亜麻仁を含むライ麦パンのEDOM後に有意に多量の不溶性物質が得られたことを示す(p=0.038;t検定;図1)。亜麻仁を含む食事と亜麻仁を含まない食事の間で、不溶性EDOMi物質の量に有意差は無かった。
【0131】
インビトロ消化後の可溶性および不溶性部分の油と脂質の総含量を表2.2に示す。亜麻仁からの油と脂質の大部分(70%)はEDOMiの不溶性物質中にあり、これは他の非消化性物質に吸着している可能性が高い。一般に亜麻仁を含む製品中のEDOMi物質の不溶性部分には、より高含量の油と脂質が見られ、可溶性EDOMi画分中の油と脂質含量は、亜麻仁を含む場合と含まない場合で同様である。亜麻仁を含まないライ麦パンから得られたものより亜麻仁を含むライ麦パンからの不溶性EDOMi画分中の油と脂質の量は有意に多かった(P=0.032;t検定;表2.2)。
【0132】
【表9】

【0133】
表2.2の結果はまた、亜麻仁を含む食事の不溶性EDOMi画分中では、亜麻仁を含まない食事で得られたものと比較して、有意に多量の油と脂質を示す(P=0.013;t検定)。
【0134】
さらに表2.1と2.2の結果を比較すると、試験物質中の脂質と油の総量の約65%がEDOMi後に回収されることがわかる。これは、亜麻仁からの油と脂質の初期量の約1/3が、インビトロ消化プロセス中に酸化されるかまたは破壊されることを示唆する。この結果は、亜麻仁中に含まれる脂肪の大部分が、哺乳動物の消化管中で消化されないことを示す。
【0135】
表2.3は、実際の組成、従って不溶性EDOMの油と脂質の含量を示す。この結果は、亜麻仁の不溶性EDOMi物質の約3分の1が脂質と油からなり、ライ麦パンの不溶性EDOMi物質のわずかに約5%が油と脂質成分であることを明らかにする。
【0136】
油と脂質含量が不溶性非消化性物質の%として表される時(表2.3)、亜麻仁を含むかまたは含まないライ麦パンの間、および亜麻仁を含むかまたは含まないライ麦パンを含む食事の間の有意差が消失するが、傾向は持続する。この最も可能性のある説明は、繰り返しが少ないことである。
【0137】
【表10】

【0138】
2.4. 結論
表2.2の結果は、脂肪結合および/または脂肪吸着(乾燥物質の%として表される)が、亜麻仁を含むライ麦パン(4.12±0.17)では亜麻仁を含まないライ麦パン(2.50±0.98)より有意に高いことを示す。さらに亜麻仁を含まないライ麦パンを含む食事で得られたもの(3.17±0.42)と比較して、亜麻仁を含むライ麦パンを含む食事の不溶性非消化性画分(4.20±0.29)では、有意に多量の油と脂質が見られた。これは主に、非消化性物質の不溶性部分中の脂肪含量が多いためである。組成的には、亜麻仁を含まないものと比較して、亜麻仁を含む不溶性非消化性製品中の油と脂質の比率が高い傾向がある(表2.3)。亜麻仁を含む製品からの不溶性EDOMi画分中により多量の油と脂質があることは、亜麻仁を含む食事を与えられる被験者からの便試料中により多量の脂質含量が見られたことと一致する。すなわちこの結果は、亜麻仁が脂肪結合/脂肪吸着作用を引き起こしたというヒトの介入試験(実施例1)の知見を支持する。
【0139】
参考文献
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Wolever TMSとJenkins DJA. 2001. 炭水化物代謝に及ぼす食物繊維と食物の影響、Spiller GA編、ヒトの栄養における食物繊維(Dietary Fiber in Human Nutrition)
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】亜麻仁、亜麻仁を含むライ麦パン、亜麻仁を含まないライ麦パン、ライ麦粉、亜麻仁を含まない食事(食事2192)、および亜麻仁を含む食事(食事2193)のインビトロ消化後の不溶性の未消化物質(EDOMi)を乾燥物質の%として示す(平均±SD;n=3)。a、b、c、d:異なる文字は有意差を示す(P<0.05;t検定)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の腸管から、亜麻仁製品からの、および/または該亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に摂取される他の食物および/または飲料からの、便による脂肪排泄を増加させるための食物および/または飲料の調製における亜麻仁製品の使用。
【請求項2】
哺乳動物はヒトである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
該亜麻仁製品は全亜麻仁を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の使用。
【請求項4】
亜麻仁製品は、水和、熱処理、製粉、粉砕、分離、およびこれらの組合せよりなる群から選択される1つ以上のプロセスにより処理される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
該亜麻仁製品は、種皮(seed coat)、粘液(mucilage)、アラビノキシラン(arabinoxylan)類、ガラクツロン酸、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、亜麻仁の1つ以上の部分を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
亜麻仁製品は、全亜麻仁および/または亜麻仁の任意の部分、および/またはゴールデン(Golden)、ダファリン(Dufferin)、ラハブ(Rahab)、ベルヌ(Verne)、クラーク(Clark)、カルバート(Culbert)、カルバート79(culbert79)、フロール(Flor)、ライノット(Linott)、リントン(Linton)、マクレガー(McGregor)、ノーリン(NorLin)、ノルマン(NorMAn)、およびこれらの組合せよりなる群から選択される1つ以上の変種由来の亜麻仁由来の物質を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
増加した便による脂肪排泄は繊維効果に依存しない、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
増加した便による脂肪排泄は、口から肛門への通過時間の短縮に依存しない、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
亜麻仁製品は、-1〜-40kJ/g亜麻仁製品の範囲の負の部分消化エネルギー値を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
亜麻仁製品は、同時に摂取される食物中に存在する脂肪の消化性を5〜10%低下させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
食物および/または飲料製品は、ヒマワリ、ライ麦、小麦、トウモロコシ、ダイズ、およびこれらの組合せよりなる群から選択される1つ以上の種の粉砕穀物および/または全粒をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記食物および/または飲料製品の推奨される1日量は、1〜30グラムの全亜麻仁/日の摂取に相当する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
食物および/または飲料製品中の亜麻仁および/または亜麻仁由来の物質の総含量は亜麻仁製品の1〜50重量%の含量に相当する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記食物および/または飲料製品は低脂肪食中に含まれる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
前記食物および/または飲料製品は熱処理にかけられる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
前記食物および/または飲料製品は、栄養バー、スナックバー、またはこれらの組合せの形態を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
前記食物および/または飲料製品は、栄養バー、スナックバー、ミルク製品、焼いた製品、植物製品、肉製品、半製造製品、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項1〜16のいずれかの使用。
【請求項18】
前記食物および/または飲料製品は、高含量の脂肪を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
哺乳動物の腸管から、該亜麻仁製品の前に、同時に、または直後に摂取される食物および/または飲料製品の少なくとも7重量%(w/w)の脂肪含量を有する食物および/または飲料製品からの、便による脂肪排泄を増加させるための亜麻仁製品の使用。
【請求項20】
1〜50重量%の亜麻仁製品の含量に相当する亜麻仁製品の総含量を含む、少なくとも7重量%の脂肪含量を有する高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項21】
食物および/または飲料製品は、栄養バー、スナックバー、ミルク製品、焼いた製品、植物製品、肉製品、半製造製品、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項20に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項22】
ミルク製品は、バター、クリーム、バターミルク、ヨーグルト、ジャンケット、アイスクリーム、チーズ、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項21に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項23】
焼いた製品は、パン、ライ麦パン、ビスケット、ティービスケット、クラッカー、パイクラスト、パテ、パティ、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項21に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項24】
肉製品は、レバーペースト、ソーセージ、ミートボール、ビーフバーガー、フィッシュケーキ、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、請求項21に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項25】
亜麻仁製品は、-1〜-40kJ/g亜麻仁製品の範囲の負の部分消化エネルギー値を有することを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項26】
前記亜麻仁製品は全亜麻仁を含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項27】
前記亜麻仁製品は、種皮(seed coat)、粘液(mucilage)、アラビノキシラン(arabinoxylan)類、ガラクツロン酸、およびこれらの組合せよりなる群から選択される、亜麻仁の1つ以上の部分を含む、請求項20〜26のいずれか一項に記載の高脂肪含量の食物および/または飲料製品。
【請求項28】
食物および/または飲料製品を摂取する前に、同時に、または直後に、有効量の亜麻仁製品を投与することを含む、哺乳動物における、摂取された食物および/または飲料製品からの便による脂肪排泄を増加させるための方法。
【請求項29】
亜麻仁製品を含む組成物の有効量を肥満を患う人に投与することを含む、肥満の治療方法。
【請求項30】
亜麻仁製品または亜麻仁製品を含む組成物の有効量を経口投与することを含む、体重超過の美容的治療または予防方法。
【請求項31】
美容的体重超過の治療のための水和および/または熱処理亜麻仁の使用。
【請求項32】
哺乳動物の便による脂肪排泄を増加させるための、食品成分または栄養補助食品としての、水和および/または熱処理亜麻仁の使用。
【請求項33】
組成物は、美容的体重超過、医学的体重超過または肥満の治療または予防のための亜麻仁製品の有効量の経口投与用に調製される、組成物の調製のための亜麻仁製品の使用。
【請求項34】
亜麻仁製品、および/または亜麻仁製品を含む食物および/または飲料製品を含む組成物を被験体に投与することを含む、被験体の体重超過または肥満を予防するかおよび/または軽減する方法。
【請求項35】
肥満を患う人に亜麻仁製品を含む組成物の有効量を投与することを含む、肥満の治療方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−535951(P2007−535951A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511866(P2007−511866)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000314
【国際公開番号】WO2005/107777
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506376344)
【Fターム(参考)】