説明

作動されるテープニップを有する搬送装置

印刷製品を搬送するための搬送装置(10)が提供される。この搬送装置(10)には、印刷製品(60,62)を搬送するための第1のテープ(12)および第2のテープ(14)と、該テープを案内するための第1のローラ(20)と第2のローラ(21)と、第1のローラ(20)と第2のローラ(21)とにおいて第1のテープ(12)と第2のテープ(14)とによって形成されるニップ(70)を調節するためのニップ調節装置(30)とが設けられており、ニップ調節装置がセンサの機能として作動される。さらに印刷製品を搬送するための方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して印刷機に関し、特に印刷製品を搬送するための搬送装置に関する。
【0002】
引用により本明細書に記載されたものとする米国特許第4196835号明細書は、綴じ装置を有する、改良された丁合い機を開示している。この場合綴じ装置は、折り丁が移動している間に折り丁のグループを綴じる。サドルコンベヤは、丁合いステーションを通過し、個々の折り丁は、丁合いステーションからコンベヤに供給され、丁合いされた折り丁のグループを形成する。コンベヤは、丁合いされた折り丁のグループを綴じ装置に通過させ、綴じ装置は各グループ毎に折り丁を綴じる。
【0003】
引用により本明細書に記載されたものとする米国特許第4482141号明細書は、折り線において、直接に折り丁を支持するブレードチェーンコンベヤから折り丁を搬送するための方法および装置を開示している。折り丁は、軌道上を回転する締付けパッドによって上方から把持され、次いで締付けパッドは、ブレードチェーンコンベヤに対して垂直なベルトに折り丁を搬送する。
【0004】
米国特許第6616139号明細書は、印刷製品を取り出すための装置を開示している。この場合、印刷製品は折り目を有していて、等間隔を開けてまたがって搬送装置によって搬送される。この装置は、搬送装置において印刷製品のうちの1つを折り目によって把持するための、制御されるグリッパエレメントを備える回転駆動されるグリッパ装置を有しており、印刷製品を安定的に保持しながら印刷製品を取り出す。
【0005】
米国特許第6918729号明細書は、本を仕上げ裁ちするための方法および装置を開示している。軌道ターンユニットを備えるコンベヤ装置は、部分的に仕上げ裁ちされた本を把持し、この本を90度回転させて位置決め装置に搬送する。
【0006】
発明の簡単な概要
本発明は、印刷製品を搬送するための搬送装置を提供する。この搬送装置は、
印刷製品を受け取りかつ搬送するための第1のテープおよび第2のテープと、
該テープを案内するための第1のローラおよび第2のローラと、
第1のローラと第2のローラとにおいて第1のテープと第2のテープとにより形成されたニップを調節するためのニップ調節装置と、
印刷製品の厚さを測定するためのセンサと
を有しており、ニップ調節装置がセンサに関して作動される。
【0007】
本発明はさらに、印刷製品を搬送するための方法、すなわち以下のステップ:
ニップを、第1の厚さを有する印刷製品のための第1の寸法に設定し、
第1の厚さとは異なる第2の厚さを有する印刷製品を検出し、この場合印刷製品の検出が、ニップへの印刷製品の進入前に行われ、
第2の厚さを有する印刷製品を受け取るために、ニップの第1の寸法を、第1の寸法とは異なる第2の寸法へ調節し、
第2の厚さを有する印刷製品を、ニップを通して搬送する、
ステップを含有する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下に、本発明の好適な実施例を図面につき詳しく説明する。
【図1】本発明による搬送装置を示す図である。
【図2】搬送装置を断面して示す図である。
【図3】搬送装置を別の断面で示す図である。
【図4】搬送装置のニップ調節装置を示す図である。
【0009】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、搬送装置10の好適な実施例を示している。この搬送装置10は、搬送テープ12,14,112,114と、ホイール18と、ニップ調節装置30,130とを有している。搬送装置10は、種々異なる厚さの、本等の印刷製品を搬送するために調節される。ニップ70(図2参照)は、所定の厚さを有する本60を搬送するように初期設定されている。米国特許第4482141号明細書に開示されたグリッパと同様のものであってよいグリッパ110は、本60,62を把持し、ニップ70を介して搬送装置10へと運ぶ。センサ80により異なる厚さを有する本62が検出されると、制御装置100は、図3に示すように、ニップ70の寸法を調節し、進入してくる本62を受容する。本62が搬送されてしまうと、ニップ70は、次の本の受取り前に最初の寸法に戻ることができる。
【0010】
図2に示すように、ニップ70はローラ20とローラ21との間、かつ搬送テープ12と搬送テープ14との間に形成されている。搬送テープ12は、テープローラ20,20’,20",20"’およびアイドルローラ(アイドラ)15の周囲を走行する。搬送テープ14は、ローラ21、ホイール18およびアイドルローラ16の周囲を走行する。ニップ調節装置30は、搬送テープ12,14が、所定の厚さを有する本60を受け取り、この本60をホイール18の周囲で搬送するように初期設定されている。
【0011】
ニップ調節装置30は、ローラアーム22,23と、シャフト34,35と、ハウジング24,25とを介して、テープローラ20,21に連結している。このテープローラ20,21は、ローラアーム22,23に取り付けられており、このローラアーム22,23は、シャフト34,35に固定されている。シャフトは、図1に示すようにハウジング24,25により支持されている。シャフト34,35の反対側の端部には、図4に示すようにレバー32,33が取り付けられている。
【0012】
図2および図3に示すように、図2に示す初期寸法のニップ70は、より薄い本62を受容するように調節される。図3では、テープローラ20とテープローラ21との間の水平方向の距離は、ニップ70の寸法がより小さくなるように減じられる。ニップ調節装置30は、ニップ70の寸法を変更するために、テープローラ20、21の動きを制御する。したがって、たとえば不完全な本62が生じた場合も、搬送テープ12,14は、この不完全な本62を適切に搬送することができる。この自動的な調節が行われないと、不完全な本62の詰まりや脱落が起こる恐れがある。
【0013】
図4に示すように、ニップ調節装置30は、カムフォロア42,43を有するレバー32,33を備えている。レバー32,33は、ばねコネクタ39を介して、カム40に向かってばね荷重をかけられている。カム40は、高いカムドウェル46,47および低いカムドウェル48,49を提供するジオメトリを有するカム面41を備えている。調節可能なハンドル38は、レバー36をカム40に取り付けている。レバー36も、カム40も、軸線44を中心に回転する。カム40の回転を変化させるためにハンドル38をスロット37内で調節することができ、ニップ70の初期寸法を、所望の寸法に設定する。
【0014】
ニップ調節装置30はさらに、頭部54と、シャフト52と、ニューマチック式シリンダ50とを備えている。頭部54は、ピン54によりレバー36に固定されている。制御装置100が、ニップ調節装置30を作動させると、ニューマチック式シリンダ50が、シャフト52を収縮または伸張させ、レバー36を回転させる。レバー36のこの運動は、カム40を、軸線44を中心として反時計回りまたは時計回りの方向にそれぞれ回転させる。
【0015】
図1から図4に示すように、ニップ70は、既に搬送テープ12,14,112,114により符号「B」で示す方向に搬送されている本60を受け取るように初期設定されている。センサ80は、薄い本62を検知し、制御装置100にメッセージを送る。制御装置100は、ニップ調節装置30,130を作動させる。ニューマチック式シリンダ50は、シャフト52を収縮させる。シャフト52が収縮されると、レバー36が、ピン56と頭部54を介して反時計回りの方向に回転する。カムフォロア42,43は、カム40の低いカムドウェル48,49に接近する。続いてレバー32と、レバー33とが互いに向かって旋回する。このことがシャフト34,35を介してローラアーム22と、ローラアーム23とを互いに向かって運動させる。ローラアーム22,23の互いに向かったこの運動が、テープローラ20とテープローラ21との間の距離を短くし、これによりニップ70の寸法が減じられる。したがってニップ70は、本62の上に閉じられ、搬送テープ12,14,112,114が薄い本62に接触し、符号「A」で示す方向に搬送する。
【0016】
搬送装置は、一方の端部がより厚い不均衡な本を搬送するために、2つの別個のニップ調節装置を有していてよい。一方の端部における不均衡な厚さを他方の端部に対して調節するために、ニップ調節装置30を、ニップ調節装置130に対して独立して制御することができる。
【0017】
装置を作動させるタイミングを、ニップが、本の進入前ではなく、本の上に閉じられるようにすると好適である。このことは、不完全な厚さの本を、閉じたニップ内に搬送することによる衝撃を減じるか、または排除する。
【0018】
前の説明内で、本発明は特定の例示的な実施形態および実施例で記述されている。しかし、特許請求の範囲に示されたような発明の精神および範囲から逸脱することなく、実施形態および実施例に種々の変更が加えられ得ることは明らかである。したがって、明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な形式で見なされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷製品を搬送するための搬送装置であって、
印刷製品を受け取りかつ搬送するための第1のテープおよび第2のテープと、
該テープを案内するための第1のローラおよび第2のローラと、
第1のローラと第2のローラとにおいて第1のテープと第2のテープとによって形成されたニップを調節するためのニップ調節装置と、
印刷製品の厚さを測定するためのセンサと
が設けられており、ニップ調節装置がセンサに関して作動される、印刷製品を搬送するための搬送装置。
【請求項2】
第1のローラが、第1のシャフトを介して第1のカムフォロアに連結していて、第2のローラが、第2のシャフトを介して第2のカムフォロアに連結している、請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
ニップ調節装置がカムを有している、請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
ニップ調節装置が、ニューマチック式シリンダを有している、請求項1記載の搬送装置。
【請求項5】
さらに制御装置が設けられている、請求項1記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ニップ調節装置に対して独立して作動可能な、別のニップ調節装置がさらに設けられている、請求項1記載の搬送装置。
【請求項7】
印刷製品を搬送するための方法であって、以下のステップ:
ニップを、第1の厚さを有する印刷製品のための第1の寸法に設定し、
第1の厚さとは異なる第2の厚さを有する印刷製品を検出し、この場合印刷製品の検出が、ニップへの印刷製品の進入前に行われ、
第2の厚さを有する印刷製品を受け取るために、ニップの第1の寸法を、第1の寸法とは異なる第2の寸法へ調節し、
第2の厚さを有する印刷製品を、ニップを通して搬送する、
ステップを含有する、印刷製品を搬送するための方法。
【請求項8】
印刷製品を、ニップへの印刷製品の進入前に把持する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ニップを、第2の寸法から第1の寸法に自動的に戻すステップをさらに含有する、請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−545506(P2009−545506A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522893(P2009−522893)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/017398
【国際公開番号】WO2008/019101
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(508329715)ゴス インターナショナル アメリカス インコーポレイテッド (42)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Americas, Inc.
【住所又は居所原語表記】121 Technologz Drive, Durham NH 03820, United States of America
【Fターム(参考)】