説明

作動玩具及び、装飾体装置を作動させるプログラムを記録した記憶媒体。

【課題】可動装置と発光装置とを備えたUSB規格の装飾体装置をコンピュータに接続し、所定のキー入力を行うと、装飾体装置の発光装置を発光させたり可動装置を可動させたりする作動玩具を提供する。
【解決手段】可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置と、装飾体装置を作動させる作動装置とで構成される作動玩具であり、作動装置は、装飾体装置の接続の有無を確認する装飾体装置確認手段と、キー入力された文字を入力文字記憶手段に転送する入力転送手段と、入力転送手段から転送された文字を転送された文字からなる文字列に追加して記憶する入力文字記憶手段と、特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶手段と、入力文字記憶手段に記憶された文字列に文字列記憶手段に記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定手段と、文字判定手段での判定結果に応じて装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動装置と発光装置を備えたUSB規格の装飾体装置と、前記装飾体装置を作動させる作動装置としてのコンピュータとで構成される作動玩具及び、装飾体装置を作動させるプログラムを記憶した記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの外部の周辺機器を接続する為の規格としてUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)と呼ばれる規格が用いられている。このUSB規格は、バスパワード方式と呼ばれるコンピュータ側より電力の供給が可能とされる方式が採用されると共にホットプラグと称され、コンピュータの起動中でも自由に抜き差し可能な規格となっている。
【0003】
また、USB規格の接続端子を有する装飾体として本願出願人が出願した登録実用新案第3125907号「装飾体可動装置」の如く、その外観を所望の形象物の形状に形成したものが提案されている。この装飾体可動装置は、USB接続端子を有しており、該USB端子をコンピュータに接続することによって、装飾体可動装置に設けられた可動部が可動するものである。このように従来のUSB規格の接続端子を有する装飾体はあったが、その動きはコンピュータ側から操作されるものでは無いものであった。
【特許文献1】登録実用新案第3125907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、可動装置と発光装置とを備えたUSB規格の装飾体装置をコンピュータに接続し、キーボードに所定のキー入力を行うと、装飾体装置の発光装置を発光させたり、可動装置を可動させたりする作動玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置と、前記装飾体装置を作動させる作動装置とで構成される作動玩具であり、前記作動装置は、前記装飾体装置の接続の有無を確認する装飾体装置確認手段と、キー入力された文字を入力文字記憶手段に転送する入力転送手段と、前記入力転送手段から転送された文字を転送された文字からなる文字列に追加して記憶する前記入力文字記憶手段と、特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶手段と、前記入力文字記憶手段に記憶された文字列に前記文字列記憶手段に記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定手段と、前記文字判定手段での判定結果に応じて前記装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信手段とを備え、前記装飾体装置は、前記作動装置の制御コード送信手段から送信された制御コード信号により前記可動装置及び/又は発光装置を作動させる制御部を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記装飾体装置は、頭部を有する人形形状に形成され、前記頭部に可動装置と発光装置を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2において、前記発光装置は、人形の頭部となる両頬の内側に内設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3において、前記可動装置は、人形の頭部となる両目の内側に内設され、人形の目玉を可動させることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記装飾体装置は、音声を出力する音声出力装置を更に備え、前記制御部は、前記作動装置の制御コード送信手段から送信された制御コード信号により前記音声出力装置から音声を出力させることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記作動装置は、複数の装飾体装置を接続可能とすることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置の接続の有無を特定の検知信号を送信することにより確認して前記装飾体装置が接続されたことを検知する装飾体装置確認プログラムコードと、キー入力による文字を入力文字記憶プログラムコードに転送する入力転送プログラムコードと、前記入力転送プログラムコードから転送された文字を前記入力文字記憶エリアに順次に記憶する入力文字記憶プログラムコードと、特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶データを形成するプログラムコードと、前記入力文字記憶プログラムコードで記憶された文字列に前記文字列記憶データで記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定プログラムコードと、前記文字判定プログラムコードでの判定結果に応じて前記装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信プログラムコードとで構成されことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項7において、前記文字判定プログラムコードの判定結果に応じて、前記記憶媒体を読取可能なコンピュータに備えられた音声出力装置及び/又は音声出力装置を更に備えた装飾体装置に対して制御コード信号を送信し、音声を出力させる音出力指示プログラムコードを更に付加していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コンピュータに可動装置及び発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置を接続している時に、所定の文字又は文字列をキー入力することによって、装飾体装置に設けられた発光装置が点灯又は点滅したり、可動装置が可動したりすることができるものである。これにより、趣向の高い作動玩具とすることができる。また、所定の文字又は文字列をキー入力することによって、音声を出力することもできるものである。
【0014】
また、装飾体装置は、頭部を有する人形形状に形成され、該人形の頭部となる両頬の内側に発光装置は内設され、人形の頭部となる目玉を可動させる装置となる前記可動装置を人形の頭部となる両目の内側に内設しており、この装飾体装置の可動装置及び/又は発光装置が作動することによって、人形の頬を赤らめつつ、人形の瞼を閉じさせ、人形が恰も恥じらっているかのように表すことができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置の接続の有無を特定の検知信号を送信することにより確認して前記装飾体装置が接続されたことを検知する装飾体装置確認プログラムコードと、キー入力による文字を入力文字記憶プログラムコードに転送する入力転送プログラムコードと、前記入力転送プログラムコードから転送された文字を前記入力文字記憶エリアに順次に記憶する入力文字記憶プログラムコードと、特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶データを形成するプログラムコードと、前記入力文字記憶プログラムコードで記憶された文字列に前記文字列記憶データで記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定プログラムコードと、前記文字判定プログラムコードでの判定結果に応じて前記装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信プログラムコードとで構成されたコンピュータが読取可能なプログラムを記録した記憶媒体を、USB接続ポートを有するコンピュータに接続し、該記憶媒体内に記録された各プログラムをコンピュータの記憶装置などに導入して使用するものである。
【0016】
また、前記文字判定プログラムコードの判定結果に応じて、前記記憶媒体を読取可能なコンピュータに備えられた音声出力装置及び/又は音声出力装置を更に備えた装飾体装置に対して制御コード信号を送信し、音声を出力させる音出力指示プログラムコードを更に付加することもある。
【0017】
また、装飾体装置は、頭部を有する人形形状に形成され、前記頭部に発光装置と可動装置を備え、前記発光装置は、人形の頭部となる両頬の内側に内設され、人形の頭部となる目玉を可動させる装置となる前記可動装置は、人形の頭部となる両目の内側に内設されているものである。
【実施例1】
【0018】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。この発明の概要は、作動装置とされるコンピュータに、可動装置と発光装置と音声出力装置とを備えた装飾体装置を接続した後、キーボードなどから所定のキー入力を行うと、装飾体装置に設けられた発光装置を発光させたり、可動装置を可動させたり、音声出力装置から所定の音声を出力させたりするようにした作動玩具である。
【0019】
また、この装飾体装置を作動させる作動プログラムは、コンピュータの外部記憶媒体としてのフラッシュメモリ、外部ハードディスク、光ディスク及び光磁気ディスクなどに記録され、その記憶媒体を該コンピュータに接続した状態で作動プログラムを実行する場合や、その記憶媒体に記憶された作動プログラムを構成する各プログラムを、導入プログラムを用いて該記憶媒体からコンピュータに内蔵されたハードディスクなどの記憶装置に複製して実行する場合がある。
【0020】
このように、コンピュータに内蔵されたハードディスクなどの記憶装置内に、本発明の作動プログラムを構成する各プログラムが導入プログラムによって複製される場合や、このプログラムが予め記憶される場合には、作動プログラムを構成する各プログラムは、各々処理を行う手段を形成するものである。
【0021】
以下の説明は、装飾体装置10と、各々手段を形成する各プログラムが光ディスク(CD-ROM)となる記憶媒体に記録されている場合の説明を行う。図1は、本発明の装飾体装置10を示す斜視図面であり、図2は、装飾体装置10の可動装置22及び発光装置24の動作を示す概念図である。また、図3は、本発明の装飾体装置10と作動プログラムのブロック図である。これらの図を用いて、発光装置24と可動装置22を有する装飾体装置10と、装飾体装置10を作動させる作動プログラムを記録した記憶媒体(CD-ROM)を説明する。
【0022】
装飾体装置10は、図1に示すように台座に腰掛けた人形形状に形成され、頭部12、腕部14、胴体部16、足部18、台座部20で構成されている。また、頭部12、腕部14、足部18は、各々胴体部16に回動自在に軸支され、該胴体部16の臀部は略厚肉方形状とされる台座部20の上面と固着されている。そして、装飾体装置10の胴体部16の背面には、図示しないがUSB接続ポートを有する作動装置となるコンピュータに接続されるUSB接続ケーブルが備えられ、また、図示しないが音声を出力する音声出力装置が備えられている。
【0023】
そして、この装飾体装置10の頭部12内には、図2(A)及び(B)に示すように、赤色のLEDとなる発光装置24と、人形の目玉を可動させる可動装置22が内設されている。この発光装置24は、人形の両頬の内側位置に配設され、発光装置24となる赤色のLEDが発光すると、人形の両頬が赤らむようになっている。
【0024】
そして、可動装置22は、2つの電磁石と、該電磁石の磁力によって回動する目玉部30とで構成され、人形の目の位置の内側に配設されている。この2つの電磁石は、上方に位置する第一電磁石26と、下方に位置する第二電磁石28からなり、それぞれ頭部12内側に内設されている。また、目玉部30は、円弧状に湾曲した方形状の薄板32で形成され、該薄板32の外側面下方の所定の位置に目玉が表示されている。また、該薄板32の内側面上方の中央に、棒状の軸部34が膨出しており、その先端に磁性体36を備えている。そして、この目玉部30の軸部34は、頭部12に回動自在に軸支され、軸部34の先端に位置する磁性体36は、第一電磁石26と第二電磁石28との間隙に位置するように配設されている。これにより、第一電磁石26又は第二電磁石28のいずれかが磁化されることによって、目玉部30の磁性体36が磁力によって吸着され、目玉部30が回動するようになっている。
【0025】
実施例では、図2(A)に示すように第一電磁石26が磁化した場合には、目玉部30の磁性体36が第一電磁石26に吸着されて回動し、頭部12に形成された眼孔からは、目玉部30の外側面上方部分が見えるものの、下方に位置する目玉は見えないことから目を閉じた状態を表すことができるものである。また、第二電磁石28が磁化した場合には、図2(B)に示すように目玉部30の磁性体36が第二電磁石28に吸着されて回動し、頭部12に形成された眼孔から目玉部30外側面下方に位置する目玉が見える位置に回動することによって、目を開いた状態を表すことができるものである。
【0026】
このように、装飾体装置10の可動装置22や発光装置24が作動することによって、人形の目を瞬きさせるように可動装置22を作動させたり、人形の頬を赤らめるように発光装置24を発光させたりすることができるものである。また、実施例では、人形の目を瞬きさせるように可動させるものであるが、これに限定されるものではなく、腕部14、足部18などの様々な部位を可動させるようにしても構わないものである。
【0027】
そして、この装飾体装置10の内部には、図3(A)に示すように該USB接続ケーブル40をコンピュータのUSB接続ポートに接続した際に、コンピュータ50側からのUSB制御信号をシリアル信号へと変換するICと、該変換されたシリアル信号を、発光装置24や可動装置22、更には音声出力装置25となる各装置に送信するマイクロコントローラとを備えた制御部が内設されている。また、この制御部は、装飾体装置10の本体内ではなく、別途制御部を格納する装置に収容しても構わない。
【0028】
この装飾体装置10のUSB接続ケーブル40を、作動装置となるコンピュータ50のUSB接続ポートに接続すると、USB接続ポートから電力が供給されるようになる。また、装飾体装置10が接続されたコンピュータ50上では、仮想のCOMポートが作成され、その仮想COMポートに、この装飾体装置10が接続されていると認識され、この装飾体装置10の装置名、デバイスの種類、製造元などの情報が特定されるものである。
【0029】
そして、例えば、コンピュータ50を操作するOS(Operation System)が株式会社マイクロソフトのWindows(登録商標)である場合には、仮想COMポートの1番〜16番のいずれかの番号のCOMポートに、装飾体装置10が接続されていると認識されるものである。また、この装飾体装置10は、USB接続ポートを有するUSBハブを介してコンピュータ50に接続されることもあるものである。
【0030】
次に、作動プログラムを記録した記憶媒体には、図3(B)に示すように、この作動プログラムの他に、この作動プログラムをコンピュータに内蔵されたハードディスクなどの記憶装置に導入する導入プログラムと、特定の文字及び/又は文字列を複数記憶した文字列記憶データが格納されている。また、この記憶媒体に記憶されている作動プログラムは、装飾体装置確認プログラムと、入力転送プログラムと、入力文字記憶プログラム、文字判定プログラム、制御コード送信プログラム、音出力指示プログラムで構成されている。
【0031】
この記憶媒体に記憶されている導入プログラムは、該コンピュータ50上で実行されると、記憶媒体内の作動プログラムを構成する各プログラムと、特定の文字及び/又は文字列を複数記憶した文字列記憶データを、コンピュータ50の記憶装置の適切な場所に該プログラムを複製し保存すると共に、該作動プログラムの設定に関するファイル及び/又はレジストリを新規に作成し、コンピュータ50の記憶装置の適切な場所に記録するものである。
【0032】
そして、該記憶媒体に記憶され、特定の文字及び/又は文字列を複数記憶した文字列記憶データには、例えば、「H」などのアルファベットや、「SUKI」、「AISITERU」などのアルファベットを組合せした文字列が記憶されている。また、「く」などの平仮名や、「すき」、「あいしてる」などの平仮名を組み合わせた文字列が記憶されてあっても構わないものである。
【0033】
作動プログラムを構成する各プログラムについて詳細に説明する。まず装飾体装置確認プログラムは、コンピュータ50に装飾体装置10が接続されているかの有無を確認するプログラムであり、コンピュータ50内に装飾体装置確認手段を形成する。
【0034】
この装飾体確認手段となる装飾体装置確認プログラムは、コンピュータ50上の仮想のCOMポートの1番〜16番に対して順次に特定の検知信号となる「問い合わせコード」を送信し、装飾体装置10が接続されている仮想のCOMポートから特定の「応答コード」が返信されるまで、確認を続けるようになっている。また、各仮想のCOMポートに対して特定の検知信号となる「問い合わせコード」を送信した後、仮想COMポートからの特定の「応答コード」の返信が無い場合には、所定の時間だけ待機した後、繰り返し装飾体装置10の確認を行うものである。
【0035】
この特定の検知信号となる「問い合わせコード」は、例えば、「装置名」や「製造元」、又は、鍵となる装飾体装置10に記憶させる特殊コードなどの情報を問い合わせるコードである。また、特定の「応答コード」は、例えば、仮想ポートに接続されている装置の装置名や、製造元の企業名や当該装飾体装置10に記録した特殊コードなどの情報となるコードである。この特定の「応答コード」が返信されることによって、装飾体装置確認プログラムは、特定の「応答コード」が返信された仮想COMポートに装飾体装置10が接続されていると認識するものである。また、このUSB接続確認プログラムは、装飾体装置10が認識された後も、装飾体装置10が接続されている仮想COMポートに対して所定のタイミングで装飾体装置10の有無を確認し続けるものである。
【0036】
次に、入力転送プログラムは、コンピュータ50に接続されたキーボードからのキー入力された文字を入力文字記憶プログラムに転送するプログラムであり、コンピュータ50内に入力転送手段を形成するものである。
【0037】
そして、入力文字記憶プログラムは、コンピュータ50内に入力文字記憶手段を形成するものであって、入力転送プログラムから転送された文字を、入力文字記憶エリアに順次に記憶するものである。この入力文字記憶手段となる入力文字記憶プログラムは、例えば、入力転送プログラムから「S」という文字が転送され、入力文字記憶エリアに記憶されている文字列が「AI」である場合、文字列「AI」に「S」を追加して「AIS」と記憶するものである。また、この入力文字記憶エリアで記憶される文字列の文字数は任意であるものの、文字列記憶データに記憶された最も長い文字列の文字数の数まで記憶されるものである。また、後述する文字判定プログラムで、「是」と判定された場合には、記憶された文字列情報を消去するものである。
【0038】
次に、文字判定プログラムは、入力文字記憶エリアで記憶されている文字列に、文字列記憶データに複数記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定するものであり、コンピュータ50内に文字判定手段を形成するものである。この文字判定手段となる文字判定プログラムは、入力文字記憶エリアで記憶されている文字列に、文字列記憶データに記憶されている文字又は文字列が含まれている場合には、「是」と判定し、含まれていない場合には「非」と判定するものである。また、この文字判定プログラムは、入力文字記憶エリアで記憶されている文字列に変化があった時、記憶した文字列に所定の文字が含まれているかの判定を実行するものである。
【0039】
そして、入力文字記憶エリアで記憶されている文字列が、例えば「TASUKI」であって、文字列記憶データに「SUKI」が記憶されている場合、「TASUKI」の文字列には、「SUKI」の文字列が含まれている為、文字判定プログラムは、「是」と判定するものである。また、実施例では、文字の大文字での例を示したものであるが、大文字と小文字を組み合わせた文字(例えば「TaSuKi」)がキー入力された場合であっても、「是」と判定されるものである。
【0040】
そして、制御コード送信プログラムは、コンピュータ50内に制御コード送信手段を形成するものであって、文字判定プログラムで「是」と判定された時に、「是」とした入力文字記憶エリアに記憶されている文字列に応じて、装飾体装置10の各装置となる可動装置22や発光装置24に対して、それぞれ異なる動作を行わせるUSB制御信号となる制御コード信号を送信するものである。例えば、「SUKI」の文字列で「是」と判定された場合には、発光装置24だけがゆっくり点滅するように制御コード信号を送信したり、「AISITERU」の文字列で「是」と判定された場合には、発光装置24を点灯状態にすると共に可動装置22を作動させるように制御コード信号を送信したりするものである。
【0041】
また、音出力指示プログラムは、文字判定プログラムで「是」と判定された時に、装飾体装置10の音声出力装置25に対してUSB制御信号となる音声情報を含む制御コード信号を送信するものである。また、音出力指示プログラムは、文字判定プログラムで判定された文字列に応じて、装飾体装置10の音声出力装置に対して異なる音声ファイルとなる音声情報を送信することもある。例えば、「SUKI」の文字列で「是」と判定された場合には、第一音声ファイルの音声情報を送信し、「AISITERU」の文字列で「是」と判定された場合には、第二音声ファイルの音声情報を送信するようにしても構わないものである。そして、この音出力指示プログラムは、例えば、作動装置となるコンピュータ50に内蔵するスピーカから音声を出力するようにコンピュータ50に指示にするようにしても構わない。
【0042】
次に、図4のフローチャートを用いて、作動プログラムの流れについて説明を行う。まずS001のステップは「作動プログラム起動」であり、コンピュータ50のOSが起動すると、作動プログラムも自動的に起動するようになっている。具体的には、コンピュータ50で使用されるOSがWindowsである場合には、「プログラム」の「スタートアップ」フォルダ内に、作動プログラムのショートカットが保存されているようにすることによって、コンピュータ50のOSが起動する際に、作動プログラムも同時に起動されるものである。
【0043】
次に、S002へと進み、「装飾体装置の接続確認」となる。このステップにおいては、装飾体装置確認プログラムによって、コンピュータ50上の仮想のCOMポートの1番〜16番に対して「問い合わせコード」が送信され、その結果に応じて装飾体装置10の有無が判断される。装飾体装置10がUSB接続ポートに接続されている場合には、接続された仮想のCOMポートより、特定の装置名、特定の企業名など情報となる「応答コード」が返信されるようになっており、特定の「応答コード」が返信された場合には、装飾体装置10が接続状態にあると判断され、S004の「入力転送処理」へと進む。また、この特定の「応答コード」が返信されない場合には、装飾体装置10が接続されていないと判断され、S003の「所定の時間待機」へと進むものである。
【0044】
S003は「所定の時間待機」であり、このステップにおいては、装飾体装置10の確認を中断して所定の時間だけ待機するものである。そして、所定の時間が経過した後、再びS002の「装飾体装置の接続確認」を行い、装飾体装置10がUSB接続ポートに接続されるまで、この装飾体装置10の接続確認が、所定の間隔で行われるものである。
【0045】
S004は「入力転送処理」であり、このステップにおいては、コンピュータ50に接続されたキーボードからキー入力された文字を入力転送プログラムによって、入力文字記憶プログラムに転送する。次に、S005の「入力文字記憶処理」に進む。
【0046】
S005は、「入力文字記憶処理」であり、このステップにおいては、入力文字記憶プログラムによって、入力転送プログラムによって転送された文字を、入力文字記憶エリアに順次に記憶するものである。次に、S006の「文字判定処理」に進む。
【0047】
S006は「文字判定処理」であり、このステップにおいて、入力文字記憶エリアで記憶されている文字列に、文字列記憶データに複数記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定し、その是非を判定するものである。是非の判定が行われた後、S007の「判定結果」に進む。
【0048】
S007は、「判定結果」であり、このステップにおいて、文字判定プログラムでの判定結果に応じて分岐される。判定結果が「是」である場合には、S008の「制御コード送信処理」へと進み、判定結果が「非」である場合には、S002の「装飾体装置の接続確認」まで戻るものである。
【0049】
S008は、「制御コード送信処理」であり、このステップにおいては、制御コード送信プログラムが、装飾体装置10が接続されている仮想のCOMポートに対して、USB制御信号となる制御コード信号を送信する。また、このS008の「制御コード信号処理」では、S006の「文字判定処理」で「是」と判定した時、「是」としたS005の「入力文字記憶処理」で記憶された文字列に応じて、装飾体装置10の各装置となる可動装置22や発光装置24に対して、それぞれ異なる動作を行わせる制御コード信号を送信するものである。
【0050】
また、このS008の「制御コード送信処理」では、同時に音出力指示プログラムにより、装飾体装置10の音声出力装置25に対してUSB制御信号となる音声情報を含む制御コード信号も送信する。また、上記の制御コード送信プログラムと同様に、S006の「文字判定処理」で「是」と判定した時、「是」としたS005の「入力文字記憶処理」で記憶された文字列に応じて、装飾体装置10の音声出力装置25に対して、それぞれ異なる音声情報を送信するものである。更に、作動装置となるコンピュータ50に内蔵するスピーカから音声を出力するようにコンピュータ50に指示することもある。
【0051】
そして、S008の「制御コード送信処理」を行った後、入力文字記憶エリアに記憶されている文字列を消去して、S002の「装飾体装置の接続確認」へと戻るものである。また、このS008の「制御コード送信処理」が行われたことにより、該制御コード信号を装飾体装置10の制御部が受信し、該制御部から可動装置22や発光装置24、更には音声出力装置25に対して、制御信号を送信するものである。
【0052】
次に、この作動玩具の使用例を説明する。この作動玩具は、図5の如く装飾体装置10となる人形の胴体部16の背面に設けられたUSB接続ケーブル40をコンピュータ50のUSB接続ポートに接続し、コンピュータ50に接続されたキーボードより所定の文字がキー入力されると、装飾体装置10の人形の頭部12に設けられた可動装置22及び発光装置24は作動するものである。また、この可動装置22が作動することによって、人形(装飾体装置10)の目が、図2(B)の如く瞼を開いたり、図2(A)の如く瞼を閉じたりするように作動し、また発光装置24となるLEDを所定の時間点灯させ、人形の両頬を赤らめるように作動するものであり、恰も、人形が恥ずかしがっているかのように表現することができるものである。
【0053】
以上説明したように、コンピュータ50に可動装置22及び発光装置24を備えた装飾体装置10が接続されている時に、所定の文字又は文字列をキー入力することによって、装飾体装置10に設けられた発光装置24が点灯又は点滅したり、可動装置22が可動したりする作動玩具を提供することができるものである。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、以下に示すように本発明の要旨の範囲内で種々に改変できる。
【0054】
例えば、作動プログラムに、所定の時間を計時する計時手段を形成する計時プログラムを更に付加し、該計時プログラムで所定の時間が経過する毎に、人形の目が瞬きをするように、装飾体装置10の可動装置22を可動させるようにしても構わないものである。
【0055】
また例えば、装飾体装置10内にフラッシュメモリなどからなる記憶部を備え、その記憶部に作動プログラムを構成する各プログラムと特定の文字及び/又は文字列を複数記憶した文字列記憶データを記録するようにしても構わない。
【0056】
そして例えば、作動プログラムに、所定のアプリケーションプログラムを実行指示するアプリケーション実行手段を形成するアプリケーション実行プログラムを更に付加することによって、文字判定プログラムでの判定結果に応じて、作動装置となるコンピュータ50上で、所定のアプリケーションを実行指示することができるものである。また、このアプリケーション実行プログラムは、音出力指示プログラムと同様に、文字判定プログラムで判定された文字列に応じて、異なるアプリケーションを実行するように指示することもある。例えば、「SUKI」の文字列で「是」と判定された場合には、所定の電子メールプログラムが実行指示され、「AISITERU」の文字列で「是」と判定された場合には、インターネットを閲覧する所定のブラウザプログラムが実行するように指示するようにしても構わないものである。
【0057】
また例えば、作動装置となるコンピュータ50に、複数の装飾体装置10を接続している時には、コンピュータ50に接続されたキーボードから所定の文字又は文字列をキー入力することによって、複数の装飾体装置10を同時に作動させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例である装飾体装置の示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例である装飾体装置の頭部内の発光装置及び可動装置を示す概念図である。
【図3】本発明の一実施例である装飾体装置と記憶媒体のブロック図である。
【図4】本発明の一実施例である作動プログラム又は作動方法のフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施例である装飾体装置の使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 装飾体装置
12 頭部
14 腕部
16 胴体部
18 足部
20 台座部
22 可動装置
24 発光装置
25 音声出力装置
26 第一電磁石
28 第二電磁石
30 目玉部
32 薄板
34 軸部
36 磁性体
40 USB接続ケーブル
50 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置と、前記装飾体装置を作動させる作動装置とで構成される作動玩具であり、
前記作動装置は、
前記装飾体装置の接続の有無を確認する装飾体装置確認手段と、
キー入力された文字を入力文字記憶手段に転送する入力転送手段と、
前記入力転送手段から転送された文字を順次に記憶する前記入力文字記憶手段と、
特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶手段と、
前記入力文字記憶手段に記憶された文字列に前記文字列記憶手段に記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定手段と、
前記文字判定手段での判定結果に応じて前記装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信手段とを備え、
前記装飾体装置は、
前記作動装置の制御コード送信手段から送信された制御コード信号により前記可動装置及び/又は発光装置を作動させる制御部を備えたことを特徴とした作動玩具。
【請求項2】
請求項1において、前記装飾体装置は、頭部を有する人形形状に形成され、前記頭部に可動装置と発光装置を備えたことを特徴とする作動玩具。
【請求項3】
請求項2において、前記発光装置は、人形の頭部となる両頬の内側に内設されていることを特徴とする作動玩具。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記可動装置は、人形の頭部となる両目の内側に内設され、人形の目玉を可動させることを特徴とする作動玩具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記装飾体装置は、音声を出力する音声出力装置を更に備え、前記制御部は、前記作動装置の制御コード送信手段から送信された制御コード信号により前記音声出力装置から音声を出力させること特徴とする作動玩具。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記作動装置は、複数の装飾体装置を接続可能とすることを特徴とする作動玩具。
【請求項7】
可動装置と発光装置を備えたUSB接続端子を有する装飾体装置の接続の有無を特定の検知信号を送信することにより確認して前記装飾体装置が接続されたことを検知する装飾体装置確認プログラムコードと、
キー入力による文字を入力文字記憶プログラムコードに転送する入力転送プログラムコードと、
前記入力転送プログラムコードから転送された文字を前記入力文字記憶エリアに順次に記憶する入力文字記憶プログラムコードと、
特定の文字及び/又は文字列を少なくとも1以上記憶した文字列記憶データを形成するプログラムコードと、
前記入力文字記憶プログラムコードで記憶された文字列に前記文字列記憶データで記憶されている文字又は文字列が含まれているかを判定する文字判定プログラムコードと、
前記文字判定プログラムコードでの判定結果に応じて前記装飾体装置に対して制御コード信号を送信する制御コード送信プログラムコードとで構成されことを特徴としたコンピュータが読取可能なプログラムを記録した記憶媒体。
【請求項8】
請求項7において、前記文字判定プログラムコードの判定結果に応じて、前記記憶媒体を読取可能なコンピュータに備えられた音声出力装置及び/又は音声出力装置を更に備えた装飾体装置に対して制御コード信号を送信し、音声を出力させる音出力指示プログラムコードを更に付加していることを特徴としたコンピュータが読取可能なプログラムを記録した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−262440(P2008−262440A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105523(P2007−105523)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(596020680)株式会社キューブ (11)
【Fターム(参考)】