説明

作動確認用球供給装置

【課題】スロットマシンの球取込装置の取込作動確認を容易に行い得る作動確認用球供給装置、及びパチンコ遊技機の発射装置の発射作動確認を容易に行い得る作動確認用球供給装置を提案する。
【解決手段】取込作動確認用の遊技球を貯留する携帯可能な確認球貯留スティック60を、球貯留皿15から遊技球を取り込む球取込装置50に脱着可能とし、該貯留スティック60から遊技球を球取込装置50へ供給するものとした。また、発射作動確認用の遊技球を貯留する携帯可能な確認球貯留スティック180を、発射装置150の、発射レール155の発射位置Zに遊技球を供給する位置に脱着可能とした。これにより、各貯留スティック60,180内の遊技球を用いて、球取込装置50又は発射装置150の作動確認を容易かつ適正に行うことができ、遊技球紛失により生ずる遊技者とのトラブルが発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機用の遊技球を遊技媒体とするスロットマシンの球取込装置を作動確認する場合に、該作動確認に用いる遊技球を球取込装置へ供給するための装置、及びパチンコ遊技機の発射装置を作動確認する場合に、該作動確認に用いる遊技球を発射装置へ供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体として通常使用されるメダルの替わりに、パチンコ遊技機用の遊技球を遊技媒体とするスロットマシンが提案されている。かかるスロットマシンは、パチンコ遊技機と併存させて遊技場に備え付けることにより、一種類の遊技媒体でパチンコ遊技機とスロットマシンの両方を遊技可能となるため、遊技者の利便性を向上させることができる。また、パチンコ遊技機用の遊技島に取り付けて、パチンコ遊技機用の球供給装置や球回収装置を利用することができるため、遊技機の設備費や遊技媒体の管理費等を低減させることができる。
【0003】
こうしたスロットマシンは、一般的に、取込用の遊技球を貯留する球貯留皿と、該球貯留皿の遊技球を取り込む球取込装置とを備えている。ここで、球貯留皿は、回転リールを配設した遊技機本体の前面に開閉可能に設けられた開閉パネルに配設されている。一方、球取込装置は、遊技機本体に配設され、開閉パネルの閉鎖状態で球貯留皿に設けられた取込口と連通する球取込口と、該球取込口からの遊技球が流下する球取込路とを具備する取込ケース、及び該取込ケースに設けられ、遊技球を所定個数を一単位として取り込む取込作動手段を具備してなる。
【0004】
遊技場では、一般的にメダル一枚の価値よりも遊技球一個の価値が低く設定されているため、該メダルを遊技媒体とするスロットマシンがメダル一枚を最小賭数単位としていることに対して、遊技球を遊技媒体とするスロットマシンでは、例えば遊技球5個を最小賭数単位としている。例えば、最大賭数が三単位に設定されているスロットマシンにあっては、その球取込装置の取込作動手段が、一ゲーム毎に、賭数を一単位(最小単位)とした場合には5個、二単位とした場合には10個、三単位(最大単位)とした場合には15個の遊技球を球貯留皿から取り込む作動を行うように制御されている。
【0005】
ここで、球取込装置の取込作動手段としては、例えばスプロケットを回動制御することにより、球貯留皿から遊技球を所定の取込個数まで一個毎繰返し連続して取り込む作動を行うようにしている構成が一般的である。また、例えば特許文献1のように、5個の遊技球を一度に取り込むように可動する可動部材を三つ設け、賭数単位毎に遊技球をほぼ同時的に取込可能とする取込作動手段を備えた構成も提案されている。尚、取込作動手段にあっては、取り込んだ遊技球を検知するセンサ等の検知装置も設けられており、遊技者が設定した賭数単位に相当する個数の遊技球を取り込んだか否かを確認するようにもなっている。
【0006】
一方、一般的なパチンコ遊技機には、遊技球を貯留する球貯留皿と、該球貯留皿の遊技球を遊技盤面へ発射するための発射装置とを備えている。ここで、球貯留皿は、遊技盤を備えた遊技機本体の前面に開閉可能に設けられた開閉パネルに配設されている。発射装置は、遊技機本体に配設され、開閉パネルの閉鎖状態で、発射レール上の所定発射位置に供給された遊技球を打圧して、該遊技球を発射レールにより案内して遊技盤へ発射するものである。尚、この発射装置には、発射位置の遊技球を打圧する打圧強度を調整して遊技者が発射操作する発射ハンドルを備えていることが一般的である。また、開閉パネルの裏側には、球貯留皿と連通して、該球貯留皿内の遊技球を発射位置へ順次供給する球供給装置が配設されていることが一般的である(例えば、特許文献1)。
【0007】
このようなパチンコ遊技機では、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、球貯留皿から発射位置に順次供給された遊技球が遊技盤へ発射される。そして、発射された遊技球が遊技盤に配設された入賞装置へ流入することにより、所定の賞球が遊技者に払い出されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−305543号公報
【特許文献2】特開2004−89587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したスロットマシンにあっては、その球取込装置が一ゲーム毎に複数個の遊技球を取り込む作動を行うことから、遊技中における該球取込装置の取込作動手段の可動率は比較的高い。このため、遊技球を取り込む作動時に、遊技球が流下して生じる振動や衝撃等によって、スプロケット等の部材に変形や欠損を生じたり、各部材の可動軸がズレたり、該スプロケットを駆動するための駆動装置との連結機構が外れたりする等の不具合を生じることもあり得る。さらには、長期間に蓄積される負荷により駆動装置に作動不良等を生じる不具合や異常の発生が懸念される。これは、上述した従来構成ように、一度に5個の遊技球を取り込むことができるものにあっても、その可動部材に一ゲーム毎に遊技球5個分に相当する負荷が生じるため、同様の不具合や異常の発生が懸念される。
【0009】
上記したような球取込装置の不具合や異常が、遊技者の遊技中に発生すると、一旦遊技を中断して遊技場の係員によって当該球取込装置の修理や交換等が行われることとなる。そして、修理や交換等の後、球取込装置の取込作動手段が正常に作動するか否かを確認するために、開閉パネルの開放状態で、試験的に遊技球を取り込む作動を行い、正常に作動することを確認する取込作動確認を行う。
【0010】
ここで、開閉パネルの開放状態で取込作動確認を行うためには、係員が手作業で遊技球を直接球取込装置へ入れなければならない。ところが、この球取込装置の、遊技球を流入する球取込口は、遊技球一個が通過する程度の大きさしかないため、係員が自らの手作業で遊技球を流入させる場合に、作業し難いと共に、誤って遊技球を落としてしまい易い。さらに、床に落ちた遊技球は紛失し易い。そして、この球取込装置の取込作動確認は、遊技球一個を取り込むだけでなく、通常、複数個の遊技球を正常に取り込むことができるか否かにより確認される。このため、遊技球を球取込口から流入させる手作業が複数回繰り返され、この作業毎に、遊技球を落としたり、落ちた遊技球を紛失することがあり得るから、この手作業は作業効率が低い。また、このように紛失した遊技球が後に拾われて遊技に使用されると、遊技場の不利益ともなり得る。また、球貯留皿の遊技球を使用した場合に、係員が誤って床面へ落としてしまい、落ちた遊技球が紛失すると、この遊技球は遊技者のものであるため、遊技場が遊技者へ補填する必要が生じる。さらに、この紛失した遊技球の個数が不明であると、遊技者との間でトラブルが生じることもあり得る。
【0011】
一方、上述したパチンコ遊技機にあっては、発射装置が作動されて遊技球を遊技盤へ発射することにより遊技が進行するものであるから、この発射装置は遊技中、ほぼ連続的に可動している。このため、発射位置に在る遊技球を直接打圧する発射鎚等の部材に変形や欠損を生じたり、該発射鎚を駆動する駆動装置との連結機構にズレを生じる等の不具合や異常が発生することもあり得る。さらには、長期間に蓄積される負荷により駆動装置に作動不良等を生じることも懸念される。
【0012】
このような発射装置の不具合や異常が、遊技者の遊技中に発生すると、一旦遊技を中断して遊技場の係員によって当該発射装置の修理や交換等が行われることとなる。そして、この修理や交換等の後、発射装置が正常に作動するか否かを確認するために、試験的に遊技球を発射する。この試験的な発射装置の駆動は、開閉パネルの開放状態で行い、係員が不具合や異常等を解消できたか否かをより明確に判断できるようにしている。
【0013】
ここで、開閉パネルの開放状態では、発射レール上の発射位置に係員が手作業で遊技球を置かねばならない。この発射レールは遊技球一個分のレール幅しかないため、係員がこの発射位置に一個毎遊技球を置く手作業は、作業効率が低いと共に、遊技球を落としたり、落ちた遊技球を紛失することがあり得る。そして、これは上述したスロットマシンの取込作動確認の場合と同様、紛失した遊技球を使用されて遊技場が不利益を被ったり、取込作動確認に遊技者の遊技球を用いた場合に、これを紛失すると遊技場が補填する必要を生じたり、紛失した個数が不明であると遊技者との間にトラブルを生じ得る。
【0014】
本発明は、かかる問題を解決するために発明されたものであり、遊技球を紛失する等して遊技者との間でトラブルが生じることなく、かつ、比較的容易に作動確認を行い得るスロットマシン及びパチンコ遊技機の作動確認用球供給装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第一発明としては、球貯留皿を備えた開閉パネルと、遊技機本体に配設された球取込装置とを具備するスロットマシンの、その球取込装置の作動確認に用いられるものであって、取込作動確認用の遊技球を貯留し、その球出口端から遊技球を流出可能な球貯留領域と、該球出口端を開閉する出口開閉手段とを具備する携帯可能な確認球貯留スティックと、確認球貯留スティックを、その球出口端と球取込装置の球取込路とを連通して該球出口端から球取込路へ遊技球を流出可能とするように、該球取込装置に取り付けて保持するためのスティック保持手段とを具備することを特徴とする作動確認用球供給装置である(請求項1)。
【0016】
ここで、本発明にあって、球取込装置の取込作動確認は、球取込装置の取込作動手段が正常に遊技球を取り込むことができるか否かを、該取込作動手段を作動させることにより遊技場の係員等が確認することであり、該球取込装置に不具合や異常等が生じた場合に、これを修理・交換した後に主に行われる。そして、球取込装置が遊技球を正常に取り込めない不具合や異常等は、上述したように、取込作動手段を構成する構成部材の欠損や変形、該取込作動手段を構成する駆動装置の作動不良等が原因としてある。さらに、この駆動装置の作動不良は、装置自体の故障だけでなく、配線不良や、これを制御する制御不良等もあり得る。したがって、以下、これらを球取込装置の不具合や異常として扱っている。
【0017】
かかる構成にあっては、開閉パネルの開放状態で、予め遊技球を貯留した確認球貯留スティックをスティック保持手段に従って球取込装置に取り付けて保持し、その球出口端を開放することにより、該スティック内の遊技球を球取込路へ供給できるようにしたものである。すなわち、球取込装置に不具合や異常等が生じた場合に、これを修理・交換した後、開閉パネルを開放したままの状態で、確認球貯留スティックを球取込装置に保持して該球取込装置を作動することによって、取込作動確認を行うことができ得る。このように、確認球貯留スティックを、その球出口端が球取込装置の球取込口と連通した状態で保持することにより、遊技球を容易かつ確実に球取込路へ流下させることができ、当該作動確認作業の作業効率が向上する。また、上述した従来構成のように、係員が手作業で遊技球を球取込装置の球取込口へ入れることを要しない。これにより、取込作動確認を行う場合に、遊技球を落下させたり、落下した遊技球を紛失することもなく、遊技者の遊技球を取込作動確認に使用して紛失してしまうことにより生ずる遊技者との間のトラブルや、紛失した遊技球を使用されることにより生ずる遊技場の不利益が発生しない。
【0018】
本発明は、取込作動確認用の遊技球を貯留する確認球貯留スティックから遊技球を供給するようにした構成であるから、取込作動確認に球貯留皿内の遊技球を用いることがなく、球貯留皿に遊技球を保持したまま、不具合等の修理及び取込作動確認を行うことも可能である。したがって、遊技中に発生した不具合や異常を修理等した後、取込作動手段の作動確認すると、遊技者は直ぐに遊技を再開することができるという優れた利点もある。
【0019】
尚、上述した出口開閉手段としては、例えば、球出口端を開閉する開閉片を、手動又は電動で開閉可能とする構成や、球取込装置の球取込口に球出口端が連通する形態とすることにより自動的に開閉する構成等を用い得る。さらに、前記開閉片としては、蓋状のものや扉状のもの等を用いることができる。また、スティック保持手段としては、例えば、互いに嵌着可能な凹形状と凸形状の部位を、確認球貯留スティックと球取込装置に夫々に設ける構成や、所定の磁石等により磁着させる構成等を用いることができる。
【0020】
上記した確認球貯留スティックにあっては、その球貯留領域に遊技球を補充する手段として、球出口端を出口開閉手段により開放して遊技球を補充するようにしても良いし、球出口端とは別に、球貯留領域へ遊技球を入れるための補充口を設けるようにしても良い。ここで、この流出口を設ける場合には、該流出口を開閉する開閉片等を設ける構成が好適である。
【0021】
上述したスロットマシンの作動確認用球供給装置にあって、スティック保持手段が、確認球貯留スティックの球出口端の周縁に形成された凹形状の嵌着口縁と、取込ケースの球取込口の周縁に形成され、確認球貯留スティックの凹形状の嵌着口縁と嵌着可能な凸形状の被嵌着口縁とを具備してなり、嵌着口縁と被嵌着口縁とを嵌着した嵌着状態で、球出口端と球取込口とを連通して、取込ケースに確認球貯留スティックを保持するようにした構成が提案される(請求項2)。
【0022】
かかる構成にあっては、確認球貯留スティックの球出口端の嵌着口縁を、球取込装置の球取込口の被嵌着口縁に嵌着することにより、確認球貯留スティックを球取込装置に取り付けて保持するようにしたものである。そして、このように嵌着口縁と被嵌着口縁とが嵌着することにより、球出口端と球取込口とが連通した状態に保持されることから、確認球貯留スティック内の遊技球を、確実に球取込路へ供給することができる。また、被嵌着口縁に嵌着している嵌着口縁を、該被嵌着口縁から脱嵌することにより、確認球貯留スティックを球取込装置から取り外すことができる。したがって、確認球貯留スティックは球取込装置に容易に着脱可能であり、球取込装置の取込作動確認を行う場合の作業効率が一層向上する。
【0023】
ここで、確認球貯留スティックの出口開閉手段は、球出口端の口縁端に固定される固定片部と、該固定片部から屈曲形成され、常態で球出口端の口内に突出して該球出口端で遊技球を係止する弾性片部とからなり、球出口端の嵌着口縁が球取込口の被嵌着口縁に嵌着された場合に、前記弾性片部を該被嵌着口縁により球出口端の内周面側へ屈曲させ、該球出口端を遊技球の流出可能な開放状態とする板バネ状の開閉バネ部材から構成されるものとする(請求項3)。
【0024】
かかる構成にあっては、確認球貯留スティックの嵌着口縁を球取込装置の被嵌着口縁に脱着することに従って、球出口端を開閉することができるようにしたものである。すなわち、確認球貯留スティックが球取込装置に取り付けられていない常態では、開閉バネ部材の弾性片部が球出口端で遊技球を係止して、該遊技球を球貯留領域内に確実に保持できる。そして、確認球貯留スティックが、その嵌着口縁を被嵌着口縁に嵌着して球取込装置に取り付けられると、この開閉バネ部材は、開閉バネ部材の弾性片部が被嵌着口縁により球出口端の内周面側へ押し付けられて弾性的に屈曲変形する。これにより、嵌着状態で、球出口端が開放状態となる。このように、確認球貯留スティックの球取込装置への脱着に伴って開閉バネ部材を連動させ、球出口端を開閉することができる。したがって、この確認球貯留スティックは、その携帯時に遊技球を確実に貯留でき、球取込装置に取り付けることにより、遊技球を確実に貯留することができる。そして、球出口端を開閉させる作業を要しないことから、取込作動確認の作業効率をさらに向上し得る。
【0025】
また、上述したスロットマシンの作動確認用球供給装置にあって、球取込装置の取込ケースが、取込作動手段の下流側で球取込路に連通する回収用開口と、該回収用開口を開閉する開閉片とを備えてなると共に、開放状態の回収用開口に嵌入する回収嵌入部と、該回収嵌入部に設けられ、回収用開口に嵌入された場合に球取込路内に位置して、取込作動手段により取り込まれた遊技球を流入する球回収口端と、該球回収口端から流入した遊技球を留める回収球貯留領域とを備えてなる球回収スティックを具備する構成が提案される(請求項4)。
【0026】
かかる構成にあっては、球取込装置の取込作動手段により取り込まれた遊技球を、該球取込装置の下流方向へ流下させず、球回収スティックを該球取込装置に取り付けることによって回収するようにしたものである。したがって、球取込装置の取込作動確認を行う場合に、上述した確認球貯留スティックを球取込装置に取り付けると共に、球回収スティックを球取込装置に取り付けることにより、該確認球貯留スティックから流下して取込作動手段によって取り込まれた遊技球を、球回収スティックにより回収することができる。このように球回収スティックにより遊技球を回収することにより、確認球貯留スティックの遊技球が、取込作動確認時に、誤って遊技者に渡ってしまうことを確実に防止できる。
【0027】
尚、球回収スティックにより遊技球を回収する場合以外は、回収用開口を開閉片で閉鎖して保持することにより、取り込んだ遊技球を球取込装置から正常に流下させ得るようになっている。この開閉片としては、蓋状のものや扉状のもの等が好適に用いることができ、さらに、手動で開閉するもの、電動で開閉するもの、又は、球回収スティックの回収嵌入部を嵌入することにより開放するもの等の構成を用い得る。
【0028】
そして、このように取込作動確認に用いる遊技球を確実に回収できることにより、例えば、確認用の遊技球を、通常の遊技球と区別可能とするように、特別な色を付けることもできる。これにより、仮に確認用の遊技球が紛失しても、遊技に使用されれば直ぐに分かるため、遊技場が損失を被ることを防止でき得る。
【0029】
一方、球取込装置の取込ケースが、取込作動手段の下流側で球取込路に連通する回収用開口と、該回収用開口を開閉する開閉片とを備えてなると共に、確認球貯留スティックが、開放状態の回収用開口に嵌入する回収嵌入部と、該回収嵌入部に設けられ、スティック保持手段により球取込装置に保持された状態で、球取込路内に位置して、取込作動手段により取り込まれた遊技球を流入する球回収口端と、該球回収口端から流入した遊技球を留めると共に、球貯留領域に連通する回収球貯留領域とを備えてなる構成が提案される(請求項5)。ここで、確認球貯留スティックは、球取込装置に取り付け保持された状態で、その球出口端を球取込装置の球取込口と連通すると共に、球回収口端が球取込路内に位置するようになっている。
【0030】
かかる構成にあっては、確認球貯留スティックが、その球出口端から球取込装置に供給した遊技球を、取込作動手段により取り込んだ後に、回収できるようにしたものであり、球取込装置に保持することにより、遊技球の供給と回収とを一度に行い得る。さらに、回収した遊技球を、確認球貯留スティック内で、球回収領域から球貯留領域へ移送することができる。これにより、予め球貯留領域に貯留した遊技球は、取込作動確認によって減じることがないから、作動確認用の遊技球を補充する作業を要しない。
【0031】
ここで、回収用開口を開口する開閉片としては、上述した構成(請求項4)と同様のものを用いることができ、同じ作用効果を発揮し得る。
【0032】
また、スロットマシンは、球取込装置により取り込まれた遊技球を、球貯留皿の下方に配設された下部球貯留皿へ返却する返却通路と、機外へ排出する排出通路とのいずれか一方へ流下可能とするように流路変換する球通路変換手段を備えてなるものであって、遊技球が返却通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換すると共に、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込み、該遊技球を下部球貯留皿へ返却する保守用返却スイッチと、遊技球が排出通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換すると共に、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込み、該遊技球を機外へ排出する保守用作動スイッチとを備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる構成が提案される(請求項6)。
【0033】
かかる構成にあっては、開閉パネルを開放した状態で、保守用返却スイッチをオン操作することにより、球取込装置の球取込路に残留する遊技者の遊技球を下部球貯留皿へ返却することができる。さらに、保守用作動スイッチをオン操作することにより、確認球貯留スティックから球取込路へ流下した遊技球を取り込むという取込作動確認を行うことができると共に、該遊技球を機外へ排出することにより、取込作動確認用の遊技球を遊技場が確実に回収できるようにしている。また、この保守用操作部は、開閉パネルの閉鎖状態で被覆される部位に設けられていることから、該開閉パネルを開放した状態での各スイッチの操作性に優れる。したがって、遊技場の係員は、球取込装置の取込作動に不具合や異常が生じた場合に、開閉パネルを開放したままの状態で保守用操作部の各スイッチを夫々操作することにより、当該不具合や異常の原因究明や修理後の取込作動確認を一層容易かつ確実に行うことができ得る。
【0034】
又は、スロットマシンは、球取込装置により取り込まれた遊技球を、球貯留皿の下方に配設された下部球貯留皿へ返却する返却通路と、機外へ排出する排出通路とのいずれか一方へ流下可能とするように流路変換する球通路変換手段を備えてなるものであって、遊技球が返却通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換する保守用返却路スイッチと、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込む保守用取込作動スイッチとを備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる構成(請求項7)が提案される。かかる構成は、上述した球回収スティックを用いて遊技球を回収するようにした場合に用い得る。
【0035】
かかる構成にあっては、開閉パネルを開放した状態で、球取込装置の球取込路に遊技球が残留する場合に、保守用返却路スイッチと保守用取込作動スイッチとがオン操作されることにより、この遊技者の遊技球を返却することができる。そして、上記した請求項4の構成にあって、確認球貯留スティックと球回収スティックとが球取込装置に保持されている場合、又は、上記した請求項5の構成にあって、確認球貯留スティックが球取込装置に保持されている場合に、保守用取込作動スイッチがオン操作されることにより、取込作動手段を駆動して取込作動確認を行うことができる。また、上記した請求項6の構成と同様に、この保守用操作部は、開閉パネルを開放した状態での各スイッチの操作性に優れ、球取込装置の取込作動に不具合や異常が生じた場合に、開閉パネルを開放したままの状態で遊技場の係員が保守用操作部の各スイッチを夫々操作して、当該不具合や異常の原因究明や修理後の取込作動確認を一層容易かつ確実に行うことができ得る。
【0036】
また、球取込装置の取込作動手段が、取り込んだ遊技球を検知する取込球検知センサを備えてなり、遊技球の取込途中で球取込装置の取込作動確認をする場合に、当該取込作動確認前に取り込まれ、前記取込球検知センサにより検知された遊技球の取込個数をリセットすると共に、該取込個数の遊技球を返却する取込球リセットスイッチを備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる構成(請求項8)が提案される。
【0037】
球取込装置に発生する不具合や異常等は、遊技中、例えば遊技者の設定した賭数単位の遊技球を取り込んでいる途中に発生することもあり得る。この場合には、不具合や異常から復帰した後に、該不具合の発生直前に記憶された遊技球の記録を消去して、新たな遊技から再開されることが遊技者にとって望ましいものと言える。このため、かかる構成にあっては、この取込途中で生じた不具合や異常を修理する場合に、取込球リセットスイッチが操作されることにより、この直前に記憶した遊技球数をリセットすると共に、この取り込んだ遊技球を返却するようにしたものである。これにより、遊技者は、不具合や異常が解消された後に、新たな遊技から再開できる。
【0038】
一方、本発明の第二発明としては、球貯留皿を備えた開閉パネルと、遊技機本体に配設された発射装置とを具備するパチンコ遊技機の、その発射装置の作動確認に用いられるものであって、発射装置の作動確認用の遊技球を貯留し、その球出口端から遊技球を流出可能な球貯留領域と、該球出口端を開閉する出口開閉手段とを具備する携帯可能な確認球貯留スティックと、確認球貯留スティックを、球出口端から発射位置へ遊技球を順次流出可能とする位置に保持するためのスティック保持手段とを具備することを特徴とする作動確認用球供給装置ものである(請求項9)。
【0039】
ここで、本発明にあって、発射装置の発射作動確認は、発射装置が発射位置に在る遊技球を正常に発射することができるか否かを、該発射装置を作動させることにより遊技場の係員等が確認することであり、この発射装置に不具合や異常等が生じた場合に、これを修理・交換した後に主に行われる。そして、発射装置が遊技球を正常に発射できない不具合や異常等は、上述したように、発射装置を構成する構成部材の欠損や変形、その駆動装置の作動不良等が原因としてある。さらに、この駆動装置の作動不良は、装置自体の故障だけでなく、配線不良や、これを制御する制御不良等もあり得る。したがって、以下、これらを発射装置の不具合や異常として扱っている。
【0040】
かかる構成にあっては、開閉パネルの開放状態で、予め遊技球を貯留した確認球貯留スティックを、スティック保持手段によりその球出口端から発射位置へ遊技球が流出可能な位置に取り付けて保持し、その球出口端を開放することにより、該スティック内の遊技球を発射レール上の発射位置へ供給できるようにしたものである。すなわち、発射装置に不具合や異常が生じた場合に、これを修理・交換した後、開閉パネルを開放したままの状態で、確認球貯留スティックを発射位置へ遊技球を供給する位置に保持し、該発射装置を駆動することによって、当該発射装置の発射作動確認を行うことができる。これにより、遊技球を発射位置へ正確かつ容易に供給でき、作動確認作業の作業効率を向上させ得る。また、従来構成のように係員が手作業で遊技球を発射位置に配することもないから、遊技球を落下させたり、落下した遊技球を紛失することも生ぜず、遊技者の遊技球を取込作動確認に使用して紛失してしまうことにより生ずる遊技者との間のトラブルや、紛失した遊技球を使用されることにより生ずる遊技場の不利益が発生しない。
【0041】
このように本第二発明は、上述した第一発明の、スロットマシンの球取込装置の取込作動確認に用いられる作動確認用球供給装置を、パチンコ遊技機の発射装置の発射作動確認に適応させたものである。したがって、上述した第一発明同様に、球貯留皿に遊技球を保持したまま不具合等の修理及び作動確認を行うことができ、該作動確認後直ぐに遊技を再開でき得る。また、出口開閉手段にあっても、手動又は電動で開閉する開閉片を設ける構成等を用い得る。さらに、スティック保持手段にあっても、互いに嵌着可能な凹形状と凸形状の部位を互いに設ける構成や、所定の磁石等により磁着させる構成等を用い得る。さらにまた、確認球貯留スティックには、遊技球を補充するための補充口を開閉可能とするように設けることもでき得る。
【0042】
また、確認球貯留スティックを保持する位置としては、球出口端が発射位置に隣接し、該球出口端から流出して発射位置に在る遊技球により、次の遊技球を球出口端から流出しないように係止できるようにした位置が好適である。これにより、球出口端を開放した状態で確認球貯留スティックを保持すれば、発射装置が遊技球を発射する毎に、遊技球が順次発射位置へ供給されることから、連続的に遊技球を発射することが可能である。
【0043】
ここで、スティック保持手段が、確認球貯留スティックに設けられた嵌着部と、発射装置に設けられ、確認球貯留スティックの嵌着部が嵌着された嵌着状態で、球出口端が発射位置に隣接して球貯留領域内の遊技球を発射位置へ順次流出可能とするように、確認球貯留スティックを保持する被嵌着部とを備え、前記嵌着部と被嵌着部の一方が凸形状を成し、他方が該凸形状を嵌入する凹形状を成すものとした構成(請求項10)が提案される。
【0044】
かかる構成にあっては、確認球貯留スティックに設けた嵌着部を、発射装置に設けた被嵌着部に嵌着することにより、確認球貯留スティック内の遊技球が、球出口端から発射位置に容易かつ確実に移ることができるようにしたものである。そして、嵌着部と嵌着する被嵌着部が、発射装置の、球出口端を発射位置に隣接して保持する位置に設けられている。したがって、確認球貯留スティックの嵌着部を発射装置の被嵌着部に嵌着して保持することにより、該確認球貯留スティック内の遊技球を、発射位置に正確かつ確実に供給することができる。また、嵌着部と被嵌着部とが、凹形状と凸形状とにより構成して嵌着するものとしたから、確認球貯留スティックの着脱作業を比較的容易に行うことができ、発射装置の発射作動確認を行う場合の作業効率が一層向上する。
【0045】
また、上述したパチンコ遊技機の作動確認用球供給装置にあって、確認球貯留スティックの出口開閉手段が、該球出口端を開閉する流出口開閉片から構成されてなるもの(請求項11)が提案される。
【0046】
かかる構成にあっては、球出口端を開閉する流出口開閉片を設けることにより、該球出口端を開放状態と閉鎖状態とに変換可能としたものである。そして、流出口開閉片により球出口端を閉鎖することにより、貯留した遊技球を落とすことなく確認球貯留スティックを携帯することができると共に、流出口口開閉片を開放することにより、確認球貯留スティックを発射装置に保持した場合に、球出口端から発射位置へ遊技球を順次流出させることができる。このような流出口開閉片は、比較的簡素な構成により実現できると共に、容易に開閉作業することができ得るものである。ここで、流出口開閉片は、自動的に開閉作動する構成、係員が手動で開閉する構成のいずれとすることも可能である。
【0047】
また、上述したパチンコ遊技機の作動確認用球供給装置にあって、遊技機本体の、開閉パネルの閉鎖状態で被覆される部位に設けられ、発射装置を作動可能とすると共に、遊技盤の入賞装置への遊技球流入を無効とする保守用作動スイッチを備えた構成(請求項12)が提案される。
【0048】
かかる構成にあっては、開閉パネルの開放状態で操作可能となる保守用作動スイッチを設け、該保守用作動スイッチのオン操作によって、発射装置の発射作動確認を行い得るようにしたものである。そして、この発射作動確認では、発射された遊技球が入賞装置に流入しても、この入賞を無効としていることから、当該保守作業と遊技とを完全に区別している。而して、この保守用作動スイッチの操作により、発射装置の作動確認だけを正確かつ容易に行うことができる。また、この保守用作動スイッチは、開閉パネルの閉鎖状態で被覆される部位に設けられていることから、該開閉パネルを開放した状態での操作性に優れる。
【発明の効果】
【0049】
本第一発明は、取込作動確認用の遊技球を貯留する球貯留領域と該球貯留領域内の遊技球を流出する球出口端を開閉する出口開閉手段とを具備する携帯可能な確認球貯留スティックと、確認球貯留スティックを、その球出口端と球取込装置の球取込路とを連通して該球出口端から球取込路へ遊技球を流出可能とするように、該球取込装置に保持するためのスティック保持手段とを具備し、スロットマシンの球取込装置の取込作動確認に用いる作動確認用球供給装置であるから(請求項1)、球取込装置に発生した不具合や異常等を修理した後、開閉パネルを開放したままの状態で、確認球貯留スティックを球取込装置に取り付けて保持することにより、該確認球貯留スティックの遊技球を用いて取込作動確認を行うことができる。このため、上述した従来構成のように係員の手作業で遊技球を球取込装置に入れる必要もなく、比較的容易かつ確実に取込作動確認を行うことができる。さらに、取込作動手段の作動確認時に遊技球の落下や紛失もないため、遊技者の遊技球を紛失することによるトラブルや、紛失した遊技球を使用されることによる遊技場の不利益も発生しない。
【0050】
上記のスティック保持手段が、確認球貯留スティックの球出口端の周縁に形成された凹形状の嵌着口縁と、取込ケースの球取込口の周縁に形成され、確認球貯留スティックの凹形状の嵌着口縁と嵌着可能な凸形状の被嵌着口縁とを具備する構成とした場合には(請求項2)、嵌着口縁と被嵌着口縁とを嵌着することにより、確認球貯留スティックの遊技球を球取込路へ正確かつ確実に供給できると共に、該確認球貯留スティックを球取込装置に容易に着脱することができ、作業効率も向上する。
【0051】
ここで、確認球貯留スティックの出口開閉手段が、球出口端に固定される固定片部から屈曲形成された弾性片部が、常態で球出口端の口内に突出して該球出口端で遊技球を係止し、嵌着口縁と被嵌着口縁とが嵌着される場合に、球出口端の内周面側へ屈曲して該球出口端を開放する開閉バネ部材から構成されるものとした場合には(請求項3)、確認球貯留スティックの球取込装置への着脱に伴って球出口端が開閉され、携帯時の遊技球貯留と、球取込装置への保持時の遊技球流出とが確実に行われる。そして、球出口端を開閉させる作業を要せず、取込作動確認の作業効率をさらに向上し得る。
【0052】
また、上述したスロットマシンの作動確認用球供給装置は、球取込装置の取込ケースが回収用開口と該回収用開口を開閉する開閉片とを具備すると共に、開放状態の回収用開口に嵌入され、取込作動手段により取り込まれた遊技球を球回収口端から回収して貯留する回収球貯留領域を備えた球回収スティックを具備する構成とした場合には(請求項4)、取込作動確認時に、確認球貯留スティックから供給されて取込作動手段により取り込まれた遊技球を、球回収スティックで確実に回収することができる。したがって、取込作動確認用の遊技球が、誤って遊技者へ渡ってしまうことを防止できる。
【0053】
また、スロットマシンの作動確認用球供給装置は、球取込装置の取込ケースが回収用開口と該回収用開口を開閉する開閉片とを具備すると共に、確認球貯留スティックが、開放状態の回収用開口に嵌入され、取込作動手段により取り込まれた遊技球を球回収口端から回収して貯留する回収球貯留領域を具備する構成とした場合には(請求項5)、この確認球貯留スティックを球取込装置へ取り付けることにより、取込作動確認用の遊技球を供給できることと、取込作動確認に用いた遊技球を回収することとの両方を行うことができる。また、取込作動確認で球貯留領域から流出した遊技球は、回収球貯留領域を介して戻ることとなるから、作動確認用の遊技球を補充する作業を要しない。
【0054】
また、スロットマシンが、返却通路と排出通路とのいずれか一方へ遊技球を流下可能に変換する球通路変換手段を備えてなり、開閉パネルにより被覆される部位に設けた保守用操作部に、該球通路変換手段を返却通路に変換すると共に、取込作動手段を作動する保守用返却スイッチと、球通路変換手段を排出通路に変換すると共に、取込作動手段を作動する保守用作動スイッチと配設した構成にあっては(請求項6)、球取込装置に不具合や異常等が生じた場合に、遊技者の遊技球を下部球貯留皿へ返却することと、確認球貯留スティックの遊技球を回収することとを、保守用操作部の各スイッチ操作により容易かつ確実に行い得る。また、開閉パネルを開放したままの状態で、保守用操作部の各スイッチを操作し易く、取込作動確認を一層容易かつ適正に行い得る。
【0055】
一方、上述したように取込作動確認に用いた遊技球を回収するようにした構成にあって、スロットマシンが、返却通路と排出通路とのいずれか一方へ遊技球を流下可能に変換する球通路変換手段を備えてなり、開閉パネルにより被覆される部位に設けた保守用操作部に、該球通路変換手段を返却通路に変換する保守用返却路スイッチと、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込む保守用取込作動スイッチとを配設した場合には(請求項7)、球取込装置に不具合や異常等が生じた場合に、保守用返却路スイッチ及び保守用取込作動スイッチの操作により、球取込装置内に残留する遊技者の遊技球を返却することができる。そして、取込作動確認に用いた遊技球をを行う場合に、保守用取込作動スイッチを操作することにより、球取込口から流入した遊技球を取り込み、当該遊技球を回収できる。そして、開閉パネルを開放したままの状態で、保守用操作部の各スイッチを操作し易く、取込作動確認を一層容易かつ適正に行い得る。
【0056】
また、球取込装置の取込作動手段が取込球検知センサを備えてなり、保守用操作部に、取込途中の遊技球の個数をリセットすると共に、該取込途中の遊技球を返却する取込球リセットスイッチを配設した構成にあっては(請求項8)、この取込球リセットスイッチが操作されることにより、不具合や異常の修理後に、遊技者は新たな遊技から再開できる。
【0057】
本第二発明は、発射装置の作動確認用の遊技球を貯留し、その球出口端から遊技球を流出可能な球貯留領域と該球出口端を開閉する出口開閉手段とを備えた携帯可能な確認球貯留スティックと、確認球貯留スティックを、球出口端から発射位置へ遊技球を順次流出可能とする位置に保持するためのスティック保持手段とを具備し、パチンコ遊技機の発射装置の作動確認に用いる作動確認用球供給装置であるから(請求項9)、発射装置に発生した不具合や異常等を修理した後、開閉パネルを開放したままの状態で確認球貯留スティックから遊技球を発射位置へ供給することにより、該発射装置の作動確認を行い得る。したがって、発射装置の作動確認を行う場合に、比較的容易かつ確実に遊技球を発射位置へ供給できる。さらに、この作動確認時に、遊技球を紛失することもないから、該紛失により生ずるトラブルや不利益が発生しない。
【0058】
ここで、スティック保持手段が、確認球貯留スティックに設けられた嵌着部と、該嵌着部と嵌着可能とし、該嵌着状態で、球出口端から発射位置へ遊技球を順次供給可能とするように、発射装置に設けられた被嵌着部とから構成されてなるものにあっては(請求項10)、確認球貯留スティックを発射装置に着脱する作業が比較的容易に行うことができ、発射装置の発射作動確認を行う場合の作業効率が一層向上する。
【0059】
また、上述した確認球貯留スティックの出口開閉手段が、球出口端を開閉する流出口開閉片から構成されてなるものとした場合には(請求項11)、流出口開閉蓋を脱着可能に設けるという比較的簡素な構成によって、球出口端を開閉することができ、かつこの開閉作業は容易な操作により行い得る。
【0060】
一方、遊技機本体の開閉パネルの閉鎖状態で被覆される部位に、発射装置を作動可能とすると共に、遊技盤の入賞装置への遊技球流入を無効とする保守用作動スイッチを備えた構成にあっては(請求項12)、保守用作動スイッチを操作することにより、開閉パネルを開放したままの状態で、発射装置の作動確認のみを適正に行い得る。また、開閉パネルを開放したままの状態で、保守用操作部の各スイッチを操作し易く、取込作動確認を一層容易かつ適正に行い得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
実施例1〜3は、スロットマシン1の球取込装置50,80を取込作動確認する場合に用いる作動確認用球供給装置の具体例を夫々示したものである。一方、実施例4は、パチンコ遊技機101の発射装置150を発射作動確認する場合に用いる作動確認用球供給装置の具体例を示したものである。以下、各実施例に従って詳細に説明する。
【実施例1】
【0062】
本発明にかかるスロットマシン1は、パチンコ遊技機用の遊技球を遊技媒体とするものであって、図1に示すように、パチンコ遊技機用の遊技島(図示省略)に固定される木製の外枠2と、該外枠2にヒンジ部材16を介して開閉可能に枢着する遊技機本体3とからなる。ここで、外枠2は、板材を矩形枠状に組み付けて、一般的なパチンコ遊技機の木製外枠と同一形状に形成されてなる。
【0063】
遊技機本体3は、図1〜図3に示すように、ヒンジ部材16を介して外枠2に直接枢着する前枠4と、該前枠4の上半分に配設され、前面に意匠板6が設けられた遊技盤7と、該遊技盤7の背面側に設けられ、該意匠板6の前面に左右方向に並んで形成された三つの表示窓8a〜8cから夫々に視認可能とする三つの回転リール30a〜30cを備えたリールユニット31と、前枠4の背面側に開閉可能に取り付けられる裏機構板5等により構成される。
【0064】
上記した遊技盤7の裏側に配設されたリールユニット31は、図柄表示装置を構成するものであり、三つの回転リール30a〜30cと、各回転リール30a〜30cを夫々駆動するための複数のリール駆動モータ(図示省略)とを、堅牢な収納フレーム32の所定位置に組み付けてユニット化してなる。そして、各回転リール30a〜30cの外周面には多種類の図柄(図示省略)が適宜間隔で配列されている。この回転リール30a〜30cの図柄を上述した表示窓8a〜8cに表出し得る状態で、リールユニット31が遊技盤7に配設されている。また、リールユニット31の各リール駆動モータは、該モータを回転制御する表示制御基板C(図5参照)と配線(図示省略)を介して接続されている。
【0065】
前枠4の前面下部には下部球貯留皿13が配設されており、また該下部球貯留皿13内を臨む位置には球返却口14が形成されている。この下部球貯留皿13には、後述する上部球貯留皿15からオーバーフローする遊技球や上部球貯留皿15から移される遊技球が球返却口14から流入して貯留される。
【0066】
一方、遊技機本体3の前枠4の前面側には、図3のように、該前枠4の上半分を覆うように、ヒンジ部材(図示省略)により一側縁が枢結された前扉17が開閉可能に取り付けられている。この前扉17は、ガラス又は合成樹脂からなる透明な被覆板が嵌め込まれた窓部18を備えており、該窓部18から上述した表示窓8a〜8cに表出する回転リール30a〜30cの図柄等を視認し得るようになっている。また、窓部18の直下にはカード操作部21が配設されており、この各ボタンが操作されることにより、貸球等が行われる。
【0067】
また、上記前扉17の直下には、遊技機本体3の前枠4に対して開閉可能となるように、前扉17と同様に一側縁をヒンジ部材(図示省略)により枢結された開閉パネル10が設けられている。尚、この開閉パネル10は、上述した下部球貯留皿13の直上に位置している。
【0068】
この開閉パネル10は、前方へ突出する樹脂製の上皿部材12と、前枠4に枢結されたヒンジ部材29を設けたパネル部材11(図12参照)とから構成されている。そして、この上皿部材12には、上方に開口し、遊技球を貯留する上部球貯留皿15が設けられている。この上部球貯留皿15には、払出装置26(図4,図5参照)から払い出される遊技球を排出する球払出口47が、正面視左側端部に開口されている。さらに、正面視右側端部には、この上部球貯留皿15内に貯留する遊技球を機内に取り込む取込口20(図12参照)が、パネル部材11の裏面側に貫通するように設けられている。また、この取込口20を下流端として、左右方向に沿って遊技球を一列に整列する整列路19が設けられている。この整列路19は、その上流端から下流端に向かって下方へ緩やかに傾斜していると共に、下流端は奥方へ下方傾斜するように形成されており、遊技球が整列路19から順次取込口20へ流入するようになっている。
【0069】
この開閉パネル10に設けられた上部球貯留皿15が、本発明にかかる球貯留皿である。
【0070】
また、上記した開閉パネル10の上皿部材12には、その前面に、正面視左側から、スタートレバー41、停止ボタン43a〜43cが並設されており、停止ボタン43cの右側には、キャンセルボタン46と放出ボタン45とが上下に並んで設けられている。さらに、上皿部材12の右側上面には、1BETボタン42aとMAXBETボタン42bとが夫々配設されている。そして、遊技者がこれらのレバーやボタンを操作することにより、遊技が実行される。これらレバーやボタンは、一般的に周知な構成であるため説明を省略する。
【0071】
一方、遊技機本体3には、図3のように、上記した開閉パネル10により前面を覆われる部位に、該開閉パネル10の閉鎖状態で、該開閉パネル10の取込口20(図12参照)から遊技球を取り込む球取込装置50が配設されている。そして、この球取込装置50により取り込まれた遊技球は、球通路変換装置36を介して、上述した下部球貯留皿13の球返却口14に連通する返却通路37、機外の球回収装置(図示省略)に連通する排出通路38のいずれかへ流下するようになっている。このように遊技球を上部球貯留皿15から取り込む構成については、後述する。
【0072】
また、前枠4の背面側には、図2,図4に示すように、一側縁が枢結された裏機構板5が開閉可能に取り付けられている。この裏機構板5の背面には、基板ユニット27が装着されており、該基板ユニット27には、電子回路が組み込まれた複数の基板A〜F(図5参照)が内蔵されている。また、この裏機構板5の上部には、遊技島の球供給装置(図示省略)から遊技球の供給を受ける球タンク23が設けられる。この球タンク23は、裏機構板5の側部に形成される払出通路24を介して、上部球貯留皿15の球払出口47や、下部球貯留皿13の球返却口14と連通しており、該払出通路24の中途位置に設けられた払出装置26が作動すると、球タンク23側に位置する所定数の遊技球が、上部球貯留皿15や下部球貯留皿13へ払い出される。
【0073】
上述した構成にあって、原則、以下のように遊技が進行する。
遊技者が、賭数を設定することが可能な所定期間に、1BETボタン42a又はMAXBETボタン42bをボタン操作することにより賭数が設定され、この賭数単位に応じて上部球貯留皿15から遊技球が所定個数取り込まれると共に、所定の入賞ラインランプ(図示省略)が点灯して有効ラインを報知する。ここで、本実施例にあっては、賭数一単位毎に遊技球が5個取り込まれるように設定されている。すなわち、一単位(最小賭数単位)では5個、二単位では10個、三単位(最大賭数単位)では15個の遊技球を取り込むように設定されている。このように賭数が設定されると、次に回転リール30a〜30cを回転始動することができる期間となり、遊技者がスタートレバー41を押し下げると、全リール30a〜30cが一斉に回転始動する。回転リール30a〜30cの回転速度が一定となると、次に回転リール30a〜30cを回転停止することができる期間となる。そして、遊技者が停止ボタン43a〜43cを順にボタン操作することにより、その操作タイミングに基づいて回転リール30a〜30cが順に回転停止する。ここで、有効ライン上に並んだ図柄の組合せが所定の当り組合せであると、予め設定されている個数の賞球が遊技者に払い出される。また、遊技内容についていえば、遊技者に有利なボーナスゲーム等の遊技作動が実行開始されることとなる。一方、停止した図柄の組合せが当り組合せ以外である場合は、ハズレ組合せとして確定表示されることとなる。
【0074】
図5は、本発明にかかるスロットマシン1の遊技制御手段を構成する各種基板及び該基板の接続状態を示すブロック図である。
マイクロコンピュータにより構成される主制御基板Aには、スロットマシン1の遊技作動を統括的に制御するための主制御用中央制御装置(CPU)を備えた基板回路が設けられている。この主制御基板Aの基板回路には、周辺機器とデータ通信を行う入力ポート及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板Aからの制御信号が、払出制御基板B、表示制御基板C、ランプ制御基板D、音声制御基板E、情報端子基板Fの各入力ポートに向けて出力されるようになっている。また、主制御基板Aの入力ポートには、上述したスタートレバー41、各BETボタン42a,42b、停止ボタン43a〜43c、放出ボタン45、キャンセルボタン46等が接続されており、主制御基板Aは所定時間毎(例えば2ms毎)にこれらの作動状態を調べ、そのオン作動に応じて遊技状態を制御する。また、主制御基板Aには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、バス(図示省略)を介して主制御用中央制御装置CPUに接続される。
【0075】
上記払出制御基板Bには、遊技球の払出作動の制御を行うための基板回路が設けられる。この基板回路は、上述した払出装置26等と接続されており、主制御基板Aから送出されるコマンドに従い払出装置26を作動させて、貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板Bは、貸球数を記憶したプリペイドカードの読書きをカードユニット(図示省略)と、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等のやり取りを行うする。
【0076】
上記表示制御基板Cは、回転リール30a〜30cの停止制御を行うための基板回路が設けられる。この基板回路には、各回転リール30a〜30cを回転駆動するリール駆動モータ(図示省略)と、回転リール30a〜30cの回転角度を検出する基準位置センサ(図示省略)とが接続され、主制御基板Aから送出されるコマンドに従ってリール駆動モータを駆動させ、各回転リール30a〜30cを回転させるとともに、所定回転角度で停止させる。
【0077】
上記ランプ制御基板Dには、入賞ラインランプ(図示省略)、開閉パネル10に設けられる各種ボタン42a、42b,43a〜43c,45,46に内蔵されたランプ、遊技前面に配設される各種装飾ランプ(図示省略)等が接続されており、主制御基板Aから送出されるコマンドに従い各種ランプを点灯制御する。
【0078】
上記音声制御基板Eには、遊技前面に配設される各種スピーカが接続されており、主制御基板Aから送出されるコマンドに従って遊技状態に応じて所定態様でこれらのスピーカから音響を発する。
【0079】
また、上記情報端子基板Fは、遊技島に設備される集中管理装置と接続するためのものであり、主制御基板Aや払出制御基板Bから送られた賞球数や大当り回数等の情報が、この情報端子基板Fを介して集中管理装置へ送信される。
【0080】
次に、本発明の要部について説明する。
上述した球取込装置50は、図6のように、前枠4に図示しない固定部材によって固定される固定ケース部51aと、該固定ケース部51aに前方へ開放可能に枢結され、確認球貯留スティック60が設けられた開閉ケース部51bとからなる取込ケース51から構成されている。この開閉ケース部51bの前面上部には、上述した開閉パネル10の閉鎖状態で、上部球貯留皿15の整列路19の下流端に設けたれた取込口20(図12参照)に連通する位置に、前方へ突出するように球取込口53が設けられている(図3参照)。一方、固定ケース部51aの背面下部には、取り込んだ遊技球を流出する取込球流出口54が設けられている。そして、この取込ケース51の内部には、球取込口53から取込球流出口54まで連通する球取込路52が形成されており、球取込口53から流入した遊技球が下方へ流下して取込球流出口54から流出するようになっている。
【0081】
この取込ケース51には、図6(ハ)のように、スプロケット55が、その歯部を上記した球取込路52内に突出させるように配設されており、このスプロケット55により球取込路52を流下する遊技球の流れが制限される。さらに、このスプロケット55の回転を規制可能なストッパ56と、該ストッパ56を傾動する取込用ソレノイド57とが配設されている。ここで、取込用ソレノイド57は、非通電の状態(図10(イ),(ニ)参照)で、ストッパ56がスプロケット55の回転を停止する位置で保持され、通電されることにより駆動して、ストッパ56をスプロケット55が回転可能な位置へ傾動する(図10(ロ),(ハ)参照)。そして、取込用ソレノイド57の一回の通電により、図10のように、スプロケット55を停止する位置と回転可能な位置とに往復作動させ、この一往復作動によりスプロケット55が所定角度回転して遊技球を一個毎移送できるように、ストッパを傾動させる。このように取込用ソレノイド57が通電されることにより、該通電回数に応じた個数の遊技球が下流側へ移送される。
【0082】
ここで、取込用ソレノイド57が連続的に通電されると、通電されている間、ストッパ56はスプロケット55の回転可能位置に保持されることとなり、遊技球が連続して下流側へ移送される。
【0083】
さらに、球取込路52の、上記したスプロケット55の下流側には、図6のように、遊技球を検知する取込球検知センサ59が配設されている。この取込球検知センサ59は、上述した主制御基板Aに接続されており(図5参照)、取り込んだ遊技球数が確認されている。同様に上記した取込用ソレノイド57も主制御基板Aに接続されており(図5参照)、該主制御基板Aは、遊技者が上述したBETボタン42a,42bを操作した場合に、その所定賭数単位に応じた個数の遊技球を取り込むように、当該個数に相当する回数だけ断続的に通電するようにして当該ソレノイド57を駆動制御している(図10参照)。尚、主制御基板Aは、遊技者が上述した放出ボタン45を操作した場合に、上部球貯留皿15内の遊技球を下部球貯留皿13へ移送するように、取込用ソレノイド57を所定時間連続して通電して、遊技球が球取込路を連続して流下するように制御する。
【0084】
尚、取込ケース51の開閉ケース部51bは、その前面部を透明な樹脂製材料から形成されてなるものとしており、球取込口53を流下する遊技球を視認可能としている(図示省略)。そして、スプロケット55、ストッパ56、取込用ソレノイド57の作動状態も視認できる。また、この球取込装置50には、図10,図11のように、取込用ソレノイド57を強制的に通電した状態とすることができる手動用の操作レバー58も配設されている。この操作レバー58は、一端部が取込ケース51の外側に配され、他端部が取込ケース51の内部で取込用ソレノイド57のプランジャ(図示省略)に挿通されている。すなわち、この操作レバー58は、非操作状態で、取込用ソレノイド57の駆動に関係しない下方位置にあり(図11(イ))、該下方位置から上方へ引き上げ操作されることにより、取込用ソレノイド57を通電した状態と同様にプランジャを昇動させ、スプロケット55を傾動可能とするものである(図11(ロ)〜(ニ))。
【0085】
上述したスプロケット55、ストッパ56、取込用ソレノイド57、取込用検知センサ59は、取込ケース51の固定ケース部51aに配設されており、開閉ケース部51bを開放することによりこれらが露出し、不具合や異常等が生じた場合にその確認や修理・交換を比較的容易に行うことができるようにしている。このスプロケット55、ストッパ56、取込用ソレノイド57、取込用検知センサ59等から本発明の取込作動手段が構成されている。
【0086】
一方、上述した球取込装置50には、その取込球流出口54に連通し、取り込まれた遊技球が流下する取込球流下路35(図4参照)が接続されている。この取込球流下路35は、図13のように、球通路変換装置36を介して二股状に分岐されており、その一方は、上述した下部球貯留皿13の球返却口14に連通する返却通路37であり、他方は、遊技島の球回収装置(図示省略)に連通する排出通路38である。そして、球取込装置50の取込球流出口54から流下する遊技球は、球通路変換装置36によって下部球貯留皿13の球返却口14と、遊技島の球回収装置の何れかに放出される。
【0087】
この球通路変換装置36は、図13(イ),(ロ)に示すように、取込球流下路35を遮断可能なスプロケット39と、該スプロケット39を正逆両方向に選択的に回転させる変換用モータ40と、該スプロケット39の直上に設けられて遊技球を検知する停留球検知センサ34とから構成されている。ここで、スプロケット39は、その周部に、遊技球を一個ずつ収容可能な三つの凹部39aを備え、各凹部39aの間が、その外周面で遊技球を停留させる停留部39bとなっている。変換用モータ40は、ステッピングモータからなり、主制御基板A(図5参照)に接続されて、該主制御基板Aからの制御信号によって正逆何れかの方向に回転駆動されるとともに、スプロケット39の何れかの停留部39bが上方に向いた状態で停止するように制御される。そして、上述した球取込装置50により取り込まれた遊技球は取込球流下路35を流下して、スプロケット39の停留部39bによって一旦停留され、上述したスタートレバー41が操作されると、主制御基板Aからの制御信号に基づいて変換用モータ40が図中反時計回りに回転駆動され、スプロケット39が同方向に回転して、遊技球が排出通路38へ流下して遊技島の球回収装置側へ排出される。この時、変換用モータ40の回転駆動は、スプロケット39の直上に配設されている停留球検知センサ34によって遊技球が検知されなくなるまで、即ち、球取込装置50に取込まれた遊技球が取込球流下路35内になくなるまで継続される。また、球取込装置50により取り込まれた遊技球がスプロケット39の停留部39bにより停留されている場合に、キャンセルボタン46が押圧操作されると、主制御基板Aからの制御信号に基づいて変換用モータ40が図中時計回りに回転駆動され、スプロケット39が同方向に回転して、遊技球が返却通路37を流下して球返却口14から下部球貯留皿13へ流出するようになっている。
【0088】
尚、上記した球通路変換装置36は、上述した放出ボタン45が押圧操作された場合にも、スプロケット39が図中時計回りに回転するように制御される。また、後述する取込球リセットボタン71、保守用作動ボタン72、保守用返却ボタン73が押圧操作された場合にあっても、スプロケット39が回転制御される。この球通路変換装置36により、本発明にかかる球通路変換手段が構成されている。
【0089】
また、上述した遊技機本体3の前枠4には、図3のように、開閉パネル10の閉鎖状態で、該開閉パネル10により被覆される位置に、保守用操作部70が設けられている。この保守用操作部70には、取込球リセットボタン71、保守用作動ボタン72、保守用返却ボタン73が配設されている。これら各ボタン71,72,73は主制御基板Aと接続されており、その操作に従って主制御基板Aが所定の制御を実行するようになっている(図5参照)。尚、これら各ボタン71,72,73の操作により取り込まれた遊技球は、開閉パネル10が開放状態であると、取込球検知センサ59、停留球検知センサ34に検知されても無効球として扱い、遊技内で取り込んだ遊技球として記憶されないように制御されている。
【0090】
ここで、取込球リセットボタン71は、遊技者が上述したBETボタン42a,42bを操作して所定賭数単位の遊技球が球取込装置50により取り込まれている途中で、該球取込装置50に不具合や異常が生じて遊技球が正しく取り込めなくなった場合に、当該賭数単位の既に取り込まれた遊技球を遊技者に返却すると共に、取込球検知センサ59により検知された当該賭数単位の遊技球数をリセットするためのものである。すなわち、この取込球リセットボタン71が操作されると、主制御基板Aは、図13(ロ)に示す球通路変換装置36のスプロケット39を図中時計回りに回転させて、既に取り込まれて取込球流下路35で停留している遊技球を下部球貯留皿13へ返却する。さらに、賭数設定に従って取り込まれて取込球検知センサ59により検知された遊技球数をリセットして、当該賭数単位の設定を無効とする。
【0091】
また、上記した保守用返却ボタン73は、遊技者の遊技中に球取込装置50に不具合や異常が生じた場合に、球取込装置50の球取込路52内に残留している遊技者の遊技球を下部球貯留皿13へ返却するためのものである。すなわち、この保守用返却ボタン73が操作されると、主制御基板Aは取込用ソレノイド57を通電し、スプロケット55の上流側で停留する遊技球を全て流下させると共に、図13(ロ)に示す球通路変換装置36のスプロケット39を図中時計回りに回転させて、取込球流下路35を流下する遊技球を下部球貯留皿13へ返却する。ここで、主制御基板Aは、停留球検知センサ34が遊技球を検知しない時間が所定が経過すると、取込用ソレノイド57及び変換用モータ40を停止する制御を行う。尚、この保守用返却ボタン73が操作されても遊技球を取り込めない場合には、上述した球取込装置50の操作レバー58を操作して、取込用ソレノイド57を強制的に通電位置としてスプロケット55を回動可能な状態とすることにより、遊技球を流下させる。
【0092】
また、上記した保守用作動ボタン72は、球取込装置50に生じた不具合や異常を修理した後、後述する確認球貯留スティック60の遊技球を使用して、該遊技球を取り込み、この取り込んだ遊技球を排出通路38へ流下させるためのものであり、遊技球を正常に取り込むことができるか否かを確認する取込作動確認を行い得る。すなわち、この保守用作動ボタン72が操作されると、主制御基板Aは、一定間隔で断続的に取込用ソレノイド57を通電し、遊技球を一個毎取り込むように、スプロケット55を所定角度毎に回動させる(図10参照)。さらに、図13(ロ)に示す球通路変換装置36のスプロケット39を図中反時計回りに回転させて、取り込んだ遊技球を排出通路38へ流下させる。このように主制御基板Aが、保守用作動ボタン72の操作に従って、BETボタン42a,42bの操作に従って遊技球を取り込む場合と同様に、遊技球を一個毎取り込むように取込用ソレノイド57を断続的に通電することにより、球取込装置50の作動確認を行うことができるようになっている。ここで、主制御基板Aは、取込球検知センサ59が遊技球を検知しなくなると、取込用ソレノイド57への通電を停止すると共に、停留球検知センサ34が遊技球を検知しなくなると、変換用モータ40を停止するように制御する。
【0093】
尚、上述した取込球リセットボタン71が、本発明にかかる取込球リセットスイッチであり、保守用作動ボタン72が、本発明にかかる保守用作動スイッチであり、保守用返却ボタン73が、本発明にかかる保守用返却スイッチである。
【0094】
また、上述した開閉パネル10のパネル部材11には、図12のように、その裏面に、上部球貯留皿15の取込口20を開閉する取込口開閉扉68が配設されている。この取込口開閉扉68は、その両側を案内部材69,69に支持されて上下方向へ移動可能となっていると共に、弾性バネ等の付勢手段(図示省略)により下方付勢されて設けられている。そして、取込口開閉扉68は、付勢手段の付勢力に従って降下して取込口20から遊技球が流出しない閉鎖位置(図示省略)と、該付勢力に抗して上昇させて取込口20から遊技球が流出する開放位置(図示省略)とに変換される。ここで、取込口開閉扉68は、その背面に、表側へ下方傾斜する開閉案内面68aが形成されており、開閉パネル10の開閉により、この開閉案内面68aに球取込装置50の球取込口53の口縁上部が当接することにより、当該取込口開閉扉68が開放位置と閉鎖位置とに変換されるようになっている。すなわち、開閉パネル10の開放状態では、取込口開閉扉68がその付勢手段に従って取込口20を閉鎖する閉鎖位置にあり、該開閉パネル10が閉鎖されていくことにより、球取込装置50の球取込口53の口縁上部が取込口開閉扉68の開閉案内面68aに当接して押し付けられていき、当該取込口開閉扉68がその付勢手段に抗して押し上げられる。そして、開閉パネル10が閉鎖状態となると、取込口20と球取込装置50の球取込口53とが連通して、取込口開閉扉68が球取込口53の口縁上の開放位置に保持される。このように、取込口開閉扉68は、開閉パネル10の開閉に従って自動的に開閉作動して、該開閉パネル10の開放状態で上部球貯留皿15の遊技球が取込口20から落ちてしまうことを防止している。
【0095】
一方、図7〜図9のように、上述した球取込装置50には、その前方へ突出する球取込口53に遊技球を流入可能となるように、該遊技球が所定個数貯留された確認球貯留スティック60を取り付け可能としている。この確認球貯留スティック60は、長尺状の直方体形に形成されており、遊技球を一列に整列して貯留する長尺状の球貯留領域61と、この球貯留領域61の一端に該遊技球を流出する球出口端62とが設けられている。さらに、この球貯留領域61の他端には、該球貯留領域61に遊技球を流入する球補充口65が設けられており、該球補充口65を開閉する補充口蓋66も設けられている(図9(ロ)参照)。この補充口蓋66は、図示しない係止部材により球補充口65を閉鎖した状態で保持されており、この係止部材の係止を解除することによって球補充口65を開放可能としている。
【0096】
上記した球出口端62の口縁には、凹形状の嵌着口縁63が形成されている。そして、この凹形状の嵌着口縁63は、球取込装置50に突成する球取込口53の口縁に形成された凸形状の被嵌着口縁64に嵌着可能となるようになっている。すなわち、確認球貯留スティック60は、図7,図8のように、その嵌着口縁63を球取込装置50の被嵌着口縁64に嵌着することにより、該球取込装置50に取り付けられて、この取り付けた状態に保持可能となっている。そして、この嵌着状態では(図8(ロ))、確認球貯留スティック60の球出口端62と球取込口53とが対面して連通しており、球出口端62から流出した遊技球が、球取込口53を介して球取込路52へ流下するようになっている。ここで、球貯留領域61は、嵌着口縁63と被嵌着口縁64とが嵌着状態にある場合に、球出口端62へ向かって緩やかに下方傾斜するように設けられており、遊技球を球出口端62へ流動し易いようになっている。
【0097】
尚、上述した球取込装置50の被嵌着口縁64は、略四角状の球取込口53と同様の略四角状の外周としている。そして、このような被嵌着口縁64に外嵌する確認球貯留スティック60の嵌着口縁63もその内周を略四角状に形成されている(図9(イ)参照)。
【0098】
この確認球貯留スティック60の凹形状の嵌着口縁63と球取込装置50の凸形状の被嵌着口縁64とから、本発明にかかるスティック保持手段が構成されている。
【0099】
さらに、この球出口端62の嵌着口縁63には、図9(イ)のように、その口端一辺に、金属板を屈曲した形状の板バネ材からなる開閉バネ部材67が配設されている。ここで、開閉バネ部材67は、その略中央部の屈曲部位が嵌着口縁63の開口端縁に位置するようにして、該屈曲部位の片側(以下、固定片部)67bを該嵌着口縁63の一辺に固定している。一方、この開閉バネ部材67の、屈曲部位の他側(以下、弾性片部)67aは、球取込装置50に取り付けられていない常態で、球出口端62の口内へ突出しており、球貯留領域61内の遊技球を球出口端62で係止している(図8(イ)参照)。この開閉バネ部材67を、その弾性片部67aが嵌着口縁63の内周面にほぼ接触するように、屈曲変形することにより、球出口端62が遊技球を流出可能とする開放状態となる(図8(ロ)参照)。そして、この屈曲変形させている強制力が解除されると、開閉バネ部材67の屈曲部位の弾性力により、弾性片部67aは球出口端62の口内へ突出する初期位置へ復帰する(図8(イ)参照)。すなわち、この開閉バネ部材67は、その弾性片部67aが固定片部67bに対して傾動するように、弾性的に屈曲変形することにより、球出口端62を開閉するようになっている。ここで、弾性片部67aが球出口端62の内周面に沿うように屈曲した位置(図8(ロ))を、以下開放位置(本発明にかかる開放位置)とする。また、弾性片部67aが、常態で球出口端62の口内に突出して遊技球を係止する位置(図8(イ))を、以下球係止位置とする。
【0100】
上述した開閉バネ部材67は、図8のように、確認球貯留スティック60の嵌着口縁63を球取込装置50の被嵌着口縁64に嵌着するに従って、その弾性片部67aが被嵌着口縁64により球出口端62の内周面側へ押し付けられ、球係止位置(図8(イ))から開放位置(図8(ロ))へ屈曲する。また、被嵌着口縁64と嵌着状態にある嵌着口縁63を脱嵌するに従って、弾性片部67aを球出口端62の内周面側へ押し付けていた強制力が解除されていき、該弾性片部67aは球流出位置(図8(ロ))から球係止位置(図8(イ))へ復帰していく。このように、確認球貯留スティック60を球取込装置50に脱着することにより、開閉バネ部材67が球係止位置と球流出位置とに自動的に変換されて、球貯留領域61内の遊技球を係止又は流出させることができるようになっている。
【0101】
上述したように、確認球貯留スティック60の嵌着口縁63に配設された開閉バネ部材67により、本発明にかかる出口開閉手段が構成されている。尚、この嵌着口縁63には、開閉バネ部材67の弾性片部67aが球流出位置(図8(ロ))となった場合に、該弾性片部67aを嵌着口縁63の内周面と被嵌着口縁64の外周面との間に保持可能とするスペースが設けられている。
【0102】
このように、上述した確認球貯留スティック60、該確認球貯留スティック60を球取込装置50に嵌着する嵌着口縁63及び被嵌着口縁64からなるスティック保持手段、保守用操作部70等により、本発明にかかる作動確認用球供給装置が構成されている。
【0103】
次に、上述した球取込装置50の取込作動を確認する手順について説明する。
例えば、遊技者がBETボタン42a,42bを操作して賭数単位を設定し、球取込装置50により遊技球が取り込まれている途中で、該球取込装置50が遊技球を正常に取り込むことができなくなる不具合が発生したとする。
【0104】
遊技場の係員は、この不具合を解消するために、開閉パネル10を開放する。この時、上述した取込口開閉扉68が閉鎖して、上部球取込皿15内の遊技球が取込口20から流出することが防止される(図12参照)。そして、保守用操作部70の取込球リセットボタン71(図3参照)を係員が操作すると、球通路変換装置36の変換用モータ40が駆動して、取込球流下路35内に停留する遊技球を下部球貯留皿13へ返却すると共に、主制御基板Aが記憶する当該賭数単位に従って取り込んだ遊技球数をリセットする。この後、係員が保守用返却ボタン73(図3参照)を操作すると、球取込装置50の取込用ソレノイド57が通電されて、スプロケット55を回動可能な状態とすると共に、球通路変換装置36の変換用モータ40を遊技球が返却通路37へ流下するように駆動する。これにより、球取込路52に残留する遊技者の遊技球を、該遊技者へ返却する。尚、取込用ソレノイド57がうまく作動しない場合には、手動で操作レバー58を昇動させて、該取込用ソレノイド57を強制的に通電状態と同じとすることにより、遊技球を遊技者に返却する。尚、この保守用返却ボタン73の操作により、係員は透明な樹脂製からなる開閉ケース部51bを通して、不具合の原因を調べることもできる。
【0105】
そして、係員は、取込ケース51を開放する等して、不具合箇所の修理や部品の交換等を行い、当該不具合を解消させる。尚、上記したように、保守用返却ボタン73の操作により球取込装置50の取込作動を視認して不具合や異常の原因を調べているため、修理や交換作業を効率的に行うことができ得る。この修理又は交換が終了すると、取込ケース51を閉鎖する。この後、係員は、球取込装置50が正常に作動するか否かの確認を行う。
【0106】
球取込装置50の取込作動確認は、予め遊技球を貯留してある確認球貯留スティック60を、その球出口端62の嵌着口縁63を球取込口53の被嵌着口縁64に嵌着することにより、球取込装置50に取り付け保持する(図7(ロ),図8(ロ))。ここで、嵌着口縁63と被嵌着口縁64とが嵌着することにより、上述したように、該嵌着口縁63に配設された開閉バネ部材67の弾性片部67aが球流出位置に保持され、確認球貯留スティック60の遊技球が、球取込装置50の球取込路52へ流入する。そして、係員が保守用操作部70の保守用作動ボタン72(図3参照)を操作すると、取込用ソレノイド57へ断続的に通電する。ここで、不具合や異常が解消されているとすると、この取込用ソレノイド57が断続的な通電により繰返し作動して、スプロケット55が遊技球を一個毎流下するように所定角度毎回転し、該遊技球を取り込んで取込球流下路35側へ移送する(図10(イ)〜(ニ))。この時、係員は、取込用ソレノイド57、ストッパ56、スプロケット55の作動を目視して確認できる。尚、取込球流下路35へ流下した遊技球は、保守用作動ボタン72の操作により駆動する球通路変換装置36により排出通路38へ流下する。
【0107】
このように、球取込装置50が正常に作動することが確認できたら、確認球貯留スティック60を球取込装置50から取り外す。この時、確認球貯留スティック60の開閉バネ部材67は、その弾性片部67aが球係止位置に復帰する(図8(イ)参照)。既に球取込路52に流入した遊技球が、全て取り込まれ、排出通路38へと流下すると、取込用ソレノイド57が非通電状態となると共に、球通路変換装置36の作動も停止する。そして、係員が開閉パネル10を閉じると、上部球貯留皿15の取込口20が開口して球取込装置50へ遊技球が流下する。こうして、遊技者は遊技を再開することができる。尚、不具合が生じた時に設定された賭数単位は、係員が取込球リセットボタン71を操作したことによりクリアされているため、遊技者は新たなゲームを開始することとなる。
【0108】
ここで、上記した保守用作動ボタン72の操作によって、不具合が解消されない場合や、新たな不具合が見つかった場合には、球出口端62を閉鎖して、球取込路52内の遊技球を排出通路38へ流下させた後、再び取込ケース51を開放して、修理・交換等を実行する。そして、上述と同様に、改めて作動確認を行なって、正常に作動することを確認する。
【0109】
上述したように、本実施例1の構成にあっては、球取込装置50に不具合や異常を生じた場合に、遊技者の遊技球は返却し、該不具合や異常等を修理した後に、確認球貯留スティック60を球取込装置50に取り付けることにより、該確認球貯留スティック60内の遊技球を用いて取込作動確認を行い得るようにしたものある。これにより、遊技者の遊技球が紛失することもなく、また、遊技場の遊技球を紛失することもないから、遊技者とのトラブルが発生しないと共に、遊技場に不利益を被ることもない。また、取込作動確認が、確認球貯留スティック60の脱着と、保守用作動ボタン72の操作により行われることから、その作業性に優れている。
【実施例2】
【0110】
実施例2は、上述した実施例1の確認球貯留スティック60を用いて取込作動確認を行う場合に、図15,図16のように、該確認球貯留スティック60の遊技球を、内部に球回収領域76を備えた球回収スティック75により回収するようにしたものである。ここで、球取込装置80は、上述した実施例1と同様に前枠4に配設されており(図14参照)、その取込ケース81が、該前枠4に固定される固定ケース部81aと該固定ケース部81aに開閉可能に枢結された開閉ケース部81bとから構成されている。そして、この取込ケース81の開閉ケース部81bには、この球回収スティック75を嵌入可能とする回収用開口82が形成されている(図15(イ),図16(ロ))。この回収用開口82は、球取込装置80の球取込路52に、その取込球検知センサ59の下流側で連通するように設けられている。
【0111】
上記の球回収スティック75には、その一端部に、球取込装置80の回収用開口82に嵌入する回収嵌入部77が形成されている。ここで、球回収スティック75は、長尺状の直方体形を成しており、回収用開口82も略四角状に開口されて、回収嵌入部77を嵌入できるようにしている。そして、この回収嵌入部77には、回収用開口82と嵌着状態で、球取込路52内に位置して上方に開口する球回収口端78が形成されており、スプロケット55の回動により取り込まれた遊技球をこの球回収口端78から流入して回収できるようになっている。この回収された遊技球は、球回収領域76に貯留される。
【0112】
ここで、球回収スティック75の球回収口端78には、該球回収口端78を開閉する保持蓋(図示省略)が設けられており、この保持蓋を係員が手動で脱着することにより球回収口端78を開閉できるようになっている。この球回収口端78を開放して、球回収スティック75を球取込装置50の回収用開口82に嵌着することにより、遊技球を回収でき、該回収用開口82から脱嵌して閉鎖することにより、回収した遊技球が流出してしまうことを防止する。また、この球回収口端78を開口することにより、回収した遊技球を取り出せるようになっている。
【0113】
また、上記した球取込装置50の回収用開口82には、該回収用開口82に脱着可能とする開閉蓋83が取り付けられている(図15(イ)、図16(イ),(ロ)参照)。この開閉蓋83は、その内側に凸成されて回収用開口82に嵌着される嵌着凸部83aと、その外側に、閉鎖状態で回収用開口82を被覆する蓋基部83bとから構成されている。そして、この開閉蓋83は、その蓋基部83bを係員が手で摘むことにより脱着できるようになっている。ここで、嵌着凸部83aは、その先端面が、嵌着状態で球取込路52の一面を成すように形成されており、開閉蓋83が取り付けられている状態では、遊技球が球取込路52を円滑に流下できるようにしている。尚、この開閉蓋83が、本発明にかかる開閉片である。
【0114】
一方、開閉パネル10(図3参照)に被覆される部位に設けられた保守用操作部85には、図14のように、リセットボタン71と、保守用返却路ボタン86と、保守用取込作動ボタン87とが配設されている。この保守用返却路ボタン86は、そのオン操作に従って、球通路変換装置36の変換用モータ40を駆動して、取込球流下路35内の遊技球を返却通路37へ流下させるようにしたものである(図13参照)。一方、保守用取込作動ボタン87は、そのオン操作に従って、球取込装置80の取込用ソレノイド57に、スプロケット55を所定角度毎に回動するように断続的に通電して、遊技球を一個毎取り込むようにしたものである(図10参照)。この保守用返却路ボタン86と、保守用取込作動ボタン87は、主制御基板Aに接続されている。尚、この保守用返却路ボタン86が本発明にかかる保守用返却路スイッチであり、保守用取込作動ボタン87本発明にかかる保守用取込作動スイッチである。
【0115】
本実施例2の構成は、球回収スティック75と、球取込装置80に該球回収スティック75を嵌着可能な回収用開口82を設け、取込作動確認する場合に、この球回収スティック75により確認球貯留スティック60の遊技球を回収するようにしたものである。また、保守用操作部85に、保守用返却路ボタン86と保守用取込作動ボタン87を備えた構成である。そして、これ以外の構成は、上述した実施例1と同じ構成である。そのため、同じ構成部位には、同じ符号を用いて、その説明を省略した。
【0116】
この実施例2にあっては、上述した確認球貯留スティック60、該確認球貯留スティック60を球取込装置80に嵌着する嵌着口縁63及び被嵌着口縁64、保守用操作部85、球回収スティック75、球取込装置80の回収用開口82及び開閉蓋83等により本発明にかかる作動確認用球供給装置が構成されている。
【0117】
次に、球取込装置80の取込作動確認の作業手順について説明する。
上述した実施例1の場合と同様に、遊技者が賭数設定を行い、球取込装置80が該賭数に応じた遊技球を取り込んでいる取込途中に、遊技球を正常に取り込むことができなくなったとする。尚、当然ながら、球取込装置80の回収用開口82は、遊技中、開閉蓋83により閉鎖されている(図16(イ))。
【0118】
遊技場の係員は、開閉パネル10を開放して、球取込装置80を視認可能とする。そして、保守用操作部85の取込球リセットボタン71(図14参照)を操作して、取込球流下路35内に停留する遊技球を下部球貯留皿13へ返却すると共に、主制御基板Aが記憶する当該賭数単位に従って取り込んだ遊技球数をリセットする。さらに、保守用返却路ボタン86及び保守用取込作動ボタン87(図14参照)を操作して、球取込路52内に残留する遊技者の遊技球を下部球貯留皿13へ返却する。尚、上述した実施例1と同様に、取込用ソレノイド57がうまく作動しない場合には、操作レバー58を操作して強制的に遊技球を取り込む(図11参照)。
【0119】
この後、係員は、取込ケース81を開放する等して、不具合箇所の修理や部品の交換等を行い、当該不具合を解消させる。この修理又は交換が終了すると、係員は、取込ケース81を閉鎖して、球取込装置80の取込作動確認を行う。
【0120】
係員は、上述した実施例1と同様に、確認球貯留スティック60を、図15,図16のように、その嵌着口縁63が球取込口53の被嵌着口縁64と嵌着するようにして、球取込装置80に取り付け保持する。これにより、確認球貯留スティック60内の遊技球が、球取込路52へ流入する。さらに、図15,図16のように、回収用開口82を閉鎖している開閉蓋83を取り外して、球回収口端78を開口した球回収スティックを、その回収嵌入部77を該回収用開口82に嵌入させることにより、球取込装置80に取り付ける。ここで、球回収スティック75の球回収口端78が球取込路52内で、上方に開口して球取込路52内を流下する遊技球を回収できる状態となっている。
【0121】
そして、係員が保守用操作部85の保守用取込作動ボタン87を操作することにより、取込用ソレノイド57を通電して(図10参照)、確認球貯留スティック60から流入した遊技球を取り込む。スプロケット55の回動により取り込まれた遊技球は、球回収スティック75の球回収口端78から流入して、球回収領域76に貯留される。遊技球が正常に取り込めることを確認したら、確認球貯留スティック60を球取込装置80から取り外す。尚、既に球取込路52に流入している遊技球は、スプロケット55の回動により取り込まれて、球回収スティック75に回収される。全ての遊技球を回収したら、球回収スティック75を球取込装置80から取り外し、球回収口端78を閉鎖する。さらに、球取込装置80の回収用開口82を開閉蓋83により閉鎖する。そして、開閉パネル10を閉じることにより、上部球貯留皿15の遊技球が取込口20から、球取込装置80の球取込路52へ流入して、遊技を再開可能となる。こうして、球取込装置80に生じた不具合や異常を修理すると共に、該球取込装置80の作動確認が行われる。
【0122】
ここで、上記した保守用取込作動ボタン87の操作によって、不具合が解消されない場合や、新たな不具合が見つかった場合には、改めて修理と作動確認を行なって、正常に作動することを確認する。
【0123】
本実施例2にあっては、上述した実施例1と同様に、球取込装置80に生じた不具合や異常等を解消した後に、確認球貯留スティック60を取り付けて取込作動確認を行うようにしたものである。そして、この取込作動確認に用いた遊技球を、球回収スティック75により回収するようにした。したがって、実施例1と同様の作用効果を発揮し得る。
【実施例3】
【0124】
実施例3にあっては、確認球貯留スティック90が、図17のように、遊技球を貯留して球出口端62から流出可能とした確認球貯留部90aと、球回収口端78から遊技球を流入可能とした球回収部90bとを備えてなるものである。すなわち、この実施例3は、上述した実施例2のの確認球貯留スティック60と球回収スティック75とを一体的に構成するようにしたものである。
【0125】
この確認球貯留スティック90は、確認球貯留部90aで遊技球を一列状に整列する球貯留領域91と、球回収部90bで球回収口端78から回収した遊技球を貯留する球回収領域92とが連通するようにして、長尺状の確認球貯留部90aと略L字状の球回収部90bとが接合されたものである。これにより、球回収口端78から回収した遊技球は、図19のように、確認球貯留スティック90を、その長手方向を回転させるようにして動かすことによって、球回収領域92を通じて球貯留領域91へ流動することができる。
【0126】
また、この確認球貯留スティック90は、図18のように、確認球貯留部90aの球出口端62の嵌着口縁63が、球取込装置80の球取込口53の被嵌着口縁64と嵌着した場合に、球回収部90bの回収嵌入部77が球取込装置80の回収用開口82に嵌入して球回収口端78が球取込路52内に位置するように形成されている。したがって、確認球貯留スティック90は、球出口端62の嵌着口縁63を球取込口53の被嵌着口縁64に嵌着することと、回収嵌入部77を回収用開口82に嵌入することとを一度に行い得る。
【0127】
本実施例3にあっては、確認球貯留スティック90が、貯留している遊技球を球取込装置80へ流入する確認球貯留部90aと、球取込装置80から遊技球を回収する球回収部90bとを一体的に設けた構成としている。ここで、確認球貯留部90aは、上述した実施例2の確認球貯留スティック60とほぼ同様の構成であり、球回収部90bは、上述した実施例2の球回収スティック75を略L字状に形成した構成である。そして、これ以外の構成は、上述した実施例2と同じ構成である。したがって、同じ構成の部位には、同じ符号を用い、その説明を省略した。
【0128】
上述した確認球貯留スティック90は、例えば、上述した実施例2と同様に、球取込装置80に不具合や異常が発生して、これを修理・交換した後に、開閉パネル10を開放したままの状態で、取込作動確認を行う場合に用いられる。すなわち、この確認球貯留スティック90を、その嵌着口縁63が被嵌着口縁64に嵌着し、かつ、開閉蓋83を開けた回収用開口82に回収嵌入部77を嵌入させるようにして、球取込装置80に取り付け保持する(図18(イ),(ロ))。このように取り付けられると、球出口端62から遊技球が球取込路52へ流入する。そして、係員が保守用操作部85の保守用取込作動ボタン87を操作することにより、スプロケット55を回動して球取込路52に流入した遊技球を一個毎取り込む。この取り込まれた遊技球は、球回収口端78に流入して回収される(図18(ハ))。このように、確認球貯留スティック90を取り付けることにより、取込作動確認の遊技球を供給し、かつ回収することができる。
【0129】
而して、本実施例3にあっては、上述した実施例1及び実施例2と同様の作用効果を発揮し得る。
【0130】
この実施例3にあっては、上述した確認球貯留スティック90、該確認球貯留スティック90を球取込装置80に嵌着する嵌着口縁63及び被嵌着口縁64、保守用操作部85、球取込装置80の回収用開口82及び開閉蓋83から本発明にかかる作動確認用球供給装置が構成されている。
【実施例4】
【0131】
本実施例4は、パチンコ遊技機101に配設された発射装置150の発射作動確認を行うようにした作動確認用球供給装置の具体例を示すものである。
【0132】
このパチンコ遊技機101は、図20のように、上述した実施例1と同様の木製の外枠102に、ヒンジ部材116を介して開閉可能となるように遊技機本体103が枢着されたものである。
【0133】
遊技機本体3は、図21に示すように、ヒンジ部材116を介して外枠2に直接枢着する前枠104と、該前枠104の上半分に配設され、前面に所定の入賞口を備えた遊技領域108が形成された遊技盤107と、前枠4の背面側に開閉可能に取り付けられる裏機構板(図示省略)等により構成される。そして、この遊技機本体3の前枠104には、遊技盤107の前面に開閉可能に設けられた前扉117が枢結されており、さらにこの前扉117の下方に同じく開閉可能に取り付けられた開閉パネル110が枢結されている。
【0134】
図21に示すように、遊技盤107の前面には、発射装置150により発射された遊技球を遊技盤107の上方部まで案内するガイドレール109等の区画部材によって区画された遊技領域108が形成されている。この遊技領域108には、そのほぼ中央にセンターケース130が配置されており、該センターケース130に、液晶表示器を使用した特別図柄表示装置131と、該表示装置131の上方に3個のLEDを使用した普通図柄表示装置132とが配設されている。またセンターケース130の下方には、普通電動役物133が配設され、その入口を、入賞口を兼ねる第一種始動口134としている。さらに普通電動役物133の下方には、大入賞装置135が配設されており、大入賞口136を上下方向に開閉作動する入賞開閉扉137により開閉制御するようにしている。その他、遊技盤107の適宜位置に入賞領域としての複数の普通入賞口138が設けられている。
【0135】
また、遊技盤107に配設された左右のゲート139,139には普通図柄の変動を開始させるための信号を発生させる普通図柄作動スイッチが設けられている。また、遊技領域108の略中央最下端部には、入賞領域に入賞しなかった遊技球を遊技盤107の後方へ回収するアウト口140が遊技盤107裏面に貫通するように設けられている。尚、遊技盤107に設けられた各種入賞口134,136,138及びアウト口140に流入した遊技球を、遊技島に設けられた球回収装置(図示省略)に排出するように、夫々に連通する排出通路(図示省略)が配設されている。
【0136】
本パチンコ遊技機101にあっては、発射装置150から遊技領域108へ発射された遊技球が、上記した普通電動役物133の第一種始動口134に遊技球が入ると、特別図柄表示装置131に表示される複数の図柄が変動する。そして、その停止図柄が所定の組み合わせであると、大当りとなって大入賞口136が開放され、一連の大入賞口136の開閉作動により、多数の入賞球が発生する。また、各種入賞口134,136,138,139には、夫々に流入した遊技球を検出する入賞球検知センサ(図示省略)が配設されている。この各入賞球検知センサは、後述する主制御基板Lと盤面中継基板Mを介して接続されており、遊技球の検知信号を主制御基板Lが認識できるようになっている。
【0137】
ところで、上述したセンターケース130の特別図柄表示装置131には、三つの特別図柄(図示省略)が横並びに表示される。この三つの特別図柄は、それぞれ「0」〜「9」の数字からなり、各特別図柄が数字の順序に配列された上下方向の特別図柄列を構成している。そして、遊技球が、後述する入賞領域を通過すると、各特別図柄が変動開始し、その後停止する。この停止した各特別図柄の組合せ態様が当り態様(三つが同じ数字)である場合に、いわゆる「大当り(当り)」となる。
【0138】
ここで、特別図柄表示装置131は、上記した普通電動役物133に遊技球が流入して第一種始動口134を通過した遊技球を検知することにより、特別図柄表示装置131の特別図柄を変動開始する。そして、停止した特別図柄が上記したように当り態様であると、大入賞装置135の入賞開閉扉137が所定回数開閉を繰り返す大当り遊技作動が行われる。この大当り遊技作動にあって、遊技球が大入賞装置135の大入賞口136に入賞することにより、賞球が払い出される。このように大当り遊技作動で獲得可能な賞球は、比較的多いことから、遊技者の最も期待する遊技と言える。
【0139】
一方、上述したように、前枠104には、遊技盤107の前面に開閉可能に設けられた前扉117が枢結されており、その窓部118にガラス板(図示省略)が保持されており、遊技盤107の遊技領域108を視認できるようになっている。さらに、この前扉117の下方に同じく開閉可能に枢結された開閉パネル110には、上方に開口する上部球貯留皿115が設けられており、この上部球貯留皿115には、上述した実施例1と同様に、球払出口147と取込口(図示省略)が形成されている。この上部球貯留皿115には、上記した裏機構板(図示省略)に配設された球タンク(図示省略)から払い出される賞球や貸球等が、球払出口147から払い出される。そして、この遊技球が取込口から機内に取り込まれ、発射装置150により遊技領域108へ発射される。
【0140】
また、この前枠104には、上述した実施例1と同様に、開閉パネル110の下方に下部球貯留皿113が配設されている。この下部球貯留皿113内に、球返却口114が配設されている。
【0141】
一方、本実施例4のパチンコ遊技機101にも、上記したスロットマシン同様に、図22のように、夫々に中央制御装置CPU、記憶装置、入出力ポート等から構成される制御基板L〜Qが配設されている。これら複数の制御基板L〜Qは、遊技機本体3の裏制御基板(図示省略)の裏面に配設されている。
【0142】
ここで、主制御基板Lは、遊技に関する統括的な制御を処理実行し、所定の指示命令を発するものである。この主制御基板Lには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等が記憶されており、必要に応じて随時処理されるようになっている。この主制御基板Lの他に、上記した各入賞口で遊技球を検知する各種検知センサ等が接続された盤面中継基板M、特別図柄表示装置131で表示される図柄演出を実行制御する図柄表示制御基板N、スピーカ等から発する音を制御する音源制御基板O、照明装置や普通図柄表示装置132のLED等を点灯させる光源制御基板P、上部球貯留皿115へ払い出す賞球や貸球を制御する払出制御基板Q等が配設されている。これら各制御基板L〜Qが夫々に所定のプログラムに従って制御処理されることにより、遊技が進行していくようになっている。
【0143】
また、上述した主制御基板Lには、上述した前扉117及び開閉パネル110の開閉状態を夫々検知する検知センサ(図示省略)が、盤面中継基板Mを介して接続されている。そして、この各センサが、前扉117と開閉パネル110とが閉鎖状態であることを検知している場合に、主制御基板Lは、上述した各種入賞口134,136,138,139に設けた各入賞球検知センサ(図示省略)の遊技球検知を有効とするように制御している。すなわち、前扉117と開閉パネル110のいずれかでも開放された状態では、賞球や貸球が発生しないようにしている。
【0144】
次に、遊技球を遊技盤107の遊技領域108へ発射する発射装置150について説明する。
上述した前枠104には、図21,図23のように、上部球貯留皿115から取り込んだ遊技球を、遊技盤107の遊技領域108へ発射するための発射装置150が設けられている。この発射装置150には、遊技球を打圧する発射鎚154と、該発射鎚154を回動する発射駆動モータ156と、該発射鎚154の打圧強度の調節部位をなす発射ハンドル152とを備えている。ここで、発射ハンドル152は、下部球貯留皿113の左側から正面へ突出するように配設されている。さらに、この発射ハンドル152には、該ハンドルの回転角度を段階的に検知する回転角度センサ(図示省略)が内蔵されており、この回転角度センサの検知した回転角度毎に、該角度に応じた発射鎚154の打圧強度が調整される。すなわち、遊技者がこの発射ハンドル152を回動操作することにより、打圧強度を調整して遊技球を発射できるようにようなっている。
【0145】
また、この発射装置150には、発射鎚154により打圧した遊技球を、遊技領域108のガイドレール109へ案内する発射レール155も具備している。そして、この発射レール155、上記した発射駆動モータ156、発射鎚154等は、支持基板153に配設されており、この支持基盤153は、発射レール155が開閉パネル110の閉鎖状態で被覆されるように(図21参照)、前枠104の正面視右下部位に配設される。尚、発射鎚154や発射レール155は、支持基盤153に対して前面側となるように配設されており、発射駆動モータ156は支持基盤153の裏面に配設されている。
【0146】
ここで、発射鎚154は、図23のように、左右方向に回動可能に軸支され、発射コイルバネ160とこれに接続されたワイヤー160aを介して機体内方へ付勢されている。さらに、この発射鎚154は、その下端154bをストッパー161に当接させることにより、上端側の鎚部154aが発射位置Zに規定されるようになっている。そして、発射鎚154には、軸支部から発射駆動モータ156に向けて突成した支持アーム162にカムフォロア163が取付けられており、また、発射駆動モータ156の回転軸165には、その回転により前記カムフォロア163と嵌合可能なウィングカム164が取付けられている。
【0147】
上記した発射ハンドル152が操作されることにより発射駆動モータ156が駆動すると、ウィングカム164が回転する。そして、このウィングカム164がカムフォロア163と嵌合し、発射鎚154を発射コイルバネ160の付勢に抗して遊技機の外側方向に傾動させる。ウィングカム164がさらに回転してカムフォロア163との嵌合が外れて発射鎚154が解放状態となると、この発射鎚154がこの傾動位置から発射コイルバネ160の付勢力よって打圧回動する解放位置に変換される。すなわち、発射鎚154は発射位置Zまで瞬間的に引き戻される。この変換作動の繰り返しにより、発射鎚154が一定間隔で連続的に打圧作動を生じるようになっている。このように発射装置150は、遊技球を打圧して、発射位置Zから発射レール155の案内作用によって遊技球を、ガイドレール109を介して遊技盤107の遊技領域108へ打ち出すようにしている。
【0148】
ここで、発射駆動モータ156は、開閉パネル110の閉鎖状態で、発射ハンドル152の操作に従って駆動するように制御されており、開閉パネル110が開放されている場合には、駆動不能に制御されている。すなわち、上述した開閉パネル110の開閉状態を検知する検知センサ(図示省略)が、該開閉パネル110の閉鎖状態を検知している場合に、主制御基板Lが発射ハンドル152の操作を有効とするように制御している。尚、開閉パネル110の開放状態では、発射ハンドル152を操作しても発射駆動モータ156は駆動しない。
【0149】
また、上記した発射レール155は、図21のように、支持基盤153に配設されており、その先端部が遊技盤107に設けられたガイドレール109と、所定間隔をおいて連続的に繋がっている。これにより、上記したように発射位置Zで打圧された遊技球は、発射レール155からガイドレール109を通って遊技領域108へ発射される。尚、打圧力が弱い場合には、その遊技球は遊技領域108へ届かなずにガイドレール109を逆送して、該ガイドレール109と発射レール155との間にもうけた返却路(図示省略)に流入して、後述する球供給装置141を介して再び発射位置Zへ供給されるようになっている。
【0150】
さらに、この支持基盤153には、図21,図23のように、発射レール155へ供給される遊技球を発射位置Zに保持するための球止め部材166が設けられている。これにより、常に、遊技球が正確に発射位置Zに供給されることとなる。
【0151】
一方、開閉パネル110の裏面側には、図21のように、球供給装置141が装着されている。この球供給装置141には、上述した上部球貯留皿115の取込口(図示省略)から取り込んだ遊技球を、開閉パネル110の閉鎖状態で発射レール155を臨む位置に設けられた連通口142から該発射レール155へ供給するようにしたものである。そして、この球供給装置141は、発射駆動モータ156が駆動すると、その内部に設けられた球送り部材(図示省略)の作動により、取込口から流出した遊技球を連通口142から一個づつ供給する。そして、発射鎚154がこの遊技球を打圧すると、これに続いて連通口142から次の遊技球が供給される。このように、発射駆動モータ156の駆動と同期して、発射レール155の発射位置Zに遊技球が、順次所定間隔で間欠的に送りこまれる。
【0152】
次に本発明の要部について説明する。
図24は、遊技球を貯留する長尺状の確認球貯留スティック180である。この確認球貯留スティック180は、開閉パネル110を開放したままの状態で、上述した発射装置150に取り付けられて、その発射位置Zに遊技球を供給し得るものである(図25参照)。確認球貯留スティック180は、長手方向に沿って遊技球を一列状に貯留する球貯留領域181が内部に設けられた長尺状に球貯留部180aと、該球貯留領域181の一端に遊技球を流出する球出口端182とを備えてなる。
【0153】
この球出口端182には、該球出口端182を開閉する流出口開閉蓋183が配設されている。この流出口開閉蓋183には、図24のように、蓋部本体183aの内側に、球出口端182に内嵌する内側嵌部183bが設けられていると共に、球出口端182の口縁に挿入され、この蓋部本体183aを球出口端182の口面に沿って回転可能に支持する回動軸183cが設けられている。尚、この回動軸183cは、回転と共に軸方向に沿って移動可能ともなっている。すなわち、流出口開閉蓋183は、回動軸183cを中心として回転可能であり、内側嵌部183bが球出口端182に内嵌している閉鎖状態から、一旦軸方向外側へ引き出すことによって内側嵌部183bを球出口端182から外した後、回転させることにより開放状態とすることができるようになっている。そして、図26のように、この流出口開閉蓋183により球出口端182を閉鎖することにより、球貯留領域181内の遊技球を貯留保持できる。また、図26のように、流出口開閉蓋183を開放することにより、球貯留領域181内の遊技球を流出することができる。尚、流出口開閉蓋183を開放すれば(図27参照)、遊技球を補充することともできる。ここで、この流出口開閉蓋183が、本発明にかかる流出口開閉片であり、該流出口開閉蓋183により球出口端182を開閉するようにした構成が、本発明にかかる出口開閉手段である。
【0154】
また、確認球貯留スティック180には、図24のように、球貯留部180aに沿ってスティック梁部180bが設けられており、該スティック梁部180bには、球出口端182側へ突出する凸形状の嵌着部185が延成されている。さらに、図25,図27のように、上述した発射装置150の支持基盤153に突成された球止め部材166に、この凸形状の嵌着部185と嵌着可能な凹形状の被嵌着部167が設けられている。そして、発射装置150の球止め部材166の被嵌着部167に、確認球貯留スティック180の嵌着部185を嵌着することにより、該確認球貯留スティック180を発射装置150に取り付け保持できるようになっている。
【0155】
ここで、確認球貯留スティック180の嵌着部185は、発射装置150の被嵌着部167に嵌着された状態で、球出口端182が発射レール155の発射位置Zに隣接する位置となるようにして形成されている(図27(ロ)参照)。すなわち、図26(イ),図27(イ)のように、球出口端182を正面視した場合に、嵌着部185は、該球出口端182に対して当該紙面上で左上方位置となるように設けられている。これにより、嵌着部185が被嵌着部167と嵌着した場合に、図27(ロ)のように、球止め部材166の直右下(支持基盤153を正面視した場合)に位置する発射位置Zに、球出口端182を隣接できるようになっている。そして、球出口端182が発射位置Zに隣接することによって、該発射位置Zに供給された遊技球が、次の遊技球を球出口端182で係止することとなる。したがって、発射位置Zの遊技球が発射される毎に、順次遊技球が該発射位置Zに供給される。すなわち、発射レール155には、かならず一個毎に遊技球が供給されるようになっている。
【0156】
さらに、この嵌着部185は、上述したようにスティック梁部180bから延成されてなるようにしていることから、被嵌着部167に嵌着された場合に、該スティック梁部180bの剛性により球貯留部180aを支持できるようになっており、当該嵌着状態を保持できる。尚、この嵌着状態で、球貯留部180aの球貯留領域181は緩やかに下方傾斜する形状を成しており、該球貯留領域181内の遊技球が球出口端182から流出し易いようになっている。
【0157】
このように、確認球貯留スティック180の嵌着部185と、発射装置150の球止め部材166の被嵌着部167とから、本発明にかかるスティック保持手段が構成されている。
【0158】
一方、上述した遊技機本体103の前枠104には、図21,図25のように、開閉パネル110の閉鎖状態で、該開閉パネル110により被覆される位置に、保守用操作部170が設けられている。この保守用操作部170には、保守用作動ボタン171が配設されている。この保守用作動ボタン171は、上述した主制御基板Lに盤面中継基板Mを介して接続されている。そして、開閉パネル110の開放状態で保守用作動ボタン171がオン操作されると、主制御基板Lが、発射ハンドル152の操作を有効とすると共に、遊技盤107に配設された各種入賞口134,136,138,139の各入賞球検知センサ(図示省略)による遊技球検知を無効するように制御処理する。したがって、開閉パネル110を開放したままの状態で、発射ハンドル152を操作することにより、発射位置Zに供給された遊技球を遊技領域108へ発射することができ、当該遊技球がいずれかの入賞口134,136,138,139に入っても賞球や所定遊技等が発生しない。
【0159】
ここで、保守用作動ボタン171のオン操作に伴って実行される発射ハンドル152の有効処理と各種入賞口の遊技球検知無効処理とは、開閉パネル110が閉鎖されることにより終了するようにしている。
【0160】
尚、上述した保守用作動ボタン171が、本発明にかかる保守用作動スイッチである。
【0161】
このように、上述した確認球貯留スティック180と、該確認球貯留スティック180を発射装置150に取り付け保持する嵌着部185及び被嵌着部167からなるスティック保持手段と、保守用作動ボタン171が設けられた保守用操作部170とにより、本発明にかかる作動確認用球供給装置が構成されている。
【0162】
次に、上述した発射装置150の発射作動を確認する手順について説明する。
遊技者がパチンコ遊技機101を遊技中に、発射ハンドル152を操作しても正常に遊技球が遊技領域108へ発射されないという不具合が発生したとする。遊技場の係員は、この不具合を解消するために、開閉パネル110を開放するか、前枠104を開放するかして、当該発射装置150に発生した不具合の修理や、該装置150を構成する部品の交換等と行う。
【0163】
そして、上記のように修理・交換等の作業が終了すると、図25のように、開閉パネル110を開放したままの状態で、発射装置150の発射作動確認を行う。係員は、携帯している確認球貯留スティック180を、その球出口端182を閉鎖している流出口開閉蓋183を開放して、その嵌着部185が球止め部材166の被嵌着部167に嵌着させることにより、発射装置150に取り付ける。これにより、図28(ロ)のように、確認球貯留スティック180の球貯留領域181に貯留されていた遊技球が、球出口端182から流出して、発射レール155の発射位置Zに供給される。
【0164】
係員は、保守用操作部170の保守用作動ボタン171をオン操作した後、発射ハンドル152を操作する。ここで、上記した不具合が解消されていれば、この発射ハンドル152の操作に従って発射鎚154が回動して、発射位置Zに在る遊技球を打圧する。そして、この遊技球は発射レール155及びガイドレール109を通過して遊技領域108に打ち出される。さらに、発射ハンドル152が連続して操作されると、確認球貯留スティック180から発射位置Zに順次供給される遊技球を次々と発射する。尚、遊技領域108に発射された遊技球が、遊技盤107に配設された各種入賞口134,136,138,139に流入しても賞球や特定の遊技作動等は実行されない。
【0165】
このように、発射位置Zに在る遊技球が発射される様を目視により確認すると、係員は発射装置150が正常に作動すると判断する。そして、球止め部材166の被嵌着部167から嵌着部185を脱嵌するようにして、確認球貯留スティック180を前方へ引く。このようにして、確認球貯留スティック180を発射装置150から取り外し(図25参照)、流出口開閉蓋183を回転させて球出口端182に嵌着させる(図26参照)。この後、開閉パネル110を閉鎖して、発射装置150に生じた不具合を解消する作業を終了する。そして、遊技者は遊技を再開することができる。
【0166】
ここで、上記した保守用作動ボタン171が操作され、発射ハンドル152が操作された場合に、遊技球が正常に発射されないと、不具合が解消されていないか、別の不具合が残っていることとなる。この場合には、再び発射装置150を修理等し、その後、上述と同様に発射作動確認を改めて行う。
【0167】
このように本実施例4の構成にあっては、パチンコ遊技機1の発射装置150に不具合や異常を生じた場合に、該不具合や異常等を修理し、その後に確認球貯留スティック180を発射装置150に取り付けることにより、該確認球貯留スティック180内の遊技球を用いて発射装置150の発射作動確認を行い得るようにしたものある。この発射作動確認では、遊技者の遊技球を使用せず、かつ比較的容易かつ確実に遊技球を発射位置Zに順次供給することができるため、遊技球を紛失することもなく、遊技者との間にトラブルが生じることや、遊技場に不利益を被ることがない。また、発射作動確認は、確認球貯留スティック180の脱着と、保守用作動ボタン171の操作とにより実行可能であるため、その作業性に優れている。
【0168】
上述した実施例1〜実施例4の具体例に示すように、本発明にかかる作動確認用球供給装置は、スロットマシンの球取込装置又はパチンコ遊技機の発射装置の作動確認を、容易かつ適正に行うことができ、かつ優れた作業性を発揮し得るものである。そして、本発明は、実施例1〜実施例4に限定されるものではなく、様々な構成により実現可能となる。
【0169】
例えば、図28のように、スロットマシン1の球取込装置50に取り付ける確認球貯留スティック60’を、その球出口端62’を球貯留領域61’の一端縁の側部に設けるようにした構成として、球取込装置50に取り付けられた場合に、その球貯留領域61’が正面視左右方向に配されるようにすることもできる。この構成では、球出口端62’の口縁に形成した嵌着口縁63’は、球貯留領域61’から略直角状に折り曲がって、全体として略L字状となる。また、図29のように、球回収スティック75’にあっても、確認球貯留スティック60’と同様に、略L字状に形成してなる構成とすることもできる。この球回収スティック75’は、球回収領域76’が略L字状を成すと共に、球取込装置80の回収用開口82に嵌入する回収嵌入部77’が短辺の先端部分に形成される。そして、確認球貯留スティック60’と球回収スティック75’とを球取込装置80に取り付け保持し、取込作動確認を行う。これら構成にあっても、上述した実施例1及び実施例2と同様の作用効果を発揮し得る。
【0170】
また、上述した実施例1にあって、各確認球貯留スティック60に、球取込装置50に取り付けられた場合に、この取り付け状態をより強く保持するために、一方に係止爪を設け、他方に該係止爪が係止する部位を設けてなる構成の係合手段を設けることも可能である。そして、同様の係合手段を、実施例2〜実施例4にも設けることもでき、さらに、球回収スティック75にもこの係合手段を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明にかかるスロットマシン1の外観斜視図である。
【図2】同上のスロットマシン1の分解斜視図である。
【図3】同上のスロットマシン1の前枠4に枢結される開閉パネル10及び前扉17と、該前枠4に配設される球取込装置50を表す分解斜視図である。
【図4】同上のスロットマシン1の、裏機構板5を背面からみた斜視図である。
【図5】同上のスロットマシン1の遊技を制御する制御回路を示すブロック図である。
【図6】実施例1の球取込装置50の、(イ)前方外嵌斜視図、(ロ)後方外嵌斜視図、(ハ)取込ケース51を開放した状態の前方斜視図である。
【図7】実施例1の確認球貯留スティック60を球取込装置50に、(イ)取り付ける前後の状態と、(ロ)保持した状態とを表す前方斜視図である。
【図8】同上の確認球貯留スティック60を球取込装置50に、(イ)取り付ける前後の状態と、(ロ)保持した状態とを表す断面図である。
【図9】同上の確認球貯留スティック60の、(イ)球出口端62と、(ロ)球補充口65とを表す部分拡大図である。
【図10】同上の球取込装置50による、遊技球の取込作動を表す説明図である。
【図11】同上の球取込装置50の、手動用の操作レバー58を操作されることによって遊技球を取り込む取込作動を表す説明図である。
【図12】実施例1の開閉パネル10のパネル部材11を表す後方斜視図である。
【図13】実施例1の球通路変換装置36を後方から見た、(イ)外観斜視図と、(ロ)断面図である。
【図14】実施例2の球取込装置80が前枠4に配設されている状態を表す部分拡大図である。
【図15】実施例2の確認球貯留スティック60と球回収スティック75とを球取込装置80に、(イ)取り付ける前後の状態と、(ロ)保持した状態とを表す前方斜視図である。
【図16】同上の確認球貯留スティック60と球回収スティック75とを球取込装置80に取り付ける過程を説明する断面図である。
【図17】実施例3の確認球貯留スティック90と球取込装置80とを表す前方斜視図である。
【図18】同上の確認球貯留スティック90を球取込装置80に取り付け保持し、取り外すまでの過程を説明する断面図である。
【図19】同上の確認球貯留スティック90の、球回収領域92に回収した遊技球を球貯留領域91へ移す過程を説明する断面図である。
【図20】本発明にかかるパチンコ遊技機101の正面図である。
【図21】同上のパチンコ遊技機101の、前扉117と開閉パネル110とを開放した状態を表す斜視図である。
【図22】同上のパチンコ遊技機101の遊技を制御する制御回路を示すブロック図である。
【図23】同上のパチンコ遊技機101の発射装置150を表す裏面図である。
【図24】実施例4の確認球貯留スティック180を表す、(イ)外嵌斜視図と(ロ)分解斜視図である。
【図25】発射装置150に確認球貯留スティック180を取り付ける状態を表す説明図である。
【図26】同上の確認球貯留スティック180の球出口端182の閉鎖状態を表す、(イ)正面図と(ロ)側面図である。
【図27】同上の確認球貯留スティック180の、(イ)球出口端182の開放状態を表す正面図と(ロ)発射装置150に保持された状態を表す断面図である。
【図28】スロットマシン1の球取込装置50に取り付ける、別例の確認球貯留スティック60’を表す説明図である。
【図29】スロットマシン1の球取込装置80に取り付ける、別例の確認球貯留スティック60’と球回収スティック75’とを表す説明図である。
【符号の説明】
【0172】
1 スロットマシン
3 遊技機本体
10 開閉パネル
15 上部球貯留皿(球貯留皿)
20 取込口
30a〜30c 回転リール
36 球通路変換装置(球通路変換手段)
37 返却通路
38 排出通路
50、80 球取込装置
51、81 取込ケース
52 球取込路
53 球取込口
59 取込球検知センサ
60、90 確認球貯留スティック
61、91 球貯留領域
62 球出口端
63 嵌着口縁
64 被嵌着口縁
67 開閉バネ部材
70,85 保守用操作部
71 取込リセットボタン(取込リセットスイッチ)
72 保守用作動ボタン(保守用作動スイッチ)
73 保守用返却ボタン(保守用返却スイッチ)
75 球回収スティック
76,92 球回収領域
77 回収嵌入部
78 球回収口端
82 回収用開口
83 開閉蓋
86 保守用返却路ボタン(保守用返却路スイッチ)
87 保守用取込作動ボタン(保守用取込作動ボタン)
101 パチンコ遊技機
103 遊技機本体
107 遊技盤
110 開閉パネル
115 上部球貯留皿(球貯留皿)
150 発射装置
154 発射鎚
155 発射レール
167 被嵌着部
171 保守用作動ボタン(保守用作動スイッチ)
180 確認球貯留スティック
181 球貯留領域
182 球出口端
183 流出口開閉蓋(流出口開閉片)
185 嵌着部
Z 発射位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ドラムを備えた遊技機本体の前面に開閉可能に設けられ、取込用の遊技球を貯留する球貯留皿を具備する開閉パネルと、
遊技機本体に配設され、開閉パネルの閉鎖状態で球貯留皿に設けられた取込口と連通する球取込口と該球取込口からの遊技球が流下する球取込路とを具備する取込ケースと、該球取込路に設けられ、遊技球を所定個数を一単位として取り込む取込作動手段とを具備する球取込装置と
を具備するパチンコ遊技機用の遊技球を遊技媒体とするスロットマシンの、前記球取込装置の作動確認に用いられるものであって、
取込作動確認用の遊技球を貯留し、その球出口端から遊技球を流出可能な球貯留領域と、該球出口端を開閉する出口開閉手段とを具備する携帯可能な確認球貯留スティックと、
確認球貯留スティックを、その球出口端と球取込装置の球取込路とを連通して該球出口端から球取込路へ遊技球を流出可能とするように、該球取込装置に取り付けて保持するためのスティック保持手段と
を具備することを特徴とする作動確認用球供給装置。
【請求項2】
スティック保持手段が、
確認球貯留スティックの球出口端の周縁に形成された凹形状の嵌着口縁と、取込ケースの球取込口の周縁に形成され、確認球貯留スティックの凹形状の嵌着口縁と嵌着可能な凸形状の被嵌着口縁とを具備してなり、
嵌着口縁と被嵌着口縁とを嵌着した嵌着状態で、球出口端と球取込口とを連通して、取込ケースに確認球貯留スティックを保持するようにしたものである請求項1に記載の作動確認用球供給装置。
【請求項3】
確認球貯留スティックの出口開閉手段は、
球出口端の口縁端に固定される固定片部と、該固定片部から屈曲形成され、常態で球出口端の口内に突出して該球出口端で遊技球を係止する弾性片部とからなり、
球出口端の嵌着口縁が球取込口の被嵌着口縁に嵌着された場合に、前記弾性片部を該被嵌着口縁により球出口端の内周面側へ屈曲させ、該球出口端を遊技球の流出可能な開放状態とする板バネ状の開閉バネ部材から構成された請求項2に記載の作動確認用球供給装置。
【請求項4】
球取込装置の取込ケースが、取込作動手段の下流側で球取込路に連通する回収用開口と、該回収用開口を開閉する開閉片とを備えてなると共に、
開放状態の回収用開口に嵌入する回収嵌入部と、
該回収嵌入部に設けられ、回収用開口に嵌入された場合に球取込路内に位置して、取込作動手段により取り込まれた遊技球を流入する球回収口端と、
該球回収口端から流入した遊技球を留める回収球貯留領域と
を備えてなる球回収スティックを具備する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の作動確認用球供給装置。
【請求項5】
球取込装置の取込ケースが、取込作動手段の下流側で球取込路に連通する回収用開口と、該回収用開口を開閉する開閉片とを備えてなると共に、
確認球貯留スティックが、
開放状態の回収用開口に嵌入する回収嵌入部と、
該回収嵌入部に設けられ、スティック保持手段により球取込装置に保持された状態で、球取込路内に位置して、取込作動手段により取り込まれた遊技球を流入する球回収口端と、
該球回収口端から流入した遊技球を留めると共に、球貯留領域に連通する回収球貯留領域と
を備えてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の作動確認用球供給装置。
【請求項6】
スロットマシンは、球取込装置により取り込まれた遊技球を、球貯留皿の下方に配設された下部球貯留皿へ返却する返却通路と、機外へ排出する排出通路とのいずれか一方へ流下可能とするように流路変換する球通路変換手段を備えてなるものであって、
遊技球が返却通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換すると共に、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込み、該遊技球を下部球貯留皿へ返却する保守用返却スイッチと、
遊技球が排出通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換すると共に、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込み、該遊技球を機外へ排出する保守用作動スイッチと
を備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の作動確認用球供給装置。
【請求項7】
スロットマシンは、球取込装置により取り込まれた遊技球を、球貯留皿の下方に配設された下部球貯留皿へ返却する返却通路と、機外へ排出する排出通路とのいずれか一方へ流下可能とするように流路変換する球通路変換手段を備えてなるものであって、
遊技球が返却通路へ流下可能となるように球通路変換手段を流路変換する保守用返却路スイッチと、球取込装置の取込作動手段により遊技球を取り込む保守用取込作動スイッチとを備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる請求項4又は請求項5に記載の作動確認用球供給装置。
【請求項8】
球取込装置の取込作動手段が、取り込んだ遊技球を検知する取込球検知センサを備えてなり、
遊技球の取込途中で球取込装置の取込作動確認をする場合に、当該取込作動確認前に取り込まれ、前記取込球検知センサにより検知された遊技球の取込個数をリセットすると共に、該取込個数の遊技球を返却する取込球リセットスイッチを備えた保守用操作部が、開閉パネルの閉鎖状態で該開閉パネルにより被覆される部位に配設されてなる請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の作動確認用球供給装置。
【請求項9】
入賞装置が配設された遊技盤を具備する遊技機本体の前面に開閉可能に設けられ、遊技球を貯留する球貯留皿を備えた開閉パネルと、
遊技機本体に設けられ、開閉パネルの閉鎖状態で、遊技盤に遊技球を案内する発射レール上の発射位置に順次供給される球貯留皿の遊技球を、該遊技盤へ打ち出す発射装置と
を具備するパチンコ遊技機の、前記発射装置の作動確認に用いられるものであって、
発射装置の発射作動確認用の遊技球を貯留し、その球出口端から遊技球を流出可能な球貯留領域と、該球出口端を開閉する出口開閉手段とを具備する携帯可能な確認球貯留スティックと、
確認球貯留スティックを、球出口端から発射位置へ遊技球を順次流出可能とする位置に保持するためのスティック保持手段と
を具備することを特徴とする作動確認用球供給装置。
【請求項10】
スティック保持手段が、
確認球貯留スティックに設けられた嵌着部と、
発射装置に設けられ、確認球貯留スティックの嵌着部が嵌着された嵌着状態で、球出口端が発射位置に隣接して球貯留領域内の遊技球を発射位置へ順次流出可能とするように、確認球貯留スティックを保持する被嵌着部と
を備え、
前記嵌着部と被嵌着部の一方が凸形状を成し、他方が該凸形状を嵌入する凹形状を成すものとした請求項9に記載の作動確認用球供給装置。
【請求項11】
確認球貯留スティックの出口開閉手段が、球出口端を開閉する流出口開閉片から構成されてなる請求項9又は請求項10に記載の作動確認用球供給装置。
【請求項12】
遊技機本体の、開閉パネルの閉鎖状態で被覆される部位に設けられ、発射装置を作動可能とすると共に、遊技盤の入賞装置への遊技球流入を無効とする保守用作動スイッチを備えている請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の作動確認用球供給装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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