説明

作成装置、処理装置及びプログラム

【課題】複数の電子ペン用帳票に共通する汎用的なデザインを共通部として定義しておくと共に、電子ペン用帳票毎に異なるデザインを個別部として別途定義することで、電子ペン用帳票のデザインの汎用性を実現することができる処理システムを提供する。
【解決手段】処理システム100においてサーバ5aは、項目マスタDB7aに基づいて、点検表3aを構成するエリアに項目内容を設定することで個別デザインを設定する。また、サーバ5aは、当該個別デザインが印刷される点検表3aを識別する帳票IDを発行する。さらに、サーバ5aは、帳票ID、エリアID及び項目IDを対応付けたトランザクション情報を記憶する。そして、サーバ5aは、当該個別デザインをプリンタ4によって印刷することで点検表3aを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペン用帳票のデザインの汎用性に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。電子ペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上に電子ペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などのストロークデータ(「記入情報」ともいう)がデジタルデータとして取得される。このストロークデータは、データ通信ユニットにより電子ペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信され、処理が行われる。
【0003】
このような電子ペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用した仕組みが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
【0004】
通常、電子ペンにより記入される電子ペン用帳票は、適用業務内容に応じたデザインが施されており、事前に罫線や項目名等を印刷した状態で使用されている。そのため、このような従来の方法では、ある程度共通化が可能なデザインの電子ペン用帳票が複数パターン必要な場合であっても、一部の違いにより、別々のデザインの電子ペン用帳票として取り扱う必要があった。そのため、コストがかさむ、小ロットの対応が困難であるといった問題が生じていた。
【0005】
【特許文献1】特開2004−153612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用的なデザインを共通部として定義しておくと共に、電子ペン用帳票毎に異なるデザインを個別部として別途定義することで、電子ペン用帳票のデザインの汎用性を実現することができる処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成する作成装置において、前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段と、前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段と、前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定することで、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段と、前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段と、発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段と、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段と、を備える。
【0008】
上記のように構成された作成装置は、予めボックス定義情報と項目マスタ情報を記憶している。そして、作成装置は、記憶している項目マスタ情報に基づいて、電子ペン用帳票を構成するエリアに項目内容を設定することで個別デザインを設定する。また、作成装置は、当該個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する。さらに、作成装置は、発行した帳票識別情報と、エリア識別情報と、設定した項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶する。そして、作成装置は、当該個別デザインをプリンタ等によって印刷することで電子ペン用帳票を作成する。このとき、個別デザインが印刷される電子ペン用帳票には、予め複数の電子ペン用帳票で共通する罫線等の汎用デザインが印刷機等によって印刷されているものとする。即ち、作成された電子ペン用帳票には、汎用デザイン及び個別デザインが印刷されている。このように、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用デザイン及び対応するボックス定義情報を予め共通部分として準備しておき、電子ペン用帳票毎に異なる個別デザインは別途定義を行いプリンタ出力することでデザインの汎用性を実現することができる。
【0009】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成する作成装置において、前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段と、前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を記憶する種別マスタ情報記憶手段と、前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段と、前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定する項目内容設定手段と、前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスの種別内容を設定する種別内容設定手段と、前記項目内容設定手段が設定した項目内容と前記種別内容設定手段が設定した種別内容とに基づいて、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段と、前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段と、発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報と、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段と、前記電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する。
【0010】
上記のように構成された作成装置は、予めボックス定義情報、種別マスタ情報及び項目マスタ情報を記憶している。そして、作成装置は、記憶している種別マスタ情報に基づいて、電子ペンによって記入されるボックスの種別内容を設定する。また、作成装置は、記憶している項目マスタ情報に基づいて、電子ペン用帳票を構成するエリアに項目内容を設定する。このように設定された種別内容および項目内容に基づいて、個別デザインを設定する。そして、作成装置は、当該個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する。さらに、作成装置は、発行した帳票識別情報と、エリア識別情報と、項目識別情報と、種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶する。そして、作成装置は、当該個別デザインをプリンタ等によって印刷することで電子ペン用帳票を作成する。このとき、個別デザインが印刷される電子ペン用帳票には、予め複数の電子ペン用帳票で共通する罫線等の汎用デザインが印刷機等によって印刷されているものとする。即ち、作成された電子ペン用帳票には、汎用デザイン及び個別デザインが印刷されている。これによれば、印刷トランザクション毎に異なる項目内容及びそれに対応する種別内容のボックスを出力したい場合であっても、項目マスタ情報及び種別マスタ情報を参照して個別デザインをその都度設定することにより、効率良く様々な様式の電子ペン用帳票を作成することができる。
【0011】
上記作成装置の一態様では、前記ボックスの種別は、選択したボックスにチェックマークを記入する択一選択パターンと、前記ボックスに文字列を記入する自由記入パターンとを有しており、前記種別マスタ情報記憶手段は、前記ボックスの種別が前記択一選択パターンの場合に、前記種別内容として前記ボックス近辺に印刷されるラベルを設定し、前記ボックスの種別が前記自由記入パターンの場合に、前記種別内容として前記ボックスに記入可能な文字列の桁数及び文字種類を設定する。
【0012】
上記のように構成された作成装置は、ボックスの種別が択一選択パターンの場合、種別内容としてラベルを設定する。ラベルとは、具体的にYES/NOやOK/NG等である。一方、ボックスの種別が自由記入パターンの場合、種別内容としてボックスに記入可能な文字列の桁数及び文字種類を設定する。このように、ボックスの種別が2パターンあることで、電子ペン用帳票に個別デザインとして印刷するボックスの幅を広げることができる。つまり、最適なボックスを印刷して電子ペン用帳票を作成することができる。
【0013】
上記作成装置の他の一態様では、前記項目内容を作成する項目内容作成手段と、前記項目識別情報と、前記項目内容作成手段が作成した項目内容とを対応付けた情報を、前記項目マスタ情報記憶手段が記憶する項目マスタ情報として追加する項目マスタ情報追加手段とをさらに備える。これによれば、最適な項目内容が項目マスタ情報に存在しない場合、任意の項目内容を作成して追加することができる。
【0014】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置において、前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段と、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段と、前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段と、前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段と、特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報及び前記項目識別情報を特定する識別情報特定手段と、特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段と、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された記入内容を特定する記入内容特定手段と、特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段と、を備える。
【0015】
上記のように構成された処理装置は、予めボックス定義情報、項目マスタ情報、トランザクション情報を取得している。利用者は、電子ペンにより、電子ペン用帳票上に設けられた項目内容に基づいて所定のボックスに記入を行う。電子ペンは、電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入したチェックマーク等に関する記入情報を取得する。ここで、記入情報には当該ドットパターン上の位置座標が含まれている。電子ペンが取得した記入情報は、処理装置により取得される。処理装置は、まず、記入情報及びボックス定義情報に基づいて、帳票識別情報を特定する。さらに、処理装置は、特定した帳票識別情報及びトランザクション情報に基づいて、エリア識別情報及び項目識別情報を特定する。そして、処理装置は、項目識別情報及び項目マスタ情報に基づいて項目内容を特定する。また、処理装置は、記入情報及びボックス定義情報に基づいて記入内容を特定する。そして、処理装置は、エリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、特定した項目内容及び記入内容を対応付け、所定の処理を行う。このように、処理装置は、デザインの汎用性を実現しつつ作成した電子ペン用帳票に記入された情報に基づいて、所定の処理を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置であって、前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段と、前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を取得する種別マスタ情報取得手段と、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段と、前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報と、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段と、前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段と、特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報、前記項目識別情報及び前記種別識別情報を特定する識別情報特定手段と、特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段と、前記種別識別情報及び前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスに対応する種別内容を特定する種別内容特定手段と、特定した種別内容、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記ボックスに記入された記入内容を特定する記入内容特定手段と、特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段と、を備える。
【0017】
上記のように構成された処理装置は、予めボックス定義情報、項目マスタ情報、種別マスタ情報及びトランザクション情報を取得している。利用者は、電子ペンにより、電子ペン用帳票上に設けられた項目内容に基づいて所定のボックスに記入を行う。電子ペンは、電子ペンの移動に伴って帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入したチェックマーク等に関する記入情報を取得する。ここで、記入情報には当該ドットパターン上の位置座標が含まれている。電子ペンが取得した記入情報は、処理装置により取得される。処理装置は、まず、記入情報及びボックス定義情報に基づいて、帳票識別情報を特定する。さらに、処理装置は、特定した帳票識別情報及びトランザクション情報に基づいて、エリア識別情報、項目識別情報及び種別識別情報を特定する。そして、処理装置は、項目識別情報及び項目マスタ情報に基づいて項目内容を特定する。また、処理装置は、種別識別情報及び種別マスタ情報に基づいて種別内容を特定する。また、処理装置は、項目識別情報及び項目マスタ情報に基づいて項目内容を特定する。また、処理装置は、種別内容、記入情報及びボックス定義情報に基づいて記入内容を特定する。そして、処理装置は、エリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、項目内容及び記入内容を対応付け、所定の処理を行う。このように、処理装置は、デザインの汎用性を実現しつつ作成した電子ペン用帳票に記入された情報に基づいて、所定の処理を容易に行うことができる。
【0018】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段、前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段、前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定することで、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段、前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段、発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0019】
本発明のさらに別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段、前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段、前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段、前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段、特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報及び前記項目識別情報を特定する識別情報特定手段、特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された記入内容を特定する記入内容特定手段、特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0020】
上記プログラムをコンピュータによって実行することにより、上述の作成装置及び処理装置を実現することができる。また、上述の作成装置及び処理装置の各態様も同様に実現することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用的なデザインを共通部として定義しておくと共に、電子ペン用帳票毎に異なるデザインを個別部として別途定義することで、電子ペン用帳票のデザインの汎用性を実現することができる処理システムを提供することを課題とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
【0023】
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0024】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0025】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。ここで、電子ペン10が取得した画像データ又はベクトルデータは、ドットパターン上における軌跡の座標情報の集合体であり、本実施形態では「ストロークデータ」と呼ぶ。このストロークデータは、所定の加工をしなければ業務上意味を成さないが電子ペン10が最初に取得するデータである。
【0026】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
【0027】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
【0028】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0029】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0030】
電子ペン10自体は、送信ボタンなどの機能ボタンを備えておらず、送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。
【0031】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0032】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0033】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるストロークデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限り加工した上でテキスト化する機能は備えている。
【0034】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0035】
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
【0036】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0037】
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0038】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0039】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0040】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0041】
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0042】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0043】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0044】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0045】
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
【0046】
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
【0047】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10からストロークデータを受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得したストロークデータをそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0048】
また、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において、後述するサーバ5は、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねているものとする。
[第1実施形態]
(i)処理システム
次に、第1実施形態における処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システム100は、複数の電子ペン用帳票(以下、「帳票」と呼ぶ。)に共通する汎用デザインが印刷された帳票に、予め定義された個別デザインを印刷することで、様々な様式の帳票を作成するシステムである。また、処理システム100は、作成した帳票に記入された記入情報に基づいて、帳票を構成する項目等に印刷された出力内容と、帳票を構成するボックスに記入された記入内容とを特定し、所定のデータ処理を行うシステムである。
【0049】
なお、本実施形態では、処理システム100が作成する帳票は、システムを点検する際に使用する点検表3aであるものとする。
【0050】
図7に示すように、処理システム100は、端末装置25及びサーバ5aがネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25は、例えばPCやPDA(Personal Digital Assistants)といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末である。
【0051】
サーバ5aは、印刷機によって汎用デザインが印刷された汎用点検表に、予め定義された個別デザインを印刷することで点検表3aを作成するものである。また、サーバ5aは、作成した点検表3aに電子ペン10で記入された記入情報を取得し、当該記入情報に基づいて出力内容と記入内容とを特定することにより、手続等に必要な所定のデータ処理を行うものである。サーバ5aは、トランザクションDB6a、項目マスタDB7a及びボックス定義DB8aに接続されている。
【0052】
まず、図8及び図9を参照して、本実施形態において点検表3aを作成する方法の概要を述べておく。図8は、点検表3aの例である。具体的に、図8(a)は、Aシステムを点検する際に使用するAシステム点検表の例であり、図8(b)は、Bシステムを点検する際に使用するBシステム点検表の例である。また、図9は、点検表3aを作成する方法を説明する図である。なお、点検表3aは、上述の送信ボックスを備えているが、図面上では便宜上省略する。
【0053】
本実施形態における点検表3aは、上述の専用ペーパーとして作成されたものである。また、点検表3aは、帳票に汎用デザイン及び個別デザインが印刷されたものであり、利用者が電子ペン10により点検結果を記入するものである。具体的に、点検表3aは、点検項目が印刷された点検項目部と、点検結果が電子ペン10により記入される点検結果部とを備えている。
【0054】
なお、本発明では、処理システム100が生成する帳票が、質問事項と、対となる解答欄とで構成されたデザインであることを前提とする。例えば、本実施形態に示す点検表3aのように、点検項目部と、対となる点検結果部とで構成されるようなデザインである。
【0055】
利用者は、通常、図8(a)及び(b)に示すように、各システムにそれぞれ対応した点検表3aに電子ペン10で記入を行うことにより、システムの点検を行う。従来、各種点検表3aは、図示のように、ほとんど同一の様式でありながら、点検項目の内容といったデザインの一部が異なるため、別々の帳票として印刷する必要があった。そのため、コストがかさむ、小ロットの対応が困難であるといった問題が生じていた。この問題を解消するために、本発明の処理システム100では、汎用部分と個別部分を切り分けて、それぞれのデザインを作成する。これによれば、利用者や利用シーンによって、様式が一部変わるようなデザインであっても、プリンタ出力で柔軟に対応することが可能となる。
【0056】
具体的に、処理システム100は、図9の上段に示すように、予め印刷機により、複数の点検表3aで共通の汎用デザインを帳票に印刷しておく。ここで、汎用デザインが印刷された帳票を汎用点検表51aと呼ぶ。このとき、汎用点検表51aには、図示のように、点検項目部52a及び点検結果部54aを表す罫線等が印刷されている。ここで、点検項目部52aは空欄となっている。
【0057】
なお、点検項目部52aは、図示のように、点検項目内容が印刷される複数の出力エリアが定義されている。図9では、点検項目部52aに定義されている出力エリアを説明するため、便宜上(出力エリアA1)等と記載しているが、このような出力エリアを示す情報は利用者が視覚的に認識できるものではないとする。
【0058】
一方、点検結果部54aは、電子ペン10によりチェックマークが記入されるボックスと、「YES」や「NO」といった各ボックスに対応するボックスラベルとが印刷されている。
【0059】
また、処理システム100のサーバ5aは、汎用デザインとして点検結果部54aに印刷されたボックスと、汎用点検表51a上のドットパターンとを対応付けて定義したボックス定義データを作成し、ボックス定義DB8に記憶する。ここで、ボックス定義データとは、帳票においてどこが入力欄であるか等を電子ペン10が認識するために必要な情報であり、入力欄と、帳票のドットパターン上の位置座標との関係性を示す情報である。なお、電子ペン10がアノト方式のデジタルペンの場合、ボックス定義データは、「PADデータ」と呼ばれる。
【0060】
さらに、サーバ5aは、項目マスタDB7aに基づいて、点検項目部52aを構成する出力エリアに、任意の項目内容を設定する。ここで、点検項目部52aについて詳しく説明する。点検項目部52aは、複数の出力エリアから構成されている。各出力エリアには、設定された項目内容が印刷され、当該項目内容を点検した結果が点検結果部54aにチェックマークで記入される。つまり、点検項目部52aを構成する出力エリアと、点検結果部54aを構成するボックスとは対になっている。このように、点検項目部52aの各出力エリアに点検の項目内容を設定することにより、サーバ5aは、点検表3aの様式毎に異なる個別デザインを作成する。換言すると、本実施形態における個別デザインとは、点検項目部52aに印刷される項目内容である。
【0061】
なお、項目マスタDB7aに基づいて、各出力エリアに項目内容を設定する方法についての詳細は後述する。
【0062】
そして、サーバ5aは、プリンタ40を使用して、汎用点検表51aに作成した個別デザインを印刷する。つまり、サーバ5aは、汎用点検表51aの点検項目部52aを構成する各出力エリアに、それぞれ設定された項目内容を印刷する。これにより、サーバ5aは、図9の下段に示すように、異なる様式の点検表3aを容易に作成することができる。
【0063】
本実施形態では、点検の項目内容を個別デザインとして汎用点検表51aに印刷することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々の様式毎に異なる任意のデザインを個別デザインとして汎用点検表51aに印刷することが可能である。このように、デザインを汎用部と個別部に切り分けることにより、利用者や利用シーンによって様式が一部変わるような点検表3aであっても、プリンタ出力により随時柔軟に対応することが可能となる。
【0064】
(ii)汎用デザイン
次に、図10を参照して、帳票に印刷される汎用デザイン及びボックス定義データについて詳しく説明する。
【0065】
汎用デザインとは、上述のように、複数の様式の点検表3aにおいて共通する罫線、ボックス及び文字列等のデザインのことである。また、ボックス定義データとは、点検表3aにおいてどこが電子ペン10によって記入可能なボックスであるか等を電子ペン10が認識するために必要な情報である。つまり、図10(a)に示すように、汎用デザインが印刷された汎用点検表51aとボックス定義DB8aで記憶管理されたボックス定義データとは対応付けされている。
【0066】
ここで、ボックス定義データの例を図10(b)に示す。図示のように、ボックス定義データは、具体的に、汎用点検表51a上のボックスを識別する情報であるボックスIDと、当該ボックスのドットパターン上の位置座標を示す情報である座標データとを有している。
【0067】
なお、図10(b)では、ボックスIDを説明するため、便宜上(B1)等と記載しているが、このような各ボックスに対応するボックスIDを示す情報は利用者が視覚的に認識できるものではないとする。
【0068】
サーバ5aは、このようなボックス定義データを、図10(c)に示すようなボックス定義DB8aにより管理している。図10(c)は、ボックス定義DB8aのデータ構造を模式的に示す図である。ボックス定義DB8aは、図示のように、ボックスID、対応エリアID、ボックスラベル及び座標データから構成されている。対応エリアIDとは、ボックスに対応する出力エリアの識別情報であり、例えば対応する出力エリアが出力エリアA1であれば、対応エリアIDは「A1」となる。また、ボックスラベルとは、各ボックスがYES又はNOのいずれに対応しているかを示す情報である。
【0069】
なお、本実施形態では、汎用デザインを罫線等としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の帳票で共通であれば任意のデザインを汎用デザインとすることが可能である。
【0070】
(iii)個別デザイン
次に、図11を参照して、帳票に印刷される個別デザイン及び項目マスタデータについて詳しく説明する。
【0071】
個別デザインとは、上述のように、複数の様式の点検表3aにおいてそれぞれ異なる文字列等のデザインのことである。また、項目マスタデータとは、汎用点検表51aの各出力エリアに印刷される項目内容に関する情報である。汎用点検表51aは、図11(a)に示すように、点検項目部52aに予め項目内容が印刷される領域として出力エリアが定義されている。
【0072】
サーバ5aは、汎用点検表51a上の各出力エリアに任意の項目内容を設定することで個別デザインを作成する。そのため、図11(a)に示すように、汎用デザインが印刷された汎用点検表51aの各出力エリアと、項目マスタDB7aで記憶管理された項目マスタデータとは対応付けされている。なお、本実施形態では、複数の様式の点検表3aにおいて、出力エリアに印刷される項目内容のみが異なるとしているため、点検項目に設定された項目内容が個別デザインとなる。
【0073】
ここで、項目マスタDB7aについて、図11(b)を参照して説明する。図11(b)は、項目マスタDB7aのデータ構造を模式的に示す図である。項目マスタDB7aは、図示のように、項目ID及び項目内容から構成されている。項目IDとは、各項目内容を識別する情報であり、項目内容とは、各項目の点検内容を示す情報である。
【0074】
(iv)点検表の作成
次に、図12を参照して、点検表3aを作成する方法について詳しく説明する。サーバ5aは、図12(a)に示すように、汎用点検表51aの点検項目部52aにおける各出力エリアに、項目マスタDB6に基づいて、任意の項目内容を設定することで個別デザインを作成する。さらに、サーバ5aは、当該個別デザインを印刷することで作成する点検表3aを識別する帳票IDを発行する。ここで、個別デザインは、各出力エリアに設定された項目内容のみではなく、発行された帳票IDも含むものとする。そして、サーバ5aは、プリンタ4を使用して、汎用点検表51aに個別デザインを印刷することで点検表3aを作成する。
【0075】
このとき、サーバ5aは、個別デザインに関する情報をトランザクションデータとしてトランザクションDB6aに記憶する。トランザクションDB6aのデータ構造を図12(b)に示す。図示のように、トランザクションDB6aは、帳票ID、エリアID及び項目IDから構成されている。帳票IDとは、作成した個別デザインが印刷されて作成される点検表3aを識別する情報である。エリアID及び項目IDとは、点検表3aの点検項目部52aを構成する出力エリアの識別情報と、当該出力エリアに印刷される項目内容の識別情報である。つまり、トランザクションDB6aは、サーバ5aが任意に作成した個別デザインに関するトランザクションデータを、帳票IDに対応付けて記憶管理している。換言すると、どの出力エリアに項目マスタDB7a内のどの項目内容を印刷するかという情報を管理している。即ち、点検表3aの点検項目部52aに印刷される項目内容は、項目マスタDB7a内ではなく、トランザクションDB6a内で管理される。
【0076】
なお、項目マスタDB7a内に存在しない項目内容を印刷したい場合は、項目内容を設定する設定画面内で自由入力を行うこととしてもよい。ここで、設定画面とは、例えばGUI(Graphical User Interface)ベースの画面等である。この場合、自由入力により設定された項目内容は、項目マスタDB7aに追加して記憶される。
【0077】
これによれば、印刷トランザクション毎に異なる項目内容を出力したい場合や各印刷トランザクション間で項目内容の重複頻度が低い場合であっても、項目マスタDB7aを参照して汎用点検表51aに印刷する個別デザインをその都度作成することにより、効率良くそれぞれのシステム等に応じた点検表3aを作成することができる。
【0078】
(v)データの処理
次に、図13を参照し、点検表3aに記入された記入情報を処理する方法について詳しく説明する。利用者は、まず、図13(a)に示すように、電子ペン10を使用して点検表3a上の帳票IDボックス60aに帳票IDを記入する。ここで記入する帳票IDは、点検表3a上に印刷されている帳票IDと同一の文字列等である。この帳票IDが、各点検表3aにどういった項目内容が印刷されているかを管理しているキー番号となる。換言すると、帳票IDが個別デザインを管理しているキー番号となる。
【0079】
そして、利用者は、図13(b)に示すように、点検項目部52aに印刷された点検項目の内容に応じて、対となっている点検結果部54aのYESボックス又はNOボックスにチェックマークを記入する。電子ペン10は、記入された内容に対応するストロークデータを取得し、電子ペン10内のメモリに一時的に記憶した後、当該ストロークデータを端末装置25へ送信する。端末装置25は、電子ペン10からストロークデータを受信し、ネットワーク2を通じてサーバ5aへ送信する。サーバ5aは、当該ストロークデータを、利用者が電子ペン10により点検表3aに記入した帳票IDやチェックマークに関する記入情報として取得する。
【0080】
サーバ5aは、記入情報からボックス定義DB8aを参照することにより、各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する。そして、サーバ5aは、帳票IDボックスに記入されたボックス記入情報に基づいてOCR(Optical Character Reader)処理を行うことにより、点検表3aに記入された帳票IDを特定する。さらに、サーバ5aは、特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6aを参照することにより、点検表3aに印刷された個別デザインに関するエリアID及び項目IDを特定する。
【0081】
そして、サーバ5aは、項目IDに基づいて項目マスタDB7aを参照することにより、点検表3aの点検項目部52aを構成する各エリアに印刷された項目内容、即ち出力内容を特定する。さらに、サーバ5aは、ボックス記入情報及びボックス定義DB8aに基づいて、点検結果部54aを構成する各ボックスであって、チェックマークが記入されたYESボックス又はNOボックスを特定する。即ち、利用者が電子ペン10を使用して点検表3aに記入した記入内容を特定する。そして、サーバ5aは、特定した項目内容及び記入内容に基づいて、所定のデータ処理を行う。
【0082】
(vi)サーバ
次に、サーバ5aについて詳しく説明する。図14は、処理システム100における、特にサーバ5aの内部構成を示す。
【0083】
図示のように、サーバ5aは、点検表作成プログラム101、ボックス定義データ記憶機能102、項目マスタデータ記憶機能103、個別デザイン作成機能104、トランザクションデータ記憶機能105、点検表作成機能106、データ処理プログラム107、記入情報取得機能108、ボックス記入情報抽出機能109、帳票ID特定機能110、出力内容特定機能111、記入内容特定機能112及びデータ処理機能113から構成されている。
【0084】
なお、各機能は、サーバ5aが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0085】
点検表作成プログラム101は、予め汎用デザインが印刷された汎用点検表51aに、任意に作成した個別デザインを印刷することにより点検表3aを作成するプログラムである。
【0086】
ボックス定義データ記憶機能102は、点検表作成プログラム101を実行することにより、点検表3aにおいてどこが電子ペン10によって記入可能なボックスであるか等を電子ペン10が認識するために必要なボックス定義データを、ボックス定義DB6に記憶する機能である。
【0087】
項目マスタデータ記憶機能103は、点検表作成プログラム101を実行することにより、点検表3aの項目内容部を構成する各出力エリアに印刷される項目内容に関する項目マスタデータを、項目マスタDB7aに記憶する機能である。
【0088】
個別デザイン作成機能104は、さらに項目内容設定機能及び帳票ID発行機能から構成されている。項目内容設定機能は、項目マスタDB7aに基づいて、汎用点検表51aの点検項目部52aを構成する各出力エリアに項目内容を設定する機能である。また、帳票ID発行機能は、項目内容設定機能により各出力エリアに項目内容を設定することで作成した個別デザインを印刷する点検表を識別する帳票IDを発行する機能である。
【0089】
トランザクションデータ記憶機能105は、個別デザイン作成機能104が作成した個別デザインに関する情報をトランザクションデータとしてトランザクションDB6aに記憶する機能である。具体的に、トランザクションデータは、帳票ID、エリアID及び項目IDを含んでいる。
【0090】
点検表作成機能106は、個別デザイン作成機能104が作成した個別デザインを汎用点検表51aに印刷することにより、点検表3aを作成する機能である。
【0091】
データ処理プログラム107は、点検表作成機能106が作成した点検表の各ボックスに電子ペン10を使用して記入された記入情報に基づいて所定のデータ処理を行うプログラムである。
【0092】
記入情報取得機能108は、データ処理プログラム107を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して点検表3aに記入したチェックマーク等に関する記入情報を取得する機能である。
【0093】
ボックス記入情報抽出機能109は、ボックス定義DB8aに基づいて記入情報取得機能108が取得した記入情報から、各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する機能である。
【0094】
帳票ID特定機能109は、点検表3a上に設けられた帳票IDボックスに記入されたボックス記入情報に基づいて、OCR処理等により帳票IDを特定する機能である。
【0095】
出力内容特定機能110は、帳票ID特定機能109が特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6aを参照することにより、項目ID及びエリアIDを特定し、点検表3aへの出力内容を特定する機能である。換言すると、特定した項目ID及びエリアIDに基づいて、点検表3a上の各出力エリアに印刷された項目内容を特定する機能である。
【0096】
記入内容特定機能111は、ボックス記入情報抽出機能109が抽出したボックス記入情報と、ボックス定義DB8aとに基づいて、利用者が電子ペン10を使用して項目結果部に記入した記入内容を特定する機能である。
【0097】
データ処理機能112は、出力内容特定機能110が特定した出力内容と、記入内容特定機能111が特定した記入内容とに基づいて所定のデータ処理を行う機能である。
【0098】
(vii)点検表作成処理
次に、処理システム100により実行される点検表作成処理について説明する。図15は、点検表作成処理のフローチャートである。
【0099】
なお、予め印刷機により汎用デザインが印刷された汎用点検表51aが作成されているものとする。
【0100】
サーバ5aは、まず、帳票IDボックス、点検結果部54aを構成するYESボックス及びNOボックスといった汎用点検表51a上の各ボックスを定義したボックス定義データをボックス定義DB8aに記憶する(ステップS1)。また、サーバ5aは、点検表3aの点検項目部52aを構成する各出力エリアに印刷される項目内容に関する項目マスタデータを項目マスタDB7aに記憶する(ステップS2)。
【0101】
次に、サーバ5aは、項目マスタDB7aに基づいて、点検項目部52aを構成する各出力エリアに、それぞれ任意の項目内容を設定することで個別デザインを作成する(ステップS3)。さらに、サーバ5aは、汎用点検表51aに当該個別デザインを印刷することで作成される点検表3aを識別する帳票IDを発行する(ステップS4)。なお、発行された帳票IDも汎用点検表51a上に印刷されるため、個別デザインは当該帳票IDの情報も含んでいるものとする。そして、サーバ5aは、発行した帳票IDをキーとして、各出力エリアを識別するエリアIDと、出力エリアに設定された項目内容を識別する項目IDとをトランザクションデータとしてトランザクションDB6aに記憶する(ステップS5)。サーバ5aが、作成した個別デザインを汎用点検表51aに印刷して点検表3aを作成することで点検表作成処理は完了する(ステップS6)。
【0102】
このように、本実施形態では、複数の点検表3aで共通する罫線や送信ボックスと、対応するボックス定義DB8aとを予め汎用部分として準備しておく。また、点検表3a毎にデザインが異なる個別部分は別途定義を行いプリンタ出力する。具体的に、点検結果部54aは複数の点検表3a間で共通化し、それに対応する点検項目部52aを点検表3a毎にプリンタで個別出力している。これにより、点検表3aのデザイン汎用性を実現することができる。
【0103】
なお、プリンタで個別出力する場合は、ドットパターンの認識率の問題があるため、カーボンインクを含まない色(ブラック以外)で出力することが望ましい。
【0104】
また、本実施形態では、システムの点検表を例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、利用者アンケート等任意の電子ペン用帳票に適用することが可能である。このとき、項目マスタDB7aに記憶管理される項目マスタデータは、印刷物(電子ペン用帳票)の出力様式毎に異なるものである。即ち、印刷物の出力様式毎にそれぞれ存在するものである。例えば、システムの点検表と利用者アンケートでは、質問内容が全く異なるからである。
【0105】
(viii)データ処理
次に、処理システム100により実行されるデータ処理について説明する。図16は、データ処理のフローチャートである。
【0106】
利用者は、まず、電子ペン10を使用して点検表3aの帳票IDボックス60aに、当該点検表3aに印刷されている帳票IDを記入する。また、利用者は、点検項目に基づいて、対となる点検結果部54aの所定のボックスにチェックマークを記入する。帳票IDボックス60a及び点検結果部54aを構成する各ボックスへの記入が終了すると、利用者は、送信ボックスにチェックマークを記入することにより点検表3aへの記入を完了する。
【0107】
電子ペン10は、点検表3aへの記入内容に相当する記入情報を、端末装置25を介してサーバ5aへ送信する。つまり、サーバ5aは、ネットワーク2を介して端末装置25から記入情報を取得する(ステップS11)。そして、サーバ5aは、ボックス定義DB8aを参照することにより、取得した記入情報から各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する(ステップS12)。さらに、サーバ5aは、帳票IDボックス60aに記入されたボックス記入情報に基づいてOCR処理等を行うことにより、帳票IDボックスに記入された帳票IDを特定する(ステップS13)。
【0108】
サーバ5aは、特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6aを参照することにより、当該帳票IDに対応するエリアID及び項目IDを特定する(ステップS14)。そして、サーバ5aは、特定した項目IDに基づいて項目マスタDB7aを参照することにより、対応する項目内容を特定する。さらに、サーバ5aは、特定したエリアID及び項目内容に基づいて、点検表3aの出力内容を特定する(ステップS15)。
【0109】
また、サーバ5aは、各ボックス記入情報に基づいてボックス定義DB8aを参照することにより、チェックマークが記入されたボックスを特定する。つまり、点検表3a上における利用者の記入内容を特定する(ステップS16)。そして、サーバ5aは、特定した出力内容及び記入内容に基づいて、所定の処理を行うことにより、データ処理を完了する(ステップS17)。
【0110】
このように、サーバ5aは、デザインの汎用性を実現しつつ作成した点検表3aに記入された情報に基づいて、所定の処理を容易に行うことができる。
【0111】
[第2実施形態]
(i)処理システム
次に、第2実施形態における処理システムについて説明する。第1実施形態は、点検結果部は複数の点検表間で共通化し、点検項目部を点検表毎にプリンタ4で個別出力する方法について説明している。これに対し、第2実施形態では、点検項目部及び点検結果部の両方を点検表毎にプリンタ4で個別出力する方法について説明する。
【0112】
図17に処理システム200の概略構成を示す。図17に示す処理システム200は、複数の帳票に共通する汎用デザインが印刷された帳票に、予め定義された個別デザインを印刷することで、様々な様式の帳票を作成するシステムである。また、処理システム200は、作成した帳票に記入された記入情報に基づいて、帳票を構成する項目等に印刷された出力内容と、帳票を構成するボックスに記入された記入内容とを特定し、所定のデータ処理を行うシステムである。
【0113】
なお、本実施形態では、処理システム200が作成する帳票は、システムを点検する際に使用する点検表3bであるものとする。
【0114】
図17に示すように、処理システム200は、端末装置25及びサーバ5bがネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25は、例えばPCやPDA(Personal Digital Assistants)といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末である。
【0115】
サーバ5bは、印刷機により汎用デザインが印刷された汎用点検表に、予め定義された個別デザインを印刷することで点検表3bを作成するものである。また、サーバ5bは、作成した点検表3bに電子ペン10で記入された記入情報を取得し、当該記入情報に基づいて出力内容と記入内容とを特定することにより、手続等に必要な所定の処理を行うものである。サーバ5bは、トランザクションDB6b、項目マスタDB7b、ボックス定義DB8b及び種別マスタDB9bに接続されている。
【0116】
まず、図18及び図19を参照して、本実施形態において点検表3bを作成する方法の概要を述べておく。図18は、点検表3bの例である。具体的に、図18(a)は、Aシステムを点検する際に使用する点検表であり、図18(b)は、Bシステムを点検する際に使用する点検表の例である。第1実施形態と異なり、第2実施形態では、点検結果部を構成する各ボックスに対応する記載が点検表毎に異なっている。具体的に、図18(a)に示すようにAシステムの点検表3bでは、YES又はNOが点検結果部を構成する各ボックスに対応付けられている。一方、図18(b)に示すようにBシステムの点検表3bでは、OK又はNGが点検結果部を構成する各ボックスに対応付けられている。また、Bシステムの点検表3bでは、チェックマークではなく、自由に記入することが可能なボックスが対応付けられている。図19は、点検表3bを作成する方法を説明する図である。
【0117】
本実施形態における点検表3bは、上述の専用ペーパーとして作成されたものである。また、点検表3bは、帳票に汎用デザイン及び個別デザインが印刷されたものであり、利用者が電子ペン10により各点検項目に応じて記入を行うものである。具体的に、点検表3bは、大きく分けて点検項目が印刷された点検項目部52bと、点検結果を記入するボックスが印刷された点検結果部54bとから構成されている。
【0118】
なお、本発明では、処理システム200が生成する電子ペン用帳票が、質問事項と、対となる解答欄とで構成されたデザインであることを前提とする。例えば、本実施形態に示す点検表3bのように、点検項目部52bと、対となる点検結果部54bとで構成されるようなデザインである。
【0119】
具体的に、処理システム200は、図19の上段に示すように、予め、複数の点検表3bで共通の汎用デザインを帳票に印刷しておく。ここで、汎用デザインが印刷された帳票を汎用点検表と呼ぶ。このとき、汎用点検表には、図示のように、点検項目部及び点検結果部を表す罫線等が印刷されている。ここで、点検項目部52bは空欄となっている。
【0120】
なお、点検項目部52bは、図示のように、点検項目内容が印刷される複数の出力エリアが定義されている。図19では、点検項目部52bに定義されている出力エリアを説明するため、便宜上(出力エリアA1)等と記載しているが、このような出力エリアを示す情報は利用者が視覚的に認識できるものではないとする。
【0121】
一方、点検結果部54bは、電子ペン10により点検結果を記入するボックスが定義されている。処理システム200のサーバ5bは、電子ペン10により点検結果を記入するボックスと、汎用点検表51b上のドットパターンを定義したボックス定義データを作成し、ボックス定義DB8bに記憶する。ボックス定義データについての詳細は後述する。
【0122】
また、サーバ5bは、項目マスタDB7bに基づいて、点検項目部52bを構成する出力エリアに、任意の項目内容を設定する。ここで、点検項目部52bについて詳しく説明する。点検項目部52bは、複数の出力エリアから構成されている。各出力エリアには、設定された項目内容が印刷され、当該項目内容を点検した結果が点検結果部54bに印刷されるボックスに記入される。つまり、点検項目部52bを構成する出力エリアと、点検結果部54bに印刷されるボックスとは対になっている。
【0123】
さらに、サーバ5bは、種別マスタDB9bに基づいて、各出力エリアに設定された項目内容と対になるボックスを設定する。このように、点検項目部52bを構成する出力エリアに項目内容を設定し、点検結果部54bに当該項目内容と対になるボックスを設定することにより、サーバ5bは、様式毎に異なる個別デザインを作成する。換言すると、本実施形態における個別デザインとは、点検項目部52bに印刷される項目内容と、点検結果部54bに印刷されるボックスとである。
【0124】
なお、項目マスタDB7bに基づいて、点検項目部52bを構成する出力エリアに項目内容を設定する方法についての詳細は後述する。また、種別マスタDB9bに基づいて、点検結果部54bに項目内容と対になるようなボックスを設定する方法についての詳細も後述する。
【0125】
そして、サーバ5bは、プリンタ4を使用して、汎用点検表51bに作成した個別デザインを印刷する。つまり、サーバ5bは、汎用点検表51bの点検項目部52bを構成する各出力エリアにそれぞれ設定された項目内容を印刷すると共に、点検結果部54bに当該項目内容と対になるようなボックスを印刷する。これにより、サーバ5bは、図19下段に示すように、異なる様式の点検表3bを容易に作成することができる。
【0126】
(ii)汎用デザイン
次に、図20を参照して、帳票に印刷される汎用デザイン及びボックス定義データについて詳しく説明する。
【0127】
汎用デザインとは、上述のように、複数の点検表3bにおいて共通する罫線、ボックス及び文字列等のデザインのことである。また、ボックス定義データとは、点検表3bにおいてどこが電子ペン10によって記入可能なボックスであるか等を電子ペン10が認識するために必要な情報である。
【0128】
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、電子ペン10によって記入可能なボックスは、択一選択パターン及び自由記入パターンの2種類が存在する。択一選択パターンとは、図20(a)に示すように、1つの点検項目に対して2つのボックスが設けられているパターンである。この場合、利用者は、点検項目に基づいて2つのボックスのいずれか一方を選択し、電子ペン10によりチェックマークを記入する。一方、自由記入パターンとは、図示のように、1つの点検項目に対して1つのボックスが設けられているパターンである。この場合、利用者は、点検項目に対応する点検結果を文字列等により当該ボックスに記入する。なお、ボックスのパターンは任意に設定することが可能である。
【0129】
ここで、ボックス定義データの例を図20(b)に示す。図示のように、ボックス定義データは、具体的に、汎用点検表51b上のボックスを識別する情報であるボックスIDと、当該ボックスのドットパターン上の位置座標を示す情報である座標データとを有している。
【0130】
なお、図20(b)では、ボックスIDを説明するため、便宜上(B1)等と記載しているが、このような各ボックスに対応するボックスIDを示す情報は利用者が視覚的に認識できるものではないとする。
【0131】
また、第1実施形態と異なり、ボックスは汎用デザインではなく、個別デザインに含まれるため、ボックス定義データは、択一選択パターン及び自由記入パターンの双方に対応可能な全てのボックスを定義している。つまり、本実施形態では、1つの点検項目に対応するボックスとして、択一選択パターンに対応可能な2つ及び自由記入パターンに対応可能な1つの計3つのボックスが定義されている。
【0132】
サーバ5bは、このようなボックス定義データを、図20(c)に示すようなボックス定義DB8bにより管理している。図20(c)は、ボックス定義DB8bのデータ構造を模式的に示す図である。ボックス定義DB8bは、図示のように、ボックスID、対応エリアID、種別名及び座標データから構成されている。対応エリアIDとは、ボックスに対応する出力エリアの識別情報であり、例えば対応する出力エリアが出力エリアA1であれば、対応エリアIDは「A1」となる。種別名とは、各ボックスが択一選択パターン又は自由記入パターンのいずれの種別であるかを示す情報である。
【0133】
なお、本実施形態では、汎用デザインを罫線等としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の帳票で共通であれば任意のデザインを汎用デザインとすることが可能である。
【0134】
(iii)個別デザイン
次に、図21を参照して、汎用点検表51bに印刷される個別デザイン、項目マスタデータ及び種別マスタデータについて詳しく説明する。
【0135】
個別デザインとは、上述のように、点検表3b毎にそれぞれ異なる文字列やボックスといったデザインのことである。また、項目マスタデータとは、点検表3bの点検項目部52bを構成する各出力エリアに印刷される項目内容に関する情報である。一方、種別マスタデータとは、点検表の点検結果部54bに印刷されるボックスの種別に関する情報である。
【0136】
サーバ5bは、汎用点検表51b上の点検項目部52bを構成する各出力エリアに任意の項目内容を設定すると共に、点検結果部54bに各点検項目に対となるボックスを設定することで個別デザインを作成する。そのため、図21(a)に示すように、汎用デザインが印刷された汎用点検表51bの各出力エリアと、項目マスタDB7bで記憶管理された項目マスタデータと、種別マスタDB8で記憶管理された種別マスタデータとは対応付けされている。
【0137】
ここで、項目マスタDB7bについて図21(b)を参照して説明する。図21(b)は、項目マスタDB7bのデータ構造を模式的に示す図である。項目マスタDB7bは、図示のように、項目ID及び項目内容から構成されている。項目IDとは、各項目内容を識別する情報であり、項目内容とは、各項目の点検内容を示す情報である。
【0138】
また、種別マスタDB9bについて図21(c)を参照して説明する。図21(c)は、種別マスタDB9bのデータ構造を模式的に示す図である。種別マスタDB9bは、図示のように、種別ID、種別名、記入桁数、文字種類及びボックスラベルから構成されている。種別IDとは、ボックスの種別を示す情報である。種別名とは、ボックスの種別名であり、択一選択パターンの場合は「択一選択」、自由記入パターンの場合は「自由記入」が記憶される。記入桁数及び文字種類は、自由記入パターンの場合にのみ記憶される情報であって、それぞれボックスに記入可能な桁数と文字種類を示す情報である。ボックスラベルは、択一選択パターンの場合にのみ記憶される情報であって、ボックスの近傍に印刷される文字列を示す情報である。具体的に、ボックスラベルが「YES/NO」の場合、点検結果部54bにYESボックス及びNOボックスが印刷される。一方、ボックスラベルが「OK/NG」の場合、点検結果部54bにOKボックス及びNGボックスが印刷される。このような種別マスタDB9bに基づいて点検結果部54bのボックスを設定することにより、択一選択か自由記入かを設定するのみではなく、記入桁数、文字種類及びボックスラベルも自由に設定することが可能となる。即ち、個別デザインの自由度を向上させることができる。換言すると、利用者は、あらゆる様式に対応する自由な個別デザインを容易に作成することができる。
【0139】
(iv)点検表の作成
次に、図22を参照して、点検表3bを作成する方法について詳しく説明する。サーバ5bは、図22(a)に示すように、汎用点検表51bの点検項目部52bを構成する各出力エリアに、項目マスタDB6に基づいて、任意の項目内容を設定する。また、サーバ5bは、図示のように、汎用点検表51bの点検結果部54bに、種別マスタDB9bに基づいて、設定した項目内容と対になる任意のボックスを設定する。これにより、サーバ5bは、個別デザインを作成する。さらに、サーバ5bは、当該個別デザインを印刷することで作成する点検表3bを識別する帳票IDを発行する。ここで、個別デザインは、点検項目部52bを構成する各出力エリアに設定された項目内容及び点検結果部54bに設定されたボックスのみではなく、帳票IDも含むものとする。そして、サーバ5bは、プリンタ40を使用して、汎用点検表51bに個別デザインを印刷することにより点検表3bを作成する。
【0140】
このとき、サーバ5bは、個別デザインに関する情報をトランザクションデータとしてトランザクションDB6bに記憶する。トランザクションDB6bのデータ構造を図22(b)に示す。図示のように、トランザクションDB6bは、帳票ID、エリアID、項目ID及び種別IDから構成されている。帳票IDとは、作成した個別デザインが印刷されて作成される点検表3bを識別する情報である。エリアID及び項目IDとは、点検表3bの点検項目部52bを構成する出力エリアの識別情報と、対応する出力エリアに印刷される項目内容の識別情報である。種別IDとは、点検表の点検結果部54bに、項目内容と対になるように設定されたボックスの種別の識別情報である。つまり、トランザクションDB6bは、サーバ5bが任意に作成した個別デザインに関するトランザクションデータを、帳票IDに対応付けて記憶管理している。換言すると、どの出力エリアに項目マスタDB7b内のどの項目内容を印刷するかという情報及びどの出力エリアに対応する点検結果として種別マスタDB9b内のどの種別のボックスを印刷するかという情報をトランザクションデータとして記憶管理している。即ち、点検表3bの点検項目部52bに印刷される項目内容は、項目マスタDB7bや種別マスタDB9b内ではなく、トランザクションDB6b内で管理される。
【0141】
なお、項目マスタDB7bに存在しない項目内容や種別マスタDB9bに存在しない種別のボックスを印刷したい場合は、項目内容や種別を設定する設定画面内で自由入力を行うこととしてもよい。ここで、設定画面とは、例えばGUIベースの画面等である。この場合、自由入力により設定された項目内容は、項目マスタDB7bに追加して記憶される。一方、自由入力により設定された種別は、種別マスタDB9bに追加して記憶される。
【0142】
これによれば、印刷トランザクション毎に異なる項目内容及びそれに対応するボックスを出力したい場合であっても、項目マスタDB7b及び種別マスタDB9bを参照して汎用点検表51bに印刷する個別デザインをその都度作成することにより、効率良く様々な様式の点検表3bを作成することができる。
【0143】
(v)データの処理
次に、図23を参照し、点検表3bに記入された記入情報を処理する方法について詳しく説明する。利用者は、まず、図23(a)に示すように、電子ペン10を使用して点検表3b上の帳票IDボックスに帳票IDを記入する。ここで記入する帳票IDは、点検表3b上に印刷されている帳票IDと同一の番号である。この帳票IDが、各点検表3bにどういった項目内容が印刷されているか(個別デザイン)を管理しているキー番号となる。
【0144】
そして、利用者は、図23(b)に示すように、点検項目部52bにおける点検項目の内容に応じて、対となっている点検結果部54bのボックスに記入を行う。ボックスの種別が択一選択パターンの場合、利用者はいずれかのボックスにチェックマークを記入する。一方、ボックスの種別が自由記入パターンの場合、利用者はボックスに所定の文字列等を記入する。電子ペン10は、記入された内容に対応するストロークデータを取得し、電子ペン10内のメモリに一時的に記憶した後、当該ストロークデータを端末装置25へ送信する。端末装置25は、電子ペン10からストロークデータを受信し、ネットワーク2を通じてサーバ5bへ送信する。サーバ5bは、当該ストロークデータを、利用者が電子ペン10により点検表3bに記入した記入情報として取得する。
【0145】
サーバ5bは、記入情報からボックス定義DB8bを参照することにより、各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する。そして、サーバ5bは、帳票IDボックスに記入されたボックス記入情報に基づいてOCR処理を行うことにより、点検表3bに記入された帳票IDを特定する。さらに、サーバ5bは、特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6bを参照することにより、点検表3bに印刷された個別デザインに関するエリアID、項目ID及び種別IDを特定する。
【0146】
そして、サーバ5bは、項目IDに基づいて項目マスタDB7bを参照することにより、点検表3bの点検項目部52bを構成する各エリアに印刷された項目内容を特定する。さらに、サーバ5bは、種別IDに基づいて種別マスタDB9bを参照することにより、点検表3bの点検結果部54bに、点検項目に対となるように印刷されたボックスの種別を特定する。
【0147】
また、サーバ5bは、ボックス記入情報、ボックス定義DB8b及び種別マスタDB9bに基づいて、点検結果部54bに印刷された各ボックスへの記入内容を特定する。具体的に、サーバ5bは、特定した種別IDに基づいて種別マスタDB9bを参照することにより、各ボックスの種別を特定する。特定した種別が択一選択パターンの場合、サーバ5bは、ボックス記入情報に基づいてチェックマークが記入されたボックスを特定する。特定した種別のボックスラベルと照らし合わせることにより、利用者がどのラベルが記載されたボックスにチェックマークを記入したかを特定することができる。一方、特定した種別が自由記入パターンの場合、サーバ5bは、ボックス記入情報に基づいてOCR処理等を行うことにより、ボックスに記入された文字列等を特定することができる。そして、サーバ5bは、特定した項目内容及び記入内容に基づいて、所定の処理に必要なデータ処理を行う。具体的には、トランザクションDB6bにより項目内容と対になるボックスを容易に認識することができるため、サーバ5bは、エリアIDをキーとしてトランザクションDB6b及びボックス定義DB8bを参照することにより、特定した項目内容及び記入内容に基づいてデータ処理を行うこととなる。
【0148】
(vi)サーバ
次に、サーバ5bについて詳しく説明する。図24は、処理システム100における、特にサーバ5bの内部構成を示す。
【0149】
図示のように、サーバ5bは、点検表作成プログラム201、ボックス定義データ記憶機能202、項目マスタデータ記憶機能203、種別マスタデータ記憶機能204、個別デザイン作成機能205、トランザクションデータ記憶機能206、点検表作成機能207、データ処理プログラム208、記入情報取得機能209、ボックス記入情報抽出機能210、帳票ID特定機能211、出力内容特定機能212、記入内容特定機能213及びデータ処理機能214から構成されている。
【0150】
なお、各機能は、サーバ5bが有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0151】
点検表作成プログラム201は、予め汎用デザインが印刷された汎用点検表51bに、任意に作成した個別デザインを印刷することにより点検表3bを作成するプログラムである。
【0152】
ボックス定義データ記憶機能202は、点検表作成プログラム201を実行することにより、点検表3bにおいてどこが電子ペン10によって記入可能なボックスであるか等を電子ペン10が認識するために必要なボックス定義データを、ボックス定義DB6に記憶する機能である。
【0153】
項目マスタデータ記憶機能203は、点検表作成プログラム201を実行することにより、点検表3bの点検内容部を構成する各出力エリアに印刷される項目内容に関する項目マスタデータを、項目マスタDB7bに記憶する機能である。
【0154】
種別マスタデータ記憶機能204は、点検表作成プログラム201を実行することにより、点検表3bの点検結果部54bに点検項目に対となって印刷されるボックスの種別に関する種別マスタデータを、種別マスタDB9bに記憶する機能である。
【0155】
個別デザイン作成機能205は、さらに項目内容設定機能、種別設定機能及び帳票ID発行機能から構成されている。項目内容設定機能は、項目マスタDB7bに基づいて、汎用点検表51bの点検項目部52bを構成する各出力エリアに項目内容を設定する機能である。一方、種別設定機能は、種別マスタDB9bに基づいて、汎用点検表51bの点検結果部54bに項目内容と対となるボックスを設定する機能である。また、帳票ID発行機能は、項目内容設定機能及び種別設定機能により、各出力エリア対応する項目内容及びボックスを設定することで作成した個別デザインを印刷する点検表を識別する帳票IDを発行する機能である。
【0156】
トランザクションデータ記憶機能206は、個別デザイン作成機能205が作成した個別デザインに関する情報をトランザクションデータとしてトランザクションDB6bに記憶する機能である。具体的に、トランザクションデータは、帳票ID、エリアID、項目ID及び種別IDを含んでいる。
【0157】
点検表作成機能207は、個別デザイン作成機能205が作成した個別デザインを汎用点検表51bに印刷することにより、点検表3bを作成する機能である。
【0158】
データ処理プログラム208は、点検表作成機能207が作成した点検表3bの各ボックスに電子ペン10を使用して記入された記入情報に基づいて所定のデータ処理を行うプログラムである。
【0159】
記入情報取得機能209は、データ処理プログラム208を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して点検表3bに記入した文字列やチェックマーク等に関する記入情報を取得する機能である。
【0160】
ボックス記入情報抽出機能210は、ボックス定義DB8bに基づいて記入情報取得機能209が取得した記入情報から、各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する機能である。
【0161】
帳票ID特定機能211は、点検表3b上に設けられた帳票IDボックスに記入されたボックス記入情報に基づいて、OCR処理等により帳票IDを特定する機能である。
【0162】
出力内容特定機能212は、帳票ID特定機能109が特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6b及び項目マスタDB7bを参照することにより、項目ID及びエリアIDを特定し、点検表3bの点検項目部52bへの出力内容を特定する機能である。また、出力内容特定機能212は、帳票IDに基づいてトランザクションDB6b及び種別マスタDB9bを参照することにより、種別IDを特定し、点検表3bの点検結果部54bへの出力内容を特定する機能である。換言すると、特定した項目ID、エリアID及び種別IDに基づいて、点検表3b上の点検項目部52bに印刷された項目内容と、当該項目内容に対となるように点検結果部54bに印刷されたボックスとを特定する機能である。
【0163】
記入内容特定機能213は、ボックス記入情報抽出機能210が抽出したボックス記入情報と、ボックス定義DB8bと、種別マスタDB9bとに基づいて、利用者が電子ペン10を使用して項目結果部に印刷されたボックスに記入した記入内容を特定する機能である。具体的に、ボックスの種別が択一選択パターンの場合、記入内容特定機能213は、チェックマークが記入されたボックスを特定する。一方、ボックスの種別が自由記入パターンの場合、記入内容特定機能213は、OCR処理等によりボックスに記入された文字列等を特定する。
【0164】
データ処理機能214は、出力内容特定機能212が特定した出力内容と、記入内容特定機能213が特定した記入内容とに基づいて所定のデータ処理を行う機能である。
【0165】
(vii)点検表作成処理
次に、処理システム100により実行される点検表作成処理について説明する。図25は、点検表作成処理のフローチャートである。
【0166】
なお、予め汎用デザインが印刷された汎用点検表51bが作成されているものとする。
【0167】
サーバ5bは、まず、帳票IDボックス及び点検結果部54bを構成するボックスといった汎用点検表51b上に印刷される可能性がある各ボックスを定義したボックス定義データをボックス定義DB8bに記憶する(ステップS20)。さらに、サーバ5bは、点検表3bの点検結果部54bを構成するボックスの種別に関する種別マスタデータを種別マスタDB9bに記憶する(ステップS21)。また、サーバ5bは、点検表3bの項目内容部を構成する各出力エリアに印刷される項目内容に関する項目マスタデータを項目マスタDB7bに記憶する(ステップS22)。
【0168】
次に、サーバ5bは、項目マスタDB7bに基づいて、汎用点検表51bの点検項目部52bを構成する各出力エリアに、それぞれ任意の項目内容を設定する。また、サーバ5bは、種別マスタDB9bに基づいて、汎用点検表51bの点検結果部54bに、各項目内容と対となるボックスを設定する。このように、点検項目部52bに項目内容を、点検結果部54bにボックスをそれぞれ設定することで個別デザインを作成する(ステップS23)。さらに、サーバ5bは、汎用点検表51bに当該個別デザインを印刷することで作成される点検表3bを識別する帳票IDを発行する(ステップS24)。なお、発行された帳票IDも汎用点検表51b上に印刷されるため、個別デザインは当該帳票IDの情報も含んでいるものとする。そして、サーバ5bは、発行した帳票IDをキーとして、各出力エリアを識別するエリアIDと、対応する出力エリアに設定された項目内容を識別する項目IDと、対応する点検結果部54bに設定さればボックスの種別を識別する種別IDとをトランザクションデータとしてトランザクションDB6bに記憶する(ステップS25)。サーバ5bが作成した個別デザインを汎用点検表51bに印刷して点検表3bを作成することで、点検表作成処理は完了する(ステップS26)。
【0169】
このように本実施形態では、点検表3b毎にデザインが異なる個別部分は別途定義を行いプリンタ出力する。具体的に、点検項目部52bに設定された項目内容と、点検結果部54bに設定されたボックスとを、点検表3b毎にプリンタで個別出力している。これにより、点検表3bのデザインの汎用性を実現することができる。
【0170】
なお、プリンタで個別出力する場合は、ドットパターンの認識率の問題があるため、カーボンインクを含まない色(ブラック以外)で出力することが望ましい。
【0171】
また、本実施形態では、点検表を例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、利用者アンケート等任意の電子ペン用帳票に適用することが可能である。このとき、項目マスタDB7b及び種別マスタDB9bは、印刷物(電子ペン用帳票)の出力様式毎に異なるものである。即ち、印刷物の出力様式毎に1つ存在する。例えば、システムの点検表と利用者アンケートでは、質問内容が全く異なるからである。
【0172】
(viii)データ処理
次に、処理システム200により実行されるデータ処理について説明する。図26は、データ処理のフローチャートである。
【0173】
利用者は、まず、電子ペン10を使用して点検表3bの帳票IDボックスに、当該点検表3bに印刷されている帳票IDを記入する。また、利用者は、点検項目に基づいて、対となる点検結果部54bの所定のボックスにチェックマークを記入する。帳票IDボックス及び点検結果部54bを構成するボックスへの記入が終了すると、利用者は、送信ボックスにチェックマークを記入することにより点検表3bへの記入を完了する。
【0174】
電子ペン10は、点検表3bへの記入内容に相当する記入情報を、端末装置25を介してサーバ5bへ送信する。つまり、サーバ5bは、ネットワーク2を介して端末装置25から記入情報を取得する(ステップS31)。そして、サーバ5bは、ボックス定義DB8bを参照することにより、取得した記入情報から各ボックスに記入されたボックス記入情報を抽出する(ステップS32)。さらに、サーバ5bは、帳票IDボックスに記入されたボックス記入情報に基づいてOCR処理等を行うことにより、帳票IDボックスに記入された帳票IDを特定する(ステップS33)。
【0175】
サーバ5bは、特定した帳票IDに基づいてトランザクションDB6bを参照することにより、当該帳票IDに対応するエリアID、項目ID及び種別IDを特定する(ステップS34)。そして、サーバ5bは、特定した項目IDに基づいて項目マスタDB7bを参照することにより、対応する項目内容を特定する(ステップS35)。また、サーバ5bは、特定した種別IDに基づいて種別マスタDB9bを参照することにより、対応するボックスの種別を特定する(ステップS36)。このように特定した項目内容及びボックスの種別に基づいて、サーバ5bは、利用者が記入した点検表3bの出力内容を特定する。
【0176】
また、サーバ5bは、ボックスの種別が択一選択パターンである場合、ボックス記入情報に基づいてボックス定義DB8bを参照することによりチェックマークが記入されたボックスを特定する。一方、ボックスの種別が自由記入パターンである場合、サーバ5bは、ボックス記入情報に基づいてOCR処理等を行うことにより、当該ボックスに記入された文字列等を特定する。つまり、点検表3b上における利用者の記入内容を特定する(ステップS37)。そして、サーバ5bは、特定した出力内容及び記入内容に基づいて所定の処理を行うことにより、データ処理を完了する(ステップS38)。
【0177】
このように、サーバ5bは、デザインの汎用性を実現しつつ作成した点検表3bに記入された情報に基づいて、所定の処理を容易に行うことができる。
【0178】
なお、上述の第1及び第2実施形態では、サーバ5bが点検表作成処理及びデータ処理の双方を行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のサーバで処理を分担することとしてもよい。つまり、サーバAが点検表作成処理を行い、サーバBがデータ処理を行うような構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、複数の電子ペン用帳票に共通する汎用的なデザインを共通部として定義しておくと共に、電子ペン用帳票毎に異なるデザインを個別部として別途定義することで、デザインの汎用性を実現することが可能な電子ペン用帳票として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。
【図3】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】電子ペン用帳票の例を示す。
【図7】第1実施形態における処理システムの概略構成を示す図である。
【図8】第1実施形態における点検表の例である。
【図9】第1実施形態において点検表を作成する方法を説明する図である。
【図10】第1実施形態におけるボックス定義DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図11】第1実施形態における項目マスタDBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図12】第1実施形態におけるトランザクションDBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図13】第1実施形態における点検表への記入例である。
【図14】第1実施形態の処理システムにおけるサーバの機能ブロック図である。
【図15】第1実施形態における点検表作成処理のフローチャートである。
【図16】第1実施形態におけるデータ処理のフローチャートである。
【図17】第2実施形態における処理システムの概略構成を示す図である。
【図18】第2実施形態における点検表の例である。
【図19】第2実施形態において点検表を作成する方法を説明する図である。
【図20】第2実施形態におけるボックス定義DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図21】第2実施形態における項目マスタDB及び種別マスタDBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図22】第2実施形態におけるトランザクションDBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図23】第2実施形態における点検表への記入例である。
【図24】第2実施形態の処理システムにおけるサーバの機能ブロック図である。
【図25】第2実施形態における点検表作成処理のフローチャートである。
【図26】第2実施形態におけるデータ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0181】
2…ネットワーク
3a…点検表
4…プリンタ
5a…サーバ
6a…トランザクションDB
7a…項目マスタDB
8a…ボックス定義DB
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成する作成装置において、
前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段と、
前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段と、
前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定することで、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段と、
前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段と、
発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段と、
複数の電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段と、を備えることを特徴とする作成装置。
【請求項2】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成する作成装置において、
前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段と、
前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を記憶する種別マスタ情報記憶手段と、
前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段と、
前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定する項目内容設定手段と、
前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスの種別内容を設定する種別内容設定手段と、
前記項目内容設定手段が設定した項目内容と前記種別内容設定手段が設定した種別内容とに基づいて、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段と、
前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段と、
発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報と、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段と、
前記電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段と、を備えることを特徴とする作成装置。
【請求項3】
前記ボックスの種別は、選択したボックスにチェックマークを記入する択一選択パターンと、前記ボックスに文字列を記入する自由記入パターンとを有しており、
前記種別マスタ情報記憶手段は、前記ボックスの種別が前記択一選択パターンの場合に、前記種別内容として前記ボックス近辺に印刷されるラベルを設定し、前記ボックスの種別が前記自由記入パターンの場合に、前記種別内容として前記ボックスに記入可能な文字列の桁数及び文字種類を設定することを特徴とする請求項2に記載の作成装置。
【請求項4】
前記項目内容を作成する項目内容作成手段と、
前記項目識別情報と、前記項目内容作成手段が作成した項目内容とを対応付けた情報を、前記項目マスタ情報記憶手段が記憶する項目マスタ情報として追加する項目マスタ情報追加手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の作成装置。
【請求項5】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置において、
前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、
前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段と、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段と、
前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段と、
前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段と、
特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報及び前記項目識別情報を特定する識別情報特定手段と、
特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段と、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された記入内容を特定する記入内容特定手段と、
特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項6】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置であって、
前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、
前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段と、
前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を取得する種別マスタ情報取得手段と、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段と、
前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報と、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段と、
前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段と、
特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報、前記項目識別情報及び前記種別識別情報を特定する識別情報特定手段と、
特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段と、
前記種別識別情報及び前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスに対応する種別内容を特定する種別内容特定手段と、
特定した種別内容、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記ボックスに記入された記入内容を特定する記入内容特定手段と、
特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項7】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、
前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段、
前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段、
前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定することで、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段、
前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段、
発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段、
複数の電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票を作成するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、
前記電子ペン用帳票を構成し、前記電子ペンによって記入されるボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を記憶するボックス定義情報記憶手段、
前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を記憶する種別マスタ情報記憶手段、
前記電子ペン用帳票を構成するエリアに印刷される項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を記憶する項目マスタ情報記憶手段、
前記項目マスタ情報に基づいて、前記エリアに、印刷する前記項目内容を設定する項目内容設定手段、
前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスの種別内容を設定する種別内容設定手段、
前記項目内容設定手段が設定した項目内容と前記種別内容設定手段が設定した種別内容とに基づいて、各電子ペン用帳票に個別の個別デザインを設定する個別デザイン設定手段、
前記個別デザインが印刷される電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報を発行する帳票識別情報発行手段、
発行された帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報と、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を記憶するトランザクション情報記憶手段、
前記電子ペン用帳票に共通する汎用デザインが印刷された汎用帳票に、前記個別デザインを印刷することで前記電子ペン用帳票を作成する電子ペン用帳票作成手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、
前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、
前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段、
前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段、
前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段、
特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報及び前記項目識別情報を特定する識別情報特定手段、
特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された記入内容を特定する記入内容特定手段、
特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子ペン用帳票は、項目が印刷されたエリアと、前記電子ペンにより記入されるボックスとを含み、
前記ボックスと、前記ドットパターン上の位置座標とを定義したボックス定義情報を取得するボックス定義情報取得手段、
前記ボックスの種別を識別する種別識別情報と、前記種別の内容である種別内容とを定義した種別マスタ情報を取得する種別マスタ情報取得手段、
前記項目を識別する項目識別情報と、前記項目の内容である項目内容とを対応付けた項目マスタ情報を取得する項目マスタ情報取得手段、
前記電子ペン用帳票を識別する帳票識別情報と、前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアに設定された項目内容に対応する項目識別情報、前記ボックスの種別内容に対応する種別識別情報とを対応付けたトランザクション情報を取得するトランザクション情報取得手段、
前記電子ペンにより前記ボックスに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記電子ペン用帳票に記入された帳票識別情報を特定する帳票識別情報特定手段、
特定した帳票識別情報及び前記トランザクション情報に基づいて、前記エリア識別情報、前記項目識別情報及び前記種別識別情報を特定する識別情報特定手段、
特定した項目識別情報及び前記項目マスタ情報に基づいて、前記項目に対応する項目内容を特定する項目内容特定手段、
前記種別識別情報及び前記種別マスタ情報に基づいて、前記ボックスに対応する種別内容を特定する種別内容特定手段、
特定した種別内容、前記記入情報及び前記ボックス定義情報に基づいて、前記ボックスに記入された記入内容を特定する記入内容特定手段、
特定したエリア識別情報及びボックス定義情報に基づいて、前記項目内容特定手段が特定した項目内容と、前記記入内容特定手段が特定した記入内容とを対応付けて処理する情報処理手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2007−200098(P2007−200098A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18868(P2006−18868)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】