説明

作業ライトの自動的な作動化および非作動化

【課題】作業車両のための自動作業ライト制御システムおよび方法を提供する。
【解決手段】作業ライトは、作業工具が所定高さまたは角度にあるか、または、それを上回るとき、自動的にオフにされ、作業工具が所定高さ、または、角度内にあるとき自動的にオンにされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の作業ライトを自動的に作動化および非作動化するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業ライトは、しばしば、建設機械および他の作業機械において工具による作業が行われている作業領域を照明するのに使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、作業車両のための照明に関する。具体的には、照明は、工具およびその付近の作業領域の少なくとも一部について、そのような照明の要望があるときにオンにされ、もはや望まれなくなると自動的にオフにされ得る。照明の要望があり得る状況には、特に、工具の作業領域を観察する必要があり、そのとき自然または周辺の照明状態がそのような観察には不十分である状況が含まれ得る。照明がもはや望まれない状況には、工具が輸送位置にあるとき車両の運転台への光の反射の防止の要望がある状況が含まれ得る。そうした反射は、例えば夜間である周辺照明状態が不十分な照明しかもたらさないとき、視界を悪くする恐れがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明を用いることができる例示的な作業車両の側面図である。
【図2】作業工具が作業位置にある、図1の車両の図である。
【図3】作業工具が輸送位置にある、図1の車両の図である。
【図4】本発明の一実施形態のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、例示的な作業車両すなわちドーザ10を示している。ドーザ10は、運転台20、運転台20が取り付けられるフレーム30、フレーム30に取り付けられそれを支持する車台40、プッシュビーム(pushbeam)ピボット51で車台40に枢動的に取り付けられるプッシュビーム50、ピッチシリンダピボット61でプッシュビーム50に枢動的に取り付けられるピッチシリンダ60、第1のブレードピボット71でプッシュビーム50に枢動的に取り付けられ第2のブレードピボット72でピッチシリンダ60に枢動的に取り付けられるブレード70、およびリフトシリンダピボット121でフレーム30に枢動的に取り付けられ第3のブレードピボット73でブレード70に枢動的に取り付けられるリフトシリンダアセンブリ100を含む。
【0006】
図1に示されるように、リフトシリンダアセンブリ100は、作業ライト110、油圧リフトシリンダバレル120aおよび油圧リフトシリンダロッド120bを含む油圧リフトシリンダ120、ならびに油圧リフトシリンダバレル120aが枢動的に取り付けられ得る油圧リフトシリンダピボット121を含む。油圧リフトシリンダ120は、伸縮のとき、その位置を感知しその長さを示す信号を伝達する市販の位置センサ120cを含むことができる。作業ライト110は、油圧リフトシリンダバレル120aにしっかり取り付けられ得る。
【0007】
上述のように、図1は、作業工具すなわちブレード70および作業ライト110が作業位置にあるドーザ10を示している。図示のように、ブレード70が作業位置にあるとき、作業ライト110はブレード70の一部ならびにブレード70が処理する材料80の一部を照明することができる。材料80は、土、またはドーザ10が動かす例えば岩、廃棄物などのあらゆる他の材料であってよい。
【0008】
図2は、作業工具すなわちブレード70が輸送位置にあり作業ライト110が発光しているドーザ10を示している。輸送位置は、所定高さを上回るすなわち地面から十分に高い高さである、ブレード70の任意の計算されたまたは測定された位置を含むことができる。特定の本実施形態では、所定高さBは、車両底部上30.48cm(1フート)であってよい。図示のように、ブレード70が輸送位置にあるとき、作業ライト110は、ブレード70の一部を引き続き照明することができるが、材料80の関連部分への照明は続行され得ない。図示のように、特定の本シナリオでは、作業ライト110への電源供給が継続される場合、オペレータは、特に、例えば夜間作業中の自然照明状態のような暗い周辺照明状態のもとでは、ブレード70から運転台20への望ましくない光の反射を受ける恐れがある。図3は、ブレード70が輸送位置にあり、作業ライト110がオフにされているドーザ10を示している。
【0009】
図4は、本発明を用いた作業ライト110の制御システム200の例示的な図である。図示のように、制御システム200は、プッシュビーム角度センサ52、リフト位置センサ120c、電気油圧コントローラ部分130、車両コントローラ部分140、自動制御モードおよび手動制御モードを有することができる作業ライト制御モードセレクタ150、ならびにオペレータがオン状態またはオフ状態にすることができるスイッチである例えばトグルスイッチ160のような従来型のオペレータが動かすライト制御入力装置を含むことができる。電気油圧コントローラ部分130は、角度プロセッサ131、ドーザブレード位置に対する角度のルックアップ表132、リフトシリンダ長さプロセッサ133、およびドーザブレード位置に対するリフトシリンダ長さのルックアップ表134を含むことができる。車両コントローラ部分140は、作業ライト制御モードセレクタ150からのランプ制御情報を含むスタティックメモリ部分141、およびランプコントローラ142を含むことができる。角度ルックアップ表134は、ドーザブレード位置に対するリフトシリンダ長さのルックアップ表132にいくらかの冗長性をもたらすことができるが、リフトシリンダ位置センサ120cが機能し得るすなわち信号を送っているとき、ランプ制御142は、位置に対するリフトシリンダ長さの表132からの情報には応答し、プッシュビーム角度センサ52からの情報には応答し得ない。
【0010】
例示的な作業ライト制御モードセレクタ150の自動制御モードによって、作業ライトスイッチ160がオン状態のとき、自動的な作業ライト動作が実現され得る。そうした自動制御モードによって、ドーザブレード70が所定高さを下回っているとき、またはドーザブレード70が所定高さと等しいもしくはそれより高い高さにあり従来型の車両ヘッドライト(図示せず)がオフにされているとき、作業ライト110は自動的にオンにされ得るようになる。自動制御モードによって、ドーザブレード70が所定ブレード高さよりも高く車両ヘッドライト(図示せず)がオンにされているとき、作業ライト110は自動的にオフにされ得るようになる。作業ライト制御モードセレクタ150は、必要な制御情報を車両コントローラ部分140に送ることによって、上述の制御モードを可能にする。例示的な本実施形態では、作業ライト制御モードセレクタ150は、各制御モードについての所定の制御情報を含むことができ、スイッチ、モニタ・メニュー・プラス・スイッチ機構、タッチ・スクリーン・モニタ・メニュー、または他の従来の構成を介して制御モードが選択されると所定作業ライト制御情報をスタティックメモリ部分141に送る。次いで、スタティックメモリ部分141は、この情報をランプコントローラ142に提供することができる。次いで、ランプコントローラ142は、スタティックメモリ部分141と作業ライトスイッチ160によって提供される情報を使用して作業ライト110を制御することができる。
【0011】
例示的な作業ライト制御モードセレクタ150の手動制御モードによって、作業ライトの手動制御が可能にされ得る。すなわち、作業ライトスイッチ160のオン状態のとき作業ライト110はオンになり、作業ライトスイッチのオフ状態のとき作業ライトはオフにされ得る。
【0012】
図5は、運転中に図4の例示的な実施形態がどのように動作し得るかを示す例示的な流れ図である。図示のように、ステップ310で点火装置がオンにされるとプロセスが始まる。点火装置がオンになった後、ステップ315で、車両コントローラ140が、自動モードが選択されるかどうか、すなわち作業ライトモードセレクタ150が自動モードにセットされるかどうかを判定することができる。自動モードが選ばれた場合、ステップ320で、車両コントローラ140はランプコントローラ142を介して作業ライトスイッチ160がオン状態かどうかを判定する。ステップ320で作業ライトスイッチ160がオン状態と判定された場合、ステップ330でブレード70の高さが検査され得る。ステップ330でブレード70が所定位置を下回らない場合、ステップ340でヘッドライトがオンであるかどうかを判定するために車両10のヘッドライトが検査され得る。ステップ340でヘッドライトがオンでない場合、ステップ350で作業ライト110がオンのままにされ、車両コントローラ140はステップ320に戻ることができる。ステップ340でヘッドライトがオンの場合、ステップ360で作業ライト110がオフにされ得る。ステップ330でブレード70が所定位置を下回る場合、ステップ370で他の条件にかかわらず作業ライト110がオンにされ、車両コントローラ140はステップ320に戻ることができる。作業ライトスイッチ160がオフ状態と判定された場合、作業ライト110はオフにされる/オフにされることになる。
【0013】
好ましい実施形態を説明したことにより、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更が加えられ得ることが明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0014】
10 ドーザ
20 運転台
30 フレーム
40 車台
50 プッシュビーム
51 ブッシュビームピボット
52 プッシュビーム角度センサ
60 ピッチシリンダ
70 ドーザブレード
71 第1のブレードピボット
72 第2のブレードピボット
73 第3のブレードピボット
80 材料
100 リフトシリンダアセンブリ
110 作業ライト
120 リフトシリンダ
120a リフトシリンダバレル
120b リフトシリンダロッド
120c リフト位置センサ
121 リフトシリンダピボット
130 電気油圧コントローラ部分
131 角度プロセッサ
132 ドーザブレード位置に対する角度のルックアップ表
133 リフトシリンダ長さプロセッサ
134 ドーザブレード位置に対するリフトシリンダ長さのルックアップ表
140 車両コントローラ部分
141 スタティックメモリ部分
142 ランプコントローラ
150 作業ライト制御モードセレクタ
160 作業ライトスイッチ、トグルスイッチ
200 制御システム
B 所定高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のための照明システムであって、
作業工具と、
作業ライトと、
前記作業車両の作業部分の位置を検出する位置センサであって、前記作業部分が前記作業工具に動作可能に連結される、位置センサと、
作業ライト制御部分を有するコントローラであって、前記作業ライト制御部分が第1の状態および第2の状態を有し、前記位置センサが位置信号を前記コントローラに送り、前記コントローラが前記位置信号を使用して前記作業工具の位置を判定し、前記コントローラが、前記作業工具の判定位置が所定の位置範囲内にあるとき前記作業ライト制御部分を前記第1の状態にする、コントローラと
を備える、照明システム。
【請求項2】
作業ライトコントローラが、前記第1の状態にあるとき、電力を前記作業ライトに流すようにする、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記作業ライトコントローラが、前記第2の状態にあるとき、電力を前記作業ライトに流さないようにする、請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記作業ライトコントローラが、前記作業工具の前記判定位置が前記所定の位置範囲内にある限り、依然として前記第1の状態にある、請求項1に記載の照明システム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記作業工具の前記判定位置が前記所定の位置範囲内にないとき、作業ライト制御を前記第2の状態にする、請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記作業工具の前記判定位置が前記所定の位置範囲内にないとき、前記作業ライト制御を前記第2の状態にする、請求項4に記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−29014(P2013−29014A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−162444(P2012−162444)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY
【Fターム(参考)】