説明

作業報告作成装置、システム及び方法

【課題】文書中にユーザにとって不明な事項が含まれていた場合に、その不明事項を解消して報告書等を再作成できる作業報告作成装置、システム及び方法を提供する。
【解決手段】ネットワークを介して接続されたコンピュータ装置からの障害情報を解析する障害解析部403と、コンピュータ装置に発生した障害を解消するための作業の内容を説明する情報である作業内容説明を障害解析部403の解析結果に基づいて作成するとともに、障害を解消するためにコンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告をコンピュータ装置からの復旧情報に応じて作成する文書作成部404とを有し、文書作成部404は、作業内容説明及び作業完了報告をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業内容説明又は作業完了報告を再作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ機器などの保守業務を実施する保守員の業務を支援するシステムに関し、特に、コンピュータ装置の障害復旧に関する作業の内容を管理者に明確に提示できる作業報告作成装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置の障害復旧作業を実施するのに先だってユーザに作業内容、作業時間、作業を実施する理由など説明する業務は、コンピュータ装置を熟知している保守員によって行われている。しかし、保守員、ユーザともに知識や技術力には個人差があるため、ユーザに詳細を伝えられなかったり、詳細を伝えるのに時間を要してしまい復旧作業に取りかかるまでに時間がかかったりすることがあった。すなわち、作業の内容によっては、コンピュータ装置を熟知している保守員であれば正確に説明することが可能であっても、経験の浅い保守員では説明が難しいこともある。また、同じ説明内容であっても知識や技術力の違いにより、理解できるユーザとできないユーザとが存在する。
【0003】
また、復旧作業終了後にユーザに提出する報告書に関しても、同じ作業内容であっても保守員によって書き方がまちまちであり、相違が生じるという問題がある。
【0004】
さらに、説明された内容や作業完了報告の記載内容に関して詳細を知りたい場合や、質問事項が生じた場合にはユーザが保守員に対して問い合わせることとなるが、明確な回答が得られない場合があった。
【0005】
保守作業の報告書の作成に関連する技術として、特許文献1、2に開示される発明がある。
特許文献1に開示される発明は、対象となるユーザコンピュータ装置からログ情報/ダンプ情報をネットワークを介して送信し、その情報を解析して故障部品の特定、手順の選択、作業指示書の作成を行い、作業完了後に保守者が完了報告を送信することにより、ユーザ向けの作業報告書を作成するものである。
また、特許文献2に開示される発明は、ユーザコンピュータ装置からエラーコード情報を取得し、そのコードを基に保守作業内容情報データベースによって保守作業内容を決定して管理データベースに保存し、管理データベースに保存した情報を基に保守作業報告書を作成してユーザに提示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−145715号公報
【特許文献2】特開2005−352848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2に記載の発明は、報告書の中にユーザにとって不明な事項が含まれていた場合に、その不明事項を解消するための構成を何ら備えていない。したがって、報告書の中にユーザにとって不明な事項が含まれていた場合には、ユーザが保守員に問い合わせを行うこととなるため、ユーザに詳細を伝えられなかったり、詳細を伝えるのに時間を要してしまい復旧作業に取りかかるまでに時間がかかったりするという問題は解消されない。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、文書中にユーザにとって不明な事項が含まれていた場合に、その不明事項を解消して報告書等を再作成できる作業報告作成装置、システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、ネットワークを介して接続されたコンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成する手段と、コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、障害を解消するためにコンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成する手段とを有する作業報告作成装置であって、作業内容説明及び作業完了報告をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から作業内容説明又は作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業内容説明又は作業完了報告を再作成することを特徴とする作業報告作成装置を提供するものである。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、コンピュータ装置と、コンピュータ装置の管理者の情報処理端末と、作業報告作成装置とがネットワークを介して接続された作業報告作成システムであって、作業報告作成装置は、コンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成する手段と、コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、障害を解消するためにコンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成する手段と、作業内容説明及び作業完了報告をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から作業内容説明又は作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業内容説明又は作業完了報告を再作成する手段とを有することを特徴とする作業報告作成システムを提供するものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、コンピュータ装置と、該コンピュータ装置の管理者が操作する情報処理端末と、作業報告作成装置とがネットワークを介して接続されたシステムにおける作業報告作成方法であって、作業報告作成装置は、コンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成し、作業内容説明をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から作業内容説明の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業内容説明又は作業完了報告を再作成し、コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、障害を解消するためにコンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成し、作業完了報告をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業完了報告を再作成することを特徴とする作業報告作成方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、文書中にユーザにとって不明な事項が含まれていた場合に、その不明事項を解消して報告書等を再作成できる作業報告作成装置、システム及び方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る作業報告作成装置及び作業報告作成システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態に係る作業報告作成システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態に係る作業報告作成システムに適用される携帯端末の構成を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施の形態に係る作業報告作成システムに適用されるコンピュータ装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の好適な実施の形態に係る作業報告作成システムに適用される管理者用コンピュータ装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施の形態に係る作業報告作成システムに適用される作業報告作成装置の構成を示す図である。
【図7】システムエラーコード情報データベースが管理するデータの一例を示す図である。
【図8】作業内容説明データベースが管理するデータの一例を示す図である。
【図9】作業手順データベースが管理するデータの一例を示す図である。
【図10】作業完了報告データベースが管理するデータの一例を示す図である。
【図11】事例データベースが管理するデータの一例を示す図である。
【図12】作業報告作成システムの動作の流れを示す図である。
【図13】管理者用コンピュータ装置における作業内容説明の表示の一例を示す図である。
【図14】再作成された作業内容説明の管理者用コンピュータ装置における表示の一例を示す図である。
【図15】携帯端末における作業手順の表示例を示す図である。
【図16】管理者用コンピュータ装置における作業完了報告の表示の一例を示す図である。
【図17】再作成された作業完了報告の管理者用コンピュータ装置における表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る作業報告作成装置4は、図1(a)に示すように、ネットワークを介して接続されたコンピュータ装置からの障害情報を解析する障害解析部41と、コンピュータ装置に発生した障害を解消するための作業の内容を説明する情報である作業内容説明を障害解析部41の解析結果に基づいて作成するとともに、障害を解消するためにコンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告をコンピュータ装置からの復旧情報に応じて作成する文書作成部42とを有し、文書作成部42は、作業内容説明及び作業完了報告をコンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、情報処理端末から作業内容説明又は作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて作業内容説明又は作業完了報告を再作成する。
これを用いた作業報告作成システムは、図1(b)に示すように、作業報告作成装置4をコンピュータ装置2と、コンピュータ装置2の管理者の情報処理端末である管理者用コンピュータ装置3とにネットワーク100を介して接続した構成である。このような構成を採用することにより、障害復旧作業の開始前に管理者に照会する作業内容説明や、復旧作業完了後に管理者に照会する作業完了報告の中に管理者が詳細を知りたい事項や質問事項がある場合には、作業報告作成装置40はそれらに対する回答を含めて作業内容説明や作業完了報告を再作成し、管理者に照会できる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
図2に、本実施形態に係る作業報告作成システムの構成を示す。作業報告作成システムは、携帯端末10、コンピュータ装置20、管理者用コンピュータ装置30及び作業報告作成装置40を有し、これらがネットワーク100を介して接続された構成である。
【0016】
携帯端末10は、保守員に所持される端末である。携帯端末10は、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40に接続することにより、コンピュータ装置20の障害復旧に関する作業手順を受信する機能と、作業内容を送信する機能とを備えている。携帯端末10は、図3に示すように、情報送受信部101、制御部102、表示部103及び入力部104を備えている。
情報送受信部101は、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40と接続し、情報の送受信を行う。制御部102は、携帯端末10の動作を制御する。表示部103は、作業報告作成装置40から受信した情報(作業手順)を表示する。入力部104は、コンピュータ装置20の障害復旧後に作業内容を入力するためのインタフェースである。
【0017】
コンピュータ装置20は、業務処理を行うために稼働している通常のコンピュータ装置であり、障害情報を記録する機能と、ネットワーク100を介して障害情報を送信する機能と、障害復旧後にネットワーク100を介して作業報告作成装置40へ復旧情報を送信する機能とを備えている。コンピュータ装置20は、図4に示すように、情報送受信部201、制御部202、障害情報記録部203を有する。情報送受信部201は、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40と接続し、情報の送受信を行う。制御部202は、コンピュータ装置20の動作を制御する。障害情報記録部203は、コンピュータ装置20の障害発生時にシステムエラーコードなどの障害情報を記録する。
【0018】
管理者用コンピュータ装置30は、業務処理を行うために稼働している通常のコンピュータ装置であり、コンピュータ装置20での障害発生時や障害復旧時に作業報告作成装置40からネットワーク100を介して受信する作業内容説明や作業完了報告の確認及び承認を管理者が行うための機能と、受信した作業内容説明や作業完了報告の記載内容の詳細を管理者が知りたい場合や質問事項が生じた場合に、画面上に表示されている単語のキーワードとしての入力を受け付け、作業報告作成装置40へ送信する機能とを有する。管理者用コンピュータ装置30は、図5に示すように、情報送受信部301、制御部302、入力部303及び表示部304を有する。情報送受信部301は、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40と接続し、情報の送受信を行う。制御部302は、管理者用コンピュータ装置30の動作を制御する。入力部303は、作業内容説明や作業完了報告の承認、及び記載内容の詳細を知りたい場合や質問事項が生じた場合にキーワードの入力を行うためのインタフェースである。表示部304は、作業報告作成装置40から受信した作業内容説明や作業完了報告を表示するインタフェースである。
【0019】
作業報告作成装置40は、作業内容説明及び作業完了報告を作成する装置であり、ネットワーク100を介してコンピュータ装置20から障害情報及び復旧情報を受信する機能と、作業内容説明及び作業完了報告を作成する機能と、管理者用コンピュータ装置30から受信したキーワードに基づいて作業内容説明や作業完了報告を再作成する機能と、携帯端末10に作業手順を通知する機能とを有する。作業報告作成装置40は、図6に示すように、情報送受信部401、制御部402、障害解析部403、文書作成部404、システムエラーコード情報データベース405、作業内容説明データベース406、作業手順データベース407、作業完了報告データベース408、事例データベース409、及び作業履歴データベース410を有する。なお、障害解析部403は図1における障害解析部41に、文書作成部404は図1における文書作成部42に相当する。
情報送受信部401は、ネットワーク100を介して携帯端末10、コンピュータ装置20及び管理者用コンピュータ装置30と接続し、情報を送受信する。制御部402は、作業報告作成装置40の動作を制御する。障害解析部403は、コンピュータ装置20から受信したシステムエラーコードに基づいてシステムエラーコード情報データベース405を参照し、障害箇所や障害内容を特定する。文書作成部404は、作業内容説明及び作業完了報告を作成するプログラムである。文書作成部404は、障害解析部403が特定した障害箇所や障害内容を基に作業内容説明データベース406を参照し、作業内容説明を作成する。また、管理者用コンピュータ30からキーワードを受信した場合は、文書作成部404は作業内容説明データベース406を参照し、キーワードを反映させて作業内容説明を再作成する。また、文書作成部404は、作業内容説明を作成した後、作業内容説明と関連付けしている作業手順を作成する。また、文書作成部404は、コンピュータ装置20の障害復旧後は、携帯端末10から受信した作業内容に基づいて作業完了報告データベース408を参照し、作業完了報告を作成する。管理者用コンピュータ30からキーワードを受信した場合は、文書作成部404は、作業完了報告を参照し、キーワードを反映させて作業完了報告を再作成する。システムエラーコード情報データベース405は、コンピュータ装置20のシステムエラーコードに関する情報を管理しており、システムエラーコードや障害箇所や障害内容に関連付けしてデータベース化されている。システムエラーコード情報データベース405は、装置に内蔵する固定ディスク(例えばHDD:Hard Disk Drive)を用いて実現可能である。図7に、システムエラーコード情報データベース405が管理するデータの一例を示す。作業内容説明データベース406は、管理者用コンピュータ装置30へ送信する作業内容説明に関する情報を管理している。作業内容説明データベース406は、装置に内蔵する固定ディスクを用いて実現可能である。図8に、作業内容説明データベース406が管理するデータの一例を示す。作業手順データベース407は、保守員が所持する携帯端末10へ送信する作業手順に関する情報を管理しており、装置に内蔵する固定ディスクを用いて実現可能である。図9に、作業手順データベース407が管理するデータの一例を示す。作業完了報告データベース408は、管理者用コンピュータ装置30へ送信する作業完了報告に関する情報を管理しており、装置に内蔵する固定ディスクを用いて実現可能である。図10に、作業完了報告データベース408が管理するデータの一例を示す。事例データベース409は、キーワードとなる語句について、作業内容説明No.や作業完了報告No.ごとに詳細な説明の内容が登録されたデータベースである。図11に事例データベース409が管理するデータの一例を示す。作業履歴データベース410は、完了した作業の内容が記録される。作業履歴データベース410に記録された情報は、管理者が作業内容説明や作業完了報告を確認する際に、管理者用コンピュータ装置30からの要求に応じて参照可能とすることで、それらの情報を考慮しつつ確認作業を行える。また、事例データベース409が管理するデータを携帯端末10から参照可能とすれば、保守員が保守作業を行う際に参考にできる。例えば、過去の保守作業で追加された部品を交換する作業を行う際に有効である。
【0020】
図12に、作業報告作成システムの動作の流れを示す。
コンピュータ装置20は、障害が発生すると(ステップS1)、障害情報記録部203に記録されているシステムエラーコードを含む障害情報を、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40へ送信する(ステップS2)。
【0021】
作業報告作成装置40は、コンピュータ装置20から受信した障害情報に含まれるシステムエラーコードを基にシステムエラーコード情報データベース405を参照し、コンピュータ装置20の障害を解析し(ステップS3)、障害箇所と障害内容とを特定する(ステップS4)。
【0022】
続いて、作業報告作成装置40は、特定した障害箇所及び障害内容に基づいて作業内容説明データベース406を参照し、コンピュータ装置20で行う作業内容を説明する情報(作業内容説明)を作成する。また、管理者用コンピュータ30から作業内容説明の記載内容の詳細を知りたい旨や質問事項などのキーワードを受信した場合は、事例データベース409に登録されているデータを、送信した作業内容説明のNo.と受信したキーワードとに基づいて検索して関連しているデータを抽出し、受信したキーワードを含めた作業内容説明を再作成する。
作業報告作成装置40は、作成した作業内容説明をネットワーク100を介して管理者用コンピュータ装置30へ送信する(ステップS6)。
【0023】
管理者用コンピュータ30が受信した作業内容説明は、表示部304において表示され、管理者によって確認される(ステップS7)。図13に、管理者用コンピュータ装置30における作業内容説明の表示の一例を示す。また、図14に、再作成された作業内容説明の管理者用コンピュータ装置30における表示の一例を示す。
【0024】
作業内容説明に記載された事項の中に詳細を知りたい事項があったり、質問事項があったりして管理者が作業内容説明を受理しない場合には、詳細内容や質問事項などに関するキーワードが入力部303を介して管理者用コンピュータ装置30へ入力され、作業報告作成装置40へ送られる(ステップS8/No)。なお、キーワードに関しては、管理用コンピュータ装置30の画面上に表示している単語が入力されるものとする。一方、管理者が作業内容説明を受理する場合は、入力部303を介して承認操作がなされる(ステップS8/Yes)。管理者用コンピュータ30は、作業内容説明が受理されたことを示す情報をネットワーク100を介して作業報告作成装置40へ送信する(ステップS9)。
【0025】
作業内容説明が受理されたことが通知された後、作業報告作成装置40は、コンピュータ装置20の障害復旧作業を行う際に保守員が参照する作業手順を作成する(ステップS10)。その後、作業報告作成装置40は、作成した作業手順をネットワーク100を介して携帯端末10へ送信する(ステップS11)。
【0026】
携帯端末10は表示部101に作業手順を表示する(ステップS12)。図15に、携帯端末10における作業手順の表示例を示す。これにより、保守員は表示部101に表示された作業手順を確認しつつ復旧作業を行える。
コンピュータ装置20の復旧作業が完了すると(ステップS13)、保守員は携帯端末10からコンピュータ装置20の障害復旧作業に関する作業内容を入力部104を介して入力し、ネットワーク100を介して作業報告作成装置40へ送信する(ステップS14)。
作業報告作成装置40は、携帯端末10に送信した作業手順及び携帯端末10から受信した作業内容に基づいて作業完了報告を作成する。また、管理者用コンピュータ装置30から作業完了報告の記載内容で詳細を知りたい旨や、又は質問事項などのキーワードを受信した場合は、事例データベース409に登録されているデータを、送信した作業完了報告のNo.と受信したキーワードとに基づいて検索して関連しているデータを抽出し、受信したキーワードを含めた作業完了報告を再作成する(ステップS15)。作業報告作成装置40は、作成した作業完了報告をネットワーク100を介して管理者用コンピュータ30へ送信する(ステップS16)。
【0027】
管理者用コンピュータ装置30は、受信した作業完了報告を表示部304において表示する。これにより、作業完了報告は管理者によって確認される(ステップS17)。図16に、管理者用コンピュータ装置30における作業完了報告の表示の一例を示す。また、図17に、再作成された作業完了報告の管理者用コンピュータ装置30における表示の一例を示す。
【0028】
作業完了報告に記載された内容の中に詳細を知りたい事項があったり、質問事項があって作業完了報告を受理しない場合には、入力部303を介して詳細内容や質問事項などに関するキーワードが入力され、作業報告作成装置40へ送られる(ステップS18/No)。なお、キーワードに関しては、画面上に表示している用語が入力されるものとする。一方、管理者が作業完了報告を受理する場合は、入力部303を介して承認操作がなされる(ステップS18/Yes)。管理者用コンピュータ30は、作業完了報告が受理されたことを示す情報をネットワーク100を介して作業報告作成装置40へ送信する(ステップS19)。
【0029】
管理者用コンピュータ装置30から作業完了報告が受理された旨を通知されると、作業報告作成装置40は、作業完了情報を作業履歴データベース410に記録する(ステップS20)。
【0030】
このように、本実施形態に係る作業報告作成システムは、障害復旧作業の開始前に管理者に照会する作業内容説明や、復旧作業完了後に管理者に照会する作業完了報告の中に詳細を知りたい事項や質問事項がある場合には、それらに対する回答を含めて作業内容説明や作業完了報告を再作成し、管理者に照会できる。このため、コンピュータ装置の障害復旧に関する作業の内容を管理者に明確に提示できる。
また、管理者は障害復旧作業の前後で作業内容を確認できるため、事前に承認した保守作業が行われたことを確認でき、一定品質以上のサービスを享受できる。
【0031】
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはない。
例えば、上記実施形態において作業報告作成装置40は一体の構成を例としたが、各種データベースが別体とした構成であっても良い。
このように本発明は様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 携帯端末
20 コンピュータ装置
30 管理者用コンピュータ装置
40 作業報告作成装置
101、201、301、401 情報送受信部
102、202、302、402 制御部
103 表示部
104、303 入力部
203 障害情報記録部
403 障害情報解析部
404 文書作成部
405 システムエラーコード情報データベース
406 作業内容説明データベース
407 作業手順データベース
408 作業完了報告データベース
409 事例データベース
410 作業履歴データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたコンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成する手段と、
前記コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、前記障害を解消するために前記コンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成する手段とを有する作業報告作成装置であって、
前記作業内容説明及び前記作業完了報告を前記コンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、前記情報処理端末から前記作業内容説明又は前記作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて前記作業内容説明又は前記作業完了報告を再作成することを特徴とする作業報告作成装置。
【請求項2】
前記作業内容説明又は前記作業完了報告に含まれる任意の語句が前記キーワードとして指定されることを特徴とする請求項1記載の作業報告作成装置。
【請求項3】
前記障害情報には障害の内容を示すエラーコードが含まれており、該エラーコードに基づいて前記障害の内容を特定することを特徴とする請求項1又は2記載の作業報告作成装置。
【請求項4】
前記管理者によって認証された前記作業完了報告を蓄積する作業履歴記録手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の作業報告作成装置。
【請求項5】
前記作業履歴記録手段に記録された作業完了報告を、前記情報処理端末からの要求に応じて該情報処理端末へ送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の作業報告作成装置。
【請求項6】
前記情報処理端末から前記作業内容説明の承認の通知を受けた場合に、該作業内容説明に係る作業の手順を示す情報を、該作業を行う者が所持する携帯端末へ前記ネットワークを介して送信する手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の作業報告作成装置。
【請求項7】
前記作業履歴記録手段に記録された作業完了報告を、前記携帯端末からの要求に応じて該携帯端末へ送信することを特徴とする請求項6記載の作業報告作成装置。
【請求項8】
コンピュータ装置と、前記コンピュータ装置の管理者の情報処理端末と、作業報告作成装置とがネットワークを介して接続された作業報告作成システムであって、
前記作業報告作成装置は、
前記コンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成する手段と、
前記コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、前記障害を解消するために前記コンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成する手段と、
前記作業内容説明及び前記作業完了報告を前記コンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、前記情報処理端末から前記作業内容説明又は前記作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて前記作業内容説明又は前記作業完了報告を再作成する手段とを有することを特徴とする作業報告作成システム。
【請求項9】
前記情報処理端末は、前記作業報告作成装置から受信した前記作業内容説明又は前記作業完了報告に含まれる任意の語句を前記キーワードとして指定する手段を有し、前記作業内容説明又は前記作業完了報告を否認する通知に前記キーワードとして指定された任意の語句を含めて前記作業報告作成装置へ送信することを特徴とする請求項8記載の作業報告作成システム。
【請求項10】
前記コンピュータ装置は、前記障害情報に障害の内容を示すエラーコードが含めて前記作業報告作成装置へ送信し、
前記作業報告作成装置は、前記エラーコードに基づいて前記障害の内容を特定することを特徴とする請求項8又は9記載の作業報告作成システム。
【請求項11】
前記作業報告作成装置は、前記管理者によって認証された前記作業完了報告を蓄積する作業履歴記録手段を有することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の作業報告作成システム。
【請求項12】
前記作業報告作成装置は、前記作業履歴記録手段に記録された作業完了報告を、前記情報処理端末からの要求に応じて該情報処理端末へ送信することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項記載の作業報告作成システム。
【請求項13】
前記作業報告作成装置は、前記情報処理端末から前記作業内容説明の承認の通知を受けた場合に、該作業内容説明に係る作業の手順を示す情報を、該作業を行う者が所持する携帯端末へ前記ネットワークを介して送信する手段を有することを特徴とする請求項8から12のいずれか1項記載の作業報告作成システム。
【請求項14】
前記作業報告作成装置は、前記作業履歴記録手段に記録された作業完了報告を、前記携帯端末からの要求に応じて該携帯端末へ送信することを特徴とする請求項13記載の作業報告作成システム。
【請求項15】
コンピュータ装置と、該コンピュータ装置の管理者が操作する情報処理端末と、作業報告作成装置とがネットワークを介して接続されたシステムにおける作業報告作成方法であって、
前記作業報告作成装置は、
前記コンピュータ装置からの障害情報に基づいて、該コンピュータ装置に発生した障害を解消するために該コンピュータ装置に対して施す必要がある作業の内容を説明する情報である作業内容説明を作成し、
前記作業内容説明を前記コンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、前記情報処理端末から前記作業内容説明の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて前記作業内容説明又は前記作業完了報告を再作成し、
前記コンピュータ装置からの復旧情報に基づいて、前記障害を解消するために前記コンピュータ装置に施された作業の内容を示す情報である作業完了報告を作成し、
前記作業完了報告を前記コンピュータ装置の管理者の情報処理端末に送信して承認を要求し、前記情報処理端末から前記作業完了報告の否認を通知された場合には、該通知に含まれるキーワードに基づいて前記作業完了報告を再作成することを特徴とする作業報告作成方法。
【請求項16】
前記情報処理端末は、前記作業報告作成装置から受信した前記作業内容説明又は前記作業完了報告に含まれる任意の語句を前記キーワードとして指定し、前記作業内容説明又は前記作業完了報告を否認する通知に前記キーワードとして指定された任意の語句を含めて前記作業報告作成装置へ送信することを特徴とする請求項15記載の作業報告作成方法。
【請求項17】
前記作業報告作成装置は、前記情報処理端末から前記作業内容説明の承認の通知を受けた場合に、該作業内容説明に係る作業の手順を示す情報を、該作業を行う者が所持する携帯端末へ前記ネットワークを介して送信することを特徴とする請求項15又は16記載の作業報告作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−282545(P2010−282545A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137112(P2009−137112)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)