説明

作業報告書管理システムおよび作業報告書管理方法ならびにそのプログラム

【課題】作業報告書の作成時間を短縮し、内容の分かりやすい作業報告書を作成することのできる作業報告書管理システムを提供する。
【解決手段】指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出し、抽出した保守対象装置識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出し、抽出した保守対象装置識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出し、抽出した保守対象装置識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定する。そして、抽出した保守対象装置識別情報のうち、指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置識別情報と、当該保守対象装置識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書を第1のフォーマットに基づいて生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ等の保守対象装置の保守点検を行う際に作業員が利用する作業報告書を自動生成する作業報告書管理システムおよび作業報告書管理方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置などの保守作業においては、例えば、作業員が保守対象となるコンピュータ装置の情報や、点検項目、点検結果などを記載した作業報告書を手書きで作成することがある。なお、保守対象装置の保守作業を効率的に行うための技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−163393号公報
【特許文献2】特開2007−323303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、保守点検の対象となる装置や、その点検作業項目が多い場合、作業報告書を作成する時間に手間がかかるとともに、作業員の文章作成力が乏しい場合、作業報告書に記載されている保守作業の内容が分かり難いという問題点があった。
【0005】
そこでこの発明は、作業報告書の作成時間を短縮し、内容の分かりやすい作業報告書を作成することのできる作業報告書管理システムおよび作業報告書管理方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定し、前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成する作業報告書生成部、を備えることを特徴とする作業報告書管理システムである。
【0007】
また本発明は、作業報告書管理システムにおける作業報告書管理方法であって、作業報告書生成部が、保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出し、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定し、前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成することを特徴とする作業報告書管理方法である。
【0008】
また本発明は、作業報告書管理システムのコンピュータを、保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出する手段、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出する手段、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出する手段、前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定する手段、前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成する手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業報告書の作成時間を短縮し、内容の分かりやすい作業報告書を作成することがきる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】保守作業要領書管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】作業日程管理サーバの機能ブロック図である。
【図3】ユーザ管理情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図4】保守対象装置情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図5】点検項目情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図6】作業日程情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図7】作業日程登録端末の機能ブロック図である。
【図8】点検項目登録端末の機能ブロック図である。
【図9】作業報告書出力端末の機能ブロック図である。
【図10】保守作業報告書管理システムの処理フローを示す第1の図である。
【図11】保守作業報告書管理システムの処理フローを示す第2の図である。
【図12】作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第1の図である。
【図13】作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第2の図である。
【図14】作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第3の図である。
【図15】作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第4の図である。
【図16】同日同一ユーザ作業報告書のフォーム例を示す図である。
【図17】同日同一ユーザ同型装置作業報告書のフォーム例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による作業報告書管理システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による作業報告書管理システムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号1は作業報告書管理システムであり、当該作業報告書管理システム1は、作業日程管理サーバ10と、作業日程登録端末20と、点検項目登録端末30と、作業報告書出力端末40とが、インターネット500等の通信ネットワークを介して接続されることにより構成される。
作業日程管理サーバ10は、ユーザ管理情報と保守作業対象装置の情報と点検項目情報と作業日程情報とから、ユーザ別に作業実施日やコンピュータの種類毎にまとめた作業指示項目を抽出し、定型の保守作業報告書フォーマットに沿った形で作業報告書を生成し、当該作業報告書を記憶するものである。
また、作業日程登録端末20は、保守作業対象装置それぞれの保守作業の日程を作業日程管理サーバ10へ登録する端末である。
また、点検項目登録端末30は、保守作業対象装置それぞれの保守のための点検項目の情報を作業日程管理サーバ10へ登録する端末である。
また、作業報告書出力端末40は、作業日程管理サーバ10へ保守作業対象装置の保守作業を行うための作業報告書の送信要求をするとともに、受信した作業報告書のデータを出力する端末である。
【0012】
図2は作業日程管理サーバの機能ブロック図である。
この図が示すように、作業日程管理サーバ10は、基本機能部101、作業報告書作成部102、作業日程管理データベース103、作業報告書生成用データベース104、作業報告書格納部105の、各処理部や記憶部を少なくとも備えている。
ここで、作業日程管理データベース103は、作業日程登録端末20から送信された作業日程情報を格納する。また、作業日程管理データベース103は、点検項目登録端末30から送信された点検項目情報を格納する。
【0013】
そして、作業日程管理サーバ10において、基本機能部101は、作業日程管理サーバ10内の他の処理部を制御する処理部であり、作業日程登録端末20から送信された作業日程情報を作業日程管理データベース103の作業日程情報テーブル1034に格納する。また基本機能部101は、点検項目登録端末30から送信された点検項目情報を作業日程管理データベース103の点検項目情報テーブル1033に格納する。基本機能部101は、作業報告書出力端末40から作業報告書の出力要求を受け付けるとその作業報告書情報を作業報告書格納部105から送信する。
【0014】
また、作業報告書生成部102は、作業日程管理データベース103に格納されている情報の中から、作業報告書を生成するために必要な情報をユーザ管理情報テーブル1031と、保守対象装置情報テーブル1032と、点検項目情報テーブル1033と、作業日程情報テーブル1034とから抽出し、作業報告書生成用データベース104に一時的に格納し、当該抽出した情報を元に、定型の作業報告書フォームを用いて作業報告書を生成し、当該生成した作業報告書を作業報告書格納部105に格納する処理部である。この作業報告書生成部102の機能は、作業日程管理サーバ10が記憶する作業報告書作成プログラムが実行されることにより行われる。
【0015】
また、作業日程管理データベース103は、作業日程の管理に必要となる各種情報を記憶した、ユーザ管理情報テーブル1031と、保守対象装置情報テーブル1032と、点検項目情報テーブル1033と、作業日程情報テーブル1034とを格納するデータベースである。
【0016】
図3はユーザ管理情報テーブルのデータ例を示す図である。
図3で示すように、ユーザ管理情報テーブル1031は、ユーザ名等を記憶管理しているデータテーブルである。より詳細には、ユーザ管理番号、ユーザ名、当該ユーザが利用する保守対象装置の機器管理番号(保守対象装置識別情報)等を対応付けて格納しており、企業等のユーザの社屋内などに複数の保守対象装置が設置されている場合に、同一ユーザが所有する保守対象装置として名寄せするために利用されるデータテーブルである。
【0017】
図4は保守対象装置情報テーブルのデータ例を示す図である。
図4で示すように、保守対象装置情報テーブル1032は、保守対象装置の機器管理番号などの情報を記憶管理しているデータテーブルである。より詳細には、ユーザが所有している複数の保守対象装置の組を管理するための機器管理番号、保守対象装置の装置型番(保守対象装置識別情報)、装置号機(保守対象装置識別情報)、設置日などを対応付けて格納しており、ユーザの社屋内に複数の同型装置が設置されている場合などに、同型装置の保守対象装置を把握するため等に使用される。
【0018】
図5は点検項目情報テーブルのデータ例を示す図である。
図5で示すように、点検項目情報テーブル1033は、装置型番で示される保守対象装置の点検項目を記憶管理しているデータテーブルである。より詳細には、保守対象装置の装置型番、点検項目、点検周期等の情報を対応付けて格納しており、作業日程情報テーブル1034に格納されている過去の作業実施日を参照することで点検周期に合わせた作業予定日と点検項目を設定するために使用される。
【0019】
図6は作業日程情報テーブルのデータ例を示す図である。
図6で示すように、作業日程情報テーブル1034は、過去の作業日(作業実施日)や今後の作業日(作業予定日)を作業履歴として記憶管理しているデータテーブルである。より詳細には、機器管理番号、作業日、作業内容等の情報を対応付けて格納しており、前回の点検作業日の点検項目を基に次回の点検作業予定日を算出するために使用される。
【0020】
また、図2より、作業日程管理サーバ10において、作業報告書生成用データベース104は、ユーザ管理情報テーブル1031と、保守対象装置情報テーブル1032と、点検項目情報テーブル1033と、作業日程情報テーブル1034とから抽出した、作業報告書を生成するために必要な情報を記憶管理するデータベースである。より詳細には、ユーザ管理番号、作業日、作業内容、機器管理番号、装置型番、装置号機、点検項目、点検周期のデータの他、同日同一ユーザ作業報告書フォーム、同日同一ユーザ同型装置作業報告書フォームなどの情報を格納する。これらの情報を用いて、それぞれのフォームによる作業報告書を生成するために使用される。
また、作業日程管理サーバ10において、作業報告書格納部105は、作業報告書生成部102によって生成された作業報告書を格納するデータベースであり、作業報告書出力端末40から作業報告書の出力要求を受け付けると、当該要求を受けた作業報告書情報を送信するために使用される。
【0021】
図7は作業日程登録端末の機能ブロック図である。
この図が示すように作業日程登録端末20は、基本機能部201と、作業日程登録部202の処理部を備えている。そして、当該作業日程登録端末20は、保守作業日程を作業日程管理サーバ10に登録するために使用される。
ここで、作業日程登録端末20において、基本機能部201は、作業日程登録端末20内の他の処理部を制御する処理部である。
また、作業日程登録部202は、ユーザの操作などに基づいて機器管理番号、作業日、作業内容などの情報を入力する処理部である。
そして、作業日程登録端末20においては、作業日程登録部202が入力した機器管理番号、作業日、作業内容などの情報を、基本機能部201がインターネット500経由で作業日程管理サーバ10に送信する処理を行う。
【0022】
図8は点検項目登録端末の機能ブロック図である。
この図が示すように点検項目登録端末30は、基本機能部301と、点検項目登録部302の処理部を備えている。そして、当該点検項目登録端末30は、保守対象装置の装置型番と、点検項目と、点検周期とを作業日程管理サーバ10に登録するために使用される。
ここで、点検項目登録端末30において、基本機能部301は、点検項目登録端末30内の他の処理部を制御する処理部である。
また、点検項目登録部302は、ユーザの操作などに基づいて装置型番と、点検項目と、点検周期などの情報を入力する処理部である。
そして、点検項目登録端末30においては、点検項目登録部302が入力した装置型番と、点検項目と、点検周期などの情報を、基本機能部301がインターネット500経由で作業日程管理サーバ10に送信する処理を行う。
【0023】
図9は作業報告書出力端末の機能ブロック図である。
この図が示すように作業報告書出力端末40は、基本機能部401と、作業報告書受信部402と、作業報告書出力部403の処理部を備えている。そして、作業報告書出力端末40は、機器管理番号をキーに作業日程管理サーバ10の作業日程管理データベース103にアクセスする機能と、作業日程管理サーバ10へ作業報告書の作成要求を行う機能と、要求した作業報告書を受信する機能と、受信した作業報告書情報をプリンタへ出力する機能とを有し、作業日程管理サーバ10に作業報告書を要求し、要求した作業報告書を受信し、印刷するために使用される。
【0024】
ここで、作業報告書出力端末40において、基本機能部401は、作業報告書出力端末40内の他の処理部を制御する処理部である。
また作業報告書受信部402は、作業日程管理サーバ10と通信し、作業日程管理サーバ10から作業報告書を受信する処理部である。
また作業報告書出力部403は、プリンタなどの印刷装置で、作業日程管理サーバ10より受信した作業報告書を印刷する処理部である。
【0025】
図10は保守作業報告書管理システムの処理フローを示す第1の図である。
図11は保守作業報告書管理システムの処理フローを示す第2の図である。
図12は作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第1の図である。
図13は作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第2の図である。
図14は作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第3の図である。
図15は作業報告書生成用データベースの記憶するデータ遷移を示す第4の図である。
次に保守作業報告書管理システムの処理フローの詳細について図1〜図15を用いて説明する。
保守作業報告書管理システムにおいては、まず、作業日程登録者が、作業日程登録端末20にて機器管理番号を指定して、作業日と、作業内容を登録する操作を行う。このとき作業日程登録端末20は、入力した機器管理番号と、作業日と、作業内容を、インターネット500を経由して、作業日程管理サーバ10へ送信する。すると作業日程管理サーバ10は、受信したそれらの情報を、作業日程管理データベース103内の作業日程情報テーブル1034に対応付けて登録する(ステップS101)。
【0026】
次に、点検項目登録者が、点検項目登録端末30を用いて装置型番を入力するとともに、点検項目と、点検周期を入力する。すると点検項目登録端末30は、入力した装置型番と、点検項目と、点検周期とを、作業日程管理サーバ10へ送信する。すると、作業日程管理サーバ10は、受信したそれらの点検項目等の情報を、作業日程管理データベース103内の点検項目情報テーブル1033に対応付けて格納する(ステップS102)。
次に、作業実施者が、作業報告書出力端末40を用いて機器管理番号を入力し、これにより作業報告書の要求の操作を行う。すると作業報告書出力端末40は、入力した機器管理番号を含む作業日程検索要求を、インターネット500を経由して、作業日程管理サーバ10へ送信し、作業日程の検索処理を行なう(ステップS103)。
【0027】
すると、作業日程管理サーバ10の作業報告書作成部102は、作業日程管理データベース103の作業日程情報テーブル1034に格納されている情報内に、作業日程検索要求に含まれる機器管理番号があるかを検索し、当該機器管理番号が作業日程情報テーブル内にあった場合は、機器管理番号に対応付けられて当該作業日程情報テーブルに登録されている作業日を抽出する。このとき、作業報告書作成部102は、作業日程検索要求に含まれる機器管理番号が作業日程情報テーブル1034に格納されていない場合には、インターネット500を経由して、作業報告書出力端末40に機器管理番号なしを示す情報を送信する(ステップS104)。
【0028】
作業報告書作成部102は作業日程検索要求に含まれる機器管理番号が作業日程情報テーブル1034に格納されていた場合に作業日を抽出すると、次に、インターネット500を経由して、当該抽出した作業日を含む作業日程情報を作業報告書出力端末40に送信する(ステップS105)。このとき、作業日程検索要求に含まれる機器管理番号が作業日程情報テーブル1034に格納されていた場合でも、作業日が抽出できない場合には、作業日程なしを示す情報を作業報告書出力端末40に送信する(ステップS106)。
【0029】
次に、作業報告書出力端末40は、作業日程管理サーバ10から送信された作業日程情報から作業日を読み取り、当該作業日を示す作業日程を検索結果として画面に表示する(ステップS107)。すると、作業報告書出力端末40を利用する作業実施者は、作業報告書出力端末40に表示された作業日程から、作業報告書を作成する作業日と、作成する作業報告書のフォーマット(同日同一ユーザ作業報告書または同日同一ユーザ同型装置作業報告書のいずれか)を選択する。すると作業報告書出力端末40は、インターネット500経由で、作業日程管理サーバ10へ作業報告書作成要求を送信する(ステップS108)。当該作業報告書作成要求には、機器管理番号、作業日、フォーマットIDなどの情報が格納される。
【0030】
次に、作業日程管理サーバ10の作業報告書作成部102は、作業報告書出力端末40からの作業報告書作成要求を受信すると、当該作業報告書作成要求に含まれる機器管理番号と作業日とからなる作成要求条件をキーに、作業報告書格納部105内の作業報告書を検索する(ステップS109)。つまり、機器管理番号と作業日によって特定される作業報告書が既に生成されて作業報告書格納部105に格納されているかを判定する。そして、作業日程管理サーバ10の作業報告書作成部102は、作業報告書格納部105内の検索によって、作成要求を受けた作業報告書がなかった場合、作業報告書の作成処理を行うと判定し、作成を実行する(ステップS110)。
【0031】
次に、作業報告書生成部102は、作業報告書の作成要求条件となる機器管理番号をキーに、作業日程管理データベース103内のユーザ管理情報テーブル1031に格納されているユーザ管理番号と、ユーザ名の抽出を行い、図12(A)で示すように機器管理番号に対応付けて作業報告書生成用データベース104に登録する(ステップS111)。
また、作業報告書生成部102は、作成要求条件となる機器管理番号と作業日をキーに、作業日程管理データベース103の作業日程情報テーブル1034内から作業内容を抽出し、図12(B)で示すように作成要求条件となる機器管理番号と作業日と当該作業内容とを対応付けて、既に作業報告書生成用データベース104に登録した情報に追加し、絞り込み再構成を行う(ステップS112)。
また次に、作業報告書生成部102は、作業報告書生成用データベース104において再構成した情報の機器管理番号をキーに、作業日程管理データベース103の保守対象装置情報テーブル1032に格納されている装置型番と、装置号機と、設置日を抽出し、図12(C)で示すように、既に作業報告書生成用データベース104に登録した情報に追加する(ステップS113)。
【0032】
さらに、作業報告書生成部102は、作業報告書生成用データベース104に追加した装置型番をキーに、作業日程管理データベース103の点検項目情報テーブル1033に格納されている点検項目と、点検周期の抽出を行い、図13(D)で示すように、既に作業報告書生成用データベース104に登録した情報に追加する(ステップS114)。
そして、作業報告書生成部102は、作成要求条件となる作業日と、作業報告書生成用データベース104に既に登録した設置日とから、装置号機で示される保守対象装置が点検対象であるかを判定する。そして点検対象でない保守対象装置のレコードを作業報告書生成用データベース104から削除して、今回の保守対象となる装置のみに絞り込みを行い、再構成する(ステップS115)。具体的には、例えば、設置日の月に点検周期の月数をN回(N>0)加えて、作業日が示す月に一致するかを判定する。そして一致した場合には保守対象であるとする。一例としては、点検項目には6ヶ月周期で実施するものと12ヶ月周期で実施するものがあり、装置が2008年7月に設置されたものとすると、2010年1月の点検項目は、設置から18ヶ月経過していることになるので、設置日の月に点検周期の月数をN回(N>0(この場合N=3))加えて、作業日が示す月に一致するのは、6ヶ月周期であるもののみであり、点検周期が6ヶ月のレコードが保守対象として残る(図14(E)参照)。
【0033】
図16は同日同一ユーザ作業報告書のフォーム例を示す図である。
図17は同日同一ユーザ同型装置作業報告書のフォーム例を示す図である。
次に、作業報告書生成部102は、作成要求条件となるフォームIDで示される作業報告書のフォームが、同日同一ユーザ作業報告書であった場合、作業報告書生成用データベース104に登録されている情報を同日同一ユーザ作業報告書フォームに配置し(図16参照)、作業報告書格納部105に格納する(ステップS116)。
または、作業報告書生成部102は、作成要求条件となるフォームIDで示される作業報告書のフォームが、同日同一ユーザ同型装置作業報告書であった場合、作業報告書生成用データベース104に登録されている情報を装置型番毎に分けて、図15(F)で示すように、同日同一ユーザ同型装置情報として再構成を行う(ステップS117)。そして、作業報告書生成部102は、再構成を行った同日同一ユーザ同型装置情報を、同日同一ユーザ同型装置作業報告書フォームに配置し(図17参照)、作業報告書格納部105に格納する(ステップS118)。
【0034】
次に、作業日程管理サーバ10の作業報告書作成部102は、作業報告書格納部105に格納された作業報告書をインターネット500経由で、作業報告書出力端末40に送信する(ステップS119)。ここで、作業報告書格納部105に格納されている作業報告書は、二回目以降に同じ条件での作成要求があった場合は、作業報告書生成部102による新たな作成処理はせずに作業報告書格納部105からの送信となる(ステップS120)。
【0035】
次に、作業報告書出力端末40は、受信した作業報告書を作業報告書出力部403に出力する。そして、最後に、作業実施者は、出力した作業報告書を持参して、点検作業を実施し、点検作業実施後に出力された作業報告書を用いて、保守対象装置の所有者に対して作業報告を実施する。
【0036】
上述の処理によれば、作業日や機器管理番号の入力に基づいて、作業報告書の点検作業項目などの情報が記載された作業報告書をフォーマットに基づいて自動作成することができるので、点検作業項目および点検作業実施機器が多い場合においても、作業報告書の作成が迅速にできる。また、作業者の個々の文章に依存しない作業報告書を作成できるため、作業報告書を常に正しい形態で作成でき、ユーザはその報告内容を容易に迅速に掌握することができる。
【0037】
また、ユーザが指定したフォームに合わせて、必要な場合には装置の型式(型番)ごとに保守対象装置を分けた作業報告書が作成できるため、作業者の利便性を考慮した作業報告書を作成することができる。
【0038】
なお、上述の作業報告書管理システムを構成する各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0039】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1・・・作業報報告書管理システム
10・・・作業日程管理サーバ
20・・・作業日程登録端末
30・・・点検項目登録端末
40・・・作業報告書出力端末
101,201,301,401・・・基本機能部
102・・・作業報告書作成部
103・・・作業日程管理データベース
104・・・作業報告書生成用データベース
105・・・作業報告書格納部
202・・・作業日程登録部
302・・・点検項目登録部
402・・・作業報告書受信部
403・・・作業報告書出力部
500・・・インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成する作業報告書生成部、
を備えることを特徴とする作業報告書管理システム。
【請求項2】
前記作業報告書生成部は、前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の装置型式番号に基づいて、保守対象装置の情報を分けて表示する前記作業報告書をフォーマットに基づいて生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業報告書管理システム。
【請求項3】
前記作業報告書を記憶し、
指定された作業日と保守対象装置の識別情報とが記録された前記作業報告書が前記作業報告書格納部に格納されているか否かに応じて、前記作業報告書の生成開始有無を判定し、
指定された作業日と保守対象装置の識別情報とが記録された前記作業報告書が前記作業報告書格納部に格納されている場合には、当該作業報告書を前記作業報告書格納部から読み出して作業報告書出力端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業報告書管理システム。
【請求項4】
指定された作業日と保守対象装置の識別情報とが記録された前記作業報告書が前記作業報告書格納部に格納されていない場合には、指定された作業日と保守対象装置の識別情報とに基づいて前記作業報告書の生成を開始すると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の作業報告書管理システム。
【請求項5】
作業報告書管理システムにおける作業報告書管理方法であって、
作業報告書生成部が、
保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定し、
前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成する
ことを特徴とする作業報告書管理方法。
【請求項6】
作業報告書管理システムのコンピュータを、
保守作業を行う作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報の中から、指定された作業日に対応付けて登録されている保守対象装置の識別情報を抽出する手段、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の点検周期を抽出する手段、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の設置日を抽出する手段、
前記抽出した保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置のうち、前記設置日を基準とした点検周期に基づいて、前記指定された作業日が点検周期に一致するかを判定する手段、
前記抽出した保守対象装置の識別情報のうち、前記指定された作業日が前記設置日を基準とした点検周期に一致する保守対象装置の識別情報と、当該保守対象装置の識別情報で示される保守対象装置の情報とを表示する作業報告書をフォーマットに基づいて生成する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−232930(P2011−232930A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102112(P2010−102112)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)