説明

作業手順の進捗状況確認システム

【課題】予め定めた作業計画を確実に且つ迅速に実行することが可能な作業手順情報管理システムを提供する。
【解決手段】作業計画情報を記憶させる記憶装置を備えるサーバと、作業計画情報に基づいて定められる各作業箇所に配置した複数の端末機器とが通信回線を介して相互方向に通信自在に接続され、サーバから各端末機器へ作業計画情報が送信されるとともに、作業計画情報に基づいて各端末機器の設置箇所における作業に応じて区分けして定められている区分作業における手順についての進捗情報が端末機器から前記サーバに送信されてこれらの情報がサーバから各端末機器に送信されることにより各作業における手順についての進捗情報がサーバならびに各端末機器において確認することが可能な構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業計画情報に基づいて行われる作業を効率よく行うことを目的とする作業手順の進捗状況確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業計画情報を記憶させる記憶装置を備えるサーバと、前記作業計画情報に基づいて定められる各作業箇所に配置した複数の端末機器とが通信回線を介して相互方向に通信自在に接続され、前記サーバから各端末機器へ前記作業計画情報が送信されるとともに、前記作業計画情報に基づいて各端末機器の設置箇所における作業に応じて区分けして定められている区分作業における手順についての進捗情報が前記端末機器から前記サーバに送信されてこれらの情報が前記サーバから各端末機器に送信されることにより各作業における手順についての進捗情報が前記サーバならびに各端末機器において確認することが可能な作業進捗確認システムが知られており、例えば特開2002−74045号公報、特開2002−189811号公報、特開2003−132117号公報、特開2006−252105号公報、2006−323564号公報等に提示されており、出荷した商品の管理や各種の業務管理に用いられている。
【0003】
しかしながら、前記公報に提示されているような従来の作業進捗情報管理システムは、単にサーバから端末機器に進捗情報が報告されるものであり、多くは発送した商品の追跡調査であったり、医療におけるスケジュール調整など、更には注文の可否や注文内容などの情報を得ることにより商品取引における手順についての進捗情報を確認する程度のものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−74045号公報
【特許文献2】特開2002−189811号公報
【特許文献3】特開2003−132117号公報
【特許文献4】特開2006−252105号公報
【特許文献5】特開2006−323564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の作業進捗情報管理システムとは異なり、予め定めた作業計画を確実に且つ迅速に実行することが可能な作業手順の進捗情報確認システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためになされた本発明は、 作業計画情報を記憶させる記憶装置を備えるサーバと、前記作業計画情報に基づいて定められる各作業箇所に配置した複数の端末機器とが通信回線を介して相互方向に通信自在に接続され、前記サーバから各端末機器へ前記作業計画情報が送信されるとともに、前記作業計画情報に基づいて各端末機器の設置箇所における作業に応じて区分けして定められている区分作業における手順についての進捗情報が前記端末機器から前記サーバに送信されてこれらの情報が前記サーバから各端末機器に送信されることにより各作業における手順についての進捗情報が前記サーバならびに各端末機器において確認することが可能な作業手順確認システムであって、前記サーバの記憶装置に記憶されている作業計画情報と前記各端末機器から送信される作業におけ
る手順についての進捗情報が前記サーバから各端末機器に送信されて各端末機器の表示画面において前記作業における手順についての進捗情報を間歇的或いは連続的に表示可能なことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、各端末機器の画面に作業計画情報に基づいて区分作業ごとの作業における手順についての進捗情報が手順に合わせて表示されるので各区分作業の実行者は前記進捗情報を確認しながら自己の与えられた作業を行うことにより、全体として作業計画を確実に且つ迅速に実行することができ、作業の効率化を図ることができる。
【0008】
また、本発明において、前記各端末機器について定められている区分作業が、更に、複数の作業に区分けされている場合には、更に手順についての進捗情報を子細に確認することができ、さらなる作業の効率化を図ることができる。
【0009】
更に、前記表示手段に前記作業における手順についての進捗情報とともに前記各作業計画情報の少なくとも一部を同時に表示することにより、終了した区分作業とこれから行われる区分作業の)が表示されるので現時点で作業全体における手順についての進捗情報を視覚的に確認が可能である。
【0010】
加えて、前記各作業の進捗状態を経時的に表示画面に表示する表示手段が前記各作業に応じて区分けして定められている区分作業毎のアイコンを作業の手順に合わせて並べて配置するとともに、前記各作業箇所の区分作業が終了した情報が各端末機器より送信されると前記区分作業毎のアイコンに確認の表示が表示される場合には区分作業の終了が確認することができる。
【0011】
更にまた、前記作業手順に合わせて並べて配置されているアイコンに沿って手順の進行度を示す進度ゲージが配置されている場合には最初からの手順についての進捗情報と今後の区分作業の実行、現時点での全体の作業の流れや作業時間などを視覚により容易に把握することができ、作業の効率化を図ることができる。
【0012】
加えて、本発明は、前記区分作業毎のアイコンに区分作業を行う作業者名が表示されていることにより手順作業を行う作業者が複数いる場合に作業者を特定して確認刷ることができ、前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順の更に詳細な情報を示した情報サイトにリンクされる場合には作業者は各区分けされた手順の更に詳細な情報を確認することができるのできわめて効率が良く、前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順において必要な区分作業情報を遠隔地の携帯端末に送信して、遠隔地での手順作業の進捗状況を通信回線を介して確認可能とした場合には、離れた現場での区分け作業の進捗状況を迅速且つ確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の基本的な構成を示す概略図。
【図2】図1に示した実施の形態のブロック回路図。
【図3a】図1に示した実施の形態における端末機器の表示装置における表示画面の一例を示す全体図。
【図3b】図1に示した実施の形態における端末機器の表示装置における表示画面の一例を示す要部の拡大図。
【図4】本発明の異なる実施の形態の表示画面を示す全体図。
【図5】本発明の異なる実施の形態における表示装置における表示画面の一例を示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
図1乃至図3は本発明である作業手順情報管理システムを例えば調剤薬局における調剤作業について実施した場合の好ましい実施の形態を示すものであり、図1に示すように、作業計画情報を記憶させる記憶装置を備えるサーバ1と、前記作業計画情報に基づいて定められる各作業箇所に配置した複数の端末機器21乃至24が通信回線3を介して相互方向に通信自在に接続されている。尚、前記通信回線3はインターネットのような公衆回線でもよく、イントラネットやオンラインなどの私的回線であってもよく、相互に通信可能であれば良いが、例えば作業の内容によっては外部の端末機器やサーバ(図示せず)に接続する殊が必要な場合もあり、外部の公衆回線を用いること場合が好ましい。
【0016】
そして、本実施の形態では、前記端末機器21乃至24が設置される作業箇所として例えば受付窓口A、調剤受付B、調剤室C、会計室Dが挙げられる。
【0017】
尚、前記サーバ1については本実施の形態においては例えば薬局の管理室E(或いは管理センター(図示せず))などに設置し、またはレセプトコンピュータ(図示せず)や前記会計室Dに備えた端末機器24であってもよく、また、例えば前記調剤受付にBに配置した端末機器22をサーバとして用いることもできる。
【0018】
また、前記端末機器21乃至24は、前記サーバ1から通信回線3を介して送信される患者薬歴情報および前記サーバ1に各自が担当する区分け作業の終了や確認などの信号を入力するための例えばキーボードのような入力装置21a乃至24a、更には前記サーバ1から送信される作業情報を表示するための表示装置21b乃至24bを有している。
【0019】
そして、前記サーバ1には、その記憶装置4に患者の薬歴情報41、各患者についての例えば処方箋情報等の調剤に関する調剤情報42が記憶されているとともに、各患者の調剤に関する作業計画情報に基づいて各端末機器21乃至24の設置箇所における受付窓口A、調剤受付B、調剤室C、会計室Dにおける作業に応じて区分けして定められている区分作業を図2に示すように作業の手順に沿って決定した作業計画情報43、更には前記作業計画情報43を各患者の薬歴表示した画面の一部に手順に合わせて表示されたアイコン5(図3参照)として前記患者の薬歴画面に合わせて表示するとともに、前記各端末機器21乃至24の例えばマウスやキーボードなどの入力装置21a乃至24aから各区分作業の終了確認情報が入力されると前記区分作業のアイコン5にその区分作業が終了したことを表示する確認表示プログラム44が記憶されている。
【0020】
図3は前記各端末機器21乃至24の表示画面21b乃至24bに表示した各患者の薬歴画面8の一部に手順に合わせて表示された複数のアイコン51乃至62として前記患者の薬歴画面の下方に帯状に表示した場合の一例を示すものであり、前記各端末機器21乃至24から入力された各区分作業終了確認信号がサーバ1に入力されると前記確認表示プログラム45により区分作業のアイコン51乃至62にその区分作業が終了したことを表示するともにその確認情報を前記各端末機器21乃至24に通信回線3を介して送信し、表示画面21b乃至24bに表示する。
【0021】
従って、各端末機器末機器21乃至24の表示画面21b乃至24bには、患者の処方箋による調剤作業について、現時点における作業の手順が明示されるので各患者の調剤に関する作業計画情報に基づいて各端末機器21乃至24の設置箇所である受付窓口A、調剤受付B、調剤室C、会計室Dにおける例えば受付係、薬剤師、会計係などは、現在の作業の流れを確認して次に自己が行う作業の開始や予備的作業の開始を遅滞なく行うことが可能であるばかりか、現時点での作業の手順についての進捗情報を確認しながら、患者に
接することが可能であり、作業者は患者に進捗状態補伝えたり、或いは手順についての進捗情報を踏まえて患者に対応することが可能であり、患者に不快な思いをさせずに且つ他の作業者の手順についての進捗情報を確認しながら無駄な待ち時間などを生じさせることなく自己の業務を行うことができるので迅速な作業の遂行を行うことができる。
【0022】
尚、本実施の形態では、前記区分作業が終了したことを表示する手段としては各端末機器のアイコン5にレ点を表示するものとしたが、他にアイコンの色彩を変える手段など作業が終了したアイコンとこれから実施するアイコンとが視認により容易に区別される手段であればよい。殊に、アイコン5を表示する表示画面5は通常のマウスなどの入力機器21a(21b。21c、21d)によりクリック可能或いはタッチパネル式であり、きわめて好ましい印象を受ける。
【0023】
また、本実施の形態では前記並べて配置されているアイコン5の列に沿って手順の進行度を示す進度ゲージ6と進行時間を示すデジタル時刻7が配置されている。この進度ゲージ6はコンピュータなどの処理の進捗状態を示すために採用されている周知のものである。
【0024】
尚、本実施の形態における前記作業区分の調剤手順としては、前記図2に示したように、受付〔処方箋受付〕→薬歴確認〔患者基礎情報の取得確認〕、処方監査、患者情報収集、調剤設計、服薬に関する説明、調剤決定、調剤、最終監査、薬剤交付〔会計〕、疑義照会、承認などが考えられるが、これらの項目は作業の種類や内容に応じて適宜定めることになる。
【0025】
特に、本実施の形態では、前記各区分作業の進捗状態を示す帯状に配置されている各アイコン51乃至62の表示部にそれぞれの各区分作業についてさらに子細に作業を区分してその手順についての進捗情報の表示手段531(例えば図3におけるアイコン53)を表示させるようにすることも可能であり、この場合には、例えばアイコン53の「処方照会」の区分作業をしている際に、その区分作業の内で更に手順についての進捗情報が確認できるので、次以降の区分作業を行う者が待ち時間をより有効に利用することができる。
【0026】
加えて、本実施の形態では前記アイコン51乃至62の下方に沿って、前記アイコン51乃至62の手順についての進捗情報の確認に同期して確認が行われた部分の色彩が変化する確認ゲージ6や時刻表示7が配置されており、前記アイコン51乃至62だけでなく確認ゲージ6によっても全体作業における手順についての進捗情報を確認刷ることができるので、例えば各作業者は現在の区分作業における手順についての進捗情報を一見して把握することができるのできわめて便利であり、デジタル時刻7を表示したので手順の開始
からの時間が把握可能であり、進行速度を確認することにより遅れや事故などの発見や通常時刻に合わせて作業をするなどの処置をすることが可能である。
【0027】
また、本実施の形態では、前記区分作業毎のアイコン53に区分作業を行う作業者名532が表示されている。つまり、作業が複数の作業者により遂行される場合には各区分作業のアイコン51乃至62に作業者名を明記しておくことにより本人は自己の区分け作業の分担を確認刷ることができるし、他の作業者はその区分け作業の作業者を確認することによりその作業者に督促をしたりすることもでき、作業全体の迅速化を図ることができる。
【0028】
更にまた、前記区分作業毎の例えばアイコン53にそのアイコン53をクリック又はタッチすることによりアイコン53の区分作業(例えば「処方監査」)に関する手順の更に詳細な情報を示した手順についての情報サイトにリンクされる(図4参照)こととした場合には、例えば、前記図3aで示した区分け作業のアイコン51乃至62について更に詳
細な区分け作業の手順や情報を手順の確認の中で得ることができるのできわめて便利であり、迅速な対応が可能である。また、前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順において必要な区分作業情報を遠隔地の携帯端末などに送信して、遠隔地での手順作業の進捗状況を通信回線を介して確認可能とした場合(図示せず)には前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順において必要な区分作業情報を遠隔地の携帯端末に送信して、遠隔地での手順作業の進捗状況を通信回線を介して確認可能とした場合には、離れた現場での区分け作業の進捗状況を迅速且つ確実に確認することができる。
【0029】
尚、本実施の形態では前記アイコン51乃至62を帯状に配置したが、これに限らず各区分作業の明示とその作業終了の確認が時系例的に表示可能な表示手段であればよく、例えば図5に示したグラフ(さらに子細に作業を区分してその手順についての進捗情報の表示手段も示す)や図示しないが円形グラフ、折れ線グラフや棒グラフなどによっても実施することができる。
【0030】
また、本実施の形態では図3に示すように各端末機器21乃至24の表示画面21b乃至24bに一人の患者の薬歴画面8を表示した場合を示したが、ウインドウ機能により複数の患者の薬歴画面8(図示せず)を同時に表示することにより同時に複数の患者について効率よく調剤作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 サーバ、21、22、23、24 端末機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業計画情報を記憶させる記憶装置を備えるサーバと、前記作業計画情報に基づいて定められる各作業箇所に配置した複数の端末機器とが通信回線を介して相互方向に通信自在に接続され、前記サーバから各端末機器へ前記作業計画情報が送信されるとともに、前記作業計画情報に基づいて各端末機器の設置箇所における作業に応じて区分けして定められている区分作業における手順についての進捗情報が前記端末機器から前記サーバに送信されてこれらの情報が前記サーバから各端末機器に送信されることにより各作業における手順についての進捗情報が前記サーバならびに各端末機器において確認することが可能な作業手順確認システムであって、前記サーバの記憶装置に記憶されている作業計画情報と前記各端末機器から送信される作業における手順についての進捗情報が前記サーバから各端末機器に送信されて各端末機器の表示画面において前記作業における手順についての進捗情報を間歇的或いは連続的に表示可能なことを特徴とする作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項2】
前記各端末機器について定められている区分作業が、更に、複数の作業に区分けされていることを特徴とする請求項1に記載した作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項3】
前記表示手段に前記作業における手順についての進捗情報とともに前記各作業計画情報の少なくとも一部を同時に表示することを特徴とする請求項1または2記載の作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項4】
前記各作業の進捗状態を経時的に表示画面に表示する表示手段が前記各作業に応じて区分けして定められている区分作業毎のアイコンを作業の手順に合わせて並べて配置するとともに、前記各作業箇所の区分作業が終了した情報が各端末機器より送信されると前記区分作業毎のアイコンに確認の表示が表示されることを特徴とする請求項1,2または3記載の作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項5】
前記作業手順に合わせて並べて配置されているアイコンに沿って手順の進行度を示す進度ゲージが配置されていることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項6】
前記区分作業毎のアイコンに区分作業を行う作業者名が表示されていることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項7】
前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順の更に詳細な情報を示した情報サイトにリンクされることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の作業手順の進捗状況確認システム。
【請求項8】
前記区分作業毎のアイコンにそのアイコンをクリック又はタッチすることによりアイコンの区分作業に関する手順において必要な区分作業情報を遠隔地の携帯端末に送信して、遠隔地での手順作業の進捗状況を通信回線を介して確認可能としたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の作業手順の進捗状況確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−97742(P2013−97742A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242906(P2011−242906)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(596079138)東日本メディコム株式会社 (19)
【Fターム(参考)】