説明

作業時間記録装置、作業時間記録方法及び作業時間記録プログラム

【課題】観測現場における柔軟性が高い作業時間記録装置、作業時間記録方法及び作業時間記録プログラムを提供する。
【解決手段】作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置1において、タッチパネルディスプレイ3に表示させた入力用画面21に、操作された時刻を入力するスタートボタン23及び作業項目を選択して入力する作業ボタン22を設ける。そして、スタートボタン23が押されることなく、作業項目が入力されたときは、作業項目が入力された時刻を開始時刻として記録し、スタートボタン23が押された後に、作業項目が入力されたときは、スタートボタン23が押された時刻を開始時刻として記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業時間記録装置、作業時間記録方法及び作業時間記録プログラムに関し、特に、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置、この装置を用いた作業時間記録方法、及びこの装置に実行させる作業時間記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場の作業現場などでは、作業者の生産性を向上させるために、IE(Industry Engineering:生産工学)手法の一つである作業時間分析を行ない、分析結果に基づく改善が行なわれている。作業時間分析を行なうためには、対象とする工場現場の個々の作業者毎に、一連の作業が開始されてから終了するまでの間に実施した作業の項目、その開始時刻及び終了時刻のデータを記録することが必要となる。
【0003】
従来、作業の観測者は、観測した作業項目、開始時刻及び終了時刻を、紙に必要な記入欄が印刷された観測シートに記録していた。しかしながら、この方法では、観測時にはデータを観測シートに手書きで記入する手間がかかり、また、観測後には、記録した手書きのデータをコンピュータで処理するために電子化する手間がかかっていた。
【0004】
このため、近年、PDA(Personal Digital Assistance:個人用情報端末)等の携帯用電子装置を使って、観測したデータを記録する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法においては、予め記録対象となる作業項目を携帯用電子装置の選択ボタンに割り当てておき、観測時には、作業者が作業を開始したタイミングで作業項目に該当するボタンを選択することにより、携帯用電子装置に内蔵されている時計を用いて作業項目及び作業開始時刻を同時に記録する。これにより、観測結果を最初から電子データとして記録することができ、観測現場で手書きする手間及び後でデータを電子化する手間を省くことができる。
【0005】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。すなわち、実際の観測現場においては、作業者が作業を開始した時点では、観測者が作業項目を判断できない場合がある。このような場合に、観測者は作業項目を選ぶことができず、とりあえず「その他」の項目を選択したり、作業項目が確定するまで待ってから作業項目を選択したりしており、その結果、データの精度が悪化していた。また、観測開始後に、事前に予想して選択ボタンに割り当てた作業項目よりもさらに細かく分類して記録したほうがよいことが判明する場合もある。このような場合には、携帯用電子装置に新たに項目を登録し直す必要があり、観測を中断せざるを得なかった。
【0006】
【特許文献1】特開2006−236291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、観測現場における柔軟性が高い作業時間記録装置、作業時間記録方法及び作業時間記録プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置であって、操作された時刻を入力するスタート手段と、前記作業の項目を入力する項目入力手段と、入力された前記作業の項目及び前記開始時刻を相互に関連付けて記録する処理手段と、を備え、前記処理手段は、前記スタート手段が操作されることなく、前記作業の項目が入力されたときは、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、前記スタート手段が操作された後に、前記作業の項目が入力されたときは、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録することを特徴とする作業時間記録装置が提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置であって、特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される項目入力手段と、特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される符号入力手段と、入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する処理手段と、を備えたことを特徴とする作業時間記録装置が提供される。
【0010】
本発明の更に他の一態様によれば、携帯用電子装置が、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録方法であって、前記作業の項目が入力される工程と、前記作業の項目が入力されたときに、前記携帯用電子装置に設けられ、操作された時刻を入力するスタート手段が未だ操作されていなければ、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、前記作業の項目が入力されたときに、前記スタート手段が既に操作されていれば、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録する工程と、を備えたことを特徴とする作業時間記録方法が提供される。
【0011】
本発明の更に他の一態様によれば、携帯用電子装置が、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録方法であって、特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される工程と、特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される工程と、入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する工程と、を備えたことを特徴とする作業時間記録方法が提供される。
【0012】
本発明の更に他の一態様によれば、携帯用電子装置に、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録させる作業時間記録プログラムであって、前記携帯用電子装置に、前記作業の項目が入力される手順と、前記作業の項目が入力されたときに、前記携帯用電子装置に設けられ、操作された時刻を入力するスタート手段が未だ操作されていなければ、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、前記作業の項目が入力されたときに、前記スタート手段が既に操作されていれば、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録する手順と、を実行させることを特徴とする作業時間記録プログラムが提供される。
【0013】
本発明の更に他の一態様によれば、携帯用電子装置に、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録させる作業時間記録プログラムであって、前記携帯用電子装置に、特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される手順と、特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される手順と、入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する手順と、を実行させることを特徴とする作業時間記録プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、観測現場における柔軟性が高い作業時間記録装置、作業時間記録方法及び作業時間記録プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る作業時間記録装置を例示する斜視図であり、
図2は、本実施形態に係る作業時間記録装置を例示するブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る作業時間記録装置1(以下、単に「装置1」ともいう)は、人が片手で保持できる大きさの筐体2に収納された携帯用電子装置であり、工場で作業者が行う作業の内容並びにその開始時刻及び終了時刻を記録するものである。筐体2の主面の略全域には、タッチパネルディスプレイ3が設けられている。また、主面の上端側の一方の角部には、オン/オフスイッチ4が設けられている。オン/オフスイッチ4は、装置1の電源をオン又はオフとする機械式の押しボタンである。更に、筐体2の側面には、メモリーカード等の記録媒体Mが装着されるスロット5が設けられている。
【0017】
図2に示すように、装置1の内部には、データの入力に用いるプログラム及び定義ファイルを格納すると共に、入力されたデータを記憶するメモリ11、メモリ11に格納されたプログラムを実行すると共に、装置1内の他の手段を駆動する処理部12、処理部12が参照する時計13、観測者が押圧することで情報が入力される接触式入力部14、処理部12によって情報が表示される表示部15が設けられている。表示部15は、例えば、液晶表示パネルによって構成されている。また、接触式入力部14は表示部15に重ねられており、タッチパネルディスプレイ3を構成している。更に、装置1には、スロット5を介して、記録媒体Mが装着されている。記録媒体Mは、スロット5により、装置1に対して着脱可能とされている。
【0018】
処理部12は、例えばLSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)からなるコンピュータであり、メモリ11内に格納されているプログラムを実行することにより、表示部15に、図1に示すような入力用画面21を表示する。表示部15は接触式入力部14と連動しており、タッチパネルディスプレイ3として一体的に機能する。すなわち、観測者は、表示部15に表示された入力用画面21を、接触式入力部14を透かして視認することができる。そして、入力用画面21に案内されて、接触式入力部14の各領域を押圧することにより、処理部12に対してデータを入力することができる。処理部12は、入力されたデータをメモリ11に記録する。
【0019】
以下、入力用画面21の構成について説明する。
図1に示すように、入力用画面21の中央部から下部にかけての広い領域には、複数個の作業ボタン22がマトリクス状に配列されている。各作業ボタン22には、例えば、「運搬」、「操作」等の作業項目の名称が付されている。これにより、作業ボタン22は、特定の作業内容と関連付けられた複数の項目のそれぞれに対応している。そして、例えば、観測者が「運搬」の文字が付された作業ボタン22を押圧すると、作業項目として「運搬」が入力される。このように、タッチパネルディスプレイ3における作業ボタン22が表示された領域は、複数の項目から一の項目が選択されることにより、この一の項目が入力される項目入力手段として機能する。各作業ボタン22に割り付けられる作業の名称は、メモリ11に格納された定義ファイルで定義されている。なお、作業ボタン22には作業の名称ではなく、作業の内容を表すイラスト等を表示してもよい。
【0020】
また、入力用画面21における複数の作業ボタン22が表示された領域の1段上には、向かって左側から順に、スタートボタン23、時刻表示領域24、複数個、例えば5個の分類番号ボタン25が一列に配列されている。
【0021】
観測者がスタートボタン23を押圧すると、そのときの時刻を処理部12がメモリ11に記憶させると共に、時刻表示領域24に表示させる。なお、スタートボタン23が押圧されることなく、上述の作業ボタン22が押圧されると、作業ボタン22が押圧された時刻が作業の開始時刻として入力され、時刻表示領域24に表示される。このように、タッチパネルディスプレイ3におけるスタートボタン23が表示された領域は、操作された時刻を入力するスタート手段として機能する。
【0022】
5個の分類番号ボタン25には、具体的な作業の名称は付されておらず、相互に異なる符号、例えば、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」の番号が付されている。観測者が5個の分類番号ボタン25のうち1個の分類番号ボタン25を押圧すると、その分類番号ボタン25に付された番号が処理部12に入力される。このように、タッチパネルディスプレイ3における分類番号ボタン25が表示された領域は、特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、この一の符号が入力される符号入力手段として機能する。なお、分類番号ボタン25の数は5個に限定されず、4個以下又は6個以上であってもよい。また、符号は番号(数字)に限定されず、例えば、アルファベット、平仮名又は片仮名等であってもよい。
【0023】
スタートボタン23、時刻表示領域24、5個の分類番号ボタン25が配列された列の上には、作業履歴リスト26が表示されている。作業履歴リスト26には、直近に記録された例えば3つの作業項目について、チェックボックス、作業ボタン22によって入力された作業項目、分類ボタン25によって入力された番号、作業ボタン22又はスタートボタン23によって入力された作業開始時刻、後述するコメントボタン30によって入力されたコメント番号が表示される。作業履歴リスト26においては、1つの作業項目が1行に表示されており、全体で3行の表示がされている。そして、例えば下段の行に表示された作業項目ほど、新しい項目となっている。図1に示す例では、最も新たに観測された作業は、作業項目が「捜し」、番号が「1」、作業開始時刻が「20:56:15」(20時56分15秒)、コメントはなし、であることが示されている。なお、作業履歴リスト26に表示する作業の数は3つに限定されず、2つ以下又は4つ以上であってもよい。
【0024】
作業履歴リスト26の右側には、2個の作業者ボタン27が上下に配列されている。各作業者ボタン27には「A」又は「B」の符号が付されており、2人の作業者を表している。2個の作業者ボタン27は、押圧されることによりいずれか一方が選択され、処理部12に入力される。選択されている方の作業者ボタン27には、「*」印も併せて表示される。
【0025】
更にまた、作業履歴リスト26及び作業者ボタン27の1段上には、向かって左側から順に、ストップボタン28、削除ボタン29、コメントボタン30、コメント番号表示領域31、終了ボタン32が一列に配列されている。
【0026】
ストップボタン28は、操作された時刻をそのとき選択されている作業項目の終了時刻として入力する終了時刻入力手段である。すなわち、観測者がストップボタン28を押圧すると、処理部12は、その時刻をそのとき観測中であった作業の終了時刻として認識する。また、観測者が削除ボタン29を押圧すると、一旦入力した作業項目が削除される。
【0027】
更に、コメント番号表示領域31には、コメント番号が表示される。コメントボタン30は、操作されることにより、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号をその直前に作業ボタン22によって入力された作業項目と関連付ける。コメント番号は、観測開始時には「1」となっている。そして、観測者がコメントボタン30を押圧すると、このコメント番号「1」がそのとき観測中であった作業項目と関連付けられる。このとき、処理手段12は、このコメント番号「1」をこの作業項目と関連付けて記録媒体Mに記録すると共に、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号を更新する。更新は例えばカウントアップによって行い、コメント番号は「1」から「2」に繰り上げられる。以後、コメントボタン30が押圧される度に、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号がそのとき観測中であった作業と関連付けて記録され、その後、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号が1つずつ繰り上がる。更にまた、観測者が終了ボタン32を押圧すると、作業の観測が終了する。更にまた、終了ボタン32上の領域には、現在時刻が表示される。
【0028】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る作業時間記録装置の動作、すなわち、本実施形態に係る作業時間記録方法について説明する。
図3は、本実施形態において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図であり、作業項目及び作業開始時刻の記録方法を示し、
図4は、観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、作業時間記録装置の基本動作を示す。
【0029】
(0)基本動作
最初に、作業時間記録装置1の基本動作について説明する。
先ず、観測を開始する前に、作業内容をある程度予測し、入力用画面21の各作業ボタン22に割り当てる作業の項目を決定しておく。そして、この割り当てを、定義ファイルに記載する。これにより、観測現場における入力操作を簡略化し、作業の開始時刻等を正確に記録することができる。
【0030】
そして、観測現場においては、観測者は、先ずオン/オフスイッチ4を操作することにより、作業時間記録装置1に電源を投入する。これにより、処理部12がメモリ11に格納されたプログラムを実行し、表示部15に入力用画面21を表示させると共に、接触式入力部14を起動する。この結果、タッチパネルディスプレイ3が操作可能な状態となる。このとき、入力用画面21における作業ボタン22には、定義ファイルに記録されている作業の名称が表示される。
【0031】
そして、処理部12は、上述のプログラムを更に実行することにより、以下のように処理を進める。すなわち、図3のステップS101に示すように、スタートボタン23が押されたか否かを示すフラグ変数「start_flag」として「FALSE」をメモリ11に格納する。次に、ステップS102に進み、終了ボタン32が押されていなければステップS103に進み、スタートボタン23が押されていなければステップS105に進み、作業ボタン22が押されていなければステップS102に戻る。以後、これらのボタンのいずれかが押されるまで、ステップS102、ステップS103、ステップS105からなるループを巡回し続ける。
【0032】
一方、観測者は、2個の作業者ボタン27のうちいずれかを押圧して、観測対象とする作業者を選択する。作業者ボタン27は、一度操作されると、次に作業者ボタン27が操作されるまでは選択内容が保持されるため、1人の作業者を続けて観測する場合には、作業項目等の記録の度に作業者ボタン27を押し直す必要はない。
【0033】
そして、図1〜図4に示すように、作業者が何かの作業を開始したら、観測者は、この作業の項目名が付されている作業ボタン22を押圧する。例えば、作業者が装置の段取りを開始したら、「段取り」の文字が付された作業ボタン22を押圧する。このとき、押圧された作業ボタン22には、それが選択されていることを示す符号、例えば、「●」が表示される。
【0034】
これにより、処理部12は、図2に示すステップS105からステップS106に進み、作業項目を表す作業番号「work_no」として、押圧された作業ボタン22の番号「getButtonNo( )」をメモリ11に格納する。そして、ステップS107に進み、フラグ変数「start_flag」として「TRUE」が格納されていなければ、ステップS108に進み、時計13を参照して現在の時刻を表すデータ「getTime( )」を取得し、作業の開始時刻「start_time」として「getTime( )」をメモリ11に格納する。そして、ステップS109に進み、作業項目を表す作業番号「work_no」及び作業開始時刻「start_time」を記録媒体Mに記録する。なお、このとき、作業者の番号も記録する。その後、ステップS101に戻る。
【0035】
続いて、同じ作業者が次の作業、例えば、測定を開始したら、この作業に該当する作業ボタン22、すなわち、「測定」の文字が付された作業ボタン22を押圧する。これにより、上述の動作と同様な動作により、この作業の項目及び開始時刻が記録される。この場合は、この「測定」の開始時刻が1つ前の「段取り」の終了時刻となる。そして、このようなデータの記録を、観測対象の作業者が一連の作業を終えるまで、繰り返し行う。このとき、記録されたデータのうち、直近に記録した3つまでの項目のデータが、作業履歴リスト26に表示される。
【0036】
作業者が一連の作業を終了したら、観測者は終了ボタン32を押圧する。これにより、最後の作業項目の終了時刻が記録され、一連のデータの記録が終了する。そして、オン/オフスイッチ4を操作することにより、作業時間記録装置1の電源をオフにする。その後、必要に応じて、記録媒体Mをスロット5から取り出すことにより、記録されたデータを作業時間記録装置1の外部に持ち出すことができる。例えば、外部のコンピュータにデータを移転することができる。この結果、このコンピュータを使用して、IE手法の一つである作業時間分析を実施することができる。
【0037】
次に、上述の基本動作から外れる不規則動作について説明する。
図5は、観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、作業開始時点で観測者が作業項目を判断できない場合の動作を示し、
図6は、観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、観測開始後に作業項目をサブ項目に分類する場合の動作を示し、
図7は、本実施形態において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図であり、サブ項目への分類方法を示し、
図8は、観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、ある作業が終了した後、次の作業を開始するまでに時間差がある場合の動作を示し、
図9は、観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、1台の作業時間記録装置で2人の作業者を観測する場合の動作を示す。
【0038】
(1)作業開始時点で観測者が作業項目を判断できない場合
先ず、作業者が作業を開始した時点で、観測者に作業項目がわからない場合の動作について説明する。例えば、作業者が歩き出した場合、これから荷物の「運搬」を開始するのか、単に他の場所に移動するための「歩行」なのか、その時点では観測者が判断できないことがある。
【0039】
このような場合、図1及び図5に示すように、観測者は、作業者が歩き出した時点で、とりあえずスタートボタン23を押圧する。そうすると、処理部12の処理は、図3のステップS103からステップS104に進み、時計13を参照して、作業の開始時刻「start_time」として現在時刻「getTime( )」をメモリ11に格納すると共に、フラグ変数「start_flag」として「TRUE」をメモリ11に格納する。そして、ステップS102に戻る。これにより、作業項目は保留とされたまま、作業開始時刻のみが入力される。
【0040】
そして、図5に示すように、作業者の作業が進み、作業項目が判明した時点で、該当する作業項目の作業ボタン22、例えば、「運搬」が付された作業ボタン22を押圧する。これにより、ステップS105からステップS106に進み、作業番号「work_no」として押圧された作業ボタン22の番号「getButtonNo( )」をメモリ11に格納する。そして、ステップS107に進み、ステップS108をスキップしてステップS109に進み、作業項目を示す作業番号「work_no」及び作業開始時刻「start_time」を、相互に関連付けて記録媒体Mに記録する。その後、ステップS101に戻る。
【0041】
このように、処理部12は、作業ボタン22が押圧されて作業の項目が入力されたときに、スタートボタン23が未だ押圧されていなければ、作業の項目が入力された時刻をその開始時刻として記録し、作業の項目が入力されたときに、スタートボタン23が既に押圧されていれば、スタートボタン23が押圧された時刻を開始時刻として記録する。これにより、作業開始時刻と作業項目とが関連付けられて記録される。この結果、作業開始時に作業項目がわからない場合でも正確なデータを記録することができる。
【0042】
(2)観測開始後に作業項目をより細かく分類して記録する必要が生じた場合
次に、観測開始後に、事前に予想して作業ボタン22に割り当てた作業項目よりもさらに細かく分類して記録したほうがよいことが判明した場合の動作について説明する。例えば、事前の検討において、一連の作業の中に段取り作業があることを予想して、1つの作業ボタン22に「段取り」の項目を割り当てたとする。しかし、実際に観測を始めてみると、旋盤の段取り作業とプレス装置の段取り作業とでは作業内容が大きく異なるため、分類して記録する方が妥当であることが判明することがある。
【0043】
このような場合、観測者は、図6に示すように、先ず「段取り」の文字が表示された作業ボタン22を押圧する。これにより、複数の作業ボタン22に割り当てられた項目、すなわち、特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から、一の項目が選択されることにより、この一の項目が入力される。
【0044】
この結果、図7に示すように、処理部12の処理は、終了ボタン32が押されていなければ、処理部12はステップS201からステップS202及びS204を経由してステップS205に進み、作業番号「work_no」として押圧された作業ボタン22の番号「getButtonNo( )」をメモリ11に格納すると共に、サブ項目を示す作業分類番号「sub_work_no」として「1」をメモリ11に格納する。また、時計13を参照して、作業の開始時刻「start_time」として現在の時刻「getTime( )」をメモリ11及び記録媒体Mに格納する。そして、作業項目を示す作業番号「work_no」、サブ項目を示す作業分類番号「sub_work_no」、作業開始時刻「start_time」を、相互に関連付けて記録媒体Mに記録する。なお、このとき、作業者の番号も記録する。その後、ステップS201に戻る。
【0045】
次に、観測者は、図6に示すように、「1」から「5」までの番号が付された分類番号ボタン25のうちの1つを押圧する。このとき、観測者はその場で、サブ項目ごとに分類番号ボタン25の番号を割り当てる。例えば、「旋盤の段取り」には番号「1」を割り当て、「プレス装置の段取り」には番号「2」を割り当てる。そして、例えば、作業者がプレス装置の段取りを開始した場合には、番号「2」が付された分類番号ボタン25を押圧する。これにより、特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択され、この一の符号が入力される。
【0046】
この結果、処理部12の処理はステップS202からステップS203に進み、サブ項目を示す作業分類番号「sub_work_no」として、押された分類番号ボタン25に付された番号「getSubButtonNo( )」をメモリ11及び記録媒体Mに格納することにより、記録されている作業分類番号「sub_work_no」を更新する。これにより、サブ項目を示す作業分類番号「sub_work_no」を、作業項目を示す作業番号「work_no」と関連付けて記録する。この結果、作業項目をより細かいサブ項目に分類して記録することができる。サブ項目の番号は、作業履歴リスト26に表示される。例えば、図1に示すように、作業項目「段取り」の行に、「2」と表示される。
【0047】
なお、サブ項目に分類する必要がない場合は、観測者は、該当する作業ボタン22を押圧した後、分類番号ボタン25を押圧しない。これにより、サブ項目を示す作業分類番号「sub_work_no」は、自動的に「1」となる。
【0048】
(3)記録した内容にコメントを付ける場合
次に、記録内容にコメントを付ける場合の動作について説明する。例えば、「測定」作業中に何らかのトラブルが発生し、通常よりも時間がかかってしまった場合に、その旨をコメントとして記録しておきたいことがある。このような場合、コメントそのものは、入力操作のスピード及び柔軟性を考慮して、作業時間記録装置1とは別に用意したメモ用紙等に手書きで記載する。なお、作業時間記録装置1のタッチパネルディスプレイ3にキーボード等を表示して、コメントそのものを装置1に直接入力することも考えられるが、そうすると、入力操作がかえって煩雑になってしまう。
【0049】
但し、このとき、このコメントに、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号(例えば「1」)を書き添えておく。そして、観測者は、装置1のコメントボタン30を押圧する。これにより、コメント番号表示領域31に表示されていたコメント番号「1」が、そのとき観測中であった作業項目「測定」と関連付けて記録されると共に、作業履歴リスト26に表示される。例えば、図1に示すように、作業項目「測定」の行における最も右側の列に、「1」と表示される。一方、コメント番号表示領域31に表示されているコメント番号は、「2」に繰り上がる。
【0050】
以後、コメントボタン30を押圧するごとに、そのとき観測中であった作業に関連付けてコメント番号が記録され、一方、コメント番号表示領域31に表示されるコメント番号は1つずつ繰り上がる。これに対して、観測中にコメントボタン30を押圧しなければ、その作業項目にはコメント番号が付されず、作業履歴リスト26におけるコメント番号の欄は空欄のままとなる。なお、コメント番号の更新は上述のカウントアップには限定されず、他の規則に従って更新されてもよい。
【0051】
(4)作業の終了時刻を明示的に記録する場合
次に、次の作業の開始時刻とは別に、現在の作業の終了時刻のみを独立して記録する場合の動作について説明する。上述の基本動作において説明したとおり、通常は、新たな作業の開始時刻がその前の作業の終了時刻であるため、新たに開始した作業項目を示す作業ボタン22を押圧した時刻を、その直前まで実施していた作業項目の終了時刻として問題はない。しかし、例外的に、作業者が1つの作業を終了した後に休憩等により作業を中断する場合があり、この場合、観測者は、新たな作業項目に該当する作業ボタン22を押圧することができない。
【0052】
そこで、このような場合には、図8に示すように、観測者はストップボタン28を押圧する。これにより、ストップボタン28を押圧した時刻が、そのとき観測中であった作業項目、例えば、「調整」の終了時刻として入力され、記録される。そして、作業者が新たな作業、例えば、組立て作業を開始したときに、観測者は、「組立て」を示す作業ボタン22を押圧する。これにより、作業項目「組立て」とその開始時刻が記録される。このとき、作業履歴リスト26における「調整」の行と「組立て」の行との間の行には、例えば「−stop−」と表示される。
【0053】
(5)一旦入力したデータを修正又は削除する場合
次に、観測者が入力したデータを修正等する場合の動作について説明する。観測者が誤ってデータを入力してしまった場合、そのデータはその場で修正しておくことが好ましい。時間が経つと記憶が曖昧になるし、後で正確に思い出せるようなメモをとるのは難しいからである。
【0054】
この場合、観測者は、作業履歴リスト26のうち、修正・削除したい項目のチャックボックスを押圧する。これにより、そのチェックボックスに、チェックされたことを表す記号、例えば、「レ」が表示される。そして、作業項目を修正したい場合には、正しい作業ボタン22を押圧する。これにより、作業項目が修正される。また、サブ項目を修正したい場合には、正しい分類番号ボタン25を押圧する。これにより、分類番号が修正される。更に、その項目自体を削除したい場合には、削除ボタン29を押圧する。これにより、チェックされた項目が削除される。
【0055】
(6)1台の作業時間記録装置で2人の作業者を観測する場合
次に、1人の観測者が1台の作業時間記録装置を用いて2人の作業者を観測する場合の動作について説明する。この場合は、作業ボタン22又はスタートボタン23を押す前に作業者ボタン27を押して、その作業を行う作業者を選択する。このとき、入力用画面21は、作業者ごとに独立して作成される。そして、作業者ボタン27を押して作業者を選択することにより、選択された作業者用の入力用画面21が表示される。
【0056】
例えば、図9に示すように、作業者Aが「運搬」、「取り付け」、「記入」をこの順に行い、これと並行して、作業者Bが「捜し」、「用談」をこの順に行う場合には、観測者は以下のように装置1を操作する。先ず、作業者Aが運搬を開始したときに、観測者は、「A」の作業者ボタン27を押圧する。この結果、タッチパネルディスプレイ3に作業者A用の入力用画面21が表示され、「A」の作業者ボタン27に「*」印が付される。これにより、作業者Aに関するデータが入力可能となる。次いで、観測者は、「運搬」を示す作業ボタン22を押圧する。これにより、作業者A、作業項目「運搬」及びその開始時刻が相互に関連付けられて記録される。
【0057】
次に、作業者Bが道具を捜し始めたときは、観測者は、「B」の作業者ボタン27を押圧する。これにより、タッチパネルディスプレイ3が作業者B用の入力用画面21に切り替わり、「B」の作業者ボタン27に「*」印が表示される。この状態で、作業者Bに関するデータが入力可能となる。そして、観測者は、「捜し」を示す作業ボタン22を押圧する。これにより、作業者B、作業項目「捜し」及びその開始時刻が相互に関連付けられて記録される。
【0058】
次に、作業者Aが運搬を終了して取り付けを開始したときは、観測者は、「A」の作業者ボタン27を押圧した上で、「取り付け」を示す作業ボタン22を押圧する。これにより、「運搬」の終了時刻及び「取り付け」の開始時刻が同時刻として記録される。次に、作業者Aが取り付けを終了して記入を開始したときは、観測者は、「記入」を示す作業ボタン22を押圧する。なお、このとき、作業者としては「A」が選択されているため、「A」の作業者ボタン27を改めて押圧する必要はない。そして、作業者Bが道具を捜し終えて用談を始めたときは、観測者は、「B」の作業者ボタン27を押圧した上で、「用談」を示す作業ボタン22を押圧する。
【0059】
このようにして、1人の観測者が1台の装置1を使用して2人の作業者を観測し、図9に示すようなデータを記録することができる。なお、作業者ボタン27を3個以上設ければ、1台の装置1で3人以上の作業者を観測することも可能である。
【0060】
以上の動作を組み合わせることにより、観測者は携帯用電子装置である作業時間記録装置1を使用して、作業者を観測し、作業内容を記録することができる。なお、説明の便宜上、上述の基本動作(0)、及び不規則動作(1)〜(6)はそれぞれ独立に説明したが、これらの動作は組み合わせて実行可能である。
【0061】
例えば、1人の観測者が1台の装置1を使用して2人の作業者を観測する場合において、作業者Aが作業を始めた時点で作業の内容が不明であった場合には、「A」の作業者ボタン27を押圧した後、スタートボタン23を押圧する。そして、作業の内容が判明した時点で該当する作業ボタン22を押圧する。また、この作業項目をサブ項目に分類する必要が生じた場合には、適当な分類番号ボタン25を押圧する。更に、この作業項目についてコメントを付する場合には、メモ用紙等に手書きでコメントを記入すると共に、装置1のコメントボタン30を押圧する。更にまた、この項目について修正が必要になった場合には、作業履歴リスト26における該当するチェックボックスをチェックした上で、必要な修正を行う。
【0062】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態によれば、上記(1)で説明したように、入力用画面21にスタートボタン23を設けることにより、作業者が作業を始めた時点で観測者に作業の内容が不明である場合には、とりあえずスタートボタン23を押して作業開始時刻を入力し、作業の内容が判明してから作業ボタン22を押して作業項目を入力することができる。このように、作業開始時刻と作業項目とを相互に独立して入力し、且つ、相互に関連付けて記録することにより、作業開始時刻及び作業項目をそれぞれ正確に記録することができる。
【0063】
また、上記(2)で説明したように、入力用画面21に、作業内容のサブ項目を示すボタンとして、特定の作業内容と関連付けられておらず、符号、例えば「1」〜「5」の番号のみによって区別された複数の分類番号ボタン25を設け、作業ボタン22によって入力された作業項目と分類番号ボタン25によって入力された符号とを相互に関連付けて記録することにより、観測中に事前に予測した作業項目よりも細かく分類してデータを記録する必要が生じた場合でも、その場で柔軟に対応することができる。
【0064】
更に、上記(3)で説明したように、入力用画面21にコメントボタン30及びコメント番号表示領域31を設けることにより、メモ用紙等に記入したコメントとそれに対応する作業項目との関連を記録しておくことができる。これにより、観測終了後に、メモ用等紙に記入したコメントと作業項目とを容易に対応させることができる。この結果、観測者は、そのコメントと作業項目との関連までもメモ用紙に書き込む必要がなく、また、観測と作業時間分析との間で時間があき、観測者の記憶が曖昧になってしまった場合でも、データの正確性を確保することができる。更に、コメント番号は自動的に更新されるようになっているため、誤って同じコメント番号を重複して使用することがない。
【0065】
更にまた、上記(4)で説明したように、入力用画面21にストップボタン28を設けることにより、作業の終了時刻を次の作業の開始時刻から独立して記録することができる。この結果、作業の間に中断時間を挟む場合にも、正確に記録することができる。
【0066】
更にまた、上記(5)で説明したように、入力用画面21に作業履歴リスト26を表示することにより、入力したデータの内容を容易に確認することができ、データを誤って入力した場合に、そのことに気づきやすい。また、作業履歴リスト26内に項目毎にチェックボックスを設け、チェックボックスをチェックした項目については修正又は削除できるようになっているため、誤って入力したデータをその場で修正することができる。
【0067】
更にまた、上記(6)で説明したように、入力用画面21に複数個の作業者ボタン27を設けることにより、1台の装置で複数人の作業者の観測を行うことができる。
【0068】
このように、本実施形態によれば、作業時間記録装置1に上述のような機能を設けることにより、観測現場における柔軟性を高めることができる。この結果、観測者の負荷を軽減し、正確なデータを容易且つ効率的に記録することができる。
【0069】
次に、本実施形態の比較例について説明する。
本比較例に係る作業時間記録装置においては、タッチパネルディスプレイに複数個の作業ボタン及び終了ボタンのみが設けられている。
図10は、本比較例において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図である。
【0070】
図10に示すように、本比較例に係る作業時間記録装置においては、作業ボタンが押圧されると、処理手段の処理がステップS302からステップS303に進み、作業番号「work_no」として押圧された作業ボタンの番号「getButtonNo( )」を格納すると共に、作業の開始時刻「start_time」として現在の時刻「getTime( )」を格納する。次に、作業項目を示す作業番号「work_no」及び作業開始時刻「start_time」を記録する。その後、ステップS101に戻る。そして、終了ボタンが押されると、終了する。
【0071】
本比較例においては、作業項目及びその開始時刻は記録できるものの、上記(1)〜(6)で説明したような不規則動作はできない。このため、上記(1)〜(6)で説明したような状況が発生した場合には、観測者が記憶若しくはメモ用紙等に記入しておき、観測終了後に事後的にデータを修正するか、又は、観測を一旦中止し、プログラム又は定義ファイルを実際の作業内容に適合するように修正してから、改めて観測を再開する必要がある。この結果、観測者に負荷がかかると共にデータが不正確になり、又は、観測の効率が著しく低下してしまう。
【0072】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更、又は、工程の追加、省略、条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。例えば、前述の実施形態においては、作業時間記録装置1にスロット5を設け、スロット5に記録媒体Mを装着する例を示したが、本発明はこれに限定されず、装置1にはスロット5及び記録媒体Mを設けず、データは全てメモリ11に記録するようにしてもよい。この場合、装置1に外部接続端子を設け、ケーブル等を介して外部のコンピュータ等とデータのやりとりをしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る作業時間記録装置を例示する斜視図である。
【図2】本実施形態に係る作業時間記録装置を例示するブロック図である。
【図3】本実施形態において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図であり、作業項目及び作業開始時刻の記録方法を示す。
【図4】観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、作業時間記録装置の基本動作を示す。
【図5】観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、作業開始時点で観測者が作業項目を判断できない場合の動作を示す。
【図6】観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、観測開始後に作業項目をサブ項目に分類する場合の動作を示す。
【図7】本実施形態において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図であり、サブ項目への分類方法を示す。
【図8】観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、ある作業が終了した後、次の作業を開始するまでに時間差がある場合の動作を示す。
【図9】観測者が作業時間記録装置に対して行う操作と記録されるデータとの関係を時系列的に例示したタイミングチャート図であり、1台の作業時間記録装置で2人の作業者を観測する場合の動作を示す。
【図10】本実施形態の比較例において処理手段が実行するプログラムを例示するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0074】
1 作業時間記録装置、2 筐体、3 タッチパネルディスプレイ、4 オン/オフスイッチ、5 スロット、11 メモリ、12 処理部、13 時計、14 接触式入力部、15 表示部、21 入力用画面、22 作業ボタン、23 スタートボタン、24 時刻表示領域、25 分類番号ボタン、26 作業履歴リスト、27 作業者ボタン、28 ストップボタン、29 削除ボタン、30 コメントボタン、31 コメント番号表示領域、32 終了ボタン、M 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置であって、
操作された時刻を入力するスタート手段と、
前記作業の項目を入力する項目入力手段と、
入力された前記作業の項目及び前記開始時刻を相互に関連付けて記録する処理手段と、
を備え、
前記処理手段は、
前記スタート手段が操作されることなく、前記作業の項目が入力されたときは、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、
前記スタート手段が操作された後に、前記作業の項目が入力されたときは、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録する
ことを特徴とする作業時間記録装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記開始時刻を前記作業の項目と関連付けて記録する際に、前記開始時刻を1つ前に記録された作業の項目の終了時刻としても記録することを特徴とする請求項1記載の作業時間記録装置。
【請求項3】
作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録装置であって、
特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される項目入力手段と、
特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される符号入力手段と、
入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する処理手段と、
を備えたことを特徴とする作業時間記録装置。
【請求項4】
コメント番号を表示するコメント番号表示手段と、
操作されることにより、前記表示されているコメント番号をその直前に入力された前記項目と関連付けて入力するコメント番号入力手段と、
をさらに備え、
前記処理手段は、入力された前記コメント番号を前記直前に入力された項目と関連付けて記録すると共に、前記表示されているコメント番号を更新することを特徴とする請求項1または3に記載の作業時間記録装置。
【請求項5】
操作された時刻を前記終了時刻として入力する終了時刻入力手段をさらに備え、
前記処理手段は、入力された前記終了時刻をその直前に入力された前記項目と関連付けて記録することを特徴とする請求項1または3に記載の作業時間記録装置。
【請求項6】
携帯用電子装置が、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録方法であって、
前記作業の項目が入力される工程と、
前記作業の項目が入力されたときに、前記携帯用電子装置に設けられ、操作された時刻を入力するスタート手段が未だ操作されていなければ、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、前記作業の項目が入力されたときに、前記スタート手段が既に操作されていれば、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録する工程と、
を備えたことを特徴とする作業時間記録方法。
【請求項7】
携帯用電子装置が、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録する作業時間記録方法であって、
特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される工程と、
特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される工程と、
入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する工程と、
を備えたことを特徴とする作業時間記録方法。
【請求項8】
携帯用電子装置に、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録させる作業時間記録プログラムであって、
前記携帯用電子装置に、
前記作業の項目が入力される手順と、
前記作業の項目が入力されたときに、前記携帯用電子装置に設けられ、操作された時刻を入力するスタート手段が未だ操作されていなければ、前記項目が入力された時刻を前記開始時刻として記録し、前記作業の項目が入力されたときに、前記スタート手段が既に操作されていれば、前記スタート手段が操作された時刻を前記開始時刻として記録する手順と、
を実行させることを特徴とする作業時間記録プログラム。
【請求項9】
携帯用電子装置に、作業者が行う作業の項目並びにその開始時刻及び終了時刻を記録させる作業時間記録プログラムであって、
前記携帯用電子装置に、
特定の作業内容と関連付けられた複数の項目から一の項目が選択されることにより、前記一の項目が入力される手順と、
特定の作業内容と関連付けられていない複数の符号から一の符号が選択されることにより、前記一の符号が入力される手順と、
入力された前記一の項目及び前記一の符号を相互に関連付けて記録する手順と、
を実行させることを特徴とする作業時間記録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−187417(P2009−187417A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28405(P2008−28405)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】