説明

作業時間集計システムおよび作業時間集計方法

【課題】スケジュールシステムと連繋して作業者の作業内容毎に作業時間を集計できるようにする。
【解決手段】作業者が使用するクライアントPC10a〜10cの稼動状況を監視するWEBサーバ11と、このWEBサーバ11にアクセスして登録された作業時間の確認/管理などを行うWEBアクセス用PC12と、作業者毎のスケジュールを管理するスケジュール管理データベースサーバ13と、WEBサーバ11で集計した作業時間を記憶するデータベースサーバ14とを備え、WEBサーバ11は、クライアントPC10a〜10cの稼働時間を収集し、その稼働時間からスケジュール管理データベースサーバ13に登録されたスケジュールに従って作業内容毎の作業時間を抽出し、この各作業者毎の総作業時間をデータとしてデータベースサーバ14に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業時間数に乗じた金額が請求可能な受任作業に対し、その受任作業に携わる作業者全ての作業時間を作業者毎に集計する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスワークでPCを利用するケースが多く、PCの稼動時間から作業時間数を集計する技術が知られている。例えば、特許文献1には、監視する機器としてクライアントPCの操作状態および非操作状態を計測する機器操作計測部と、非操作状態における労働内容である非操作労働内容を問い合わせるかどうかを決定する労働内容問い合わせ決定部と、労働内容問い合わせ決定部の決定に応じて、機器の表示装置に非操作労働内容の問い合わせを表示させ、労働者からの入力を労働内容として書き込むための問い合わせ部とを備え、機器操作計測部によって、クライアントPCの電源を入れた時点からクライアントPCの稼動時間を計測し、クライアントPCが操作状態から非操作状態に遷移してスクリーンセーバー(スタンバイモード)が起動してからの非操作時間を計測し、予め設定した非操作時間になると、作業者のクライアントPCに対して、労働内容を問い合わせるメッセージを出力し、その問い合わせに対し作業者が入力した内容を労働内容として記憶する労働記録装置が開示されている。
【0003】
特許文献1で示す労働記録装置は、勤務時間内においてクライアントPCでスクリーンセーバーが起動している状態、すなわち、非操作状態の時間帯において、作業者がどのような作業をしているかを問い合せて作業者に入力させることによって、非操作期間における労働内容について収集するものであって、収集された労働内容は、管理者が労働者へ時間ベースの賃金を支払う際の基礎データやプロジェクトの完了時期を予測するなど労働者の生産性を計測するための基礎データなどとして利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−27283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、業種によって作業時間に乗じて報酬料金を請求する場合があり、このような場合、作業時間に乗じて報酬料金を請求する作業についてのみ作業時間をカウントすることが望ましい。しかし、報酬料金として請求する作業は、クライアントPCを操作して行う作業ばかりでなく、例えば開発のための会議や場合によってメンテナンス作業も含まれる。さらに、受任した一つの作業に対して複数人で分担して受け持つ場合もあるから、単にクライアントPCの稼動時間のみを抽出して作業時間を収集する特許文献1の技術では、同じクライアントPCで作業を行う場合、報酬料金として請求する作業と、報酬料金として請求しない作業あるいは報酬料金として請求する作業が複数ある場合とで作業を区別することができないとともに、クライアントPCを使用しない作業では、作業時間として集計することができない。したがって、作業時間に乗じて報酬料金を請求する場合などにおいては、作業者は報酬料金を請求する作業時間を手作業で入力する必要があるばかりでなく、複数人で作業を分担する場合、各人の作業時間を集計するなど、極めて煩わしい手間が係り、非効率的であった。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、作業時間数に乗じた金額が請求可能な受任作業に対し、その受任作業に携わる作業者全ての作業時間を作業内容毎に簡単に集計することができる作業時間集計システムおよび作業時間集計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の作業時間集計システムは、作業時間数に乗じた金額が請求可能な受任作業に対してそれぞれ個別の実費用請求IDを付与するとともに、その受任作業に費やす総作業時間を作業者毎に集計する作業時間集計システムであって、前記実費用請求ID及び作業者毎に作業者のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、前記受任作業で使用する監視対象機器の稼動状況を監視し、当該管理対象機器の稼働時間を収集するとともに、この収集した稼働時間を前記スケジュール管理手段に登録されたスケジュールに従って作業時間を抽出する稼動監視手段と、この稼動監視手段で抽出した各作業者毎の総作業時間をデータとして記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の構成によれば、スケジュール管理手段は実費用請求IDが付与された受任作業に対して作業者毎にスケジュールを管理する。稼動監視手段は、受任作業で使用する監視対象機器の稼動状況を監視し、その稼働時間を収集するとともに、前記スケジュール管理手段に登録されたスケジュールに従って実費用請求IDが付与された受任作業毎に各作業者の作業時間を集計し、この集計した各作業者毎の作業時間を記憶手段に記憶する。
【0009】
請求項2の作業時間集計システムは、前記稼動監視手段で集計した稼動時間に対する作業内容及び作業時間の編集作業が可能な編集手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の構成によれば、作業者が作業を終了した段階などにおいて、稼動監視手段で集計した作業時間を確認し、必要に応じて稼動監視手段で集計した稼動時間に対して作業内容及び作業時間の編集を実施することで、実作業に即した作業時間として抽出される。
【0011】
請求項3の作業時間集計システムは、前記作業時間集計システムと連携して前記記憶手段から出力されるデータに基づいて原価を計算する原価システムを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の構成によれば、記憶手段に記憶される作業者毎の作業時間数に基づいて作業者の単価と作業時間数により原価が計算される。
【0013】
請求項4の作業時間集計方法は、作業時間数に乗じた金額を請求可能な受任作業に対してそれぞれ個別の実費用請求IDを付与するとともに、その受任作業に費やす総作業時間を作業者毎に集計処理するための作業時間集計方法であって、前記実費用請求ID及び作業者毎に作業者のスケジュールを管理するスケジュールシステムと、前記受任作業で使用するクライアントPCの稼動状況を監視するWEBサーバと、各作業者毎の総作業時間を記憶するデータベースサーバとを備え、前記WEBサーバが、各クライアントPCが操作状態の稼動モードか非操作状態のスタンバイモードかを判定して稼動モードでの操作時間とスタンバイモードでの非操作時間を集計するステップと、前記WEBサーバが、前記集計するステップの集計結果に基づいて前記スケジュールシステムで設定された作業内容毎の作業時間を抽出するステップと、前記WEBサーバが抽出した作業内容毎の作業時間を前記データベースサーバに出力するステップとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の構成によれば、WEBサーバが、クライアントPCが操作状態の稼動モードか非操作状態のスタンバイモードかを判定して稼動モードでの操作時間とスタンバイモードでの非操作時間を集計し、この集計結果に基づいて前記スケジュールシステムで設定された作業内容毎の作業時間を抽出してデータベースサーバに出力する。
【0015】
請求項5の作業時間集計方法は、前記WEBサーバにアクセス可能なWEBアクセス用PCを備え、WEBアクセス用PCが前記WEBサーバで集計した作業時間を編集処理するための作業時間集計方法であって、前記WEBアクセス用PCは、前記WEBサーバで集計した作業内容毎の作業時間が表示可能であるとともに、その表示された作業時間及び/又は作業内容と作業者が実施した実作業とを照らして作業時間又は/及び作業内容を変更する場合、変更に応じて前記WEBサーバで集計した作業内容毎の作業時間を再抽出することを特徴とする。
【0016】
請求項5の構成によれば、WEBアクセス用PCにアクセスしてWEBサーバで集計した作業時間を確認し、実際に実施した作業内容とスケジュール情報とが一致しないあるいは編集が必要な場合、スケジュール情報の作業内容/作業時間を変更あるいは編集することによって、WEBサーバが作業内容毎の作業時間を再抽出し、この再抽出された作業内容毎の作業時間がデータベースサーバに記憶される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、予め設定したスケジュールに基づいて収集した稼働時間から実費用請求IDが付与された受任作業として設定した作業時間を抽出することができる。これにより、例え、機器(クライアントPC)を操作しないような作業を実施していたとしてもスケジュールに従って精度の高い作業時間の集計が可能となる。
【0018】
また、実施した作業内容と照らして集計した作業時間あるいは実施した作業内容の編集が可能であるから、より精度の高い作業時間の集計処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例を示す作業時間集計システムの概略を示すブロック図である。
【図2】同上、管理画面を示す参考図である。
【図3】同上、タイムチャート画面を示す参考図である。
【図4】同上、クライアントPCの作業時間を記録するための処理を示すフローチャートである。
【図5】同上、スケジュール情報を取り込んで作業時間集計システムを実行するための処理を示すフローチャートである。
【図6】同上、作業時間の管理/修正を実行するための処理を示すフローチャートである。
【図7】同上、原価システムを実行するための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1から図7を参照して説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0021】
以下、本実施例における作業時間集計システムについて添付図面を参照して説明する。図1に示すように監視対象である複数台のクライアントPC10a,10b,10c・・(クアントPCの台数は限定しないが具体例として3台のクライアントPC10a,10b,10cを示す)と、この各クライアントPC10a〜10cの稼動状況を監視する監視手段たるWEBサーバ11と、このWEBサーバ11にアクセスして登録された作業時間の確認/管理などを行う編集手段たるWEBアクセス用PC12と、作業者毎のスケジュールを管理する管理手段たるスケジュール管理データベースサーバ13と、前記WEBサーバ11で集計した作業時間を記憶する記憶手段たるデータベースサーバ14と、原価システム15とで構成され、これらクライアントPC10a〜10c、WEBサーバ11、WEBアクセス用PC12、データベースサーバ14、原価システム15はWAN(Wide Area Network)あるいはインターネットなどのネットワークで相互に接続されている。
【0022】
作業者(社員)はそれぞれ個別にIDが付与され、その作業者毎に専用のクライアントPC10a〜10cが割り当てられており、作業者が各クライアントPC10a〜10cの電源をオンすると、各クライアントPC10a〜10cからWEBサーバ11に所定時間毎(例えば1分毎)に稼動信号が出力される。また、各クライアントPC10a〜10cは、非操作時間が例えば10分経過すると、スタンバイモード(一時休止)となるように設定されており、各クライアントPC10a〜10cがスタンバイモードとなってスクリーンセーバーが発生すると、各クライアントPC10a〜10cからスタンバイモード信号がWEBサーバ11に出力され、WEBサーバ11はスクリーンセーバーが発生した時間(非操作時間)と稼動時間(操作時間)とをデータベースサーバ14に記憶する。
【0023】
スケジュール管理データベースサーバ13は各作業者がそれぞれスケジュールを入力して各作業者のスケジュールを管理するスケジュールシステムが格納されている。また、作業者が業務として行う作業のうち、作業時間数に乗じた金額が請求可能な受任作業に対しては実費用請求ID(以下、作番と称す)が付与され、スケジュール管理データベースサーバ13による作業者のスケジュール管理についても作番毎に管理される。また、WEBアクセス用PC12は、WEBサーバ11で集計した作業毎の作業時間の確認・管理及び変更などの編集が可能であるとともに、作番の初期設定について行う。具体例として図2に示すように、WEBアクセス用PC12にアクセスして初期設定画面aを表示させる。
【0024】
初期設定画面aには作番登録b、作番割振c、PC稼動時デフォルト区分d、スクリーンセーバーデフォルト区分e、事業分野f、承認者gなどの項目があり、作業者が必要項目を入力する。作番登録bはWEBサーバ11で作業者の稼動時間を集計する際、抽出する作業時間の作番を登録し、ここで複数の作番を登録した場合、作番割振cにて各作番毎の時間を抽出する際の割合を設定する。PC稼動時デフォルト区分dはPC稼動時の作業内容を設定し、スクリーンセーバーデフォルト区分eはスクリーンセーバー時の作業内容を設定する。また、事業分野fは作業者が所属する部署、承認者gは承認者の氏名を入力する。これにより、各項目に登録された各設定にしたがってWEBサーバ11で作業者の稼動時間を集計する際、作番毎に各作業者の作業時間が抽出される。なお、図3は編集設定画面a1であり、前記初期設定画面aで設定した作業時間や作番を変更する際に入力する作業時間編集h及び作番iなどの項目があり、必要に応じて作業時間編集や作番を変更する際、作業時間編集h及び作番iに表示される作業時間や作番を入力すると、変更した内容に従ってタイムチャートtが表示される。なお、作業時間や作番を変更しない場合、初期設定画面aに入力した各設定に従ってタイムチャートtが表示される。
【0025】
次に図4〜図7のフローチャートを参照して作業時間集計システムを実行する処理について説明する。
【0026】
まず、図4を参照してクライアントPC10a〜10cの作業時間を記録する処理について説明する。WEBサーバ11は、各クライアントPC10a〜10cが起動しているか否かを監視し(ステップS1)、クライアントPC10a〜10cが起動すると(ステップS1にてYes)、各クライアントPC10a〜10cからWEBサーバ11に所定時間毎(例えば1分毎)に稼動信号を出力する(ステップS2)。ここで、各クライアントPC10a〜10cは、予め非操作時間が例えば10分経過するとスクリーンセーバーが動作するように設定されており、WEBサーバ11は、各クライアントPC10a〜10cでスクリーンセーバーが発生するか否かを監視している(ステップS3)。これにより、クライアントPC10a〜10cが操作状態であれば、クライアントPC10a〜10cから1分毎にWEBサーバ11に稼動信号が継続的に出力され(ステップS3にてNo)、前記PC稼動時のデフォルト区分で設定した作業内容の作業時間としてデータベースサーバ14に出力する(ステップS4)。また、クライアントPC10a〜10cの非操作時間が10分経過すると(ステップS3にてYes)、前記スクリーンセーバーのデフォルト区分で設定した作業内容の作業時間としてデータベースサーバ14に出力し(ステップS5)、これらクライアントPC10a〜10cの操作状態と非操作状態での作業時間をデータベースサーバ14に格納する(ステップS6)。
【0027】
次に図5を参照してスケジュール管理データベースサーバ13(スケジュールシステム)からスケジュール情報を取り込んで作業時間集計システムを実行する処理について説明する。WEBサーバ11でクライアントPC10a〜10cが起動しているか否かを監視し(ステップS11)、クライアントPC10a〜10cの稼動情報がないと(ステップS11にてNo)、スケジュール管理データベースサーバ13のスケジュールシステムにアクセス(問い合せ)し(ステップS12)、クライアントPC10a〜10cを使用する作業者のスケジュール情報を検索する(ステップS13)。スケジュール情報があると(ステップS13にてYes)、スケジュール情報に従ってスケジュール管理データベースサーバ13(スケジュールシステム)で設定した作業内容の作業時間をデータベースサーバ14に格納する(ステップS14)。
【0028】
次に図6を参照して収集した作業時間の管理/修正する処理について説明する。作業時間の管理/修正は、作業者が作業終了後、必要に応じて1日単位で実行する。すなわち、1日の作業終了後、スケジュール管理データベースサーバ13にて予め設定した作業内容と実際行った作業内容とが一致しているか否かを確認し、WEBサーバ11で収集した作業時間の変更あるいは作業内容を変更する場合、WEBアクセス用PC12にアクセスし、表示された管理画面a1により行う。すなわち、作業者がWEBアクセス用PC12からWEBサーバ11にアクセスすると、図3に示す管理画面a1が表示される(ステップS21,ステップS22)。ここで、クライアントPC10a〜10cの作業時間自動収集データがあるか否かを検索し(ステップS23)、作業時間自動収集データがある場合(ステップS23にてYes)、管理画面a1にて作業時間自動収集データがタイムチャートtに表示される。作業時間自動収集データがない場合(ステップS23にてNo)、スケジュール管理データベースサーバ13に作業者のスケジュール情報を検索し(ステップS24)、スケジュール情報がある場合(ステップS24にてYes)、管理画面a1にてスケジュール情報がタイムチャートtに表示される。そのタイムチャートtと作業者が実施した作業内容とが一致しているか否かを確認する(ステップS28)。相違していれば作業者が実施した作業内容に従って変更することになる。この場合、WEBアクセス用PC12の管理画面a1にて必要項目を入力し(ステップS29)、作業者が実施した作業時間、および、作業内容を入力する(管理図面a1の作業時間編集h)とともに(例えば直接:通常業務/資料作成等)、作業者が実施した作業内容に従って作番を割り当てる(予め登録した作番を選択、若しくは直接作番を入力する)。一方、作番登録bの項目にて「均等割当」を設定した場合、例えば2つの作番の作業を行った場合、各作番毎に(例えばそれぞれ50%を割り当てる)作業時間の割合を設定する。このように、作業者が作業終了後、WEBアクセス用PC12にアクセスして管理画面a1にてスケジュールの管理/修正すると、WEBサーバ11で収集した各クライアントPC10a〜10cの稼動時間から修正した作業内容に従って作番が付与された作業時間が再抽出され、これがデータベースサーバ14に記憶される(ステップS27)。また、ステップS23にて作業時間自動収集データが無く(ステップS23にてNo)、スケジュール情報も無い場合(ステップS24にてNo)であっても各クライアントPC10a〜10cを使用せず、作番を付与した作業をおこなったのであれば手動で登録する(ステップS25にてYes)。登録は、WEBアクセス用PC12の管理画面a1にて作業時間、および、作業内容を登録する(管理図面a1の作業時間編集h)(例えば直接:通常業務/資料作成等)。また、作番登録bの項目にて「作業毎に選択する」を設定した場合、作業内容について作番を割り当てる。(予め登録した作番を選択、若しくは直接作番を入力する)。一方、作番登録bの項目にて「均等割当」を設定した場合、例えば2つの作番の作業を行った場合、各作番毎に(例えばそれぞれ50%を割り当てる)作業時間の割合を設定する。このように、各クライアントPC10a〜10cを使用しないで作番を付与した作業を行う場合でもあっても、作業内容に従って作業時間がそれぞれ抽出され、これがデータベースサーバ14に記憶される(ステップS27)。
【0029】
次に図7を参照して原価システム15の処理について説明する。データベースサーバ14に記憶されたデータは、月毎に原価システム15に出力される(ステップS30)。この原価システム15に送られるデータは社員毎、作番毎に集計されており、原価システム15はデータベースサーバ14に基づいて作番の原価を計算する。すなわち、データベースサーバ14に例えば社員♯1の作業時間(作番A:a1時間、作番b:b1時間、作番C:c1時間など)と社員♯2の作業時間(作番A:a2時間、作番b:b2時間、作番C:c2時間など)といった作業者毎の作業時間が記憶され、原価システム15によって作番Aの原価=[a1時間]×[社員♯1の単価]+[a2時間]×[社員♯2の単価]+・・・・作番Bの原価=[b1時間]×[社員♯1の単価]+[b2時間]×[社員♯2の単価]+・・・・といった計算処理を行うことによって作番が付与された作業に対する原価を算出する。
【0030】
以上のように、本発明によれば、クライアントPC10a〜10cの電源をオンすると、各クライアントPC10a〜10cからWEBサーバ11に所定時間毎(例えば1分毎)に稼動信号が出力されとともに、各クライアントPC10a〜10cの非操作時間が例えば10分経過してスタンバイモード(一時休止)となってスクリーンセーバーが発生すると、各クライアントPC10a〜10cからWEBサーバ11にスタンバイモード信号がWEBサーバ11に出力され、WEBサーバ11はこれらの各クライアントPC10a〜10cの稼動時間(操作時間)とスクリーンセーバーが発生する一時休止時間(非操作時間)を集計し、これをデータベースサーバ14に記憶する。この時、WEBサーバ11はスケジュール管理データベースサーバ13から作業者(社員)のスケジュール情報を取り込み、そのスケジュール情報に従って、各作業者に割り当てた各クライアントPC10a〜10cの稼動時間(操作時間)と一時休止時間(非操作時間)に設定された作業内容毎に作業時間を集計する。したがって、スケジュールとして作番を付与した作業時間がWEBサーバ11によって抽出され、各作業者(社員)、各作番毎の作業時間が集計される。これにより、例えば、各クライアントPC10a〜10cが一時休止状態あるいは非稼動状態であっても、その時間帯において、作番が付与された作業(例えば、会議やサポート作業など)としてスケジュールに登録しておけば、作番が付与された作業時間として簡単かつ迅速に集計することが可能であるとともに、非操作時間を除いた稼動時間のみを作業時間として集計することが可能となり、精度の高い作業時間の集計が可能となる。また、1日の作業終了後、作業内容の管理/修正あるいは編集が可能であり、スケジュールが急に変更されたとしても簡単に修正することができるとともに、実際に行った作業内容に従って簡単に修正が可能であるから、より正確な作業時間の集計が可能となる。また、データベースサーバ14に記憶されたデータを月毎に原価システム15に出力し、原価システム15によって作業者の単価に応じた原価計算も容易であり、作業効率も向上する。
【0031】
以上、本発明の一実施例について詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、作業時間の確認/管理などを行うWEBアクセス用PC12による編集機能を各クライアントPC10a〜10cあるいはWEBサーバ11に持たせるようにしてもよい。また、管理するクライアントPC10a〜10cの台数も適宜選定すればよい。
【符号の説明】
【0032】
10a〜10c クライアントPC(監視対象機器)
11 WEBサーバ(監視手段)
12 WEBアクセス用PC(編集手段)
13 スケジュール管理データベースサーバ(スケジュール管理手段)
14 データベースサーバ(記憶手段)
15 原価システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業時間数に乗じた金額が請求可能な受任作業に対してそれぞれ個別の実費用請求IDを付与するとともに、その受任作業に費やす総作業時間を作業者毎に集計する作業時間集計システムであって、前記実費用請求ID及び作業者毎に作業者のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、前記受任作業で使用する監視対象機器の稼動状況を監視し、当該管理対象機器の稼働時間を収集するとともに、この収集した稼働時間を前記スケジュール管理手段に登録されたスケジュールに従って作業時間を抽出する稼動監視手段と、この稼動監視手段で抽出した各作業者毎の総作業時間をデータとして記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする作業時間集計システム。
【請求項2】
前記稼動監視手段で集計した稼動時間に対する作業内容及び作業時間の編集作業が可能な編集手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の作業時間集計システム。
【請求項3】
前記作業時間集計システムと連携して前記記憶手段から出力されるデータに基づいて原価を計算する原価システムを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の作業時間集計システム。
【請求項4】
作業時間数に乗じた金額を請求可能な受任作業に対してそれぞれ個別の実費用請求IDを付与するとともに、その受任作業に費やす総作業時間を作業者毎に集計処理するための作業時間集計方法であって、前記実費用請求ID及び作業者毎に作業者のスケジュールを管理するスケジュールシステムと、前記受任作業で使用するクライアントPCの稼動状況を監視するWEBサーバと、各作業者毎の総作業時間を記憶するデータベースサーバとを備え、前記WEBサーバが、各クライアントPCが操作状態の稼動モードか非操作状態のスタンバイモードかを判定して稼動モードでの操作時間とスタンバイモードでの非操作時間を集計するステップと、前記WEBサーバが、前記集計するステップの集計結果に基づいて前記スケジュールシステムで設定された作業内容毎の作業時間を抽出するステップと、前記WEBサーバが抽出した作業内容毎の作業時間を前記データベースサーバに出力するステップとを備えたことを特徴とする作業時間集計方法。
【請求項5】
前記WEBサーバにアクセス可能なWEBアクセス用PCを備え、WEBアクセス用PCが前記WEBサーバで集計した作業時間を編集処理するための作業時間集計方法であって、前記WEBアクセス用PCは、前記WEBサーバで集計した作業内容毎の作業時間が表示可能であるとともに、その表示された作業時間及び/又は作業内容と作業者が実施した実作業とを照らして作業時間又は/及び作業内容を変更する場合、変更に応じて前記WEBサーバで集計した作業内容毎の作業時間を再抽出することを特徴とする請求項4記載の作業時間集計方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate