作業機械の折り畳み手摺り装置
【課題】作業機械の建屋屋根に設置した折り畳み手摺り装置を折り畳んでも、オペレータが建屋屋根から転落を防止する安全帯を係止可能とする。
【解決手段】折り畳み手摺り装置200は、建屋109Rの屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺り210と、固定手摺り210に回動機構250を介して設置され、建屋109Lの側面に沿った面内109RPでクレーンの前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺り220とを備える。固定手摺り210に安全帯を係止することができる。
【解決手段】折り畳み手摺り装置200は、建屋109Rの屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺り210と、固定手摺り210に回動機構250を介して設置され、建屋109Lの側面に沿った面内109RPでクレーンの前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺り220とを備える。固定手摺り210に安全帯を係止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の折り畳み手摺り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーンの建屋屋根に設けた折り畳み式手摺り装置が開示されている。この手摺り装置は、走行時は全高を低くすべく折り畳まれ、点検作業時には全高を高くするように広げられて作業員の建屋屋根からの転落事故を防止している。
【0003】
特許文献1の手摺り装置は、建屋屋根の側端に沿って立設された固定部材と、固定部材に回動機構を介して設置され、クレーン中央部側に折り畳まれる回動部材とを有する。作業時は建屋屋根の側端に沿って固定部材の上方に回動部材が立設し、輸送時はクレーン中央側に回動部材が折り畳まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−95580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の折り畳み手摺り装置の回動部材は輸送時にクレーン中央側に折り畳まれるので、建屋屋根で作業者が移動することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明は、走行体の上部に設けられた車体に設置された各種装置と、前記各種装置を覆う建屋と、前記建屋の屋根に登るため前記建屋の側面に設けられた梯子とを備えた作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記建屋の屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺りと、前記固定手摺りに回動機構を介して設置され、前記建屋の側面に沿った面内で作業機械の前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺りとを備えたことを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記固定手摺りは、前記建屋の側面に沿った面内において前記建屋の前後方向に所定間隔をあけて立設する複数の固定支柱と、前記固定支柱の上端を連結する水平部材を少なくとも有し、前記回動機構は、前記複数の固定支柱の上部にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記移動手摺りは、前記回動機構に回動可能に連結された複数の回動支柱と、前記複数の回動支柱に取り付けられた安全柵とを有し、前記安全柵は、上部水平部材と、下部水平部材と、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材とを有し、前記安全柵は、その上部水平部材が上部側連結部において前記回動支柱と上部連結機構で連結され、前記下部水平部材が下部側連結部において前記回動支柱と下部連結機構でそれぞれ連結され、前記下部連結機構を取り外し、前記上部側連結部の上部連結機構を回動中心として、前記移動手摺りに対して、前記上部側連結部を中心とする前記作業機械の前後方向への回動力を与えることにより、前記移動手摺りを前記作業姿勢と輸送姿勢との間で回動することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記上部水平部材と前記回動支柱の前記上部側連結部には前記上部連結機構が挿通される上部貫通孔が設けられ、前記下部水平部材と前記回動支柱の前記下部側連結部には前記下部連結機構が挿通される下部貫通孔が設けられ、前記上部水平部材には、前記移動手摺りが前記輸送姿勢にあるときに前記移動手摺りを固定するための固定用貫通孔がさらに設けられ、前記固定用貫通孔は、前記移動手摺りが輸送姿勢にあるとき、前記回動支柱の前記下部貫通孔と対峙し、前記固定用貫通孔と前記回動支柱の前記下部側貫通孔に前記下部連結機構が挿通されて移動手摺りの回動が拘束されることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記複数の回動機構の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺りが作業姿勢まで操作されたとき、それ以上輸送姿勢側とは反対側に回動することを阻止するストッパ機構が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輸送姿勢でも固定手摺りが建屋屋根に立設されているので、安全帯を手摺りに装着することができる。また、輸送姿勢では移動手摺りが作業機械の前後方向に折り畳まれるから、屋根上の移動にも支障がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による折り畳み手摺り装置の一実施の形態を備えたクローラクレーンの側面図
【図2】図1の上面図
【図3】作業姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された右建屋屋根を右斜め上後方から見た斜視図
【図4】図1の折り畳み手摺り装置の正面図
【図5】作業姿勢にある折り畳み装置の固定支柱と回動支柱の側面図
【図6A】図4の左端の回動機構の詳細を示し、図5の拡大領域250Eの詳細図
【図6B】図6Aの回動機構のVIB−VIB線断面図
【図7】輸送姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された右建屋屋根を右斜め上後方から見た斜視図
【図8】輸送姿勢にある折り畳み装置の固定支柱と回動支柱の側面図
【図9】作業姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された左建屋屋根をクローラクレーン中央斜め上方から見た斜視図
【図10】図9の作業姿勢をとる折り畳み装置の正面図
【図11】図9の作業姿勢をとる折り畳み装置の一部を示す斜視図
【図12】輸送姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された左建屋屋根をクローラクレーン中央斜め上方から見た斜視図
【図13】図12の輸送姿勢をとる折り畳み装置の一部正面図
【図14A】図4の左端以外の回動機構の詳細を示す図であり、図6Aに相当する詳細図
【図14B】図14Aの回動機構のXIVB−XIVB線断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による折り畳み手摺り装置を図面を参照して説明する。本実施の形態に係る折り畳み手摺り装置は種々の作業機械に適用できるが、ここでは、クローラクレーン(以下、単にクレーンと呼ぶ)に適用した折り畳み手摺り装置について説明する。
【0010】
クレーンの全体構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態が適用されたクレーンの側面図、図2はその上面図である。
図1に示すように、クレーンは、走行体101と、走行体101上に旋回可能に設けられた旋回体102と、旋回体102に起伏可能に軸支されたブーム103と、旋回体102の後面に設置されたカウンタウエイト装置115とを有する。旋回体102は、中央部のメインフレーム102Cと、メインフレーム102Cの左右に設置された不図示の左右フレームとで構成されている。
【0011】
メインフレーム102Cにはウインチドラム104が搭載され、ウインチドラム104の駆動によりワイヤロープ105が巻上げまたは巻下げられ、吊り荷106が昇降する。旋回体102のメインフレーム102Cには起伏ドラム107が搭載され、起伏ドラム107の駆動により起伏ロープ108が繰り出しまたは繰り込まれ、ブーム103が起伏される。メインフレーム102Cにはその後端にカウンタウエイト装置115が設置されている。カウンタウエイト装置115は、複数枚のカウンタウエイトを積層して構成されている。
【0012】
図2において、旋回体102の左右フレームには、左側建屋109Lと右側建屋109Rがそれぞれ設けられている。左右フレームの上面には、エンジン、油圧ポンプ、油圧バルブ装置、ラジエータ、作動油タンクなど、クレーンの駆動に用いられる各種の装置、機器が搭載され、これらの装置、機器が建屋109L、109Rにより覆われている。右フレームの前端には運転室111が設けられている。建屋109R、109Lの屋根には折り畳み手摺り装置200と300とがそれぞれ設けられている。また、旋回体102の左右フレームの左右側面からステップ装置112L、112Rがそれぞれ突設されている。右建屋109Rの右側面後方にははしご113が設けられている。オペレータは、右ステップ112Rからはしご113を利用して右建屋109Rの上面(屋根)に登ることができる。右建屋109Rの屋根からカウンタウエイト装置115の上面に移り、そこからさらに左建屋109Lの上面(屋根)に移動することができる。
【0013】
図1および図2において、符号101L、101Rは、走行体101を構成する左右のクローラ、符号116はブームペンダント、符号117はライブマスト、符号118はブームストップである。
【0014】
―右側折り畳み手摺り装置200−
図3は、右建屋109Rの屋根に設置した折り畳み手摺り装置200をクレーン右斜め後方の上方から見た図であり、手摺り装置200は作業姿勢にある。図4は、作業姿勢の折り畳み手摺り装置200の正面図、図5は、固定支柱211と回動支柱221の側面図である。
【0015】
折り畳み手摺り装置200は、右建屋109Rの屋根の側端に沿って立設された固定手摺り210と、固定手摺り210に回動機構250を介して設置された移動手摺り220とを有する。移動手摺り220は、右建屋109Rの側面109RPに沿った面内でクレーン前後方向に回動して、全高が高い図3の作業姿勢と、全高が低い後述する図7の輸送姿勢との間で姿勢が変更可能とされている。
【0016】
主に図4を参照して固定手摺り210と移動手摺り220について詳細に説明する。
固定手摺り210は、右建屋109Rの屋根の側端に沿って所定間隔で立設された3本の固定支柱211と、一対の固定支柱211の基部を連結する所定長さの連結部材212と、一対の固定支柱211の上部を連結する所定長さの上部水平部材213と、一対の固定支柱211の下部を連結する所定長さの下部水平部材214と、上部水平部材213と基部連結部材212とを接続する接続板215とを備えている。すなわち、固定手摺り210の複数の固定支柱211は、右建屋109Rの側面109RPに沿った面内においてクレーン前後方向に所定間隔をあけて立設し、固定支柱211の上端は水平部材213で連結されている。
【0017】
移動手摺り220は、各固定支柱211の上端に設けられている。移動手摺り220は、回動機構250により回動可能に設けられた回動支柱221と、回動支柱221に後述する連結機構により取り付けられた安全柵222とを備えている。安全柵222は、上部水平部材222aUおよび下部水平部材222aLと、2本の水平部材222aU、222aLを上下に連結する4本の垂直連結部材222bとを備えて構成され、右建屋109Rの屋根右側端に沿ってクレーン前後方向に延在している。
【0018】
図5にも示されるように、安全柵222の上部水平部材222aUは回動支柱221の上部連結部にボルト223、ナット224で連結されている。安全柵222の下部水平部材222aLは、回動支柱221の下部連結部にボルト225、蝶ナット226で連結されている。ボルト223、ナット224が上部連結機構であり、ボルト225、蝶ナット226が下部連結機構である。
【0019】
図6Aは、図4に示す3つの回動機構250のうち、最も左端の回動機構250の詳細を説明する図であり、図5の符号250Eの拡大図、図6Bは図6AのVIB―VIB線で切断して示す断面図である。図14Aは、図4に示す3つの回動機構250のうち、最も左端以外の回動機構250の詳細を説明する図であり、図6Aに対応する拡大図、図14は図14AのXIVB―XIVB線で切断して示す断面図である。移動手摺り220は、回動機構250を回動支点として輸送姿勢と作業姿勢との間でオペレータにより手動操作される。
【0020】
図6Aおよび図6Bを参照して回動機構250の詳細を説明する。
固定支柱211の上端部にはフォーク211aが設けられている。回動支柱221の下端部にはフォーク211aに嵌合する突部221aが突設されている。図6Bに示すように、突部221aが嵌合されるフォーク211aの外周にはU字形状の金具251が設けられている。金具251、フォーク211aおよび突部221aには貫通孔が設けられ、それら3つの部材はボルト252とナット253により締結されている。
【0021】
U字形状の金具251の機能は以下のとおりである。
輸送姿勢の移動手摺り220を作業姿勢にするため、水平状態にある回動支柱221は反時計回転方向に操作される。この操作の過程で、回動支柱221が垂直姿勢に起立したとき、回動支柱221はU字形状の金具251に当接して、移動手摺り220がそれ以上反時計回転方向に回動しないように構成されている。すなわち、左端の回動機構250には、回動支柱221が輸送姿勢とは反対側へそれ以上回動することを阻止するストッパ機構が設けられている。
【0022】
図14Aおよび図14Bは、図4の右側2つの回動機構250を説明する図である。図6A、図6Bとの相違点はU字形状の金具251、すなわちストッパ機構が省略されていることである。ストッパ機構は、移動手摺り220の3つの回動機構250のいずれか一つにのみ設ければよいので、右側の2つの回動機構250にはU字形状の金具251が省略されている。
【0023】
なお、移動手摺り220は、その安全柵222が回動支柱221に対してボルト223,ナット224による上部連結機構と、ボルト225と蝶ナット226による下部連結機構により連結されているときは、移動手摺り220が作業姿勢から輸送姿勢へ自重で回動することがない。
【0024】
図7は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置200をクレーン右斜め後方から見た図である。図8は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置200の固定支柱211と回動支柱221の側面図である。図3に示す作業姿勢にある手摺り装置200を図7の輸送姿勢に操作する手順を説明する。
【0025】
作業姿勢にある移動手摺り220を輸送姿勢に回動操作するに先だって、下部水平部材222aLを回動支柱221に締結する3本のボルト225,蝶ナット226を取り外し、上部水平部材222aUのボルト223,ナット224を緩める。なお、移動手摺り220が回動できる程度に締結されている場合は緩める必要はない。
【0026】
オペレータは、ボルト252を回動支点として図7に示す輸送姿勢まで移動手摺り220を回動操作する。すなわち、オペレータは、移動手摺り220をクレーン前方側に倒すように回動操作する。回動支柱221が回動機構250のボルト252を回動中心としてクレーン前側に回動するとともに、安全柵222が上部連結機構であるボルト223を回動中心としてクレーン前側に回動する。これにより移動手摺り220が輸送姿勢になると、移動手摺り220の上部水平部材222aUに設けられている輸送時固定用の貫通孔224Uが、回動支柱221に設けられている安全柵連結用の下端側貫通孔に対向するので、両貫通孔にボルト225を挿通して蝶ナット226を締め付ける。これにより、移動手摺り220の安全柵222が輸送姿勢で安定に保持され、振動でがたつくことが防止される。
なお、取り外した3つのボルト225と3つの蝶ナット226のうち、残り2本は、下部水平部材222aLの貫通孔に取付られて輸送時の部品の紛失を防止している。
【0027】
輸送姿勢にある移動手摺り220を作業姿勢に変更する手順を説明する。
上部水平部材222aUの貫通孔224uに挿入したボルト225を、蝶ナット226を緩めて抜き取る。また、下部水平部材222aLに取付けたボルト225と蝶ナット226も抜き取る。水平姿勢にある回動支柱221、すなわち輸送姿勢にある移動手摺り220を回動機構250を回動軸にして反時計回転方向に操作する。回動支柱221は、起立状態となるとU字形状の金具251に当接してさらなる反時計回転方向への回動が阻止される。この状態で、移動手摺り220の上下水平部材222aLと222aUの貫通孔が回動機構250の貫通孔に対向するから、ボルト225と蝶ナット226の挿入が容易である。
【0028】
―左側折り畳み手摺り装置300−
図9は、左建屋109Lの屋根に設置した折り畳み手摺り装置300をカウンタウエイト装置115の中央上方から見た図であり、手摺り装置300は作業姿勢にある。図10は、作業姿勢の折り畳み手摺り装置300の正面図、図11は、図9の折り畳み装置300の要部拡大斜視図である。
【0029】
折り畳み手摺り装置300は、左建屋109Lの屋根の側端に沿って立設された固定手摺り310Fおよび310Rと、移動手摺り320F,320Rとを備える。移動手摺り320F,320Rは、固定手摺り310Fおよび310Rに回動機構350を介してそれぞれ設置され、左建屋109Lの側面に沿った面内でクレーンの後方に回動して、全高が高い図9の作業姿勢と全高が低い図12の作業姿勢をとる。
【0030】
固定手摺り310Fおよび310Rは同一、移動手摺り320F,320Rは同一であり、以下では、クレーン前方側の固定手摺り310Fと移動手摺り320Fについて説明する。
固定手摺り310Fは、左屋109Lの屋根の側端に沿って所定間隔で立設された3本の固定支柱311と、3本の固定支柱311の基部をそれぞれ連結する所定長さの連結部材312と、3本の固定支柱311の上端部を連結する所定長さの上側連結部材313と、3本の固定支柱311の下端部を連結する所定長さの下側連結部材314とを備えている。
固定手摺り310Fと310Rは、それらの間に位置する固定支柱311の間が連結基部315と連結水平部材316により連結されている。
【0031】
移動手摺り320Fは、各固定支柱311の上端に回動機構350により回動可能に設けられた回動支柱321と、回動支柱321に取り付けられた安全柵322とを備えている。安全柵322は、上部水平部材322aUおよび下部水平部材322aLと、2本の水平部材322aU、322aLを上下に連結する4本の垂直連結部材322bとを備えて構成され、左建屋109Lの屋根左側端に沿ってクレーン前後方向に延在している。
【0032】
図9および図10にも示されるように、安全柵322の上部水平部材322aUは、回動支柱321の上部連結部にボルト323、ナット324で連結されている。安全柵322の下部水平部材322aLは、回動支柱321の下部連結部にボルト325、蝶ナット326で連結されている。ボルト323、ナット324が上部連結機構であり、ボルト325、蝶ナット326が下部連結機構である。この構成は図5に示す右建屋109Rの屋根に設置した折り畳み手摺り装置200と同様である。
【0033】
図12は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置300をカウンタウエイト装置115の中央上方から見た図である。図13は、輸送姿勢の折り畳み手摺り装置300のクレーン後部側をクレーン左側から見た正面図である。作業姿勢にある手摺り装置300を図12の輸送姿勢に操作する手順を説明する。
【0034】
作業姿勢にある移動手摺り320を輸送姿勢に回動操作するに先だって、下部水平部材322aLを回動支柱321に締結する3本のボルト325,蝶ナット326を取り外し、上部水平部材322aUのボルト323,ナット324を緩める。なお、移動手摺り320が回動できる程度に締結されている場合は緩める必要はない。
【0035】
オペレータは、ボルト352を回動支点として図12に示す輸送姿勢まで移動手摺り320を回動操作する。すなわち、オペレータは、移動手摺り320をクレーン後側に倒すように回動操作する。回動支柱321が回動機構350のボルト352を回動中心としてクレーン後側に回動するとともに、安全柵322が上部連結機構であるボルト323を回動中心としてクレーン後側に回動する。これにより移動手摺り320が輸送姿勢になると、移動手摺り320の上部水平部材322aUに設けられている輸送時固定用の貫通孔324Uが、回動支柱321に設けられている安全柵連結用の下端側貫通孔に対向するので、両貫通孔にボルト325を挿通して蝶ナット326を締め付ける。これにより、移動手摺り320の安全柵322が輸送姿勢で安定に保持され、振動でがたつくことが防止される。
【0036】
輸送姿勢にある移動手摺り220を作業姿勢に変更する手順については、右側建屋110Rで説明した手順と同様である。
【0037】
以上説明した実施の形態の折り畳み手摺り装置によれば次のような作用効果を奏することができる。なお、右建屋109Rに設けた折り畳み手摺り装置200について述べるが、左屋109Lに設けた折り畳み手摺り装置300についても同様の作用効果を奏する。
【0038】
(1)建屋109Rの屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺り210の上部に回動機構250が設けられ、この回動機構250を介して移動手摺り220が回動可能に設置されている。建屋109Rの側面109RPに沿った面内で作業機械の前後方向に移動手摺り220を回動操作して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢との間で姿勢を替える。このような構成の折畳み手摺り装置によれば、折畳み手摺り装置200が輸送姿勢にあるときでも、固定手摺り210が屋根側端に立設しているから、建屋の屋根でオペレータが作業する際、オペレータの落下防止装置として機能する安全帯を固定手摺り210または折り畳んだ移動手摺り220に装着することができる。また、移動手摺り220が建屋屋根を覆うように折畳まれないので、オペレータが屋根の上を移動する際の障害物になり得ない。
【0039】
(2)固定手摺り210は、複数の固定支柱211と、固定支柱211の上部を連結する水平部材213,214と有し、回動機構250は、複数の固定支柱211の上部にそれぞれ設けられている。したがって、移動手摺り220が輸送姿勢をとるときも固定手摺り211の水平部材213,214は、屋根からの転落防止用安全柵として機能する。
【0040】
(3)複数の回動機構250の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺り220が反時計回転方向に操作されて回動支柱221が垂直に起立したときに移動手摺り220のそれ以上の回動を阻止するストッパ機構が設けられている。したがって、折り畳み手摺り装置200を輸送姿勢から作業姿勢に姿勢変換する際に、回動支柱221が起立した作業姿勢での移動手摺り220の位置決めが容易となり、作業姿勢を保持するためのボルト225と蝶ナット226を上部水平部材222aUの固定用貫通孔224Uに挿入し易くなる。
【0041】
(4)移動手摺り220は、回動機構250に回動可能に連結された回動支柱221と、回動支柱221に設けられた安全柵222とを有する。作業姿勢では、安全柵222は、回動支柱221の上部側貫通孔と下部側貫通孔に連結機構223,224および225,226でそれぞれ連結され、回動が拘束されている。作業姿勢から輸送姿勢への姿勢変更作業にあたっては、下部側貫通孔の連結機構225,226による連結を解除するので、移動手摺り220が作業姿勢から輸送姿勢へ回動する。したがって、作業姿勢と輸送姿勢と間で姿勢変更する際、下部連結機構だけを取り外せばよく、作業性も良い。
【0042】
(5)安全柵222は、上部水平部材222aUと、下部水平部材222aLと、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材222bとを有する。上部水平部材222aUと下部水平部材222aLには連結機構223,224および225,226が挿通される貫通孔がそれぞれ設けられ、上部水平部材222aUには、移動手摺り220が輸送姿勢にあるとき移動手摺りを固定するための固定用貫通孔224Uがさらに設けられている。移動手摺り220が輸送姿勢にあるとき、回動支柱221の下部側貫通孔と対峙する位置に固定用貫通孔224Uが設けられている。輸送姿勢では、固定用貫通孔224Uと回動支柱221の下部側貫通孔とが連結機構で連結されている。したがって、輸送時に移動手摺り220が安定に保持され、振動によりがたつきも防止される。ガタ防止機構として上部水平部材222aUに固定用貫通孔224Uを設けるだけでよく、コスト増も抑制できる。
【0043】
以上説明した実施の形態は次のように変形して実施することもできる。
(1)固定手摺り210を固定支柱211と水平部材212,213とによる格子形状に構成したが、格子形状に替えて、ネット形状としてもよい。
(2)移動手摺り220を回動支柱221と水平部材222aU、222aLによる格子形状の安全柵222とにより構成したが、格子形状の安全柵222に代えてネット形状の安全柵としてもよい。
(3)回動機構250を固定支柱211の上端に設けたが、移動手摺り220が固定手摺り210に対して回動する箇所であれば、回動機構250の設置箇所は固定支柱211の上端に限定されない。
【0044】
(4)複数の回動機構250の少なくとも一つに、移動手摺り220が固定手摺り210に対して自重で回動しない程度の摩擦力を付与する摩擦力付与機構を設けてもよい。これにより、折り畳み手摺り装置200を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変換する際に、オペレータの意図しないまま移動手摺り220が自重で輸送姿勢に回動することが防止される。
【0045】
(5)回動機構250のいずれか一つに、作業姿勢で移動手摺り220を位置決めするストッパ機構を設けたが、このストッパ機構は実施の形態の構造に限定されないし、省略してもよい。
【0046】
(6)移動手摺り220を輸送姿勢で安定して保持する機構も実施形態に限定されない。実施形態では、作業時に矩形形状に展開して固定手摺り210の上方に安全柵222が配設され、輸送時には安全柵222が折り畳まれて固定手摺り210に並設されるようにし、輸送時に下方に折畳まれている移動手摺り220が振動によりがたつかないような各種の固定機構を採用できる。
【0047】
本発明は、固定手摺りと、固定手摺りに作業機械の前後方向に回動する移動手摺りを備えた折り畳み手摺り装置であれば、以上説明した実施の形態とそれらの変形例に何ら限定されない。また、クレーン以外の各種作業機械にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0048】
100:作業機械
102:車体
109R、109L:建屋
200、300:折り畳み手摺り装置
210、310:固定手摺り
211、311:固定支柱
220、320:移動手摺り
221、321:回動支柱
222、322:安全柵
223,224、323,324:上部連結機構(ボルト、ナット、蝶ナット)
225,226、325,326:下部連結機構(ボルト、ナット、蝶ナット)
250、350:回動機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の折り畳み手摺り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーンの建屋屋根に設けた折り畳み式手摺り装置が開示されている。この手摺り装置は、走行時は全高を低くすべく折り畳まれ、点検作業時には全高を高くするように広げられて作業員の建屋屋根からの転落事故を防止している。
【0003】
特許文献1の手摺り装置は、建屋屋根の側端に沿って立設された固定部材と、固定部材に回動機構を介して設置され、クレーン中央部側に折り畳まれる回動部材とを有する。作業時は建屋屋根の側端に沿って固定部材の上方に回動部材が立設し、輸送時はクレーン中央側に回動部材が折り畳まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−95580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の折り畳み手摺り装置の回動部材は輸送時にクレーン中央側に折り畳まれるので、建屋屋根で作業者が移動することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明は、走行体の上部に設けられた車体に設置された各種装置と、前記各種装置を覆う建屋と、前記建屋の屋根に登るため前記建屋の側面に設けられた梯子とを備えた作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記建屋の屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺りと、前記固定手摺りに回動機構を介して設置され、前記建屋の側面に沿った面内で作業機械の前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺りとを備えたことを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記固定手摺りは、前記建屋の側面に沿った面内において前記建屋の前後方向に所定間隔をあけて立設する複数の固定支柱と、前記固定支柱の上端を連結する水平部材を少なくとも有し、前記回動機構は、前記複数の固定支柱の上部にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記移動手摺りは、前記回動機構に回動可能に連結された複数の回動支柱と、前記複数の回動支柱に取り付けられた安全柵とを有し、前記安全柵は、上部水平部材と、下部水平部材と、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材とを有し、前記安全柵は、その上部水平部材が上部側連結部において前記回動支柱と上部連結機構で連結され、前記下部水平部材が下部側連結部において前記回動支柱と下部連結機構でそれぞれ連結され、前記下部連結機構を取り外し、前記上部側連結部の上部連結機構を回動中心として、前記移動手摺りに対して、前記上部側連結部を中心とする前記作業機械の前後方向への回動力を与えることにより、前記移動手摺りを前記作業姿勢と輸送姿勢との間で回動することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記上部水平部材と前記回動支柱の前記上部側連結部には前記上部連結機構が挿通される上部貫通孔が設けられ、前記下部水平部材と前記回動支柱の前記下部側連結部には前記下部連結機構が挿通される下部貫通孔が設けられ、前記上部水平部材には、前記移動手摺りが前記輸送姿勢にあるときに前記移動手摺りを固定するための固定用貫通孔がさらに設けられ、前記固定用貫通孔は、前記移動手摺りが輸送姿勢にあるとき、前記回動支柱の前記下部貫通孔と対峙し、前記固定用貫通孔と前記回動支柱の前記下部側貫通孔に前記下部連結機構が挿通されて移動手摺りの回動が拘束されることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、前記複数の回動機構の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺りが作業姿勢まで操作されたとき、それ以上輸送姿勢側とは反対側に回動することを阻止するストッパ機構が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輸送姿勢でも固定手摺りが建屋屋根に立設されているので、安全帯を手摺りに装着することができる。また、輸送姿勢では移動手摺りが作業機械の前後方向に折り畳まれるから、屋根上の移動にも支障がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による折り畳み手摺り装置の一実施の形態を備えたクローラクレーンの側面図
【図2】図1の上面図
【図3】作業姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された右建屋屋根を右斜め上後方から見た斜視図
【図4】図1の折り畳み手摺り装置の正面図
【図5】作業姿勢にある折り畳み装置の固定支柱と回動支柱の側面図
【図6A】図4の左端の回動機構の詳細を示し、図5の拡大領域250Eの詳細図
【図6B】図6Aの回動機構のVIB−VIB線断面図
【図7】輸送姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された右建屋屋根を右斜め上後方から見た斜視図
【図8】輸送姿勢にある折り畳み装置の固定支柱と回動支柱の側面図
【図9】作業姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された左建屋屋根をクローラクレーン中央斜め上方から見た斜視図
【図10】図9の作業姿勢をとる折り畳み装置の正面図
【図11】図9の作業姿勢をとる折り畳み装置の一部を示す斜視図
【図12】輸送姿勢の折り畳み手摺り装置が設置された左建屋屋根をクローラクレーン中央斜め上方から見た斜視図
【図13】図12の輸送姿勢をとる折り畳み装置の一部正面図
【図14A】図4の左端以外の回動機構の詳細を示す図であり、図6Aに相当する詳細図
【図14B】図14Aの回動機構のXIVB−XIVB線断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による折り畳み手摺り装置を図面を参照して説明する。本実施の形態に係る折り畳み手摺り装置は種々の作業機械に適用できるが、ここでは、クローラクレーン(以下、単にクレーンと呼ぶ)に適用した折り畳み手摺り装置について説明する。
【0010】
クレーンの全体構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態が適用されたクレーンの側面図、図2はその上面図である。
図1に示すように、クレーンは、走行体101と、走行体101上に旋回可能に設けられた旋回体102と、旋回体102に起伏可能に軸支されたブーム103と、旋回体102の後面に設置されたカウンタウエイト装置115とを有する。旋回体102は、中央部のメインフレーム102Cと、メインフレーム102Cの左右に設置された不図示の左右フレームとで構成されている。
【0011】
メインフレーム102Cにはウインチドラム104が搭載され、ウインチドラム104の駆動によりワイヤロープ105が巻上げまたは巻下げられ、吊り荷106が昇降する。旋回体102のメインフレーム102Cには起伏ドラム107が搭載され、起伏ドラム107の駆動により起伏ロープ108が繰り出しまたは繰り込まれ、ブーム103が起伏される。メインフレーム102Cにはその後端にカウンタウエイト装置115が設置されている。カウンタウエイト装置115は、複数枚のカウンタウエイトを積層して構成されている。
【0012】
図2において、旋回体102の左右フレームには、左側建屋109Lと右側建屋109Rがそれぞれ設けられている。左右フレームの上面には、エンジン、油圧ポンプ、油圧バルブ装置、ラジエータ、作動油タンクなど、クレーンの駆動に用いられる各種の装置、機器が搭載され、これらの装置、機器が建屋109L、109Rにより覆われている。右フレームの前端には運転室111が設けられている。建屋109R、109Lの屋根には折り畳み手摺り装置200と300とがそれぞれ設けられている。また、旋回体102の左右フレームの左右側面からステップ装置112L、112Rがそれぞれ突設されている。右建屋109Rの右側面後方にははしご113が設けられている。オペレータは、右ステップ112Rからはしご113を利用して右建屋109Rの上面(屋根)に登ることができる。右建屋109Rの屋根からカウンタウエイト装置115の上面に移り、そこからさらに左建屋109Lの上面(屋根)に移動することができる。
【0013】
図1および図2において、符号101L、101Rは、走行体101を構成する左右のクローラ、符号116はブームペンダント、符号117はライブマスト、符号118はブームストップである。
【0014】
―右側折り畳み手摺り装置200−
図3は、右建屋109Rの屋根に設置した折り畳み手摺り装置200をクレーン右斜め後方の上方から見た図であり、手摺り装置200は作業姿勢にある。図4は、作業姿勢の折り畳み手摺り装置200の正面図、図5は、固定支柱211と回動支柱221の側面図である。
【0015】
折り畳み手摺り装置200は、右建屋109Rの屋根の側端に沿って立設された固定手摺り210と、固定手摺り210に回動機構250を介して設置された移動手摺り220とを有する。移動手摺り220は、右建屋109Rの側面109RPに沿った面内でクレーン前後方向に回動して、全高が高い図3の作業姿勢と、全高が低い後述する図7の輸送姿勢との間で姿勢が変更可能とされている。
【0016】
主に図4を参照して固定手摺り210と移動手摺り220について詳細に説明する。
固定手摺り210は、右建屋109Rの屋根の側端に沿って所定間隔で立設された3本の固定支柱211と、一対の固定支柱211の基部を連結する所定長さの連結部材212と、一対の固定支柱211の上部を連結する所定長さの上部水平部材213と、一対の固定支柱211の下部を連結する所定長さの下部水平部材214と、上部水平部材213と基部連結部材212とを接続する接続板215とを備えている。すなわち、固定手摺り210の複数の固定支柱211は、右建屋109Rの側面109RPに沿った面内においてクレーン前後方向に所定間隔をあけて立設し、固定支柱211の上端は水平部材213で連結されている。
【0017】
移動手摺り220は、各固定支柱211の上端に設けられている。移動手摺り220は、回動機構250により回動可能に設けられた回動支柱221と、回動支柱221に後述する連結機構により取り付けられた安全柵222とを備えている。安全柵222は、上部水平部材222aUおよび下部水平部材222aLと、2本の水平部材222aU、222aLを上下に連結する4本の垂直連結部材222bとを備えて構成され、右建屋109Rの屋根右側端に沿ってクレーン前後方向に延在している。
【0018】
図5にも示されるように、安全柵222の上部水平部材222aUは回動支柱221の上部連結部にボルト223、ナット224で連結されている。安全柵222の下部水平部材222aLは、回動支柱221の下部連結部にボルト225、蝶ナット226で連結されている。ボルト223、ナット224が上部連結機構であり、ボルト225、蝶ナット226が下部連結機構である。
【0019】
図6Aは、図4に示す3つの回動機構250のうち、最も左端の回動機構250の詳細を説明する図であり、図5の符号250Eの拡大図、図6Bは図6AのVIB―VIB線で切断して示す断面図である。図14Aは、図4に示す3つの回動機構250のうち、最も左端以外の回動機構250の詳細を説明する図であり、図6Aに対応する拡大図、図14は図14AのXIVB―XIVB線で切断して示す断面図である。移動手摺り220は、回動機構250を回動支点として輸送姿勢と作業姿勢との間でオペレータにより手動操作される。
【0020】
図6Aおよび図6Bを参照して回動機構250の詳細を説明する。
固定支柱211の上端部にはフォーク211aが設けられている。回動支柱221の下端部にはフォーク211aに嵌合する突部221aが突設されている。図6Bに示すように、突部221aが嵌合されるフォーク211aの外周にはU字形状の金具251が設けられている。金具251、フォーク211aおよび突部221aには貫通孔が設けられ、それら3つの部材はボルト252とナット253により締結されている。
【0021】
U字形状の金具251の機能は以下のとおりである。
輸送姿勢の移動手摺り220を作業姿勢にするため、水平状態にある回動支柱221は反時計回転方向に操作される。この操作の過程で、回動支柱221が垂直姿勢に起立したとき、回動支柱221はU字形状の金具251に当接して、移動手摺り220がそれ以上反時計回転方向に回動しないように構成されている。すなわち、左端の回動機構250には、回動支柱221が輸送姿勢とは反対側へそれ以上回動することを阻止するストッパ機構が設けられている。
【0022】
図14Aおよび図14Bは、図4の右側2つの回動機構250を説明する図である。図6A、図6Bとの相違点はU字形状の金具251、すなわちストッパ機構が省略されていることである。ストッパ機構は、移動手摺り220の3つの回動機構250のいずれか一つにのみ設ければよいので、右側の2つの回動機構250にはU字形状の金具251が省略されている。
【0023】
なお、移動手摺り220は、その安全柵222が回動支柱221に対してボルト223,ナット224による上部連結機構と、ボルト225と蝶ナット226による下部連結機構により連結されているときは、移動手摺り220が作業姿勢から輸送姿勢へ自重で回動することがない。
【0024】
図7は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置200をクレーン右斜め後方から見た図である。図8は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置200の固定支柱211と回動支柱221の側面図である。図3に示す作業姿勢にある手摺り装置200を図7の輸送姿勢に操作する手順を説明する。
【0025】
作業姿勢にある移動手摺り220を輸送姿勢に回動操作するに先だって、下部水平部材222aLを回動支柱221に締結する3本のボルト225,蝶ナット226を取り外し、上部水平部材222aUのボルト223,ナット224を緩める。なお、移動手摺り220が回動できる程度に締結されている場合は緩める必要はない。
【0026】
オペレータは、ボルト252を回動支点として図7に示す輸送姿勢まで移動手摺り220を回動操作する。すなわち、オペレータは、移動手摺り220をクレーン前方側に倒すように回動操作する。回動支柱221が回動機構250のボルト252を回動中心としてクレーン前側に回動するとともに、安全柵222が上部連結機構であるボルト223を回動中心としてクレーン前側に回動する。これにより移動手摺り220が輸送姿勢になると、移動手摺り220の上部水平部材222aUに設けられている輸送時固定用の貫通孔224Uが、回動支柱221に設けられている安全柵連結用の下端側貫通孔に対向するので、両貫通孔にボルト225を挿通して蝶ナット226を締め付ける。これにより、移動手摺り220の安全柵222が輸送姿勢で安定に保持され、振動でがたつくことが防止される。
なお、取り外した3つのボルト225と3つの蝶ナット226のうち、残り2本は、下部水平部材222aLの貫通孔に取付られて輸送時の部品の紛失を防止している。
【0027】
輸送姿勢にある移動手摺り220を作業姿勢に変更する手順を説明する。
上部水平部材222aUの貫通孔224uに挿入したボルト225を、蝶ナット226を緩めて抜き取る。また、下部水平部材222aLに取付けたボルト225と蝶ナット226も抜き取る。水平姿勢にある回動支柱221、すなわち輸送姿勢にある移動手摺り220を回動機構250を回動軸にして反時計回転方向に操作する。回動支柱221は、起立状態となるとU字形状の金具251に当接してさらなる反時計回転方向への回動が阻止される。この状態で、移動手摺り220の上下水平部材222aLと222aUの貫通孔が回動機構250の貫通孔に対向するから、ボルト225と蝶ナット226の挿入が容易である。
【0028】
―左側折り畳み手摺り装置300−
図9は、左建屋109Lの屋根に設置した折り畳み手摺り装置300をカウンタウエイト装置115の中央上方から見た図であり、手摺り装置300は作業姿勢にある。図10は、作業姿勢の折り畳み手摺り装置300の正面図、図11は、図9の折り畳み装置300の要部拡大斜視図である。
【0029】
折り畳み手摺り装置300は、左建屋109Lの屋根の側端に沿って立設された固定手摺り310Fおよび310Rと、移動手摺り320F,320Rとを備える。移動手摺り320F,320Rは、固定手摺り310Fおよび310Rに回動機構350を介してそれぞれ設置され、左建屋109Lの側面に沿った面内でクレーンの後方に回動して、全高が高い図9の作業姿勢と全高が低い図12の作業姿勢をとる。
【0030】
固定手摺り310Fおよび310Rは同一、移動手摺り320F,320Rは同一であり、以下では、クレーン前方側の固定手摺り310Fと移動手摺り320Fについて説明する。
固定手摺り310Fは、左屋109Lの屋根の側端に沿って所定間隔で立設された3本の固定支柱311と、3本の固定支柱311の基部をそれぞれ連結する所定長さの連結部材312と、3本の固定支柱311の上端部を連結する所定長さの上側連結部材313と、3本の固定支柱311の下端部を連結する所定長さの下側連結部材314とを備えている。
固定手摺り310Fと310Rは、それらの間に位置する固定支柱311の間が連結基部315と連結水平部材316により連結されている。
【0031】
移動手摺り320Fは、各固定支柱311の上端に回動機構350により回動可能に設けられた回動支柱321と、回動支柱321に取り付けられた安全柵322とを備えている。安全柵322は、上部水平部材322aUおよび下部水平部材322aLと、2本の水平部材322aU、322aLを上下に連結する4本の垂直連結部材322bとを備えて構成され、左建屋109Lの屋根左側端に沿ってクレーン前後方向に延在している。
【0032】
図9および図10にも示されるように、安全柵322の上部水平部材322aUは、回動支柱321の上部連結部にボルト323、ナット324で連結されている。安全柵322の下部水平部材322aLは、回動支柱321の下部連結部にボルト325、蝶ナット326で連結されている。ボルト323、ナット324が上部連結機構であり、ボルト325、蝶ナット326が下部連結機構である。この構成は図5に示す右建屋109Rの屋根に設置した折り畳み手摺り装置200と同様である。
【0033】
図12は、輸送姿勢にある折り畳み手摺り装置300をカウンタウエイト装置115の中央上方から見た図である。図13は、輸送姿勢の折り畳み手摺り装置300のクレーン後部側をクレーン左側から見た正面図である。作業姿勢にある手摺り装置300を図12の輸送姿勢に操作する手順を説明する。
【0034】
作業姿勢にある移動手摺り320を輸送姿勢に回動操作するに先だって、下部水平部材322aLを回動支柱321に締結する3本のボルト325,蝶ナット326を取り外し、上部水平部材322aUのボルト323,ナット324を緩める。なお、移動手摺り320が回動できる程度に締結されている場合は緩める必要はない。
【0035】
オペレータは、ボルト352を回動支点として図12に示す輸送姿勢まで移動手摺り320を回動操作する。すなわち、オペレータは、移動手摺り320をクレーン後側に倒すように回動操作する。回動支柱321が回動機構350のボルト352を回動中心としてクレーン後側に回動するとともに、安全柵322が上部連結機構であるボルト323を回動中心としてクレーン後側に回動する。これにより移動手摺り320が輸送姿勢になると、移動手摺り320の上部水平部材322aUに設けられている輸送時固定用の貫通孔324Uが、回動支柱321に設けられている安全柵連結用の下端側貫通孔に対向するので、両貫通孔にボルト325を挿通して蝶ナット326を締め付ける。これにより、移動手摺り320の安全柵322が輸送姿勢で安定に保持され、振動でがたつくことが防止される。
【0036】
輸送姿勢にある移動手摺り220を作業姿勢に変更する手順については、右側建屋110Rで説明した手順と同様である。
【0037】
以上説明した実施の形態の折り畳み手摺り装置によれば次のような作用効果を奏することができる。なお、右建屋109Rに設けた折り畳み手摺り装置200について述べるが、左屋109Lに設けた折り畳み手摺り装置300についても同様の作用効果を奏する。
【0038】
(1)建屋109Rの屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺り210の上部に回動機構250が設けられ、この回動機構250を介して移動手摺り220が回動可能に設置されている。建屋109Rの側面109RPに沿った面内で作業機械の前後方向に移動手摺り220を回動操作して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢との間で姿勢を替える。このような構成の折畳み手摺り装置によれば、折畳み手摺り装置200が輸送姿勢にあるときでも、固定手摺り210が屋根側端に立設しているから、建屋の屋根でオペレータが作業する際、オペレータの落下防止装置として機能する安全帯を固定手摺り210または折り畳んだ移動手摺り220に装着することができる。また、移動手摺り220が建屋屋根を覆うように折畳まれないので、オペレータが屋根の上を移動する際の障害物になり得ない。
【0039】
(2)固定手摺り210は、複数の固定支柱211と、固定支柱211の上部を連結する水平部材213,214と有し、回動機構250は、複数の固定支柱211の上部にそれぞれ設けられている。したがって、移動手摺り220が輸送姿勢をとるときも固定手摺り211の水平部材213,214は、屋根からの転落防止用安全柵として機能する。
【0040】
(3)複数の回動機構250の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺り220が反時計回転方向に操作されて回動支柱221が垂直に起立したときに移動手摺り220のそれ以上の回動を阻止するストッパ機構が設けられている。したがって、折り畳み手摺り装置200を輸送姿勢から作業姿勢に姿勢変換する際に、回動支柱221が起立した作業姿勢での移動手摺り220の位置決めが容易となり、作業姿勢を保持するためのボルト225と蝶ナット226を上部水平部材222aUの固定用貫通孔224Uに挿入し易くなる。
【0041】
(4)移動手摺り220は、回動機構250に回動可能に連結された回動支柱221と、回動支柱221に設けられた安全柵222とを有する。作業姿勢では、安全柵222は、回動支柱221の上部側貫通孔と下部側貫通孔に連結機構223,224および225,226でそれぞれ連結され、回動が拘束されている。作業姿勢から輸送姿勢への姿勢変更作業にあたっては、下部側貫通孔の連結機構225,226による連結を解除するので、移動手摺り220が作業姿勢から輸送姿勢へ回動する。したがって、作業姿勢と輸送姿勢と間で姿勢変更する際、下部連結機構だけを取り外せばよく、作業性も良い。
【0042】
(5)安全柵222は、上部水平部材222aUと、下部水平部材222aLと、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材222bとを有する。上部水平部材222aUと下部水平部材222aLには連結機構223,224および225,226が挿通される貫通孔がそれぞれ設けられ、上部水平部材222aUには、移動手摺り220が輸送姿勢にあるとき移動手摺りを固定するための固定用貫通孔224Uがさらに設けられている。移動手摺り220が輸送姿勢にあるとき、回動支柱221の下部側貫通孔と対峙する位置に固定用貫通孔224Uが設けられている。輸送姿勢では、固定用貫通孔224Uと回動支柱221の下部側貫通孔とが連結機構で連結されている。したがって、輸送時に移動手摺り220が安定に保持され、振動によりがたつきも防止される。ガタ防止機構として上部水平部材222aUに固定用貫通孔224Uを設けるだけでよく、コスト増も抑制できる。
【0043】
以上説明した実施の形態は次のように変形して実施することもできる。
(1)固定手摺り210を固定支柱211と水平部材212,213とによる格子形状に構成したが、格子形状に替えて、ネット形状としてもよい。
(2)移動手摺り220を回動支柱221と水平部材222aU、222aLによる格子形状の安全柵222とにより構成したが、格子形状の安全柵222に代えてネット形状の安全柵としてもよい。
(3)回動機構250を固定支柱211の上端に設けたが、移動手摺り220が固定手摺り210に対して回動する箇所であれば、回動機構250の設置箇所は固定支柱211の上端に限定されない。
【0044】
(4)複数の回動機構250の少なくとも一つに、移動手摺り220が固定手摺り210に対して自重で回動しない程度の摩擦力を付与する摩擦力付与機構を設けてもよい。これにより、折り畳み手摺り装置200を作業姿勢から輸送姿勢に姿勢変換する際に、オペレータの意図しないまま移動手摺り220が自重で輸送姿勢に回動することが防止される。
【0045】
(5)回動機構250のいずれか一つに、作業姿勢で移動手摺り220を位置決めするストッパ機構を設けたが、このストッパ機構は実施の形態の構造に限定されないし、省略してもよい。
【0046】
(6)移動手摺り220を輸送姿勢で安定して保持する機構も実施形態に限定されない。実施形態では、作業時に矩形形状に展開して固定手摺り210の上方に安全柵222が配設され、輸送時には安全柵222が折り畳まれて固定手摺り210に並設されるようにし、輸送時に下方に折畳まれている移動手摺り220が振動によりがたつかないような各種の固定機構を採用できる。
【0047】
本発明は、固定手摺りと、固定手摺りに作業機械の前後方向に回動する移動手摺りを備えた折り畳み手摺り装置であれば、以上説明した実施の形態とそれらの変形例に何ら限定されない。また、クレーン以外の各種作業機械にも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0048】
100:作業機械
102:車体
109R、109L:建屋
200、300:折り畳み手摺り装置
210、310:固定手摺り
211、311:固定支柱
220、320:移動手摺り
221、321:回動支柱
222、322:安全柵
223,224、323,324:上部連結機構(ボルト、ナット、蝶ナット)
225,226、325,326:下部連結機構(ボルト、ナット、蝶ナット)
250、350:回動機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体の上部に設けられた車体に設置された各種装置と、前記各種装置を覆う建屋と、前記建屋の屋根に登るため前記建屋の側面に設けられた梯子とを備えた作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記建屋の屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺りと、
前記固定手摺りに回動機構を介して設置され、前記建屋の側面に沿った面内で作業機械の前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺りとを備えたことを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記固定手摺りは、前記建屋の側面に沿った面内において前記建屋の前後方向に所定間隔をあけて立設する複数の固定支柱と、前記固定支柱の上端を連結する水平部材を少なくとも有し、
前記回動機構は、前記複数の固定支柱の上部にそれぞれ設けられていることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記移動手摺りは、前記回動機構に回動可能に連結された複数の回動支柱と、前記複数の回動支柱に取り付けられた安全柵とを有し、
前記安全柵は、上部水平部材と、下部水平部材と、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材とを有し、
前記安全柵は、その上部水平部材が上部側連結部において前記回動支柱と上部連結機構で連結され、前記下部水平部材が下部側連結部において前記回動支柱と下部連結機構でそれぞれ連結され、
前記下部連結機構を取り外し、前記上部側連結部の上部連結機構を回動中心として、前記移動手摺りに対して、前記上部側連結部を中心とする前記作業機械の前後方向への回動力を与えることにより、前記移動手摺りを前記作業姿勢と輸送姿勢との間で回動することを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記上部水平部材と前記回動支柱の前記上部側連結部には前記上部連結機構が挿通される上部貫通孔が設けられ、前記下部水平部材と前記回動支柱の前記下部側連結部には前記下部連結機構が挿通される下部貫通孔が設けられ、
前記上部水平部材には、前記移動手摺りが前記輸送姿勢にあるときに前記移動手摺りを固定するための固定用貫通孔がさらに設けられ、
前記固定用貫通孔は、前記移動手摺りが輸送姿勢にあるとき、前記回動支柱の前記下部貫通孔と対峙し、前記固定用貫通孔と前記回動支柱の前記下部側貫通孔に前記下部連結機構が挿通されて移動手摺りの回動が拘束されることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記複数の回動機構の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺りが作業姿勢まで操作されたとき、それ以上輸送姿勢側とは反対側に回動することを阻止するストッパ機構が設けられていることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項1】
走行体の上部に設けられた車体に設置された各種装置と、前記各種装置を覆う建屋と、前記建屋の屋根に登るため前記建屋の側面に設けられた梯子とを備えた作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記建屋の屋根の側端に沿って建屋の前後方向に立設された固定手摺りと、
前記固定手摺りに回動機構を介して設置され、前記建屋の側面に沿った面内で作業機械の前後方向に回動して、全高が低い輸送姿勢と全高が高い作業姿勢とをとる移動手摺りとを備えたことを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記固定手摺りは、前記建屋の側面に沿った面内において前記建屋の前後方向に所定間隔をあけて立設する複数の固定支柱と、前記固定支柱の上端を連結する水平部材を少なくとも有し、
前記回動機構は、前記複数の固定支柱の上部にそれぞれ設けられていることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記移動手摺りは、前記回動機構に回動可能に連結された複数の回動支柱と、前記複数の回動支柱に取り付けられた安全柵とを有し、
前記安全柵は、上部水平部材と、下部水平部材と、上下の水平部材を連結する複数の垂直部材とを有し、
前記安全柵は、その上部水平部材が上部側連結部において前記回動支柱と上部連結機構で連結され、前記下部水平部材が下部側連結部において前記回動支柱と下部連結機構でそれぞれ連結され、
前記下部連結機構を取り外し、前記上部側連結部の上部連結機構を回動中心として、前記移動手摺りに対して、前記上部側連結部を中心とする前記作業機械の前後方向への回動力を与えることにより、前記移動手摺りを前記作業姿勢と輸送姿勢との間で回動することを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記上部水平部材と前記回動支柱の前記上部側連結部には前記上部連結機構が挿通される上部貫通孔が設けられ、前記下部水平部材と前記回動支柱の前記下部側連結部には前記下部連結機構が挿通される下部貫通孔が設けられ、
前記上部水平部材には、前記移動手摺りが前記輸送姿勢にあるときに前記移動手摺りを固定するための固定用貫通孔がさらに設けられ、
前記固定用貫通孔は、前記移動手摺りが輸送姿勢にあるとき、前記回動支柱の前記下部貫通孔と対峙し、前記固定用貫通孔と前記回動支柱の前記下部側貫通孔に前記下部連結機構が挿通されて移動手摺りの回動が拘束されることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業機械の折り畳み手摺り装置において、
前記複数の回動機構の少なくとも一つには、輸送姿勢の移動手摺りが作業姿勢まで操作されたとき、それ以上輸送姿勢側とは反対側に回動することを阻止するストッパ機構が設けられていることを特徴とする作業機械の折り畳み手摺り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2013−49566(P2013−49566A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189547(P2011−189547)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
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