説明

作業機械の表示装置

【課題】表示部と画面操作スイッチ群とが分離された場合であって画面操作スイッチ群のスイッチ数が少ない場合であっても画面操作が容易な作業機械の表示装置を提供する。
【解決手段】表示部11と、表示部11と離隔した位置に配置され、画面操作を指示する画面操作スイッチ群を有するスイッチパネル14と、前記表示画面上の複数の画面を切り替えて表示するとともに、表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を前記表示画面上に表示する制御を行う表示制御部17とを備え、表示制御部17は、特定の表示画面に切り替えられた場合、該特定の表示画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なる機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて該異なる機能を示す画像を表示するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホイールローダなどのホイール系の作業機械であってハンドルを有する作業機械の表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業機械では、作業状態をモニタリングするための表示装置が設けられている。この表示装置は、通常、液晶ディスプレイなどによって実現される表示部とスイッチ群からなる操作部とが上下に配置されて一体形成され、あるいはタッチパネルなどによって一体形成される(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−62791号公報
【特許文献2】特開2009−257323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ホイールローダやダンプトラックなどのホイール系の作業機械では、運転席前面に設けられたコンソール前面にハンドルが設置される。このため、ホイール系の作業機械では、このコンソール前面に表示部を設ける場合、コンソール前面にハンドルが配置されることから、一体形成された表示装置を設けると、操作が困難となるため、表示部と操作部とが分離されてコンソール上に配置される。そして、表示部は、コンソール中央上部に設けられ、操作部は、コンソールの右下あるいは左下に設けられる。
【0005】
一方、操作部のスイッチ数は、少ない方が良いが、スイッチ数が少ないと同一スイッチを異なる操作スイッチとして重複使用するため、画面操作が複雑になってしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示部と操作部とが分離された場合であって操作部のスイッチ数が少ない場合であっても画面操作が容易な作業機械の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる作業機械の表示装置は、表示画面上に画像を表示する表示部と、前記表示部と離隔した位置に配置され、前記表示部の表示画面上で予め設定された操作を指示する画面操作スイッチ群と、前記画面操作スイッチ群の指示に従って前記表示画面上の複数の画面を切り替えて表示するとともに、表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を前記表示画面上に表示する制御を行う表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、特定の表示画面に切り替えられた場合、該特定の表示画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なる機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて該異なる機能を示す画像を表示することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部は、さらに前記異なる機能を示す画像に対応する画像を該異なる機能が生じる箇所に表示することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部は、前記表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像の配置順序を、前記画面操作スイッチ群の配置順序に対応させて配置することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部は、前記表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を強調表示することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記表示制御部は、前記複数の画面をタブ画面によって表示し、前記異なる機能を、タブ画面を1つシフトさせるタブ画面シフト機能として割り当て、巡回する1方向シフトによってタブ画面を切り替えることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記特定した画面操作スイッチは、標準画面からユーザメニュー画面への遷移を指示するメニュースイッチであることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、上記の発明において、前記他の画面操作スイッチには、上方向および下方向へのシフトスイッチが含まれ、前記タブ画面内では、前記シフトスイッチの指示によって上下方向に配置された選択項目が選択表示されることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる作業機械の表示装置は、ハンドルが前面に配置されるコンソール上の表示画面に画像を表示する表示部と、前記コンソール上であって前記表示部と離隔した位置に配置され、前記表示部の表示画面上で予め設定された操作を指示する画面操作スイッチ群と、前記画面操作スイッチ群の指示に従って前記表示画面上の複数の画面をタブ画面で切り替えて表示するとともに、表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を前記表示画面上に表示する制御を行う表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記タブ画面に切り替えられた場合、該タブ画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なるタブ画面シフト機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて前記タブ画面シフト機能を示す画像を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、表示制御部が、特定の表示画面に切り替えられた場合、該特定の表示画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なる機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて該異なる機能を示す画像を表示するようにしているので、特定した画面操作スイッチと該特定した画面操作スイッチの割り当てられた機能との関係を容易に認識することができ、表示部と画面操作スイッチ群とが分離された場合であって画面操作スイッチのスイッチ数が少ない場合であっても画面操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、運転席前面に配置されるコンソールの概要構成を示す外観図である。
【図2】図2は、表示部およびスイッチパネルを有した表示装置を中心とした表示系の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、表示部に表示される標準画面を示す図である。
【図4】図4は、スイッチパネルの外観構成を示す図である。
【図5】図5は、表示部における画面遷移を示す遷移図である。
【図6】図6は、タブメニュー選択画面におけるメニュースイッチを用いた選択大項目の遷移を示す遷移図である。
【図7】図7は、タブメニュー選択画面における下シフトスイッチあるいは上シフトスイッチを用いた選択中項目の遷移を示す遷移図である。
【図8】図8は、サブ選択画面とポップアップ画面との遷移を示す遷移図である。
【図9】図9は、画面調整のタブメニュー選択画面から選択されたサブ選択画面を示す図である。
【図10】図10は、メニュースイッチに対応した画像とメニュースイッチに対応した機能を示す画像との配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
図1は、運転席前面に配置されるコンソールの概要構成を示す外観図である。図1に示すように、コンソール1の前面下部から前面であって運転席の前方にハンドル2が配置される。コンソール1の上部左には液晶ディスプレイによって実現される表示部11が配置される。コンソール1の上部右にはメータユニット13が配置される。表示部11とメータユニットとの上部には、LEDユニット12が配置される。また、コンソール1の上部左右には、エアコンの吹出口16a,16bがそれぞれ配置される。一方、コンソール1の下部右には、スイッチパネル14が配置される。また、コンソール1の下部左には、スイッチ群15が配置される。このスイッチパネル14およびスイッチ群15は、運転者の右手および左手による操作時にハンドル2が邪魔にならないように配置されている。さらに、表示部11、LEDユニット12,およびメータユニット13は、ハンドル2が配置された状態で、運転者が前面方向に容易に見やすい位置に配置されている。なお、スイッチパネル14は、コンソール1の下部の左右どちらに配置してもよい。
【0019】
LEDユニット12は、左から、集中警告灯、パーキングブレーキコーションランプ、方向指示パイロットランプ(左)、前照灯上向きパイロットランプ、方向指示パイロットランプ(右)、ブレーキアキュムレータ油圧コーションランプ、ライトパイロットランプが配列され、LED点灯等の表示が行われる。メータユニット13は、中央にスピードメータが配置され、このスピードメータの周囲にタコメータが配置される。図1では、スピードメータがデジタル表示され、タコメータは針式で表示されている。スイッチパネル14は、エアコンに対する操作スイッチおよび表示部11に対する操作スイッチを有する。スイッチ群15は、ライトスイッチやワイパースイッチなどのスイッチ群である。
【0020】
図2は、上述した表示部11およびスイッチパネル14を有した表示装置を中心とした表示系の構成を示すブロック図である。表示装置10は、上述した表示部11と操作部としてのスイッチパネル14とを有する。表示装置10は、さらに、制御部18の制御のもとに、表示部11の表示制御を行う表示制御部17を有する。表示装置10には、上述したスイッチ群15、LEDユニット12、およびメータユニット13が接続される。また、表示装置10には、直接、センサ群21およびアクチュエータ群22が接続されてもよい。さらに、表示装置10には、CAN等の通信ラインを介して、エンジンコントローラ30および車体コントローラ40が接続される。エンジンコントローラ30および車体コントローラ40には、それぞれ、センサ群31およびアクチュエータ群32と、センサ群41およびアクチュエータ群42が接続される。エンジンコントローラ30は、たとえばエンジンの燃焼室への燃料噴射量をセンサ群31の検出結果をもとに制御するコントローラである。車体コントローラ40は、車体内における駆動部、たとえばエンジンによって駆動される油圧ポンプの斜板の傾斜角度を制御するコントローラである。なお、センサ群31には、エンジン回転センサや車速センサなどが含まれる。
【0021】
制御部18は、スイッチパネル14、センサ群21,31,41、およびスイッチ群15から入力された情報を、表示部11、LEDユニット12、およびメータユニット13に表示させる。
【0022】
ここで、図3を参照して、表示部11に表示される標準画面について説明する。図3に示すように、標準画面L0では、左上にエンジン水温計が表示され、左下にトルコン油温計が表示され、右上に作動油温計が表示され、右下に燃料計が表示される。また、標準画面L0の中央には、エアコンの状態が表示され、中央左に燃費の状況をインジケータで表したエコゲージ、中央右にシフトポジションパイロットランプ、その上にシフトインジケータが表示される。さらに、標準画面L0では、中央上に時計が表示され、中央下部に各種パイロットランプが表示される。各種パイロットランプとして、セミオート掘削パイロットランプ、オートグリースパイロットランプ、走行ダンパパイロットランプ、RPMセットパイロットランプ、リモートポジションパイロットランプ、DPF(Diesel・Particulate・Filter)ランプ、エマージェンシステアリングパイロットランプ、出力モードパイロットランプ、シフトホールドパイロットランプ、ロックアップパイロットランプ、オートシフトパイロットランプ、ファン逆転パイロットランプ、予熱パイロットランプなどが配列される。また、標準画面L0の下部中央左には、作業機械の整備の基準となる実稼動時間を表すサービスメータが配置される。さらに、標準画面L0の下部中央右には、総走行距離の積算値を表すオドメータが配置される。なお、標準画面L0は、少なくともエンジン水温計、燃料計、およびサービスメータが表示されるものであればよい。
【0023】
さらに、図4を参照して、スイッチパネル14について説明する。図4において、スイッチSW1〜SW10は、スイッチパネル14の上部に配列されるエアコンスイッチである。一方、スイッチSW11〜SW15はスイッチパネル14の下部に配列され、表示部11の画面を操作する画面操作スイッチである。スイッチSW1は、風量上昇設定スイッチである。スイッチSW2は、温度上昇設定スイッチである。スイッチSW3は、オートスイッチである。スイッチSW4は、風量下降設定スイッチである。スイッチSW5は、温度下降設定スイッチである。スイッチSW6は、A/Cスイッチである。スイッチSW7は、内外気切換スイッチである。スイッチSW8は、送風モード切換スイッチである。スイッチSW9は、オフスイッチである。スイッチSW10は、デフロスタースイッチである。一方、スイッチSW11は、上シフトスイッチである。スイッチSW12は、下シフトスイッチである。スイッチSW13は、戻りスイッチである。スイッチSW14は、決定スイッチである。スイッチSW15は、メニュースイッチである。
【0024】
つぎに、図5を参照して、表示部11の画面遷移について説明する。この画面遷移は、表示制御部17によって行われる。まず、キースイッチK1がオンになって電源が入力されると、図3に示した標準画面L0が表示部11に表示される。ここで、車速=0、すなわち作業機械が停止している状態でメニュースイッチSW15が押下されると、下位層の画面であるタブメニュー選択画面L1が表示部11に表示される。車速=0を条件としたのは、安全上、作業機械の走行中に表示部11の画面操作を行わせないためである。
【0025】
タブメニュー選択画面L1は、大項目の選択を行うためにタブ画面としている。また、選択されたタブ画面内では、上シフトスイッチSW11と下シフトスイッチSW12とをもちいて中項目の選択項目を選択できるようにしている。大項目の選択切換を行う場合、メニュースイッチSW15が右へのタブ画面移行に対応したスイッチとして機能し、メニュースイッチSW15を押下する毎に、タブ画面が切り換えられる。そして、メニュースイッチSW15がタブ画面切換として機能する画面表示を表示部11上に行う。
【0026】
このタブメニュー選択画面L1を開いているときに、車速=0でなくなった場合、すなわち作業機械が走行した場合、あるいは戻りスイッチSW13を押下した場合、あるいはスイッチSW1〜SW15の全スイッチの無操作状態が予め設定されている所定時間、たとえば、30秒経過した場合、標準画面L0に戻る。なお、現在の表示画面でメニュースイッチSW15が選択可能な画面のときは、このメニュースイッチSW15を含んだ全スイッチSW1〜SW15の無操作状態が所定時間経過することが標準画面L0への戻り条件の1つとなり、現在の表示画面でメニュースイッチSW15が選択不可能な画面のときは、このメニュースイッチSW15以外の全スイッチSW1〜SW14の無操作状態が所定時間経過することが標準画面L0への戻り条件の1つとなる。
【0027】
タブメニュー選択画面L1を開いているときに、決定スイッチSW14が押下された場合、小項目を選択するサブ選択画面L2,L4に遷移する。サブ選択画面L2が表示されているときに、決定スイッチSW14が押下されると、サブ選択画面L2上で選択された小項目に対するポップアップ画面L3がサブ選択画面L2内に表示される。このサブ選択画面L2上で選択した細項目に対して決定スイッチSW14を押下して設定した場合、あるいは戻りスイッチSW13を押下した場合、あるいはメニュースイッチSW15以外の画面操作スイッチSW11〜SW14の無操作状態が30秒以上経過した場合、上位のサブ選択画面L2に遷移する。また、サブ選択画面L2を表示した状態で戻りスイッチSW13が押下された場合、あるいはメニュースイッチSW15以外の全スイッチSW1〜SW14の無操作状態が30秒以上経過した場合、上位のタブメニュー選択画面L1に遷移する。
【0028】
一方、サブ選択画面L4が表示されると、上シフトスイッチSW11と下シフトスイッチSW12とをもちいて小項目の選択を行うことができる。また、サブ選択画面L4によっては、上シフトスイッチSW11と下シフトスイッチSW12とをもちいて設定調整を行うことができる。この場合、設定調整対象に対応した画像部分に上シフトスイッチSW11および下シフトスイッチSW12に対応した画像を配置する。さらに、サブ選択画面L4が表示された状態で、メニュースイッチSW15が調整対象のリセット動作を指示するスイッチに対応させ、メニュースイッチSW15の押下によって調整対象をリセットすることができる。このリセット位置を示す記号などを画面上に表示し、この記号とメニュースイッチSW15とが対応している画像表示も行う。
【0029】
サブ選択画面L4が開いているときに、決定スイッチSW14が押下された場合、あるいは戻りスイッチSW13が押下された場合、さらには、全スイッチSW1〜SW15の無操作状態が30秒以上経過した場合、上位のタブメニュー選択画面L1に遷移する。
【0030】
さらに、具体例を示して表示部11の画面遷移および設定処理について説明する。図6において、標準画面L0が表示された状態で、車速=0でメニュースイッチSW15が押下されると、サブメニュー選択画面L1のうちのサブメニュー選択画面L11が初期表示される。ここで、サブメニュー選択画面L11では、5つのタブが設けられ、省エネガイダンスタブ、車体設定/情報タブ、DPF再生タブ、メンテナンスタブ、モニタ設定タブがあり、それぞれのタブが、省エネガイダンス、車体設定/情報、DPF再生、メンテナンス、モニタ設定の内容を示す画像とともに画面上部で左から順次描かれている。なお、初期画面では、省エネガイダンスタブが選択された状態として表示される。
【0031】
ここで、上シフトスイッチSW11は、タブメニュー選択画面L11上で中項目の選択状態を上の中項目の選択状態に遷移させるスイッチである。また、下シフトスイッチSW12は、タブメニュー選択画面L11上で中項目の選択状態を下の中項目の選択状態に遷移させるスイッチである。さらに、戻りスイッチSW13は、タブメニュー選択画面L11から標準画面L0に遷移させるスイッチである。また、決定スイッチSW14は、選択状態の中項目を選択してサブ選択画面L2,L4に遷移させるスイッチである。一方、メニュースイッチSW15は、標準画面L0からタブメニュー選択画面に遷移させるためのスイッチであり、現在のタブメニュー選択画面では使用されないスイッチである。すなわち、画面操作スイッチSW11〜SW15のうち、画面操作スイッチSW11〜SW14は、タブメニュー選択画面L1で使用されるスイッチであり、画面操作スイッチ(メニュースイッチ)SW15は、タブメニュー選択画面L1で使用されないスイッチである。
【0032】
そこで、このメニュースイッチSW15の機能を、タブ画面変更を示す右シフトスイッチ機能に割り当てて対応付け、タブメニュー選択画面L1が表示されている場合、メニュースイッチSW15を、タブ画面変更を示す右シフトスイッチとして使用する。このメニュースイッチSW15のタブ画面変更を示す右シフトスイッチ機能への対応付けを画像表示するとともに、画像上におけるタブのシフト位置を示すようにしている。タブメニュー選択画面L1の下部には、スイッチパネル14上での画面操作スイッチの配置に対応して左からスイッチSW11〜SW15に対応したスイッチ形状の画像M1〜M5を表示する。なお、タブメニュー選択画面L1の下部に表示される画像M1〜M5は、このタブメニュー選択画面L1で使用される選択対象となる画像M1〜M5のみが表示される。すなわち、タブメニュー選択画面L1に限らず、現在表示されている画面の下部に表示されるスイッチ対応の画像は、現在表示されている画面で選択対象となるスイッチのみが画面上に表示される。このように、表示制御部17は、特定の表示画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり、他の画面操作スイッチの機能とは異なる機能、たとえば、タブ画面変更を示す右シフトスイッチ機能を割り当てる。
【0033】
ここで、メニュースイッチSW15に対応するスイッチ形状の画像M5に隣接してタブ画面変更を示す画像M10を表示する。これによって、ユーザは、メニュースイッチSW15がタブ画面変更のスイッチに対応していることを知ることができる。また、この画像M10は、タブ画面変更の方向を示す三角形状の画像としている。そして、この画像M10に対応した画像M11をタブのインデックス間に配置し、この画像M11によって次に切り換えられるタブとその方向を知ることができる。なお、画像M11に代えて、あるいは画像M11と重複して、選択状態のタブ画面内に、タブ画面変更の方向を示す情報を表示するようにしてもよい。
【0034】
図6では、タブメニュー選択画面L11の状態で、メニュースイッチSW15を押下すると、順次右のタブ画面(タブメニュー選択画面L11→L12→L13→L14→L15)に切り替わり、再び、タブメニュー選択画面L11に遷移する。このタブメニュー選択画面の切換とともに、タブ間の画像M11もシフトしていく。
【0035】
このタブメニュー選択画面L1では、選択タブを大項目とすると、中項目の選択項目がタブ内に上下に配置されている。たとえば、モニタ設定画面であるタブメニュー選択画面L15では、上からたとえば、リアービューモニタ設定、メータ表示選択、画面調整、時計調整、言語設定、IDキー情報の6つの選択中項目が配置されている。したがって、タブメニュー選択画面L15で、下シフトスイッチSW12を押下していくと、順次、下に位置している中項目が選択状態となって表示される。すなわち、タブメニュー選択画面は、L15→L151→L152→L153→L154→L155に順次遷移する。ここで、1つのタブメニュー選択画面L15での選択中項目は、5つまで表示可能であり、6つの選択中項目は全て表示されないが、選択状態の中項目が最下位に表示されている場合(L154)、下シフトスイッチSW12をさらに押下すると各中項目が揃って1中項目分、上にシフトし、最下位に表示されている下の位置の中項目が表示状態かつ選択状態となる(L155)。なお、上シフトスイッチSW11を操作しても、選択中項目が逆の順序で選択状態となる。
【0036】
このようにして、タブメニュー選択画面L1では、メニュースイッチSW15と、下シフトスイッチSW12あるいは上シフトスイッチSW11とを用いて、左右のタブの大項目と上下の中項目とのマトリックのうちの1つの中項目を選択することができる。この際、タブ画面変更スイッチ対応のスイッチが無くても、このタブメニュー選択画面L1で用いられないメニュースイッチSW15をタブ画面変更スイッチとして機能させることによって、少ない画面操作スイッチを効率良く用いることができる。
【0037】
また、タブメニュー選択画面L1が表示された状態で、メニュースイッチSW15に対応づけられたタブ画面変更のスイッチ機能を示す画像M10を、メニュースイッチSW15に対応した画像M5に隣接配置して対応関係を表示しているので、メニュースイッチSW15とタブ画面変更のスイッチ機能との対応関係を容易に知ることができる。さらに、画面変更のスイッチ機能の画像M10と画面上の対応箇所に表示される画像M11とを同じ画像あるいは同じ内容の画像情報表示としているので、一層、メニュースイッチSW15とタブ画面変更のスイッチ機能との対応関係を容易に知ることができる。
【0038】
さらに、現在の表示画面上で使用される画面操作スイッチSW11〜SW15に対応した画像M1〜M5を表示させる際、スイッチパネル14の配置に対応して表示するとともに、現在の表示画面上で必要のない画面操作スイッチの画像領域のスペースを確保した状態で配置して表示するようにしている。たとえば、現在の表示画面で画面操作スイッチSW11〜SW15のうち画面操作スイッチSW14が不要な場合、画像M1〜M3の表示後、画像M4を表示すべき表示領域を空けた状態で画像M5を表示する。このような表示制御を行うことによって、使用される画面操作スイッチに対する誤操作を低減することができる。もちろん、画像M1〜M5は、スイッチパネル14に示された画像とほぼ同じ画像を表示している。
【0039】
特に、コンソール1の前面に表示部11を配置し、表示部11から離隔してコンソール1の左右でハンドル2位置から離れた位置にスイッチパネル14を配置した場合であっても、上述した画面上のスイッチガイドをもとに、少ない画面操作スイッチのみで多種の画面操作を行うことができる。
【0040】
なお、表示制御部17は、各表示画面ごとに、各画面操作スイッチSW11〜SW15のスイッチ機能と、表示画面上に表示する画像M1〜M5および画像M10,M11,M21,M22,M30,M31とを対応づけてメモリなどに保持し、各表示画面ごとに、対応するスイッチ機能を割り当てるとともに対応画像を表示画面上の所望箇所に表示する制御を行う。このスイッチ機能には、各画面操作スイッチSW11〜SW15に予め設定されたデフォルトのスイッチ機能のほかに、別に割り当てられるスイッチ機能、たとえば上述したタブ画面変更の右スイッチ機能などが含まれる。また、上述した画像M1〜M5は、スイッチパネル14の画像と同じ画像とすることが好ましい。そして、別に割り当てられるスイッチ機能を画像操作スイッチに割り当てる場合、表示画面上で、この画面操作スイッチの画像に隣接させて、別に割り当てられるスイッチ機能の画像を配置することが好ましい。
【0041】
つぎに、タブメニュー選択画面L1からサブ選択画面L2さらにポップアップ画面L3への遷移について具体的に説明する。図8に示すように、たとえば、タブメニュー選択画面L151の状態(中項目=モニタ表示選択の状態)で決定スイッチSW14が押下されると、サブ選択画面L21に遷移する。サブ選択画面L21は、決定スイッチSW14が押下されたときの初期画面であり、画面上、上下に配置された2つの小項目(左側メータ表示選択,右側メータ表示選択)のうち、左側メータ表示選択の小項目が選択状態となっている。ここで、下シフトスイッチSW12あるいは上シフトスイッチSW11を押下することによって、いずれかの小項目を巡回して選択することができる。
【0042】
そして、この小項目が選択された状態で決定スイッチSW14が押下されると、ポップアップ画面が表示される。たとえば、左側メータ表示選択の小項目が選択された画面で決定スイッチSW14が押下されると、この画面内に、ポップアップ画面LP31が表示される。ポップアップ画面LP31では、左側メータ表示選択に対応した3つの細項目(サービスメータ、オドメータ、時計)が上から下に順次配置されて表示される。同様に、右側メータ表示選択の小項目が選択された画面で決定スイッチSW14が押下されると、この画面内に、ポップアップ画面LP32が表示される。ポップアップ画面LP32では、右側メータ表示選択に対応した4つの細項目(燃費計、時計、オドメータ、サービスメータ)が上から下に順次配置されて表示される。各ポップアップ画面LP31,LP32内では、下シフトスイッチSW12あるいは上シフトスイッチSW11を押下することによって、任意の細項目を選択状態とすることができる。この選択状態で決定スイッチSW14を押下することによってサブ選択画面L2に戻ることができる。
【0043】
つぎに、タブメニュー選択画面L1からサブ選択画面L4への遷移について具体的に説明する。図9に示すように、たとえば、タブメニュー選択画面L152の状態(中項目=画面調整の状態)で決定スイッチSW14が押下されると、サブ選択画面L4に遷移する。サブ選択画面L4は、画面調整の画面であり、画面中央に明るさ(輝度)の大きさをハッチング付きセグメントで示すバー表示が横に表示され、このバーの端部に輝度を大きく設定する上シフトスイッチSW11に対応するスイッチ形状の画像M21と輝度を小さく設定する下シフトスイッチSW12に対応するスイッチ形状の画像M22とが表示される。すなわち、通常、上シフトスイッチSW11に対応する画像M1と下シフトスイッチSW21に対応する画像M2とは、画面下部に配置されるが、輝度の大小を可視化したバーの端部に画像M21,M22を配置することによって、上シフトスイッチSW11と下シフトスイッチSW12の機能を一層、容易に理解しやすくなるようにしている。したがって、上シフトスイッチSW11を押下すると、輝度が大きく設定されるとともに、ハッチング付きセグメントの割合が多くなり、下シフトスイッチSW12を押下すると、輝度が小さく設定されるとともに、ハッチング付きセグメントの割合が少なくなる。この輝度調整が終了した場合、決定スイッチSW14の押下によって輝度調整の設定がなされ、上位のタブメニュー選択画面L1に遷移する。
【0044】
ここで、ユーザは、調整中に、再度、輝度のデフォルト位置(大きさ)に設定したい場合があり、この場合、画面操作スイッチのうち、この画面で使用されないメニュースイッチSW15を、輝度をデフォルト位置に設定する機能に対応させている。この輝度のデフォルト位置への設定機能に対応する画像M30は、下矢印形状の画像であり、画面上に表示されたメニュースイッチSW15に対応する画像M5に対応づけて左隣に配置している。そして、この画像M30の画像と同様な画像M31をバーのデフォルト位置を指示する位置に配置している。したがって、ユーザは、画像M31によって輝度のデフォルト位置を知ることができるとともに、メニュースイッチSW15の押下によって一挙に輝度をデフォルト位置にリセットすることができる。
【0045】
なお、図10に示すようにメニュースイッチSW15に対応する画面上の画像M5と、メニュースイッチSW15に対応づけられた機能を表す画面上の画像M10とは、隣接配置されるが、この画像M5と画像M10との間は、好ましくは、結合を示す画像M10aによって結ばれている。この画像M10aを表示することによって、ユーザにとって一層、メニュースイッチSW15に対応づけられた機能を容易に理解することができる。
【0046】
また、この画像M10は、画面の背景画像の輝度に比して一部あるいは全部が大きな輝度をもつ画像とすることによって、強調表示することが好ましい。強調表示は、その他、背景に対する色相の変化を大きくしたものや、時間的に変化させるブリンク表示としてもよい。このような強調表示をすることによって、大きな画面上の一部である画像M10を容易に見出すことができ、ユーザのスイッチ機能の認識を迅速に行うことができる。
【0047】
ところで、上述したタブメニュー選択画面L1は、タブ画面として表示しているが、新たな機能のタブ画面をオプションとして追加することができる。これによって、一層、柔軟な選択設定処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 コンソール
2 ハンドル
10 表示装置
11 表示部
12 LEDユニット
13 メータユニット
14 スイッチパネル
15 スイッチ群
16a,16b 吹出口
17 表示制御部
18 制御部
21,31,41 センサ群
22,32,42 アクチュエータ群
30 エンジンコントローラ
40 車体コントローラ
L0 標準画面
L1,L11〜L15,L151〜L155 タブメニュー選択画面
L2,L4,L21,L22 サブ選択画面
L3,LP31,LP32 ポップアップ画面
M1〜M5,M10,M10a,M21,M22,M30,M31 画像
SW11 上シフトスイッチ
SW12 下シフトスイッチ
SW13 戻りスイッチ
SW14 決定スイッチ
SW15 メニュースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上に画像を表示する表示部と、
前記表示部と離隔した位置に配置され、前記表示部の表示画面上で予め設定された操作を指示する画面操作スイッチ群と、
前記画面操作スイッチ群の指示に従って前記表示画面上の複数の画面を切り替えて表示するとともに、表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を前記表示画面上に表示する制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、特定の表示画面に切り替えられた場合、該特定の表示画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なる機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて該異なる機能を示す画像を表示することを特徴とする作業機械の表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、さらに前記異なる機能を示す画像に対応する画像を該異なる機能が生じる箇所に表示することを特徴とする請求項1に記載の作業機械の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像の配置順序を、前記画面操作スイッチ群の配置順序に対応させて配置することを特徴とする請求項1または2に記載の作業機械の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を強調表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業機械の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記複数の画面をタブ画面によって表示し、前記異なる機能を、タブ画面を1つシフトさせるタブ画面シフト機能として割り当て、巡回する1方向シフトによってタブ画面を切り替えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業機械の表示装置。
【請求項6】
前記特定した画面操作スイッチは、標準画面からユーザメニュー画面への遷移を指示するメニュースイッチであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の作業機械の表示装置。
【請求項7】
前記他の画面操作スイッチには、上方向および下方向へのシフトスイッチが含まれ、
前記タブ画面内では、前記シフトスイッチの指示によって上下方向に配置された選択項目が選択表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の作業機械の表示装置。
【請求項8】
ハンドルが前面に配置されるコンソール上の表示画面に画像を表示する表示部と、
前記コンソール上であって前記表示部と離隔した位置に配置され、前記表示部の表示画面上で予め設定された操作を指示する画面操作スイッチ群と、
前記画面操作スイッチ群の指示に従って前記表示画面上の複数の画面をタブ画面で切り替えて表示するとともに、表示画面上で有効な画面操作スイッチの形状を示す画像を前記表示画面上に表示する制御を行う表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記タブ画面に切り替えられた場合、該タブ画面に対し、画面操作スイッチ群内の特定した画面操作スイッチに該特定した画面操作スイッチの機能と異なり他の画面操作スイッチの機能とは異なるタブ画面シフト機能を割り当て、該特定した画面操作スイッチの形状を示す画像に隣接配置させて前記タブ画面シフト機能を示す画像を表示することを特徴とする作業機械の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−136848(P2012−136848A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288916(P2010−288916)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】