説明

作業者の動態管理システム、動態管理サーバ及び動態管理プログラム

【課題】 管理者が、正確かつ効率よく作業者の動態を管理できる。
【解決手段】 インターネット回線70を経由して、作業者が使用する車両30に搭載されたカーナビゲーション20と接続された携帯端末10を介して、動態管理サーバ80と情報の送受信を行うことにより車両30の作業者の動態を管理する動態管理システムであり、動態管理サーバ80は、任意の顧客情報を抽出して携帯端末10を介してカーナビゲーション20に送信し、携帯端末10を介してカーナビゲーション20から目的地の予測到達時間を受信すると所定の移動中情報を表示し、携帯端末10を介してカーナビゲーション20から目的地到着完了情報を受信すると所定の作業中情報を表示し、携帯端末10を介してカーナビゲーション20から作業完了情報を受信すると所定の作業完了情報を表示する構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社外で会社の業務,作業を行う作業者の動態を管理するための動態管理システムに関し、特に、各作業者が運転する車両に搭載されたカーナビゲーションと、会社内に設置される管理サーバを、各作業者が所持する携帯端末を介して接続することにより、社外で働く作業者の動態を容易かつ正確に把握,管理することができ、作業者への指示や作業者の配置等が効果的に行え、緊急の作業等についても迅速な対応が可能となる作業者の動態管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カーナビゲーションは、人工衛星から発信される電波を受信して、自車の位置を地図上に表示し、目的地までドライバーを迷わないよう誘導するシステムである。
従来より、このようなカーナビゲーションを利用した様々なシステムが提案されている。
例えば、特許文献1には、カーナビゲーションを有する車より携帯電話でアプリケーション・サービス手段と通信することにより、ユーザ側の到着予測時刻を計算して、これを利用施設である目的地側に伝えるサービスシステムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、作業者が、携帯端末及びカーナビゲーションが接続された車両コンピュータを利用して作業状況を報告し、管理者側が作業の進捗を管理する稼動状況把握システムが開示されている。
さらに、特許文献3には、作業者が携帯するポケットベル及び携帯端末機、並びにカーナビゲーションを利用して、営業所の担当者が、業務車両の現在位置等を把握する保全作業支援システムが開示されている。
このように、カーナビゲーションを利用したシステムによって、会社の業務,作業を社外で行う外回りの従業員(作業)の一日の行動・動態を管理することができる動態管理システムが実現されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−257566号公報
【特許文献2】特開平09−147018号公報
【特許文献3】特開平08−310757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、以上のような従来提案されているカーナビゲーションを利用したシステムでは、作業者の動態管理を行うには種々の不利不便があった。
まず、特許文献1記載のシステムでは、基本的に個人のユーザがある一箇所の目的地(例えばレストラン)に向かう場合に、ユーザの到着予測時刻を目的地に送信するだけのものであり、会社の管理者の立場から複数の作業者の一日の行動を常時把握して積極的に管理する必要なる動態管理システムには対応できるものではなかった。
また、特許文献2のシステムでは、専用の携帯端末機を備える必要があり、汎用性がなく、多数の従業者がいる会社等に適用することは事実上困難であった。
また、特許文献3のシステムでは、ポケットベル及び携帯端末機の双方を用いる必要があったため、情報の一元管理ができないという問題が生じた。
【0006】
また、これら各特許文献のシステムでは、例えば、車両の運行管理記録等を自動で行うことは考慮されておらず、動態管理の記録等を効率的に行うことができないという問題もあった。
さらに、上記各システム等を使用しても、例えば、作業者が遭遇する渋滞や難易作業等の予測不可の事態等に対して、管理者・作業指示者からのフォローが遅れることは不可避的に発生していた。このため、様々な状況に対して迅速かつ臨機応変に対応できる管理システムの開発が望まれていた。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、各作業者が運転する車両に搭載されたカーナビゲーションと、会社内に設置される管理サーバを、各作業者が所持する携帯端末を介して接続することにより、社外で働く作業者の動態を容易かつ正確に把握,管理することができ、作業者への指示や作業者の配置等が効果的に行え、緊急の作業等についても迅速な対応が可能となる作業者の動態管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業者の動態管理システムは、一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載されたカーナビゲーションと、このカーナビゲーションに一対一に対応して接続される管理対象となる各作業者の携帯端末と、各携帯端末と通信回線を介して接続された管理者の動態管理サーバとを備えた作業者の動態管理システムであって、前記カーナビゲーションが、前記携帯端末から目的位置情報を受信して、受信した目的位置情報に基づいて前記車両の目的地を設定する目的地設定手段と、設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成し、前記携帯端末に送信する動態情報生成手段と、を有し、前記携帯端末が、前記動態管理サーバから目的位置情報を受信して、前記カーナビゲーションに送信する目的位置情報中継手段と、前記カーナビゲーションから前記所定の動態情報を受信して、前記動態管理サーバに送信する動態情報中継手段と、を有し、前記動態管理サーバが、顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末に送信する目的位置情報抽出手段と、前記携帯端末から前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する移動中情報表示手段と、前記携帯端末から前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する作業中情報表示手段と、前記携帯端末から前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する作業完了情報表示手段と、を有する構成としてある。
【0009】
また、本発明に係る作業者の動態管理サーバは、一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載され、設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成するカーナビゲーションが、携帯端末を介して接続される管理者側に備えられる作業者の動態管理サーバであって、顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションに送信する目的位置情報抽出手段と、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する移動中情報表示手段と、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する作業中情報表示手段と、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する作業完了情報表示手段と、を有する構成としてある。
【0010】
また、本発明に係る動態管理サーバは、前記携帯端末から前記目的地の予測到達時間を含む動態情報を受信後、所定時間経過しても当該携帯端末から前記目的地到着完了情報を受信しない場合に、所定のアラームを出力する到着遅延アラーム出力手段を備える構成としてある。
また、本発明に係る動態管理サーバは、前記携帯端末から前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信後、所定時間経過しても当該携帯端末から前記作業完了情報を受信しない場合に、所定のアラームを出力する作業遅延アラーム出力手段を備える構成としてある。
また、本発明に係る動態管理サーバは、前記顧客情報記憶手段から緊急顧客に係る顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報と、前記各携帯端末から受信した動態情報に基づいて、当該緊急顧客に対応する一の作業者を抽出する緊急作業者選別手段と、選別された緊急作業者の携帯端末に、緊急顧客に係る顧客情報に含まれる目的位置情報を送信する緊急顧客情報送信手段と、を備える構成としてある。
【0011】
さらに、本発明に係る作業者の動態管理プログラムは、一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載され、設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成するカーナビゲーションが、携帯端末を介して接続される管理者の動態管理サーバを構成するコンピュータを、顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する手段、前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションに送信する手段、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する手段、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する手段、前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する手段、として機能させるための作業者の動態管理プログラムにより構成してある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各作業者が運転する車両に搭載されたカーナビゲーションと、会社内に設置される管理サーバを、各作業者が所持する携帯端末を介して接続することにより、社外で働く作業者の動態を容易かつ正確に把握,管理することができる。
これにより、作業者への指示や作業者の配置等が効果的に行え、緊急の作業等についても迅速な対応が可能となり、作業指示者が、効率よく車両及び/又は作業者の動態を管理できる動態管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の作業者の動態管理システムの一実施形態の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態の動態管理システムの処理手順を示す動作手順図である。
また、図3〜8は、本実施形態の動態管理システムの動態管理サーバの画面表示例を示す図である。
【0014】
これらの図に示す本実施形態の動態管理システムは、社外で会社の業務,作業を行う作業者の動態を管理するための管理システムであって、図1に示すように、車両30及び60に搭載されているカーナビゲーション20及び50と、これらのカーナビゲーション20及び50と接続可能な携帯端末10及び40と、動態管理サーバ80と、インターネット回線70とを有しており、携帯端末10及び40は、インターネット回線70を経由して動態管理サーバ80と接続している。
具体的には、本実施形態の動態管理システムは、インターネット回線70を経由して、作業者(図示せず)が使用する車両30及び60に搭載されているカーナビゲーション20及び50と接続可能な携帯端末10及び40から、動態管理サーバ80に情報を表示させ、これを利用して、作業指示者(図示せず)が車両30及び60及び/又は作業者の動態を管理する。
なお、本実施形態では、車両の数は2台であるが、1台でもよく、また、2台以上であってもよい。
【0015】
カーナビゲーション20及び50は、電源投入時、携帯端末10及び40からの接続信号を検知する検知手段と、この検知手段が携帯端末10及び40との接続を検知すると、携帯端末10及び40と情報の送受信を行なうカーナビ側通信手段とを有している。
カーナビ側通信手段が送受信する情報としては、例えば、現在の走行距離、運行速度、位置、目的地の位置(顧客位置)、目的地までの距離、予測到達時間、目的地到着時刻、インターネットメール等が挙げられ、これらがその作業者の動態情報となる。
また、カーナビゲーション20及び50は、携帯端末10及び40から受信した情報を音声変換する音声変換手段と、この情報を読み上げる音声読上手段を有することが好ましい。このような手段を有していれば、携帯端末10及び40から受信したインターネットメールの内容を音声に変換しスピーカー等から読上げることができるので、作業者は、メールの内容を聞くだけで済み、効率的である。
【0016】
携帯端末10及び40は、作業者が携帯しているパーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末であり、インターネット回線70に無線で接続する端末側回線接続手段と、カーナビゲーション20及び50並びに動態管理サーバ80と情報の送受信を行なう端末側通信手段とを有している。
端末側回線接続手段は、インターネット回線70に無線で接続し、動態管理サーバ80のサーバ側回線接続手段とともに、インターネット回線70を経由して情報の送受信が行えるような通信環境を確立する。
通信環境が確立されると、端末側通信手段は、カーナビゲーション20及び50のカーナビ側通信手段から送信された情報(動態情報)を受信し、インターネット回線70を経由して、動態管理サーバ80のサーバ側通信手段に送信するとともに、このサーバ側通信手段から送信された情報を受信し、インターネット回線70を経由して、カーナビゲーション20及び50のカーナビ側通信手段に送信する。
【0017】
動態管理サーバ80は、作業者を管理する管理者側の会社内等に設置されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、インターネット回線70に常時接続するサーバ側回線接続手段と、携帯端末10及び40と情報の送受信を行なうサーバ側通信手段とを備え、携帯端末10及び40から得られる情報を蓄積する情報蓄積手段、携帯端末10及び40から得られる所定の情報を登録する情報登録手段、携帯端末10及び40から得られる所定の情報を表示する情報表示手段、及び携帯端末10及び40から得られる情報を管理する情報管理手段を有している。
【0018】
サーバ側回線接続手段は、インターネット回線70に常時接続し、携帯端末10及び40の端末側回線接続手段とともに、インターネット回線70を経由して情報の送受信が行えるような通信環境を確立する。
通信環境が確立されると、サーバ側通信手段は、インターネット回線70を経由して、携帯端末10及び40の端末側通信手段から送信された情報を受信するとともに、インターネット回線70を経由して、携帯端末10及び40の端末側通信手段に上記情報を送信する。
サーバ側通信手段で受信した携帯端末からの情報は、必要に応じて、情報蓄積手段で蓄積され、情報登録手段で登録され、情報表示手段で表示され、情報管理手段で管理される。
これらの手段で処理される情報としては、例えば、作業の進行状態、作業予測時間、車両位置等が挙げられ、これらの情報は、情報表示手段により、切り替えて表示することができる。
【0019】
本実施形態の動態管理システムの処理手順を図2及び図3〜図8を参照して説明する。
同図では、携帯端末10、カーナビゲーション20を搭載した車両30とその作業者の動態を動態管理サーバ80が管理する場合について説明する。
なお、重複するため説明を省略するが、図3〜7に示す車両60、車両××及びこれらに乗車する作業者の動態を動態管理サーバ80が管理する場合についても、以下に示す車両30と同様に行われる。
まず、管理者側の作業指示者が動態管理サーバ80に作業指示情報(例えば、作業予測時間等)及び顧客情報(例えば、顧客名等)を入力すると、動態管理サーバ80では、顧客データベースより顧客の位置情報を抽出し、作業指示情報、顧客位置情報を、サーバ側回線接続手段のインターネット接続機能を利用し、インターネット回線70を経由して、サーバ側通信手段が、携帯端末10の端末側通信手段に送信する(ステップA−1)。
【0020】
一方、作業者は、車両30に乗車し、カーナビゲーション20に携帯端末10を接続する。
カーナビゲーション20は、車両30のエンジン始動とともに電源が入り、携帯端末10が接続されていれば、検知手段が携帯端末10からの接続信号を検知する。接続信号が検知されると、予め携帯端末10に蓄積された顧客位置情報が、端末側通信手段により、カーナビゲーション20のカーナビ側通信手段に送信され、この顧客位置情報に基づいて、目的地がカーナビゲーション20に設定される。このとき、顧客位置情報が複数ある場合は、目的地を追加という形で設定される(ステップA−2)。
【0021】
目的地が設定されたカーナビゲーション20では、VICS機能、GPS機能を利用し、その目的地までの距離、予測到達時間、現在の走行距離、位置情報等の運転管理情報が、カーナビ側通信手段により、携帯端末10の端末側通信手段に送信される(ステップА−3)。
携帯端末10の端末側通信手段は、カーナビゲーション20のカーナビ側通信手段から受信した目的地までの予想到達時間を、インターネット回線70を経由して、動態管理サーバ80のサーバ側通信手段に送信する。
動態管理サーバ80では、携帯端末10からの情報を受信すると、情報蓄積手段がこの情報を蓄積し、情報表示手段が、図3に示すように、車両30のサーバ画面表示を「移動中」に切り替えるとともに、得られた予測到達時間から目的地(図3に示す“××工業”(地図上の“◎”)参照)の予想到達時刻を算出して、サーバ画面に表示させる(ステップА−4)。
【0022】
作業者は、カーナビゲーション20の画面上に表示された顧客位置情報を基に車両30を運転し、目的地に到達する。
営業車30が目的地に到達すると、カーナビゲーション20では、カーナビ側通信手段が、顧客位置情報と現在位置との対比を行い、目的地の到着が確認できた時点で、目的地到達時刻、現在の走行距離等の現地到着情報を携帯端末10の端末側通信手段に送信する(ステップA−5)。
携帯端末10では、端末側回線接続手段のインターネット接続機能を利用し、インターネット70を経由して、カーナビゲーション20からの現地到着情報が、端末側通信手段から、動態管理サーバ80のサーバ側通信手段に送信される(ステップA−6)。
【0023】
動態管理サーバ80では、携帯端末10からの現地到着情報を受信すると、情報登録手段がこの情報を登録するとともに、現地到着情報登録完了のメールを作成し、サーバ側通信手段から携帯端末10の端末側通信手段に、インターネット70を経由して、登録完了メールが送信される(ステップA−7)。作業者は、このメールを確認した後、作業を開始する。
また、動態管理サーバ80は、上記ステップА−4で受け取った予測到達時刻を超えても現地到達情報を受信しない場合は、情報表示手段が、図4に示すように、車両30のサーバ画面表示を「アラーム」表示に変更し、作業の遅れを表示させる。
【0024】
動態管理サーバ80では、携帯端末10からの現地到着情報を受信すると、情報蓄積手段がこの情報を蓄積し、情報表示手段が、図5に示すように、車両30のサーバ画面表示を「作業中」に変更する。また、予め入力しておいた作業予測時間より、到達時点からタイマー機能を動作させ、作業時間のカウントダウンを始める。
作業者が作業予測時間内に作業を終えた場合には、営業車30では、携帯端末10をカーナビゲーション20に接続後、エンジンを始動ともにカーナビゲーション20の電源が入り、携帯端末10の端末側回線接続手段のインターネット接続機能を利用し、インターネット70を経由して、動態管理サーバ80のサーバ側通信手段に作業完了報告情報を送信する(ステップА−8)。
【0025】
動態管理サーバ80では、作業完了報告情報を受信した時点で、情報表示手段が、図6に示すように、サーバ画面表示を「作業完了」に変更する。また、車両30については、次作業が登録されていないので、「次作業登録待ち」と表示される。
また、社内端末80では、携帯端末10からの作業完了報告情報を受信すると、情報登録手段がこの情報を登録するとともに、作業完了報告情報登録完了のメールを作成し、サーバ側通信手段から携帯端末10の端末側通信手段に、インターネット70を経由して、登録完了メールが送信される(ステップA−7)。
なお、動態管理サーバ80では、予測作業時間を超え、作業時間のカウントが0になった時点で作業予測時間を超えたと判断し、情報表示手段が、図7に示すように、車両30のサーバ画面表示を「アラーム」表示に変更し、作業の遅れを表示させる。
【0026】
また、以上のような本実施形態の動態管理システムでは、緊急の作業が入った場合、作業指示者が、動態管理サーバ80に緊急の作業指示及び顧客位置情報を入力する。
このとき、動態管理サーバ80の情報蓄積手段は、各作業者の位置を基に、目的地への到達が一番早い作業者を、作業完了予定時間、移動距離、移動時間、交通情報により自動的に選別する。選別されたのが車両30の作業者の場合、動態管理サーバ80のサーバ側通信手段が、携帯端末10の端末側通信手段に、作業変更情報、顧客位置情報を含むインターネットメールを送信する。
【0027】
携帯端末10では、これらの情報を含むインターネットメールを端末側通信手段が受信するとともに、カーナビゲーション20のカーナビ側通信手段にこれらの情報を送信し、目的地を変更させる。このとき、カーナビゲーション20が、携帯端末10から受信した情報を音声変換する音声変換手段と、この情報を読み上げる音声読上手段を有している場合は、作業変更情報をカーナビゲーション20のスピーカー等から読み上げることができる。
カーナビゲーション20では、目的地が変更されると、上記ステップA−3と同様に、運転管理情報が、カーナビ側通信手段により、携帯端末10の端末側通信手段に送信される。
【0028】
動態管理サーバ80では、携帯端末10から得られた情報を情報蓄積手段に蓄積しておくことができ、情報管理手段で、作業者及び車両30の一日の走行距離、移動時間等のその日の作業履歴(運転管理記録)として管理させておくことができる。
作業履歴は、図8に示すように、情報表示手段によりサーバ画面に表示可能である。また、必要に応じて、外部に出力して印刷等することができる。
【0029】
以上のような本実施形態では、動態管理サーバ80における各種情報の蓄積、登録、表示、及び管理等は、動態管理プログラムにより実行される。
この動態管理プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、携帯端末から得られた各種情報の蓄積処理、登録処理、表示処理、及び管理処理等を行わせる。
また、動態管理プログラムは、コンピュータのROMやハードディスクに記憶させる他、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することができる。
外部記憶装置とは、磁気ディスク等の記録媒体を内蔵し、例えば、動態管理サーバ80に外部接続される記憶増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、例えば、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
【0030】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAMにロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した本実施形態の動態管理サーバ80の機能が実現される。
さらに、コンピュータで動態管理プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された動態管理プログラムを、インターネット回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。
このダウンロードされた動態管理プログラムも、CPUにより実行され、動態管理サーバ80において、携帯端末から得られた各種情報の蓄積処理、登録処理、表示処理、及び管理処理等を実現する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の作業者の動態管理システムによれば、各作業者が運転する車両30,60に搭載されたカーナビゲーション20,50と、会社内に設置される動態管理サーバ80を、各作業者が所持する携帯端末10,40を介して接続することにより、社外で働く作業者の動態を容易かつ正確に把握,管理することができる。
これにより、作業者への指示や作業者の配置等が効果的に行え、緊急の作業等についても迅速な対応が可能となり、作業指示者が、効率よく車両及び/又は作業者の動態を管理できる動態管理システムを実現することができる。
具体的には、本実施形態の作業者の動態管理システムでは、以下のような効果を奏することができる。
(1)各作業者は、自分の車両に搭載されたカーナビゲーションに対して、目的地をその都度設定しなくても、電源を入れるだけで目的地設定が自動的に行われる。
(2)管理者側では、各作業者の目的地到達時間の遅れや作業時間の遅れ等をいち早く察知することができ、必要な指示等が行えるようになる。
(3)従来は作業者や管理者が手書きで行っていた運行管理記録を自動化することができる。
(4)緊急の作業依頼等の予測不可能な作業の変更等にも迅速かつ確実に対応することができる。
【0032】
以上、本発明の作業者の動態管理システムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る動態管理システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本システムで管理される作業者の作業・業務の内容は特に限定されるものではない。例えば、メンテナンス業務,配送業務,売り込み業務等、車両に乗った作業者が社外で活動することにより行われる作業・業務であれば、どのようなものであっても本システムの適用対象となる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の作業者の動態管理システムは、会社内にいる管理者,作業指示者が、社外で業務,作業を行う多数の作業者の動態を管理するためのシステムとして好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の動態管理システムの一実施形態を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の動態管理システムの一実施形態の処理手順を示す動作手順図である。
【図3】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【図4】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【図6】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【図7】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【図8】本発明の動態管理システムの一実施形態のサーバ画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10、40 携帯端末
20、50 カーナビゲーション
30、60 車両
70 インターネット回線
80 動態管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載されたカーナビゲーションと、このカーナビゲーションに一対一に対応して接続される管理対象となる各作業者の携帯端末と、各携帯端末と通信回線を介して接続された管理者の動態管理サーバとを備えた作業者の動態管理システムであって、
前記カーナビゲーションが、
前記携帯端末から目的位置情報を受信して、受信した目的位置情報に基づいて前記車両の目的地を設定する目的地設定手段と、
設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成し、前記携帯端末に送信する動態情報生成手段と、を有し、
前記携帯端末が、
前記動態管理サーバから目的位置情報を受信して、前記カーナビゲーションに送信する目的位置情報中継手段と、
前記カーナビゲーションから前記所定の動態情報を受信して、前記動態管理サーバに送信する動態情報中継手段と、を有し、
前記動態管理サーバが、
顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末に送信する目的位置情報抽出手段と、
前記携帯端末から前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する移動中情報表示手段と、
前記携帯端末から前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する作業中情報表示手段と、
前記携帯端末から前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する作業完了情報表示手段と、を有する
ことを特徴とする作業者の動態管理システム。
【請求項2】
一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載され、設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成するカーナビゲーションが、携帯端末を介して接続される管理者側に備えられる作業者の動態管理サーバであって、
顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションに送信する目的位置情報抽出手段と、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する移動中情報表示手段と、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する作業中情報表示手段と、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する作業完了情報表示手段と、を有することを特徴とする作業者の動態管理サーバ。
【請求項3】
前記動態管理サーバは、
前記携帯端末から前記目的地の予測到達時間を含む動態情報を受信後、所定時間経過しても当該携帯端末から前記目的地到着完了情報を受信しない場合に、所定のアラームを出力する到着遅延アラーム出力手段を、備える請求項2記載の作業者の動態管理サーバ。
【請求項4】
前記動態管理サーバは、
前記携帯端末から前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信後、所定時間経過しても当該携帯端末から前記作業完了情報を受信しない場合に、所定のアラームを出力する作業遅延アラーム出力手段を、備える請求項2又は3記載の作業者の動態管理サーバ。
【請求項5】
前記動態管理サーバは、
前記顧客情報記憶手段から緊急顧客に係る顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報と、前記各携帯端末から受信した動態情報に基づいて、当該緊急顧客に対応する一の作業者を抽出する緊急作業者選別手段と、
選別された緊急作業者の携帯端末に、緊急顧客に係る顧客情報に含まれる目的位置情報を送信する緊急顧客情報送信手段と、を備える請求項2,3又は4記載の作業者の動態管理サーバ。
【請求項6】
一又は二以上の管理対象となる各作業者の車両に搭載され、設定された目的地の予測到達時間、車両の現在位置、目的地到着完了情報、作業完了情報を含む所定の動態情報を生成するカーナビゲーションが、携帯端末を介して接続される管理者の動態管理サーバを構成するコンピュータを、
顧客の目的位置情報を含む所定の顧客情報を記憶する手段、
前記顧客情報記憶手段から任意の顧客情報を抽出し、当該顧客情報に含まれる目的位置情報を前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションに送信する手段、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地の予測到達時間、車両の現在位置を含む動態情報を受信すると、所定の移動中情報を出力・表示する手段、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記目的地到着完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業中情報を出力・表示する手段、
前記携帯端末を介して前記カーナビゲーションから前記作業完了情報を含む動態情報を受信すると、所定の作業完了情報を出力・表示する手段、として機能させるための作業者の動態管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−58925(P2006−58925A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236986(P2004−236986)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポケットベル
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】