説明

作業者用コルセット

【課題】コルセット本体が視認されず、また作業による位置ずれが生じにくい作業者用コルセットを提供する。
【解決手段】本発明の作業者用コルセット1は、腰部に巻回可能な帯状のコルセット本体2と、このコルセット本体を被覆するようコルセット本体の外面に取り付けられる腰巻部を有するエプロン3とを備え、上記コルセット本体が、一方の長辺付近で上記腰巻部に固着される固着部21と、上記固着部以外であって、上記腰巻部に固着されていない自由部25とを有する。上記固着部が、上記コルセット本体の長辺中央付近に設けられているとよい。上記固着部が、上記コルセット本体の長手方向長さの0.1倍以上0.4倍以下の幅を有するとよい。上記腰巻部の上辺から上記固着部の上辺までの距離が1cm以上10cm以下であるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者用コルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛の防止及び緩和手段として、腰部に巻回して用いる医療用コルセットが普及している。この医療用コルセットは、弾性を有する帯状のサポートベルトから形成され、腰部に巻回することによって、骨盤を適切な姿勢で固定支持するものである。医療用コルセットを習慣的に装着することによって、骨盤等の矯正等が行われ腰痛の防止及び緩和効果を得ることができる。
【0003】
このような医療用コルセットは、通常衣服の上から腰部に巻回される。しかし、一般的に医療用コルセットは外観上好ましくないものであるため、コルセットは他者から視認されないことが好ましい。そこで、コルセットをエプロンで被覆して視認されないようにエプロンと一体化させたコルセットが考案されている(特開2007−186835号公報等参照)。
【0004】
上記コルセットにおいては、エプロンの内面に面ファスナ及びループによってコルセット本体(腰痛バンド)が固定されている。そのため、コルセット本体とエプロンとを一体的に腰部に巻回する構造を有しており、装着後コルセット本体がエプロンによって被覆され、外部から視認されにくくなるという特徴を有している。
【0005】
しかし、上記発明のコルセットにおいては、コルセット本体の長手方向幅(巻回方向幅)がエプロンよりも大きく、その一部(面ファスナ部)がエプロンの端部から突出する構造を有しており、コルセット本体が完全には被覆されていない。また、コルセット本体がエプロンに面ファスナ及びループによって巻回方向全体に亘って固定されているため、装着者の動作によってコルセットの形状等が変化した場合に、コルセット本体に連動してエプロンも形状変化を起こし、エプロンにしわが生じやすいという不都合を有する。また逆に、エプロンが変形等したときに、エプロンに連動してコルセット本体の位置がずれやすいという不都合も有している。特に、姿勢を変えやすい作業を行う作業者がこのコルセットを装着する場合には、コルセット本体の位置ずれが極めて生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−186835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、コルセット本体が視認されず、また作業による位置ずれが生じにくい作業者用コルセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、
腰部に巻回可能な帯状のコルセット本体と、
このコルセット本体を被覆するようコルセット本体の外面に取り付けられる腰巻部を有するエプロンと
を備え、
上記コルセット本体が、
一方の長辺付近で上記腰巻部に固着される固着部と、
上記固着部以外であって、上記腰巻部に固着されない自由部と
を有する作業者用コルセットである。
【0009】
当該作業者用コルセットは、上記コルセット本体と、このコルセット本体を被覆する上記エプロンとを備えることによって、作業者が装着すると上記コルセット本体が上記エプロンに被覆されるため、コルセット本体が外面側から視認されない。さらに、上記コルセット本体が、一方の長辺付近で上記エプロンのコルセット本体の外面に取り付けられる腰巻部に固着され、この腰巻部に固着される固着部以外の自由部が腰巻部に固着されていないことによって、仮に作業者の動作や姿勢変化によってコルセット本体の形状や位置が変化してもエプロンにこの変化が伝わりにくく、コルセット本体に連動してエプロンにしわが生じることを防止することができる。また逆にエプロンの形状が変化した場合に、エプロンに連動してコルセット本体の位置がずれることを防止することができる。そのため、当該作業者用コルセットは、腰部に負担が加わるような姿勢の変化を伴う作業に従事する作業者用のコルセットとして好適に用いることができる。また、エプロンとコルセット本体が一体化しているため、作業者がコルセットの装着を失念したり、コルセット本体を紛失したりすることを防止することができる。
【0010】
上記固着部が、上記コルセット本体の長辺中央付近に設けられているとよい。このように固着部を設けることによって、コルセット本体を巻回する時にエプロンが垂れ下がりにくくなって、コルセット本体の巻回後にエプロンを巻回しやくなるため、当該作業者用コルセットの装着性が向上する。
【0011】
上記固着部が、上記コルセット本体の長手方向長さの0.1倍以上0.4倍以下の幅を有するとよい。固着部が上記範囲の幅を有することによって、当該作業者用コルセットの装着性を維持しつつ、コルセット本外の形状や位置の変化に連動したエプロンのしわ発生やエプロンの形状変化に連動したコルセット本体のずれを防止することができる。そのため、作業者の動作や姿勢変化に対するエプロンのしわ発生防止及びコルセット本体の位置ずれ防止効果をさらに向上させることができる。
【0012】
上記腰巻部の上辺から上記固着部の上辺までの距離が1cm以上10cm以下であるとよい。腰巻部の上辺から固着部の上辺までの距離を上記範囲とすることによって、上記コルセット本体の巻回後に、上記エプロンの固定位置を調整することができ、当該作業者用コルセットの装着性を向上させることができる。
【0013】
上記自由部の外面に固着され、上記コルセット本体の外面から腰部に巻回可能な補助ベルトをさらに備えるとよい。このような補助ベルトを備えることによって、腰部にコルセット本体を巻回した後、この補助ベルトを巻回することでコルセット本体に必要な締付力を付加することができ、当該作業者用コルセットの装着性を向上させることができる。また、コルセット本体をより確実に固定することができるため、作業者の動作や姿勢変化に対するコルセット本体の位置ずれ防止効果をさらに向上させることができる。
【0014】
上記エプロンが、上部に設けられ、腰部に巻回させて固定する紐を有するとよい。このような紐を有することによって、エプロンを腰部に確実に固定させることができ、エプロン及びコルセット本体の位置ずれ防止効果をより向上させることができる。
【0015】
上記コルセット本体及び上記腰巻部の上辺及び下辺が、展開状態においてそれぞれ下向きに凸となる湾曲を有するとよい。このような形状をコルセット本体及び腰巻部が有することによって、腰部の形状に的確に追従させながらコルセット本体及びエプロンを巻回することができるため、当該作業者用コルセットの装着性と、コルセット本体及びエプロンの位置ずれ防止効果とをさらに向上させることができる。
【0016】
上記腰巻部の外面にポケットを有するとよい。このように当該作業者用コルセットが腰巻部の外面にポケットを有することによって、例えば筆記具等の作業者が用いる道具類をこのポケットに格納することができるため、当該作業者用コルセットを装着した作業者の作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の作業者用コルセットは、コルセット本体が視認されず、また作業による位置ずれが生じにくいため、作業者が好適に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る作業者用コルセットの展開状態を示す模式的平面図であり、(a)は内面側から見た模式的平面図であり、(b)は外面側からみた模式的平面図である。
【図2】図1の作業者用コルセットの装着状態を示す参考図である。
【図3】図1の作業者用コルセットの装着手順を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説する。
【0020】
図1、図2及び図3に示す作業者用コルセット1は作業者Xの腰部に装着され、コルセット本体2、エプロン3及び補助ベルト4を備えている。コルセット本体2は、上側長辺(上辺)付近の固着部21においてエプロン3の腰巻部31に固着されている。補助ベルト4は、コルセット本体2の固着部21以外であって腰巻部31に固着されていない自由部の外面に固着されている。
【0021】
<コルセット本体>
コルセット本体2は、伸縮性を有する帯状部材で形成されており、腰部に巻回可能な帯状の形状を有し、上辺及び下辺が展開状態において下向きに凸となる湾曲を有している。またコルセット本体2は、腰部の背面部分に当接する背面部22、この背面部22の長手方向両端に接続され腰部の側面部分に当接する2つの側面部23及びこの2つの側面部23の背面部22と反対側の端に接続され腹部の正面部分と当接する自由端部24を有する。この自由端部24にはコルセット本体2を固定する係止手段が設けられる。この係止手段としては、特に限定されるものではなく、例えばホック等を用いることができるが、係止強度や装着性の点から面ファスナが好ましく、2つの自由端部24はそれぞれ面ファスナを有している。コルセット本体2は、腰部に巻回した後、2つの自由端部の面ファスナを結合して両端を係止することによって、一定の締付力を腰部に付与した状態で固定することができる。
【0022】
また、コルセット本体2は背面部22の上端部に上記腰巻部31が固着される固着部21を有する。固着部21は、コルセット本体2の上辺に沿って、コルセット本体2の上辺中央付近(背面部22の上辺)に設けられている。コルセット本体2のこの固着部21以外の部位はエプロン3と固着されない自由部25を形成する。
【0023】
固着部21の長手方向幅の上限としては、コルセット本体2の長手方向長さの0.4倍が好ましく、0.35倍がより好ましい。一方、固着部21の長手方向幅の下限としては、コルセット本体2の長手方向長さの0.1倍が好ましく、0.15倍がより好ましい。固着部21の幅が上記上限を超える場合、作業者の動作や姿勢変化によってコルセット本体2の位置や形状が変化した場合にエプロン3に変化が伝わりやすいため、エプロン3にしわが生じやすくなり、またエプロン3の形状が変化した場合にコルセット本体2の位置ずれが生じやすくなるおそれがある。逆に、固着部21の長手方向幅が上記下限値未満の場合、装着時にエプロン3が窄まりやすく当該作業者用コルセットの装着性が低下するおそれがあるほか、コルセット本体2とエプロン3との固着強度が弱くなって装着時等に分離するおそれがある。
【0024】
また固着部21の上下方向幅としては、1cm以上5cm以下が好ましい。固着部21の上下方向幅を上記範囲とすることによって、腰巻部31との固着強度を維持しつつ、コルセット本体2の位置や形状が変化した場合にエプロン3にしわが発生することや、エプロン3の形状が変化した場合にコルセット本体2の位置がずれることを防止することができる。
【0025】
<エプロン>
エプロン3は、腰部に巻回される帯状の腰巻部31と、この腰巻部31の上部に設けられ腰部に巻回させてエプロン3を固定する紐32a、32bとを有する。腰巻部31は、この紐32a、32bを挿通させるループ33及び紐孔34と、腰巻部31の外面に設けられたポケット35とを有する。上記ループ33及び紐孔34は、腰巻部31の外面の上辺部に形成されている。腰巻部31は、コルセット本体2の外面に取り付けられ、巻回状態で上記コルセット本体2を被覆可能な長手方向及び短手方向の長さを有する。また、腰巻部31の上辺及び下辺が展開状態においてそれぞれ下向きに凸となる湾曲を有する。さらに、上記腰巻部31の上辺付近には、上述のようにコルセット本体2の固着部21が固着されている。エプロン3は、腰部に腰巻部31を巻回した後、紐32a、32bをループ33及び紐孔34に挿通させながら腰巻部31の上辺部に巻回して固縛することによって、作業者の腰部に装着することができる。
【0026】
エプロン3においては、上述のように上記固着部21が腰巻部31に固着されている。具体的には、上記腰巻部31の上辺よりも下方でかつ腰巻部31の外面側から見て左端付近の位置に上記固着部21が固着されることによって、エプロン3が上記コルセット本体2と一体化されている。固着部21は、その上辺が腰巻部31の上辺と平行となるように固着される。腰巻部31の上辺から固着部21の上辺までの距離の上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましく、5cmがさらに好ましい。一方、腰巻部31の上辺から固着部21の上辺までの距離の下限としては、1cmが好ましく、1.2cmがより好ましく、1.5cmがさらに好ましい。腰巻部31の上辺から固着部21の上辺までの距離が上記上限を超える場合、エプロン3の腰部への固定時に腰巻部31の上辺と固着部21の上辺とに挟まれる部位がたわんで装着後の外観が低下するおそれがある。逆に、腰巻部31の上辺から固着部21の上辺までの距離が上記下限値未満の場合、エプロン3の腰部に対する固定位置が好適に調節できず、当該作業者用コルセット1の装着性が低下するおそれがある。固着部21と腰巻部31とは、例えば、縫合によって固着させることができる。
【0027】
上記紐32a、32bは、腰巻部31の側端の上部に接合された1対の紐であり、一方の紐32aは外面側から見て腰巻部31の左側端に接合され、他方の紐32bは右側端に接合されている。上記ループ33は、具体的には、腰巻部31の外面に、腰巻部31の上辺を略等間隔に分割する位置に2つ配設されている。また、紐孔34は、腰巻部31の上辺で外面側から見て右端からの距離が、腰巻部31の上辺の長さの約1/3となる位置で、上記ループ33よりも右端側に設けられている。紐32a、32bの幅は特に限定されるものではないが、例えば、1cm以上5cm以下が好ましい。また、ループ33の数及び位置は上述のものに限定されるものではなく、適宜設計することができる。
【0028】
ポケット35は、上記腰巻部31の外面に、腰巻部31の外面側から見て右端からの距離が、腰巻部31の上辺の長さの約1/3以上約2/3以下となる範囲に設けられている。このポケット35の数及び大きさは、当該作業者用コルセット1を装着する作業者の作業内容に合わせて適宜設計することができる。また、収納する物品の形状等にあわせて形状の異なる複数のポケットを設けてもよい。
【0029】
<補助ベルト>
補助ベルト4は、上記コルセット本体2の自由部25の外面に固着され、コルセット本体2の外面から腰部に巻回可能な帯状の形状を有する。具体的には、補助ベルト4はゴムバンドで構成されており、2本の帯状のゴムバンドの両端をそれぞれ接合し、接合した両端に係止手段として面ファスナ41a、41bが設けられている。そしてこの2本のゴムバンドの中央部が、上記コルセット本体2の背面部22の外面にお互い重ならないよう上下にずらした位置で固着されている。補助ベルト4は、腰部に巻回した後、面ファスナ41a、41bを結合して両端を係止することによって、腰部に巻回したコルセット本体2の締付力を調製することができる。上記自由部と補助ベルト4とは、例えば、縫合によって固着させることができる。また、上記係止手段として、面ファスナ以外にホック等を用いてもよい。
【0030】
補助ベルト4を構成するゴムバンドの幅は、特に限定されるものではないが、例えば、コルセット本体2の幅の1/10以上3/4以下であることが好ましい。ゴムバンドの幅をこのような範囲とすることで、適度な締付力を付与しつつコルセット本体2を腰部に固定することができる。
【0031】
<装着方法>
次に、当該作業者用コルセット1の装着方法について説明する。当該作業者用コルセット1は、図1に示した展開状態から、以下の手順で作業者が装着することができる。
【0032】
まず、コルセット本体2及びエプロン3の上辺部が腰部の上部に位置するように背面部22を腰部に当てる。次に、コルセット本体2の側面部23、自由端部24を巻回し、自由端部24が有する面ファスナを結合して係止することによって、コルセット本体2を図3に示すように腰部に巻回した状態で固定する。
【0033】
コルセット本体2を固定した後に、補助ベルト4をコルセット本体2の外面側から腰部に巻回して面ファスナ41a、41bを結合して係止して固定する。このとき、コルセット本体2の締付力が適度となるように補助ベルト4の巻回位置等を調製する。
【0034】
補助ベルト4を固定した後に、エプロン3の腰巻部31を腰部に巻回する。このとき、外面側から見て腰巻部31の左側端に接合された紐32aを上方から見て時計回りで腰部に巻回させながら紐孔34に挿通し、その後紐孔34に近接する外面側から見て右側のループ33に挿通させる。また、外面側から見て腰巻部31の右側端に接合された紐32bを上方から見て反時計回りで腰部に巻回させながら外面側から見て左側のループ33に挿通させる。最後に、これらの紐32a、32bの先端部をエプロン3の外面側で固縛することによって、エプロン3が腰部に巻回された状態で固定され、図2に示す装着状態を得ることができる。
【0035】
当該作業者用コルセット1は、コルセット本体2と、このコルセット本体2を被覆するエプロン3とを備えることによって、作業者の装着後にコルセット本体2がエプロン3に被覆され、コルセット本体2が外面側から視認されない。具体的には、長手方向にはエプロン3がコルセット本体2に重ねて巻回されることでコルセット本体2が被覆され、上下方向にはエプロン3がコルセット本体2の上下幅よりも大きい上下幅を有することでコルセット本体2が被覆される。また、コルセット本体2が、上辺の中央付近の固着部21でのみエプロン3の腰巻部31に固着されていることによって、仮に作業者の動作や姿勢変化によってコルセット本体2の形状や位置が変化してもエプロン3にこの変化が伝わりにくく、コルセット本体2に連動してエプロン3にしわが生じることを防止することができる。また逆にエプロン3の形状が変化した場合に、エプロン3に連動してコルセット本体2の位置がずれることを防止することができる。さらに、ゴムバンドで構成される補助ベルト4によってコルセット本体2に適度な締付力が付与される。また、エプロン3が有する紐32a、32bによってエプロン3が腰部に固定されるため、エプロン3及びコルセット本体2の位置ずれが生じにくい。そのため、当該作業者用コルセット1は、腰部に負担が加わるような姿勢の変化を伴う作業に従事する作業者用のコルセットとして好適に用いることができる。このような作業としては、例えば、介護、配送、給仕、家事等の作業を挙げることができる。
【0036】
<その他の実施形態>
本発明の作業者用コルセットは、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
【0037】
上記実施形態では、エプロンとしてスカート状の腰巻部のみからなるエプロンを用いたが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、腰巻部に加えて胸当部を有するエプロンを用いることもできる。このような胸当部を有するエプロンとしては、例えば、胸当部を上記実施形態における腰巻部にボタンによって係合し、紐等の固定手段を用いて上半身に固定するもの等を用いることができる。
【0038】
また上記実施形態では、補助ベルトをコルセット本体とエプロンとの間に設けたが、補助ベルトは必須の構成要件ではなく、当該作業者用コルセット装着時の手間の低減を優先して補助ベルトを設けない実施形態も本発明の意図する範囲内である。また、補助ベルトを設ける場合、その素材としては腰部に巻回して固定することができるものであれば特に限定されるものではなく、ゴムバンドの他に、例えば、伸縮性を有しない通常の紐や布等を用いることができる。
【0039】
また上記実施形態では、エプロンの位置固定手段として、腰巻部に固定された紐を用いたが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、エプロンに固定されていない位置固定手段を用いることもできる。このような位置固定手段としては、例えば、エプロンの長手方向幅よりも大きい長さを有する紐やベルト等を用いることができ、エプロンの上部にエプロンに重ねて巻回することでエプロンの位置を固定することができる。
【0040】
また、コルセット本体及び腰巻部の上辺及び下辺は必ずしも下向きに凸となる湾曲を有する必要はなく、製造コストを低減する目的から直線状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明の作業者用コルセットは、コルセット本体が視認されず、また作業による位置ずれが生じにくいため、作業者が好適に装着することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 作業者用コルセット
2 コルセット本体
21 固着部
22 背面部
23 側面部
24 自由端部
25 自由部
3 エプロン
31 腰巻部
32a、32b 紐
33 ループ
34 紐孔
35 ポケット
4 補助ベルト
41a、41b 面ファスナ
X 作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰部に巻回可能な帯状のコルセット本体と、
このコルセット本体を被覆するようコルセット本体の外面に取り付けられる腰巻部を有するエプロンと
を備え、
上記コルセット本体が、
一方の長辺付近で上記腰巻部に固着される固着部と、
上記固着部以外であって、上記腰巻部に固着されていない自由部と
を有する作業者用コルセット。
【請求項2】
上記固着部が、上記コルセット本体の長辺中央付近に設けられている請求項1に記載の作業者用コルセット。
【請求項3】
上記固着部が、上記コルセット本体の長手方向長さの0.1倍以上0.4倍以下の幅を有する請求項1又は請求項2に記載の作業者用コルセット。
【請求項4】
上記腰巻部の上辺から上記固着部の上辺までの距離が1cm以上10cm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の作業者用コルセット。
【請求項5】
上記自由部の外面に固着され、上記コルセット本体の外面から腰部に巻回可能な補助ベルトをさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業者用コルセット。
【請求項6】
上記エプロンが、上部に設けられ、腰部に巻回させて固定する紐を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の作業者用コルセット。
【請求項7】
上記コルセット本体及び上記腰巻部の上辺及び下辺が、展開状態においてそれぞれ下向きに凸となる湾曲を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の作業者用コルセット。
【請求項8】
上記腰巻部の外面にポケットを有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の作業者用コルセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79467(P2013−79467A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220410(P2011−220410)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(511240265)株式会社ピーエーエス (1)
【Fターム(参考)】