説明

作業足場装置及び作業足場台

【課題】 建造物の屋内作業用の足場台を提供するにおいて、移動性と作業性の良いものとする。
【解決手段】 中央部材15,15の上端部は左右両側方向に展開する足場部材1,1となる作業台板2,2,2,2をそれぞれ二連結に構成するとともに、これらの作業台板を上下垂直方向に折畳みし得るようにし、折畳み高さを作業員の視線以下に設定する足場装置であり、また、左右両側部に管材を有する中央部材を適当間隔をおいて前後両側部に設置し、両中央部材の下端部は左右両部に移動車輪17,17を有する支台27,27の中央部に設置し、前記中央部材上部の左右両側方向に足場部材となる各作業台板の一部に中央部材の左右管材の上端部を枢着16,16,16,16し垂直方向に折畳みし得るように連結し、この各作業台板はその連結部において中間支柱6,6を介して互いに垂直方向に折畳みし得るように成る足場台である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内工事用の作業足場装置及び作業足場台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業足場台の技術分野において屋外工事用については、特許第3148886号に係る発明を本件発明の一方の会社においては開発し特許権を取得しているが、これは移動車輪を有する作業台板を折畳みし得る構造に成るものであるところ、屋内工事用の発明としては次のようなものが公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2899751号公報
【特許文献2】特許第3909522号公報
【特許文献3】特許第2990376号公報
【特許文献4】実用新案登録第2528462号公報
【特許文献5】登録実用新案第3035144号公報
【特許文献6】登録実用新案第3035632号公報
【0004】
しかしながら、これらの足場板は、使用時の開放水平状態から不使用時の閉口垂直状態に転向することが専ら二つ折り畳み手段から成るものであるため、その全長が2m近い高さに直立し、不使用時には移動車輪を介して倉庫又は工場の壁際に移動して立てておき、必要時には所定の場所までこれを移動することになるが、使用時に閉口垂直状態に折畳まれている各足場板体を移動しようとするときに、その進行方向を良く確認することができない欠点があったし、組立て作業に時間がかかる等の欠点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、これらの欠点を除去した合理的で作業性の高い屋内用作業足場台を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、中央部材の上端部は左右両側方向に展開する足場部材となる作業台板をそれぞれ二連結に構成するとともに、これらの作業台板を上下垂直方向に折畳みし得るようにし、折畳み高さを作業員の視線以下に設定する足場装置である。
【0007】
本発明は、左右両側部に管材を有する中央部材を適当間隔をおいて前後両側部に設置し、この前後両中央部材の左右管材間の上下部に横支杆を架設するとともに下横支杆に把手を設け、このように成る両中央部材の下端部は左右両部に移動車輪を有する支台の中央部に設置し、前記中央部材上部の左右両側方向には足場部材となる各作業台板をその枠材の一部に中央部材の左右管材の上端部を枢着し垂直方向に折畳みし得るように連結し、この各作業台板はその連結部において中間支柱を介して互いに垂直方向に折畳みし得るように成る足場台である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の作業用足場台は、中央部材の左右両側方向に足場部材となる作業台板を二連に連結するとともにこれを上下垂直方向に折畳みし得るものであるから、左右方向にそれぞれ比較的広い面積を持った二連結の足場部材を構成していても、通常の作業員の背丈以下の高さに折畳まれた状態で移動することができるようになり、これを多数台移動したり、不使用時に直立してまとめておいても、場内を十分見通せるものとなり、その作業に支障は起らないようになる。
【0009】
また、各足場部材の連結および折畳み構造は、比較的簡潔に構成されているとともに安全性に十分配慮している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】使用時の全体の平面図
【図2】図1の正面図
【図3】図1の一側面図
【図4】要部の組立て前の関係状態を示す底斜視図
【図5】要部の組立て直前の底斜視図
【図6】要部の組立て前の底斜視図
【図7】要部の組立て後の正斜視図
【図8】要部の平面図
【図9】不使用時の折畳み中の全体の正斜視図
【図10】不使用時の折畳み後の全体の正斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
不使用時に所定の場所に集合されている状態では、本発明の作業足場台は、中央部材の左右両側部に設置されている足場部材が、それぞれ二連結している作業台板を上下垂直状態に折畳み並置しておくところ、この状態にあっては、図10に示すように、隣接する両作業台板の枠材間の頂上部においてはロックピンを、連結する左右の両作業台板の枠材間の中間部には作業台板の枠材間にロックピンを、それぞれその前後部において掛け止めている。
【0012】
そこで、これを使用時においては、図10に示したような折畳み垂直状態にある装置のままで、所定の建造物における室内作業場まで各移動車輪のストッパーを外して移動し、その場において前記各ロックピンを外した後、中央部材の左右両側部に設置している足場部材の連結する複数の作業台板を水平状態に展開する。これによって全体は、図9,図1,図2に示すような状態になるから、各移動車輪に設けるストッパーによって、その場に位置を固定した後に天井に向って作業を開始すればよい。
【0013】
また、その場所での作業が終了し場所を移動したいときは、足場部材の作業台板は水平に展開した状態のまま移動車輪を介して移動すればよいが、全作業終了後の不使用収納時には、足場部材の前後部の各中央支柱に設けているレバーを2人で把持したり、中央部材前後部の把手を2人で持ち上げて、足場部材の全作業台板を全部垂直状態に直立した後、前記ロックピンを掛け止めておく。
【実施例】
【0014】
1,1は全体を後記中央部材15を介して二分する足場部材であり、その構造は以下説明するとおりであるが、左右対称の構造となる。
【0015】
即ち、前記左右の足場部材1,1はそれぞれ複数の作業台板2,2,2,2を連結して成り、一方の各作業台板2,2はそれぞれその中間連結部から上方向に折畳まれるようになる。
【0016】
この一方の各作業台板2,2はエキスパンダーメタルを枠材3,3で構成したものであるところ、その各作業台板の枠材の前後部左右側端部には支柱4,4,4,4の上端部をそれぞれ枢着5,5,5,5し、各作業台板2,2間にはその両枠材内端部の内側位置に設けた三角形の支持板7,7,7,7の一端部付近に後記支持杆11,11,11,11の上端部をそれぞれ枢着8,8,8,8し、前記支持板の中央部には中間支柱6,6の上端部を固着する。この左右側の前後部に設けた各三角形支持板7,7部分が、前記した各作業台板2,2,2,2の中間連結部と称するものである。
【0017】
9,9は前記左右両方の各作業台板2,2の前後部左右側の支柱4,4,4,4の下端部前後部間に架設枢着した横基杆で、この横基杆の同一位置の支柱4,4と中間支柱6,6間にも縦基杆10,10,10,10をそれぞれ架設枢着する。
【0018】
10’,10’は左右外側の作業台板2,2の縦基杆10,10の上方部の支柱4,4間に架設した副縦基杆である。
【0019】
11,11,11,11は上端部を前記三角形支持板7,7近くの作業台板2,2,2,2の枠材3,3,3,3の内側部に枢着12,12,12,12し、下端部を前記縦基杆10,10,10,10の前後支柱4,4,4,4の下端部近くに枢着13,13,13,13する支持杆である。
【0020】
また、前記中間支柱6,6の下端部には、前記2つの横基杆9,9の端部が枢着13’,13’する。
【0021】
14,14は前記中間支柱6,6の外側部に設けたレバーで、作業員はこのレバーを持ち上げることによって両作業台板2,2を垂直方向に持ち上げて折畳むことができる。この時、前記各枢着部12,13,13’が作用するようになる。
【0022】
15,15は左右に分岐している複数の作業台板2,2,2,2が接する中央部の前後両外側部に設置する中央部材で、この中央部材の上端部は左右に分離した作業台板2,2の枠材3,3の外側部にそれぞれ枢着16,16,16,16している。
【0023】
17,17,17,17は前記中央部材15,15の下端部を固設した支台27,27の両端部に設けた移動車輪で、この移動車輪には固定用ストッパー18,18を設ける。
【0024】
19,19,19,19は前記作業台板2,2の外支柱4,4の下端部に設けた移動車輪で、この移動車輪には固定用ストッパー20,20を設ける。
【0025】
図3によって判るように、作業台板2,2の外支柱4,4の移動車輪19,19,19,19は、両作業台板2,2を合わせる中央部材15,15の移動車輪17,17の内側に位置している。
【0026】
21,21は前記前後に立設する中央部材15,15の左右管材15’,15’,15’,15’の下側部間に架設した下横支杆22,22に固着した把手で、この把手は作業員が作業台板2,2の水平開拡と垂直折畳みのための上下作動時に把持して使用する。
【0027】
23,23は中央部材15,15の左右管材間の下側部に架設した上横支杆で、台板全体の中心部で安定効果をあげる。
【0028】
24,24,24,24は前記中央部材15,15の左右管材の前後側部間の上下部に架設した支杆で、この支杆は左右両側方に分かれる足場用作業台板の中心部に位置する。
【0029】
25,25は左右に分離しかつ四枚に折畳まれる作業台板2,2,2,2を垂直状態に直立したときに、その前後両部において頂上部間に掛けわたして固定するロックバーで、隣接する両作業台板の枠材3,3に設けた通孔に嵌挿して取付ける。
【0030】
26,26は折畳まれた前記作業台板2,2,2,2を垂直状態に直立したときに、その周囲の中間の枠材3,3,3,3間に掛止めておく固定用のロックバーである。
【0031】
28,28,28,28は前記中央部材15,15の左右管材15’,15’,15’,15’の下端部の外側部に設けた高さ調節用螺子で、作業時における本作業台板の高さは3段階位に調節することができるようにする。
【符号の説明】
【0032】
1,1 足場部材
2,2,2,2 作業台板
3,3,3,3 枠材
4,4,4,4 支柱
5,5,5,5 枢着
6,6 中間支柱
7,7,7,7 支持板
8,8,8,8 枢着
9,9 横基杆
10,10,10,10 縦基杆
10’,10’ 副縦基杆
11,11,11,11 支持杆
12,12,12,12 枢着
13,13,13,13 枢着
13’,13’ 枢着
14,14 レバー
15,15 中央部材
15’,15’,15’,15’ 左右管材
16,16,16,16 枢着
17,17 移動車輪
18,18 ストッパー
19,19,19,19 移動車輪
20,20 ストッパー
21,21 把手
22,22 下横支杆
23,23 上横支杆
24,24,24,24 支杆
25,25 ロックバー
26,26 ロックバー
27,27 支台
28,28,28,28 高さ調節用螺子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部材の上端部は左右両側方向に展開する足場部材となる作業台板をそれぞれ二連結に構成するとともに、これらの作業台板を上下垂直方向に折畳みし得るようにし、折畳み高さを作業員の視線以下に設定することを特徴とする作業足場装置。
【請求項2】
左右両側部に管材を有する中央部材を適当間隔をおいて前後両側部に設置し、この前後両中央部材の左右管材間の上下部に横支杆を架設するとともに下横支杆に把手を設け、このように成る両中央部材の下端部は左右両部に移動車輪を有する支台の中央部に設置し、前記中央部材上部の左右両側方向には足場部材となる各作業台板をその枠材の一部に中央部材の左右管材の上端部を枢着し垂直方向に折畳みし得るように連結し、この各作業台板はその連結部において中間支柱を介して互いに垂直方向に折畳みし得るように成ることを特徴とする作業足場台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−172464(P2012−172464A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37332(P2011−37332)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(592149820)ダイヤ精工株式会社 (4)
【出願人】(306042050)マキ工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】