説明

作業車のフレーム構造

【課題】 フレーム構造の合理化を図ることで、製造コストの削減、及び、生産性や燃費の向上などを図れるようにする。
【解決手段】 箱状に枠組みしたキャビンフレーム19をベースフレーム18に溶接して車体フレーム1を構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビンフレームを備えた作業車のフレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車のフレーム構造としては、例えば、車体フレームにキャビンフレームをボルト連結したもの(例えば特許文献1参照)や、機体ボディの後部に防振連結部を介して運転キャビンを搭載支持したもの(例えば特許文献2参照)がある。
【特許文献1】特開2001−191958号公報(段落番号0027、段落番号0029、図1、図7)
【特許文献2】特開2006−36073号公報(段落番号0013、図1、図2、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の構成では、キャビンフレーム(運転キャビン)は、搭乗者を保護するための高い強度を有するように、又、車体フレーム(機体ボディ)は、キャビンフレームの装備を可能にするための高い強度を有するように、それらに独自の強度部材や補強部材を備えて、それらを強度の高いものに構成する必要がある。そのため、フレームの構成部品が多くなってフレーム構造が複雑化するとともに作業車全体としての重量が重くなり、結果、製造コストが高騰し、又、生産性や燃費の低下などを招くことになる。
【0004】
本発明の目的は、フレーム構造の合理化を図ることで、製造コストの削減、及び、生産性や燃費の向上などを図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、箱状に枠組みしたキャビンフレームをベースフレームに溶接して車体フレームを構成してある。
【0006】
この構成によると、車体フレームは、ベースフレームとキャビンフレームとの溶接一体構造となり、これによって、搭乗者を保護するための高い強度を有するように構成されるキャビンフレームが車体フレームの強度部材として機能することになる。
【0007】
つまり、キャビンフレームの装備を可能にするための強度部材や補強部材を車体フレームに備えるのではなく、本来より高い強度を有するキャビンフレームを有効利用して車体フレームを構成する、というフレーム構造の合理化を図ることで、車体フレームとしての高い強度を確保しながらも、フレームの構成部品を削減することができる。
【0008】
従って、フレーム構造の簡素化や作業車全体としての軽量化を図ることができ、製造コストの削減、並びに、生産性や燃費の向上などを図ることができる。
【0009】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、ループ状に形成した左右のサイドフレームを複数のクロスメンバーで連結して前記キャビンフレームを構成してある。
【0010】
この構成によると、左右のサイドフレームをループ状に形成したことで、キャビンフレームにかかる外力がサイドフレームにおいて吸収・分散され易くなり、局部的な応力集中に起因したキャビンフレームの変形や破損などを防止できる。
【0011】
従って、フレーム構造の合理化によって、製造コストの削減、並びに、生産性や燃費の向上などを図りながら、局部的な応力集中に起因したキャビンフレームの変形や破損などを防止できる。
【0012】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、前記サイドフレームにパイプ材を採用してある。
【0013】
この構成によると、サイドフレームに板金材を採用する場合に比較して、サイドフレームのフレーム幅を狭くしながら、サイドフレームを軽量で高い強度を有するものに構成することができ、視界性や開放感の向上を図ることができる。
【0014】
従って、フレーム構造の合理化による、製造コストの削減、並びに、生産性や燃費の向上などに加えて、運転性や居住性の向上を図ることができる。
【0015】
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項3に記載の発明において、前記パイプ材として、その全長にわたって一直線状の凹部が形成された異形パイプを採用してある。
【0016】
この構成によると、例えば、異形パイプによって、その凹部がサイドフレームの外側内周縁部となるようにサイドフレームを形成すれば、その凹部を、サイドフレームに外開き式のドアを備える際のドア受面に有効利用することができる。
【0017】
つまり、異形パイプでサイドフレームを形成することで、ドア受面を形成する手間を要することなく、サイドフレームにドア受面を備えることができる。
【0018】
又、サイドフレームの横外側面ではなく、凹部にドア受面を形成することで、ドアをドア受面に接合させた閉じ状態においては、ドアとドア受面との接合箇所をサイドフレームによって隠すことができ、これによって、その接合箇所からの雨水や塵埃などの流入をより効果的に抑制できるとともに、空力特性や外観を向上させることができる。
【0019】
従って、生産性、居住性、及び燃費の向上などをより効果的に図れる上に、外観の向上を図ることができる。
【0020】
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項2〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記サイドフレームを単一部材で形成してある。
【0021】
この構成によると、サイドフレームの構成部品を削減することができ、サイドフレームの形成に要するコストや手間を削減できる。
【0022】
従って、構成の簡素化による製造コストの削減や生産性の向上などを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1には輸送などに適した作業車の全体側面が、図2にはその全体平面が示されており、この作業車は、車体フレーム1に防振支持された空冷式のエンジン2からの動力を、静油圧式無段変速装置3やギヤ式変速装置4などを介して、左右一対の前輪5及び後輪6に伝達する四輪駆動型に構成されている。
【0024】
作業車の前部には、前輪フェンダ兼用の下部カバー7、上部の左右中央が開口された上部カバー8、及び、その開口を開閉可能に覆う揺動開閉式のボンネット9、などが配備され、それらで形成した収納空間に空調ユニット10などが装備されている。
【0025】
作業車の前後中間部には、前輪操舵用のステアリングホイール11や、簡易着脱可能に支持された長椅子型の座席12、などを配備して搭乗部13を形成するとともに、搭乗空間を形成するキャビン14が配備されている。
【0026】
作業車の後部には、ギヤ式変速装置4の上方に配備した油圧式のダンプシリンダ15の作動で、車体フレーム1の後端部に配備した左右向きの支軸16を支点にして上下揺動する荷台17が配備されている。
【0027】
図1〜6に示すように、車体フレーム1は、ベースフレーム18とキャビンフレーム19とを溶接によって連結した溶接一体構造であって、搭乗者を保護するための高い強度を有するように構成されたキャビンフレーム19が、車体フレーム1の強度部材として機能するように構成されている。
【0028】
ベースフレーム18は、左右一対のサイドメンバー20、断面形状L字形のクロスメンバー21、断面形状コの字形のクロスメンバー22、及び、空調ユニット用の支持フレーム23、などを溶接して構成され、その後部に防振連結装備された支持フレーム24を介して、エンジン2やギヤ式変速装置4などを支持する。
【0029】
ベースフレーム18におけるエンジン2の左側方箇所には、ラジエータ25やオイルクーラ26などを支持する支持フレーム27が溶接され、ベースフレーム18におけるエンジン2の右側方箇所には、燃料タンク28を支持する支持部材29が溶接されている。
【0030】
左右の各サイドメンバー20は、複数の角パイプ材を溶接することで、その後半側の高さ位置が前半側の高さ位置よりも高くなるクランク状に形成されている。又、各サイドメンバー20の前半側後部には、前後一対で断面形状コの字形の連結部材30が、車体横外方に向けて延出するように溶接されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、エンジン2は、その出力軸(図示せず)が車体の前後方向に沿って延出する姿勢で、その前部側が側面視でキャビン14と重合する車体後部側の位置に配備され、そのエンジン2の後端にギヤ式変速装置4が直結され、ギヤ式変速装置4の後端に静油圧式無段変速装置3が連結装備されている。
【0032】
キャビン14は、キャビンフレーム19に、座席12、ルーフパネル31、フロントパネル32、リヤパネル33、及び、外開き式の左右一対のドア34、などを備えて構成されている。
【0033】
図1〜7に示すように、キャビンフレーム19は、乗降口を形成する左右一対のサイドフレーム35、それらの前部同士にわたる第1クロスメンバー36、左右のサイドフレーム35の前上部同士にわたる第2クロスメンバー37、左右のサイドフレーム35の前下部同士にわたる第3クロスメンバー38、左右のサイドフレーム35の後上部同士にわたる第4クロスメンバー39、左右のサイドフレーム35の背部同士にわたる第5クロスメンバー40、左右のサイドフレーム35の底部同士にわたる第6クロスメンバー41、第5クロスメンバー40と第6クロスメンバー41とにわたる板金製の左右一対の座席支持部材42、左右の座席支持部材42の前上部同士にわたる連結部材43、及び、第5クロスメンバー40と左右の座席支持部材42とにわたる左右一対の手摺部材44、などを溶接して箱状に枠組み連結することで、高い強度を有するように構成されている。
【0034】
図4〜7に示すように、左右の座席支持部材42には、それらの間に形成された開口45を塞ぐための板金製のカバー46が簡易着脱可能に取り付けられており、このカバー46を座席12とともに取り外して開口45を開放することで、キャビン14の後部下方に配備したオイルタンク47に対する給油などを簡単に行える。
【0035】
図1及び図7に示すように、右側の座席支持部材42の下方にはエアクリーナ48が配備されており、このエアクリーナ48のエレメント交換は、右側の座席支持部材42の右側部に着脱可能にボルト連結したカバー49を取り外すことで簡単に行える。
【0036】
図1〜6に示すように、左右の各サイドフレーム35は、単一の異形パイプ35に、外観や空力特性の向上を図ることができる三次元曲線を有するように、前後左右に小さい曲率や比較的小さい曲率で緩やかに湾曲させる三次元曲げ加工を施した後、その後部中央箇所において上下方向に一直線状に連なる両端部を溶接し、その溶接箇所を研削して均すことで、閉ループ形に形成されている。
【0037】
このように、左右の各サイドフレーム35を、外観や空力特性の向上を図ることができる三次元曲線を有する閉ループ形に形成すれば、外観や空力特性の向上を図れるだけでなく、キャビンフレーム19にかかる外力が左右のサイドフレーム35において吸収・分散され易くなることから、局部的な応力集中に起因したキャビンフレーム19の変形や破損などを効果的に抑制できる。
【0038】
しかも、各サイドフレーム35を単一の異形パイプ35で形成することから、サイドフレーム35のフレーム幅を狭くすることによる視界性や開放感の向上を図りながら、サイドフレーム35を軽量で高い強度を有するものに構成でき、又、サイドフレーム35の構成部品を削減でき、溶接箇所や研削箇所を削減できることから、製造コストの削減や生産性の向上などを図ることができる。
【0039】
図3〜12に示すように、異形パイプ35は、その全長にわたって一直線状に凹入する断面視くの字状の一対の凹部35A,35Bが対向形成され、かつ、非凹入部の一方に一直線状の面取部35Cが形成された断面形状略瓢箪形のものであり、一方の凹部35Aがサイドフレーム35の外側内周縁部を形成し、他方の凹部35Bがサイドフレーム35の内側外周縁部を形成し、面取部35Cがサイドフレーム35の内側内周縁部を形成するように曲げ加工が施されている。
【0040】
これによって、各サイドフレーム35の外側内周縁部となる凹部35Aの一側面で形成される外向きの周面部分35aは、左右のドア34を受け止めるドア受面35aとして使用することができる。
【0041】
各サイドフレーム35の内側外周縁部となる凹部35Bの一側面で形成される上向きの面部分35bは、ルーフパネル31を受け止めるルーフ受面35bとして使用することができる(図9参照)。
【0042】
各サイドフレーム35の内側外周縁部となる凹部35Bの一側面で形成される前向きの面部分35cは、フロントパネル32を受け止めるフロント受面35cとして使用することができる(図8参照)。
【0043】
各サイドフレーム35の内側外周縁部となる凹部35Bの一側面で形成される後向きの面部分35dは、リヤパネル33を受け止めるリヤ受面35dとして使用することができる(図11参照)。
【0044】
各サイドフレーム35の内側外周縁部となる凹部35Bの下向き部分35eは、ベースフレーム18の左右に溶接装備した連結部材30の外端部との係合で、ベースフレーム18とキャビンフレーム19の左右方向での位置関係を所定の連結位置に確定する位置決め部35eとして使用することができる。
【0045】
つまり、異形パイプ35の各凹部35A,35Bを、各パネル31〜33や左右のドア34に対する各受面35a〜35d、あるいは、ベースフレーム18に対する左右方向での位置決め部35eとして有効利用できることから、それらの受面35a〜35dや位置決め部35eを別途形成する場合に比較して、生産性の向上を図ることができる。
【0046】
又、異形パイプ35の各凹部35A,35Bに、各パネル31〜33の周縁部や左右の各ドア34の周縁部が係入して隠れることから、外観や空力特性の向上を図れるとともに、各凹部35A,35Bと各パネル31〜33や各ドア34との接合箇所からの雨水や高圧洗浄水あるいは塵埃などの流入をより確実に回避できる。
【0047】
しかも、サイドフレーム35の内側内周縁部を異形パイプ35の面取部35Cで形成することで、その内側内周縁部がキャビン14の内方に不必要に張り出すこと防止でき、結果、その内側内周縁部の張り出しによって搭乗者に圧迫感を与える虞を回避できる。
【0048】
図4〜8、図10及び図11に示すように、各クロスメンバー36〜41には、絞り加工を施すことで強度の向上が図られた板金材が採用されており、これによって、キャビンフレーム19として高い強度を確保しながら軽量化を図ることができる。
【0049】
第1クロスメンバー36は、その上部の外面36aが左右のサイドフレーム35のフロント受面35cと同一面を形成するように加工されている(図5及び図8参照)。
【0050】
第2クロスメンバー37は、その前部の外面37aが左右のサイドフレーム35のフロント受面35cと同一面を形成するように加工されている(図5及び図8参照)。
【0051】
つまり、第1クロスメンバー36の上部外面36aと、第2クロスメンバー37の前部外面37aとを、フロント受面として使用することができる。
【0052】
第2クロスメンバー37は、その後部の外面37bが左右のサイドフレーム35のルーフ受面35bと同一面を形成するように加工されている(図5及び図10参照)。
【0053】
第4クロスメンバー39は、その前部の外面39aが左右のサイドフレーム35のルーフ受面35bと同一面を形成するように加工されている(図5及び図10参照)。
【0054】
つまり、第2クロスメンバー37の後部外面37bと、第4クロスメンバー39の前部外面39aとを、ルーフ受面として使用することができる。
【0055】
第4クロスメンバー39は、その後部の外面39bが左右のサイドフレーム35のリヤ受面35dと同一面を形成するように加工されている(図5及び図11参照)。
【0056】
第5クロスメンバー40は、その上部の外面40aが左右のサイドフレーム35のリヤ受面35dと同一面を形成するように加工されている(図5及び図11参照)。
【0057】
つまり、第4クロスメンバー39の後部外面39bと、第5クロスメンバー40の上部外面40aとを、リヤ受面として使用することができる。
【0058】
図示は省略するが、ベースフレーム18における左右一対のサイドメンバー20や前後中間部のクロスメンバー22などに、キャビンフレーム19の第3クロスメンバー38、第5クロスメンバー40、及び第6クロスメンバー41などが溶接され、ベースフレーム18の各連結部材30に、キャビンフレーム19の対応するサイドフレーム35などが溶接されている。
【0059】
図1〜6及び図8〜13に示すように、フロントパネル32は、透明の曲面ガラス50の周縁部にウェザーストリップ51を装着して構成され、その上縁部が左右一対のヒンジ52を介して第2クロスメンバー37に連結され、又、その下縁部が左右一対の開閉保持具53を介して第1クロスメンバー36に連結されたことで、各ヒンジ52の枢支軸52Aを支点にした上支点周りでの前後揺動による開閉操作が可能に、かつ、所定の開き位置と閉じ位置での位置保持が可能に構成されている。
【0060】
リヤパネル33は、透明の曲面ガラス54の周縁部にウェザーストリップ55を装着して構成され、その上縁部が左右一対のヒンジ56を介して第4クロスメンバー39に連結され、又、その下縁部が左右一対の開閉保持具57を介して第5クロスメンバー40に連結されたことで、各ヒンジ56の枢支軸56Aを支点にした上支点周りでの前後揺動による開閉操作が可能に、かつ、所定の開き位置と閉じ位置での位置保持が可能に構成されている。
【0061】
左右の各ドア34は、周縁部にウェザーストリップ58を装着した透明の曲面ガラス59に、キャビン外部からの開閉操作を可能にする外側ハンドル60、キャビン内部からの開閉操作を可能にする内側ハンドル61、及び、内外からの解除操作が可能な保持機構62、などを備えたフレームレス構造に構成され、その後縁部が、上下一対のヒンジ63を介して、サイドフレーム35の後部中央箇所において上下方向に一直線状に延びるドア取付部35Dに連結されたことで、各ヒンジ63の枢支軸63Aを支点にした後支点周りでの左右揺動による開閉操作が可能に構成され、その閉じ操作による所定の閉じ位置への到達に伴って、保持機構62がキャビンフレーム19に備えた固定金具(図示せず)に係合することで、所定の閉じ位置に位置保持できるように構成されている。
【0062】
そして、上記のように、揺動開閉操作可能に構成されるフロントパネル32、リヤパネル33、及び、左右の各ドア34に曲面ガラス50,54,59を採用したことで、それらの保形性が高くなって、車体の振動などに起因した撓み変形などを効果的に抑制することができ、それらの閉じ状態でのキャビンフレーム19に対する密着度を高い状態に維持し易くなることから、優れた防水性や気密性を安定して得られるようになり、結果、キャビン14での居住性の向上を図ることができる。
【0063】
〔別実施形態〕
【0064】
〔1〕作業車としては、トラクタやコンバインなどの農作業車、バックホーやホイルローダなどの建設作業車、などであってもよい。
【0065】
〔2〕作業車としては、キャビンフレーム19のみでキャビン14を構成したもの、キャビンフレーム19にルーフパネル31のみを備えてキャビン14を構成したもの、キャビンフレーム19にルーフパネル31とフロントパネル32とを備えてキャビン14を構成したもの、などであってもよく、又、キャビン14の左右一側方のみにドア34を備えたものや、スライド開閉式のドア34を装備したものであってもよい。
【0066】
〔3〕ベースフレーム18としては、左右一対のサイドメンバー20や複数のクロスメンバー21,22などとともに、エンジン2やギヤ式変速装置4を支持する支持フレーム24を溶接して構成したものであってもよい。
【0067】
〔4〕サイドフレーム35を、その一部が離間するループ状に形成してもよく、又、複数の部材で構成してもよい。
【0068】
〔5〕サイドフレーム35に、全長にわたって一直線状に凹入する断面視くの字状の単一の凹部35Aが形成された異形パイプ、凹部35Aなどが形成されない丸パイプ材や角パイプ材、所望の形状が得られるように押し出し成形された成型品、あるいは、閉ループ形やループ状に打ち抜いた板金材、などを採用してもよい。
【0069】
〔6〕各クロスメンバー36〜41に、パイプ材やアングル材あるいはチャンネル材などを採用するようにしてもよい。特に、ルーフパネル31、フロントパネル32、又はリヤパネル33を支持する第1クロスメンバー36、第2クロスメンバー37、第4クロスメンバー39、及び第5クロスメンバー40に、全長にわたって一直線状に凹入する断面視くの字状の単一の凹部35Aが形成された異形パイプを採用すれば、その凹部35Aを、対応するパネルの受面として使用することができ、各受面を別途形成する場合に比較して、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】作業車の全体側面図
【図2】作業車の全体平面図
【図3】作業車のフレーム構造を示す側面図
【図4】作業車のフレーム構造を示す平面図
【図5】作業車のフレーム構造を示す斜視図
【図6】作業車のフレーム構造を示す要部の縦断正面図
【図7】座席下方のフレーム構造を示す要部の縦断正面図
【図8】キャビン前部でのドア及びフロントパネルの受け止め構造を示す要部の横断平面図
【図9】キャビン上部でのドア及びルーフパネルの受け止め構造を示す要部の縦断正面図
【図10】キャビン後上部でのドア及びルーフパネルの受け止め構造を示す要部の縦断正面図
【図11】キャビン後部でのドア及びリヤパネルの受け止め構造を示す要部の横断平面図
【図12】ベースフレームとキャビンフレームとの連結部の一部を示す要部の縦断正面図
【図13】キャビンの構成を示す要部の側面図
【符号の説明】
【0071】
1 車体フレーム
18 ベースフレーム
19 キャビンフレーム
35 サイドフレーム(異形パイプ)
35A 凹部
36 クロスメンバー
37 クロスメンバー
38 クロスメンバー
39 クロスメンバー
40 クロスメンバー
41 クロスメンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状に枠組みしたキャビンフレームをベースフレームに溶接して車体フレームを構成してある作業車のフレーム構造。
【請求項2】
ループ状に形成した左右のサイドフレームを複数のクロスメンバーで連結して前記キャビンフレームを構成してある請求項1に記載の作業車のフレーム構造。
【請求項3】
前記サイドフレームにパイプ材を採用してある請求項2に記載の作業車のフレーム構造。
【請求項4】
前記パイプ材として、その全長にわたって一直線状の凹部が形成された異形パイプを採用してある請求項3に記載の作業車のフレーム構造。
【請求項5】
前記サイドフレームを単一部材で形成してある請求項2〜4のいずれか一つに記載の作業車のフレーム構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−245749(P2007−245749A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67683(P2006−67683)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】