作業車両の燃料タンク
【課題】作業車両において、燃料タンクを左右フェンダの後側連結部の下方に配設し、容量を大きくする。
【解決手段】ミッションケース2の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ14,14を、左右中央部にシート9を配設し、前記ミッションケース2の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム13,13の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム13aにより連結し、前記上部連結フレーム13aにゴム製のインシュレータ16を介して前記左右フェンダ14,14の後端部を連結する後側フェンダフレーム14bを支持し、燃料タンク11を前記左右フェンダ14,14の後側部及び後側フェンダフレーム14bで被覆する部位に配設し、該燃料タンク11の左右幅を左右フェンダ14,14の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンクとする。
【解決手段】ミッションケース2の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ14,14を、左右中央部にシート9を配設し、前記ミッションケース2の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム13,13の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム13aにより連結し、前記上部連結フレーム13aにゴム製のインシュレータ16を介して前記左右フェンダ14,14の後端部を連結する後側フェンダフレーム14bを支持し、燃料タンク11を前記左右フェンダ14,14の後側部及び後側フェンダフレーム14bで被覆する部位に配設し、該燃料タンク11の左右幅を左右フェンダ14,14の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンクとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の燃料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両において、左右のフェンダ同志を連結し、油圧ケースの上部にボルトで固定される補強ブラケットに燃料タンクを取り付けたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−53532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術のものは、左右フェンダの内側に燃料タンクを配設する構成であるが、左右フェンダの内側面と燃料タンク左右外側面との間に空間部があり、燃料タンクを上下方向に長くしないと容量を大きくできないという不具合があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような不具合を解消し、左右フェンダの間に配設する燃料タンクでありながら、上下方向の高さを低くしながら容量を大きくしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、ミッションケース(2)の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ(14,14)を、左右中央部にシート(9)を配設し、前記ミッションケース(2)の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム(13,13)の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム(13a)により連結し、前記上部連結フレーム(13a)にゴム製のインシュレータ(16)を介して前記左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダフレーム(14b)を支持し、燃料タンク(11)を前記左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆する部位に配設し、該燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンクとする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によると、左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダ(14b)をゴム製のインシュレータ(16)を介して左右後側フレーム(13,13)で支持しているので、ミッションケース(2)から左右フェンダ(14,14)へ伝達される振動を低減することができる。また、燃料タンク(11)を左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆するようにし、燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したので、燃料タンク(11)の高さを低くしながら大容量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】トラクタの全体側面図。
【図2】トラクタの全体正面図。
【図3】トラクタの全体背面図。
【図4】トラクタの一部省略した側面図。
【図5】トラクタの一部省略した背面図。
【図6】トラクタ後部の斜視図。
【図7】トラクタ後部の背面図。
【図8】フェンダの斜視図。
【図9】トラクタ後部の斜視図。
【図10】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図11】トラクタ後部の側面図、平面図。
【図12】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図13】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図14】トラクタ後部の側面図、正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいてこの発明を農業用トラクタに施した実施例について説明する。
トラクタTは、図1乃至図3に示すように、車体前側部のボンネット1内にエンジン(図示省略)を配設し、エンジンの回転動力をミッションケース2内の伝動機構の主変速装置及び副変速装置を経由して左右前輪3,3及び左右後輪4,4へ伝達している。左右後輪4,4を左右フェンダ14,14で被覆し、左右フェンダ14,14の間のシート載置部14cにシート9を設け、シート9の前方にステアリングハンドル10を設けている。
【0010】
また、前記ミッションケース2の後側上部には、作業機昇降用の油圧シリンダ(図示省略)を内装しているシリンダケース6を配設し、シリンダケース6にリフトアーム7,7を上下回動自在に軸架し、昇降油圧シリンダ(図示省略)のピストンの伸縮作動により、リフトアーム7,7を上下回動するように構成している。
【0011】
また、前記ミッションケース2の後側部には、上部リンク8aと左右ロワーリンク8b,8bからなる三点リンク機構8を設けて、例えばロータリ耕耘装置(図示省略)を連結し、リフトアーム7,7により昇降するように構成している。
【0012】
次に、図4〜図8に基づき左右フェンダ14,14の後側部下方に配設する燃料タンク11について説明する。
ミッションケース2の左右両側に前後方向に沿わせて車体左右フレーム12,12を取り付けている。車体左右フレーム12,12の後側端部及びミッションケース2の後側左右側面に、左右後側フレーム13、13を上方へ突出するように取り付け、左右後側フレーム13,13の上端部を左右方向に沿う上部連結フレーム13aにより連結し一体化している。この上部連結フレーム13aとミッションケース2との間は、連結部13cで連結している。
【0013】
左右フェンダ14,14の前後両端を前側フェンダフレーム14a及び後側フェンダフレーム14bで連結して一体構成し、ミッションケース2の後部上方に配設している。前記左右フェンダ14,14、前側フェンダフレーム14a、後側フェンダフレーム14b、及びシート9を載せる部分のシート載置部14cについては、樹脂で一体成形する構成としている(図8参照)。
【0014】
左右フェンダ14,14の前側部を車体左右フレーム12、12の前後方向中間部に取り付けている。左右後側フレーム13、13上端に左右方向に突出するように左右取付部13b,13bを設け、正面視逆U字型の安全フレーム15の下端部をボルト・ナットで取り付けている。
【0015】
また、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aの上面にゴム製のインシュレータ16を載置し、左右フェンダ14,14の後側フェンダフレーム14bをインシュレータ16に面接触状態で載置し、ボルト・ナット18,18で固定している。しかして、左右後側フレーム13,13から左右フェンダ14,14へ伝達されるミッションケース2からの振動を低減し、オペレータの負荷を低減することができる。
【0016】
また、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に被覆するように左右フェンダ14を配設するので、左右フェンダ14,14を左右幅広に構成することができる。
【0017】
また、左右フェンダ14,14の後側部下方で、左右後側フレーム13,13、上部連結フレーム13bの前方で、且つ、シート9の後方に位置するように燃料タンク11を配設している。この燃料タンク11を、左右フェンダ14,14の左右内側面に近接するように幅広の前側主体部11aと、前側主体部11aの左右両側部から後方へ延びる左右後方突出部11b,11bとで構成し、周囲の部材に干渉しないようにしている。
【0018】
この前側主体部11aを、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bで形成する左右方向の直線状部から平面視で前側に位置させ、燃料タンク11の前側主体部11aの左右両側から後方へ突出している左右後側突出部11b,11bを、平面視で左右取付部13b,13bの下方を通して後方へ延出し、左右後側フレーム13,13と燃料タンク11との干渉を回避しながら燃料タンク11の大容量化を図っている。
【0019】
また、図9に示すように、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aに、ゴム製の係止具19,19を介して左右フェンダ14,14の後側フェンダフレーム14bを取り付けても、コストの低減を図りながら左右後側フレーム13,13から左右フェンダ14,14へ伝達される振動を低減することができる。
【0020】
次に、図10に基づきナンバープレート21の取付構成について説明する。
左右フェンダ14を左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に被覆するように配設している。左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aの後側面に逆U字型の取付フレーム22を取り付け、その取付フレーム22の上側面に樹脂製のフェンダ14の後側フェンダフレーム14b下面を載置し、後側フェンダフレーム14bの上面にプレート支持板23の下面を接触させ、これらの取付孔にボルト25aを挿通し、且つ、後側フェンダフレーム14bの部位にはカラー24を介装してナット25bで締め付け固着している。取付フレーム22の上部折曲部にナンバープレート26を取り付け、下部折曲部にライト27及び反射板28を取り付けている。
【0021】
前記構成によると、上部連結フレーム13aに取り付けている取付フレーム22にプレート支持板23及び後側フェンダフレーム14bを取り付け、後側フェンダフレーム14bの取付部にはカラー24を介装したので、樹脂製のフェンダ14全体に応力がかからないようにナンバープレート26を取り付けることができる。
【0022】
また、取付フレーム22にはナンバープレート26及びライト27を取り付けることができるので、部品点数を少なくし、組立て工数を低減することができる。
また、図11に示すように、ミッションケース2の左右両側に取り付けている車体左右フレーム12,12の後側端部に左右後側フレーム13、13を上方へ突出するように取り付けている。この左右後側フレーム13,13を平板状の鋼板で構成し、左右後側フレーム13,13の上端部間を断面角柱状で内部に空間のある上部連結フレーム13aにより連結して一体化し、左右後側フレーム13,13の上端から平板状の左右取付部13b,13bを左右両側に延出している。そして、左右後側フレーム13,13の上部と上部連結フレーム13aとの接合部前側には左右方向に沿うようにパーキングステー29を配設している。このパーキングステー29を左右後側フレーム1313の内側面及び上部連結フレーム13aの前側面に接合するようにして溶接して固着し、左右後側フレーム13,13の補強を図っている。パーキングステー29には左右後輪4,4制動用のパーキングワイヤ29aを取り付け、パーキングレバー29bで操作可能に構成している。
【0023】
また、図12に示すように、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に左右フェンダ14を配設し、上部連結フレーム13aの後側面に逆U字型の取付フレーム22を取り付けている。この逆U字型の取付フレーム22の左右下端部に支持孔22a,22aを開口し、燃料ホース31を支持孔22a,22aに挿通して左右方向に沿うように支持している。
【0024】
前記構成によると、ナンバープレート26取付用の取付フレーム22を利用して燃料ホース31を取り付けできて、構成を簡単化しコストの低減を図りながら燃料ホース31の垂れ下がりを防止することができる。
【0025】
次に、図13に基づきトラクタTの前側に装着した防除作業機(図示省略)用の第2油圧切替バルブ35の支持構成ついて説明する。
左右後側フレーム13,13上端の左右取付部13b,13bに逆U字型の安全フレーム15を取り付け、この安全フレーム15の左右両側下部にバルブ取付プレート36,36を介して第2油圧切替バルブ35,35を取り付けている。このバルブ取付プレート36は、側面視で変形L字型に屈曲した比較的薄い(例えば3mm)帯状板体で構成している。
【0026】
このバルブ取付プレート36の屈折した下部取付部36aにナット36bを溶接固着すると共に、取付孔36cを構成し、安全フレーム15に下部取付孔15aを構成している。しかして、これらナット36b、取付孔36c、下部取付孔15aに取付ボルト37aを挿通してナット37bを締め付け、安全フレーム15にバルブ取付プレート36を取り付けている。
【0027】
また、このバルブ取付プレート36に第2油圧切替バルブ35をボルト・ナットで取り付け、第2油圧切替バルブ36の上部取付片36dにねじ孔36eを構成し、安全フレーム15の上部に上部孔15bを設けている。そして、ねじ孔36eと上部孔15bとの間に座付ナット39を介装し、上部孔15bに取付ボルト38を挿入し、座付ナット39、ねじ孔36eとねじ嵌合し、安全フレーム15に第2油圧切替バルブ35を取り付けている。
【0028】
なお、安全フレーム15に下部取付孔15a及び上部孔15bを設けるにあたり、上下方向に所定間隔ずらして複数組設けると、オペレータの体格にあわせ適正な高さに第2油圧切替バルブ35を取り付けることができる。
【0029】
また、バルブ取付プレート36の左右外側下方から油圧ホース41を上方へ延出し、バルブ取付プレート36の屈折部上方を通して第2油圧切替バルブ35のポートに接続している。
【0030】
前記構成によると、バルブ取付プレート36の板厚を薄くしながら第2油圧切替バルブ35を安全フレーム15に圧接状態で揺れを防止しながら強硬に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0031】
2 ミッションケース
9 シート
11 燃料タンク
13 左右後側フレーム
13a 上部連結フレーム
16 ゴム製のインシュレータ
14 左右フェンダ
14b 後側フェンダフレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の燃料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両において、左右のフェンダ同志を連結し、油圧ケースの上部にボルトで固定される補強ブラケットに燃料タンクを取り付けたものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−53532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術のものは、左右フェンダの内側に燃料タンクを配設する構成であるが、左右フェンダの内側面と燃料タンク左右外側面との間に空間部があり、燃料タンクを上下方向に長くしないと容量を大きくできないという不具合があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような不具合を解消し、左右フェンダの間に配設する燃料タンクでありながら、上下方向の高さを低くしながら容量を大きくしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、ミッションケース(2)の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ(14,14)を、左右中央部にシート(9)を配設し、前記ミッションケース(2)の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム(13,13)の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム(13a)により連結し、前記上部連結フレーム(13a)にゴム製のインシュレータ(16)を介して前記左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダフレーム(14b)を支持し、燃料タンク(11)を前記左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆する部位に配設し、該燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンクとする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によると、左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダ(14b)をゴム製のインシュレータ(16)を介して左右後側フレーム(13,13)で支持しているので、ミッションケース(2)から左右フェンダ(14,14)へ伝達される振動を低減することができる。また、燃料タンク(11)を左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆するようにし、燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したので、燃料タンク(11)の高さを低くしながら大容量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】トラクタの全体側面図。
【図2】トラクタの全体正面図。
【図3】トラクタの全体背面図。
【図4】トラクタの一部省略した側面図。
【図5】トラクタの一部省略した背面図。
【図6】トラクタ後部の斜視図。
【図7】トラクタ後部の背面図。
【図8】フェンダの斜視図。
【図9】トラクタ後部の斜視図。
【図10】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図11】トラクタ後部の側面図、平面図。
【図12】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図13】トラクタ後部の側面図、正面図。
【図14】トラクタ後部の側面図、正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいてこの発明を農業用トラクタに施した実施例について説明する。
トラクタTは、図1乃至図3に示すように、車体前側部のボンネット1内にエンジン(図示省略)を配設し、エンジンの回転動力をミッションケース2内の伝動機構の主変速装置及び副変速装置を経由して左右前輪3,3及び左右後輪4,4へ伝達している。左右後輪4,4を左右フェンダ14,14で被覆し、左右フェンダ14,14の間のシート載置部14cにシート9を設け、シート9の前方にステアリングハンドル10を設けている。
【0010】
また、前記ミッションケース2の後側上部には、作業機昇降用の油圧シリンダ(図示省略)を内装しているシリンダケース6を配設し、シリンダケース6にリフトアーム7,7を上下回動自在に軸架し、昇降油圧シリンダ(図示省略)のピストンの伸縮作動により、リフトアーム7,7を上下回動するように構成している。
【0011】
また、前記ミッションケース2の後側部には、上部リンク8aと左右ロワーリンク8b,8bからなる三点リンク機構8を設けて、例えばロータリ耕耘装置(図示省略)を連結し、リフトアーム7,7により昇降するように構成している。
【0012】
次に、図4〜図8に基づき左右フェンダ14,14の後側部下方に配設する燃料タンク11について説明する。
ミッションケース2の左右両側に前後方向に沿わせて車体左右フレーム12,12を取り付けている。車体左右フレーム12,12の後側端部及びミッションケース2の後側左右側面に、左右後側フレーム13、13を上方へ突出するように取り付け、左右後側フレーム13,13の上端部を左右方向に沿う上部連結フレーム13aにより連結し一体化している。この上部連結フレーム13aとミッションケース2との間は、連結部13cで連結している。
【0013】
左右フェンダ14,14の前後両端を前側フェンダフレーム14a及び後側フェンダフレーム14bで連結して一体構成し、ミッションケース2の後部上方に配設している。前記左右フェンダ14,14、前側フェンダフレーム14a、後側フェンダフレーム14b、及びシート9を載せる部分のシート載置部14cについては、樹脂で一体成形する構成としている(図8参照)。
【0014】
左右フェンダ14,14の前側部を車体左右フレーム12、12の前後方向中間部に取り付けている。左右後側フレーム13、13上端に左右方向に突出するように左右取付部13b,13bを設け、正面視逆U字型の安全フレーム15の下端部をボルト・ナットで取り付けている。
【0015】
また、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aの上面にゴム製のインシュレータ16を載置し、左右フェンダ14,14の後側フェンダフレーム14bをインシュレータ16に面接触状態で載置し、ボルト・ナット18,18で固定している。しかして、左右後側フレーム13,13から左右フェンダ14,14へ伝達されるミッションケース2からの振動を低減し、オペレータの負荷を低減することができる。
【0016】
また、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に被覆するように左右フェンダ14を配設するので、左右フェンダ14,14を左右幅広に構成することができる。
【0017】
また、左右フェンダ14,14の後側部下方で、左右後側フレーム13,13、上部連結フレーム13bの前方で、且つ、シート9の後方に位置するように燃料タンク11を配設している。この燃料タンク11を、左右フェンダ14,14の左右内側面に近接するように幅広の前側主体部11aと、前側主体部11aの左右両側部から後方へ延びる左右後方突出部11b,11bとで構成し、周囲の部材に干渉しないようにしている。
【0018】
この前側主体部11aを、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bで形成する左右方向の直線状部から平面視で前側に位置させ、燃料タンク11の前側主体部11aの左右両側から後方へ突出している左右後側突出部11b,11bを、平面視で左右取付部13b,13bの下方を通して後方へ延出し、左右後側フレーム13,13と燃料タンク11との干渉を回避しながら燃料タンク11の大容量化を図っている。
【0019】
また、図9に示すように、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aに、ゴム製の係止具19,19を介して左右フェンダ14,14の後側フェンダフレーム14bを取り付けても、コストの低減を図りながら左右後側フレーム13,13から左右フェンダ14,14へ伝達される振動を低減することができる。
【0020】
次に、図10に基づきナンバープレート21の取付構成について説明する。
左右フェンダ14を左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に被覆するように配設している。左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13aの後側面に逆U字型の取付フレーム22を取り付け、その取付フレーム22の上側面に樹脂製のフェンダ14の後側フェンダフレーム14b下面を載置し、後側フェンダフレーム14bの上面にプレート支持板23の下面を接触させ、これらの取付孔にボルト25aを挿通し、且つ、後側フェンダフレーム14bの部位にはカラー24を介装してナット25bで締め付け固着している。取付フレーム22の上部折曲部にナンバープレート26を取り付け、下部折曲部にライト27及び反射板28を取り付けている。
【0021】
前記構成によると、上部連結フレーム13aに取り付けている取付フレーム22にプレート支持板23及び後側フェンダフレーム14bを取り付け、後側フェンダフレーム14bの取付部にはカラー24を介装したので、樹脂製のフェンダ14全体に応力がかからないようにナンバープレート26を取り付けることができる。
【0022】
また、取付フレーム22にはナンバープレート26及びライト27を取り付けることができるので、部品点数を少なくし、組立て工数を低減することができる。
また、図11に示すように、ミッションケース2の左右両側に取り付けている車体左右フレーム12,12の後側端部に左右後側フレーム13、13を上方へ突出するように取り付けている。この左右後側フレーム13,13を平板状の鋼板で構成し、左右後側フレーム13,13の上端部間を断面角柱状で内部に空間のある上部連結フレーム13aにより連結して一体化し、左右後側フレーム13,13の上端から平板状の左右取付部13b,13bを左右両側に延出している。そして、左右後側フレーム13,13の上部と上部連結フレーム13aとの接合部前側には左右方向に沿うようにパーキングステー29を配設している。このパーキングステー29を左右後側フレーム1313の内側面及び上部連結フレーム13aの前側面に接合するようにして溶接して固着し、左右後側フレーム13,13の補強を図っている。パーキングステー29には左右後輪4,4制動用のパーキングワイヤ29aを取り付け、パーキングレバー29bで操作可能に構成している。
【0023】
また、図12に示すように、左右後側フレーム13,13の上部連結フレーム13a及び左右取付部13b,13bの上側に左右フェンダ14を配設し、上部連結フレーム13aの後側面に逆U字型の取付フレーム22を取り付けている。この逆U字型の取付フレーム22の左右下端部に支持孔22a,22aを開口し、燃料ホース31を支持孔22a,22aに挿通して左右方向に沿うように支持している。
【0024】
前記構成によると、ナンバープレート26取付用の取付フレーム22を利用して燃料ホース31を取り付けできて、構成を簡単化しコストの低減を図りながら燃料ホース31の垂れ下がりを防止することができる。
【0025】
次に、図13に基づきトラクタTの前側に装着した防除作業機(図示省略)用の第2油圧切替バルブ35の支持構成ついて説明する。
左右後側フレーム13,13上端の左右取付部13b,13bに逆U字型の安全フレーム15を取り付け、この安全フレーム15の左右両側下部にバルブ取付プレート36,36を介して第2油圧切替バルブ35,35を取り付けている。このバルブ取付プレート36は、側面視で変形L字型に屈曲した比較的薄い(例えば3mm)帯状板体で構成している。
【0026】
このバルブ取付プレート36の屈折した下部取付部36aにナット36bを溶接固着すると共に、取付孔36cを構成し、安全フレーム15に下部取付孔15aを構成している。しかして、これらナット36b、取付孔36c、下部取付孔15aに取付ボルト37aを挿通してナット37bを締め付け、安全フレーム15にバルブ取付プレート36を取り付けている。
【0027】
また、このバルブ取付プレート36に第2油圧切替バルブ35をボルト・ナットで取り付け、第2油圧切替バルブ36の上部取付片36dにねじ孔36eを構成し、安全フレーム15の上部に上部孔15bを設けている。そして、ねじ孔36eと上部孔15bとの間に座付ナット39を介装し、上部孔15bに取付ボルト38を挿入し、座付ナット39、ねじ孔36eとねじ嵌合し、安全フレーム15に第2油圧切替バルブ35を取り付けている。
【0028】
なお、安全フレーム15に下部取付孔15a及び上部孔15bを設けるにあたり、上下方向に所定間隔ずらして複数組設けると、オペレータの体格にあわせ適正な高さに第2油圧切替バルブ35を取り付けることができる。
【0029】
また、バルブ取付プレート36の左右外側下方から油圧ホース41を上方へ延出し、バルブ取付プレート36の屈折部上方を通して第2油圧切替バルブ35のポートに接続している。
【0030】
前記構成によると、バルブ取付プレート36の板厚を薄くしながら第2油圧切替バルブ35を安全フレーム15に圧接状態で揺れを防止しながら強硬に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0031】
2 ミッションケース
9 シート
11 燃料タンク
13 左右後側フレーム
13a 上部連結フレーム
16 ゴム製のインシュレータ
14 左右フェンダ
14b 後側フェンダフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッションケース(2)の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ(14,14)を、左右中央部にシート(9)を配設し、前記ミッションケース(2)の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム(13,13)の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム(13a)により連結し、前記上部連結フレーム(13a)にゴム製のインシュレータ(16)を介して前記左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダフレーム(14b)を支持し、燃料タンク(11)を前記左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆する部位に配設し、該燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンク。
【請求項1】
ミッションケース(2)の後側部上方の左右両側部に左右フェンダ(14,14)を、左右中央部にシート(9)を配設し、前記ミッションケース(2)の後側部から上方へ延出している左右後側フレーム(13,13)の上端部を左右方向に沿った上部連結フレーム(13a)により連結し、前記上部連結フレーム(13a)にゴム製のインシュレータ(16)を介して前記左右フェンダ(14,14)の後端部を連結する後側フェンダフレーム(14b)を支持し、燃料タンク(11)を前記左右フェンダ(14,14)の後側部及び後側フェンダフレーム(14b)で被覆する部位に配設し、該燃料タンク(11)の左右幅を左右フェンダ(14,14)の左右内側面に近接するように幅広に構成したことを特徴とする作業車両の燃料タンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−111023(P2011−111023A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268692(P2009−268692)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]