作業車両
【課題】機体前側部に油圧ポンプを設け、機体の後側部に油圧制御弁を設け、油圧ポンプと油圧制御弁とを接続する油圧ホースの適切な配設を課題とする。
【解決手段】機体の前後方向中間部にフロア26及び左右ステップ27,27取付用のステップフレーム25を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム29,29により前記ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aを下方から支持し、前記油圧ポンプ21と油圧制御弁22とを接続する油圧ホース23を左右サイド支持フレーム29,29のいずれかと左右ステップフレーム25の左右フレーム部25aのいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両の構成とする。
【解決手段】機体の前後方向中間部にフロア26及び左右ステップ27,27取付用のステップフレーム25を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム29,29により前記ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aを下方から支持し、前記油圧ポンプ21と油圧制御弁22とを接続する油圧ホース23を左右サイド支持フレーム29,29のいずれかと左右ステップフレーム25の左右フレーム部25aのいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両の構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関し、特に作業車両に搭載した油圧機器配設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機体前側部に作業機昇降用の油圧ポンプを設け、機体の後側部に作業機昇降用の油圧制御弁を設けた作業車両において、油圧ポンプと油圧制御弁とを接続する油圧ホースをミッションケースの左右一側に沿わせて配設したものは、公知である。また、走行機体のオペレータ搭乗用のステップフレームの下方に設置台を設け、ステップフレームと設置台との間にパイプ式オイルクーラを配設したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−112285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記背景技術の発明は、油圧ポンプと油圧制御弁とを接続する油圧ホースをミッションケースの左右一側に沿わせて配設したので、油圧ホースが垂れ下がり作業中に作物や障害物に干渉することがあり、油圧ホースの配索を容易にするために長さに余裕を持たせると、この傾向は顕著になる。
【0005】
また、走行機体のオペレータ搭乗用のステップフレームとその下方に設けた設置台の間にパイプ式オイルクーラを支持しするものは、パイプ式オイルクーラ支持用の設置台を特別に設ける必要があり、構成が複雑となりコスト高となる問題がある。
【0006】
そこで、この発明はこのような課題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機体前側部に油圧ポンプ(21)を設け、機体の後側部に油圧制御弁(22)を設けた作業車両において、機体の前後方向中間部にフロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム(29,29)により前記ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a,25a)を下方から支持し、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)とを接続する油圧ホース(23)を左右サイド支持フレーム(29,29)のいずれかと左右ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)のいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両とする。
【0008】
請求項2の発明は、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の左右ステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両とする。
【0009】
請求項3の発明は、機体の前側部に前輪(4,4)を、機体の後側部に後輪(5,5)を設け、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の前記長さ調整部を上方へ屈曲する屈曲部(23a)で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、フロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)における右フレーム部(25a)、左右ステップ(27)の一方の下面と左右サイド支持フレーム(29)のいずれか一方の上面と間の空間部を通して油圧ホース(23)を配索したので、油圧ホース(23)の保持が容易確実になり、油圧ホース(23)の垂れ下がりを防止し耐久性を高めることができる。また、フロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用の左右ステップフレーム(25)及び左右サイド支持フレーム(29)のいずれかを有効活用して油圧ホース(23)を支持しているので、構成を簡素化し、油圧ホース(23)を固定する際にもステップフレーム(25)を利用することによりクランプ(30)で簡単に固定することができる。
【0011】
請求項2の発明によると、請求項1の発明の前記効果に加えて、油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)におけるステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を構成しても、油圧ホース(23)の前後方向中間部をステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)、左右ステップ(27,27)のいずれかの下面と左右サイド支持フレーム(29)のいずれかの上面との空間部に支持しているので、油圧ホース(23)の垂れ下がりを防止することができ、また、油圧ホース(23)の長さにゆとりがあり取付作業を容易に行なうことができる。
【0012】
請求項3の発明によると、請求項1又は請求項2の発明の前記効果に加えて、前後輪の間を長短にした複数の型式を設定する場合にも、油圧ホース(23)の屈曲部(23a)を伸ばしたり屈曲させたりすることにより容易に対応することができ、また、部品の共用化を図り部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】トラクタ全体の側面図である。
【図2】トラクタの前後方向中間部の一部省略した平面図である。
【図3】トラクタの前後方向中間部の一部省略した側面図である。
【図4】トラクタ前側部の一部省略した左右側面図である。
【図5】トラクタ前側部の一部省略した平面図である。
【図6】トラクタ後側部の一部省略した斜視図である。
【図7】トラクタ後側部の一部省略した側面図である。
【図8】トラクタ後側部の一部省略した平面図である。
【図9】トラクタ後側部の背面図である。
【図10】トラクタの前後方向中間部の一部省略した斜視図である。
【図11】サブステップの斜視図である。
【図12】ブレーキペダル部の斜視図である。
【図13】クラッチペダルの斜視図である。
【図14】トラクタの前側部の側面図、背面図である。
【図15】燃料載せ台の平面図、背面図である。
【図16】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図17】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図18】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図19】燃料載せ台の側面図、背面図である。
【図20】トラクタの前側部の背面図、側面図である。
【図21】トラクタのボンネットの斜視図、側面図である。
【図22】トラクタのエンジン部の側面図、正面図である。
【図23】トラクタの前側部の側面図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明を農業用トラクタに施した実施例について説明する。まず、図1に基づき本発明を実施しているトラクタの全体構成について説明する。
トラクタは走行車体1の前側部にエンジン(図示省略)を搭載し、エンジンをボンネット2で被覆し、エンジンからの回転動力をミッションケース3内の主変速装置及び副変速装置で変速し、左右前輪4,4及び左右後輪5,5へ伝達している。
【0015】
また、ミッションケース3の後側上部にはシート6を設け、その左右両側に左右フェンダ7,7を設けている。走行車体1の前側にフロントローダ(図示省略)を装着可能に構成し、後側にバックホウ(図示省略)を装着可能に構成している。また、走行車体1の後側にはシリンダケース(図示省略)を設け、シリンダケースの後側部にリフトアーム9,9を上下回動自在に設け、3点リンク機構(図示省略)に連結したロータリ耕耘装置(図示省略)を昇降するように構成している。
【0016】
また、エンジンの後方には、ハンドルフレーム10を立設し、その上部にステアリングハンドル11を設けている。走行車体1の後部に後側安全フレーム12を立設している。
次に、図2及び図3に基づき油圧機器の配設構成について説明する。
【0017】
機体前側部のエンジンEの左右一側に油圧ポンプ21を設けエンジン動力で駆動し、ミッションケース3の後側部に油圧制御弁22を設け、油圧ポンプ21と油圧制御弁22を油圧ホース23で接続し、油圧タンクを兼ねるミッションケース3からのオイルを油圧ポンプ21で吸入吐出し、分流弁20を経由して油圧制御弁22に送り、油圧制御弁22で切り換えて作業機昇降用の昇降シリンダに送るようにしている。
【0018】
また、ミッションケース3の左右両側部にブラケット24,24を介して左右両側に向けて左右サイド支持フレーム29,29を延出している。鞍状構成のステップフレーム25の左右方向中央部をミッションケース3上に載置し、ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aを左右サイド支持フレーム29、29上に載置した状態で取り付けている。また、ステップフレーム25の上部中央部にフロア26を取り付け、ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aに左右ステップ27,27を取り付けている。
【0019】
また、機体前側の油圧ポンプ21と機体後側の油圧制御弁22を油圧ホース23で接続するにあたり、右サイド支持フレーム29上面とステップフレーム25の右フレーム部25a下面との間の空間部を通して油圧ホース23を配索している。
【0020】
そして、油圧ポンプ21に接続した油圧ホース23をミッションケース3の右側面に沿わせて後方に延出し、油圧ホース23の前側部をステップフレーム25の右フレーム部25a、右ステップ27の下面と右サイド支持フレーム29の上面との間を通して後側に延出し、ステップフレーム25の中央寄りに設けたクランプ30で油圧ホース23を支持している。また、油圧ホース23の後側部を上方へ屈曲する屈曲部23aに構成し、この屈曲部23aを経由してミッションケース3の後側部に設けた油圧制御弁22に接続している。
【0021】
従来構成は、油圧ポンプ21と油圧制御弁22の間を接続する油圧ホース23がミッションケース3の側面から垂れ下がり、油圧ホース23の下端部が作業中に作物や障害物に干渉したり、また、その支持固定手段を特別に設けるので複雑となる問題があった。
【0022】
前記構成によると、油圧ホース23をステップフレーム25の右フレーム部25a、右ステップ27の下面と右サイド支持フレーム29の上面との間を通して後側に延出したので、油圧ホース23の保持が容易確実になり、垂れ下がりを防止し耐久性を高めることができる。また、クランプ30での支持構成もステップフレーム25を利用することにより簡単にすることができる。
【0023】
また、ミッションケース3を前側ミッションケースと後側ミッションケースとに分割構成し、例えば、前側ミッションケースを長短の複数に設定し、前後輪の間を長くした大型式あるいは短くした小型式を設定する場合にも、油圧ホース23の屈曲部23aを伸ばしたりあるいは屈曲することにより対応することができ、部品の共用化を図りながら大小の型式設定に対応することができる。
【0024】
次に、図4乃至図5に基づきトラクタの油圧操舵制御構成について説明する。
ステアリングハンドル11の下方に操舵制御弁31を操舵自在に設け、操舵シリンダ31に油圧ポンプ21から油圧を供給している。機体前側部の左右前輪アクスルケース32上部に左右方向に沿わせて操舵シリンダ33を配設している。操舵制御31に接続している左右操舵ホース34,34をエンジンEの左右両側を通してそれぞれ前側に延出し、左右操舵ホース34,34の前側端部を操舵シリンダ33の左右両側部にそれぞれ接続している。そして、左右操舵ホース34,34の端部には筒状接続金具34a,34aを設け、この筒状接続金具34a,34aを操舵シリンダ33の長手方向に沿わせて近接配置して捩じ込み接続し、コンパクトに接続するようにしている。
【0025】
舵制御弁31からの左右操舵ホース34,34をエンジンEの左右一側に集中配索すると、エンジンEのオイル交換等の際にオペレータの視界が不良となったり、工具が左右操舵ホース34,34に干渉する不具合がある。しかし、前記構成のように左右操舵ホース34,34を左右に別々に配索すると、このような不具合を軽減し、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0026】
次に、図6に基づきフェンダ7の取付構成について説明する。
ミッションケース3の前側部左右両側から左右支持フレーム29,29を左右両側に延出し、ミッションケース3の後側部にシートフレーム36、後側安全フレーム12の下側部を設けている。左フェンダ7の前側部を左支持フレーム29の後側部に例えば2本のボルト・ナット37a,37bで固定し、左フェンダ7の側板部後側下部を1本のボルト・ナット37cで固定し、左フェンダ7の後側上部を後側安全フレーム12に2本のボルト・ナット37d,37eで固定している。なお、右フェンダ7も同様に固定している。前記構成によると、左右フェンダ7,7の取付強度をアップし、びびり(低振動)を防止することができる。
【0027】
次に、図7乃至図9によりシートフレーム36の他の実施例について説明する。
ミッションケース3の後側上部右側に作業機昇降用の昇降制御弁38を設け、中央部及び左側上部に背面視逆U字型のシートフレーム36を左右に並列して取り付けている。昇降制御弁38のスプールバルブ38aを前後方向に移動自在に構成し、昇降レバー39で操作可能に構成している。ミッションケース3の後側上部に左右リフトアーム9,9を上下回動自在に設け、昇降制御弁38からの油圧を昇降シリンダ(図示省略)に送り伸縮し、左右リフトアーム9,9を上下回動可能に構成している。そして、昇降レバー39と左右リフトアーム9,9とをリンクやアーム等からなるフィードバック装置40を介して連動連結し、フィードバック装置40をシートフレーム36の右側方に配置させている。
【0028】
前記構成によると、シートフレーム36等の部品を取り外さずにフィードバック装置40の調整を行なうことができる。
次に、図10に基づきフロア26、左右ステップ27,27の支持構成の他の実施例について説明する。
【0029】
ミッションケース3の上側部に鞍状のステップフレーム25を載置し、ステップフレーム25の左右両側部25a,25aをミッションケース3の左右両側から延出している左右支持フレーム29,29に取り付けている。左右両側部25a,25aを左右支持フレーム29,29に載置し、左右ゴムマウント44a,44b及びボルト・ナットでステップフレーム25の左右両側部25a,25a、フロア26を共締めして取り付けている。ステップフレーム25の後側上部とフロア26の後側中央部とを中央ゴムマウント44c、ボルト・ナットで取り付け、フロア26の振動低減を図っている。
【0030】
そして、図11に示すように、左右サブステップ28,28の前後両側から取付ステー28a,28aを上方へ延出し、左右支持フレーム29,29の左右ブラケット43,43に前後取付ステー28a,28aの上側端部をボルト・ナットで固着している。
【0031】
次に、図12に基づきブレーキ構成について説明する。
ミッションケース3の上方にブレーキ軸46を左右方向に沿わせて軸支し、ブレーキ軸46の右側端部に右側ブレーキペダル47Rを回動自在に軸支し、右側ブレーキペダル47Rのアーム部47Raを右側ブレーキロッド48Rを介して右側ブレーキ装置に連係している。ブレーキ軸46の右側部の右側ブレーキペダル47Rの左側方に左側ブレーキペダル47Lを並列支架し、連結ピン49でブレーキ軸46に固定し、ブレーキ軸46の左側端部に設けたアーム部47Laを左側ブレーキロッド48Lを介して左側ブレーキ装置に連係している。アーム部47La,47Raに復帰用スプリング50,50を取り付け、右側ブレーキペダル47Rの足踏み部47Rb、左側ブレーキペダル47Lの足踏み部47Lbには連結離脱自在の連係具51を設けている。
【0032】
次に、図13に基づきクラッチペダル52にカットオフ装置53について説明する。
ミッションケース3の左側上方にはクラッチペダル52を設け、足踏み部52aの下方にはクラッチペダル52をクラッチ切り状態で機体に係止するカットオフ装置53を設けている。このカットオフ装置53は線材で構成されていて、クラッチペダル52にピン54により左右方向に沿わせて軸支する左側軸支部53a,右側軸支部53bと、左側軸支部53a,右側軸支部53bから放射方向に伸びる左側アーム部53c,右側アーム部53dと、左側アーム部53cの先端と右側アーム部53dの先端とを接続する膨出連結片53eと、右側軸支部53bから右側アーム部53dに遠ざかる方向に突出し次いで右側に屈折している連係片53fとにより構成している。
【0033】
しかして、クラッチペダル52が下方のクラッチ切り位置に踏み込まれると、連係片53fの下側面が機体側の回動体(図示省略)に当接し、左側軸支部53a及び右側軸支部53bを中心にして左側アーム部53c及び右側アーム部53dが時計方向の左側上方へ回動し、機体側の係止具(図示省略)が膨出連結片53eの上側に当接係止し、クラッチペダル52をクラッチ切り位置で係止するようにしている。前記構成によると、クラッチペダル52を簡単な構成でクラッチ切り位置で係止することができる。
【0034】
次ぎに、図14乃至図16に基づきボンネット2の左右一側に設けた燃料載せ台61について説明する。
機体前側部から取付プレート62をボンネット2の例えば左側板2aの内側近傍に立設し、取付プレート62の上端部に取付具63を設けている。この取付具63には前後方向に沿わせた筒体63aを備え、筒体63aの前側端部に上下方向に沿った縦取付溝63bと、左右方向に沿った横取付溝63cを備えている。また、燃料載せ台61の内側端部には前後方向に突出した取付軸61aと、軸方向に直交する係止片61bとを設けている。
【0035】
しかして、燃料載せ台61側の取付軸61aの内側端部を筒体63aに接近するように移動し、取付具63の筒体63aの縦取付溝63bあるいは横取付溝63cに係止片61bを係合することにより、燃料載せ台61をボンネット2の左側面部2aの内側に上下方向に沿わせた収納状態としたり、あるいは、燃料載せ台61を水平面状に側方へ突出した燃料缶の載置状態とすることができる。
【0036】
また、取付具63の筒体63aに縦取付溝63bあるいは横取付溝63cを構成するにあたり、図16に示すように、筒体63aの端面における縦取付溝63bから横取付溝63cに移動する角部を削り円弧面63dに形成すると、取付軸61aの係止片61bを円滑に移動させることができ、燃料載せ台61の設置収納を迅速に行なうことができる。
【0037】
また、図17に示すように構成してもよい。燃料載せ台61側の取付具63を取付プレート62側の取付棒64,64に対して左右方向に突出収納自在に構成している。取付具63の内側端部に取付板69を設け、取付プレート62には外側に突出するように上下方向2本の取付棒64,64を設け、取付棒64,64に対して取付板69を左右一側に突出した状態と、内側に退避した状態との変更できるようにしている。
【0038】
取付棒64,64の中間部に前後方向に突出する係止ピン65,65をそれぞれ設け、係止ピン65,65と取付板69,69との間に拡縮するスプリング66,66を介装している。
【0039】
燃料載せ台61の取付具63の内側に上下方向に沿わせて取付板69を設け、取付板69には取付棒64,64の挿入取付用の上下取付溝67,67を上下方向に沿わせて構成している。この上下取付溝67,67の下端部を取付棒64,64の係止ピン65,65が出入り及び回動できる大径溝部67a,67aに形成し、その大径溝部67a,67aの上側に小径溝部67bを構成し、取付棒64,64を小径溝部67b,67bに沿って上下に移動できるようにしている。
【0040】
しかして、機体側の取付棒64,64の係止ピン65,65を取付板69の大径溝部67a,67aを通してスプリング66,66を伸縮させながら内外に移動させることができる。また、取付棒64の係止ピン65,65を大径溝部67a,67aから小径溝部67bの内側を通して上側に移動することにより、係止ピン65,65により取付板69を内側の収納位置に規制することができる。従って、燃料載せ台61を内外方向に容易に変更することができる。
【0041】
また、図18に示すように、燃料載せ台61を次のように構成してもよい。燃料載せ台61の取付具63の内側端部に取付板69を設け、機体側の取付プレート62には外側に突出するように上下2本の取付棒64,64を設け、取付棒64,64に対して燃料載せ台61側の取付板69を着脱自在に取り付け、燃料載せ台61を燃料供給状態としたり、取外し収納位置にセットする構成である。
【0042】
機体側の取付棒64,64の外側端部に大径部64aと、その内側部に小径部64bを構成する。また、燃料載せ台61側の取付板69には上下取付溝71,71を構成し、この上下取付溝71,71には上端部に中径溝部、下端部に大径溝部、これらの中間を小径溝部で接続して構成している。そして、取付溝71,71の大径溝部から取付棒64,64を挿入取外しができるようにし、取付棒64の小径部64bを小径溝部を通して上側の中径溝部に移動することができるようにし、取付棒64の大径部64aを中径溝部に嵌合装着し、ノブボルト72を捩じ込み固定し、燃料載せ台61をセットする。また、ノブボルト72を下方に移動調節し、取付棒64を下方に移動し、大径溝部から取付棒64を引き抜き機体から取り外すことができる。前記構成によると、燃料載せ台61の着脱を簡単な構成とすることができる。
【0043】
また、図19に示すように、燃料載せ台61の燃料缶の載置しない裏面61aにトラクタの取扱要領を記載し有効活用してもよい。
次に、図20、図21に基づきボンネット2の支持構成について説明する。
【0044】
走行車体1のエンジンの後方から後側フレーム75を立ち上げ、後側フレーム部75の上端部にボンネット2の上部後側部を左右方向の軸2b回りに回動自在に軸支している。また、走行車体1から後側フレーム75の後方に沿わせてハンドルフレーム10を立ち上げ、ハンドルフレーム10の上部には操作パネル76を設けると共に、ステアリングハンドル11を上方へ突出するように設けている。そして、操作パネル76の前側部76aを斜め上方へ延出している傾斜面とし、この傾斜面で後側フレーム75上部におけるボンネット2の軸2b支部を被覆している。しかして、ボンネット2を上方へ広く開放することができ、ボンネット2の軸支部を被覆し外観を良くすることができる。
【0045】
次に、図22について説明する。エンジンEの前側にラジエータ78を設け、エンジンEの前側部に設けた冷却ファン80をラジエータ78に対向配置している。エンジンEの左右一側に設けているエアークリーナ81から偏平状のインレットホース82をエンジンEの側面に沿わせてラジエータフレーム79の側方を通して前方へ延出している。バネ線材でコ字状の支持具83を構成し、インレットホース82の外側面を支持具83で覆い、ラジエータ78の周辺に設けているシュラウド84に支持具83の両端係止凹部83a,83aを引っ掛け、容易に着脱できるように支持している。
【0046】
次に、図23について説明する。ハンドルフレーム10にはアクセルレバー86を左右方向の軸回りに前後回動自在に軸支し、エンジンEからアクセルケーブル87を後方へ延出し、その後側部を上方へ屈曲して延出しアクセルレバー86のアーム部86aに接続し、アーム部86aの上下方向に回動する領域でアクセルケーブル87を押し引きし、気化器の弁を開閉するようにしている。前記構成によると、アクセルケーブル87を短くしてコストの低減を図りながら、しかも円滑に押し引き調節することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 走行車体
4 前輪
5 後輪
21 油圧ポンプ
22 油圧制御弁
23 油圧ホース
23a 屈曲部
25 ステップフレーム
25a 左右フレーム部
26 フロア
27 左右ステップ
29 左右サイド支持フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関し、特に作業車両に搭載した油圧機器配設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機体前側部に作業機昇降用の油圧ポンプを設け、機体の後側部に作業機昇降用の油圧制御弁を設けた作業車両において、油圧ポンプと油圧制御弁とを接続する油圧ホースをミッションケースの左右一側に沿わせて配設したものは、公知である。また、走行機体のオペレータ搭乗用のステップフレームの下方に設置台を設け、ステップフレームと設置台との間にパイプ式オイルクーラを配設したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−112285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記背景技術の発明は、油圧ポンプと油圧制御弁とを接続する油圧ホースをミッションケースの左右一側に沿わせて配設したので、油圧ホースが垂れ下がり作業中に作物や障害物に干渉することがあり、油圧ホースの配索を容易にするために長さに余裕を持たせると、この傾向は顕著になる。
【0005】
また、走行機体のオペレータ搭乗用のステップフレームとその下方に設けた設置台の間にパイプ式オイルクーラを支持しするものは、パイプ式オイルクーラ支持用の設置台を特別に設ける必要があり、構成が複雑となりコスト高となる問題がある。
【0006】
そこで、この発明はこのような課題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機体前側部に油圧ポンプ(21)を設け、機体の後側部に油圧制御弁(22)を設けた作業車両において、機体の前後方向中間部にフロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム(29,29)により前記ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a,25a)を下方から支持し、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)とを接続する油圧ホース(23)を左右サイド支持フレーム(29,29)のいずれかと左右ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)のいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両とする。
【0008】
請求項2の発明は、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の左右ステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両とする。
【0009】
請求項3の発明は、機体の前側部に前輪(4,4)を、機体の後側部に後輪(5,5)を設け、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の前記長さ調整部を上方へ屈曲する屈曲部(23a)で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、フロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)における右フレーム部(25a)、左右ステップ(27)の一方の下面と左右サイド支持フレーム(29)のいずれか一方の上面と間の空間部を通して油圧ホース(23)を配索したので、油圧ホース(23)の保持が容易確実になり、油圧ホース(23)の垂れ下がりを防止し耐久性を高めることができる。また、フロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用の左右ステップフレーム(25)及び左右サイド支持フレーム(29)のいずれかを有効活用して油圧ホース(23)を支持しているので、構成を簡素化し、油圧ホース(23)を固定する際にもステップフレーム(25)を利用することによりクランプ(30)で簡単に固定することができる。
【0011】
請求項2の発明によると、請求項1の発明の前記効果に加えて、油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)におけるステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を構成しても、油圧ホース(23)の前後方向中間部をステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)、左右ステップ(27,27)のいずれかの下面と左右サイド支持フレーム(29)のいずれかの上面との空間部に支持しているので、油圧ホース(23)の垂れ下がりを防止することができ、また、油圧ホース(23)の長さにゆとりがあり取付作業を容易に行なうことができる。
【0012】
請求項3の発明によると、請求項1又は請求項2の発明の前記効果に加えて、前後輪の間を長短にした複数の型式を設定する場合にも、油圧ホース(23)の屈曲部(23a)を伸ばしたり屈曲させたりすることにより容易に対応することができ、また、部品の共用化を図り部品点数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】トラクタ全体の側面図である。
【図2】トラクタの前後方向中間部の一部省略した平面図である。
【図3】トラクタの前後方向中間部の一部省略した側面図である。
【図4】トラクタ前側部の一部省略した左右側面図である。
【図5】トラクタ前側部の一部省略した平面図である。
【図6】トラクタ後側部の一部省略した斜視図である。
【図7】トラクタ後側部の一部省略した側面図である。
【図8】トラクタ後側部の一部省略した平面図である。
【図9】トラクタ後側部の背面図である。
【図10】トラクタの前後方向中間部の一部省略した斜視図である。
【図11】サブステップの斜視図である。
【図12】ブレーキペダル部の斜視図である。
【図13】クラッチペダルの斜視図である。
【図14】トラクタの前側部の側面図、背面図である。
【図15】燃料載せ台の平面図、背面図である。
【図16】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図17】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図18】燃料載せ台の斜視図、背面図である。
【図19】燃料載せ台の側面図、背面図である。
【図20】トラクタの前側部の背面図、側面図である。
【図21】トラクタのボンネットの斜視図、側面図である。
【図22】トラクタのエンジン部の側面図、正面図である。
【図23】トラクタの前側部の側面図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいてこの発明を農業用トラクタに施した実施例について説明する。まず、図1に基づき本発明を実施しているトラクタの全体構成について説明する。
トラクタは走行車体1の前側部にエンジン(図示省略)を搭載し、エンジンをボンネット2で被覆し、エンジンからの回転動力をミッションケース3内の主変速装置及び副変速装置で変速し、左右前輪4,4及び左右後輪5,5へ伝達している。
【0015】
また、ミッションケース3の後側上部にはシート6を設け、その左右両側に左右フェンダ7,7を設けている。走行車体1の前側にフロントローダ(図示省略)を装着可能に構成し、後側にバックホウ(図示省略)を装着可能に構成している。また、走行車体1の後側にはシリンダケース(図示省略)を設け、シリンダケースの後側部にリフトアーム9,9を上下回動自在に設け、3点リンク機構(図示省略)に連結したロータリ耕耘装置(図示省略)を昇降するように構成している。
【0016】
また、エンジンの後方には、ハンドルフレーム10を立設し、その上部にステアリングハンドル11を設けている。走行車体1の後部に後側安全フレーム12を立設している。
次に、図2及び図3に基づき油圧機器の配設構成について説明する。
【0017】
機体前側部のエンジンEの左右一側に油圧ポンプ21を設けエンジン動力で駆動し、ミッションケース3の後側部に油圧制御弁22を設け、油圧ポンプ21と油圧制御弁22を油圧ホース23で接続し、油圧タンクを兼ねるミッションケース3からのオイルを油圧ポンプ21で吸入吐出し、分流弁20を経由して油圧制御弁22に送り、油圧制御弁22で切り換えて作業機昇降用の昇降シリンダに送るようにしている。
【0018】
また、ミッションケース3の左右両側部にブラケット24,24を介して左右両側に向けて左右サイド支持フレーム29,29を延出している。鞍状構成のステップフレーム25の左右方向中央部をミッションケース3上に載置し、ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aを左右サイド支持フレーム29、29上に載置した状態で取り付けている。また、ステップフレーム25の上部中央部にフロア26を取り付け、ステップフレーム25の左右フレーム部25a,25aに左右ステップ27,27を取り付けている。
【0019】
また、機体前側の油圧ポンプ21と機体後側の油圧制御弁22を油圧ホース23で接続するにあたり、右サイド支持フレーム29上面とステップフレーム25の右フレーム部25a下面との間の空間部を通して油圧ホース23を配索している。
【0020】
そして、油圧ポンプ21に接続した油圧ホース23をミッションケース3の右側面に沿わせて後方に延出し、油圧ホース23の前側部をステップフレーム25の右フレーム部25a、右ステップ27の下面と右サイド支持フレーム29の上面との間を通して後側に延出し、ステップフレーム25の中央寄りに設けたクランプ30で油圧ホース23を支持している。また、油圧ホース23の後側部を上方へ屈曲する屈曲部23aに構成し、この屈曲部23aを経由してミッションケース3の後側部に設けた油圧制御弁22に接続している。
【0021】
従来構成は、油圧ポンプ21と油圧制御弁22の間を接続する油圧ホース23がミッションケース3の側面から垂れ下がり、油圧ホース23の下端部が作業中に作物や障害物に干渉したり、また、その支持固定手段を特別に設けるので複雑となる問題があった。
【0022】
前記構成によると、油圧ホース23をステップフレーム25の右フレーム部25a、右ステップ27の下面と右サイド支持フレーム29の上面との間を通して後側に延出したので、油圧ホース23の保持が容易確実になり、垂れ下がりを防止し耐久性を高めることができる。また、クランプ30での支持構成もステップフレーム25を利用することにより簡単にすることができる。
【0023】
また、ミッションケース3を前側ミッションケースと後側ミッションケースとに分割構成し、例えば、前側ミッションケースを長短の複数に設定し、前後輪の間を長くした大型式あるいは短くした小型式を設定する場合にも、油圧ホース23の屈曲部23aを伸ばしたりあるいは屈曲することにより対応することができ、部品の共用化を図りながら大小の型式設定に対応することができる。
【0024】
次に、図4乃至図5に基づきトラクタの油圧操舵制御構成について説明する。
ステアリングハンドル11の下方に操舵制御弁31を操舵自在に設け、操舵シリンダ31に油圧ポンプ21から油圧を供給している。機体前側部の左右前輪アクスルケース32上部に左右方向に沿わせて操舵シリンダ33を配設している。操舵制御31に接続している左右操舵ホース34,34をエンジンEの左右両側を通してそれぞれ前側に延出し、左右操舵ホース34,34の前側端部を操舵シリンダ33の左右両側部にそれぞれ接続している。そして、左右操舵ホース34,34の端部には筒状接続金具34a,34aを設け、この筒状接続金具34a,34aを操舵シリンダ33の長手方向に沿わせて近接配置して捩じ込み接続し、コンパクトに接続するようにしている。
【0025】
舵制御弁31からの左右操舵ホース34,34をエンジンEの左右一側に集中配索すると、エンジンEのオイル交換等の際にオペレータの視界が不良となったり、工具が左右操舵ホース34,34に干渉する不具合がある。しかし、前記構成のように左右操舵ホース34,34を左右に別々に配索すると、このような不具合を軽減し、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0026】
次に、図6に基づきフェンダ7の取付構成について説明する。
ミッションケース3の前側部左右両側から左右支持フレーム29,29を左右両側に延出し、ミッションケース3の後側部にシートフレーム36、後側安全フレーム12の下側部を設けている。左フェンダ7の前側部を左支持フレーム29の後側部に例えば2本のボルト・ナット37a,37bで固定し、左フェンダ7の側板部後側下部を1本のボルト・ナット37cで固定し、左フェンダ7の後側上部を後側安全フレーム12に2本のボルト・ナット37d,37eで固定している。なお、右フェンダ7も同様に固定している。前記構成によると、左右フェンダ7,7の取付強度をアップし、びびり(低振動)を防止することができる。
【0027】
次に、図7乃至図9によりシートフレーム36の他の実施例について説明する。
ミッションケース3の後側上部右側に作業機昇降用の昇降制御弁38を設け、中央部及び左側上部に背面視逆U字型のシートフレーム36を左右に並列して取り付けている。昇降制御弁38のスプールバルブ38aを前後方向に移動自在に構成し、昇降レバー39で操作可能に構成している。ミッションケース3の後側上部に左右リフトアーム9,9を上下回動自在に設け、昇降制御弁38からの油圧を昇降シリンダ(図示省略)に送り伸縮し、左右リフトアーム9,9を上下回動可能に構成している。そして、昇降レバー39と左右リフトアーム9,9とをリンクやアーム等からなるフィードバック装置40を介して連動連結し、フィードバック装置40をシートフレーム36の右側方に配置させている。
【0028】
前記構成によると、シートフレーム36等の部品を取り外さずにフィードバック装置40の調整を行なうことができる。
次に、図10に基づきフロア26、左右ステップ27,27の支持構成の他の実施例について説明する。
【0029】
ミッションケース3の上側部に鞍状のステップフレーム25を載置し、ステップフレーム25の左右両側部25a,25aをミッションケース3の左右両側から延出している左右支持フレーム29,29に取り付けている。左右両側部25a,25aを左右支持フレーム29,29に載置し、左右ゴムマウント44a,44b及びボルト・ナットでステップフレーム25の左右両側部25a,25a、フロア26を共締めして取り付けている。ステップフレーム25の後側上部とフロア26の後側中央部とを中央ゴムマウント44c、ボルト・ナットで取り付け、フロア26の振動低減を図っている。
【0030】
そして、図11に示すように、左右サブステップ28,28の前後両側から取付ステー28a,28aを上方へ延出し、左右支持フレーム29,29の左右ブラケット43,43に前後取付ステー28a,28aの上側端部をボルト・ナットで固着している。
【0031】
次に、図12に基づきブレーキ構成について説明する。
ミッションケース3の上方にブレーキ軸46を左右方向に沿わせて軸支し、ブレーキ軸46の右側端部に右側ブレーキペダル47Rを回動自在に軸支し、右側ブレーキペダル47Rのアーム部47Raを右側ブレーキロッド48Rを介して右側ブレーキ装置に連係している。ブレーキ軸46の右側部の右側ブレーキペダル47Rの左側方に左側ブレーキペダル47Lを並列支架し、連結ピン49でブレーキ軸46に固定し、ブレーキ軸46の左側端部に設けたアーム部47Laを左側ブレーキロッド48Lを介して左側ブレーキ装置に連係している。アーム部47La,47Raに復帰用スプリング50,50を取り付け、右側ブレーキペダル47Rの足踏み部47Rb、左側ブレーキペダル47Lの足踏み部47Lbには連結離脱自在の連係具51を設けている。
【0032】
次に、図13に基づきクラッチペダル52にカットオフ装置53について説明する。
ミッションケース3の左側上方にはクラッチペダル52を設け、足踏み部52aの下方にはクラッチペダル52をクラッチ切り状態で機体に係止するカットオフ装置53を設けている。このカットオフ装置53は線材で構成されていて、クラッチペダル52にピン54により左右方向に沿わせて軸支する左側軸支部53a,右側軸支部53bと、左側軸支部53a,右側軸支部53bから放射方向に伸びる左側アーム部53c,右側アーム部53dと、左側アーム部53cの先端と右側アーム部53dの先端とを接続する膨出連結片53eと、右側軸支部53bから右側アーム部53dに遠ざかる方向に突出し次いで右側に屈折している連係片53fとにより構成している。
【0033】
しかして、クラッチペダル52が下方のクラッチ切り位置に踏み込まれると、連係片53fの下側面が機体側の回動体(図示省略)に当接し、左側軸支部53a及び右側軸支部53bを中心にして左側アーム部53c及び右側アーム部53dが時計方向の左側上方へ回動し、機体側の係止具(図示省略)が膨出連結片53eの上側に当接係止し、クラッチペダル52をクラッチ切り位置で係止するようにしている。前記構成によると、クラッチペダル52を簡単な構成でクラッチ切り位置で係止することができる。
【0034】
次ぎに、図14乃至図16に基づきボンネット2の左右一側に設けた燃料載せ台61について説明する。
機体前側部から取付プレート62をボンネット2の例えば左側板2aの内側近傍に立設し、取付プレート62の上端部に取付具63を設けている。この取付具63には前後方向に沿わせた筒体63aを備え、筒体63aの前側端部に上下方向に沿った縦取付溝63bと、左右方向に沿った横取付溝63cを備えている。また、燃料載せ台61の内側端部には前後方向に突出した取付軸61aと、軸方向に直交する係止片61bとを設けている。
【0035】
しかして、燃料載せ台61側の取付軸61aの内側端部を筒体63aに接近するように移動し、取付具63の筒体63aの縦取付溝63bあるいは横取付溝63cに係止片61bを係合することにより、燃料載せ台61をボンネット2の左側面部2aの内側に上下方向に沿わせた収納状態としたり、あるいは、燃料載せ台61を水平面状に側方へ突出した燃料缶の載置状態とすることができる。
【0036】
また、取付具63の筒体63aに縦取付溝63bあるいは横取付溝63cを構成するにあたり、図16に示すように、筒体63aの端面における縦取付溝63bから横取付溝63cに移動する角部を削り円弧面63dに形成すると、取付軸61aの係止片61bを円滑に移動させることができ、燃料載せ台61の設置収納を迅速に行なうことができる。
【0037】
また、図17に示すように構成してもよい。燃料載せ台61側の取付具63を取付プレート62側の取付棒64,64に対して左右方向に突出収納自在に構成している。取付具63の内側端部に取付板69を設け、取付プレート62には外側に突出するように上下方向2本の取付棒64,64を設け、取付棒64,64に対して取付板69を左右一側に突出した状態と、内側に退避した状態との変更できるようにしている。
【0038】
取付棒64,64の中間部に前後方向に突出する係止ピン65,65をそれぞれ設け、係止ピン65,65と取付板69,69との間に拡縮するスプリング66,66を介装している。
【0039】
燃料載せ台61の取付具63の内側に上下方向に沿わせて取付板69を設け、取付板69には取付棒64,64の挿入取付用の上下取付溝67,67を上下方向に沿わせて構成している。この上下取付溝67,67の下端部を取付棒64,64の係止ピン65,65が出入り及び回動できる大径溝部67a,67aに形成し、その大径溝部67a,67aの上側に小径溝部67bを構成し、取付棒64,64を小径溝部67b,67bに沿って上下に移動できるようにしている。
【0040】
しかして、機体側の取付棒64,64の係止ピン65,65を取付板69の大径溝部67a,67aを通してスプリング66,66を伸縮させながら内外に移動させることができる。また、取付棒64の係止ピン65,65を大径溝部67a,67aから小径溝部67bの内側を通して上側に移動することにより、係止ピン65,65により取付板69を内側の収納位置に規制することができる。従って、燃料載せ台61を内外方向に容易に変更することができる。
【0041】
また、図18に示すように、燃料載せ台61を次のように構成してもよい。燃料載せ台61の取付具63の内側端部に取付板69を設け、機体側の取付プレート62には外側に突出するように上下2本の取付棒64,64を設け、取付棒64,64に対して燃料載せ台61側の取付板69を着脱自在に取り付け、燃料載せ台61を燃料供給状態としたり、取外し収納位置にセットする構成である。
【0042】
機体側の取付棒64,64の外側端部に大径部64aと、その内側部に小径部64bを構成する。また、燃料載せ台61側の取付板69には上下取付溝71,71を構成し、この上下取付溝71,71には上端部に中径溝部、下端部に大径溝部、これらの中間を小径溝部で接続して構成している。そして、取付溝71,71の大径溝部から取付棒64,64を挿入取外しができるようにし、取付棒64の小径部64bを小径溝部を通して上側の中径溝部に移動することができるようにし、取付棒64の大径部64aを中径溝部に嵌合装着し、ノブボルト72を捩じ込み固定し、燃料載せ台61をセットする。また、ノブボルト72を下方に移動調節し、取付棒64を下方に移動し、大径溝部から取付棒64を引き抜き機体から取り外すことができる。前記構成によると、燃料載せ台61の着脱を簡単な構成とすることができる。
【0043】
また、図19に示すように、燃料載せ台61の燃料缶の載置しない裏面61aにトラクタの取扱要領を記載し有効活用してもよい。
次に、図20、図21に基づきボンネット2の支持構成について説明する。
【0044】
走行車体1のエンジンの後方から後側フレーム75を立ち上げ、後側フレーム部75の上端部にボンネット2の上部後側部を左右方向の軸2b回りに回動自在に軸支している。また、走行車体1から後側フレーム75の後方に沿わせてハンドルフレーム10を立ち上げ、ハンドルフレーム10の上部には操作パネル76を設けると共に、ステアリングハンドル11を上方へ突出するように設けている。そして、操作パネル76の前側部76aを斜め上方へ延出している傾斜面とし、この傾斜面で後側フレーム75上部におけるボンネット2の軸2b支部を被覆している。しかして、ボンネット2を上方へ広く開放することができ、ボンネット2の軸支部を被覆し外観を良くすることができる。
【0045】
次に、図22について説明する。エンジンEの前側にラジエータ78を設け、エンジンEの前側部に設けた冷却ファン80をラジエータ78に対向配置している。エンジンEの左右一側に設けているエアークリーナ81から偏平状のインレットホース82をエンジンEの側面に沿わせてラジエータフレーム79の側方を通して前方へ延出している。バネ線材でコ字状の支持具83を構成し、インレットホース82の外側面を支持具83で覆い、ラジエータ78の周辺に設けているシュラウド84に支持具83の両端係止凹部83a,83aを引っ掛け、容易に着脱できるように支持している。
【0046】
次に、図23について説明する。ハンドルフレーム10にはアクセルレバー86を左右方向の軸回りに前後回動自在に軸支し、エンジンEからアクセルケーブル87を後方へ延出し、その後側部を上方へ屈曲して延出しアクセルレバー86のアーム部86aに接続し、アーム部86aの上下方向に回動する領域でアクセルケーブル87を押し引きし、気化器の弁を開閉するようにしている。前記構成によると、アクセルケーブル87を短くしてコストの低減を図りながら、しかも円滑に押し引き調節することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 走行車体
4 前輪
5 後輪
21 油圧ポンプ
22 油圧制御弁
23 油圧ホース
23a 屈曲部
25 ステップフレーム
25a 左右フレーム部
26 フロア
27 左右ステップ
29 左右サイド支持フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体前側部に油圧ポンプ(21)を設け、機体の後側部に油圧制御弁(22)を設けた作業車両において、機体の前後方向中間部にフロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム(29,29)により前記ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a,25a)を下方から支持し、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)とを接続する油圧ホース(23)を左右サイド支持フレーム(29,29)のいずれかと左右ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)のいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の左右ステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
機体の前側部に前輪(4,4)を、機体の後側部に後輪(5,5)を設け、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の前記長さ調整部を上方へ屈曲する屈曲部(23a)で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両。
【請求項1】
機体前側部に油圧ポンプ(21)を設け、機体の後側部に油圧制御弁(22)を設けた作業車両において、機体の前後方向中間部にフロア(26)及び左右ステップ(27,27)取付用のステップフレーム(25)を左右に跨がらせて設け、機体の前後方向中間部から左右両側に延出している左右サイド支持フレーム(29,29)により前記ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a,25a)を下方から支持し、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)とを接続する油圧ホース(23)を左右サイド支持フレーム(29,29)のいずれかと左右ステップフレーム(25)の左右フレーム部(25a)のいずれか一方との間の空間部で支持して機体の左右一側に前後方向に沿わせて配索したことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の左右ステップフレーム(25)の前方あるいは後方に長さの調整できる長さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
機体の前側部に前輪(4,4)を、機体の後側部に後輪(5,5)を設け、前記油圧ポンプ(21)と油圧制御弁(22)を接続する油圧ホース(23)の前記長さ調整部を上方へ屈曲する屈曲部(23a)で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−136069(P2012−136069A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288009(P2010−288009)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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