説明

作業車両

【課題】本発明の課題は、複数の油圧ポンプを備えるLSシステムにおいてエネルギーロスを低減することができる作業車両を提供することにある。
【解決手段】作業車両の制御部は、第1負荷圧が第2負荷圧よりも大きく、且つ、第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が第1油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、第1合分流弁を絞り位置に設定し、第2合分流弁を分離位置に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの作業車両は、作業機用の油圧シリンダ、旋回用の油圧モータ、走行用の油圧モータなどのアクチュエータを備えている。作業車両には、これらのアクチュエータを駆動する油圧駆動システムとして、ロードセンシングシステム(以下、「LSシステム」と呼ぶ)が採用されている。LSシステムは、油圧ポンプの吐出圧とアクチュエータの負荷圧との差圧に応じて、油圧ポンプの吐出流量を調整する。
【0003】
特許文献1に開示されている作業車両では、2つの油圧ポンプを備える2ポンプ型のLSシステムが採用されている。2ポンプ型のLSシステムは、各油圧ポンプに対して、それぞれ1つ以上の流量制御弁を備えている。流量制御弁は、操作レバーの操作に応じて開口面積を変化させる。これにより、アクチュエータへの作動油の流量が制御される。また、2ポンプ型のLSシステムは、合分流弁を備えている。合分流弁は、分流位置と合流位置とに切り換えられる。合分流弁が合流位置であるときには、各油圧ポンプから吐出された作動油が合流して、各アクチュエータに供給される。合分流弁が分流位置であるときには、各油圧ポンプから吐出された作動油は、合流せずに、それぞれ対応するアクチュエータに供給される。作業車両のコントローラーは、操作レバーの操作に応じて合分流弁の状態を切り換える。例えば、油圧ショベルにおいて、ブームを上昇させる操作とアームを動作させる操作との複合操作が行われるときには、合分流弁が合流位置に設定される。また、ブームを降下させる操作とアームを動作させる操作との複合操作が行われるときには、合分流弁が分流位置に設定される。これにより、操作レバーの操作に応じて、各アクチュエータに必要な流量の作動油を供給することができる。
【0004】
上記のような2ポンプ型のLSシステムにおいて、操作レバーの操作割合に応じた流量で作動油の分配を行うためには、各流量制御弁の上流側と下流側との差圧を同一にすればよい。各流量制御弁の上流側と下流側との差圧が同一であれば、各アクチュエータの負荷の大きさの違いによる影響を抑えて、各流量制御弁の開口面積に応じた流量で作動油を分配することができるからである。しかし、合分流弁が合流位置であるときには、各アクチュエータの負荷の大きさが必ずしも同一ではないのに対して、各流量制御弁の上流側の油圧は同一となる。この場合、各流量制御弁の上流側と下流側との差圧は同一にはならない。
【0005】
そこで、上記のような2ポンプ型のLSシステムでは、各アクチュエータに対して圧力補償弁が備えられる。高負荷のアクチュエータに対応する圧力補償弁は全開状態に設定される。一方、低負荷のアクチュエータに対応する圧力補償弁は絞り状態に設定される。これにより、低負荷のアクチュエータには、作動油が減圧して供給される。このため、合分流弁が合流位置であっても、各流量制御弁の上流側と下流側との差圧を同一にすることができると共に、各アクチュエータに負荷の大きさに応じた圧力の作動油を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−272504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のような2ポンプ型のLSシステムでは、低負荷のアクチュエータに対応する圧力補償弁において、絞りによるエネルギーロスが発生する。例えば、油圧ショベルでは、ブームの上昇操作とアームの掘削操作とを同時に行うことにより、表土を剥ぎ取るような作業が行われる。このとき、アームシリンダへの供給流量は1つの油圧ポンプからの吐出流量では不足する。このため、合分流弁を合流位置に設定することにより、2つの油圧ポンプからの作動油が合流してブームシリンダとアームシリンダへ供給される。このとき、作業機を持ち上げるためにブームシリンダの負荷圧は比較的高くなる。これに対して、アームシリンダの動作方向は作業機が自重によって下がる方向であるので、アームシリンダの負荷圧はブームシリンダの負荷圧と比べて低くなる。従って、アームシリンダに対応する圧力補償弁では、作動油が絞りによって減圧される。このため、アームシリンダに対応する圧力補償弁ではエネルギーロスが発生する。油圧ショベルの排土作業や掘削作業においても上記の作業の場合と同様に、負荷圧の低いアクチュエータに対応する圧力補償弁において、絞りによるエネルギーロスが発生する。
【0008】
本発明の課題は、複数の油圧ポンプを備えるLSシステムにおいてエネルギーロスを低減することができる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係る作業車両は、第1油圧ポンプと、第1ポンプ流路と、第1アクチュエータと、第1アクチュエータ流路と、第1負荷圧検出部と、第1流量制御弁と、第1負荷圧導入流路と、第1ポンプ圧導入流路と、第1ロードセンシング弁と、第2油圧ポンプと、第2ポンプ流路と、第2アクチュエータと、第2アクチュエータ流路と、第2負荷圧検出部と、第2流量制御弁と、第2負荷圧導入流路と、第2ポンプ圧導入流路と、第2ロードセンシング弁と、第1合分流弁と、第2合分流弁と、制御部とを備える。第1油圧ポンプは、作動油を吐出する。第1ポンプ流路は、第1油圧ポンプに接続される。第1アクチュエータは、油圧によって駆動される。第1アクチュエータ流路は、第1アクチュエータに接続される。第1負荷圧検出部は、第1アクチュエータの第1負荷圧を検出する。第1流量制御弁は、第1ポンプ流路から第1アクチュエータ流路に供給される作動油の流量を制御する。第1負荷圧導入流路は、第1アクチュエータ流路に接続される。第1ポンプ圧導入流路は、第1ポンプ流路に接続される。第1ロードセンシング弁は、第1負荷圧導入流路を介して伝達される油圧と第1ポンプ圧導入流路を介して伝達される油圧との差圧に応じて、第1油圧ポンプの吐出流量を制御する。第2油圧ポンプは、作動油を吐出する。第2ポンプ流路は、第2油圧ポンプに接続される。第2アクチュエータは、油圧によって駆動される。第2アクチュエータ流路は、第2アクチュエータに接続される。第2負荷圧検出部は、第2アクチュエータの第2負荷圧を検出する。第2流量制御弁は、第2ポンプ流路から第2アクチュエータ流路に供給される作動油の流量を制御する。第2負荷圧導入流路は、第2アクチュエータ流路に接続される。第2ポンプ圧導入流路は、第2ポンプ流路に接続される。第2ロードセンシング弁は、第2負荷圧導入流路を介して伝達される油圧と第2ポンプ圧導入流路を介して伝達される油圧との差圧に応じて、第2油圧ポンプの吐出流量を制御する。第1合分流弁は、合流位置と、分流位置と、絞り位置とに切り換え可能である。第1合分流弁は、合流位置では、第1ポンプ流路と第2ポンプ流路とを合流させる。第1合分流弁は、分流位置では、第1ポンプ流路と第2ポンプ流路とを分離する。第1合分流弁は、絞り位置では、合流位置よりも小さな開度で第1ポンプ流路と第2ポンプ流路とを合流させる。第2合分流弁は、合流位置と分流位置とに切り換え可能である。第2合分流弁は、合流位置において、第1負荷圧導入流路と第2負荷圧導入流路とを合流させる。第2合分流弁は、分流位置において、第1負荷圧導入流路と第2負荷圧導入流路とを分離する。制御部は、第1負荷圧が第2負荷圧よりも大きく、且つ、第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が第1油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、第1合分流弁を絞り位置に設定し、第2合分流弁を分離位置に設定する。
【0010】
本発明の第2の態様に係る作業車両は、第1の態様の作業車両であって、第1油圧ポンプを駆動する駆動源をさらに備える。制御部は、駆動源の出力トルクと第1油圧ポンプの吐出圧とに基づき第1油圧ポンプの吐出可能な流量を算出する。
【0011】
本発明の第3の態様に係る作業車両は、第1又は第2の態様の作業車両であって、制御部は、第1油圧ポンプの吐出圧と第1負荷圧との差圧と、第1流量制御弁の開口面積とに基づいて第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を算出する。
【0012】
本発明の第4の態様に係る作業車両は、第1又は第2の態様の作業車両であって、制御部は、第1油圧ポンプの吐出圧と第1ポンプ圧導入流路の油圧との差圧と、第1流量制御弁の開口面積とに基づいて第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を算出する。
【0013】
本発明の第5の態様に係る作業車両は、第1から第4の態様のいずれかの作業車両であって、制御部は、第2負荷圧が第1負荷圧よりも大きく、且つ、第2アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が第2油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、第1合分流弁を絞り位置に設定し、第2合分流弁を分離位置に設定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様に係る作業車両では、第1負荷圧が第2負荷圧よりも大きく、且つ、第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が第1油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、第1合分流弁が絞り位置に設定され、第2合分流弁が分離位置に設定される。このため、第1負荷圧が第2負荷圧よりも大きくても、第1アクチュエータ流路の油圧と第1ポンプ流路の油圧との間の差圧と、第2アクチュエータ流路の油圧と第2ポンプ流路の油圧との間の差圧とを一致させることができる。また、高圧の第1ポンプ流路の油圧と低圧の第2ポンプ流路の油圧との差圧は、絞り位置に設定される第1合分流弁によって補償される。しかし、第1合分流弁を通過する作動油の流量は、第2アクチュエータに供給される作動油の流量と比べて非常に少ない。すなわち、第1合分流弁を通過する作動油の流量は、従来の作業車両において圧力補償弁を通過する作動油の流量と比べて非常に少ない。このため、本態様に係る作業車両では、エネルギーロスを低減することができる。
【0015】
本発明の第2の態様に係る作業車両では、駆動源の出力トルクと第1油圧ポンプの吐出圧とに基づいて、第1油圧ポンプの吐出可能な流量を精度よく算出することができる。
【0016】
本発明の第3の態様に係る作業車両では、第1油圧ポンプの吐出圧と第1負荷圧との差圧と、第1流量制御弁の開口面積とに基づいて第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を精度よく算出することができる。
【0017】
本発明の第4の態様に係る作業車両では、第1油圧ポンプの吐出圧と第1ポンプ圧導入流路の油圧との差圧と、第1流量制御弁の開口面積とに基づいて、第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を精度よく算出することができる。
【0018】
本発明の第5の態様に係る作業車両では、第2負荷圧が第1負荷圧よりも大きく、且つ、第2アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が第2油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、第1合分流弁が絞り位置に設定され、第2合分流弁が分離位置に設定される。このため、第2負荷圧が第1負荷圧よりも大きくても、第1アクチュエータ流路の油圧と第1ポンプ流路の油圧との間の差圧と、第2アクチュエータ流路の油圧と第2ポンプ流路の油圧との間の差圧とを一致させることができる。また、高圧の第2ポンプ流路の油圧と低圧の第1ポンプ流路の油圧との差圧は、絞り位置に設定される第1合分流弁によって補償される。しかし、第1合分流弁を通過する作動油の流量は、第1アクチュエータに供給される作動油の流量と比べて非常に少ない。すなわち、第1合分流弁を通過する作動油の流量は、従来の作業車両において圧力補償弁を通過する作動油の流量と比べて非常に少ない。このため、本態様に係る作業車両では、エネルギーロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る油圧ショベルの外観図である。
【図2】油圧ショベルに備えられる油圧駆動システムの構成を示すブロック図である。
【図3】油圧ポンプが吐出可能な流量の算出方法を示す図である。
【図4】本実施形態に係る油圧駆動システムの複合操作時の動作の一例を示す図である。
【図5】比較例に係る油圧駆動システムの複合操作時の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る作業車両について説明する。図1は、作業車両100の斜視図である。作業車両100は、油圧ショベルであり、車両本体1と作業機2とを有する。車両本体1は、上部旋回体3と運転室4と下部車体5とを有する。上部旋回体3は、下部車体5上に載置されている。上部旋回体3は、下部車体5に対して旋回可能に設けられる。上部旋回体3は、後述するエンジンや油圧ポンプなどの装置を収容している。運転室4は上部旋回体3の前部に載置されている。運転室4内には、後述する第1操作装置及び第2操作装置が配置される。下部車体5は履帯5a,5bを有しており、履帯5a,5bが回転することにより作業車両100が走行する。
【0021】
作業機2は、車両本体1の前部に取り付けられており、ブーム90とアーム91とバケット92とブームシリンダ93とアームシリンダ94とバケットシリンダ95とを有する。ブーム90の基端部は、ブームピン96を介して上部旋回体3に揺動可能に取り付けられている。アーム91の基端部は、アームピン97を介してブーム90の先端部に揺動可能に取り付けられている。アーム91の先端部には、バケットピン98を介してバケット92が揺動可能に取り付けられている。ブームシリンダ93とアームシリンダ94とバケットシリンダ95とは、それぞれ油圧によって駆動される油圧シリンダである。ブームシリンダ93はブーム90を駆動する。アームシリンダ94は、アーム91を駆動する。バケットシリンダ95は、バケット92を駆動する。
【0022】
図2は、作業車両100が備える油圧駆動システム10の構成を示すブロック図である。油圧駆動システム10は、エンジン11と、第1駆動回路12と、第2駆動回路13と、第1操作装置14と、第2操作装置15と、第1合分流弁16と、第2合分流弁17と、ポンプコントローラ18とエンジンコントローラ19を有する。
【0023】
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンであり、燃料噴射装置21からの燃料の噴射量が調整されることにより、エンジン11の出力が制御される。燃料噴射量の調整は、燃料噴射装置21がエンジンコントローラ19によって制御されることで行われる。なお、エンジン11の実回転速度は、回転速度センサ22にて検出され、その検出信号は、エンジンコントローラ19およびポンプコントローラ18にそれぞれ入力される。エンジンコントローラ19およびポンプコントローラ18は、それぞれ、CPUなどの演算装置や、プログラムやデータなどの情報を記憶する記憶装置を備えている。エンジンコントローラ19は、燃料噴射装置21を制御することによりエンジン11の出力を制御する。エンジンコントローラ19には、設定された目標エンジン回転速度および作業モードに基づいて設定されるエンジン出力トルク特性がマップ化されて記憶されている。エンジン出力トルク特性は、エンジン11の出力トルクと回転速度との関係を示す。エンジンコントローラ19は、エンジン出力トルク特性に基づいて、エンジン11の出力を制御する。
【0024】
第1駆動回路12は、第1油圧ポンプ31aと、第1ポンプ流路32aと、第1アクチュエータ33aと、第1アクチュエータ流路34aと、第1流量制御弁35aと、第1圧力補償弁36aと、第1負荷圧導入流路37aと、第1ポンプ圧導入流路38aと、第1ロードセンシング弁39aと、を有する。第1油圧ポンプ31aは、エンジン11によって駆動され、作動油を吐出する。第1アクチュエータ33aは、油圧によって駆動される。第1ポンプ流路32aは、第1油圧ポンプ31aに接続されている。第1アクチュエータ流路34aは、第1アクチュエータ33aに接続されている。第1流量制御弁35aは、第1ポンプ流路32aから第1アクチュエータ流路34aに供給される作動油の流量を制御する。第1負荷圧導入流路37aは、第1ロードセンシング弁39aに接続されている。第1ポンプ圧導入流路38aは、第1ポンプ流路32aに接続されている。第1ロードセンシング弁39aは、第1負荷圧導入流路37aを介して伝達される油圧と第1ポンプ圧導入流路38aを介して伝達される油圧との差圧に応じて、第1油圧ポンプ31aの吐出流量を制御する。
【0025】
第1油圧ポンプ31aは、可変容量型の油圧ポンプである。第1油圧ポンプ31aの傾転角が制御されることにより、第1油圧ポンプ31aの吐出流量が制御される。第1油圧ポンプ31aの傾転角は、第1ポンプ流量制御部41aによって制御される。第1ポンプ流量制御部41aは、駆動ピストン42aとシリンダ43aとを有する。シリンダ43aの内部は、駆動ピストン42aによって第1室44aと第2室45aとに区画されている。第1室44aは、第1ポンプ圧導入流路38aに接続されている。第2室45aは、第1ロードセンシング弁39aを介して第1ポンプ圧導入流路38a又は作動油タンクに接続される。第1室44aにおける駆動ピストン42aの受圧面積は、第2室45aにおける駆動ピストン42aの受圧面積よりも小さい。このため、作動油が第1ロードセンシング弁39aを介して第2室45aに供給されると、駆動ピストン42aが矢印Asで示す方向に移動する。これにより、吐出流量が減少する方向に第1油圧ポンプ31aの傾転角が変更される。第2室45aが第1ロードセンシング弁39aを介して作動油タンクに接続されると、第2室45aから作動油が排出される。従って、第1室44aに供給される作動油の油圧によって、駆動ピストン42aが矢印Alで示す方向に移動する。これにより、吐出流量が増大する方向に第1油圧ポンプ31aの傾転角が変更される。
【0026】
第1アクチュエータ33aは、例えば、上述したブームシリンダ93である。第1アクチュエータ33aは、シリンダロッド46aとシリンダチューブ47aとを有する。シリンダチューブ47aの内部は、シリンダロッド46aによって第1室48aと第2室49aとに区画されている。第1アクチュエータ流路34aは、第1流路51aと第2流路52aとを有する。第1流路51aは、第1室48aに接続されている。第2流路52aは第2室49aに接続されている。第1流路51aを介して第1室48aに作動油が供給され、第2流路52aを介して第2室49aから作動油が排出されると、第1アクチュエータ33aが伸張する。第2流路52aを介して第2室49aに作動油が供給され、第1流路51aを介して第1室48aから作動油が排出されると、第1アクチュエータ33aが収縮する。
【0027】
第1流量制御弁35aは、油圧回路において、第1油圧ポンプ31aと第1アクチュエータ33aとの間に配置される。第1流量制御弁35aは、第1ポンプ流路32aと第1アクチュエータ流路34aとの間に配置されている。第1流量制御弁35aは、第1位置A1と第2位置B1と中立位置C1に切り換え可能である。第1流量制御弁35aは、第1パイロットポート35a1と第2パイロットポート35a2とを有している。第1流量制御弁35aは、第1パイロットポート35a1と第2パイロットポート35a2とに印加されるパイロット圧に応じて、第1位置A1と第2位置B1と中立位置C1に切り換えられる。第1流量制御弁35aは、第1位置A1では、第1ポンプ流路32aと第1流路51aとをメータリングオリフィス35a3を介して連通させ、第1流路51aと第1負荷圧導入流路37aとをオリフィス35a4を介して連通させ、第2流路52aと作動油タンクとを連通させる。第1流量制御弁35aは、第2位置B1では、第1ポンプ流路32aと第2流路52aとをメータリングオリフィス35a5を介して連通させ、第2流路52aと第1負荷圧導入流路37aとをオリフィス35a6を介して連通させ、第1流路51aと作動油タンクとを連通させる。第1流量制御弁35aは、中立位置C1では、第1負荷圧導入流路37aと作動油タンクとを連通させ、第1ポンプ流路32aと第1流路51aと第2流路52aとを他の流路から遮断する。上述したメータリングオリフィス35a3,35a5の開口面積は、第1操作装置14から第1パイロットポート35a1と第2パイロットポート35a2とに印加されるパイロット圧に応じて変化する。これにより、第1操作装置14の操作内容に応じて、第1アクチュエータ33aに供給される作動油の流量が制御される。
【0028】
第1圧力補償弁36aは、第1アクチュエータ流路34aにおいて、第1アクチュエータ33aと第1流量制御弁35aとの間に配置される。具体的には、第1圧力補償弁36aは、第1アクチュエータ流路34aの第1流路51aに配置される。第1圧力補償弁36aは、連通位置D1と遮断位置E1と絞り連通位置F1とに切り換え可能である。第1圧力補償弁36aは、第1パイロットポート36a1と第2パイロットポート36a2とを有する。第1圧力補償弁36aは、第1パイロットポート36a1と第2パイロットポート36a2とに印加されるパイロット圧に応じて、連通位置D1と遮断位置E1と絞り連通位置F1とに切り換えられる。第1パイロットポート36a1は、第1流路51aにおいて第1流量制御弁35aと第1圧力補償弁36aとの間に接続されている。第2パイロットポート36a2は、第1負荷圧導入流路37aに接続されている。
【0029】
第1ロードセンシング弁39aは、排出位置G1と供給位置H1とに切り換え可能である。第1ロードセンシング弁39aは、排出位置G1において、第1ポンプ流量制御部41aの第2室45aと作動油タンクとを連通させる。第1ロードセンシング弁39aは、供給位置H1において、第1ポンプ流量制御部41aの第2室45aと第1ポンプ圧導入流路38aとを連通させる。第1ロードセンシング弁39aは、第1パイロットポート39a1と第2パイロットポート39a2とを有している。第1ロードセンシング弁39aは、第1パイロットポート39a1と第2パイロットポート39a2とに印加されるパイロット圧に応じて、排出位置G1と供給位置H1とに切り換えられる。第1パイロットポート39a1は、第1ポンプ圧導入流路38aに接続されている。第2パイロットポート39a2は、第1負荷圧導入流路37aに接続されている。第1ポンプ圧導入流路38aを介して第1パイロットポート39a1に印加されるパイロット圧と、第1負荷圧導入流路37aを介して第2パイロットポート39a2に印加されるパイロット圧との差圧が所定値以下であるときには、弾性部材39a3の弾性力によって、第1ロードセンシング弁39aは排出位置G1に保持される。第1ポンプ圧導入流路38aを介して第1パイロットポート39a1に印加されるパイロット圧と、第1負荷圧導入流路37aを介して第2パイロットポート39a2に印加されるパイロット圧との差圧が所定値より大きくなると、第1ロードセンシング弁39aは供給位置H1に切り換わる。
【0030】
なお、第1ポンプ流路32aは、第1アンロード弁53aに接続されている。第1アンロード弁53aは、第1流量制御弁35aが中立位置C1であるときに、第1ポンプ流路32aを作動油タンクに連通させる。これにより、第1油圧ポンプ31aから吐出される最小流量の作動油が作動油タンクに送られる。
【0031】
第1操作装置14は、第1アクチュエータ33aを操作するための装置である。第1操作装置14は、第1操作部材54と、第1パイロット弁55とを有する。第1操作部材54は、例えば操作レバーであり、オペレータによって操作される。第1操作部材54は、第1アクチュエータ33aを伸張させる第1方向と、第1アクチュエータ33aを収縮させる第2方向とに操作可能である。第1アクチュエータ33aがブームシリンダ93である場合、第1方向は、ブーム90の先端を上昇させる方向であり、第2方向は、ブーム90の先端を下降させる方向である。第1パイロット弁55は、第1操作部材54の操作方向及び操作量に応じたパイロット圧を出力する。具体的には、第1操作部材54が第1方向に操作されると、第1パイロット弁55は、その操作量に応じたパイロット圧を第1流量制御弁35aの第1パイロットポート35a1に入力する。これにより、第1流量制御弁35aは、第1位置A1に設定される。また、メータリングオリフィス35a3の開口面積が、第1操作部材54の操作量に対応した大きさに設定される。第1操作部材54が第2方向に操作されると、第1パイロット弁55は、その操作量に応じたパイロット圧を第1流量制御弁35aの第2パイロットポート35a2に入力する。これにより、第1流量制御弁35aは、第2位置B1に設定される。また、メータリングオリフィス35a5の開口面積が、第1操作部材54の操作量に対応した大きさに設定される。第1操作部材54が第1方向と第2方向とのいずれの方向にも操作されていない中立位置に位置しているときには、第1パイロット弁55は、パイロット圧を出力しない。これにより、第1流量制御弁35aは、中立位置C1に設定される。
【0032】
また、第1駆動回路12は、第1負荷圧検出部56aと第1ポンプ圧検出部57aとを有する。第1負荷圧検出部56aは、例えば圧力センサであり、第1アクチュエータ流路34aに接続されている。具体的には、第1負荷圧検出部56aは、第1アクチュエータ流路34aにおいて、第1アクチュエータ33aと第1圧力補償弁36aとの間に接続されている。第1負荷圧検出部56aは、第1アクチュエータ33aの第1負荷圧を検出する。すなわち、第1負荷圧検出部56aは、第1アクチュエータ33aに供給される作動油の圧力を検出する。第1ポンプ圧検出部57aは、例えば圧力センサであり、第1ポンプ流路32aに接続されている。第1ポンプ圧検出部57aは、第1油圧ポンプ31aの吐出圧を検出する。第1駆動回路12は、第1パイロット圧検出部58aを有する。第1パイロット圧検出部58aは、例えば、一対の圧力センサ59,60を有しており、第1パイロット弁55から第1流量制御弁35aの第1パイロットポート35a1と第2パイロットポート35a2とに印加されるパイロット圧を検出する。第1負荷圧検出部56a、第1ポンプ圧検出部57a、第1パイロット圧検出部58aは、それぞれ検出信号をポンプコントローラ18に送る。
【0033】
第2駆動回路13は、第2油圧ポンプ31bと、第2ポンプ流路32bと、第2アクチュエータ33bと、第2アクチュエータ流路34bと、第2流量制御弁35bと、第2圧力補償弁36bと、第2負荷圧導入流路37bと、第2ポンプ圧導入流路38bと、第2ロードセンシング弁39bと、を有する。第2油圧ポンプ31bは、エンジン11によって駆動され、作動油を吐出する。第2アクチュエータ33bは、油圧によって駆動される。第2アクチュエータ33bは、例えば上述したアームシリンダ43aである。第2ポンプ流路32bは、第2油圧ポンプ31bに接続されている。第2アクチュエータ流路34bは、第2アクチュエータ33bに接続されている。第2流量制御弁35bは、第2ポンプ流路32bから第2アクチュエータ流路34bに供給される作動油の流量を制御する。第2負荷圧導入流路37bは、第2ロードセンシング弁39bに接続されている。第2ポンプ圧導入流路38bは、第2ポンプ流路32bに接続されている。第2ロードセンシング弁39bは、第2負荷圧導入流路37bを介して伝達される油圧と第2ポンプ圧導入流路38bを介して伝達される油圧との差圧に応じて、第2油圧ポンプ31bの吐出流量を制御する。第2ポンプ圧導入流路38bを介して第1パイロットポート39b1に印加されるパイロット圧と、第2負荷圧導入流路37bを介して第2パイロットポート39b2に印加されるパイロット圧との差圧が所定値より大きくなると、第2ロードセンシング弁39bは、供給位置H2に切り換わる。この所定値は、弾性部材39b3の弾性力によって規定されており、上述した第1ロードセンシング弁39aにおいて弾性部材39a3によって規定される所定値と同じ大きさに設定されている。第2操作装置15は、第2アクチュエータ33bを操作するための装置である。第2油圧ポンプ31b、第2アクチュエータ33b、第2流量制御弁35b、第2圧力補償弁36b、第2ロードセンシング弁39bの構成は、上述した第1油圧ポンプ31a、第1アクチュエータ33a、第1流量制御弁35a、第1圧力補償弁36a、第1ロードセンシング弁39aの構成とそれぞれ同様であるため、詳細な説明を省略する。第2ポンプ流路32b、第2アクチュエータ流路34b、第2負荷圧導入流路37b、第2ポンプ圧導入流路38bの構成は、上述した第1ポンプ流路32a、第1アクチュエータ流路34a、第1負荷圧導入流路37a、第1ポンプ圧導入流路38aの構成とそれぞれ同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、図2では、特に説明が無い限り、互いに対応する第1駆動回路12の構成と第2駆動回路13の構成には、同じ数字を含む符号を付している。
【0034】
第2操作装置15は、第2アクチュエータ33bを操作するための装置である。第2操作装置15は、第2操作部材61と、第1パイロット弁62とを有する。第2操作部材61は、例えば操作レバーであり、オペレータによって操作される。第2操作装置15は、第2アクチュエータ33bを伸張させる第1方向と、第2アクチュエータ33bを収縮させる第2方向とに操作可能である。第2アクチュエータ33bがアームシリンダ94である場合、第1方向は、アーム91の先端を車両本体1に近づく方向に移動させる方向であり、第2方向は、アーム91の先端を車両本体1から離れる方向に移動させる方向である。第2パイロット弁62は、第2操作装置15の操作方向及び操作量に応じたパイロット圧を出力する。具体的には、第2操作装置15が第1方向に操作されると、第2パイロット弁62は、その操作量に応じたパイロット圧を第2流量制御弁35bの第1パイロットポート35b1に入力する。これにより、第2流量制御弁35bは、第1位置A2に設定される。また、メータリングオリフィス35b3の開口面積が、第2操作装置15の操作量に対応した大きさに設定される。第2操作装置15が第2方向に操作されると、第2パイロット弁62は、その操作量に応じたパイロット圧を第2流量制御弁35bの第2パイロットポート35b2に入力する。これにより、第2流量制御弁35bは、第2位置B2に設定される。また、メータリングオリフィス35b5の開口面積が、第2操作装置15の操作量に対応した大きさに設定される。第2操作装置15が第1方向と第2方向とのいずれの方向にも操作されていない中立位置に位置しているときには、第2パイロット弁62は、パイロット圧を出力しない。これにより、第2流量制御弁35bは、中立位置C2に設定される。なお、以下の説明において、第2操作部材61の第1方向への操作を「掘削操作」と呼ぶ。
【0035】
第2駆動回路13は、第2負荷圧検出部56bと第2ポンプ圧検出部57bとを有する。第2負荷圧検出部56bは、例えば圧力センサであり、第2アクチュエータ流路34bに接続されている。具体的には、第2負荷圧検出部56bは、第2アクチュエータ流路34bにおいて、第2アクチュエータ33bと第2圧力補償弁36bとの間に接続されている。第2負荷圧検出部56bは、第2アクチュエータ33bの第2負荷圧を検出する。すなわち、第2負荷圧検出部56bは、第2アクチュエータ33bに供給される作動油の圧力を検出する。第2ポンプ圧検出部57bは、例えば圧力センサであり、第2ポンプ流路32bに接続されている。第2ポンプ圧検出部57bは、第2油圧ポンプ31bの吐出圧を検出する。第2駆動回路13は、第2パイロット圧検出部58bを有する。第2パイロット圧検出部58bは、例えば一対の圧力センサ63,64を有しており、第2パイロット弁62から第2流量制御弁35bの第1パイロットポート35b1と第2パイロットポート35b2とに印加されるパイロット圧を検出する。第2負荷圧検出部56b、第2ポンプ圧検出部57b、第2パイロット圧検出部58bは、それぞれ検出信号をポンプコントローラ18に送る。
【0036】
第1合分流弁16は、合流位置Xと、分流位置Yと、絞り位置Zとに切り換え可能である。第1合分流弁16は、合流位置Xでは、第1ポンプ流路32aと第2ポンプ流路32bとを合流させる。例えば、第1合分流弁16の開度は、合流位置Xにおいて全開となる。第1合分流弁16は、分流位置Yでは、第1ポンプ流路32aと第2ポンプ流路32bとを分離する。第1合分流弁16は、絞り位置Zでは、合流位置Xよりも小さな開度で第1ポンプ流路32aと第2ポンプ流路32bとを合流させる。第1合分流弁16は、パイロットポート16pを有しており、パイロットポート16pに印加されるパイロット圧に応じて、合流位置Xと、分流位置Yと、絞り位置Zとに切り換えられる。また、絞り位置Zでの第1合分流弁16の開口面積は、パイロットポート16pに印加されるパイロット圧に応じて制御される。
【0037】
第2合分流弁17は、合流位置Mと分流位置Nとに切り換え可能である。第2合分流弁17は、パイロットポート17pを有しており、パイロットポート17pに印加されるパイロット圧に応じて、合流位置Mと分流位置Nとに切り換えられる。第2合分流弁17は、合流位置Mにおいて、第1負荷圧導入流路37aと第2負荷圧導入流路37bとを合流させる。第1負荷圧導入流路37aは、第1アクチュエータ側導入流路37a1と、第1パイロットポート側導入流路37a2とを有する。第1アクチュエータ側導入流路37a1は、第1流量制御弁35aに接続されている。第1パイロットポート側導入流路37a2は、第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2に接続されている。また、第2負荷圧導入流路37bは、第2アクチュエータ側導入流路37b1と、第2パイロットポート側導入流路37b2とを有する。第2アクチュエータ側導入流路37b1は、第2流量制御弁35bに接続されている。第2パイロットポート側導入流路37b2は、第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2に接続されている。第1アクチュエータ側導入流路37a1と第2アクチュエータ側導入流路37b1との間には、シャトル弁65が配置されている。シャトル弁65は、第1アクチュエータ側導入流路37a1と第2アクチュエータ側導入流路37b1とのうち、油圧が大きい方の流路を、第1パイロットポート側導入流路37a2と第2パイロットポート側導入流路37b2とに接続する。従って、第1アクチュエータ流路34aの油圧が第2アクチュエータ流路34bの油圧よりも大きいときには、第1アクチュエータ33aの第1負荷圧が第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2と第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2とに入力される。また、第2アクチュエータ流路34bの油圧が第1アクチュエータ流路34aの油圧よりも大きいときには、第2アクチュエータ33bの第2負荷圧が第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2と第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2とに入力される。第2合分流弁17は、分流位置Nにおいて、第1負荷圧導入流路37aと第2負荷圧導入流路37bとを分離する。この場合、第1アクチュエータ流路34aを介して第1負荷圧が第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2に入力される。また、第2アクチュエータ流路34bを介して第2負荷圧が第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2に入力される。
【0038】
なお、第1負荷圧導入流路37aは、チェック弁66aを介して作動油タンクに接続されている。また、上述したように、第1負荷圧導入流路37aに送られる作動油は、第1流量制御弁35aにおいてオリフィス35a4又はオリフィス35a6を通過する。このため、第2合分流弁17が分流位置Nであるときには、第1負荷圧導入流路37aから第1圧力補償弁36aの第2パイロットポート36a2に印加される油圧は、第1アクチュエータ流路34aから直接的に第1圧力補償弁36aの第1パイロットポート36a1に印加される油圧よりも小さくなる。従って、第1圧力補償弁36aは、連通位置D1に設定される。同様に、第2合分流弁17が分流位置Nであるときには、第2負荷圧導入流路37bから第2圧力補償弁36bの第2パイロットポート36b2に印加される油圧は、第2アクチュエータ流路34bから直接的に第2圧力補償弁36bの第1パイロットポート36b1に印加される油圧よりも小さくなる。従って、第2圧力補償弁36bは、連通位置D2に設定される。
【0039】
ポンプコントローラ18は、第1電磁弁67を電気的に制御することにより、第1合分流弁16の切換を制御する。第1電磁弁67は、電磁比例減圧弁である。第1電磁弁67は、ポンプコントローラ18からの指令信号に応じて、パイロット油圧源69(例えばパイロット用油圧ポンプ)からの作動油を減圧して、第1合分流弁16のパイロットポート16pへ送る。また、ポンプコントローラ18は、第2電磁弁68を電気的に制御することにより、第2合分流弁17の切換を制御する。第2電磁弁68は、電磁比例減圧弁である。第2電磁弁68は、ポンプコントローラ18からの指令信号に応じて、パイロット油圧源69からの作動油を減圧して、第2合分流弁17のパイロットポート17pへ送る。ポンプコントローラ18は、本発明の制御部に相当する。ポンプコントローラ18は、第1負荷圧が第2負荷圧よりも大きく、且つ、第1アクチュエータ流路34aに供給する作動油の目標流量が第1油圧ポンプ31aの制限流量以下であるときには、第1合分流弁16を絞り位置Zに設定し、第2合分流弁17を分流位置Nに設定する。なお、第1油圧ポンプ31aの制限流量とは、第1油圧ポンプ31aが吐出可能な流量を意味する。また、ポンプコントローラ18は、第2負荷圧が第1負荷圧よりも大きく、且つ、第2アクチュエータ流路34bに供給する作動油の目標流量が第2油圧ポンプ31bの制限流量以下であるときには、第1合分流弁16を絞り位置Zに設定し、第2合分流弁17を分流位置Nに設定する。なお、第2油圧ポンプ31bの制限流量とは、第2油圧ポンプ31bが吐出可能な流量を意味する。ポンプコントローラ18は、エンジン11の出力トルクと、第1油圧ポンプ31aの吐出圧とに基づいて、第1油圧ポンプ31aの制限流量を算出する。また、ポンプコントローラ18は、エンジン11の出力トルクと、第2油圧ポンプ31bの吐出圧とに基づいて、第2油圧ポンプ31bの制限流量を算出する。例えば、ポンプコントローラ18は、PQ特性情報を記憶している。PQ特性情報は、図3に示すようなPQ線図によって表され、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pと、第1油圧ポンプ31aの制限流量Qとの関係を示している。図3に示すPQ線図において曲線部は、エンジン11の出力トルクに応じて変動する。例えば、曲線部L2は、曲線部L1よりもエンジン11の出力トルクが小さいときのPQ特性を示している。図3において、qmaxは、第1油圧ポンプ31aの機械的な最大吐出流量を示している。第1油圧ポンプ31aの吐出圧によっては、第1油圧ポンプ31aの制限流量は最大吐出流量qmaxよりも小さくなる。また、第1油圧ポンプ31aの吐出圧が同じ値であっても、第1油圧ポンプ31aの制限流量は、エンジン11の出力トルクによって異なる。例えば、図3において、第1油圧ポンプ31aの吐出圧がp1である場合、エンジン11の出力トルクに応じて第1油圧ポンプ31aの制限流量はq1又はq2になり得る。ポンプコントローラ18は、PQ特性情報を参照することにより、エンジン11の出力トルクと、第1油圧ポンプ31aの吐出圧とに基づいて、第1油圧ポンプ31aの制限流量を算出する。同様に、ポンプコントローラ18は、PQ特性情報を参照することにより、エンジン11の出力トルクと、第2油圧ポンプ31bの吐出圧とに基づいて、第2油圧ポンプ31bの制限流量を算出する。
【0040】
ポンプコントローラ18は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧と第1負荷圧との間の差圧と、第1流量制御弁35aのメータリングオリフィス35a3又はメータリングオリフィス35a5の開口面積(以下、簡略に「第1流量制御弁35aの開口面積」と呼ぶ)とに基づいて第1アクチュエータ流路34aに供給する作動油の目標流量(以下、「第1目標流量」と呼ぶ)を算出する。具体的には、第1目標流量は以下の数1式より求められる。
【0041】
【数1】

【0042】
Q1は第1目標流量である。Cは所定の定数である。A1は、第1流量制御弁35aの開口面積である。ポンプコントローラ18は、第1操作装置14から出力されるパイロット圧と第1流量制御弁35aの開口面積との関係を示す操作情報を記憶している。A1は、操作情報を参照することにより、第1パイロット圧検出部58aが検出したパイロット圧に基づいて算出される。ΔP1は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧と第1パイロットポート側導入流路37a2の油圧との間の差圧である。
【0043】
ポンプコントローラ18は、第2油圧ポンプ31bの吐出圧と第2負荷圧との間の差圧と、第2流量制御弁35bのメータリングオリフィス35b3又はメータリングオリフィス35b5の開口面積(以下、簡略に「第2流量制御弁35bの開口面積」と呼ぶ)とに基づいて第2アクチュエータ流路34bに供給する作動油の目標流量(以下、「第2目標流量」と呼ぶ)を算出する。具体的には、第2目標流量は以下の数2式より求められる。
【0044】
【数2】

【0045】
Q2は第2目標流量である。Cは所定の定数である。A2は、第2流量制御弁35bの開口面積である。ポンプコントローラ18は、第2操作装置15から出力されるパイロット圧と第2流量制御弁35bの開口面積との関係を示す操作情報を記憶している。A2は、操作情報を参照することにより、第2パイロット圧検出部58bが検出したパイロット圧に基づいて算出される。ΔP2は、第2油圧ポンプ31bの吐出圧と第2パイロットポート側導入流路37b2の油圧との間の差圧である。ポンプコントローラ18は、第1負荷圧検出部56aが検出した第1負荷圧と、第1ポンプ圧検出部57aが検出した第1油圧ポンプ31aの吐出圧と、第2負荷圧検出部56bが検出した第2負荷圧と、第2ポンプ圧検出部57bが検出した第2油圧ポンプ31bの吐出圧に基づいて、ΔP1及びΔP2を算出する。
【0046】
次に、第1操作部材54と第2操作部材61との複合操作が行われたときの本実施形態に係る油圧駆動システム10の動作と、同様の複合操作が行われたときの比較例に係る油圧駆動システム10の動作について図4及び図5に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係る油圧駆動システム10の動作を示す図である。図5は、比較例に係る油圧駆動システム110の動作を示す図である。ここでは、第1アクチュエータ33aはブームシリンダ93であり、第2アクチュエータ33bは、アームシリンダ94であるものと想定する。そして、ブーム90の上昇操作と、アーム91の掘削操作とが同時に行われたものと想定する。すなわち、ブームシリンダ93を伸長させる操作と、アームシリンダ94を伸長させる操作とが同時に行われたものとする。ブーム90の上昇操作とアーム91の掘削操作とが同時に行われるとき、ブームシリンダ93には比較的大きな負荷がかかるのに対して、アームシリンダ94にかかる負荷は比較的小さい。従って、第1アクチュエータ33aの第1負荷圧は、第2アクチュエータ33bの第2負荷圧よりも大きい。ブーム90が上昇するときの速度は遅いので、第1目標流量は、第1油圧ポンプ31aの制限流量よりも小さい。また、アーム91が掘削動作するときの速度は、ブーム90が上昇するときの速度よりも速いので、第2目標流量は第2油圧ポンプ31bの制限流量よりも大きい。なお、図4及び図5において破線で示す四角は、各弁が設定された位置を示している。
【0047】
図4に示すように、本実施形態に係る油圧駆動システム10では、第1流量制御弁35aは第1位置A1に設定される。また、第2流量制御弁35bは第1位置A2に設定される。ポンプコントローラ18は、第1負荷圧P1が第2負荷圧P2よりも大きいか否かを判定する。また、ポンプコントローラ18は、第1目標流量Q1が第1油圧ポンプ31aの制限流量Qp1以下であるか否かを判定する。ポンプコントローラ18は、第1負荷圧P1が第2負荷圧P2よりも大きく、第1目標流量Q1が第1油圧ポンプ31aの制限流量Qp1以下であると判定すると、第1合分流弁16を絞り位置Zに設定し、第2合分流弁17を分流位置Nに設定する。第2合分流弁17が分流位置Nに設定されると、第1圧力補償弁36aの第2パイロットポート36a2と第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2とには、第1負荷圧導入流路37aを介して第1負荷圧P1が印加される。また、第2圧力補償弁36bの第2パイロットポート36b2と第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2とには、第2負荷圧導入流路37bを介して第2負荷圧P2が印加される。
【0048】
以上のような状態において、第1圧力補償弁36aは、連通位置D1に設定される。従って、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油は、第1位置A1に設定されている第1流量制御弁35aと、連通位置D1に設定されている第1圧力補償弁36aとを通り、第1アクチュエータ33aに供給される。第1ロードセンシング弁39aは、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1と、第1パイロットポート側導入流路37a2の油圧すなわち第1アクチュエータ33aの第1負荷圧P1との差圧が一定となるように、第1油圧ポンプ31aの流量を制御する。また、第1合分流弁16が絞り位置Zに設定されているので、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油の一部が第2ポンプ流路32bに供給される。また、第2圧力補償弁36bは、連通位置D2に設定される。従って、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油の一部と第2油圧ポンプ31bから吐出された作動油とは、合流して、第1位置A2に設定されている第2流量制御弁35bと、連通位置D2に設定されている第2圧力補償弁36bとを通り、第2アクチュエータ33bに供給される。第2ロードセンシング弁39bは、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2と、第2パイロットポート側導入流路37b2の油圧すなわち第2アクチュエータ33bの第2負荷圧P2との差圧が一定となるように、第2油圧ポンプ31bの流量を制御する。なお、上述したように第2負荷圧P2は第1負荷圧P1よりも小さい。また、第1ポンプ流路32aから第2ポンプ流路32bに供給される作動油は、第1合分流弁16において減圧される。このため、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1よりも小さい。ポンプコントローラ18は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1と第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2との間の差圧と、第1ポンプ流路32aから第2ポンプ流路32bに流れる作動油の流量とに基づいて、第1合分流弁16の開口面積を決定する。
【0049】
図5に示すように、比較例に係る油圧駆動システム110は、合分流弁16’を除いて、実施形態に係る油圧駆動システム10と同じ構成を有する。ただし、比較例に係る油圧駆動システム110において、ポンプコントローラは、第1操作装置14および第2操作装置15の操作に応じて、第1合分流弁16’を合流位置X又は分流位置Yに設定する。上述した複合操作においてブーム90の上昇操作が行われると、第1流量制御弁35aは第1位置A1に設定される。また、アーム91の掘削操作が行われると、第2流量制御弁35bは第1位置A2に設定される。そして、ポンプコントローラは、第1操作装置14から出力されるパイロット圧と、第2操作装置15から出力されるパイロット圧とに基づいて、ブーム90の上昇操作とアーム91の掘削操作との複合操作が行われているか否かを判定する。そして、ポンプコントローラは、ブーム90の上昇操作とアーム91の掘削操作との複合操作が行われていると判定したときには、第1合分流弁16’を合流位置Xに設定し、第2合分流弁17を合流位置Mに設定する。
【0050】
第2合分流弁17が合流位置Mに設定されると、第1負荷圧P1と第2負荷圧P2とのうちの大きい方の油圧が、第1圧力補償弁36aの第2パイロットポート36a2と第2圧力補償弁36bの第2パイロットポート36b2とに印加される。第1負荷圧P1は、第2負荷圧P2よりも大きい。従って、第1圧力補償弁36aの第2パイロットポート36a2と第1ロードセンシング弁39aの第2パイロットポート39a2とには、第1負荷圧導入流路37aを介して、第1負荷圧P1が印加される。また、第2圧力補償弁36bの第2パイロットポート36b2と第2ロードセンシング弁39bの第2パイロットポート39b2とには、第1アクチュエータ側導入流路37a1と第2パイロットポート側導入流路37b2とを介して、第1負荷圧P1が印加される。
【0051】
以上のような状態において、第1圧力補償弁36aは、連通位置D1に設定される。従って、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油は、第1位置A1に設定されている第1流量制御弁35aと、連通位置D1に設定されている第1圧力補償弁36aとを通り、第1アクチュエータ33aに供給される。第1ロードセンシング弁39aは、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1と、第1パイロットポート側導入流路37a2の油圧すなわち第1アクチュエータ33aの第1負荷圧P1との差圧が一定となるように、第1油圧ポンプ31aの吐出流量Qp1を制御する。また、第1合分流弁16が合流位置Xに設定されているので、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油の一部が第2ポンプ流路32bに供給される。また、第2圧力補償弁36bは、絞り連通位置F2に設定される。従って、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油の一部と、第2油圧ポンプ31bから吐出された作動油とは、合流して、第1位置A2に設定されている第2流量制御弁35bと、絞り連通位置F2に設定されている第2圧力補償弁36bとを通り、第2アクチュエータ33bに供給される。第2ロードセンシング弁39bは、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2と、第2パイロットポート側導入流路37b2の油圧すなわち第1アクチュエータ33aの第1負荷圧P1との差圧が一定となるように、第2油圧ポンプ31bの吐出流量Qp2を制御する。なお、第1合分流弁16は合流位置Xであるので、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1と同一となる。しかし、第2負荷圧P2は第1負荷圧P1よりも小さい。このため、第2アクチュエータ33bに供給される作動油は、第2圧力補償弁36bにおいて減圧される。
【0052】
例えば、図4に示すように、本実施形態に係る油圧駆動システム10において、第1目標流量Q1が180L/min、第1負荷圧P1が14Mpa、第1油圧ポンプ31aの制限流量Qp1が200L/minであるものとする。また、第2目標流量Q2が220L/min、第2負荷圧P2が3Mpa、第2油圧ポンプ31bの制限流量Qp2が200L/minであるものとする。このとき、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1は15Mpaであり、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2は4Mpaである。また、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油のうち20L/minの作動油が、第1合分流弁16を通って、第2ポンプ流路32bに流れる。この場合、第1合分流弁16が絞り位置Zであるので、第1合分流弁16においてエネルギーロスが生じる。第1油圧ポンプ31aの吐出圧と第2油圧ポンプ31bの吐出圧との差圧は11Mpaであるので、第1合分流弁16でのエネルギーロスの大きさは、11Mpa×20L/min相当である。ただし、第2圧力補償弁36bは、連通位置D2であるので、第2圧力補償弁36bにおいてはエネルギーロスは殆ど生じない。
【0053】
これに対して、比較例に係る油圧駆動システム110において、第1目標流量Q1、第1負荷圧P1、第1油圧ポンプ31aの制限流量Qp1、第2目標流量Q2、第2負荷圧P2、第2油圧ポンプ31bの制限流量Qp2は、上記の本実施形態に係る油圧駆動システム10と同じ条件であるものとする。このとき、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1は15Mpaであり、第2油圧ポンプ31bの吐出圧Pp2は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧Pp1と同じく15Mpaである。また、第1油圧ポンプ31aから吐出された作動油のうち20L/minの作動油が、第1合分流弁16を通って、第2ポンプ流路32bに流れる。この場合、第1合分流弁16が合流位置Xであるので、第1合分流弁16においてはエネルギーロスが生じない。しかし、第2圧力補償弁36bは、絞り連通位置F2であるので、第2圧力補償弁36bにおいてエネルギーロスが生じる。第2圧力補償弁36bの上流側と下流側との間の差圧は11Mpaであるので、第2圧力補償弁36bでのエネルギーロスの大きさは、11Mpa×220L/min相当である。従って、上述した本実施形態に係る油圧駆動システム10でのエネルギーロスは、比較例にかかる油圧駆動システム110でのエネルギーロスと比べて著しく小さくなる。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る作業車両100では、複合操作時に、第1合分流弁16をポンプコントローラ18によって制御することによって、低負荷圧の駆動回路と高負荷圧の駆動回路との間の差圧を、第1合分流弁16において補償する。第1合分流弁16を通過する作動油の流量は、低負荷圧の駆動回路に含まれる圧力補償弁を通過する作動油の流量と比べて著しく小さい。このため、本実施形態に係る作業車両100では、複合操作時のエネルギーロスを低減することができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0056】
作業車両100は、油圧ショベルに限らず、ホイールローダやブルドーザーなどの他の作業車両であってもよい。駆動源はエンジン11に限らず電動機であってもよい。
【0057】
第1アクチュエータ33aはブームシリンダ93に限らず、バケットシリンダ95などの他のアクチュエータであってもよい。第2アクチュエータ33bは、アームシリンダ94に限らず、旋回モータ(図示せず)などの他のアクチュエータであってもよい。
【0058】
第1駆動回路12が複数のアクチュエータと複数の流量制御弁とを備えてもよい。第2駆動回路13が複数のアクチュエータと複数の流量制御弁とを備えてもよい。例えば、第1駆動回路12が、ブームシリンダ93とバケットシリンダ95とを備え、第2駆動回路13がアームシリンダ94と旋回モータとを備えてもよい。この場合、上述した第1目標流量は、第1駆動回路12に含まれる複数のアクチュエータの目標流量の合計である。第2目標流量は、第2駆動回路13に含まれる複数のアクチュエータの目標流量の合計である。また、上記の実施形態では、ブーム90の上昇操作とアーム91の掘削操作との複合操作が例として挙げられているが、他の複合操作において、上述した第1合分流弁16と第2合分流弁17との切換の判定が行われてもよい。例えば、排土作業では、バケットシリンダ95とアームシリンダ94とを収縮させる複合操作が行われる。或いは、掘削作業では、バケットシリンダ95とアームシリンダ94とを伸長させる複合操作が行われる。
【0059】
ポンプコントローラ18は、第1油圧ポンプ31aの吐出圧と第1ポンプ圧導入流路38aの油圧との差圧と、第1流量制御弁35aの開口面積とに基づいて第1アクチュエータ流路34aに供給する作動油の目標流量を算出してもよい。同様に、ポンプコントローラ18は、第2油圧ポンプ31bの吐出圧と第2ポンプ圧導入流路38bの油圧との差圧と、第2流量制御弁35bの開口面積とに基づいて第2アクチュエータ流路34bに供給する作動油の目標流量を算出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、複数の油圧ポンプを備えるLSシステムにおいてエネルギーロスを低減することができる作業車両を提供することができる。
【符号の説明】
【0061】
16 第1合分流弁
17 第2合分流弁
18 ポンプコントローラ
31a 第1油圧ポンプ
31b 第2油圧ポンプ
32a 第1ポンプ流路
32b 第2ポンプ流路
33a 第1アクチュエータ
33b 第2アクチュエータ
34a 第1アクチュエータ流路
34b 第2アクチュエータ流路
35a 第1流量制御弁
35b 第2流量制御弁
37a 第1負荷圧導入流路
37b 第2負荷圧導入流路
38a 第1ポンプ圧導入流路
38b 第2ポンプ圧導入流路
39a 第1ロードセンシング弁
39b 第2ロードセンシング弁
56a 第1負荷圧検出部
56b 第2負荷圧検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油を吐出する第1油圧ポンプと、
前記第1油圧ポンプに接続される第1ポンプ流路と、
油圧によって駆動される第1アクチュエータと、
前記第1アクチュエータに接続される第1アクチュエータ流路と、
前記第1アクチュエータの第1負荷圧を検出する第1負荷圧検出部と、
前記第1ポンプ流路から前記第1アクチュエータ流路に供給される作動油の流量を制御する第1流量制御弁と、
前記第1アクチュエータ流路に接続される第1負荷圧導入流路と、
前記第1ポンプ流路に接続される第1ポンプ圧導入流路と、
前記第1負荷圧導入流路を介して伝達される油圧と前記第1ポンプ圧導入流路を介して伝達される油圧との差圧に応じて前記第1油圧ポンプの吐出流量を制御する第1ロードセンシング弁と、
作動油を吐出する第2油圧ポンプと、
前記第2油圧ポンプに接続される第2ポンプ流路と、
油圧によって駆動される第2アクチュエータと、
前記第2アクチュエータに接続される第2アクチュエータ流路と、
前記第2アクチュエータ流路の第2負荷圧を検出する第2負荷圧検出部と、
前記第2ポンプ流路から前記第2アクチュエータ流路に供給される作動油の流量を制御する第2流量制御弁と、
前記第2アクチュエータ流路に接続される第2負荷圧導入流路と、
前記第2ポンプ流路に接続される第2ポンプ圧導入流路と、
前記第2負荷圧導入流路の油圧と前記第2ポンプ圧導入流路の油圧との差圧に応じて前記第2油圧ポンプの吐出流量を制御する第2ロードセンシング弁と、
前記第1ポンプ流路と前記第2ポンプ流路とを合流させる合流位置と、前記第1ポンプ流路と前記第2ポンプ流路とを分離する分流位置と、前記合流位置よりも小さな開度で前記第1ポンプ流路と前記第2ポンプ流路とを合流させる絞り位置とに切り換え可能な第1合分流弁と、
前記第1負荷圧導入流路と前記第2負荷圧導入流路とを合流させる合流位置と、前記第1負荷圧導入流路と前記第2負荷圧導入流路とを分離する分流位置とに切り換え可能な第2合分流弁と、
前記第1負荷圧が前記第2負荷圧よりも大きく、且つ、前記第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が前記第1油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、前記第1合分流弁を絞り位置に設定し、前記第2合分流弁を分離位置に設定する制御部と、
を備える作業車両。
【請求項2】
前記第1油圧ポンプを駆動する駆動源をさらに備え、
前記制御部は、前記駆動源の出力トルクと前記第1油圧ポンプの吐出圧とに基づき前記第1油圧ポンプの吐出可能な流量を算出する、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1油圧ポンプの吐出圧と前記第1負荷圧との差圧と、前記第1流量制御弁の開口面積とに基づいて前記第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を算出する、
請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1油圧ポンプの吐出圧と前記第1ポンプ圧導入流路の油圧との差圧と、前記第1流量制御弁の開口面積とに基づいて前記第1アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量を算出する、
請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2負荷圧が前記第1負荷圧よりも大きく、且つ、前記第2アクチュエータ流路に供給する作動油の目標流量が前記第2油圧ポンプの吐出可能な流量以下であるときには、前記第1合分流弁を絞り位置に設定し、前記第2合分流弁を分離位置に設定する、
請求項1から4のいずれかに記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−79552(P2013−79552A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221249(P2011−221249)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】