説明

作業車輌

【課題】 運転席を露出した作業車輌であって、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合の該第三者の作業車輌に対する視認性及び運転者の後方視界を向上させることができる作業車輌を提供する。
【解決手段】 運転席11を露出した作業車輌500において、運転席11を基準にして車輌前方に設けられた左右一対の泥よけ用フートガードの支持部材71a,71bを備え、該フートガード支持部材71a,71bの少なくとも一方に車幅灯81a,81bが、該車幅灯81a,81bの発光部81a’,81b’が車輌前方に向くように着脱可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席を露出した作業車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車輌のなかには、運転席を露出した作業車輌(所謂キャビンなし仕様の作業車輌)や運転席の周囲を覆うキャビンを備えた作業車輌(所謂キャビン仕様の作業車輌)がある。また、作業車輌において、発光部からの光によって車輌の幅を指示する車幅灯や発光部からの光によって車輌の左右の移動方向を指示する方向指示灯が設けられることがある。
【0003】
このような作業車輌のうち、運転席を露出した作業車輌において、車幅灯や方向指示灯が設けられる場合には、かかる車幅灯や方向指示灯は、従来、運転席を基準にして車輌後方に、該車幅灯や方向指示灯の発光部が車輌前方や車輌後方に向くように設けられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−310159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記したような従来の作業車輌について、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合には、運転席を基準にして車輌後方に、発光部が車輌前方に向くように設けられた車幅灯や方向指示灯からの光が運転者や車輌本体に遮られ、該光を第三者が視認し難い場合があり、第三者の作業車輌に対する視認性が低下し易い。一方、運転者に対しては、運転席を基準にして車輌後方に、発光部が車輌前方に向くように設けられた車幅灯や方向指示灯からの光が運転席を基準にして車輌後方から前方に向けて照射されることになるので、該光が運転者の目に入り易く、例えば、車幅灯や方向指示灯が運転者の目の高さ付近に設けられる場合は特に運転者はまぶしく感じ、運転者の後方視界(例えば、運転者が後方を向いて作業車輌を操縦する場合の視界)が低下し易い。
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、運転席を露出した作業車輌であって、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合の該第三者の作業車輌に対する視認性及び運転者の後方視界を向上させることができる作業車輌を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、運転席を露出した作業車輌において、前記運転席を基準にして車輌前方に設けられた左右一対の泥よけ用フートガードの支持部材を備え、該左右一対のフートガード支持部材の少なくとも一方に車幅灯が、該車幅灯の発光部が車輌前方に向くように着脱可能に設けられていることを特徴とする作業車輌を提供する。
【0007】
本発明に係る作業車輌によれば、前記運転席を基準にして車輌前方に設けられた前記左右一対のフートガード支持部の少なくとも一方に車幅灯が、該車幅灯の発光部が車輌前方に向くように設けられているので、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合に、該第三者は、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記車幅灯からの光を運転者や車輌本体に遮られることなく視認することができ、これにより、第三者の作業車輌に対する良好な視認性を得ることができる。一方、運転者に対しては、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記車幅灯からの光が前記運転席を基準にして車輌前方からさらに前方に向けて照射されることになるので、運転者の後方視界(例えば、運転者が後方を向いて作業車輌を操縦する場合の視界)が良好なものとなるのは勿論、該車幅灯からさらに前方に向けて照射される光は、運転者が前方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の前方視界(例えば、運転者が前方を向いて作業車輌を操縦する場合の視界)についても良好である。さらに、前記車幅灯は着脱可能に設けられるので、作業車輌の仕様による前記車幅灯の設置有無に対して容易に対応することができる。
【0008】
本発明に係る作業車輌において、前記左右一対のフートガード支持部材の前記少なくとも一方に方向指示灯が、該方向指示灯の発光部が車輌前方に向くように着脱可能に設けられていてもよい。この作業車輌についても、前記した車幅灯の場合と同様の利点がある。即ち、前記運転席を基準にして車輌前方に設けられた前記左右一対のフートガード支持部の前記少なくとも一方に方向指示灯が、該方向指示灯の発光部が車輌前方に向くように設けられているので、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合に、該第三者は、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記方向指示灯からの光を運転者や車輌本体に遮られることなく視認することができ、これにより、第三者の作業車輌に対する良好な視認性を得ることができる。一方、運転者に対しては、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記方向指示灯からの光が前記運転席を基準にして車輌前方からさらに前方に向けて照射されることになるので、運転者の後方視界が良好なものとなるのは勿論、該方向指示灯からさらに前方に向けて照射される光は、運転者が前方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の前方視界についても良好である。さらに、前記方向指示灯は着脱可能に設けられるので、作業車輌の仕様による前記方向指示灯の設置有無に対して容易に対応することができる。
【0009】
本発明に係る作業車輌において、前記左右一対のフートガード支持部材の少なくとも一方にバックミラーが設けられていることが好ましい。こうすることで、バックミラーを取り付けるための取付部材を別途設けなくてもよいので、それだけ部品点数を減らすことができ、ひいてはコストを低く抑えることができる。この場合、前記バックミラーが前記フートガード支持部材に回動自在に設けられていてもよいし、着脱自在に設けられていてもよい。例えば、前記バックミラーを前記フートガード支持部材に回動自在に設けることで、前記バックミラーを外方に突出しないように(具体的には、草刈り等の作業の際に邪魔にならないように)回動させることで、前記バックミラーをコンパクトに収納でき、特に、納屋等の狭いスペースでも有効に作業することができる。また、前記バックミラーを前記フートガード支持部材に着脱自在に設けることで、前記左右のフートガードの一方側と他方側との間で容易に付け替えが可能である。
【0010】
本発明に係る作業車輌において、前記フートガード支持部材の少なくとも一方に前記車幅灯及び前記方向指示灯がいずれも設けられる場合、該フートガード支持部材の前記車幅灯及び前記方向指示灯が設けらる部分が、所定方向に延出する延出部と、該延出部から略直角に屈曲した屈曲部とからなる断面L字形状に形成されていて、前記屈曲部に前記車幅灯及び前記方向指示灯が配設されていることが好ましい。また、前記延出部にバックミラーが設けられてもよい。こうすることで、前記フートガード支持部材の前記車幅灯及び前記方向指示灯が設けらる部分を補強することができ、例えば、前記延出部にバックミラーが設けられる場合には、作業車輌からの振動の前記延出部に設けられる前記バックミラーへの伝達を抑制することができる。なお、前記バックミラーは、前記延出部に回動自在に及び/又は着脱自在に設けられることが好ましい。
【0011】
なお、本発明に係る作業車輌において、さらに前記運転席を基準にして車輌後方に、後方用の車幅灯及び/又は方向指示灯が、該後方用の車幅灯及び/又は方向指示灯の発光部が車輌後方に向くように設けられていてもよい。この場合、前記運転席を基準にして車輌後方に、前記発光部が車輌後方に向くように設けられた前記後方用の車幅灯及び/又は方向指示灯からの光が前記運転席を基準にして車輌後方からさらに後方に向けて照射されることになるので、前記後方用の車幅灯及び/又は方向指示灯からさらに後方に向けて照射される光は、運転者が後方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の後方視界は良好である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明よると、運転席を露出した作業車輌であって、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合の該第三者の作業車輌に対する視認性及び運転者の後方視界を向上させることができる作業車輌を提供することができる。
【0013】
さらに言えば、前記運転席を基準にして車輌前方に設けられた前記左右一対のフートガード支持部の少なくとも一方に車幅灯が、該車幅灯の発光部が車輌前方に向くように設けられているので、該作業車輌を前方や側方から第三者が離れてみる場合に、該第三者は、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記車幅灯からの光を運転者や車輌本体に遮られることなく視認することができ、これにより、第三者の作業車輌に対する良好な視認性を得ることができる。一方、運転者に対しては、前記運転席を基準にして車輌前方に、前記発光部が車輌前方に向くように設けられた前記車幅灯からの光が前記運転席を基準にして車輌前方からさらに前方に向けて照射されることになるので、運転者の後方視界が良好なものとなるのは勿論、該車幅灯からさらに前方に向けて照射される光は、運転者が前方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の前方視界についても良好である。さらに、前記車幅灯は着脱可能に設けられるので、作業車輌の仕様による前記車幅灯の設置有無に対して容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係る作業車輌の概略側面図であり、図2は、前記車輌の概略正面図である。
【0015】
作業車輌500は、運転席を露出した、所謂キャビンなし仕様の作業車輌(本例ではトラクタ)であり、図1及び図2に示すように、駆動源としてのエンジン5からの駆動力を車輌前後方向(図中X方向)一方側及び他方側にそれぞれ配置された一対の操向輪及び一対の非操向輪に伝達し得るように構成されている。なお、本実施の形態においては、前輪1が操向輪とされ、且つ、後輪2が非操向輪とされている。
【0016】
この作業車輌500では、前輪1及び後輪2が本機の前後に支承されており、エンジン5が本機前部のボンネット6内部に配置されている。該ボンネット6の後方にはダッシュボード4が配置されており、該ダッシュボード4上に操向ハンドル10が設けられ、該操向ハンドル10の下方にはハンドルコラム16が、後方には運転席11が配設されている。また、操向ハンドル10近傍のダッシュボード4や運転席11側方の後輪フェンダー14には各種操作レバー等の操作部材が配設されている。
【0017】
作業車輌500はさらに、運転席11を基準にして車輌前方に設けられた左右一対の泥よけ用フートガード70a,70bと、該左右一対のフートガード70a,70bをそれぞれ支持する左右一対のフートガード支持部材71a,71bとを備え、該左右一対のフートガード支持部材71a,71bの少なくとも一方(本例では両方)に車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが、これらの発光部81a’,81b’及び82a’,82b’が車輌前方に向くように着脱可能に設けられている。また、左右一対のフートガード支持部材71a,71bの少なくとも一方(本例では、左フートガード支持部材71a)にバックミラー90が回動自在に且つ着脱自在に設けられている。以下、左右一対のフートガード支持部材71a,71bへの車幅灯81a,81b、方向指示灯82a,82bの設置状態及び左フートガード支持部材71aへのバックミラー90の設置状態を図3を参照しながらさらに説明する。
【0018】
図3は、左フートガード支持部材71aに車幅灯81a、方向指示灯82a及びバックミラー90が設置される状態を説明するための分解斜視図である。なお、右フートガード支持部材71bへの車幅灯81b及び方向指示灯82bへの設置状態は、図3に示す設置状態に対して左右対称になっている以外は実質的に同様であり、ここでは図3に代表させて示し、対応する参照符号は図中括弧内に示している。
【0019】
図3に示すように、フートガード支持部材71a(71b)は車幅灯81a(81b)及び方向指示灯82a(82b)が設けられる部分であって、車輌を基準にした垂直方向(図中Z方向)と車輌幅方向(図中Y方向)とのコーナー部分において取り付けブラケット72a(72b)が一体的に形成されている。この取り付けブラケット72a(72b)は、所定方向(本例では、車輌を基準にした垂直方向Zの略上方)に延出する延出部72a’(72b’)と、該延出部72a’(72b’)から略直角に車両前方へ屈曲した屈曲部72a”(72b”)とからなる断面L字形状に形成されており、屈曲部72a”(72b”)に車幅灯81a(81b)及び方向指示灯82a(82b)が、一方(本例では車幅灯81a(81b))が内側に、他方(本例では方向指示灯82a(82b))が外側に並設されるように、該車幅灯81a(81b)及び方向指示灯82a(82b)を支持する支持部材83a(83b)を介してボルトBTによって取り付けられている。なお、車幅灯81a(81b)及び方向指示灯82a(82b)の接続コネクタCは、フートガード支持部材71a(71b)に内装された車幅灯及び方向指示灯への通電用接続コネクタ(図示省略)にそれぞれ接続される。
【0020】
バックミラー90は、ミラー部91、ミラー支持部材92及びミラー取り付け部材93を備えている。ミラー支持部材92は、所定方向(図中Z方向)に延びる棒状部材を途中の一箇所で略直角に屈曲させると共にもう一箇所で該方向Zに戻るように略直角に屈曲させたものであり、一端部でミラー部91を支持し、他端部で側面から径方向に突出する突出部92’を有している。ミラー取り付け部材93は、板状部材の車輌幅方向における中央部にミラー支持部材92の外周面に沿うように形成された所定方向Zに延びる凹部931が設けられたものであり、凹部931にはミラー支持部材92の周方向に沿って延び、該ミラー支持部材92の突出部92’と係合する長穴931’が設けられている。このように長穴931’が設けられた凹部931を有する取り付け部材93の該凹部931に、ミラー部91を支持するミラー支持部材92を覆うように且つ長穴931’に突出部92が係合するように配置した状態で、該取り付け部材93を左フートガード支持部材71aにおける取り付けブラケット72aの延出部72a’にボルトBTによって取り付けることで、該ミラー支持部材92を該取り付けブラケット72aに回動自在に且つ着脱自在に設けることができる。
【0021】
以上説明した作業車輌500によれば、運転席11を基準にして車輌前方に設けられた左右一対のフートガード支持部71a,71bに車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが、これらの発光部81a’,81b’及び82a’,82b’が車輌前方に向くように設けられているので、該作業車輌500を前方や側方から第三者が離れてみる場合に、該第三者は、運転席11を基準にして車輌前方に、発光部81a’,81b’及び82a’,82b’が車輌前方に向くように設けられた車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bからの光を運転者や車輌本体に遮られることなく視認することができ、これにより、第三者の作業車輌500に対する良好な視認性を得ることができる。一方、運転者に対しては、運転席11を基準にして車輌前方に、発光部81a’,81b’及び82a’,82b’が車輌前方に向くように設けられた車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bからの光が運転席11を基準にして車輌前方からさらに前方に向けて照射されることになるので、運転者の後方視界(例えば、運転者が後方を向いて作業車輌500を操縦する場合の視界)が良好なものとなるのは勿論、該車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bからさらに前方に向けて照射される光は、運転者が前方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の前方視界(例えば、運転者が前方を向いて作業車輌500を操縦する場合の視界)についても良好である。さらに、車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bは着脱可能に設けられるので、作業車輌500の仕様による車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bの設置有無に対して、フートガード支持部71a,71bにおける取付ブラケット72a,72bから車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bを支持する支持部材83a,83bを着脱することで、容易に対応することができる。
【0022】
また、左フートガード支持部材71aにバックミラー90が設けられており、バックミラー90を取り付けるための取付部材を別途設けなくてもよいので、それだけ部品点数を減らすことができ、ひいてはコストを低く抑えることができる。さらに、バックミラー90が左フートガード支持部材71aに回動自在に設けられているので、該バックミラー9を外方に突出しないように(具体的には、草刈り等の作業の際に邪魔にならないように)回動させることで、バックミラー9をコンパクトに収納でき、特に、納屋等の狭いスペースでも有効に作業することができる。また、バックミラー90が左フートガード支持部材71aに着脱自在に設けられているので、左右のフートガードの一方側71aと他方側71bとの間で容易に付け替えが可能である。
【0023】
また、フートガード支持部材71a,71bの車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが設けらる部分が延出部72a’,72b’と屈曲部72a”,72b”とからなる断面L字形状に形成されていて、屈曲部72a”,72b”に車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが配設されているので、フートガード支持部材71a,71bの車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが設けらる部分を補強することができ、本例のように、延出部72a’にバックミラー90が設けられる場合には、作業車輌500からの振動の延出部72a’に設けられるバックミラー90への伝達を抑制することができる。
【0024】
なお、作業車輌500において、図1及び図2に示すように、運転席11を基準にして車輌後方に、左右一対の後方用の車幅灯61及び方向指示灯62が、該後方用の車幅灯61及び方向指示灯62の発光部61’,62’が車輌後方に向くように設けられていてもよい。図示例では、運転席11を基準にして車輌後方に設けられた安全フレーム50に方向指示灯62及び車幅灯61がそれぞれ上下に並設されるように、該車幅灯61及び方向指示灯62を支持する取り付け部材60を介して取り付けられている。この場合、運転席11を基準にして車輌後方に、発光部61’,62’が車輌後方に向くように設けられた前記後方用の車幅灯61及び方向指示灯62からの光が運転席11を基準にして車輌後方からさらに後方に向けて照射されることになるので、後方用の車幅灯61及び方向指示灯62からさらに後方に向けて照射される光は、運転者が後方を向いている状態でも該運転者の目に入り難く、従って、運転者の後方視界は良好である。ところで、安全フレーム50は、作業車輌500が転倒した際に運転者を保護するもので、後方用の車幅灯61及び方向指示灯62が設けられる第1安全フレーム51と、該第1安全フレーム51に車輌幅方向軸線回り揺動自在に設けられた第2安全フレーム52とからなっており、作業するときは、上方へ延ばして固定し、作業しないときは、第2安全フレーム52が車幅灯61及び方向指示灯62側(車輌後方側)に折り畳めるようになっている。このように第1安全フレーム51に対して第2安全フレーム52を折り畳んだときに、該折り畳んだ状態の安全フレーム50ができるだけ作業車輌500から上方に突き出ないように、第2安全フレーム52の一端部の回動支点から他端部までの距離と、第1安全フレーム51の一端部の回動支点から他端部までの距離とが略等しくなるようにしている。このため、第2安全フレーム52が車幅灯61及び方向指示灯62に干渉しないように、該第2安全フレーム52のコーナー部分52’を、図4に示すように、湾曲させて円弧形状に構成している。こうすることで、折り畳んだ際の安全フレーム50をできるだけ作業車輌500から上方に突き出ないようにコンパクト化できると共に、第2安全フレーム52が車幅灯61及び方向指示灯62に衝突しないようにすることができる。
【0025】
以上説明したように本実施形態では、運転席を露出した、所謂キャビンなし仕様の作業車輌に方向指示灯及び車幅灯を設置する態様ついて説明したが、ここで、図5及び図6に示すような運転席の周囲を覆うキャビンを備えた、所謂キャビン仕様の作業車輌に方向指示灯及び車幅灯を設置する態様ついても例示しておく。
【0026】
図5及び図6は、運転席の周囲を覆うキャビンを備えた作業車輌500’において、車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが設けられる状態を示す図であり、図5にその概略側面図を、図6にその概略正面図を示している。なお、図5及び図6では、図1から図3に示す作業車輌500と実質的に同様の構成作用を有する部材のうち一部について同じ参照符号を付してある。
【0027】
この作業車輌500’では、左右のキャビンフレーム30(本例では横フレームのエアーカットプレート30’の両端部)に車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bが、これらの発光部81a’,81b’及び82a’,82b’が車輌前方に向くように着脱可能に設けられている。なお、エアーカットプレート31と車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bとの取り付けは、前記したフートガード支持部材71a,71bと車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bとの取り付けと同様、取り付けブラケット72a,72bを用いるものであり、詳細な取り付け態様については説明を省略する。このようにエアーカットプレート30’と車幅灯81a,81b及び方向指示灯82a,82bとを取り付けブラケット72a,72bを用いて取り付けることで、エアーカットプレート30’の剛性を高めることができる。また、左右のキャビンフレーム30に対して、かかる取り付けブラケットを車輌幅方向に突出するようにして設け、図3に示すように、バックミラーを回動自在に及び/又は着脱自在に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本実施の形態に係る作業車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌の概略正面図である。
【図3】図3は、左右のフートガード支持部材に車幅灯及び方向指示灯が設置され、さらに左フートガード支持部材にバックミラーが設置される状態を説明するための分解斜視図である。
【図4】図1から図3に示す作業車輌において、安全フレームを折り畳んだ状態を示す概略正面図である。
【図5】図5は、運転席の周囲を覆うキャビンを備えた作業車輌において、車幅灯及び方向指示灯が設けられる状態を示す概略側面図である。
【図6】図6は、運転席の周囲を覆うキャビンを備えた作業車輌において、車幅灯及び方向指示灯が設けられる状態を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0029】
11…運転席 71a,71b…左右一対のフートガード支持部材
72a’,72b’…延出部 72a”,72b”…屈曲部
81a,81b…車幅灯 81a’,81b’…車幅灯の発光部
82a,82b…方向指示灯 82a’,82b’…方向指示灯の発光部
90…バックミラー 500…作業車輌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を露出した作業車輌において、前記運転席を基準にして車輌前方に設けられた左右一対の泥よけ用フートガードの支持部材を備え、該左右一対のフートガード支持部材の少なくとも一方に車幅灯が、該車幅灯の発光部が車輌前方に向くように着脱可能に設けられていることを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
前記左右一対のフートガード支持部材の前記少なくとも一方に方向指示灯が、該方向指示灯の発光部が車輌前方に向くように着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の作業車輌。
【請求項3】
前記左右一対のフートガード支持部材の少なくとも一方にバックミラーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車輌。
【請求項4】
前記バックミラーは、前記フートガード支持部材に回動自在に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の作業車輌。
【請求項5】
前記バックミラーは、前記フートガード支持部材に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の作業車輌。
【請求項6】
前記フートガード支持部材の少なくとも一方に前記車幅灯及び前記方向指示灯がいずれも設けられており、該フートガード支持部材の前記車幅灯及び前記方向指示灯が設けらる部分が、所定方向に延出する延出部と、該延出部から略直角に屈曲した屈曲部とからなる断面L字形状に形成されており、前記屈曲部に前記車幅灯及び前記方向指示灯が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の作業車輌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−76487(P2006−76487A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263957(P2004−263957)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】