説明

作物植物と組成物との接触

【課題】本発明の課題はシクロプロペンを含む組成物を作物植物と接触させる方法を提供することである。
【解決手段】本発明により、特定の作物植物を、この植物が特定の発達段階に達したときに処理する方法が提供される。また本発明により前記の特定の植物であるか、またはそうでなくてもよい複数の植物により産生される作物の収穫高を改善する方法も提供され、この方法は、前記植物を少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の組成物と接触させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作物植物と組成物との接触に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は、それらを組成物と接触させることにより処理されることが多い。例えば、米国特許出願番号11/324,617は、少なくとも1種のシクロプロペンを含有し、かつシクロプロペンではない少なくとも1種の植物成長調節剤を含有する組成物で非カンキツ類植物を処理することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願番号11/324,617号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ある特定の作物植物(crop plants)を特定の作物植物に適当な発達上の段階(1つまたは複数)で処理することを含む方法を提供することが望まれる。独立して、植物を処理して、その結果、これらの植物により得られる作物の収穫高を増大させる方法を提供することも望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様において、複数の植物により産生される作物の収穫高を改善する方法が提供され、この方法は、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の組成物と前記植物を接触させることを含み、ただし、前記植物が、リンゴの木を含む場合、前記組成物のそれぞれは、アミノエトキシビニルグリシンを含有しないものとし、前記接触は、前記植物が建物の内部以外の場所にある間に行われる。
本発明の第二の態様において、トウモロコシ植物を処理する方法であって、前記トウモロコシ植物を1回以上、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物と接触させる少なくとも1つの工程を含む方法が提供され、前記接触工程の少なくとも1つは、前記トウモロコシ植物の少なくとも10%が5枚目の葉が完全に広がった発達段階に達した後に行われる。
【0006】
本発明の第三の態様において、綿植物を処理する方法であって、前記綿植物を1回以上、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物と接触させる少なくとも1つの工程を含む方法が提供され、前記接触工程の少なくとも1つは、前記綿植物の少なくとも10%が実生発生した後に行われる。
【0007】
本発明の第四の態様において、大豆植物を処理する方法であって、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物と前記大豆植物を接触させる少なくとも1つの工程を含む方法が提供され、前記接触工程の少なくとも1つは、前記大豆植物の少なくとも10%が、少なくとも1つの完全に発生した葉を有する主幹上に少なくとも1つの節を有する後に行われる。
【0008】
本発明の第五の態様において、アブラナ植物を処理する方法であって、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物と前記アブラナ植物を接触させる少なくとも1つの工程を含む方法が提供され、前記接触工程の少なくとも1つは前記アブラナ植物の少なくとも10%が開花し始めた後に行われる。
【0009】
本発明の第六の態様において、小麦植物を処理する方法であって、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物と前記小麦植物を接触させる少なくとも1つの工程を含む方法が提供され、前記接触工程の少なくとも1つは、前記小麦植物のF9.0成長段階の間に行われる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施は、1以上のシクロプロペンの使用を要件とする。本明細書で使用する場合、「シクロプロペン」という用語は、以下の式:
【0011】
【化1】

【0012】
を有する任意の化合物を意味し、式中、各R、R、RおよびRは独立して、Hおよび式:
−(L)−Z
の化学基からなる群から選択され、式中、nは0〜12の整数であり;各Lは独立して、D1、D2、E、およびJからなる群から選択される;ここにおいて、D1は式:
【0013】
【化2】

【0014】
を有するものであり;
D2は式:
【0015】
【化3】

【0016】
を有するものであり;
Eは式:
【0017】
【化4】

【0018】
を有するものであり;および
Jは式:
【0019】
【化5】

【0020】
を有するものであり;
各XおよびYは独立して式:
−(L)−Z
の化学基であり;
mは0〜8の整数であり;2つを超えるD2またはE基は互いに隣接せず、およびJ基は互いに隣接しない;各Zは独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロレート、ブロメート、イオデート、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、および化学基G(ここにおいて、Gは3〜14員環系である)からなる群から選択され;−(L)−Z中のヘテロ原子の合計数は0〜6であり;および化合物中の非水素原子の合計数は50以下である。
【0021】
本発明の目的に関して、様々なL基の構造表現において、それぞれのオープンな結合はもう一つ別のL基、Z基、またはシクロプロペン部分との結合を示す。たとえば、構造表現:
【0022】
【化6】

【0023】
は、2つの他の原子との結合を有する酸素原子を示し;ジメチルエーテル部分を表すのではない。
【0024】
、R、RおよびRの少なくとも1つが水素でなく、1より多いL基を有する実施態様において、特定のR、R、RまたはR基内のL基は、同じR、R、RまたはR基内の他のL基と同じであってもよいし、あるいは特定のR、R、RまたはR基内の任意の数のL基は、同じR、R、RまたはR基内の他のL基と異なっていてもよい。
【0025】
、R、RおよびRの少なくとも1つが1より多いZ基を含有する実施態様において、R、R、RまたはR基内のZ基は、R、R、RまたはR基内の他のZ基と同じであってもよいし、あるいはR、R、RまたはR基内の任意の数のZ基は、R、R、RまたはR基内の他のZ基と異なっていてもよい。
【0026】
、R、RおよびR基は独立して、適当な基から選択される。R、R、RおよびR基は互いに同じであってもよいし、あるいはこれらの内の任意の数が他のものと異なっていてもよい。1以上のR、R、RおよびRとしての使用に好適な基には、たとえば、脂肪族基、脂肪族オキシ基、アルキルホスホナト基、脂環式基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、他の基、ならびにその混合物および組み合わせが挙げられる。R、R、RおよびRの1以上としての使用に好適な基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。独立して、1以上のR、R、RおよびRとしての使用に好適な基は、シクロプロペン環に直接結合することもできるし、あるいは介在基、たとえば、ヘテロ原子含有基によりシクロプロペン環と結合することもできる。
【0027】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、脂肪族基がある。好適な脂肪族基には、たとえば、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基が含まれる。好適な脂肪族基は置換されていてもよいし、あるいは置換されていなくてもよい。好適な置換脂肪族基には、たとえば、アセチルアミノアルケニル、アセチルアミノアルキル、アセチルアミノアルキニル、アルコキシアルコキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキニル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキル(アルコキシイミノ)アルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルキニル、ハロアルコキシアルケニル、ハロアルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキニル、ハロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキニル、トリアルキルシリルアルケニル、トリアルキルシリルアルキル、トリアルキルシリルアルキニル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルチオアルケニル、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルキニル、ハロアルキルチオアルケニル、ハロアルキルチオアルキル、およびハロアルキルチオアルキニルが含まれる。
【0028】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、置換および非置換脂肪族オキシ基、たとえば、アルケノキシ、アルコキシ、アルキノキシ、およびアルコキシカルボニルオキシがある。
【0029】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、置換および非置換アルキルホスホナト、置換および非置換アルキルホスファト、置換および非置換アルキルアミノ、置換および非置換アルキルスルホニル、置換および非置換アルキルカルボニル、ならびに置換および非置換アルキルアミノスルホニル、たとえば、アルキルホスホナト、ジアルキルホスファト、ジアルキルホスファト、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、およびジアルキルアミノスルホニルがある。
【0030】
、R、RまたはRとして好適な脂肪族基には、たとえば、脂環式基、たとえば、シクロアルケニル、シクロアルキル、およびシクロアルキニルがある。好適な脂環式基は置換されていても、置換されていなくてもよい。好適な置換脂環式基には、たとえば、アセチルアミノシクロアルケニル、アセチルアミノシクロアルキル、アセチルアミノシクロアルキニル、シクロアルケノキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキノキシ、アルコキシアルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルケニル、アルコキシシクロアルキル、アルコキシシクロアルキニル、アルコキシカルボニルシクロアルケニル、アルコキシカルボニルシクロアルキル、アルコキシカルボニルシクロアルキニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルケニル、カルボキシシクロアルキル、カルボキシシクロアルキニル、ハロシクロアルコキシシクロアルケニル、ハロシクロアルコキシシクロアルキル、ハロシクロアルコキシシクロアルキニル、ハロシクロアルケニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキニル、ヒドロキシシクロアルケニル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキニル、トリアルキルシリルシクロアルケニル、トリアルキルシリルシクロアルキル、トリアルキルシリルシクロアルキニル、ジアルキルアミノシクロアルキル、アルキルスルホニルシクロアルキル、シクロアルキルカルボニルオキシアルキル、シクロアルキルスルホニルアルキル、アルキルチオシクロアルケニル、アルキルチオシクロアルキル、アルキルチオシクロアルキニル、ハロアルキルチオシクロアルケニル、ハロアルキルチオシクロアルキル、およびハロアルキルチオシクロアルキニルがある。
【0031】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、置換および非置換シクロアルキルスルホニル基およびシクロアルキルアミノ基、たとえば、ジシクロアルキルアミノスルホニルおよびジシクロアルキルアミノがある。
【0032】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、置換および非置換ヘテロサイクリル基(すなわち、環中に少なくとも1個のヘテロ原子を有する非芳香族環式基)がある。好適な置換ヘテロサイクリル基には、たとえば、アルケニルヘテロサイクリル、アルキルヘテロサイクリル、アルキニルヘテロサイクリル、アセチルアミノヘテロサイクリル、アルコキシアルコキシヘテロサイクリル、アルコキシヘテロサイクリル、アルコキシカルボニルヘテロサイクリル、アルキルカルボニルオキシヘテロサイクリル、カルボキシヘテロサイクリル、ハロアルコキシヘテロサイクリル、ハロヘテロサイクリル、ヒドロキシヘテロサイクリル、トリアルキルシリルヘテロサイクリル、ジアルキルアミノヘテロサイクリル、アルキルスルホニルヘテロサイクリル、アルキルチオヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルチオアルキル、およびハロアルキルチオヘテロサイクリルがある。
【0033】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、またはスルホニル基によりシクロプロペン化合物に結合した置換および非置換ヘテロサイクリル基があり;かかるR、R、RおよびR基の例は、ヘテロサイクリルオキシ、ヘテロサイクリルカルボニル、ジへテロサイクリルアミノ、およびジヘテロサイクリルアミノスルホニルである。
【0034】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、置換および非置換アリール基もある。好適な置換アリール基は、たとえば、アルケニルアリール、アルキルアリール、アルキニルアリール、アセチルアミノアリール、アリールオキシ、アルコキシアルコキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシカルボニルアリール、アリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシアリール、カルボキシアリール、ジアリールアミノ、ハロアルコキシアリール、ハロアリール、ヒドロキシアリール、トリアルキルシリルアリール、ジアルキルアミノアリール、アルキルスルホニルアリール、アリールスルホニルアルキル、アルキルチオアリール、アリールチオアルキル、ジアリールアミノスルホニル、及びハロアルキルチオアリールがある。
【0035】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば置換および非置換ヘテロアリール基もある。好適な置換ヘテロアリール基は、たとえば、アルケニルヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール、アセチルアミノヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルコキシアルコキシヘテロアリール、アルコキシヘテロアリール、アルコキシカルボニルヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、アルキルカルボニルオキシヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、ジヘテロアリールアミノ、ハロアルコキシヘテロアリール、ハロヘテロアリール、ヒドロキシヘテロアリール、トリアルキルシリルヘテロアリール、ジアルキルアミノヘテロアリール、アルキルスルホニルヘテロアリール、ヘテロアリールスルホニルアルキル、アルキルチオヘテロアリール、およびハロアルキルチオヘテロアリールがある。
【0036】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基、またはアミノスルホニル基によりシクロプロペン化合物に結合する置換および非置換ヘテロアリール基もあり;かかるR、R、RおよびR基の例は、ジヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、およびジヘテロアリールアミノスルホニルである。
【0037】
好適なR、R、RおよびR基には、たとえば、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト、ブロマト、イオダト、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ;アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、パークロラト、アレニル;ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル;およびその置換類似体がある。
【0038】
本明細書において用いられる場合、化学基Gは3〜14員環系である。化学基Gとして好適な環系は、置換されていても、あるいは置換されていなくてもよく;これらは芳香族(たとえば、フェニルおよびナフチルを包含する)または脂肪族(不飽和脂肪族;部分的に飽和した脂肪族、または飽和脂肪族を包含する)であってもよく;これらは炭素環または複素環であってよい。ヘテロ環式G基のうち、いくつかの好適なヘテロ原子は、たとえば、窒素、硫黄、酸素、およびその組み合わせである。化学基Gとして好適な環系は、単環式、二環式、三環式、多環式、または縮合環であり;二環式、三環式、または縮合環である好適な化学基G環系のうち、一つの化学基G中の様々な環はすべて同じ種類であってもよいし、2以上の種類のものであってもよい(たとえば、芳香族環は脂肪族環と縮合してもよい)。
【0039】
いくつかの実施態様において、Gは飽和または不飽和3員環を含有する環系、たとえば、置換または非置換シクロプロパン、シクロプロペン、エポキシド、またはアジリジン環である。
【0040】
いくつかの実施態様において、Gは4員複素環を含有する環系であり;このような実施態様のいくつかにおいて、複素環はちょうど1個のヘテロ原子を含有する。独立して、いくつかの実施態様において、Gは5以上の要素を有する複素環を含有し;かかる実施態様のいくつかにおいて、複素環は1〜4個のヘテロ原子を含有する。独立して、いくつかの実施態様において、Gにおける環は非置換であり;他の実施態様において、環系は1〜5個の置換基を含有し;Gが置換基を含有する実施態様のいくつかにおいて、各置換基は独立して、本明細書において以下に定義するようなカテゴリーXの化学基から選択される。Gが炭素環系である実施態様も好適である。
【0041】
好適なG基には、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペント−3−エン−1−イル、3−メトキシシクロヘキサン−1−イル、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3−ニトロフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、2−メチル−3−メトキシフェニル、2,4−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、2−クロロナフチル、2,4−ジメトキシフェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、2−ヨード−4−メチルフェニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピペラジニル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジニル、トリアゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピラジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、インドリニルおよび5−メチル−6−クロマニル、アダマンチル、ノルボルニル、およびその置換類似体、たとえば:3−ブチル−ピリジン−2−イル、4−ブロモ−ピリジン−2−イル、5−カルボエトキシ−ピリジン−2−イル、および6−メトキシエトキシ−ピリジン−2−イルがある。
【0042】
いくつかの実施態様において、各Gは独立して置換または非置換フェニル、ピリジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、トリアゾリル、ピラゾリル、1,3−ジオキソラニル、またはモルホリニルである。これらの具体例には、たとえば、Gが非置換または置換フェニル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロヘキシルである具体例が含まれる。これらの具体例のいくつかにおいて、Gはシクロペンチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、フェニル、または置換フェニルである。Gが置換フェニルである具体例には、たとえば、1、2、または3個の置換基がある具体例が含まれる。独立して、Gが置換フェニルである具体例には、たとえば、置換基が独立してメチル、メトキシ、及びハロから選択される具体例が含まれる。
【0043】
いくつかの実施態様において、1以上のR、R、RおよびRが水素である1以上のシクロプロペンが用いられる。いくつかの実施態様において、RもしくはRは、またはRとRとの両方は水素である。独立して、いくつかの実施態様において、RもしくはRは、またはRとRとの両方は水素である。いくつかの実施態様において、R、RおよびRは水素である。
【0044】
いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上は二重結合を有さない構造である。独立して、いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上は三重結合を有さない構造である。独立して、いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上はハロゲン原子置換基を有さない構造である。独立して、いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上はイオン性である置換基を有さない構造である。独立して、いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上は酸素化合物を生じることができない構造である。
【0045】
本発明のいくつかの実施態様において、R、R、RおよびRの1以上は水素または(C−C10)アルキルである。いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRのそれぞれは水素または(C−C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRのそれぞれは水素または(C−C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R、R、RおよびRのそれぞれは水素またはメチルである。Rがメチルであり、R、RおよびRのそれぞれが水素である場合、このシクロプロペンは本発明においては「1−MCP」と称する。
【0046】
いくつかの実施態様において、50℃以下;または25℃以下;または15℃以下の1気圧での沸点を有するシクロプロペンが使用される。独立して、いくつかの実施態様において、−100℃以上;−50℃以上;または−25℃以上;または0℃以上の1気圧での沸点を有するシクロプロペンが使用される。
【0047】
本発明に適用可能なシクロプロペンは、任意の方法により製造することができる。シクロプロペンの製造のいくつかの好適な方法は、米国特許第5,518,988号および第6,017,849号に開示されているプロセスである。シクロプロペンでない任意の化合物は本明細書において「非シクロプロペン」と称する。
【0048】
植物は、例えば成長、熟成、老化、成熟、器官脱離および分解などの様々な生物学的プロセスに支配される。1以上の化学組成物と接触させることによる植物または植物の部分における生物学的プロセスの変更は、植物の成長調節として知られている。植物の成長調節を引き起こすのに有効な化学組成物は、本明細書においては、「植物成長調節剤」と称する。
【0049】
シクロプロペンではない植物成長調節剤の幾つかのクラスの例は、以下の通りである:
(I)エチレン、非シクロプロペンエチレン放出剤、および高いエチレン活性を有する非シクロプロペン化合物、例えばエテポン、アブシジン酸、プロピレン、塩化ビニル、一酸化炭素、アセチレン、および1−ブテン。
(II)エチレン合成を阻害する、もしくはエチレンレセプター部位の作用を阻害する、または両者を阻害する非シクロプロペン化合物、たとえば、アミノエトキシビニルグリシンおよびアミノオキシ酢酸。
(III)サイトカイニン活性を有する非シクロプロペン化合物、例えばベンジルアデニン、キネチン、ゼアチン、アデニン、ジヒドロゼアチン、テトラヒドロピラニルベンジルアデニン、ジメチルアリルアデニン、メチルチオゼアチン、エトキシエチルアデニン、ベンジルアミノベンズイミダゾール、クロロフェニルフェニル尿素、ベンズチオゾリオキシ酢酸、およびサイトカイニン応答を誘発させるフルオロフェニルビウレット化合物。
(IV)非シクロプロペンオーキシン類、たとえば、インドール酢酸、インドールプロピオン酸、インドール酪酸、ナフタレン酢酸、ベータ−ナフトキシ酢酸、4−クロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロオキシ酢酸、トリクロロフェノキシ酢酸、トリクロロ安息香酸および4アミノ3,5,6トリクロロピコリン酸。
(V)ジベレリン類、例えば様々に置換されたジベレリン骨格構造を有するGA、GA、GA、GA、GA、およびGA、ヘルミントスポル(helminthosporic)酸、ファゼオール(phaseolic)酸、カウレン酸およびステビオール。
(VI)IAAオキシダーゼの補因子および阻害剤、例えばクロロゲン酸、クマル酸、クエルシチン、カフェー酸。
(VII)非シクロプロペン二次成長阻害剤、例えばジャスモン酸メチル。
(VIII)非シクロプロペン天然成長ホルモン類、例えばケルプ、藻類およびバクテリアに由来する天然成長ホルモン。
【0050】
幾つかの実施態様において、本発明の実施は、シクロプロペンでない少なくとも1種の植物成長調節剤の使用を要件とする。独立して、幾つかの実施態様は、シクロプロペンでない一種の植物成長調節剤の任意の構成要素を使用することなく行うことが意図され;このような実施態様は、シクロプロペンでない残りの種類の植物成長調節剤の1以上の構成要素を使用してもよいし、あるいは使用しなくてもよい。たとえば、クラスI(前記定義)の任意の構成要素を使用しない実施態様が意図されるが、かかる実施態様はクラスII〜VIIIのいずれかまたはその構成要素を使用しても、あるいは使用しなくてもよい。独立して、幾つかの実施態様において、本発明の実施は、シクロプロペンでない植物成長調節剤である任意の化合物を使用することなく行われる。
【0051】
幾つかの実施態様において、本発明の1以上の組成物は、少なくとも1種の殺真菌活性化合物を含む。独立して、幾つかの実施態様において、本発明の組成物は、アミノエチルビニルグリシンを含まない。独立して、幾つかの実施態様において、本発明の組成物はビニルグリシンの任意の誘導体を含まない。
【0052】
独立して、幾つかの実施態様において、本発明の組成物はストロビルリンである任意の化合物を含まない。ストロビルリンは当該分野において公知であり、ハーデン(Harden)ら、によりWO2005/044002において定義されている。独立して、いくつかの実施態様において、本発明の組成物は、シクロプロペンでなく、殺真菌活性化合物である化合物を含まない。
【0053】
幾つかの実施態様において、本発明の1以上の組成物は少なくとも1つのイオン性錯化試薬を含む。イオン性錯化試薬はシクロプロペンと相互作用し、水中において安定な錯体を形成する。幾つかの適切なイオン性錯化試薬は、例えばリチウムイオンなどを含む。幾つかの実施態様において、イオン性錯化試薬は使用されない。
【0054】
幾つかの実施態様において、本発明の組成物は分子封入剤(molecular encapsulating agent)を含まない。他の実施態様において、本発明の1以上の組成物は少なくとも1つの分子封入剤を含む。
【0055】
分子封入剤が使用される場合、適切な分子封入剤は、例えば有機および無機分子封入剤を含む。適切な有機分子封入剤は、例えば置換シクロデキストリン類、非置換シクロデキストリン類、およびクラウンエーテル類を含む。適切な無機分子封入剤は、例えばゼオライト類などを含む。適切な分子封入剤の混合物も適している。本発明の幾つかの実施態様において、封入剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、またはその混合物である。本発明の幾つかの実施態様において、特にシクロプロペンが1−メチルシクロプロペンである場合、封入剤はアルファ−シクロデキストリンである。好ましい封入剤は、使用されるシクロプロペン(単数または複数)の構造に依存して変わるであろう。任意のシクロデキストリンもしくはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン類、またはその混合物も本発明に従って使用することができる。あるシクロデキストリンは、Wacker Biochem Inc.,Adrian MIまたはCerestar USA,Hammond,INならびに他の製造業者から入手可能である。
【0056】
分子封入剤が存在する実施態様のうちの幾つかにおいて、少なくとも1つの分子封入剤が1以上のシクロプロペンを封入する。分子封入剤の分子中に分子封入されたシクロプロペンまたは置換シクロプロペンは、本明細書においては、「シクロプロペン分子封入剤複合体」と称する。これらのシクロプロペン分子封入剤複合体は任意の手段により製造することができる。一つの製造方法において、例えば、このような複合体は、シクロプロペンを分子封入剤の溶液またはスラリーと接触させ、次いで、例えば米国特許第6,017,849号に開示されているプロセスを用いて、この複合体を単離することにより製造される。例えば、1−MCPが分子封入剤中に封入される複合体を生成する一つの方法においては、1−MCPガスをα−シクロデキストリンの水中溶液中に吹き込み、この溶液から、先ず、複合体が沈殿し、次いで、濾過により単離される。幾つかの実施態様において、これらの複合体は、前述の方法により生成され、単離後、乾燥され、後に有用な組成物に添加するため、固体の形態、例えば粉末として保存される。
【0057】
幾つかの実施態様では、1以上の分子封入剤および1以上のシクロプロペンの両者が共に組成物中に存在する;このような実施態様のうちの幾つかでは、分子封入剤の量は、分子封入剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比により有効に特徴付けすることができる。幾つかの実施態様では、分子封入剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比は0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.9以上である。独立して、このような実施態様のうちの幾つかでは、分子封入剤のモル数のシクロプロペンのモル数に対する比は2以下;または1.5以下である。
【0058】
幾つかの実施態様において、本発明の組成物は器官脱離剤(abcission agent)を有しない。
【0059】
本発明の実施において、組成物を様々な方法で植物と接触させることができる。たとえば、本発明の組成物は固体、液体、気体、またはその混合物であってよい。
【0060】
幾つかの実施態様において、気体である少なくとも1つの本発明の組成物と植物を接触させる。かかる実施態様において、処理される植物は、本発明の組成物が加えられる(約1気圧における)通常の周囲大気により取り囲まれていることが意図されている。幾つかの実施態様では、シクロプロペンの濃度は0.1nl/l(即ち、ナノリットル/リットル)以上;または1nl/l以上、または10nl/l以上;または100nl/l以上である。独立して、幾つかの実施態様では、シクロプロペンの濃度は3,000nl/l以下;または1,000nl/l以下である。
【0061】
幾つかの実施態様では、本発明の実施は、1つまたはそれ以上の液体組成物を要件とする。幾つかの実施態様では、液体組成物は25℃で液体である。幾つかの実施態様では、液体組成物は、組成物が植物を処理するために使用される温度において液体である。植物は屋外で処理されることが多いため、植物は1℃から45℃までの範囲の温度で処理されうる;適切な液体組成物はこの全温度範囲にわたって液体である必要はないが、適切な液体組成物は、1℃から45℃までのある温度において液体である。
【0062】
本発明の液体組成物は単一の純粋な物質であってよく、または1つより多くの物質を含んでいてもよい。液体組成物が1つより多くの物質を含んでいる場合、この液体組成物は溶液もしくは分散物、またはその組合せであってよい。もし、液体組成物において、1つの物質が別の物質中に分散物の形態で分散している場合には、この分散物は任意のタイプであってよく、例えば懸濁液、ラテックス、エマルション、ミニエマルション、マイクロエマルション、またはその任意の組合せを含む。
【0063】
本発明の組成物が液体である実施態様において、組成物中のシクロプロペンの量は、組成物のタイプおよび意図される使用方法に依存して広範囲に変わり得る。幾つかの実施態様では、シクロプロペンの量は、この組成物の合計重量に基づき、4重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.05重量%以下である。独立して、幾つかの実施態様では、シクロプロペンの量は、組成物の合計重量に基づき、0.000001重量%以上;または0.00001重量%以上;または0.0001重量%以上;または0.001重量%以上である。
【0064】
水を含有する本発明の組成物を使用する本発明の実施態様においては、シクロプロペンの量は、パーツ・パー・ミリオン(即ち、組成物中における1,000,000重量部の水あたりのシクロプロペンの重量部数、「ppm」)またはパーツ・パー・ビリオン(即ち、組成物中における1,000,000,000重量部の水あたりのシクロプロペンの重量部数、「ppb」)として特徴付けることができる。幾つかの実施態様では、シクロプロペンの量は1ppb以上;または10ppb以上;または100ppb以上である。独立して、幾つかの実施態様では、シクロプロペンの量は10,000ppm以下;または1,000ppm以下である。
【0065】
幾つかの実施態様では、一部もしくはすべてのシクロプロペンが1以上の封入剤中に封入されている液体である本発明の組成物が使用される。
【0066】
幾つかの実施態様では、本発明の組成物は1以上の金属錯化剤を全く含んでいない。幾つかの実施態様では、本発明の1以上の組成物は1以上の金属錯化剤を含んでいる。
【0067】
1以上の液体組成物が使用される実施態様の中で、このような実施態様のうちの幾つかにおいては、1以上の金属錯化剤が1以上の液体組成物に含まれていてよい。金属錯化剤は、金属原子と配位結合を形成することができる化合物である。幾つかの金属錯化剤はキレート化剤である。本明細書で使用する場合、「キレート化剤」は、そのそれぞれの分子が1つの金属原子と2以上の配位結合を形成することができる化合物である。幾つかの金属錯化剤は、金属原子との配位結合に関与する電子供与体原子を含有するので、金属原子と配位結合を形成する。適切なキレート化剤は、例えば有機および無機のキレート化剤を含む。中でもとりわけ適切な無機キレート化剤は、例えば、リン酸塩、例えばピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、およびヘキサメタリン酸などである。中でもとりわけ適切な有機キレート化剤は、大環状構造および非大環状構造を有するキレート化剤である。中でもとりわけ適切な大環状有機キレート化剤は、例えばポルフィン化合物、環状ポリエーテル(クラウンエーテルとも呼ばれている)、および窒素原子と酸素原子の両方を有する大環状化合物である。
【0068】
非大環状構造を有する幾つかの適切な有機キレート化剤は、例えばアミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族ヘテロ環式塩基、フェノール、アミノフェノール類、オキシム類、Shiff塩基、イオウ化合物、およびその混合物である。幾つかの実施態様では、このキレート化剤は、1以上のアミノカルボン酸、1以上のヒドロキシカルボン酸、1以上のオキシム、またはその混合物を含む。幾つかの適切なアミノカルボン酸は、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびその混合物を含む。幾つかの適切なヒドロキシカルボン酸は、例えば酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホスリチル酸、およびその混合物を含む。幾つかの適切なオキシム類は、例えばジメチルグリオキシム、サリチルアルドキシム、およびその混合物を含む。幾つかの実施態様ではEDTAが使用される。
【0069】
幾つかの更なる適切なキレート化剤はポリマーである。幾つかの適切なポリマーキレート化剤は、例えばポリエチレンイミン、ポリメタクリロイルアセトン、ポリ(アクリル酸)、およびポリ(メタクリル酸)を含む。ポリ(アクリル酸)が幾つかの実施態様において使用される。
【0070】
キレート化剤ではない幾つかの適切な金属錯化剤は、例えば、アルカリ炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムなどである。
【0071】
金属錯化剤は中性の形態、または1つもしくはそれ以上の塩の形態で存在していてよい。適切な金属錯化剤の混合物も適している。
【0072】
本発明の幾つかの実施態様では、本組成物は水を全く含まない。
【0073】
幾つかの実施態様では、本発明の組成物は水を含み;このような実施態様のうちの幾つかにおいては、水は1以上の金属イオン、例えば鉄イオン、銅イオン、他の金属イオン、またはその混合物などを含んでいる。幾つかの実施態様では、前述の水は1以上の金属イオンを0.1ppm以上含んでいる。
【0074】
1以上の金属錯化剤を使用する実施態様においては、使用される金属錯化剤の量は広範囲に変わり得る。少なくとも1つの液体組成物が使用される幾つかの実施態様においては、前述の液体組成物中における金属錯化剤の量は、この金属錯化剤を含有する液体組成物中に存在している量の金属イオン、または存在しているものと期待される量の金属イオンと錯体を形成するのに充分な量であるように調節されるであろう。例えば、ある金属イオンを含有した水を含む本発明の液体組成物が使用される幾つかの実施態様においては、比較的効率的な金属錯化剤(即ち、水中のすべての金属イオンまたは殆どすべての金属イオンと錯体を形成する金属錯化剤)が使用される場合、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は0.1以上;または0.2以上;または0.5以上;または0.8以上であろう。比較的効率的な金属錯化剤を使用するこのような実施態様において、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は2以下;または1.5以下;または1.1以下であろう。効率性の低い金属錯化剤が使用される場合、このより低い効率を補償するため、金属錯化剤のモル数の金属イオンのモル数に対する比は高められ得ることが意図されている。
【0075】
独立して、液体組成物が使用される幾つかの実施態様においては、金属錯化剤の量は、この液体組成物の合計重量に基づき、25重量%以下;または10重量%以下;または1重量%以下である。独立して、幾つかの実施態様では、金属錯化剤の量は、この液体組成物の合計重量に基づき、0.00001%以上;または0.0001%以上;または0.01%以上である。
【0076】
独立して、水を含む液体組成物が使用される幾つかの実施態様においては、金属錯化剤の量は、この水中における金属錯化剤のモル濃度(即ち、水1リットル当たりの金属錯化剤のモル数)により有用に特徴付けすることができる。このような液体組成物のうちの幾つかにおいては、金属錯化剤の濃度は0.00001mM(即ち、ミリモル)以上;または0.0001mM以上;または0.001mM以上;または0.01mM以上;または0.1mM以上である。独立して、本発明の液体組成物が水を含む幾つかの実施態様では、金属錯化剤の濃度は100mM以下;または10mM以下;または1mM以下である。
【0077】
本発明の幾つかの実施態様では、本発明の組成物に1以上のアジュバントも含まれている。アジュバントの使用は、本発明の実施において任意であると考えられている。アジュバントは単独または任意の組み合わせにおいて用いることができる。1つより多くのアジュバントが使用される場合、1以上のアジュバントの任意の組合せを使用できることが意図されている。幾つかの適切なアジュバントは、界面活性剤、アルコール、油、エキステンダー、顔料、充填剤、結合剤、可塑剤、潤滑剤、湿潤剤、展着剤、分散剤、固着剤、接着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤および乳化剤である。
【0078】
幾つかの実施態様では、アルコール、油、アルコール、およびその混合物から選択される少なくとも1つのアジュバントを含有する本発明の組成物が使用され;このような組成物は、1以上の界面活性剤をさらに含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0079】
1以上の液体組成物が使用される実施態様においては、例えば以下の液体組成物のうちのいずれか1以上の使用を含む様々な実施態様が意図されている:1以上の界面活性剤を含有するが、油およびアルコールを含有しない液体組成物;1以上の油を含有するが、界面活性剤およびアルコールを含有しない液体組成物;ならびに、1以上のアルコールを含有するが、界面活性剤および油を含有しない液体組成物。幾つかの実施態様では、それぞれの液体組成物が1以上の界面活性剤および1以上の油を含有する1以上の液体組成物が使用されるか;あるいは、それぞれの液体組成物が1以上の界面活性剤および1以上のアルコールを含有する1以上の液体組成物が使用される。幾つかの実施態様では、それぞれの液体組成物が1以上の界面活性剤、1以上の油および1以上のアルコールを含有する1以上の液体組成物が使用される。
【0080】
幾つかの実施態様では、有機ケイ酸塩化合物を含有しない少なくとも1つの液体組成物が使用される。幾つかの実施態様では、有機ケイ酸塩化合物は使用されない。
【0081】
本発明の幾つかの実施態様では、1以上の界面活性剤が使用される。適切な界面活性剤は、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびその混合物を含む。
【0082】
適切なアニオン性界面活性剤の1つのグループはスルホスクシネート類であり、例えばモノ−およびジアルキルスルホスクシネートのアルカリ塩などを含む。幾つかの実施態様では、ジアルキルスルホスクシネートのナトリウム塩が使用され、例えば、これらは、4個以上の炭素、または6個以上の炭素を有するアルキル基を有するものを含む。幾つかの実施態様では、ジアルキルスルホスクシネートのナトリウム塩が使用され、例えば、これらは、18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するものを含む。ジアルキルスルホスクシネートの一つの適切なナトリウム塩は、例えばジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムである。ジアルキルスルホスクシネートの他の適切なナトリウム塩は、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0083】
適切なアニオン性界面活性剤の別のグループはスルフェート類およびスルホネート類であり、例えばアルキルスルフェートのアルカリ塩を含む。幾つかの実施態様では、アルキルスルフェートのナトリウム塩が使用され、例えば、これらは、4個以上の炭素、または6個以上の炭素、または8個以上の炭素を有するものを含む。幾つかの実施態様では、アルキルスルフェートのナトリウム塩が使用され、例えば、これらは、例えば18個以下の炭素;または14個以下の炭素;または10個以下の炭素を有するアルキル基を有するものを含む。アルキルスルフェートの一つの適切なナトリウム塩は、例えばドデシル硫酸ナトリウムである。
【0084】
幾つかの適切な界面活性剤は、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリグリセロールエステル、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート(例えば、Dowから入手可能なTriton(商標)X−100など)、臭化セチルピリジニウム、エトキシル化アルキルアミン、アルコールアミン(例えばエタノールアミンなど)、サポニン、およびシリコーン系界面活性剤(例えば、OSi Specialtiesから入手可能なSilwet(商標)L−77など)である。
【0085】
適切な界面活性剤の混合物も適している。
【0086】
適切な界面活性剤は様々な特性を有している。例えば、幾つかの界面活性剤はシクロプロペンを特定の植物または植物の部分と接触した状態にとどめることを可能にする点で優れており;幾つかの界面活性剤は本配合物の他の成分中に容易に溶け;幾つかの界面活性剤は植物または植物の部分に植物毒性をもたらさない。すべての特性において優れた界面活性剤は非常に僅かであるが、1以上の界面活性剤が使用される場合、実施者は、例えば処理されることが望まれている種類、および本組成物において使用されることが意図されている他の成分などを考慮に入れ、所望の用途に最も適した特性のバランスを有する界面活性剤または界面活性剤の混合物を容易に選ぶことができるであろう。
【0087】
1以上の界面活性剤を含む1以上の液体組成物が使用される実施態様においては、幾つかの液体組成物は、この液体組成物の合計重量に基づき、重量で0.025%以上;または0.05%以上;または0.1%以上の量の界面活性剤を含んでいる。独立して、幾つかの液体組成物は、この液体組成物の合計重量に基づき、75%重量以下;または50重量%以下;または20重量%以下;または5重量%以下;または2重量%以下;または1重量%以下;または0.5重量%以下;または0.3重量%以下の量の界面活性剤を使用する。
【0088】
液体組成物が使用される幾つかの実施態様において、組成物中に油は含まれない。
【0089】
独立して、液体組成物が使用される実施態様のいくつかにおいては、1以上の油が使用される。本明細書において用いられる場合、「油」は25℃、1気圧で液体であり、1気圧で30℃以上の沸点を有する化合物である。本明細書において用いられる場合、「油」は水を含まず、界面活性剤(本明細書においてすでに記載したとおり)を含まず、アルコール(本明細書において後述する)を含まない。ある油は炭化水素油であり、他の油は非炭化水素油である。炭化水素油は、6個以上の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状のアルカン化合物である。本明細書において用いられる場合、「非炭化水素」は、水素でも炭素でもない少なくとも1個の原子を含有する任意の化合物を意味する。
【0090】
液体組成物が使用される幾つかの実施態様では、1以上の炭化水素油が組成物中に含まれる。幾つかの実施態様において、炭化水素油は石油の蒸留から得られ、場合によっては不純物と共にアルカン化合物の混合物を含んでいる。幾つかの実施態様では、18個以下の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。幾つかの適切な炭化水素油は、例えばヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ディーゼル油、精製パラフィン油(例えば、Sun Companyから入手可能なUltrafine(商標)スプレーオイルなど)、およびその混合物を含む。
【0091】
液体組成物が使用される幾つかの実施態様において、1以上の炭化水素油が組成物中に含まれる。幾つかの実施態様において、非炭化水素油は50℃以上;または75℃以上;または100℃以上の沸点を有する。独立して、幾つかの実施態様において、非炭化水素油は100以上;または200以上;または500以上の分子量を有する。
【0092】
幾つかの好適な非炭化水素油は、たとえば、脂肪族非炭化水素油である。「脂肪族」とは、本明細書において、脂肪酸の1以上の残基を含有する任意の化合物を意味する。脂肪酸は少なくとも4個の炭素原子の鎖長を有する長鎖カルボン酸である。典型的な脂肪酸は、4〜18個の炭素原子の鎖長を有するが、さらに長い鎖を有するものもある。直鎖状、分枝状、または環状脂肪族基がこの長鎖に結合していてもよい。脂肪酸残基は、飽和であっても、不飽和であってもよく、これらは、たとえば、アルキル基、エポキシド基、ハロゲン、スルホネート基、またはヒドロキシル基をはじめとする、天然に存在するか、または添加された官能基を含有してもよい。幾つかの好適な脂肪非炭化水素油は、たとえば、脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂肪酸のアミド;その二量体、三量体、オリゴマー、またはポリマー;およびその混合物である。
【0093】
好適な脂肪非炭化水素油の幾つかは、たとえば、脂肪酸のエステルである。このようなエステルは、たとえば、脂肪酸のグリセリドである。グリセリドは、脂肪酸とグリセロールとのエステルであり、モノ−、ジ−、またはトリグリセリドでありうる。様々なトリグリセリドが自然界において見いだされる。ほとんどの天然に存在するトリグリセリドは、幾つかの異なる長さ及び/または組成を有する脂肪酸の残基を含有する。幾つかの好適なトリグリセリドは、たとえば、乳製品、動物性脂肪、および魚などの動物源において見いだされる。好適なトリグリセリドのさらなる例は、たとえば、ココナッツ、ヤシ、綿実、オリーブ、タル、ピーナッツ、ベニバナ、ヒマワリ、トウモロコシ、大豆、アマニ、アブラギリ、トウゴマ、カノーラ、カンキツ類の種子、ココア、オート麦、パーム、パーム核、米ぬか、クフェア、またはナタネ油などの植物において見られる油である。
【0094】
好適なトリグリセリドには、どこで見いだされたか、またはどのようにして製造されたかに関係なく、たとえば、14個以上の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪酸残基を含有するものがある。幾つかの好適なトリグリセリドは脂肪酸残基を有し、これは、残基の重量基準で50重量%以上の、14個以上の炭素原子、または16個以上の炭素原子、または18個以上の炭素原子を有する脂肪酸残基を含有する。好適なトリグリセリドの一例は、大豆油である。
【0095】
好適な脂肪族非炭化水素油は、合成であっても、天然であっても、または天然油の修飾物であっても、またはその混合物であってもよい。好適な天然油の修飾には、たとえば、アルキル化、水素化、ヒドロキシル化、アルキルヒドロキシル化、アルコール分解、加水分解、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化、酸化、重合、およびその組み合わせがある。幾つかの実施態様において、アルキル化(たとえば、メチル化およびエチル化を包含する)油が使用される。好適な修飾天然油の一つはメチル化大豆油である。
【0096】
好適な脂肪非炭化水素油には、脂肪酸の自己乳化性エステルがある。
【0097】
好適な非炭化水素油のもう一つ別のグループはシリコーン油である。シリコーン油は、部分的または完全に−Si−O−結合から構成される主鎖を有するオリゴマーまたはポリマーである。シリコーン油は、たとえば、ポリジメチルシロキサン油を包含する。ポリジメチルシロキサン油は:
【0098】
【化7】

【0099】
の形態の単位を含有するオリゴマーまたはポリマーであり、この単位の少なくとも1個はX1=CHを有する。他の単位において、X1はSiと結合できる任意の他の基であることができ、たとえば、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルキルポリアルコキシル、その置換体、またはその組み合わせである。置換基は、たとえば、ヒドロキシル、アルコキシル、ポリエトキシル、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、他の置換基、またはその任意の組み合わせを包含しうる。いくつかの好適なポリジメチルシロキサン油において、すべてのX1基はメチルである。いくつかの好適なポリジメチルシロキサンにおいて、少なくとも1個の単位はメチルでないX1基を有し;1より多い非メチルX1単位が存在する場合、非メチルX1単位は互いに同一であってもよいし、あるいは2以上の異なる非メチルX1単位が存在してもよい。ポリジメチルシロキサン油は様々な化学基、たとえば、水素、メチル、他のアルキル、またはその任意の組み合わせでエンドキャップされていてもよい。環状ポリジメチルシロキサン油も意図される。
【0100】
好適な油の混合物、たとえば、複数の炭化水素油の混合物、複数の非炭化水素油の混合物、および1以上の炭化水素油と1以上の非炭化水素油との混合物も好適である。
【0101】
幾つかの実施態様は、組成物の合計重量に基づき、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量の油を使用する。独立して、幾つかの実施態様は、組成物の合計重量に基づき、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量の油を使用する。
【0102】
1つまたはそれ以上の液体組成物が使用される実施態様の中で、幾つかの液体組成物においては、1以上のアルコールが使用される。適切なアルコールは、例えばアルキルアルコールおよび他のアルコールを含む。本明細書で使用する場合、アルキルアルコールは一つのヒドロキシル基を有するアルキル化合物であり;前述のアルキル基は直鎖状、分枝状、環状、またはその組合せであってよく;このアルコールは第一級、第二級または第三級であってよい。幾つかの実施態様では、2個以上の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキルアルコールが使用される。幾つかの実施態様では、エタノール、イソプロパノール、またはその混合物が使用される。幾つかの実施態様では、20個以下の炭素原子;または10個以下の炭素原子;または6個以下の炭素原子;または3個以下の炭素原子を有するアルキル基を有する1以上のアルキルアルコールが使用される。
【0103】
アルコールを使用する液体組成物の中で、幾つかの液体組成物は、この液体組成物の合計重量に基づき、0.25重量%以上;または0.5重量%以上;または1重量%以上の量のアルコールを使用する。アルコールを使用する液体組成物の中で、幾つかの液体組成物は、この液体組成物の合計重量に基づき、90重量%以下;または50重量%以下;または10重量%以下;または5重量%以下;または4重量%以下;または3重量%以下の量のアルコールを使用する。
【0104】
本発明の種々の成分は、任意の手段により任意の順番で混ぜ合わされてよい。
【0105】
本発明の実施において、本発明の1つまたは複数の組成物が植物と接触するのを可能にする任意の方法を用いることができる。1以上の液体組成物が使用される実施態様において、幾つかの接触方法の例は、例えば噴霧、発泡、雲霧、注液、刷毛塗り、浸漬、類似の方法、およびその組合せである。幾つかの実施態様では、噴霧もしくは浸漬、またはこれら両方が使用される。幾つかの実施態様では噴霧が使用される。
【0106】
本発明の組成物が噴霧される実施態様において、任意の噴霧条件を使用することができる。たとえば、ノズルサイズおよび圧力は所望の結果を達成するために本発明の実施者が選択することができる。幾つかの有用なノズルタイプは、たとえば、フラットファン、プレオリフィスフラットファン、中空コーン、フルコーン、エアインクルージョン、ロウドリフト、およびフラッディングを包含する。独立して、幾つかの有用な噴霧圧力は、たとえば、127kPa(15psi)、422kPa(50psi)、844kPa(100psi)、1689kPa(200psi)、および2534kPa(300psi)である。これらの有用な噴霧法の任意の対の中間である噴霧圧力も、幾つかの実施態様においては有用である。独立して、幾つかの実施態様において、噴霧条件は、ある液滴サイズを達成するために選択され;ある有用な液滴サイズは、たとえば、50マイクロメートル、100マイクロメートル、200マイクロメートル、300マイクロメートル、400マイクロメートル、600マイクロメートル、および800マイクロメートルである。これらの有用な液滴サイズの任意の対の中間である液滴サイズも、いくつかの実施態様において有用である。
【0107】
植物を本発明の1つまたはそれ以上の組成物と接触させた後、この植物と相互作用する何らかの成分が直ぐに前述の相互作用を始めてよく、またはこのような成分が、相互に独立して、後の時点で植物と相互作用してもよい。例えば、液体組成物は、この植物の全体または一部に放出コーティングを形成することができ、1以上の成分が長時間にわたってこの植物との相互作用に利用できるようになってもよい。
【0108】
本発明の組成物は植物と接触するために使用される。処理を実施する際、本発明の組成物は、この植物全体と接触させられてよく、または植物の1以上の部分と接触させられてもよいことが意図されている。植物の部分は、植物の任意の部分を含み、例えば花、芽、観賞用の花、種子、切り枝、根、球根、果実、野菜、葉、および前述のものの組合せなどを含む。
【0109】
幾つかの実施態様において、本発明の組成物は液体であり、液体は畑で成長する作物植物上に噴霧される。このような噴霧操作は、1つの成長期の間に作物植物の特定の群に対して1回または1回以上行うことができる。幾つかの実施態様において、1回の噴霧操作において使用されるシクロプロペンの量は、0.1グラム/ヘクタール(g/ha)以上;または0.5g/ha以上;または1g/ha以上;または5g/ha以上;または25g/ha以上;または50g/ha以上;または100g/ha以上である。独立して、幾つかの実施態様において、1回の噴霧操作において使用されるシクロプロペンの量は、6000g/ha以下;または3000g/ha以下;または1500g/ha以下である。
【0110】
幾つかの植物は、1以上の植物の部分が有用な産物であると考えられるときには、このような部分を取得する目的で育てられる。このような植物は本明細書においては「作物植物(crop plants)」と称する。このような有用な植物の部分の取得は収穫と呼ばれる。本発明の幾つかの実施態様では、有用な植物の部分を産する植物は、これらの有用な植物の部分を収穫する前に、本発明の組成物で処理される。このような実施態様では、使用される各組成物は、使用され得る他の任意の組成物とは独立して、この植物の全体と接触させられてよく、またはこの植物のある部分と接触させられてよい。組成物が植物の一部と接触させられる場合、この部分は、収穫することが意図されている有用な植物の部分を含んでいてよく、またはこの有用な植物の部分を含んでいなくてもよい。
【0111】
本発明の実施において、任意の有用な植物の部分が収穫される前に、作物植物に対して少なくとも1回の処理が行われる。多くの作物植物の成長及び発達のプロセスは、特定の発達段階により説明することができる。たとえば、多くの作物植物は栄養成長段階により成長し、その後に生殖成長段階がある。幾つかの実施態様においては、作物植物を本発明の組成物と1以上の栄養成長段階の間に1回以上接触させる。独立して、いくつかの実施態様において、作物植物を1以上の生殖成長段階の間に1回以上、本発明の組成物と接触させる。作物植物を1以上の栄養成長段階の間に1回以上、本発明の組成物と接触させ、さらに1以上の生殖成長段階の間に1回以上本発明の組成物と接触させる実施態様も意図される。幾つかの作物植物はその生殖成長段階後に熟成段階を経て発達し;幾つかの実施態様において、かかる作物植物を1以上の本発明の組成物と他の段階の間に接触させるのに加えて、または他の段階の間に接触させる代わりに、かかる作物植物を1以上の本発明の組成物と、1以上の熟成段階の間に1回以上接触させることも意図される。
【0112】
幾つかの作物植物は栄養成長および生殖成長プロセスを同時に経て発達する。かかる作物植物を本発明の1以上の組成物と発芽後であるが、収穫前に1回以上接触させる。
【0113】
ある特定の作物植物に関して、作物収穫高において最大の改善を達成するために、本発明の組成物との接触を行うために最適の段階(単数または複数)がありうると考えられる。かかる最適段階(単数または複数)は、作物植物のそれぞれの種類によって異なる場合があり、かかる最適段階(単数または複数)は、場合によっては、特定の成長条件に依存し得る。
【0114】
幾つかの実施態様において、作物植物のグループを発達の特定の所望の段階で接触させることが意図される。このような場合において、所望の発達段階に達した植物の数の、グループ中の植物の合計数に対する比が少なくとも0.1、または少なくとも0.5、または少なくとも0.75、または少なくとも0.9であるとき(すなわち、発達の所望の段階に達した植物の部分が少なくとも10%、または50%、または75%、または90%であるとき)にかかる接触が行われうることが意図される。
【0115】
たとえば、大豆植物は、栄養成長段階、続いて生殖成長段階を経て発達する。栄養成長段階の幾つかは、VE(出芽)、VC(子葉)、V1(単葉節で完全に発達した葉)、およびVN(「N」は完全に発達した葉を有する主幹上の節の数)である。幾つかの生殖成長段階は、R1(開花開始)、R2(完全に開花)、R3(鞘ができはじめる)、R4(完全に鞘ができる)、R5(結実開始)、R5.5(R5とR6の中間)、R6(完全に結実)、R7(熟成開始)、およびR8(完全に熟成)である。幾つかの実施態様において、1以上の任意の栄養成長段階の間、1以上の任意の生殖成長段階の間、またはその任意の組み合わせの間に、大豆植物を本発明の組成物と1回以上接触させる。幾つかの実施態様において、V3、V4、V5、またはV6の1以上の間に、そして任意に1以上の生殖成長段階の間に、大豆植物を本発明の組成物と1回以上接触させる。幾つかの実施態様において、R1、R2、R3、R5、またはR5.5の間に、大豆植物を本発明の組成物と1回以上接触させる。さらに、複数の段階の間、たとえば、R2およびR3の間;R2およびR5.5の間;R3およびR5.5の間;またはR2、R3、およびR5.5の間に、たとえば、大豆植物を1以上の本発明の組成物と接触させる実施態様も意図される。独立して、幾つかの実施態様において、V3段階の間またはV3段階後に1回以上、そして任意に、より後の1以上の段階で、大豆植物を1以上の本発明の組成物と接触させる。独立して、幾つかの実施態様において、R1段階の間またはR1段階後に1回以上、そして任意に、より後の1以上の段階で、大豆植物を1以上の本発明の組成物と接触させる。独立して、幾つかの実施態様は、大豆植物の少なくとも10%が少なくとも1枚の完全に発達した葉を有する主幹上に少なくとも1つの節を有する後に、大豆植物に少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物を噴霧することを要件とする。幾つかの実施態様は、大豆植物の少なくとも10%が開花し始めた後に、大豆植物に少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物を、噴霧することを要件とする。
【0116】
もう一つ別の例として、トウモロコシ植物も、栄養成長段階とそれに続く生殖成長段階を経て発達する。トウモロコシ植物の栄養成長段階は、VE(出芽)、V1(第一葉の発生)、VN(N番目の葉の発生)、VNMAX(最後の葉の発生)、およびVT(雄穂)を含む。これらの栄養成長段階の一つはV5であり、この段階は第5番目の葉が発生した時に始まる。これらの栄養成長段階のもう一つ別の段階はV12であり、この段階は、第12番目の葉が発生した時に始まる。トウモロコシ植物の生殖成長段階は、R1(絹糸抽出)、R2(ブリスター)、R3(乳液)、R4(ドウ)、R5(くぼみ)、R6(成熟)を含む。幾つかの実施態様において、V5(第5番目の葉が発生)、V12(第12番目の葉が発生)、VT、R3のいずれかの間またはその後、あるいはV6、V12、VT、およびR3の2以上の任意の組み合わせの間またはその後に、トウモロコシ植物を1以上の本発明の組成物と接触させる。独立して、幾つかの実施態様において、V12の間、VTの間、およびR3の間に、トウモロコシ植物を1以上の本発明の組成物と接触させる。独立して、幾つかの実施態様は、トウモロコシ植物の少なくとも10%が5番目の葉が完全に開いた発達段階に達した後、あるいは前記トウモロコシ植物の少なくとも10%が第12番目の葉が完全に開いた発達段階に達した後に、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物をトウモロコシ植物に1回以上噴霧することを要件とする。
【0117】
もう一つ別の例として、綿植物は同時に栄養成長および果実構造を生じると考えられる。しかしながら、綿植物は、周知の段階を経て発達する。このような段階の一つは実生発生である。その後の段階は、ピンヘッドスクエア(pinhead square)の出現により明らかになる。幾つかの実施態様において、実生発生後に綿植物を本発明の1以上の組成物と1回以上接触させる。幾つかの実施態様において、綿植物を1回以上、本発明の1以上の組成物と、ピンヘッドスクエアの出現後すぐ(すなわち、3日以内)に接触させる。幾つかの実施態様において、綿植物を本発明の1以上の組成物と、ピンヘッドスクエアの出現後すぐに接触させ、続いて、1以上の本発明の組成物とその後(すなわち、先の処理後7日以上)に1回以上接触させる。
【0118】
独立して、幾つかの実施態様は、綿植物の少なくとも10%がピンヘッドスクエアに発達した後に、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物を、綿植物に1回以上噴霧することを要件とする。
【0119】
さらなる例は、稲植物である。本発明の実施において、稲植物を1回以上、1以上の本発明の組成物と、1以上の栄養成長段階、1以上の生殖成長段階、1以上の成熟段階、またはその任意の組み合わせの間に接触させる。
【0120】
さらなる例は、小麦植物であり、これは一般的に、周知のFeekesスケールで説明される発達段階を経て成長する。本発明の実施において、小麦植物を1回以上1以上の本発明の組成物と、Feekesスケール上の1以上の段階の間、またはその任意の組み合わせの間に接触させる。Feekesスケール上の段階の幾つかは、たとえば、F8.0(フラッグリーフが見られる)、F9.0(フラッグリーフの葉舌が見られる)、F10.0(ブーツ段階)、およびF10.5(ヘディング完了)がある。幾つかの実施態様において、小麦を本発明の1以上の組成物と、F8.0、F9.0、F10.0、またはF10.5の1以上の間またはその後に接触させる。幾つかの実施態様において、F8.0、F9.0、F10.0、およびF10.5の2以上の間に、小麦植物を本発明の1以上の組成物と接触させる。幾つかの実施態様において、F8.0、F9.0、F10.0、およびF10.5のそれぞれの間に、小麦植物を本発明の1以上の組成物と接触させる。独立して、幾つかの実施態様において、小麦植物の少なくとも10%がF9.0成長段階に達した後に、小麦植物を本発明の1以上の組成物と少なくとも1回接触させる。独立して、幾つかの実施態様は、フラッグリーフが見られる発達段階に少なくとも10%の小麦植物が達した後に、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物を、小麦植物に1回以上噴霧することを含む。
【0121】
幾つかの実施態様において、HalberdおよびKarl92のいずれかまたは両方を含まない1以上の種類から選択される小麦植物を処理する。幾つかの実施態様において、処理された植物は小麦を含まない。
【0122】
さらに別の例は、アブラナ植物であり、菜種植物とも呼ばれる。幾つかの実施態様において、アブラナ植物の少なくとも10%が開花し始めた後に、アブラナ植物を少なくとも1種の本発明の組成物と接触させる。
【0123】
適切な処理は、農地、庭、建物(例えば温室など)、または他の場所に植えられた植物に対して行うことができる。適切な処理は、室外の土地、1以上の容器(例えば植木鉢、プランター、花瓶など)、区切られた苗床もしくは隆起した苗床、または他の場所に植えられた1以上の植物に対して行うことができる。
【0124】
幾つかの実施態様において、処理は建物の中以外の場所にある植物に対して行われる。
【0125】
幾つかの実施態様において、植物は、たとえば、植木鉢、薄い木箱、または移動可能な苗床などの容器中成長している間に処理される。このような場合の幾つかにおいて、処理された植物がその後、室外の土地に移植される場合、処理された植物は未処理植物よりも移植のストレスに耐性である。幾つかの実施態様において、このような移植ストレスに対する耐性は、作物収穫高の改善につながりうる。たとえば、本発明の実施により処理され、移植されたトマトは、未処理トマト植物と比較すると、移植ストレスに対して改善された耐性を示すことができ、および改善された収穫高を示す場合がある。
【0126】
本発明の実施において、処理された植物は有用な生成物を産する任意の植物であってよい。通常、植物形態の特定の部分は有用な産物を形成する。複数の有用な植物部分は、複数の植物から取得した後に、「作物」と呼ばれる。1つの種類の有用な植物部分を有する植物もあれば、複数の種類の有用な植物部分を有する植物もある。
【0127】
本発明における使用に好適な植物には、たとえば、食べられる植物部分を有するもの、食べられないが他の目的に有用な植物部分を有するもの、およびその組み合わせがある。有用な物質を抽出できるものも好適な植物として意図され;かかる有用な物質は、たとえば、可食物質、医学的に有用な物質を製造する原材料、および他の目的に有用な物質でありうる。
【0128】
更に、それらの植物が有する美的特性及び/又は装飾特性にとって有用な植物の部分を産する植物も適切な植物として意図されている。このような観賞用の植物の部分は、例えば花および他の観賞用の植物の部分(例えば観賞用の葉)を含む。そのような植物のいくつかは有用な球根を生じる。幾つかの実施態様では、一つの観賞用の植物全体が有用な植物の部分であると見なされる。
【0129】
可食植物部分を産する植物も好適である。あらゆる種類の可食植物部分を産する植物が本発明における使用に好適であるとして意図される。
【0130】
本発明の実施における使用に好適な植物の多くは、有用にカテゴリーまたはグループに分類することができる。かかるグループを定義するための有用な一つの方法は、2006年3月23日またはそれ以前に国連の食糧農業機関(FAO)により発行された「草案」としての「商品の定義および分類(Definition and Classification of Commodities)」である。
【0131】
本発明の幾つかの実施態様の実施において、以下の作物グループのいずれか一つの範囲内にある1以上の作物を産生する植物を使用することが意図される。
【0132】
2以上の作物を産生する植物が使用される実施態様も意図される。かかる実施態様において、2以上の作物を産生する一つの植物のタイプを使用することができるか、または互いに異なる作物を産生する2以上の植物の混合物を使用することができるか、あるいはその任意の組み合わせでありうる。独立して、2以上の作物が使用されるならば、これらは同じ作物のグループから得られうるか、または異なる作物のグループから得られうる。
【0133】
作物グループ1は、たとえば、小麦、米、大麦、トウモロコシ、ポップコーン、ライ麦、オート麦、キビ、ソルガム、ソバ、キオナ(quiona)、フォニオ、ライ小麦、カナリアソウの実、カナグア(canagua)、キューイーチャ(quihuicha)、アダレイ(adlay)、野生の米、および他の穀類をはじめとする穀類である。本発明の幾つかの実施態様において、好適な植物は、小麦または米またはトウモロコシまたはソルガムを産生するものである。幾つかの実施態様においては、トウモロコシ植物が好適である。幾つかの実施態様においては、小麦植物が好適である。
【0134】
作物グループ2は、根および塊茎、たとえば、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、ヤウティア(cocomay)、タロイモ(ココヤム)、山芋、および他の根および塊茎である。オオグロクワイ(Eleocharis dulcis)も本発明において適当な根作物として見なされる。
【0135】
作物グループ3は、糖料作物、たとえば、サトウキビ、テンサイ、サトウカエデ、サトウモロコシ、サトウヤシ、および他の糖料作物である。
【0136】
作物グループ4は、豆類、たとえば、マメ(たとえば、インゲン豆、サンドマメ、リマ、ライマメ、小豆、マンゴ、ゴールデン、緑豆、ブラックグラム、ウルド、ベニバナインゲン、ツルアズキ、モスビーン、テパリービーン、フジマメ、ヒヤシンス、ナタマメ、シカクマメ、グアーマメ、ハッショウマメ、ヤム、および他のマメ)、空豆(horse−bean)、空豆(broad bean)、空豆(field bean)、エンドウ、ヒヨコマメ、ベンガルグラム、ガルバンゾ、ササゲ(cowpea)、ササゲ(blackeyed pea)、キマメ、ケージャンマメ、コンゴマメ、レンズマメ、バンバラマメ、落花生、野生エンドウ類(vetches)、ルピナス、および他の豆類である。
【0137】
作物グループ5は、ナッツ類、たとえば、ブラジルナッツ、カシューナッツ、栗、アーモンド、クルミ、ピスタチオ、コーラナッツ、ヘーゼルナッツ、ビンロウジュ、ピーカンナッツ、バタグルミ、ピリナッツ、ジャワアーモンド、パラダイスナット、マカダミアナッツ、松の実、および他の堅果である。
【0138】
作物グループ6は、含油作物、たとえば、大豆、落花生(ピーナッツを包含する)、ココナッツ、アブラヤシの果実、オリーブ、カリテナッツ、トウゴマの実、ヒマワリの種、菜種、カノーラ、タンナット、ベニバナの種、ゴマの種、カラシナの種、ケシの実、メロンシード、ナンキンハゼの種、カポックの果実、綿実、アマ、麻の実、および他の脂肪種子である。幾つかの実施態様においては、大豆植物が好適である。
【0139】
作物グループ7は、野菜、たとえば、キャベツ、アーティーチョーク、アスパラガス、レタス、ほうれん草、カッサバの葉、トマト、カリフラワー、カボチャ、キュウリおよびガーキン、ナス、トウガラシおよびコショウ、グリーンオニオン、ドライオニオン、ニンニク、ニラネギ、他のアリウム属の野菜、グリーンビーンズ、グリーンピース、グリーンブロードビーンズ、サヤエンドウ、ニンジン、オクラ、青トウモロコシ、マッシュルーム、スイカ、カンタロープメロン、タケノコ、テンサイ、フダンソウ、ケーパー、カルドン、セロリ、チャービル、コショウソウ、フェンネル、セイヨウワサビ、マージョラム、オイスタープラント、パセリ、パースニップ、ラディッシュ、ルバーブ、ルタバガ、サボリ、フタナミソウ、スイバ、クレソン、および他の野菜である。
【0140】
作物グループ8は、果実、たとえば、バナナおよびプランテーン;柑橘類;ナシ状果;石果;ベリー類;ブドウ;トロピカルフルーツ;雑(miscellaneous)フルーツ;および他のフルーツである。柑橘系果物としては、たとえば、オレンジ、タンジェリン、マンダリン、クレメンタイン、温州ミカン、レモン、ライム、グレープフルーツ、ポメロウ、ベルガモット、シトロン、チノット、キンカン、および他の柑橘系果物が挙げられる。ナシ状果としては、たとえば、リンゴ、西洋ナシ、マルメロ、および他のナシ状果が挙げられる。石果としては、たとえば、アンズ、サクランボ、モモ、ネクタリン、プラム、および他の石果が挙げられる。ベリー類はとしては、たとえば、いちご、ラズベリー、スグリ、カランツ、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ローガンベリー、マルベリー、マートルベリー、ハックルベリー、デングルベリー、および他のベリー類が挙げられる。トロピカルフルーツとしては、たとえば、イチジク、カキ、キウイ、マンゴ、アボカド、パイナップル、ナツメヤシ、カシューアップル、パパイヤ、パンノキ、スターフルーツ、チェリモヤ、ドリアン、フェイジョア、グアバ、モンビン、ジャックフルーツ、ロンガン、マンメア、マンゴスチン、ナランジロ、パッションフルーツ、ランブータン、サポーテ、サポジラ、スターアップル、および他のトロピカルフルーツが挙げられる。雑フルーツとしては、たとえば、アザロール、ババコ、エルダーベリー、ナツメ、ライチ、ビワ、セイヨウカリン、ポポー、ザクロ、ウチワサボテン、ローズヒップ、ナナカマド、サービスアップル、タマリンド、およびツリーストロベリーが挙げられる。
【0141】
作物グループ9は、繊維、たとえば、綿、亜麻、麻、カポック、ジュート、ラミー、サイザル麻、及び植物から得られる他の繊維である。幾つかの実施態様においては、綿植物が好適である。
【0142】
作物グループ10は、香辛料、たとえば、コショウ、ピメント、バニラ、シナモン、ナツメグ、メイス、カルダモン、クローブ、アニス、バディアン、フェンネル、ショウガ、ベイリーフ、ディルシード、フェヌグリークシード、サフラン、タイム、ターメリック、および他の香辛料である。
【0143】
作物グループ11は、飼料作物である。飼料作物は、主に動物のえさのために栽培される作物である。天然の草原および牧草地は、栽培されているかどうかにかかわらず、作物グループ11に含まれる。飼料作物は、たとえば、飼料用トウモロコシ、飼料用ソルガム、飼料用ライムギ、飼料用クローバー、飼料用アルファルファ、飼料用の他の牧草、貯蔵牧草用のグリーンアブラナ、貯蔵牧草用のマメ科植物、貯蔵牧草用の他の作物、飼料用キャベツ、飼料用カボチャ、飼料用カブ、飼料用ビート、飼料用ニンジン、飼料用スウェード、飼料用の他の野菜または根菜、および他の飼料用作物である。
【0144】
作物グループ12は、刺激物作物、たとえば、コーヒー、カカオ豆、茶、マテ茶、茶のような浸出液を作るために用いられる他の植物、および他の刺激物作物である。
【0145】
作物グループ13は、タバコおよびゴムおよび他の作物、たとえば、チコリーの根、キャロブ、ホップ、シトロネラの油、ペパーミント、スペアミント、他の植物油(香料、食品、および他の産業に用いられる)、除虫菊、タバコ、天然ゴム、天然ガム(たとえば、バラタ、セレア、チクル、グアユール、グッタペルカ、およびクワガタノキを包含する)、他の樹脂(たとえば、コパイババルサム、トラガカントゴム、インセンス、没薬、オポパナックス、メッカバルサム、トルーバルサム、およびペルバルサムを包含する)、および植物ワックス(たとえば、キャンデリラ、カルナウバ、ウルキュリー、及びパームワックスを包含する)である。
【0146】
幾つかの実施態様において、本発明は任意の非カンキツ植物(即ち、Citrus属でない任意の植物)の処理を要件とする。他の実施態様において、本発明の実施は非カンキツ植物の処理に限定される。
【0147】
独立して、本発明の実施においてリンゴの木が使用される幾つかの実施態様において、本発明の組成物はアミノエトキシビニルグリシンを含有しないか、あるいは幾つかの実施態様においては、前記定義のタイプIIの植物成長調節剤を含有しないか、あるいは幾つかの実施態様においてはシクロプロペンでない植物成長調節剤を含有しない。他の実施態様において、本発明の実施においてリンゴの木は使用されない。幾つかの実施態様において、本発明の実施においてナシ状果実の木は使用されない。
【0148】
本発明の幾つかの実施態様において、Nicotiana属のメンバーでない植物が処理される。
【0149】
本発明の幾つかの実施態様において本発明の組成物と接触される植物は、トウモロコシまたは大豆または綿またはリンゴまたはナシまたは米または小麦またはトマトまたはブドウまたはソルガムまたはプラムまたはキウイまたはクルミまたはアーモンドまたはピーカンまたはヒマワリまたはアブラナまたはカノーラまたは大麦またはライ麦またはライ小麦の1以上を含む。本発明の幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物は、トウモロコシまたは大豆または綿またはリンゴまたはナシまたは米または小麦またはトマトまたはブドウまたはソルガムの1以上を含む。幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物は、トウモロコシまたは大豆または綿または小麦の1以上を含む。幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物はトウモロコシを含む。幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物は大豆を含む。幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物は綿を含む。幾つかの実施態様において、本発明の組成物と接触される植物は小麦を含む。
【0150】
幾つかの実施態様において、シクロプロペンの量は、処理される特定の作物について適当であるように選択される。たとえば、作物植物がトウモロコシまたは大豆である幾つかの実施態様において、シクロプロペンの量は500g/ha以下;または250g/ha以下;または100g/ha以下、または50g/ha以下である。もう一つ別の例として、作物植物が綿である幾つかの実施態様において、シクロプロペンの量は50g/ha以上;または100g/ha以上;または200g/ha以上である。
【0151】
本発明の幾つかの実施態様において、植物のグループは同時に、あるいは逐次的に処理される。かかる植物のグループの一つの特徴は、収穫高であり、これは所定の植物のグループから集められる有用な植物の部分の量(本明細書においては「作物量」と呼ぶ)として定義される。作物収穫高の有用な定義の一つにおいて、特定の植物のグループは、土地のある面積を占めるグループである(この定義は、植物が農地において連続したグループで成長している場合によく用いられる)。作物収穫高のもう一つ別の有用な定義において、特定の植物のグループは特定の数の個々に特定された植物である(この定義は、任意の植物のグループ、たとえば、農地、植木鉢、温室、またはその組み合わせにおける植物のグループに関して用いることができる)。
【0152】
作物量は様々な方法で定義することができる。本発明の実施において、作物量は、たとえば、次の方法のいずれかにより測定することができる:収穫された植物の部分の重量、体積、または数、あるいはバイオマス。作物量が作物における特定の構成要素(たとえば、サトウ、デンプン、またはタンパク質)の量として測定される方法も意図される。さらに、作物量が、ある特徴(たとえば、赤さ、これはトマトの収穫の量の尺度として用いられる場合がある)の量として測定される方法も意図される。さらに、作物量が収穫された植物部分の特定の部分の量(たとえば、あるいは穀粒の数または穀粒の重量、これはトウモロコシの収穫量の測定のために使用される場合がある;あるいはリントの重量、これは綿作物の量の測定のために使用される場合がある)として測定される方法も意図される。
【0153】
幾つかの実施態様において、作物収穫高は、土地の単位面積あたりの作物の量として定義される。すなわち、作物が収穫された土地の面積を測定し、作物量を土地の面積で割って、作物収穫高を計算する。たとえば、収穫された植物部分の重量として測定された作物量から、これを面積あたりの重量(たとえば、キログラム/ヘクタール)として表される作物収穫高が得られる。
【0154】
いくつかの態様において、作物量に寄与する収穫された植物の部分は、これらの植物の部分が植物の部分のタイプにとって適切な最低品質基準を満たしていることが意図されている。即ち、特定の植物から植物の部分が収穫されたとき、作物量は、例えば、これらの植物から収穫された、許容可能な品質を有する植物の部分の重量である。許容可能な品質は、目的の植物の部分の収穫者または取扱者が用いる任意の通常の判定基準により決定されてよい。植物の部分の許容可能な品質に関するこのような判定基準は、例えばサイズ、重さ、硬さ、磨きに対する抵抗力、香り、糖/デンプンのバランス、色、美しさ、他の品質基準、または前述のものの任意の組合せのうちの1つまたはそれ以上であってよい。また、植物の部分がその品質(上述のいずれかの判定基準により判定された品質)を維持する時間の長さも、単独で、または前述のいずれかの判定基準と組み合わせて、品質の判定基準として意図されている。
【0155】
本発明の幾つかの実施態様では、本発明の方法を用いた一群の植物の処理は、本発明の方法を用いて処理されなかった場合にこの一群の植物から得られたものと考えられる作物の収穫量に比べ、この一群の植物の作物の収穫高を増大させるであろう。この作物の収穫高の増大は、広範囲にわたる様々な様式のうちのどの様式で得られてもよい。例えば、作物の収穫高の増大が得られる一つの様式は、各植物がより多くの個数の有用な植物の部分を産することであってよい。別の例として、作物の収穫高の増大が得られる一つの様式は、それぞれの有用な植物の部分がより大きな重量を有することであってよい。第三の例として、より多くの数の潜在的に有用な植物の部分が許容可能な品質に関する最低基準を満たした場合に、作物の収穫高は増大しうる。作物の収穫高を増大させる他の様式も、本発明の実施からもたらされうる。複数の様式の任意の組合せにより生じる作物の収穫高の増大も意図されている。
【0156】
本発明の幾つかの実施態様を実施することによりもたらされるものと意図されている別の利益は、作物の全般的な品質が改善され得ることである。即ち、本発明の方法により生産された作物は、この作物に対する適切な品質判定基準により判定したときに、本発明の方法を用いることなく生産された比較用作物よりも、より高い全般的または平均的品質レベルを有することができる。幾つかの場合においては、このような高品質の作物は、販売するときに、一層高い価格を要求することができる。
【0157】
本発明の実施によりもたらされる作物収穫高の改善は、任意のメカニズムにより生じ得る。すなわち、本発明の実施は、幾つかの実施態様において、植物の発達、成熟、成長、または生殖の幾つかのプロセスにおいて改善をもたらし、このようなプロセスにおけるこのような改善は、作物収穫高において改善をもたらし得る。たとえば、本発明の実施は次のプロセスのいずれかまたは任意の組み合わせにおいて改善をもたらす:授粉の同期化(すなわち、植物が花粉を放出する時間と植物が花粉を受容し、受精することができる時間がより良好に一致している)、光合成、窒素蓄積、葉の老化、または青葉の時季遅れの産生。光合成が改善される幾つかの実施態様において、光合成における改善は、二酸化炭素の同化の増大として観察することができる。独立して、幾つかの実施態様においては、耐病性または耐乾燥性または耐霜性または耐熱性またはその組み合わせにおける改善のために、作物収穫高が改善される。
【0158】
幾つかの作物(たとえば、トウモロコシ)において、本発明の実施が気孔閉鎖を引き起こし、これにより植物に耐乾燥性が付与されるので、耐乾燥性およびその結果として得られる作物収穫高の改善が起こることが意図される。独立して、幾つかの作物(たとえば、小麦)は本発明の実施において使用される場合に耐霜性が改善される。独立して、幾つかの作物(たとえば、小麦およびブドウ)は、本発明の実施において使用される場合に、耐病性が改善される。
【0159】
独立して、幾つかの実施態様において、葉、花、または果実構造(たとえば、鞘、円形の莢、または果実それ自体)の1以上の落下が遅延されるので作物収穫高における改善が起こりうる。
【0160】
独立して、幾つかの実施態様において、たとえば大豆などの特定の作物において起こる場合がある根粒形成の向上のために、作物収穫高の改善が起こりうる。
【0161】
本発明の実施の結果、1以上の前記プロセスにおいて改善が起こるかどうかにかかわらず、幾つかの実施態様において、本発明の実施は以下の1以上の改善につながる:バイオマス体積、バイオマス品質、果実の増加、果実の大きさの増大(望まれる場合)、果実の大きさの減少(望まれる場合)、収穫のタイミング(望みに応じた早期化または遅延化)、果実落下の減少、細胞膨張の減少、褐斑の減少、ストレス応答の低下、損傷応答の低下、収穫された植物の部分における貯蔵障害の減少、収穫された植物の部分の貯蔵寿命増大、頂芽優性、器官脱離防止、老化防止、黄化防止、成長中の活力改善、輸送(transit)中の活力改善、植え換え中の活力改善、および前述のものの組合せ。
【0162】
幾つかの実施態様において、たとえば、改善が土地の単位面積あたりの作物の重量の増大である場合に、収穫の時期での作物収穫高における改善は明らかである。
【0163】
独立して、幾つかの実施態様において、作物収穫高における改善は、作物が貯蔵された後のある時点で観察される。すなわち、幾つかの場合において、作物収穫高は、貯蔵後に小売市場に納品される高品質の作物の量として測定される。本発明の幾つかの実施態様は、作物植物を収穫前に接触させて、その結果、収穫後に貯蔵できる作物が得られ、その後、貯蔵庫から出されたときに先に得ることができたものよりも、より高い品質であることを要件とすることが意図される。たとえば、リンゴは場合によっては、まだ木になっているときに「ウォーターコア(water core)」として知られる果物の果肉において望ましくない透明な外観を呈する。ウォーターコアは、存在する場合、収穫後の貯蔵の間も存続し得る。本発明の幾つかの実施態様において、リンゴの木を収穫前に本発明の組成物と接触させると、結果として得られるリンゴの作物はウォーターコアの発生に対して改善された耐性を有する。同様に、ある品種のリンゴ(たとえば、フジリンゴ)は、収穫後の貯蔵の間に「シミ(staining)」と呼ばれる望ましくない赤い斑点が発生する。本発明の幾つかの実施態様において、リンゴの木を収穫前に本発明の組成物と接触させると、結果として得られるリンゴの作物は貯蔵の間に赤い斑点の発生に対して改善された耐性を有する。
【0164】
本明細書および特許請求の範囲の目的上、ここで言及されている範囲および比の限度は組み合わせられ得ることを理解すべきである。例えば、ある特定のパラメーターに対して60から120まで、および80から110までの範囲が言及されている場合には、60から110まで、および80から120までの範囲も意図されている。別の例として、ある特定のパラメーターに対して1、2および3の最小値が言及されており、また、このパラメーターに対して4および5の最大値が言及されている場合には、以下の範囲もすべて意図されているものと理解される:1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から5まで、3から4まで、および3から5まで。
【実施例】
【0165】
以下の実施例では、次の物質を使用した:
粉末1=Rohm and Haas Co.からAFXRD−038として入手可能な、3.8重量%の1−MCPを含有する粉末
粉末2=Rohm and Haas Co.からAFXRD−020として入手可能な、2.0重量%の1−MCPを含有する粉末
アジュバント1=Petro Canada Co.から入手可能なPureSpray Spray Oil 10、およびCytec Industriesから入手可能なAerosol(商標)OT界面活性剤、およびTomah Co.から入手可能なTomadol(商標)界面活性剤。
NAA=1−ナフタレン酢酸
AVG=アミノエトキシビニルグリシン
【0166】
以下の実施例において、このような手順を使用した:
必要な水の全体積の約2/3でスプレータンクを満たした。製造されるスプレーの割合および合計体積に従って粉末1または粉末2の量を秤量した。適当な量を計算し、1%v/vの合計スプレー体積を得た。アジュバント1をスプレータンクに添加し、混合物が乳白色に変わるまで撹拌した。粉末1または粉末2をスプレー容器に添加し、次いで穏やかに(激しくなく)撹拌した。残りの水を添加し、すべての粉末を確実に湿らせ、(もし堆積しているならば)タンクの側壁から洗い流した。スプレータンクを次に少なくとも2分間(2〜5分)渦形成させるかまたは撹拌して、良好な混合を保証した。その後、5から60分の間、植物に混合物をスプレーした。
【0167】
フラットファンノズルを使用し、100〜500マイクロメートルの液滴サイズを生じさせた。混合物の噴霧速度は500リットル/ヘクタールであった。バックパック噴霧器を使用した。噴霧は午前10時より前に行った。
【0168】
以下の実施例において、次の略語を使用する:haはヘクタール、mTは、メートルトン、AIは1−MCP、wtは重量。
【0169】
実施例1
トウモロコシ一般
トウモロコシのハイブリッド品種FR1064XLH185を植え、1ヘクタールあたり72000の植物を22kg/ha(120 lb/エーカー)の窒素で処理した。粉末1を使用した。処理時間(すなわち、処理が行われた発達段階)、処理量(1ヘクタールあたりのAIのグラム数)、および結果は次の通りであった。収穫高の簡易測定値を1ヘクタールあたりのメートルトン(mT)で記録する。収穫高の他の測定値も示す。処理は1以上の測定により収穫高に増加をもたらす。
【0170】
【表1】

【0171】
注:
(1)植物あたりの穀粒の数
(2)穀粒の重量基準のパーセントとしてのタンパク質(またはデンプンまたは油)の重量
(3)未処理対照。AIは使用しなかった。
(4)UTCサンプルにおいて得られる結果と統計的に異なる。
【0172】
実施例2
綿リント
実施例1と同様の方法を用いて、綿も試験した。植物の各処理群は2または3回次のように処理された:
【0173】
【表2】

【0174】
作物収穫高を1ヘクタールあたりのリントの重量として評価した。処理の種類、処理量(1ヘクタールあたりのAIのグラム)、および結果は次の通りであった。処理の多くはリントの収穫高の改善につながる。
【0175】
【表3】

【0176】
実施例3
ゴールデンデリシャス果実の落下
実施例1と同様の方法を用いて、ゴールデンデリシャスのリンゴの木に、リンゴが商業的用途のために通常収穫される1週間前に噴霧した。リンゴは収穫後の落下を観察するために木に残しておいた。粉末1を含有するスプレーを使用して、1ヘクタールあたり375グラムのAIを適用した。NAAを20ppmで使用し、AVGを125ppmで使用した。粉末1で処理された木は果実の落下が最も少なく、従って最良の作物収穫高を示した。結果(1本の木あたりの落下した果実数)は次のとおりであった:
【0177】
【表4】

【0178】
(5) 処理後の日数
【0179】
実施例4A
スカーレットスパーデリシャスリンゴおよびウォーターコア
実施例1と同様の方法を使用して、スカーレットスパーデリシャスのリンゴの木に商業的収穫時期の直前に噴霧した。粉末1を含有するスプレーを使用して、1ヘクタールあたり375グラムのAIを適用した。収穫されたリンゴをウォーターコアの存在について評価した。
【0180】
次の表は、貯蔵中のリンゴの数に基づく、収穫後の日数(日数 AH)の関数としてウォーターコアを示さないリンゴの%を示す。処理されたリンゴは匹敵するかまたはそれより高いパーセンテージの、ウォターコアのないリンゴを示す。
【0181】
【表5】

【0182】
実施例4B
フジリンゴおよびシミ
収穫前に1または2回、250ppmの1−MCPを含有するスプレーをフジのリンゴの木に噴霧した。各噴霧により、ほぼ211g/ha(520g/エーカー)の処理が提供された。収穫及び貯蔵後、しみに関してリンゴを検査した。シミを示したリンゴのパーセントは次の通りであった:
【0183】
【表6】

【0184】
実施例5
小麦の耐霜性および耐病性
実施例1と同様の方法を用いて、小麦はF10.5段階でスプレーされた。損害を受けた種のシードヘッドを調べることにより霜害を評価した。フザリウム病による損害を、病原体により損傷を受けたシードヘッドのパーセンテージとして評価した。次の表から、処理された小麦がより高い収穫高、より少ない霜害、およびより低い病害を示したことがわかる。
【0185】
【表7】

【0186】
実施例6
大豆作物収穫高の増加
実施例1と同様の方法を用いて大豆植物を処理した。植物が次の成長段階:R2、R3、およびR5.5の1以上にあるときに処理を行った。結果を以下に示す:
【0187】
【表8】

【0188】
処理はダイズの収穫高および収穫されたマメの蛋白質含量の両方を向上させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の植物により産生される作物の収穫高を改善する方法であって、少なくとも1種のシクロプロペンを含む少なくとも1種の液体組成物を前記植物に噴霧することを含み(ただし、前記植物がリンゴの木を含む場合、前記組成物のそれぞれはアミノエトキシビニルグリシンを含まない)、前記噴霧は、前記植物が建物の内部以外の場所にある間に行われ、前記組成物が1種以上の分子封入剤を含み、及び前記シクロプロペンの一部若しくは全部が前記分子封入剤中に封入される方法。
【請求項2】
植物が、トウモロコシまたは大豆または綿またはリンゴまたは西洋ナシまたは米または小麦またはトマトまたはブドウまたはソルガムまたはプラムまたはキウイまたはクルミまたはアーモンドまたはピーカンまたはヒマワリまたはアブラナまたはカノーラまたは大麦またはライ麦またはライ小麦の1以上を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
植物がトウモロコシまたは大豆または綿またはリンゴまたは西洋ナシまたは米または小麦またはトマトまたはブドウまたはソルガムの1以上を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
作物収穫高の改善が、植物の耐病性の改善、または植物の耐乾燥性の改善、または植物の耐霜性の改善、または植物の耐熱性の改善:の1以上を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
作物収穫高の改善が、植物の光合成プロセスの改善、または植物の授粉プロセスの同期化の改善、または植物の葉の老化の遅延、または植物の窒素蓄積の改善、または植物の成長期の末期における青葉の産生の改善、または植物の根粒形成の増進、または植物からの葉、花、または果実構造の1以上の落下の阻害:の1以上を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記植物が綿植物を含み、および前記綿植物の少なくとも10%が実生発生に達した後に、前記噴霧が行われる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
綿植物の少なくとも10%がピンヘッドスクエアを発生した後に、前記噴霧が行われる請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記作物収穫高の改善が、前記植物の耐乾燥性の改善または前記植物の耐熱性の改善:の1以上を含む、請求項2記載の方法。
【請求項9】
前記液体組成物が水を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。

【公開番号】特開2012−6977(P2012−6977A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−210563(P2011−210563)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【分割の表示】特願2007−120716(P2007−120716)の分割
【原出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】