説明

作物用高温障害防止シート

【課題】高温障害の発生を避けながら、栽培作物の生育を阻害することのない作物用高温障害防止シートを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂の一軸延伸糸が縦横に交差されて形成される布状体からなる作物用高温障害防止シートであって、前記一軸延伸糸が、一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を含有しており、前記布状体の空隙率が5〜80%である作物用高温障害防止シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物用高温障害防止シートに係り、さらに詳しくは、可視光透過率が高く、栽培作物の成長を阻害することがないと伴に、熱線を遮断して当該栽培作物の高温障害を防止する作物用高温障害防止シートに関する。
【背景技術】
【0002】
農作物の栽培において、夏季の日中は太陽光の照射が強いため、栽培作物に高温障害が生じ、収穫量の低下、品質の低下等が生じるという問題がある。当該高温障害を回避するため、夏季においては、栽培作物に日覆シートを掛けて日光を遮断することが行われている。
【0003】
しかし、栽培作物に日覆シートを掛けた場合、赤外線、近赤外線からなる熱線が遮断されると同時に、栽培作物に必要な可視光線も遮断されるため、栽培作物の成長が阻害されるという問題が発生する。
【0004】
当該問題の解決のため、特許文献1では、光線吸収材として6ホウ化ランタン、または、アンチモン含有酸化錫を添加した熱可塑性樹脂からなる日覆シートを、栽培作物に掛けることを提案している。6ホウ化ランタンやアンチモン含有酸化錫は、可視光線の透過率が高く、赤外線、近赤外線の遮断効果が大きいため、栽培作物の生育を阻害することなく高温障害を防止できると考えられていたからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−141051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、赤外線、近赤外線を吸収する粉体を添加した熱可塑性樹脂を、フィルム状またはシート状に成形し、日覆フィルムや日覆シートとして使用することを提案している。
ところが、本発明者の検討によれば、フィルムまたはシート状の日覆材により作物を覆った場合、日覆材の内部は換気され難くなり、たとえ、熱線の透過量は少なくなっても、日覆内部に高温の空気が滞留して作物の雰囲気温度が過度に高くなり、栽培作物に高温障害が生じるという課題があった。
【0007】
本発明は、上述の状況の下で成されたものであり、その解決しようとする課題は、高温障害の発生を避けながら、栽培作物の生育を阻害することのない作物用高温障害防止シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を継続した結果、熱線遮蔽機能を有する微粒子として、一般式WO(2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または一般式MWO(0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を適用し、当該熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有する糸を作製し、当該糸から作製した布状体の作物用高温障害防止シートを用いることで、上記課題が達成されることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、上述の課題を解決する本発明の第1の構成は、
熱可塑性樹脂の一軸延伸糸が縦横に交差されて形成される布状体からなる作物用高温障害防止シートであって、
前記一軸延伸糸が、一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶
構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を含有しており、
下記式(1)で表される前記布状体の空隙率が5〜80%であることを特徴とする作物用高温障害防止シートである。
【0010】
【数1】

【0011】
第2の構成は、
前記布状体が有する波長400〜780nmの可視光透過率(%)の値に対し、前記布状体が有する波長200〜2100nmの日射透過率(%)の値が10%以上低いことを特徴とする第1の構成に記載の作物用高温障害防止シートである。
【0012】
第3の構成は、
前記布状体において、基層の少なくとも片面に当該基層より融点の低い熱可塑性樹脂からなる接合層が積層されたテープ状の一軸延伸糸が縦横に交差し、その交点が熱融着されてなることを特徴とする第1または第2の構成のいずれかに記載の作物用高温障害防止シートである。
【0013】
第4の構成は、
前記一軸延伸糸が、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる基層と、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれた一種または二種以上からなる接合層とが積層されてなることを特徴とする第1〜第3の構成のいずれかに記載の作物用高温障害防止シートである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る作物用高温障害防止シートは、強度が高く耐久性に優れ、可視光線の透過率が高いので、作物の生育が優れ、かつ、熱線を遮断して栽培作物の高温障害を防止することができ、さらに、高温の空気が滞留して雰囲気温度が過度に高くなることによる作物の高温障害を防止することができる。また、夜間の冷え込みを緩和する作用をも有している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る作物用高温障害防止シートの一例を示す模式図である。(A)本発明に係る作物用高温障害防止シートの平面図である。(B)本発明に係る作物用高温障害防止シートの縦断面図である。
【図2】本発明に係る作物用高温障害防止シートの他の例を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る一軸延伸糸の構造を示す斜視図の模式図である。(A)熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムを所定の幅にスリットして一軸延伸し、テープ状とした一軸延伸糸である。(B)熱線遮蔽熱可塑性樹脂のテープ状体に多数の切れ目を入れた一軸延伸糸である。(C)熱線遮蔽熱可塑性樹脂のテープ状体に極細の縦方向リブを設けた一軸延伸糸である。
【図4】本発明に係る一軸延伸糸の例を示す縦断面図の模式図である。(A)単層の一軸延伸糸である。(B)基層の片面に、基層より融点の低い熱可塑性樹脂からなる接合層を積層した一軸延伸糸である。(C)基層の両面に、基層より融点の低い熱可塑性樹脂からなる接合層を積層した一軸延伸糸である。(D)基層に接合層を形成したシースコア構造の一軸延伸糸である。(E)基層に接合層を形成したサイドバイサイド構造の一軸延伸糸である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る作物用高温障害防止シートの一例を示す模式図であり、図2は本発明に係る作物用高温障害防止シートの他の例を示す縦断面図である。
図1、2において、本発明に係る作物用高温障害防止シート1は、熱可塑性樹脂の一軸延伸糸が縦横に交差されて形成される布状体3(当該布状体3において、所定の方向を有する一軸延伸糸に2a、当該一軸延伸糸2aと交差する方向を有する一軸延伸糸に2bの符号を付与した。)からなる作物用高温障害防止シートである。本発明に係る作物用高温障害防止シート1において、上記一軸延伸糸2a、2bが、一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦
3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を含有しており、下記式(1)で表される上記布状体3の空隙率が5〜80%であることを特徴としている。
【数1】

そして、例えば、図1に示すように、本発明に係る作物用高温障害防止シート1は、熱線の透過を抑制する効果を付与した熱可塑性樹脂を一軸延伸した一軸延伸糸2a、2bを用いて形成した布状体3によって構成される。
以下、本発明に係る作物用高温障害防止シート1について、構成要素毎に詳細に説明する。
【0017】
(1)一軸延伸糸に含有される熱線遮蔽材料
(a)タングステン酸化物微粒子
一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子としては、例えばW1849、W2058、W11などを挙げることができる。xの値が2.45以上であれば、当該熱線遮蔽材料中に目的外であるWOの結晶相が現れるのを完全に回避することが出来ると共に、材料の化学的安定性を得ることが出来る
。一方、xの値が2.999以下であれば、十分な量の自由電子が生成され効率よい熱線遮蔽材料となる。xの値が、2.95以下であれば熱線遮蔽材料として、さらに好ましい
。尚、xの範囲が2.45≦x≦2.999であるようなWO化合物は、いわゆるマグネリ相と呼ばれる化合物に含まれる。
【0018】
(b)複合タングステン酸化物微粒子
一般式MyWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができるが、y、zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な熱線遮蔽特性を得ることができる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.33付近である。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MyWOで表記される複合タングステン酸化物材料においても、上述したWOで表記されるタングステン酸化物材料と同様の機構が働くのに加え、z≦3.0においても、上述した元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは、2.2≦z≦2.99、さらに好ましくは、2.45≦z≦2.99である。
【0019】
(c)タングステン酸化物微粒子、および、複合タングステン酸化物微粒子の製造方法
上述した一般式WOで表記されるタングステン酸化物微粒子、一般式MWO表記される複合タングステン酸化物微粒子は、タングステン化合物出発原料を不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
【0020】
まず、タングステン化合物出発原料について説明する。
タングステン化合物出発原料には、三酸化タングステン粉末、ニ酸化タングステン粉末、または酸化タングステンの水和物、または、六塩化タングステン粉末、またはタングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選ばれたいずれか1種類以上であることが好ましい。
【0021】
ここで、タングステン酸化物微粒子を製造する場合には製造工程の容易さの観点より、タングステン酸化物の水和物粉末、三酸化タングステン、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、を用いることがさらに好ましい。
一方、複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合には、出発原料が溶液である各元素は容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、六塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。
これら原料を用い、これを不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述したタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を得ることができる。
【0022】
さらに、上記元素Mを含む一般式MWOで表記される複合タングステン酸化物微粒子を含有する熱線遮蔽材料微粒子は、上述した一般式WOで表されるタングステン酸化物微粒子を含有する熱線遮蔽材料微粒子のタングステン化合物出発原料と同様であり、M元素を加えるため、元素Mを、元素単体または化合物の形態で含有するタングステン化合
物を出発原料とする。
【0023】
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液で混合することが好ましく、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであれば好ましい。
【0024】
次に、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中における熱処理について説明する。
まず、不活性ガス雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し熱線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしてはAr、N等の不活性ガスを用いることがよい。
【0025】
また、還元性雰囲気中における熱処理条件としては、出発原料を、まず還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中にて650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが良い。この時の還元性ガスは、特に限定されないが、Hが好ましい。そして、還元性ガスとしてHを用いる場合は、還元性雰囲気の組成として、例えば、Ar、N等の不活性ガスにHを体積比で0.1%以上を混合することが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上混合したものである。Hが体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
水素で還元された出発原料粉末は、マグネリ相を含み、良好な熱線遮蔽特性を示す。従って、この状態でも熱線遮蔽微粒子として使用可能である。
【0026】
本発明に係るタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの1種類以上を含有する化合物、好ましくは、酸化物で被覆され表面処理されていることは、耐候性向上の観点から好ましい。
【0027】
上述したように、本発明に係る作物用高温障害防止シート1は、上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を添加分散し、熱線を遮蔽する効果を付与した熱可塑性樹脂を一軸延伸した一軸延伸糸2a、2bを用いて形成した布状体3によって構成される。
上記一軸延伸糸2a、2bを形成する熱可塑性樹脂には、熱線遮蔽機能を有する一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種類以上の元素、0.1≦y≦
0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子が添加されていることが必要である。
【0028】
本発明に係る熱線遮蔽機能を有する、タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子は、近赤外線領域、特に1000nm以上の光を大きく吸収するため、その透過色調はブルー系の色調となるものが多い。
【0029】
当該タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径は、その使用目的によって適宜選定することができる。
例えば、可視光の透過性を保持した応用に使用する場合は、当該タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子は、800nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。800nmよりも小さい分散粒子径であれば、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の透過性を保持し、同時に効率よく近赤外線からなる熱線を遮蔽することができるからである。尚、本発明における分散粒子径とは、当該タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を任意の溶剤に分散してなる当該タングス
テン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子分散液について、動的光散乱法を用いた測定装置(ELS−800(大塚電子株式会社製))により測定した平均値である。
【0030】
所望とする熱線遮蔽一軸延伸糸2を得るには、上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の粉体色が、国際照明委員会(CIE)が推奨しているL表色系(JIS Z 8729)における粉体色において、Lが25〜80、aが−10〜10、bが−15〜15である条件を満たしていることが望ましい。
当該粉体色を有するタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を用いることで、可視光線の透過率が高く栽培作物の生育が優れ、かつ、熱線を遮断して栽培作物の高温障害を防止することができる作物用高温障害防止シート1を得ることが出来る。
【0031】
(2)作物用高温障害防止シート
図1、2に示すように、本発明の作物用高温障害防止シート1は、上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を添加分散し、熱線を遮蔽する効果を付与した熱可塑性樹脂を一軸延伸した一軸延伸糸2a、2bを用いて形成した布状体3によって構成される。
【0032】
(a)熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム
上述したように図1、2に示す一軸延伸糸2a、2bは、上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子が添加分散され、熱線を遮蔽する効果を有する熱可塑性樹脂を一軸延伸することによって得られる。
そこで、当該熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムの製造方法について説明する。
【0033】
上記熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は、熱線遮蔽成分となる上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を樹脂中に均一に分散できる方法であれば任意に選択できる。例えば、上記微粒子を樹脂に直接添加し、均一に溶融混合する方法を用いることができる。特に、溶剤中に熱線遮蔽成分の微粒子を加え分散させた添加液を作製し、この添加液を樹脂又は樹脂原料と混合した成形用組成物を得て、該成形用組成物を用いて樹脂シートを成形する方法が簡単であり好ましい。
上記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の樹脂中への添加量は、特に限定されないが、0.5重量%〜10重量%の間であることが好ましい。0.5重量%以上の使用量であれば熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材が薄くても十分な熱線遮蔽効果を得ることができ、10重量%以下であれば熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材として布状体加工性が低下するのを回避することができるからである。上記添加量は、熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材の一軸延伸糸を用いて得られる布状体の空隙率も考慮して選定される。
【0034】
熱線遮蔽成分の樹脂への分散方法は、微粒子を均一に樹脂に分散できる方法であれば特に限定されないが、上述の如く微粒子を任意の溶剤に分散した添加液を用いる方法が好ましい。具体的には、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用い、上記微粒子を任意の溶剤に分散して熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム製造用の添加液とする。
【0035】
更に、添加液の溶剤を公知の方法で除去し、得られた粉末を樹脂に添加して、均一に溶融混合する方法によっても、樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を調製することができる。
【0036】
熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材製造用の添加液に用いる分散溶剤としては、特に限定されるものではなく、配合する樹脂、樹脂シート材を形成する条件などに合わせて選択可能であり、一般的な有機溶剤が使用可能である。また、必要に応じて酸やアルカリを添加
してpHを調整しても良い。更に、樹脂中の微粒子の分散安定性を一層向上させるために、各種の界面活性剤、カップリング剤などを分散剤として添加することも可能である。
【0037】
上記添加液を用いて熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材を製造するには、一般的には、該添加液を主材となる樹脂に添加し、リボンブレンダーで混合し、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機、及びバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸押出機、二軸押出機などの混練機で均一に溶融混合する方法を用いて、樹脂中に微粒子が均一に分散した混合物を調製する。
【0038】
上記熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルム材から得られる一軸延伸糸を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が好適である。具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、アクリルニトリル、ビニロン等を用いることができる。中でも加工性と経済性から高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が望ましい。
【0039】
本発明に係る熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムは、上記のごとく樹脂に微粒子を均一に分散させた混合物を、射出成形、押出成形、圧縮成形などの公知の成形方法によって、平面状に成形することにより作製することができる。また、樹脂に微粒子を均一に分散した混合物を造粒装置により一旦ペレット化した後、同様の方法で熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムを作製することもできる。
尚、熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、必要に応じて任意の厚さに調整することが可能である。
【0040】
このように、熱線遮蔽成分として近赤外線領域に強い吸収を持つタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子を上記樹脂材料に均一に分散させ、シート状に形成することで、高コストの物理成膜法や複雑な接着工程を用いずに、熱線遮蔽機能を有し、且つ可視光領域に高い透過性能を有する熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムを提供することが可能である。
【0041】
(b)一軸延伸糸
本発明において作物用高温障害防止シートを形成する一軸延伸糸とは、シート状体を形成し得る線条体を広く意味し、テープ状体、紐状体、モノフィラメント、マルチフィラメント等の線条体を含むものであり、これらは必要に応じて撚りがかけられる。
【0042】
ここで、本発明に係る一軸延伸糸について図3を参照しながら説明する。
一軸延伸糸2の構造はいかなるものであってもよく、例えば、図3(A)に示すように、熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムを所定の幅にスリットして一軸延伸することによってテープ状としたフラットヤーンとして用いることができる。また、図3(B)に示すように、テープ状体に多数の切れ目5を入れたスプリットヤーンを用いることもできる。さらに、図3(C)に示すように、テープ状体に極細の縦方向リブ6を設けることもでき、リブ6を設けることによって太陽の反射光が散乱され、環境への影響を低減することができる。
【0043】
また、その他、断面が、丸型、長球状、方形、多角形、その他異型体の一軸延伸糸2とすることができ、さらに、異種樹脂の混合物を線条に押出し成形し、その樹脂間を分裂せしめてフィブリル化したダンラインを用いることによってしなやかさを上げることもできる。また、一本を単独で織糸として使用することも可能であり、また、数本を束ねて用い
ることも可能である。
【0044】
一軸延伸糸2は、図4(A)に示すように、単層であってもよく、また、図4(B)、図4(C)に示すように、基層7の片面又は両面に、基層より融点の低い熱可塑性樹脂からなる接合層8を形成した積層一軸延伸糸2とすることができる。更に、接合層8は、図4(D)に示すようにシースコア構造、図4(E)に示すようにサイドバイサイド構造とすることも可能である。
【0045】
(c)一軸延伸糸の単層体、積層体の基層および接合層
一軸延伸糸2の単層体、あるいは積層体の基層7を構成する熱可塑性樹脂としては、(a)で説明した延伸効果の大きい樹脂が用いられる。
一方、接合層8は、一軸延伸糸2が織成された後、一軸延伸糸2間を接合するもので、基層7を構成する熱可塑性樹脂より融点が低く熱融着性の優れた熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層の熱可塑性樹脂との関係で基層より低融点、好ましくは20℃以上融点の低い熱可塑性樹脂が選択される。特に、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が望ましく、特に、メタロセン触媒を用いて重合した線状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0046】
一軸延伸糸2を形成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて各種の添加材を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
これら添加剤は、適宜組み合わせて、基層7や接合層8の材料組成物を製造するいずれかの工程で配合される。添加剤の配合は、従来の公知の二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これを溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマスターバッチを調製し、これを希釈して使用するようにしてもよい。
【0047】
積層一軸延伸糸2を使用する場合、積層フラットヤーン、又は、積層スプリットヤーンの成形材料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基層7となるフィルムと接合層8となるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層7となるフィルムの表面に接合層8となる熱可塑性樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層7となるフィルムに接合層8を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層フィルムとして押出成形するなどの公知の手段を適宜選択して用いればよいが、成形の容易さやコスト面、ならびに、製品の各層間の接着性の点では、多層共押出法によって基層7と接合層8の積層体を一段で得る方法が望ましい。シースコア構造、あるいは、サイドバイサイド構造については共押出法によるのが一般的である。
【0048】
また、延伸して一軸延伸糸2とする手段としては、基層7となる熱線遮蔽熱可塑性樹脂フィルムを一軸方向に延伸した後、接合層8となる熱可塑性樹脂を積層し、これをテープ
状にスリットしてもよく、あるいは、基層7と接合層8が積層された積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした後、一軸方向に延伸することによって得ることもできる。延伸倍率は、通常3〜10倍程度とされる。
【0049】
一軸延伸糸2の太さはなんらの制限はなく目的に応じて任意に設定することができるが、一般的には、50〜10000デシテックス(ここで、デシテックスは繊維の太さの単位であり、1g/10000mが1デシテックスである)、好ましくは100〜5000デシテックスとされ、一軸延伸糸2がテープ状の場合、糸幅が0.3〜200mm、好ましくは0.5〜100mm、糸厚が5〜500μmの範囲とされる。
【0050】
一軸延伸糸2の層構造は、三層構造とする場合、一般的には、肉厚構成比を接合層:基層:接合層=1:98:1から25:50:25とされる。
(3)布状体
【0051】
こうして得られた一軸延伸糸2は、図1(A)、(B)に示すように、平織に織成して布状体3とすることができる。また、綾織、斜文織、畦織、二重織、模紗織等に織製することによって布状体3とすることができ、さらに、タテ編み、ヨコ編み、ラッセル編み、トリコット編み等に編込むことによって布状体とすることも可能である。織成するための織機としては、サーキュラー織機、スルーザー型織機、ウォータージェット型織機など公知の織機を用いることができる。また、図2に示すように、複数の一軸延伸糸2aを並列し、その上に当該一軸延伸糸2aと交差する方向に他の一軸延伸糸2bを並列してその交点を熱接合した交差結合布(ソフ)からなる布状体3とすることができる。
【0052】
布状体3は、下記式(1)で示される空隙率が、5〜80%であることが必要である。さらに10〜60%であることが好ましい。空隙率が、5%未満では、高温の空気の滞留により、覆われたシート内部の温度上昇を避けることが困難となり、また、80%を超えると熱線の遮断効果が低下して高温障害を防止する効果が低下してしまう。
【数1】

【0053】
可視光の透過率を制御する方法としては、一軸延伸糸2を構成する基層7又は接合層8に添加されるタングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の量、一軸延伸糸2の繊度、経緯糸の打込み本数等によって調節することができる。
そして、布状体3が有する波長400〜780nmの可視光透過率(%)の値に対し、当該布状体3が有する波長200〜2100nmの日射透過率(%)の値が10%以上低くすることで、熱線を遮断して栽培作物の高温障害を防止すると同時に、可視光の透過率を確保出来、作物の生育に優れる作物用高温障害防止シートが得られる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明について、実施例および比較例を参照しながら具体的に説明する。
但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
また、各実施例および比較例における、タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子の粉体色(10°視野、光源D65)、および、熱線遮蔽塩化ビニルフィル
ムの可視光透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。
尚、当該日射透過率は、作物用高温障害防止シートの熱線遮蔽性能を示す指標である。
また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定した。平均分散粒子径は、タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子分散液について、動的光散乱法を用いた測定装置(ELS−800(大塚電子株式会社製))により測定した平均値とした。
【0055】
[実施例1]
WO50gとCs(OH)17.0g(Cs/W=0.3相当)をメノウ乳鉢で十分混合した粉末を、Nガスをキャリアーとした5%Hガスを供給しながら加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、Nガス雰囲気下で800℃で30分焼成して熱線遮蔽微粒子(以下、微粒子aと略称する。)を得た。微粒子aの組成式は、Cs0.3WOであり、粉体色のLが35.2745、aが1.4918、bが−5.3118であった。
【0056】
次に、微粒子a6重量%、官能基として水酸基を有するアクリル系分散剤12重量%、トルエン82重量%を秤量し、0.3mmφZrO2ビーズを入れたペイントシェーカー
で6時間粉砕・分散処理することによって、タングステン酸化物微粒子分散液を得た。この分散液中のタングステン酸化物微粒子の平均分散粒子径は、120nmであった。ここで、当該タングステン酸化物微粒子分散液から溶剤を除去することによって、タングステン酸化物微粒子分散分散剤混合粉(以下、A粉と略称する。)を調製した。
【0057】
当該タングステン酸化物微粒子が2重量%となるようにA粉を配合した高密度ポリエチレン(密度0.956g/cm、融点132℃)を中間層とし、低密度ポリエチレン(密度0.922g/cm、融点113℃)を接合層としたインフレーションフィルムを成形し、所定幅にスリットし、これを熱板で100℃において7.2倍に延伸後、熱風オーブンで110℃において6%の弛緩処理をして400dt、1mm幅のフラットヤーンを形成した。
当該フラットヤーンをタテおよびヨコ糸に使用し、スルーザー織機にてタテ、ヨコの打ち込み密度をそれぞれ10本/25.4mmに織成したのち、120℃の熱ロールで糸の交点を熱融着させ、空隙率37.8%の実施例1に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0058】
[実施例2]
タングステン酸化物微粒子が3.2重量%となるようにA粉を配合した以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0059】
[実施例3]
タテ、ヨコの打ち込み密度をそれぞれ8本/25.4mmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0060】
[実施例4]
タングステン酸化物微粒子が0.5重量%となるようにA粉を配合し、タテ、ヨコの打ち込み密度をそれぞれ19本/25.4mmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0061】
[実施例5]
タングステン酸化物微粒子が10重量%となるようにA粉を配合し、タテ、ヨコの打ち込み密度をそれぞれ5本/25.4mmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例5
に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0062】
[比較例1]
タングステン酸化物微粒子が0.3重量%となるようにA粉を配合した以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る作物用高温障害防止シートを得た。
[比較例2]
タングステン酸化物微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る作物用高温障害防止シートを得た。
【0063】
上記の方法によって得られた実施例1〜3および比較例1に係る作物用高温障害防止シートについて、可視光透過率、日射透過率を測定した。そして、得られた実施例1〜3および比較例1に係る作物用高温障害防止シートで屋外の地面をトンネル状に被覆し、地温の変化を測定し、1日のうちで無被覆状態に対する最大の温度差を測定した。その結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の作物用高温障害防止シートは、作物栽培における日覆として、トンネル型覆い、ハウス型日覆、ハウス内カーテンとして利用でき、また、本発明シートは耐久性に優れているから、作物の生育を阻害することのない防砂、防塵、防風用ネットなどとしても使用できる。
【符号の説明】
【0066】
1.作物用高温障害防止シート
2.一軸延伸糸
2a.所定の方向を有する一軸延伸糸
2b.所定の方向を有する一軸延伸糸2aと交差する方向を有する一軸延伸糸
3.布状体
5.切れ目
6.リブ
7.基層
8.接合層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂の一軸延伸糸が縦横に交差されて形成される布状体からなる作物用高温障害防止シートであって、
前記一軸延伸糸が、一般式WO(但し、2.45≦x≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWO(但し、Mは、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される1種
類以上の元素、0.1≦y≦0.5、2.2≦z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶
構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子を含有しており、
下記式(1)で表される前記布状体の空隙率が5〜80%であることを特徴とする作物用高温障害防止シート。
【数1】

【請求項2】
前記布状体が有する波長400〜780nmの可視光透過率(%)の値に対し、前記布状体が有する波長200〜2100nmの日射透過率(%)の値が10%以上低いことを特徴とする請求項1に記載の作物用高温障害防止シート。
【請求項3】
前記布状体において、基層の少なくとも片面に当該基層より融点の低い熱可塑性樹脂からなる接合層が積層されたテープ状の一軸延伸糸が縦横に交差し、その交点が熱融着されてなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の作物用高温障害防止シート。
【請求項4】
前記一軸延伸糸が、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンからなる基層と、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれた一種または二種以上からなる接合層とが積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作物用高温障害防止シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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