使い捨てオムツ
【課題】オムツが着用者に密着し続けるのを促進する。
【解決手段】一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツ１は、腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂと股部分４Ｃと、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシート６Ｌ，６Ｒとを備える。脚回りシートの縦方向周縁領域６ＬＦ，６ＬＢ，６ＲＦ，６ＲＢ及び内方側縁領域６ＬＩ，６ＲＩは股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分及び背側部分の下縁領域４ＦＢ，４ＢＢ及び股部分の側縁領域４ＣＬ，４ＣＲに接合される。脚回りシートはそれぞれ、外方側縁からそれぞれ内方に向かう切欠き６ＬＣ，６ＲＣを有する。切欠きの腹側開始端６ＬＣＦ，６ＲＣＦにそれぞれ隣接する脚回りシートの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦと、切欠きの背側開始端６ＬＣＢ，６ＲＣＢにそれぞれ隣接する脚回りシートの外方側縁領域６ＬＯＢ，６ＲＯＢとが互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される。
【解決手段】一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツ１は、腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂと股部分４Ｃと、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシート６Ｌ，６Ｒとを備える。脚回りシートの縦方向周縁領域６ＬＦ，６ＬＢ，６ＲＦ，６ＲＢ及び内方側縁領域６ＬＩ，６ＲＩは股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分及び背側部分の下縁領域４ＦＢ，４ＢＢ及び股部分の側縁領域４ＣＬ，４ＣＲに接合される。脚回りシートはそれぞれ、外方側縁からそれぞれ内方に向かう切欠き６ＬＣ，６ＲＣを有する。切欠きの腹側開始端６ＬＣＦ，６ＲＣＦにそれぞれ隣接する脚回りシートの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦと、切欠きの背側開始端６ＬＣＢ，６ＲＣＢにそれぞれ隣接する脚回りシートの外方側縁領域６ＬＯＢ，６ＲＯＢとが互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は使い捨てオムツに関する。
【背景技術】
【０００２】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、オムツ展開時に縦方向に互いに離間された腹側部分及び背側部分と、これら腹側部分及び背側部分に接合された弾性シートとを備え、腹側部分及び背側部分の側縁領域同士がそれぞれ、テープファスナによって接合される、使い捨てオムツが公知である（特許文献１参照）。このようにすると、着用者に弾性シートが接触するので、オムツが着用者の動きに容易に追従し、オムツのズレ下がりを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−８９６８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述のオムツでは、テープファスナが弾性シートから離間した位置にあるので、腹側部分に隣接する弾性シート部分と背側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていない。その結果、着用者の動きによって脚回り開口が大きく拡げられ、弾性シートが着用者から離脱するおそれがある。したがって、オムツのズレ下がりを十分に抑制できないおそれがある。また、腹側部分に隣接する弾性シート部分と背側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていないので、当該弾性シート部分が腹側部分及び背側部分から分離するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の第１観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【０００６】
本発明の第２観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、脚回りシートの縦方向周縁領域はそれぞれ、腹側部分の下縁領域のほぼ全体及び背側部分の下縁領域のほぼ全体に接合され、それにより、腹側部分と背側部分との間の間隙に脚回りシートが配置され、オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【０００７】
本発明の第３観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、互いに接合された側縁領域同士間の中間領域はそれぞれ接合されないまま残され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【発明の効果】
【０００８】
オムツが着用者に密着し続けるのを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明による第１実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図２】図１のオムツの展開図である。
【図３】図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿ってみた断面図である。
【図４】本発明による第１実施例のオムツの製造方法を示す概略図である。
【図５】切欠きの別の実施例を示す図である。
【図６】接合の別の実施例を示す図である。
【図７】凹部の別の実施例を示す図である。
【図８】脚回りシート及び股部分の別の実施例を示す図である。
【図９】切欠きの寸法を説明する図である。
【図１０】本発明による第２実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図１１】図１０のオムツの展開図である。
【図１２】図１１の線ＸＩＩ−ＸＩＩに沿ってみた断面図である。
【図１３】本発明による第２実施例のオムツの製造方法を示す概略図である。
【図１４】本発明による第３実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図１５】図１４のオムツの展開図である。
【図１６】使い捨てオムツの更に別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
図１、図２及び図３は本発明による第１実施例を示している。なお、図２において、Ｌはオムツ１の縦方向を、Ｔは縦方向に直交する横断方向を、それぞれ示している。
【００１１】
図１、図２及び図３を参照すると、使い捨てオムツ１は腹側部分４Ｆ、背側部分４Ｂ及び股部分４Ｃを備える。腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ着用時に着用者の腹側及び背側に位置する。
【００１２】
腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ長方形状をなしており、展開時に縦方向Ｌに互いに離間して配置される。また、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂにはそれぞれ、横断方向Ｔに互いにほぼ平行に延びる複数の弾性部材５Ｆ，５Ｂが設けられる。特に図３に示されるように、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ互いに重ねられた２枚の液不透過性シートを備え、弾性部材５Ｆ，５Ｂはこれらシート間に伸長状態で配置されてこれらシートに固定される。
【００１３】
股部分４Ｃも長方形状をなし、縦方向Ｌに延びて横断方向中間位置において腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂに接合される。この場合、股部分４Ｃの縦方向周縁領域４ＣＦ，４ＣＢがそれぞれ腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＦＢ，４ＢＢに接合される。その結果、股部分４Ｃは着用時に着用者の股部に位置する。
【００１４】
この股部分４Ｃは、例えば、液不透過性のバックシートと、バックシートに保持された吸収体とを備える。吸収体は例えば繊維集合体及び高吸収ポリマー粒子を備える。
【００１５】
オムツ１は更に、概ね四角形状の一対の脚回りシート６Ｌ，６Ｒを備え、すなわち図１及び図２において股部分４Ｃの左側に位置する左方脚回りシート６Ｌと、股部分４Ｃの右側に位置する右方脚回りシート６Ｒとを備える。脚回りシート６Ｌ，６Ｒは伸長性又は伸縮性を有し、好ましくは伸縮性を有する。
【００１６】
脚回りシート６Ｌ，６Ｒの伸度は好ましくは１４０％以上であり、さらに好ましくは１８０％以上である。ここで、シート材の伸度は次のようにして求められる。すなわち、自然状態にあるシート材に５０ｍｍの線分を描き、次いでシート材を引っ張って伸長させ、完全に伸長したときの線分の長さＢ（ｍｍ）を測定する。次いで、次式を用いて伸度が算出される。
【００１７】
伸度＝Ｂ／５０ｘ１００（％）
【００１８】
更に、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは液不透過性、撥水性、及び通気性のうち少なくとも一つを有する。
【００１９】
脚回りシートは伸長性シート又は伸縮性シートから構成できる。伸長性シートとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂フィルムに、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。一方、伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布、伸縮繊維からなる不織布に、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。
【００２０】
左方脚回りシート６Ｌの縦方向周縁領域６ＬＦ，６ＬＢは股部分４Ｃの左方においてそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢに接合される。また、左方脚回りシート６Ｌの内方側縁領域６ＬＩは、股部分４Ｃの左方側縁領域４ＣＬに接合される。その結果、股部分４Ｃの左方において腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７Ｌに左方脚回りシート６Ｌが配置される。
【００２１】
同様に、右方脚回りシート６Ｒの縦方向周縁領域６ＲＦ，６ＲＢは股部分４Ｃの右方においてそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢに接合される。また、右方脚回りシート６Ｒの内方側縁領域６ＲＩは、股部分４Ｃの右方側縁領域４ＣＲに接合される。その結果、股部分４Ｃの右方において腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７Ｒに右方脚回りシート６Ｒが配置される。
【００２２】
ここで、腹側部分４Ｆ，背側部分４Ｂ，股部分４Ｃ，左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒは例えばホットメルト接着剤Ａ（図３）でもって、互いに接合される。
【００２３】
特に図２に示されるように、オムツ１は展開時に、その両側縁１ＬＥ，１ＲＥからそれぞれ内方に向かう凹部１ＤＬ，１ＤＲを有する。本発明による第１実施例では、左方脚回りシート６Ｌは外方側縁６ＬＯＥから内方に向かう切欠き６ＬＣを有し、右方脚回りシート６Ｒは外方側縁６ＲＯＥから内方に向かう切欠き６ＲＣを有しており、上述の凹部１ＤＬ，１ＤＲはこれら切欠き６ＬＣ，６ＲＣによって画定される。なお、本発明による第１実施例では、切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、縦方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【００２４】
その上で、凹部１ＤＬないし切欠き６ＬＣの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦと、凹部１ＤＲないし切欠き６ＬＣの背側開始端６ＬＣＢに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＢとが互いに接合される。また、腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。
【００２５】
同様に、切欠き６ＲＣの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦと、切欠き６ＲＣの背側開始端６ＲＣＢに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＢとが互いに接合される。また、腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＦＲと背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００２６】
その結果、図１に示されるように、左方脚回りシート６Ｌによって左方脚回り開口１ＬＬが画定され、右方脚回りシート６Ｒによって右方脚回り開口１ＬＲが画定される。また、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂによって一つの胴回り開口１Ｗが画定される。
【００２７】
ここで、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ、右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢ、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＦＬ，４ＢＬ及び右方側縁領域４ＦＲ，４ＢＲはそれぞれ、例えばソニックシールによってそれぞれ接合され、したがって再接合不能にそれぞれ接合される。その結果、オムツ１はパンツ形状をなしている。
【００２８】
本発明による第１実施例では、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの周長又は内径が着用者の脚の周長又は内径よりも小さくなるように、切欠き６ＬＣ，６ＲＣないし凹部１ＤＬ，１ＤＲが形成されている。
【００２９】
着用時には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲに着用者の脚がそれぞれ通され、オムツ１が引き上げられる。この場合、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは着用者の脚の形状に応じて伸長する。したがって、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者に密着する。
【００３０】
しかも、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒがリング状をなしているので、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者の脚の全周にわたって密着し続けることができる。その結果、一対の脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲからのモレを確実に抑制することができる。また、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂから分離するのを抑制することもできる。
【００３１】
ここで、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢの縦方向長さＬＬＯ（図１）、及び右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢの縦方向長さＬＲＯ（図１）はそれぞれ、５ｍｍ以上であるのが好ましい。
【００３２】
脚回りシート６Ｌ，６Ｒは互いに直交する２方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましく、例えば縦方向Ｌ及び横断方向Ｔに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。脚回りシート６Ｌ，６Ｒは一方向にのみ伸長性又は伸縮性を有してもよく、切欠き６ＬＣ，６ＲＣが縦方向に延びる半楕円状の場合には、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは縦方向Ｌに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【００３３】
更に、本発明による第１実施例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの肌側面は平坦である。すなわち、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの肌側面にはシワが設けられていない。その結果、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが線接触ではなく面接触の形で着用者に接するので、着用者に対する脚回りシート６Ｌ，６Ｒの密着性が高められる。
【００３４】
なお、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢの接合部、又は右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢの接合部を破壊することにより、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを調節することもできる。この場合、上述の接合部の接合強度は、６Ｎ／２５ｍｍから４０Ｎ／２５ｍｍが好ましく、８Ｎ／２５ｍｍから３０Ｎ／２５ｍｍが更に好ましい。接合部の破壊による脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさの調節を可能にしつつ、オムツ１の使用時における接合部の意図しない破壊を阻止できるからである。
【００３５】
図４は、本発明による第１実施例のオムツ１の製造方法を概略的に示している。なお、図４において、ＭＤは搬送方向を、ＣＤは搬送方向ＭＤに直交する直交方向を、それぞれ示している。
【００３６】
図４を参照すると、ステップＳ１１では、腹側部分４Ｆの連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分４Ｂの連続体Ｗ４Ｂが直交方向ＣＤに互いに離間されつつ、搬送方向ＭＤに搬送される。続くステップＳ１２では、股部分４Ｃが搬送方向ＭＤに離間されつつ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねられ、接合される。続くステップＳ１３では、最終的に脚回りシート６Ｌ，６Ｒを構成する脚回りシート材料Ｍ６が、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び互いに隣接する一対の股部分４Ｃに重ねられ、接合される。続くステップＳ１４では、脚回りシート材料Ｍ６に、最終的に切欠き６ＬＣ，６ＲＣを構成する貫通孔ＬＨが形成される。
【００３７】
続くステップＳ１５では、股部分４Ｃ及び脚回りシート材料Ｍ６が、搬送方向ＭＤにほぼ平行な折り畳み線ＦＬに沿って折り畳まれ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに重ねられる。続くステップＳ１６では、互いに隣接する一対の股部分４Ｃ同士の間において、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに接合され、互いに対面する脚回りシート材料Ｍ６の部分同士が互いに接合され、それにより、搬送方向ＭＤに離間されつつ接合部Ｊが形成される。続くステップＳ１７では、接合部Ｊを通る切断線ＣＬに沿って切断作用が行われる。その結果、互いに分離されたオムツ１が形成される。
【００３８】
なお、ステップＳ１２において、股部分４Ｃを構成するバックシートを腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに接合し、次いで股部分４Ｃを構成する吸収体をバックシートに接合するようにしてもよい。
【００３９】
また、ステップＳ１３において、脚回りシート材料Ｍ６を伸長状態で股部分４Ｃ等に接合してもよいし、逆に、伸長させることなく接合してもよい。
【００４０】
更に、ステップＳ１４において、貫通孔ＬＨがあらかじめ形成された脚回りシート材料Ｍ６を腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び股部分４Ｃに重ねて接合するようにしてもよい。
【００４１】
図５（Ａ），図５（Ｂ），図５（Ｃ），図５（Ｄ）は、切欠き６ＬＣ，６ＲＣの別の実施例を示している。切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、図５（Ａ）に示される例では半円状をなし、図５（Ｂ）に示される例では横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなし、図５（Ｃ）に示される例では縦方向中心線Ｃ−Ｃに関し非対称形状をなしている。また、図５（Ｄ）に示される例では切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、スリットから構成される。
【００４２】
なお、図５（Ｂ）及び図５（Ｄ）に示される例において、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは少なくとも横断方向Ｔに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【００４３】
切欠き６ＬＣ，６ＲＣが図２に示されるように縦方向に長い場合には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲは着用者の鼠径部に位置することができる。この場合、着用者の外観を簡素化することができる。
【００４４】
一方、切欠き６ＬＣ，６ＲＣが図５（Ｂ）及び図５（Ｄ）に示されるように横断方向に長い場合には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲは着用者の大腿部に位置することができる。この場合、着用者の動きのある部位が締め付けられるのを抑制しつつ、オムツ１により着用者の体を広範囲で覆うことができる。
【００４５】
いずれにしても、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲが着用者の脚よりも小さく形成されているので、着用時に脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者の脚に確実に密着することができる。
【００４６】
上述した本発明による第１実施例では、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ及び右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢはそれぞれ、再接合不能に接合される。しかしながら、これら外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ及び外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢをそれぞれ、例えば接合具を用いて、再接合可能に接合することもできる。
【００４７】
すなわち、図６（Ａ）に示される例では、雄部材８Ｍ及び雌部材８Ｆを含む面ファスナのような接合具が設けられる。雄部材８Ｍは外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦに隣接しつつ外方に突出して設けられ、雌部材８Ｆは外方側縁領域６ＬＯＢ，６ＲＯＢに重なるように、背側部分４Ｂの外面に設けられる。
【００４８】
一方、図６（Ｂ）に示される例では、雄部材８Ｍは外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦに重なるように脚回りシート６Ｌ，６Ｒの内面に設けられる。雌部材８Ｆは図６（Ａ）の例と同様である。
【００４９】
図６（Ａ）及び図６（Ｂ）に示される例でも、雄部材８Ｍと雌部材８Ｆとの重なりの程度を変更することによって、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを調節することができる。
【００５０】
図７（Ａ）及び図７（Ｂ）は凹部１ＤＬ，１ＤＲの別の実施例を示している。これまで述べてきた各実施例では、外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢが形成されるように左方脚回りシート６Ｌに切欠き６ＬＣが形成され、外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢが形成されるように右方脚回りシート６Ｒに切欠き６ＲＣが形成されている。これに対し、図７（Ａ）に示される例では外方側縁領域が形成されないように切欠き６ＬＣ，６ＲＣが形成され、これら切欠き６ＬＣ，６ＲＣによって凹部１ＤＬ，１ＤＲがそれぞれ画定される。
【００５１】
この場合、切欠き６ＬＣの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、切欠き６ＬＣの背側開始端６ＬＣＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。また、切欠き６ＲＣの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＲＬと、切欠き６ＲＣの背側開始端６ＲＣＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００５２】
図７（Ｂ）に示される例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは切欠きを有していない。しかしながら、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの横断方向長さは間隙７Ｌ，７Ｒの横断方向長さよりも短い。したがって、凹部１ＤＬは脚回りシート６Ｌの外方側縁６ＬＯＥと、腹側部分４Ｆの下縁と、背側部分４Ｂの下縁とによって画定される。この場合、凹部１ＤＬの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、凹部１ＤＬの背側開始端６ＬＣＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。また、凹部１ＤＲの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＲＬと、凹部１ＤＲの背側開始端６ＲＣＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００５３】
図８（Ａ）は脚回りシート６Ｌ，６Ｒの別の実施例を、図８（Ｂ）及び図８（Ｃ）は股部分４Ｃの別の実施例を示している。これまで述べてきた各実施例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの内面、すなわち着用者側に接合されている。これに対し、図８（Ａ）に示される例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。
【００５４】
図８（Ｂ）に示される例では、吸収体ＡＤは股部分４Ｃとは別個に設けられる。すなわち、股部分４Ｃはバックシートを備えるが、吸収体を備えていない。その上で、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。
【００５５】
一方、図８（Ｃ）に示される例では、バックシート及び吸収体を備える股部分４Ｃが、腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。また、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは、腹側部分４Ｆを構成する２枚のシート同士の間、及び背側部分４Ｂを構成する２枚のシート同士の間に、それぞれ接合される。
【００５６】
次に、凹部１ＤＬ，１ＤＲないし切欠き６ＬＣ，６ＲＣの寸法について、図９を参照して説明する。本発明による第１実施例では、凹部１ＤＬ，１ＤＲの縦方向長さＬＮＤがオムツ１の縦方向長さＬＮ１の１／３以下であり（ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１）、かつ凹部１ＤＬ，１ＤＲの横断方向長さＷＤＤがオムツ１の横断方向長さＷＤ１の１／３以下である（ＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１）ように、凹部１ＤＬ，１ＤＲが形成される。
【００５７】
このようにすると、オムツ１によって着用者の体を十分に覆いながら、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを小さくすることができる。したがって、脚回りシート６Ｌ，６Ｒを着用者の脚に確実に密着させることができる。
【００５８】
このことは実験によっても確認されている。すなわち、子供用オムツ及び大人用オムツのように縦方向長さＬＮ１及び横断方向長さＷＤ１が互いに異なる複数のオムツについて、ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１かつＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１であるオムツと、ＬＮＤ＞（１／３）ＬＮ１又はＷＤＤ＞（１／３）ＷＤ１であるオムツとを用意した。これらオムツについてモレの発生頻度を確認したところ、ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１かつＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１であるオムツでは低いモレ発生頻度が得られた。これに対し、ＬＮＤ＞（１／３）ＬＮ１又はＷＤＤ＞（１／３）ＷＤ１であるオムツでは高いモレ発生頻度が得られた。
【００５９】
図１０、図１１及び図１２は本発明による第２実施例を示している。図１０、図１１及び図１２を参照すると、第２実施例では単一の脚回りシート６が設けられる。この脚回りシート６は、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂとほぼ同じ横断方向長さを有する。
【００６０】
脚回りシート６の縦方向周縁領域６Ｆ，６Ｂはそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢのほぼ全体及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢのほぼ全体に接合される。その結果、腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７に脚回りシート６が配置される。
【００６１】
特に図１１に示されるように、脚回りシート６は、側縁６ＯＥからそれぞれ内方に向かう一対の切欠き６Ｃを有する。本発明による第２実施例では、切欠き６Ｃはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【００６２】
その上で、切欠き６Ｃの腹側開始端６ＣＦに隣接する脚回りシート６の側縁領域６ＯＦと、切欠き６Ｃの背側開始端６ＣＢに隣接する脚回りシート６の側縁領域６ＯＢとがそれぞれ互いに接合される。
【００６３】
その結果、図１０に示されるように、脚回りシート６によって一対の脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲが画定される。
【００６４】
図１３は、本発明による第２実施例のオムツ１の製造方法を概略的に示している。なお、図１３において、ＭＤは搬送方向を、ＣＤは搬送方向ＭＤに直交する直交方向を、それぞれ示している。
【００６５】
図１３を参照すると、ステップＳ２１では、腹側部分４Ｆの連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分４Ｂの連続体Ｗ４Ｂが直交方向ＣＤに互いに離間されつつ、搬送方向ＭＤに搬送される。続くステップＳ２２では、最終的に脚回りシート６Ｌ，６Ｒを構成する脚回りシート材料Ｍ６が、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねられ、接合される。続くステップＳ２３では、股部分４Ｃが搬送方向ＭＤに離間されつつ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び脚回りシート材料Ｍ６に重ねられ、接合される。続くステップＳ２４では、脚回りシート材料Ｍ６に、最終的に切欠き６ＬＣ，６ＲＣを構成する貫通孔ＬＨが形成される。
【００６６】
続くステップＳ２５では、股部分４Ｃ及び脚回りシート材料Ｍ６が、搬送方向ＭＤにほぼ平行な折り畳み線ＦＬに沿って折り畳まれ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに重ねられる。続くステップＳ２６では、互いに隣接する一対の股部分４Ｃ同士の間に、搬送方向ＭＤに離間されつつ接合部Ｊが形成される。続くステップＳ２７では、接合部Ｊを通る切断線ＣＬに沿って切断作用が行われる。その結果、互いに分離されたオムツ１が形成される。
【００６７】
なお、ステップＳ２２，Ｓ２３に関し、あらかじめ脚回りシート材料Ｍ６に股部分４Ｃを接合し、次いで腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねるようにしてもよい。
【００６８】
本発明による第２実施例では、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂ両方に接合される。しかしながら、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの一方に接合されてもよく、又は両方に接合されなくてもよい。
【００６９】
本発明による第２実施例のその他の構成及び作用は第１実施例の構成及び作用と同様である。
【００７０】
図１４及び図１５は本発明による第３実施例を示している。図１４及び図１５を参照すると、本発明による第３実施例では、第１実施例と同様に、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒが設けられる。しかしながら、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒには切欠きが設けられていない。したがって、オムツ１の両側縁に凹部が設けられていない。
【００７１】
その上で、左方脚回りシート６Ｌの腹側縦方向周縁領域６ＬＦ内又はこれに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦＦと、左方脚回りシート６Ｌの背側縦方向周縁領域６ＬＢ内又はこれに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＢＢとが互いに接合される。このとき、互いに接合された外方側縁領域６ＬＯＦＦ，６ＬＯＢＢ同士間の中間領域６ＬＸは接合されないまま残される。このようにして左方脚回り開口１ＬＬが画定される。
【００７２】
同様に、右方脚回りシート６Ｒの腹側縦方向周縁領域６ＲＦ内又はこれに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦＦと、右方脚回りシート６Ｒの背側縦方向周縁領域６ＲＢ内又はこれに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＢＢとが互いに接合される。このとき、互いに接合された外方側縁領域６ＲＯＦＦ，６ＲＯＢＢ同士間の中間領域６ＲＸは接合されないまま残される。その結果、右方脚回り開口１ＬＲが画定される。
【００７３】
このようにすると、切欠きを形成する必要がなく、トリムが発生しない。
【００７４】
左方脚回りシート６Ｌの腹側縦方向周縁領域６ＬＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、左方脚回りシート６Ｌの背側縦方向周縁領域６ＬＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとを互いに接合し、右方脚回りシート６Ｒの腹側縦方向周縁領域６ＲＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＦＲと、右方脚回りシート６Ｒの背側縦方向周縁領域６ＲＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとを互いに接合してもよい。
【００７５】
なお、本発明による第３実施例のその他の構成及び作用は第１実施例の構成及び作用と同様である。
【００７６】
これまで述べてきた各実施例では、腹側部分４Ｆ、背側部分４Ｂ及び股部分４Ｃは互いに別個の部材から構成される。しかしながら、図１６に示されるように、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂと、バックシートから構成される股部分４Ｃとを共通のシート材から構成し、このシート材上に吸収体ＡＤを配置してもよい。なお、図１６では脚回りシート６Ｌ，６Ｒは省略してある。
【００７７】
また、股部分４Ｃ又は吸収体の横断方向両側に防漏部材をそれぞれ設けてもよい。各防漏部材は例えば、吸収体の横断方向側縁から横断方向外向きに拡がるシートを備え、これらシートの外端には、縦方向に延びる弾性部材が設けられる。その結果、モレを確実に抑制することができる。
【００７８】
更に、これまで述べてきた各実施例を互いに組み合わせることもできる。すなわち、例えば、本発明による第２及び第３実施例において、図８（Ａ）のように脚回りシートを腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの外面に接合することもできる。
【符号の説明】
【００７９】
１ 使い捨てオムツ
１ＬＬ，１ＬＲ 脚回り開口
４Ｆ 腹側部分
４Ｂ 背側部分
４Ｃ 股部分
６Ｌ，６Ｒ 脚回りシート
６ＬＣ，６ＲＣ 切欠き
６ＬＯＦ，６ＬＯＢ，６ＲＯＦ，６ＲＯＢ 外方側縁領域
【技術分野】
【０００１】
本発明は使い捨てオムツに関する。
【背景技術】
【０００２】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、オムツ展開時に縦方向に互いに離間された腹側部分及び背側部分と、これら腹側部分及び背側部分に接合された弾性シートとを備え、腹側部分及び背側部分の側縁領域同士がそれぞれ、テープファスナによって接合される、使い捨てオムツが公知である（特許文献１参照）。このようにすると、着用者に弾性シートが接触するので、オムツが着用者の動きに容易に追従し、オムツのズレ下がりを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−８９６８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述のオムツでは、テープファスナが弾性シートから離間した位置にあるので、腹側部分に隣接する弾性シート部分と背側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていない。その結果、着用者の動きによって脚回り開口が大きく拡げられ、弾性シートが着用者から離脱するおそれがある。したがって、オムツのズレ下がりを十分に抑制できないおそれがある。また、腹側部分に隣接する弾性シート部分と背側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていないので、当該弾性シート部分が腹側部分及び背側部分から分離するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の第１観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【０００６】
本発明の第２観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、脚回りシートの縦方向周縁領域はそれぞれ、腹側部分の下縁領域のほぼ全体及び背側部分の下縁領域のほぼ全体に接合され、それにより、腹側部分と背側部分との間の間隙に脚回りシートが配置され、オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【０００７】
本発明の第３観点によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、互いに接合された側縁領域同士間の中間領域はそれぞれ接合されないまま残され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、使い捨てオムツが提供される。
【発明の効果】
【０００８】
オムツが着用者に密着し続けるのを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明による第１実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図２】図１のオムツの展開図である。
【図３】図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿ってみた断面図である。
【図４】本発明による第１実施例のオムツの製造方法を示す概略図である。
【図５】切欠きの別の実施例を示す図である。
【図６】接合の別の実施例を示す図である。
【図７】凹部の別の実施例を示す図である。
【図８】脚回りシート及び股部分の別の実施例を示す図である。
【図９】切欠きの寸法を説明する図である。
【図１０】本発明による第２実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図１１】図１０のオムツの展開図である。
【図１２】図１１の線ＸＩＩ−ＸＩＩに沿ってみた断面図である。
【図１３】本発明による第２実施例のオムツの製造方法を示す概略図である。
【図１４】本発明による第３実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図１５】図１４のオムツの展開図である。
【図１６】使い捨てオムツの更に別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
図１、図２及び図３は本発明による第１実施例を示している。なお、図２において、Ｌはオムツ１の縦方向を、Ｔは縦方向に直交する横断方向を、それぞれ示している。
【００１１】
図１、図２及び図３を参照すると、使い捨てオムツ１は腹側部分４Ｆ、背側部分４Ｂ及び股部分４Ｃを備える。腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ着用時に着用者の腹側及び背側に位置する。
【００１２】
腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ長方形状をなしており、展開時に縦方向Ｌに互いに離間して配置される。また、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂにはそれぞれ、横断方向Ｔに互いにほぼ平行に延びる複数の弾性部材５Ｆ，５Ｂが設けられる。特に図３に示されるように、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂはそれぞれ互いに重ねられた２枚の液不透過性シートを備え、弾性部材５Ｆ，５Ｂはこれらシート間に伸長状態で配置されてこれらシートに固定される。
【００１３】
股部分４Ｃも長方形状をなし、縦方向Ｌに延びて横断方向中間位置において腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂに接合される。この場合、股部分４Ｃの縦方向周縁領域４ＣＦ，４ＣＢがそれぞれ腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＦＢ，４ＢＢに接合される。その結果、股部分４Ｃは着用時に着用者の股部に位置する。
【００１４】
この股部分４Ｃは、例えば、液不透過性のバックシートと、バックシートに保持された吸収体とを備える。吸収体は例えば繊維集合体及び高吸収ポリマー粒子を備える。
【００１５】
オムツ１は更に、概ね四角形状の一対の脚回りシート６Ｌ，６Ｒを備え、すなわち図１及び図２において股部分４Ｃの左側に位置する左方脚回りシート６Ｌと、股部分４Ｃの右側に位置する右方脚回りシート６Ｒとを備える。脚回りシート６Ｌ，６Ｒは伸長性又は伸縮性を有し、好ましくは伸縮性を有する。
【００１６】
脚回りシート６Ｌ，６Ｒの伸度は好ましくは１４０％以上であり、さらに好ましくは１８０％以上である。ここで、シート材の伸度は次のようにして求められる。すなわち、自然状態にあるシート材に５０ｍｍの線分を描き、次いでシート材を引っ張って伸長させ、完全に伸長したときの線分の長さＢ（ｍｍ）を測定する。次いで、次式を用いて伸度が算出される。
【００１７】
伸度＝Ｂ／５０ｘ１００（％）
【００１８】
更に、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは液不透過性、撥水性、及び通気性のうち少なくとも一つを有する。
【００１９】
脚回りシートは伸長性シート又は伸縮性シートから構成できる。伸長性シートとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂フィルムに、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。一方、伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布、伸縮繊維からなる不織布に、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。
【００２０】
左方脚回りシート６Ｌの縦方向周縁領域６ＬＦ，６ＬＢは股部分４Ｃの左方においてそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢに接合される。また、左方脚回りシート６Ｌの内方側縁領域６ＬＩは、股部分４Ｃの左方側縁領域４ＣＬに接合される。その結果、股部分４Ｃの左方において腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７Ｌに左方脚回りシート６Ｌが配置される。
【００２１】
同様に、右方脚回りシート６Ｒの縦方向周縁領域６ＲＦ，６ＲＢは股部分４Ｃの右方においてそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢ及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢに接合される。また、右方脚回りシート６Ｒの内方側縁領域６ＲＩは、股部分４Ｃの右方側縁領域４ＣＲに接合される。その結果、股部分４Ｃの右方において腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７Ｒに右方脚回りシート６Ｒが配置される。
【００２２】
ここで、腹側部分４Ｆ，背側部分４Ｂ，股部分４Ｃ，左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒは例えばホットメルト接着剤Ａ（図３）でもって、互いに接合される。
【００２３】
特に図２に示されるように、オムツ１は展開時に、その両側縁１ＬＥ，１ＲＥからそれぞれ内方に向かう凹部１ＤＬ，１ＤＲを有する。本発明による第１実施例では、左方脚回りシート６Ｌは外方側縁６ＬＯＥから内方に向かう切欠き６ＬＣを有し、右方脚回りシート６Ｒは外方側縁６ＲＯＥから内方に向かう切欠き６ＲＣを有しており、上述の凹部１ＤＬ，１ＤＲはこれら切欠き６ＬＣ，６ＲＣによって画定される。なお、本発明による第１実施例では、切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、縦方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【００２４】
その上で、凹部１ＤＬないし切欠き６ＬＣの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦと、凹部１ＤＲないし切欠き６ＬＣの背側開始端６ＬＣＢに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＢとが互いに接合される。また、腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。
【００２５】
同様に、切欠き６ＲＣの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦと、切欠き６ＲＣの背側開始端６ＲＣＢに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＢとが互いに接合される。また、腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＦＲと背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００２６】
その結果、図１に示されるように、左方脚回りシート６Ｌによって左方脚回り開口１ＬＬが画定され、右方脚回りシート６Ｒによって右方脚回り開口１ＬＲが画定される。また、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂによって一つの胴回り開口１Ｗが画定される。
【００２７】
ここで、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ、右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢ、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＦＬ，４ＢＬ及び右方側縁領域４ＦＲ，４ＢＲはそれぞれ、例えばソニックシールによってそれぞれ接合され、したがって再接合不能にそれぞれ接合される。その結果、オムツ１はパンツ形状をなしている。
【００２８】
本発明による第１実施例では、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの周長又は内径が着用者の脚の周長又は内径よりも小さくなるように、切欠き６ＬＣ，６ＲＣないし凹部１ＤＬ，１ＤＲが形成されている。
【００２９】
着用時には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲに着用者の脚がそれぞれ通され、オムツ１が引き上げられる。この場合、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは着用者の脚の形状に応じて伸長する。したがって、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者に密着する。
【００３０】
しかも、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒがリング状をなしているので、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者の脚の全周にわたって密着し続けることができる。その結果、一対の脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲからのモレを確実に抑制することができる。また、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂから分離するのを抑制することもできる。
【００３１】
ここで、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢの縦方向長さＬＬＯ（図１）、及び右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢの縦方向長さＬＲＯ（図１）はそれぞれ、５ｍｍ以上であるのが好ましい。
【００３２】
脚回りシート６Ｌ，６Ｒは互いに直交する２方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましく、例えば縦方向Ｌ及び横断方向Ｔに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。脚回りシート６Ｌ，６Ｒは一方向にのみ伸長性又は伸縮性を有してもよく、切欠き６ＬＣ，６ＲＣが縦方向に延びる半楕円状の場合には、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは縦方向Ｌに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【００３３】
更に、本発明による第１実施例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの肌側面は平坦である。すなわち、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの肌側面にはシワが設けられていない。その結果、脚回りシート６Ｌ，６Ｒが線接触ではなく面接触の形で着用者に接するので、着用者に対する脚回りシート６Ｌ，６Ｒの密着性が高められる。
【００３４】
なお、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢの接合部、又は右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢの接合部を破壊することにより、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを調節することもできる。この場合、上述の接合部の接合強度は、６Ｎ／２５ｍｍから４０Ｎ／２５ｍｍが好ましく、８Ｎ／２５ｍｍから３０Ｎ／２５ｍｍが更に好ましい。接合部の破壊による脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさの調節を可能にしつつ、オムツ１の使用時における接合部の意図しない破壊を阻止できるからである。
【００３５】
図４は、本発明による第１実施例のオムツ１の製造方法を概略的に示している。なお、図４において、ＭＤは搬送方向を、ＣＤは搬送方向ＭＤに直交する直交方向を、それぞれ示している。
【００３６】
図４を参照すると、ステップＳ１１では、腹側部分４Ｆの連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分４Ｂの連続体Ｗ４Ｂが直交方向ＣＤに互いに離間されつつ、搬送方向ＭＤに搬送される。続くステップＳ１２では、股部分４Ｃが搬送方向ＭＤに離間されつつ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねられ、接合される。続くステップＳ１３では、最終的に脚回りシート６Ｌ，６Ｒを構成する脚回りシート材料Ｍ６が、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び互いに隣接する一対の股部分４Ｃに重ねられ、接合される。続くステップＳ１４では、脚回りシート材料Ｍ６に、最終的に切欠き６ＬＣ，６ＲＣを構成する貫通孔ＬＨが形成される。
【００３７】
続くステップＳ１５では、股部分４Ｃ及び脚回りシート材料Ｍ６が、搬送方向ＭＤにほぼ平行な折り畳み線ＦＬに沿って折り畳まれ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに重ねられる。続くステップＳ１６では、互いに隣接する一対の股部分４Ｃ同士の間において、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに接合され、互いに対面する脚回りシート材料Ｍ６の部分同士が互いに接合され、それにより、搬送方向ＭＤに離間されつつ接合部Ｊが形成される。続くステップＳ１７では、接合部Ｊを通る切断線ＣＬに沿って切断作用が行われる。その結果、互いに分離されたオムツ１が形成される。
【００３８】
なお、ステップＳ１２において、股部分４Ｃを構成するバックシートを腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに接合し、次いで股部分４Ｃを構成する吸収体をバックシートに接合するようにしてもよい。
【００３９】
また、ステップＳ１３において、脚回りシート材料Ｍ６を伸長状態で股部分４Ｃ等に接合してもよいし、逆に、伸長させることなく接合してもよい。
【００４０】
更に、ステップＳ１４において、貫通孔ＬＨがあらかじめ形成された脚回りシート材料Ｍ６を腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び股部分４Ｃに重ねて接合するようにしてもよい。
【００４１】
図５（Ａ），図５（Ｂ），図５（Ｃ），図５（Ｄ）は、切欠き６ＬＣ，６ＲＣの別の実施例を示している。切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、図５（Ａ）に示される例では半円状をなし、図５（Ｂ）に示される例では横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなし、図５（Ｃ）に示される例では縦方向中心線Ｃ−Ｃに関し非対称形状をなしている。また、図５（Ｄ）に示される例では切欠き６ＬＣ，６ＲＣはそれぞれ、スリットから構成される。
【００４２】
なお、図５（Ｂ）及び図５（Ｄ）に示される例において、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは少なくとも横断方向Ｔに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【００４３】
切欠き６ＬＣ，６ＲＣが図２に示されるように縦方向に長い場合には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲは着用者の鼠径部に位置することができる。この場合、着用者の外観を簡素化することができる。
【００４４】
一方、切欠き６ＬＣ，６ＲＣが図５（Ｂ）及び図５（Ｄ）に示されるように横断方向に長い場合には、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲは着用者の大腿部に位置することができる。この場合、着用者の動きのある部位が締め付けられるのを抑制しつつ、オムツ１により着用者の体を広範囲で覆うことができる。
【００４５】
いずれにしても、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲが着用者の脚よりも小さく形成されているので、着用時に脚回りシート６Ｌ，６Ｒが着用者の脚に確実に密着することができる。
【００４６】
上述した本発明による第１実施例では、左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ及び右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢはそれぞれ、再接合不能に接合される。しかしながら、これら外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢ及び外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢをそれぞれ、例えば接合具を用いて、再接合可能に接合することもできる。
【００４７】
すなわち、図６（Ａ）に示される例では、雄部材８Ｍ及び雌部材８Ｆを含む面ファスナのような接合具が設けられる。雄部材８Ｍは外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦに隣接しつつ外方に突出して設けられ、雌部材８Ｆは外方側縁領域６ＬＯＢ，６ＲＯＢに重なるように、背側部分４Ｂの外面に設けられる。
【００４８】
一方、図６（Ｂ）に示される例では、雄部材８Ｍは外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＲＯＦに重なるように脚回りシート６Ｌ，６Ｒの内面に設けられる。雌部材８Ｆは図６（Ａ）の例と同様である。
【００４９】
図６（Ａ）及び図６（Ｂ）に示される例でも、雄部材８Ｍと雌部材８Ｆとの重なりの程度を変更することによって、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを調節することができる。
【００５０】
図７（Ａ）及び図７（Ｂ）は凹部１ＤＬ，１ＤＲの別の実施例を示している。これまで述べてきた各実施例では、外方側縁領域６ＬＯＦ，６ＬＯＢが形成されるように左方脚回りシート６Ｌに切欠き６ＬＣが形成され、外方側縁領域６ＲＯＦ，６ＲＯＢが形成されるように右方脚回りシート６Ｒに切欠き６ＲＣが形成されている。これに対し、図７（Ａ）に示される例では外方側縁領域が形成されないように切欠き６ＬＣ，６ＲＣが形成され、これら切欠き６ＬＣ，６ＲＣによって凹部１ＤＬ，１ＤＲがそれぞれ画定される。
【００５１】
この場合、切欠き６ＬＣの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、切欠き６ＬＣの背側開始端６ＬＣＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。また、切欠き６ＲＣの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＲＬと、切欠き６ＲＣの背側開始端６ＲＣＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００５２】
図７（Ｂ）に示される例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは切欠きを有していない。しかしながら、脚回りシート６Ｌ，６Ｒの横断方向長さは間隙７Ｌ，７Ｒの横断方向長さよりも短い。したがって、凹部１ＤＬは脚回りシート６Ｌの外方側縁６ＬＯＥと、腹側部分４Ｆの下縁と、背側部分４Ｂの下縁とによって画定される。この場合、凹部１ＤＬの腹側開始端６ＬＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、凹部１ＤＬの背側開始端６ＬＣＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとが互いに接合される。また、凹部１ＤＲの腹側開始端６ＲＣＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＲＬと、凹部１ＤＲの背側開始端６ＲＣＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとが互いに接合される。
【００５３】
図８（Ａ）は脚回りシート６Ｌ，６Ｒの別の実施例を、図８（Ｂ）及び図８（Ｃ）は股部分４Ｃの別の実施例を示している。これまで述べてきた各実施例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの内面、すなわち着用者側に接合されている。これに対し、図８（Ａ）に示される例では、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。
【００５４】
図８（Ｂ）に示される例では、吸収体ＡＤは股部分４Ｃとは別個に設けられる。すなわち、股部分４Ｃはバックシートを備えるが、吸収体を備えていない。その上で、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。
【００５５】
一方、図８（Ｃ）に示される例では、バックシート及び吸収体を備える股部分４Ｃが、腹側部分４Ｆの外面４ＦＯ及び背側部分４Ｂの外面４ＢＯに接合される。また、脚回りシート６Ｌ，６Ｒは、腹側部分４Ｆを構成する２枚のシート同士の間、及び背側部分４Ｂを構成する２枚のシート同士の間に、それぞれ接合される。
【００５６】
次に、凹部１ＤＬ，１ＤＲないし切欠き６ＬＣ，６ＲＣの寸法について、図９を参照して説明する。本発明による第１実施例では、凹部１ＤＬ，１ＤＲの縦方向長さＬＮＤがオムツ１の縦方向長さＬＮ１の１／３以下であり（ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１）、かつ凹部１ＤＬ，１ＤＲの横断方向長さＷＤＤがオムツ１の横断方向長さＷＤ１の１／３以下である（ＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１）ように、凹部１ＤＬ，１ＤＲが形成される。
【００５７】
このようにすると、オムツ１によって着用者の体を十分に覆いながら、脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲの大きさを小さくすることができる。したがって、脚回りシート６Ｌ，６Ｒを着用者の脚に確実に密着させることができる。
【００５８】
このことは実験によっても確認されている。すなわち、子供用オムツ及び大人用オムツのように縦方向長さＬＮ１及び横断方向長さＷＤ１が互いに異なる複数のオムツについて、ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１かつＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１であるオムツと、ＬＮＤ＞（１／３）ＬＮ１又はＷＤＤ＞（１／３）ＷＤ１であるオムツとを用意した。これらオムツについてモレの発生頻度を確認したところ、ＬＮＤ≦（１／３）ＬＮ１かつＷＤＤ≦（１／３）ＷＤ１であるオムツでは低いモレ発生頻度が得られた。これに対し、ＬＮＤ＞（１／３）ＬＮ１又はＷＤＤ＞（１／３）ＷＤ１であるオムツでは高いモレ発生頻度が得られた。
【００５９】
図１０、図１１及び図１２は本発明による第２実施例を示している。図１０、図１１及び図１２を参照すると、第２実施例では単一の脚回りシート６が設けられる。この脚回りシート６は、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂとほぼ同じ横断方向長さを有する。
【００６０】
脚回りシート６の縦方向周縁領域６Ｆ，６Ｂはそれぞれ、腹側部分４Ｆの下縁領域４ＦＢのほぼ全体及び背側部分４Ｂの下縁領域４ＢＢのほぼ全体に接合される。その結果、腹側部分４Ｆと背側部分４Ｂとの間の間隙７に脚回りシート６が配置される。
【００６１】
特に図１１に示されるように、脚回りシート６は、側縁６ＯＥからそれぞれ内方に向かう一対の切欠き６Ｃを有する。本発明による第２実施例では、切欠き６Ｃはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【００６２】
その上で、切欠き６Ｃの腹側開始端６ＣＦに隣接する脚回りシート６の側縁領域６ＯＦと、切欠き６Ｃの背側開始端６ＣＢに隣接する脚回りシート６の側縁領域６ＯＢとがそれぞれ互いに接合される。
【００６３】
その結果、図１０に示されるように、脚回りシート６によって一対の脚回り開口１ＬＬ，１ＬＲが画定される。
【００６４】
図１３は、本発明による第２実施例のオムツ１の製造方法を概略的に示している。なお、図１３において、ＭＤは搬送方向を、ＣＤは搬送方向ＭＤに直交する直交方向を、それぞれ示している。
【００６５】
図１３を参照すると、ステップＳ２１では、腹側部分４Ｆの連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分４Ｂの連続体Ｗ４Ｂが直交方向ＣＤに互いに離間されつつ、搬送方向ＭＤに搬送される。続くステップＳ２２では、最終的に脚回りシート６Ｌ，６Ｒを構成する脚回りシート材料Ｍ６が、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねられ、接合される。続くステップＳ２３では、股部分４Ｃが搬送方向ＭＤに離間されつつ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ、背側部分連続体Ｗ４Ｂ、及び脚回りシート材料Ｍ６に重ねられ、接合される。続くステップＳ２４では、脚回りシート材料Ｍ６に、最終的に切欠き６ＬＣ，６ＲＣを構成する貫通孔ＬＨが形成される。
【００６６】
続くステップＳ２５では、股部分４Ｃ及び脚回りシート材料Ｍ６が、搬送方向ＭＤにほぼ平行な折り畳み線ＦＬに沿って折り畳まれ、腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂが互いに重ねられる。続くステップＳ２６では、互いに隣接する一対の股部分４Ｃ同士の間に、搬送方向ＭＤに離間されつつ接合部Ｊが形成される。続くステップＳ２７では、接合部Ｊを通る切断線ＣＬに沿って切断作用が行われる。その結果、互いに分離されたオムツ１が形成される。
【００６７】
なお、ステップＳ２２，Ｓ２３に関し、あらかじめ脚回りシート材料Ｍ６に股部分４Ｃを接合し、次いで腹側部分連続体Ｗ４Ｆ及び背側部分連続体Ｗ４Ｂに重ねるようにしてもよい。
【００６８】
本発明による第２実施例では、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂ両方に接合される。しかしながら、股部分４Ｃは腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの一方に接合されてもよく、又は両方に接合されなくてもよい。
【００６９】
本発明による第２実施例のその他の構成及び作用は第１実施例の構成及び作用と同様である。
【００７０】
図１４及び図１５は本発明による第３実施例を示している。図１４及び図１５を参照すると、本発明による第３実施例では、第１実施例と同様に、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒが設けられる。しかしながら、左方脚回りシート６Ｌ及び右方脚回りシート６Ｒには切欠きが設けられていない。したがって、オムツ１の両側縁に凹部が設けられていない。
【００７１】
その上で、左方脚回りシート６Ｌの腹側縦方向周縁領域６ＬＦ内又はこれに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＦＦと、左方脚回りシート６Ｌの背側縦方向周縁領域６ＬＢ内又はこれに隣接する左方脚回りシート６Ｌの外方側縁領域６ＬＯＢＢとが互いに接合される。このとき、互いに接合された外方側縁領域６ＬＯＦＦ，６ＬＯＢＢ同士間の中間領域６ＬＸは接合されないまま残される。このようにして左方脚回り開口１ＬＬが画定される。
【００７２】
同様に、右方脚回りシート６Ｒの腹側縦方向周縁領域６ＲＦ内又はこれに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＦＦと、右方脚回りシート６Ｒの背側縦方向周縁領域６ＲＢ内又はこれに隣接する右方脚回りシート６Ｒの外方側縁領域６ＲＯＢＢとが互いに接合される。このとき、互いに接合された外方側縁領域６ＲＯＦＦ，６ＲＯＢＢ同士間の中間領域６ＲＸは接合されないまま残される。その結果、右方脚回り開口１ＬＲが画定される。
【００７３】
このようにすると、切欠きを形成する必要がなく、トリムが発生しない。
【００７４】
左方脚回りシート６Ｌの腹側縦方向周縁領域６ＬＦに隣接する腹側部分４Ｆの左方側縁領域４ＦＬと、左方脚回りシート６Ｌの背側縦方向周縁領域６ＬＢに隣接する背側部分４Ｂの左方側縁領域４ＢＬとを互いに接合し、右方脚回りシート６Ｒの腹側縦方向周縁領域６ＲＦに隣接する腹側部分４Ｆの右方側縁領域４ＦＲと、右方脚回りシート６Ｒの背側縦方向周縁領域６ＲＢに隣接する背側部分４Ｂの右方側縁領域４ＢＲとを互いに接合してもよい。
【００７５】
なお、本発明による第３実施例のその他の構成及び作用は第１実施例の構成及び作用と同様である。
【００７６】
これまで述べてきた各実施例では、腹側部分４Ｆ、背側部分４Ｂ及び股部分４Ｃは互いに別個の部材から構成される。しかしながら、図１６に示されるように、腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂと、バックシートから構成される股部分４Ｃとを共通のシート材から構成し、このシート材上に吸収体ＡＤを配置してもよい。なお、図１６では脚回りシート６Ｌ，６Ｒは省略してある。
【００７７】
また、股部分４Ｃ又は吸収体の横断方向両側に防漏部材をそれぞれ設けてもよい。各防漏部材は例えば、吸収体の横断方向側縁から横断方向外向きに拡がるシートを備え、これらシートの外端には、縦方向に延びる弾性部材が設けられる。その結果、モレを確実に抑制することができる。
【００７８】
更に、これまで述べてきた各実施例を互いに組み合わせることもできる。すなわち、例えば、本発明による第２及び第３実施例において、図８（Ａ）のように脚回りシートを腹側部分４Ｆ及び背側部分４Ｂの外面に接合することもできる。
【符号の説明】
【００７９】
１ 使い捨てオムツ
１ＬＬ，１ＬＲ 脚回り開口
４Ｆ 腹側部分
４Ｂ 背側部分
４Ｃ 股部分
６Ｌ，６Ｒ 脚回りシート
６ＬＣ，６ＲＣ 切欠き
６ＬＯＦ，６ＬＯＢ，６ＲＯＦ，６ＲＯＢ 外方側縁領域
【特許請求の範囲】
【請求項１】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、
一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、
他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、
オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項２】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、
脚回りシートの縦方向周縁領域はそれぞれ、腹側部分の下縁領域のほぼ全体及び背側部分の下縁領域のほぼ全体に接合され、それにより、腹側部分と背側部分との間の間隙に脚回りシートが配置され、
オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項３】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、
一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、
他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、
一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、互いに接合された側縁領域同士間の中間領域はそれぞれ接合されないまま残され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項４】
脚回りシートはそれぞれ、外方側縁からそれぞれ内方に向かう切欠きを有し、これら切欠きによって前記凹部が画定され、切欠きの腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、切欠きの背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合される、請求項１に記載の使い捨てオムツ。
【請求項５】
脚回りシートは、その両側縁からそれぞれ内方に向かう一対の切欠きを有し、これら切欠きによって前記凹部が画定され、切欠きの腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、切欠きの背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合される、請求項２に記載の使い捨てオムツ。
【請求項６】
一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域とが互いに接合される、請求項３に記載の使い捨てオムツ。
【請求項７】
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ、再接合不能に互いに接合される、請求項１から６までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項８】
腹側部分及び背側部分の側縁領域同士がそれぞれ再接合不能に互いに接合され、それにより前記オムツがパンツ形状をなしている、請求項１から７までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項９】
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ、再接合可能に互いに接合される、請求項１から６までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１０】
着用時に脚回り開口が着用者の大腿部に位置するように脚回りシートが形成されている、請求項１から９までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１１】
脚回りシートは、互いに直交する２方向に伸長性又は伸縮性を有する、請求項１から１０までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１２】
脚回りシートの肌側面が平坦である、請求項１から１１までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１３】
脚回り開口の大きさが調節可能である、請求項１から１２までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１４】
脚回りシートが液不透過性を有する、請求項１から１３までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１５】
脚回りシートが撥水性を有する、請求項１から１４までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１６】
腹側部分及び背側部分はそれぞれ、ほぼ横断方向に互いに平行に延びる複数の弾性部材を備える、請求項１から１５までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、
一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、
他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、
オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項２】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、
脚回りシートの縦方向周縁領域はそれぞれ、腹側部分の下縁領域のほぼ全体及び背側部分の下縁領域のほぼ全体に接合され、それにより、腹側部分と背側部分との間の間隙に脚回りシートが配置され、
オムツは展開時に、その両側縁からそれぞれ内方に向かう凹部を有し、
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項３】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、
腹側部分と背側部分と股部分とを備え、腹側部分及び背側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて腹側部分及び背側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシートを備え、
一方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の一側において腹側部分と背側部分との間の間隙に一方の脚回りシートが配置され、
他方の脚回りシートの縦方向周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、腹側部分の下縁領域及び背側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に接合され、それにより、股部分の他側において腹側部分と背側部分との間の間隙に他方の脚回りシートが配置され、
一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは腹側部分の側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域もしくは背側部分の側縁領域とが互いに接合され、互いに接合された側縁領域同士間の中間領域はそれぞれ接合されないまま残され、それにより、一対の脚回り開口が画定される、
使い捨てオムツ。
【請求項４】
脚回りシートはそれぞれ、外方側縁からそれぞれ内方に向かう切欠きを有し、これら切欠きによって前記凹部が画定され、切欠きの腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、切欠きの背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合される、請求項１に記載の使い捨てオムツ。
【請求項５】
脚回りシートは、その両側縁からそれぞれ内方に向かう一対の切欠きを有し、これら切欠きによって前記凹部が画定され、切欠きの腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、切欠きの背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ互いに接合される、請求項２に記載の使い捨てオムツ。
【請求項６】
一方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域と、一方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する一方の脚回りシートの外方側縁領域とが互いに接合され、他方の脚回りシートの腹側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域と、他方の脚回りシートの背側縦方向周縁領域内の外方側縁領域又はこれに隣接する他方の脚回りシートの外方側縁領域とが互いに接合される、請求項３に記載の使い捨てオムツ。
【請求項７】
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ、再接合不能に互いに接合される、請求項１から６までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項８】
腹側部分及び背側部分の側縁領域同士がそれぞれ再接合不能に互いに接合され、それにより前記オムツがパンツ形状をなしている、請求項１から７までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項９】
凹部の腹側開始端に隣接する脚回りシート又は腹側部分と、凹部の背側開始端に隣接する脚回りシート又は背側部分とがそれぞれ、再接合可能に互いに接合される、請求項１から６までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１０】
着用時に脚回り開口が着用者の大腿部に位置するように脚回りシートが形成されている、請求項１から９までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１１】
脚回りシートは、互いに直交する２方向に伸長性又は伸縮性を有する、請求項１から１０までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１２】
脚回りシートの肌側面が平坦である、請求項１から１１までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１３】
脚回り開口の大きさが調節可能である、請求項１から１２までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１４】
脚回りシートが液不透過性を有する、請求項１から１３までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１５】
脚回りシートが撥水性を有する、請求項１から１４までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項１６】
腹側部分及び背側部分はそれぞれ、ほぼ横断方向に互いに平行に延びる複数の弾性部材を備える、請求項１から１５までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【公開番号】特開２０１２−１４３３０５（Ｐ２０１２−１４３３０５Ａ）
【公開日】平成２４年８月２日（２０１２．８．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１６１（Ｐ２０１１−２１６１）
【出願日】平成２３年１月７日（２０１１．１．７）
【出願人】（０００１１５１０８）ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月２日（２０１２．８．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月７日（２０１１．１．７）
【出願人】（０００１１５１０８）ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Ｆターム（参考）】
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