説明

使い捨てブラシ

【課題】基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、各突起の高さを高くしても、十分且つ均一な座屈強度を確保でき、ブラッシング性能の優れた使い捨てブラシを提供すること。
【解決手段】基板2及び該基板2の一面2Sに該基板2の一部を突出させて形成した多数の突起3、3・・・を有する使い捨てブラシにおいて、前記基板2の中央部21に位置する複数の突起3A、3A・・・それぞれの基面3Sの面積S1が、該基板2の周縁部22近傍に位置する複数の突起3C、3C・・・それぞれの基面3Sの面積S3より大きく、前記突起3、3・・・は、前記基板2の中央部21における配置密度T1が、該基板2の周縁部22近傍における配置密度T2よりも疎になるように配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシに関し、特に、長い毛を有するペットのブラッシングに好適な使い捨てブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、不織布、プラスチックフィルム、紙等の基板の一面に、突き出し成形(絞り成形)により、該基板の一部を突出させて多数の突起を形成してある使い捨てブラシとして、種々のものが提案されている(特開平11−332650号公報等参照)。
【0003】
このような使い捨てブラシは、ペット、絨毯、毛皮等のブラッシング等のブラッシング対象物に用いられており、該使い捨てブラシの突起には、使用中における「先端部から基部方向への圧縮力による座屈に対する強度」(以下、座屈強度という)が要求される。
【0004】
【特許文献1】特開平11−332650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、突き出し成形により形成される突起は、その高さが高いと前記座屈強度が低下するため、前記使い捨てブラシにおいては、十分な座屈強度を確保できる程度に突起の高さが比較的低くなされており、なおかつ、各突起が等面積、等間隔に形成されていた。
このように、従来の使い捨てブラシは、突起の高さが低いため、ブラッシング性能が十分ではなく、特に、ブラッシング対象物が長い毛を有している場合には、ブラッシング性能の不足が顕著であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、各突起の高さを高くしても、十分且つ均一な座屈強度を確保でき、ブラッシング性能の優れた使い捨てブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、前記基板の中央部に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積が、該基板の周縁部近傍に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積より大きい使い捨てブラシ(以下、「第1発明」という)を提供することにより、前記の目的を達成したものである。
また、本発明は、基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、前記突起は、前記基板の中央部における配置密度が、該基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設されている使い捨てブラシ(以下、「第2発明」という)を提供することにより、前記の目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の使い捨てブラシによれば、各突起の高さを高くしても、十分且つ均一な座屈強度を確保でき、ブラッシング性能が優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1発明の使い捨てブラシの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の使い捨てブラシ1は、図1及び図2に示すように、基板2及び該基板2の一面2Sに該基板2の一部を突出させて形成した多数の突起3、3・・・を有する使い捨てブラシにおいて、前記基板2の中央部21に位置する複数の前記突起3(3A)それぞれの基面3Sの面積S1が、該基板2の周縁部22近傍に位置する複数の前記突起3(3C)それぞれの基面3Sの面積S3より大きくなっている。
【0010】
本実施形態の使い捨てブラシ1について詳述すると、不織布からなる基板2の一面2Sに周縁部22を余して、36個の突起3、3・・・が形成されている。この突起3、3・・・は、基板2の一部をいわゆる突き出し成形(絞り成形)により突出させて形成され、図3に示すように、内部が中空の山形状をしている。
36個の突起3は、その高さはそれぞれ等しいが、該突起3の基面の面積が、基板2における周縁部22近傍から中央部21に向かうにつれて、大きくなされている。即ち、図2に示すように、基板2における周縁部22近傍の12個の突起3Cの基面の面積S3、該突起3Cの中央部21寄りに位置する14個の突起3Bの基面の面積S2、基板2の中央部21に位置する10個の突起3Aの基面の面積S1の順で、基面の面積が大きくなされている(S3<S2<S1)。
【0011】
本発明の使い捨てブラシにおける「突起の基面の面積」は、図2及び図4に示すように、使い捨てブラシ1を平面視した場合に基板2の表面(一面)2Sと突起3(3A、3B、3C)との境界線Nで囲まれる面積をいい、本実施形態においては、突起3の基面は平面視で円形である。
【0012】
本発明の使い捨てブラシにおける「基板の中央部に位置する突起」は、基板の中央部に設けられた突起をいい、本実施形態においては、基板2の中央部21の10個の突起3Aをいい、通常、1〜30個程度設けられる。また、「基板の周縁部近傍に位置する突起」は、基板の周縁部近傍に設けられた突起をいい、本実施形態においては、基板2の最外周部に位置する12個の前記突起3C及び6個の前記突起3Bをいい、通常、10〜50個程度設けられる。更に、基板の中央部と周縁部近傍との間の領域においても、8個の前記突起3Bが設けられており、このような突起は、通常、4〜30個程度設けられる。
【0013】
本実施形態の使い捨てブラシ1においては、基板の周縁部近傍における前記突起3Cの基面の面積は、好ましくは0.2〜2.8cm2、更に好ましくは、0.4〜0.9cm2であり、基板の周縁部近傍における前記突起3Bの基面の面積は、好ましくは0.4〜4.0cm2、更に好ましくは、0.9〜1.3cm2である。また、基板の中央部における突起3Aの基面の面積は、好ましくは0.6〜7.5cm2、更に好ましくは、1.3〜1.8cm2である。
【0014】
本実施形態においては、突起の基面の面積の大きさを3種類(S1、S2、S3)としているが、本発明においては、突起の基面の面積の大きさを2種類又は4種類以上にしてもよい。
また、本発明の使い捨てブラシにおいては、基板の中央部における突起は、本実施形態のようにその基面の面積が等しく形成されていてもよく、基面の面積が異なるものが混在していてもよい。同様に、基板の周縁部近傍における突起は、本実施形態のようにその基面の面積が異なるもの(突起3B、3C)が混在していてもよく、基面の面積が等しく形成されていてもよい。
本実施形態のように、突起が、基板の中央部と周縁部近傍との間の領域に形成されていてもよく、そのような突起が設けられていなくてもよい。
【0015】
突起3の形状について詳述すると、基板2の中央部21に位置する突起3Aは、図4に示すように、円錐台31の上面31Cに、該上面31Cと等しい形状の底面32Aを有し、該底面32Aに対する周面32Bの角度φ2が該円錐台(高さ2mm〜15mm)31における周面31Bの底面31Aに対する角度φ1より大きい円錐状体(高さ1mm〜15mm)32を、該上面31Cと該底面32Aとを一致させて結合した形状である(φ1>φ2)。
ここで、円錐台31及び円錐状体32の形状は、幾何学的な意味での円錐台及び円錐状体(円錐)の形状に限定されず、デザイン上、製造上等の観点から適宜形状を変更した場合も含まれ、例えば、本実施形態のように、円錐台31の周面31Bの下部が丸みを帯びた形状である場合、円錐状体32の頂点が丸みを帯びている場合等が含まれる。
【0016】
基板の周縁部22近傍における前記突起3C、及び該突起3Cと基板の中央部における前記突起3Aとの間に位置する前記突起3Bの形状は、図1に示すように、前記突起3Aと高さが等しく、前記突起3Aより基面の面積が小さい分、全体形状が該突起3Aと類似して細くなった形状となっている。
【0017】
本実施形態においては、全ての突起が高さを等しく構成されているが、本発明においては、一部の突起の高さが異なるように構成することもできる。
突起の形状は、本実施形態のような円錐台の上に円錐状体が結合した形状以外にも、円錐形、三角錐形、四角錘形等とすることができ、突起の周面が若干の丸みを帯びていてもよい。
【0018】
本実施形態の使い捨てブラシ1における基板2は、図2に示すように、平面視において、陸上競技のトラック形状で、長手方向両端側縁に位置する周縁部22の一方には、略半円弧状の切り込み23が形成され、該周縁部22の他方には、略四半円弧状の切り込み24、24が形成されている。
基板は、使用者の手に挿着するタイプの使い捨てブラシであれば、長手方向中央部の長さが50〜180mmで、短手方向中央部の長さが40〜120mmの前記トラック形状のものが好ましく、その他、用途に応じて大きさを適宜変更し得る。
【0019】
本実施形態の使い捨てブラシ1を、突起の配置密度について詳述すると、本実施形態の使い捨てブラシ1においては、突起3の配置密度が基板2の中央部21と周縁部22近傍とで異なっている。即ち、前記突起3は、図2に示すように、前記基板2の中央部21における配置密度T1が、該基板2の周縁部22近傍における配置密度T2よりも疎になるように配設されている(T1<T2)。
【0020】
本発明の使い捨てブラシにおいては、基板の周縁部近傍における突起の配置密度は、好ましくは0.4〜0.8個/cm2、更に好ましくは0.5〜0.7個/cm2であり、基板の中央部における突起の配置密度は、好ましくは0.1〜0.6個/cm2、更に好ましくは0.25〜0.35個/cm2である。
本発明における「突起の配置密度」は、基板単位面積あたりの突起の個数であり、突起の頂点間の間隔の大小で、突起の配置密度の大小を評価することができる。
【0021】
本発明の使い捨てブラシにおける基板の素材は、使い捨てブラシの用途に合わせて選定され、例えば、吸水性機能を必要とする場合は前記実施形態のように不織布とし、吸収性が不要で、掻き取り性能及び突起の座屈強度が必要な場合は、厚手のプラスチックフィルム材とすることができ、紙を素材とすることもできる。
【0022】
本実施形態の使い捨てブラシ1においては、基板2は、不織布から形成されているが、好ましい不織布としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サクション不織布、ヒートボンド不織布、メルトブローン不織布、及びニードルパンチ不織布等が挙げられる。これらの不織布の坪量は、好ましくは50〜500g/m2、更に好ましくは300〜400g/m2である。
【0023】
不織布を形成する繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)の単独繊維若しくは2以上の混合繊維、及びこれらの繊維から形成された芯鞘構造複合繊維、サイドバイサイド構造等を有する複合繊維等が挙げられ、特に、突起の成形性、及び高嵩高さ性等の点から芯鞘構造複合繊維が好ましい。
また、不織布を形成する繊維の直径は、突起3に適度な座屈強度を与える上で、1〜100デニールが好ましい。
【0024】
基板の素材としてプラスチックフィルム材を用いる場合は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等からなるものが好ましい。
【0025】
本実施形態の使い捨てブラシは、例えば、下記の如き製造方法により製造される。
まず、繊維をカットした後、カード機でウェブを形成し、更にヒートロールを通して不織布を製造する。
次に、得られた不織布を適当な幅にスリットした後、雌雄金型を用いてこの不織布をプレスすることにより一個の使い捨てブラシ分の突起3,3・・に相当する部分を該不織布上に複数形成する。また金型の温度は120〜250゜C、プレス圧は0.5〜20kgf/cm2、プレス時間は3〜15秒が、それぞれ好ましい。
次に、プレス処理された不織布を、使い捨てブラシ1個分の突起3,3・・が本実施形態の如く内部に位置して形成されるように、基板2をカットして、本実施形態の使い捨てブラシ1を得る。
【0026】
本実施形態の使い捨てブラシ1は、例えば、以下に示すように使用することができる。即ち、本実施形態の使い捨てブラシ1は、図5に示すように、基板2の周縁部22を切り込み23、24及び24に沿ってめくり上げ、先ず、半円弧状の切り込み23に人差し指、中指、薬指及び小指を通し、続けて、四半円弧状の一方の切り込み24に人差し指を通し、他方の切り込み24に薬指を通すようにして、使用者の手に挿着してブラッシング等に使用することができる。
【0027】
本実施形態の使い捨てブラシ1は、前述したように、基板の中央部における突起の基面の面積を基板の周縁部近傍における突起の基面の面積より大きくし、更に、突起を、基板の中央部における配置密度が基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設することにより、各突起の高さが3〜20mmのものを容易に形成することができる。本実施形態の使い捨てブラシ1によれば、このように各突起の高さを高くしても、十分且つ均一な座屈強度が確保されているため、ブラッシング性能が高く、ブラッシング対象物が長い毛を有している場合にも好適である。
【0028】
突起の基面の面積の大きさの違いによる、突起の座屈強度、坪量及び吸水量(以下、これらを合わせて「突起の諸性能」という)への影響について確認するために、基板の素材及び厚さ等並びに突起の形状(円錐形)、高さ、基面の面積の大きさ及び配置密度等が同じ使い捨てブラシの試験品1−1、1−2、1−3(本発明品ではない)を作成し、それぞれ突起の諸性能を測定し、比較した。
【0029】
前記試験品1−1〜1−3は、基板として、ポリエステル短繊維からなり、坪量300g/m2のスパンボンド不織布を用い、突き出し成形により、高さが11mmの円錐形の突起を、図6に示すように32個形成してあるものである。
突起の頂点の間隔は、図6に示す間隔aを15mm、間隔bを18mmとしてある。
前記試験品1−1〜1−3は、突起の基面(円形)の直径が、それぞれ、10mm、12mm及び14mmとなっている点が異なる。
【0030】
各試験品について、基板の中央部及び周縁部近傍における突起に対し、前記突起の諸性能を測定した結果を下記〔表1〕に示す。
ここで、突起の座屈強度の測定は、次の方法によった。
〔座屈強度の測定方法〕
(株)オリエンテック製テンシロンRTM25において、最大荷重50Nのロードセルを用いヘッドスピード100mm/min.の圧縮条件下で得られた荷重と変位の関係図の中で、測定開始後最初のピークをその突起の座屈強度とした(n=10の平均値。それぞれ突起1個について測定。)。
【0031】
【表1】

【0032】
上記〔表1〕に示される測定結果から、基板の中央部における突起は、基板の周縁部近傍の突起と比べ、座屈強度、坪量及び吸収量の何れも劣っていることがわかり、また、突起の基面の面積(直径)が大きい程、突起の諸性能が優れていることがわかる。
【0033】
基板の中央部における突起が、基板の周縁部近傍の突起と比べ、突起の諸性能の劣っている理由は、以下のように説明することができる。即ち、突き出し成形は、基板を雄型で押し込み、突起状に突き出すことにより成形を行うが、このときに基板に加えられる力により基板に応力が生じ、この応力により基板が変形して突起が形成される。
ここで、基板の中央部においては、一の突起が他の突起により包囲されているため、該他の突起による応力の影響により基板に加わる応力が大きくなるのに対し、基板の周縁部近傍においては、一の突起の周囲に他の突起のない部分があるため、基板に加わる応力が弱くなっている。そのため、基板の中央部に形成された突起は、基板の周縁部近傍に形成された突起より、座屈強度、坪量及び吸収量の何れもが劣ることになる。
【0034】
そして、前述したように、突起の基面の面積が大きい程、突起の諸性能が優れているのであるから、「基板の中央部に位置する複数の突起それぞれの基面の面積が、該基板の周縁部近傍に位置する複数の突起それぞれの基面の面積より大きい」ように基板に突起を形成すれば、突起の諸性能を向上できることがわかる。
【0035】
次に、突起の配置密度の違いによる、突起の諸性能への影響について確認するために、基板の素材及び厚さ等並びに突起の形状(円錐形)、高さ、基面の面積の大きさ及び配置密度等が同じ使い捨てブラシの試験品2−1、2−2(本発明品ではない)を作成し、それぞれ突起の諸性能を測定し、比較した。
【0036】
試験品2−1、2−2は、円錐形の突起(高さが11mm、基面の直径が14mmの円形)を、図6に示すように32個形成してあるものであり、特に説明しない点については、前記試験品1−1〜1−3と同じものである。
突起の頂点の間隔は、図6に示す間隔a及びbを、試験品2−1においては、それぞれ12mm、14mmとしてあり、試験品2−2においては、それぞれ15mm、18mmとしてある。尚、試験品2−2は、前記試験品1−1と同じものである。
各試験品について、基板の中央部及び周縁部近傍における突起に対し、前記突起の諸性能を測定した結果を下記〔表2〕に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
上記〔表2〕に示される測定結果から、突起の配置密度が疎、即ち、突起の頂点間の距離が広い場合ほど、突起に単位面積あたりに発生する応力が緩和されて、突起の諸性能が優れていることがわかり、従って、基板の周縁部近傍から中央部に向けて突起の配置密度を疎にすると、突起の諸性能を向上させ、均一化できることがわかる。
【0039】
次に、本発明の使い捨てブラシの実施品に対して、前記試験品と同じ測定を行った結果を示す。ここで、本実施品においては、基面(円形)の面積を3種類(基面の直径が10mm、12mm、14mm)に異にする突起が図7に示すように配設されており、前述した本発明の実施形態とは、突起3Bに相当する突起が4本少ない以外は同様の形態を有しており、特に説明しない点については、前記試験品と同じものである。
【0040】
【表3】

【0041】
上記〔表3〕並びに上記〔表1〕及び〔表2〕に示される測定結果から、基板の中央部における突起の基面の面積を基板の周縁部近傍における突起の基面の面積より大きくすると共に、突起を、基板の中央部における配置密度が基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設すると、突起の諸性能を一層向上させることができ、しかも、突起の諸性能が、基板の中央部及び周縁部近傍でほぼ等しく、均一化されることがわかる。
【0042】
本発明の第2発明の使い捨てブラシは、第1発明の必須構成要件「前記基板の中央部に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積が、該基板の周縁部近傍に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積より大きい」を必須構成要件とせず、第1発明の前記実施形態が具備する要件「前記突起は、前記基板の中央部における配置密度が、該基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設されている」を必須構成要件とする発明である。従って、本発明の第1発明の前記実施形態は、第2発明の実施形態でもあり、前記実施形態について説明は、本発明の第2発明に関しても適用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の使い捨てブラシの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の使い捨てブラシの一実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の使い捨てブラシの一実施形態における突起の断面図である。
【図4】本発明の使い捨てブラシの一実施形態における突起の拡大図である。
【図5】本発明の使い捨てブラシの一使用形態を示す斜視図である。
【図6】突起の諸性能を確認するための使い捨てブラシの試験品を示す平面図である。
【図7】突起の諸性能を確認するための本発明の使い捨てブラシの実施品を示す平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 使い捨てブラシ
2 基板
21 中央部
22 周縁部
23,24 切り込み
2S 一面
3,3A,3B,3C 突起
31 円錐台
32 円錐状体
3S 基面
J 使用者の手


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、
前記基板の中央部に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積が、該基板の周縁部近傍に位置する複数の前記突起それぞれの基面の面積より大きい使い捨てブラシ。
【請求項2】
前記突起の基面の面積が、前記基板における周縁部近傍から中央部に向かうにつれて、大きくなされている請求項1に記載の使い捨てブラシ。
【請求項3】
前記突起は、前記基板の中央部における配置密度が、該基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設されている請求項1又は2に記載の使い捨てブラシ。
【請求項4】
基板及び該基板の一面に該基板の一部を突出させて形成した多数の突起を有する使い捨てブラシにおいて、
前記突起は、前記基板の中央部における配置密度が、該基板の周縁部近傍における配置密度よりも疎になるように配設されている使い捨てブラシ。
【請求項5】
前記突起の配置密度が、前記基板における周縁部近傍から中央部に向かうにつれて、疎になされている請求項4に記載の使い捨てブラシ。
【請求項6】
前記突起は、円錐台の上面に、該上面と等しい形状の底面を有し、該底面に対する周面の角度が該円錐台における該角度より大きい円錐状体を、該上面と該底面とを一致させて結合した形状である請求項1〜5の何れかに記載の使い捨てブラシ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−61723(P2006−61723A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332738(P2005−332738)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【分割の表示】特願2001−11687(P2001−11687)の分割
【原出願日】平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】