説明

使い捨て化粧用品

【課題】水性の化粧品用組成物を含浸させた、水に不溶の基体を含む使い捨て化粧用品の提供。
【解決手段】該基体は浸透性のものであり、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維は、基体の同じ層に配され、基体の第1面は、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも実質的に大きな親水性度を有するように配され、第1面は基体の外側にある。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、特に皮膚、粘膜、毛髪又は頭皮のための、化粧品用組成物を含浸させた使い捨て製品(化粧用品)に関する。
【0002】
使い捨て可能で予め含浸されたワイプ等のタイプの化粧用品は、それらの実用性の故によく知られている。それらは、液状の化粧品用組成物を含浸させた、一般的に不織布である水に不溶の基体シートからなる。それらは使用準備が整っている。不織布は使い捨てに適切な形式に切断され、正に必要量の化粧品が含浸される。
数個から数ダースの製品を収容し得る可撓性のパケットに包装されると、容易に持ち運びでき、どこでも使用できるようになる。それらは不織布で作製されているため、許容可能なコストで工業的に容易に生産することができ、使用に最も適した多様な形状にすることもできる。
【0003】
ワイプに使用される不織布の基体は一般的に繊維網であって、その繊維密度及び組成はその厚み全体を通して均質であり、その基体の2つの面は同様の繊維組成を有している。使用される繊維は、一般的にそのほとんどはポリプロピレン又はテレフタラートポリエステルである「疎水性」繊維と、そのほとんどが綿又はビスコース等のセルロースベースである「親水性」繊維の混合物である。よって、化粧品用組成物は基体の厚み全体に均質に含浸され、皮膚又は毛髪にワイプを使用している間、組成物は製品の2つの面を通して、同等に、かつ非優先的な方式で放出される。
【0004】
よって、使用者がワイプを手で取り出し、それを顔、体又は毛髪に通過させた場合、その内容物は、処理される領域と同じ程度の多くの量が、手においても放出される。このことは、他の従来からの適用様式と比較した場合の主な欠点として理解されている。よって、メークアップ除去の分野において、使用者は、メークアップ除去用綿パッドの一面にのみメークアップ除去用ミルクを含浸させており、このためメークアップ除去の間、使用者の指は汚れなくなる。この問題は、特に自己サンタン製品、又は皮膚-もしくは毛髪の着色製品等の製品において、特に重要である。
この理由から、その基体が、有利には処理される面に面した、好ましくは2つの面の一方を通ってその内容物を放出可能な含浸ワイプを開発可能とすることは有利なことである。
【0005】
一面のみが含浸された基体は既に提案されている。これらは、一層の繊維状基体、又は2の繊維状層の間のいずれかに固定された不透水性膜を有する多層基体であり、それらの一方が組成物を含浸可能である。典型的には、まず、種々の層を別々に製造し、第2工程で組み立てられる。例えば欧州特許第1066826号には、2つの外側繊維状シートと、それに挟まれた不透水性の熱可塑性フィルムを含み、全体が熱溶接点により組み立てられた3層基体が記載されている。基体の第1面は、例えば額及び鼻に存在する皮脂を吸収するようになされており、一方、水性ローションが含浸された他面は皮膚をリフレッシュするようになされている。
【0006】
また、熱接合(hot-bonding)又はホットコーティング(hot-coating)によるアセンブリ技術を介して、吸収性の繊維状基体上に不透水性フィルムをアセンブリするための方法も公知である。
一方、これらの基体はかなり硬く、他方、それらがグリコール類を含有しているか、又はエマルション等の油を含有した液体が含浸されている場合に層間剥離が生じる問題があるので、好ましい使用感がないために、これらの解決法は満足のいくものではなかった。
さらに、これらの多層基体を得るための多工程方式は、単一工程で製造される基体よりも高価であり、製造も複雑になる。「加工」方式(基体の含浸、折り畳み及び包装)も、一面のみに選択的に含浸させ、特定の折り畳み方式を使用することを意図したコーティング技術が必要であるために、実施にはより多くの手間がかかる。
【0007】
本出願人により2003年7月28日に出願された、仏国特許出願第03/09234号の全ての実施例において、多層構造体の大部分の親水性層は、疎水性物質で作製された2の繊維層の間に配されている。よって、処理される表面と接触することはできない。
【0008】
よって本発明の目的の一つは、従来技術に関して上述にて論議された問題の全て又はいくつかを解決可能な、上述したタイプの化粧用品を製造することにある。
また本発明の目的の一つは、特に、簡単に経済的に作製され、実用的で快適な使用感のある、このような化粧用品を製造することにある。
さらなる目的は、以下の詳細な記載により明らかになるであろう。
【0009】
本発明において、これらの目的は、水性液状の化粧品用組成物を含浸させた基体を含む使い捨て化粧用品を作製することにより達成され、ここで該基体は浸透性のあるもので、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群の繊維及び第2群の繊維は、基体の同じ層に配され、基体の第1面は、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも実質的に大きな親水性度を有するように配され、第1面は基体の外側にある。
よって、第1面は処理される表面、特に皮膚又は毛髪に接して配され得る。
【0010】
基体は、好ましくは一層のみを含む。
このような製品において、美容処理の効率における利便性は、処理された表面上に、製品が含浸していた多量の生成物を放出することによりかなり改善されるであろう。
製品の使用における清浄度は、特に自己サンタン製品、皮膚-もしくは毛髪の着色製品のケースにおいて改善されている。
また本発明の化粧用品は、従来のワイプとは異なる方式で適用することができる。特に、本発明の製品を用いると、より親水性の高い面で、処理された領域に製品を適用し、ついでより親水性の低い面で過剰分をぬぐい去り、又は拭き取ることが可能になる。
【0011】
有利には、同一の製品を用いた二工程処理は、より親水性度の低い面、すなわち化粧品を放出する傾向にない面を使用して、例えば皮膚を剥離させ、ついで、他方のより柔軟な面を使用し、鎮静ケア処理等、剥離された皮膚上に多量の含浸された製品を放出させることにより実施され得る。
「浸透性」なる用語は、化粧品用組成物が基体の厚み全体を通過可能であることを示す。よって、先に参照された従来技術のある種の製品とは異なり、本発明の製品は、含浸された組成物に対する障壁を形成可能な不浸透性層を含まない。
【0012】
好ましくは、基体は水に不溶である、すなわちその整合性が、含浸された水性化粧品用組成物の存在による影響を実質的に受けず、このことは、少なくとも製品の全耐用年数にわたるケースにおいてもしかりである。
【0013】
第1群及び第2群の繊維が基体の同じ層に配されているという事実は、2つの群の繊維が、同じ結合工程中に、一つに結合されることを意味している。最終的に、層の厚みにおいて、2種類の繊維は不均質に分布しており、ある態様では:
− 層の第1面に、ほとんどの第1群の繊維があり;
− 層の第2面及び2つの面の間に、ほとんどの第2群の繊維があり;
− 第1群の繊維の相対量は、相対的に漸進的な態様に従って変化し、その反対の符号をもつ傾斜が、第2群の繊維の相対量に相当する。
このような構造は、種々の層が形成されて、別々に結合し、その後熱接合、熱溶接又は超音波により一つに接合される、分離層を有する構造とは異なる。
【0014】
有利には、基体の第1面は静圧下における放出指数(RISP1)を有し、基体の第2面は静圧下における放出指数(RISP2)を有し、RISP1/RISP2の比率は、1.5以上である。
【0015】
静圧下における放出指数(RISP):
以下に記載されるテストにより、上述した化粧品が含浸された製品の2つの面の静圧下における放出指数(RISP)を測定することができる。RISPは、静圧の影響下において、支持体のそれぞれの2つ面から放出され得る、支持体に含浸された液体の量を測定するもので、2つの面の間の放出性に差異があるかどうかが明らかになる。
製品の使用中に消費者が通常行うジェスチャーは、製品の第1面で皮膚又は毛髪を拭くことからなるため、製品の他方の面は消費者の手と接触しており、支持体の2つの面から同時に放出される液体の量を決定できることが所望されている。
【0016】
この目的のために、坪量50g/mを有し、Kimberley-Clark社からWypall L30(参照符号7303)の商品名で販売されている、ペーパータオル型の吸収物質からなる2枚のシートを、Mettler Toledo PR5002秤量機を使用して、最も100gに近くなるまで正確に秤量する。吸収物質からなるシートは、少なくともテストされる製品と同じ大きさ、好ましくは支持体の外側末端が、少なくとも2センチメートル重複するように、わずかに大きくしなければならない。
【0017】
第1のシートを、少なくともテストされる製品と同じ大きさの面積を有するガラスプレート上に配する。テストされる製品をWypall L30の第1のシート上に配する。Wypall L30の第2のシートを頂部に配する。
テストされる製品の表面領域と少なくとも等しい表面領域を有し、3.7kgと秤量された金属プレートをアセンブリに配する。1分後、前記プレートを取り除き、Wypall L30のそれぞれのシートを秤量する。
Wypall L30のそれぞれのシートに含浸された液体の重量を、テスト前後におけるWypall L30の質量の差異により算出する。この液体の重量は、それぞれ、より高い親水性度を有する面に対するRISP1と、より低い親水性度を有する面に対するRISP2として示される、支持体の2つの面それぞれから放出された液体の量に相当する。
【0018】
RISP1とRISP2との間の比率は、ワイプの2つの面の間における放出度合いの差異を示す。
RISP1/RISP2の比率で保持される値は、4つの製品で実施された測定の平均値である。
有利には、RISP1/RISP2の比率は1.5〜15、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜7の範囲である。
製品が中空で、特にグローブの形態に構成されている場合、それを構成している2枚のシートは離間しており、テストはこのように離間したシート上で実施されることは明らかである。
【0019】
基体
基体は、好ましくは不織布の調製に従来から使用されているウォータージェット接合プロセスにより製造される。
第1工程は、異なる親水性度を有する繊維のウエブを生産することである。これらのウエブは繊維球を梳くか、又は連続フィラメントの形態の繊維にポリマーを押し出すか、もしくは空気圧式経路を介することによる、当業者に公知の種々の方法に従い調製され得る。
より親水性度の高い繊維のウエブと、より親水性度の低い繊維のウエブを、コンベアベルト上に配し、高圧でウォータージェットのアレイ下に送達させ、互いに繊維を接合させる。これらの高圧ウォータージェットにより、繊維状構造体内部において、3方向に繊維を再配列させ、このようにして繊維を重複に至らしめ、化学的接合剤を何ら添加することなく、それらを互いに接合させる。一般的に、繊維のウエブを、第1のアレイから最後のアレイまで徐々にその圧力が増加するウォータージェットのいくつかのアレイ下に通す。この技術はハイドロ接合(hydrobonding)として公知である。
さらに、基体をエンボス加工し、ヘムステッチし、艶出し又は印刷してもよく、もしくは任意の種類のラインエンド処理にかけてもよい。よって有利には、支持体の一面、特により親水性度の低い面は、温艶出し処理により、剥離部材(exfoliant)になる。
【0020】
この特定のプロセスにおいて、基体は2つの繊維のウエブから形成されるが、最終的には1層のみを含むことを記しておくべきである。先に参照された多層構造体で観察され得る層間剥離の危険性はなくなる。
より親水性度の高い繊維は、綿、セルロース又はビスコース繊維から選択され得る。
より親水性度の低い繊維は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド又はポリエチレン繊維から選択され得る。
有利には、基体は、含浸されていない基体の重量に対して、100重量%〜1000重量%、好ましくは150重量%〜800重量%、より好ましくは150重量%〜400重量%の範囲の程度で化粧品用組成物が含浸されている。
【0021】
化粧品用組成物:
水に不溶の基体に含浸され、本発明で使用される組成物は、生理学的に許容可能な水性媒体、すなわち皮膚、粘膜、毛髪及び頭皮と融和性のある媒体を含有している。
液状の化粧品用組成物は、10%〜99.9%の水分、好ましくは30%〜90%の水分を含有していてよい。
本発明で使用される組成物は、局所使用に適した任意のガレノス(galenical)形態、特に水性又は水性-アルコール性溶液、同質又は2相のローション、ミルク、水性又は水性-アルコール性のゲル、水相に脂肪相を分散させる(O/W)又はその逆(W/O)によって得られたエマルション、懸濁液、マイクロエマルション、マイクロカプセル、微小粒子、又はイオン性(リポソーム)及び/又は非イオン性の小胞体分散液の形態であってよい。
特にエマルションのケースにおいて、脂肪相は化粧品用組成物の全重量に対して、0.5重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜50重量%の割合で存在し得る。
【0022】
脂肪相又は油相は、通常少なくとも一の油を含有する。本発明の組成物に使用され得る油として、例えば以下のものを挙げることができる:
− 動物由来の炭化水素ベース油、例えばペルヒドロスクワレン;
− 植物由来の炭化水素ベース油、例えば4〜10の炭素原子を有する脂肪酸の液状トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、又はスイートアーモンド油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、マロー油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド類、例えばStearinerie Duboisから販売され
ているもの、又はDynamit NobelからMiglyol810、812及び818の名称で販売されているもの、ホホバ油又はシアバター油;
− 合成エステル及び合成エーテル、特に脂肪酸のもの、例えばRが8〜29の炭素原子を有する脂肪酸残基を表し、Rが3〜30の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース鎖を表す式RCOOR及びRORの油、例えばプルセリン(purcellin)油、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミトン酸2-エチルヘキシル(又はパルミチン酸オクチル)、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、マレイン酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及び脂肪アルキルのヘプタノアート、オクタノアート及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート、及びジエチレングリコールジイソノナノアート;及びペンタエリトリトールエステル、例えばペンタエリトリチルテトライソステアラート;
− 鉱物又は合成由来で、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば揮発性又は非揮発性の流動パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン(ペトロリアムジェリー)、ポリデセン及び水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam)(登録商標)油;
− 8〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物(セテアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコール;
− アルコキシル化、特にエトキシル化された脂肪アルコール、例えばオレス(oleth)-12又はセテアレス(ceteareth)-20;
− 部分的炭化水素ベース及び/又はシリコーンベースフルオロ油、例えば日本国特許公開第2295912号に記載されているもの。挙げることができるフルオロ油の例は、BNFL Fluorochemicals社から「Flutec PC1(登録商標)」及び「Flutec PC3(登録商標)」の商品名で市販されているペルフルオロメチルシクロペンタン及びペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;ペルフルオロアルカン類、例えば3M社から「PF 5050(登録商標)」及び「PF 5060(登録商標)」の商品名で市販されているドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサン、あるいは、Atochem社から「Foralkyl(登録商標)」の商品名で販売されているブロモペルフルオロオクチル;3M社から「MSX4518(登録商標)」の商品名で販売されているノナフルオロメトキシブタン及びノナフルオロエトキシイソブタン;ペルフルオロモルホリン誘導体、例えば3M社から「PF5052(登録商標)」の商品名で販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリン;
−シリコーン油、例えば、直鎖状又は環状のシリコーン鎖を含む、室温で液状又はペースト状の、揮発性又は非揮発性のポリメチルシロキサン類(PDMS)、特にシクロポリジメチルシロキサン類(シクロメチコーン類)、例えばシクロへキサシロキサン;シリコーン鎖のペンダント位又は末端に、2〜24の炭素原子を含むアルキル、アルコキシ又はフェニル基を含むポリジメチルシロキサン類;フェニルシリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン類、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリカート類及びポリメチルフェニルシロキサン類;
−それらの混合物。
【0023】
上述した油のリストの中で、「炭化水素ベース油」なる表現は、主に、炭素及び水素原子、かつ場合によっては、エステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸及び/又はアルコール基を含むあらゆる油を意味する。
【0024】
本発明で使用される化粧品用組成物がエマルションである場合、使用される油、乳化剤及び共乳化剤は、化粧品又は皮膚科学において従来から使用されているものから選択される。
乳化剤、場合によっては共乳化剤は、組成物の全重量に対して0.3重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲の割合で組成物に存在している。
本発明の組成物は、所望のエマルション(W/O又はO/W)に応じて選択される、イオン性又は非イオン性の乳化剤を含有していてもよい。使用され得るエマルションは、考慮される分野で従来から使用されているものである。
【0025】
挙げることのできる乳化剤には、非イオン性の乳化剤、例えばポリオール類の脂肪酸エステル、及びオキシアルキレン化、特にオキシエチレン化されたその誘導体;ポリオール類の脂肪酸エーテル、及びオキシアルキレン化、特にオキシエチレン化されたその誘導体;及びそれらの混合物が含まれる。それらがポリオール類のオキシアルキレン化された脂肪酸エステル、又はポリオール類のオキシアルキレン化された脂肪アルコールエーテルである場合、例えば1〜150のオキシアルキレン化、特にオキシエチレン化基が存在し得る。特に挙げることのできる乳化剤には、ICI社からArlacel165の名称で販売されているステアリン酸PEG-100とステアリン酸グリセリルの混合物;1〜100のオキシエチレン化基を有するポリオキシエチレン化脂肪アルコールエーテル、例えばセテアレス-12及びセテアレス-20、及びそれらを含有する混合物、例えばHenkel社からEmulgade CMの名称で販売されている混合物(イソノナン酸セテアリル、セテアレス-20、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、グリセロール、セテアレス-12及びパルミチン酸セチルの混合物)が含まれる。上述した乳化剤は、O/Wエマルションの調製に使用される。
【0026】
メークアップ及び不純物の除去を促進し、組成物を発泡させる非イオン性、アニオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤を、本発明の組成物にさらに添加してもよい。それらは特に発泡界面活性剤であってよい。挙げることのできるこの種の界面活性剤には、例えば:
(1)非イオン性の界面活性剤としては、オキシエチレン化されオキシプロピレン化されたブロックポリマー、例えばPoloxamer184(CTFA名);アルキルポリグリコシド類、特に6〜30の炭素原子(C-C30-アルキルポリグルコシド類)、好ましくは8〜16の炭素原子を有するアルキル基を含むアルキルポリグルコシド類(APG)、例えばデシルグルゴシド(C/C11-アルキル-ポリグルコシド(1.4)、例えばKao ChemicalsからMydol 10の名称で販売されている製品、Henkel社からPlantaren2000UP又はPlantacare2000UPの名称で販売されている製品、及びSEPPIC社からOramix NS 10の名称で販売されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えばSEPPIC社からOramix CG 110の名称で販売されている製品;ラウリルグルコシド、例えばHenkel社からPlantaren1200N及びPlantacare1200の名称で販売されている製品;及びココグルコシド、例えばHenkel社からPlantacare 818/UPの名称で販売されている製品;
(2)アニオン性の界面活性剤としては、アルキルスルファート類、アルキルエーテルスルファート類及びその塩、特にそのナトリウム塩、例えばHenkel社からTexapon ASVの名称で販売されている、ラウレス硫酸ナトリウム/ラウレス硫酸マグネシウム/ラウレス-8硫酸ナトリウム/ラウレス-8硫酸マグネシウムの混合物;Henkel社からSipon AOS 225又はTexapon N702 Pasteの名称で販売されているラウリルエーテル硫酸ナトリウム(70/30 C12-C14)(2.2EO)、Henkel社からSipon LEA 370の名称で販売されているラウリルエーテル硫酸アンモニウム(70/30 C12-C14)(3EO);Rhodia Chimie社からRhodapex AB/20の名称で販売されている(C12-C14)アルキルエーテル(9EO)硫酸アンモニウム;
(3)両性又は双性イオン性の界面活性剤としては、アルキルアミド アルキルアミン誘導体、例えばRhodia Chimie社からMiranol C2M CONC NPの名称で、塩水溶液として販売されているN-二ナトリウム-N-ココイル-N-カルボキシメトキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:ココアンホ二酢酸二ナトリウム);N-ナトリウム-N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:ココアンホ酢酸ナトリウム)、及びココナツ酸エタノールアミド類の混合物(CTFA名:ココアミドDEA);
が含まれる。
また組成物は、これらの界面活性剤の混合物を含有していてもよい。
【0027】
化粧品用組成物は、水の他に、1〜6の炭素原子を有する低級アルコール類、例えばエタノール;ポリオール類、例えばグリセロール;グリコール類、例えばブチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、例えばPEG-8;ソルビトール;糖類、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース及びスクロース;及びそれらの混合物から選択される、一又は複数の溶媒をさらに含有してよい。
【0028】
基体への含浸に使用される組成物は、考慮される分野で従来から使用されているアジュバント、例えば有機溶媒、可溶化剤、親水性又は親油性の増粘剤及びゲル化剤、柔軟剤、酸化防止剤、乳白剤、安定剤、発泡剤、フィラー、キレート剤、香料、遮蔽剤、精油、染料、顔料、親水性又は親油性の活性剤、一又は複数の活性剤を包含していてもよい脂質小胞体、又は化粧品又は皮膚科学で通常使用されている任意の他の成分をさらに含有してよい。
また、上述したもの以外の防腐剤を、さらに含有していてもよい。本発明の組成物の種々の成分の量は、考慮される分野で従来から使用されている量である。
【0029】
このリストに制限するものではないが、挙げることのできる活性剤の例には、皮膚の過度の皮脂を清浄にするための抗脂漏活性剤、及び皮膚に存在し得る任意の微生物を、そこから除去するための抗菌剤、及びそれらの混合物が含まれる。
挙げることのできる抗脂漏活性剤には、例えば硫黄及び硫黄誘導体、過酸化ベンゾイル、亜鉛誘導体、例えば硫酸亜鉛、及び酸化亜鉛、塩化アルミニウム、二硫化セレン、B型ビタミン類、特にパンテノール(ビタミンB5)及びナイアシンアミド(ビタミンB6又はPP)、及びそれらの混合物が含まれる。
【0030】
次の活性剤、例えば抗菌剤:P-ラクタム誘導体、キノロン誘導体、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン及びその塩(塩酸塩)、エリスロマイシン及びその塩(亜鉛、エストラート又はステアリン酸塩)、アミカシン及びその塩(硫酸塩)、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4'-トリクロロバニリド(トリカルバン)、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン及びその塩(塩酸塩)、カプレオマイシン及びその塩(硫酸塩)、クロルヘキシジン及びその塩(グルコン酸塩、塩酸塩)、クロロテトラサイクリン及びその塩(塩酸塩)、オキシテトラサイクリン及びその塩(塩酸塩)、クリンダマイシン及びその塩(塩酸塩)、エタンブトール及びその塩(塩酸塩)、ヘキサミジン及びその塩(イセチオン酸塩)、メトロニダゾール及びその塩(塩酸塩)、ペンタミジン及びその塩(塩酸塩)、ゲンタマイシン及びその塩(硫酸塩)、カナマイシン及びその塩(硫酸塩)、リネオマイシン及びその塩(塩酸塩)、メタサイクリン及びその塩(塩酸塩)、メタンアミン及びその塩(馬尿酸塩、マンデル酸塩)、ミノサイクリン及びその塩(塩酸塩)、ネオマイシン及びその塩(硫酸塩)、ネチルマイシン及びその塩(硫酸塩)、パロモマイシン及びその塩(硫酸塩)、ストレプトマイシン及びその塩(硫酸塩)、トブラマイシン及びその塩(硫酸塩)、ミコナゾール及びその塩(塩酸塩)、アマンファジン塩(硫酸塩、塩酸塩)、オクトピロックス、パラ-クロロ-メタ-キシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、ジンクピリチオン、クロトリマゾール、サリチル酸及びその塩、5-n-オクタノイルサリチル酸(又はカプリロイルサリチル酸)、過酸化ベンゾイル、3-ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4-ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2-ヒドロキシブタン酸、2-ヒドロキシペンタン酸、2-ヒドロキシヘキサン酸、フィチン酸、N-アセチル-L-システイン酸、リポ酸、アゼライン酸、アラキドン酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコルチゾン、アセタミノフェン、レゾルシノール、塩酸リドカイン、硫酸ネオマイシン、オクトキシグリセロール、オクタノイルグリシン(又はカプリロイルグリシン)、カプリリルグリコール(1,2-オクタンジオール)、及び10-ヒドロキシ-2-デカン酸、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0031】
好ましい抗菌剤は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'-トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、クロルヘキシジン及びその塩、オクトピロックス、ジンクピリチオン、サリチル酸、5-n-オクタノイルサリチル酸、過酸化ベンゾイル、3-ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4-ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2-ヒドロキシブタン酸、2-ヒドロキシペンタン酸、2-ヒドロキシヘキサン酸、フィチン酸、N-アセチル-L-システイン酸、リポ酸、アゼライン酸、アラキドン酸、オクトキシグリセロール、オクタノイルグリシン、カプリリルグリコール、10-ヒドロキシ-2-デカン酸、及びそれらの混合物である。
【0032】
挙げることのできる親水性ゲル化剤には、特にカルボキシビニルポリマー、例えばcarbomers;変性アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー、例えばGoodrich社からPemulenの名称で販売されている製品;ポリアクリルアミド類、例えばSEPPIC社からSepigel305の名称で販売されている製品、又はHoechst社からHostacerin AMPSの商品名で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:アンモニウム-ポリアクリルジメチルタウラミド);多糖類、特にセルロース誘導体、及び天然ガム、例えばキサンタンガム又はグアーガム;及びクレー類が含まれる。挙げることのできる親油性ゲル化剤には、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ、ポリエチレン類、及びそれらの混合物が含まれる。使用され得るゲル化剤には、疎水性官能基を有するポリマー、例えば疎水性鎖を有する多糖類、特に第4級化されたグアーガムが含まれる。
【0033】
本発明の組成物は、当業者によく知られている技術に従い調製される。
【0034】
本発明の特定の一実施態様において、組成物はPITエマルションの形態をしている。
O/Wエマルションを得るためのこの技術の原理は、当業者によく知られており、特に文献「Phase Inversion Emulsification」、Forsterら、Cosmetics & Toiletries, vol. 106, 1991 12月, 49-52頁、「Application of the phase-inversion-temperature method to the emulsification of cosmetics」、T. Mitsuiら、American Cosmetics and Perfumery, vol.87, 1972年12月に、一般的に記載されている。
この技術により、脂肪相を構成する小球体の平均径がかなり明確に制限されている、すなわち50〜1000nmである、「超微細」O/Wエマルションが付与される。これらのエマルションは極めて流動的で、クレンジング製品又はワイプを構成するために、水に不溶の基体に含浸させるのに特に適している。
【0035】
特定の一実施態様において、PITエマルションは濃縮された形態に調製され、ついで、一般的には含浸の直前に、事前溶解させておいた防腐剤の一部又は全てを含有していてもよい水相の1〜9部で希釈される。
【0036】
本発明の製品に使用される化粧品用組成物の粘度は、好ましくは1500mPa.s未満、好ましくは1000mPa.s未満である。粘度は、Rheomat RM180機を使用し、室温(約25℃)で測定される。
【0037】
本発明の化粧用品は、ワイプ、圧縮布、グローブ、ミトン、スリッパ、指サック、ボンネット、スカルキャップ、又は顔の全て又は一部の形状をしたマスクの形態に構成されてよい。後者のケースにおいて、マスクは、顔全体、又は顔の頂部又は底部にのみ特異的なものとして設計されてもよい。
手以外の体の領域(皮膚又は毛髪)を便宜的に処理するために使用される、グローブ又は指サックのケースにおいて、より高い親水性度を有する面は、含浸された製品を付与するために提供される表面として、有利には製品の外側に位置している。
グローブ、指サック又はスリッパの形態に構成された製品は、手又は足の全てもしくは一部を処理、特に柔軟、保湿又はシミ取り処理するケースで使用され得る。このケースにおいては、より親水性度の高い面は、グローブ又はスリッパの内側に位置する。
同様に、特にスカルキャップ、ボンネット又はヘッドキャップの形態に構成された製品のケースにおいては、より高い親水性度を有する面は、含浸された製品を付与するために提供される表面として、有利には製品の内側に位置している。
顔の手入れのための含浸マスクのケースにおいては、より高い親水性度を有する面は、有利には顔の隣に位置する。
【0038】
本発明の製品に使用される化粧品用組成物は、特に毛髪を着色/脱色する、もしくは洗浄するための毛髪用組成物、又は皮膚もしくは粘膜のための組成物、特に手入れ用組成物、自己サンタン組成物、メークアップ除去用組成物、スクラブ組成物、又は着色組成物であってよい。
【0039】
本発明の他の側面において、液状の化粧品用組成物が含浸された少なくとも一の基体を含む使い捨ての化粧用品は、基体が浸透性のあるもので、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維が、基体の同じ層に配され、この基体の外側にある基体の第1面が、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも大きな親水性度を有するように作製されており、該製品は少なくとも一の中空部又は凹部を有し、中空部又は凹部は:
i)製品の内側表面と、処理される表面とが接触するように、該処理される表面を受容するか、又は
ii)処理される表面と製品の外側表面とが係合するように、手の全て又は一部を受容する;
ことを意図している。
【0040】
このような、中空部又は凹部のある製品は、グローブ、ミトン、スリッパ、指サック、ボンネット、スカルキャップ又はヘッドキャップの形態に構成されてよい。
このような中空部のある製品は、それぞれの端部に沿って、少なくとも「2枚のシート」を組み立てることにより、又はシートそれ自体を折り畳み、ついで、このように折り畳まれたシートの端部を、それら同士で固定させることにより作製され得る。
中空部又は凹部が、処理される表面と製品の外側表面とを係合させるために、手の全て又は一部を受容することを意図している場合、より親水性度の高い面は、中空部又は凹部の外側にある。
逆に、中空部又は凹部が、処理される表面を受容することを意図している場合、特にグローブ、ミトン、スリッパ、指サック、ボンネット、スカルキャップ又はヘッドキャップである場合、より親水性度の高い面は、中空部又は凹部の内側にある。
好ましくは、基体は単層基体である。
【実施例】
【0041】
実施例1:毛髪のクレンジング用グローブ:
以下に記載するクレンジング用組成物を、Sandler不織布、参照符号03/02/1001に200%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
変性アルコール(93.1%)/水 20%
ココアンホ二酢酸二ナトリウム 0.15%
水素化されたポリイソブテン 5%
香料 0.2%
【0042】
Sandler不織布、参照符号03/02/1001をハイドロ接合により得、これは一面が100%ビスコース繊維、他面が100%ポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。それをミトン又はグローブの形状に切断し、手を挿入する袋状部が画成されるように、そのPP面を、端部を介して内部で溶接する。
PP繊維の溶解性の故に、該繊維が存在することにより、グローブに溶接することができ、また該繊維が疎水性であるために、基体に含浸された流体と手が、接触しない又はほとんど接触しないようにすることができる。
グローブの外側にビスコース繊維が存在しているために、流体の含浸性が良好で、クレンジングされる表面(皮膚又は毛髪)に最適量のローションを放出することができる。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は8.4である。
【0043】
実施例2:機械的剥離/ケミカルピーリング用のワイプ:
以下に記載する剥離用組成物を、Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aに300%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
変性アルコール(93.1%)/水 5%
グリセロール 3%
防腐剤 0.5%
グリコール酸 1%
香料 0.2%
【0044】
Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aをハイドロ接合により得、これは一面がビスコースとテレフタラートポリエステル繊維の100%混合物、他面が100%ポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
これらのPP繊維により、皮膚上にこの面を通過させている間に、機械的に剥離させるのに適した粗さが基体上の面に付与される。ついで、他方の柔軟で親水性である面を、皮膚上に通過させることによって、ピーリングローションを適用する。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は1.75である。
【0045】
実施例3:機械的剥離/鎮静ローション用ワイプ:
以下に記載する鎮静用組成物を、PGI Duralace 7163, 80 gsm Cartex Blue不織布に300%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
アラントイン 0.15%
グリセロール 5%
PEG-8 3%
防腐剤 0.3%
グリシルレチン酸カリウム 0.1
香料 0.1%
【0046】
PGI Duralace 7163, 80 gsm Cartex Blue不織布をハイドロ接合により得、これは一面がビスコースとテレフタラートポリエステル繊維の100%混合物、他面が100%高デニールポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
PP繊維により、皮膚上にこの面を通過させている間に、機械的に剥離させるのに適した粗さが基体上の面に付与される。ついで、他方の柔軟で親水性である面を、皮膚上に通過させることによって、鎮静ローションを適用する。
この実施例のワイプは、柔軟で親水性である面を顔上に配して放置しておくことにより、マスクとして使用することもできる。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は2.1である。
【0047】
実施例4:メークアップ除去用ワイプ:
以下に記載するメークアップ除去用組成物を、Sandler不織布、参照符号03/02/1001に300%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
キサンタンガム 0.1%
ステアリン酸グリセリル 0.25%
パルミチン酸イソプロピル 1%
セチルアルコール 0.15%
グリセロール 3%
防腐剤 0.45%
グリシン大豆油 0.05%
ステアリン酸PEG-100 0.25%
香料 0.05%
アルモンド核仁(PRUNUS AMYGDALUS DULCIS)
(スイートアーモンド)油 1.2%
【0048】
Sandler不織布、参照符号03/02/1001をハイドロ接合により得、これは一面が100%ビスコース繊維、他面が100%ポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
基体の第1面にビスコース繊維が存在しているために、流体の含浸性が良好で、最適量のメークアップ除去用ミルクが放出されて、より良好にメークアップを除去することができる。
基体の第2面にPP繊維が存在しているために、該面を介して最小限のメークアップ除去用ミルクが放出されて、メークアップ除去物の残りを取り除くのに有利に使用することができる。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は2.65である。
【0049】
実施例5:剥離/メークアップ除去用ワイプ:
以下に記載するメークアップ除去用組成物を、Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aに300%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
ジカプリリルエーテル 3%
パルミチン酸エチルヘキシル 3%
セテアリルアルコール 0.31%
セテアレス-12 0.62%
セテアレス-20 1.52%
PEG-4-ジラウラート 0.08%
グリセロール 5%
鉱物性油 5%
防腐剤 0.15%
香料 0.3%
【0050】
Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aをハイドロ接合により得、これは一面がビスコースとテレフタラートポリエステル繊維の100%混合物、他面が100%ポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
まず、皮膚上に、柔軟で親水性である面を通過させることにより、メークアップ除去用ローションが適用され、最適量が放出されて、よってより良好なメークアップ除去効果が得られる。ポリプロピレン繊維により、穏和に剥離させるのに適した粗さが、基体上の親水性度の低い面に付与され、深部まで洗浄されるようになる。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は4である。
【0051】
実施例6:自己サンタン用ワイプ:
以下に記載する自己サンタン組成物を、Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aに400%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
デヒドロオキシアセトン 5%
防腐剤 0.5%
プロピレングリコール 25%
ベヘネス10 2.5%
シクロペンタシロキサン 15%
ラウレス-4 2.5%
ミリスチン酸イソプロピル 6%
【0052】
Jacob Holm不織布、参照符号Rough & Soft 107103/003Aをハイドロ接合により得、これは一面がビスコースとテレフタラートポリエステル繊維の100%混合物、他面が100%高デニールポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
PP繊維により、皮膚上にこの面を通過させた場合に、機械的に剥離させるのに適した粗さが基体上の面に付与される。この剥離により脂肪細胞を除去し、所定の方式において皮膚に下準備を施すことができる。ついで、他方の柔軟で親水性である面を、皮膚上に通過させることによって、自己サンタンローションを適用する。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は2.93である。
【0053】
実施例7:手入れ用マスク:
以下に記載する手入れ用組成物を、Sandler不織布、参照符号03/02/1001に600%含浸させる。
成分: 質量%
水 全体を100にする量
キサンタンガム 0.15%
ミリストイルグルタミン酸ナトリウム 0.05%
シクロペンタシロキサン 0.4%
防腐剤 0.2%
ブチレングリコール 10%
グリセロール 3%
香料 0.2%
【0054】
Sandler不織布、参照符号03/02/1001をハイドロ接合により得、これは一面が100%ビスコース繊維、他面が100%ポリプロピレン(PP)繊維からなるものである。
マスクの外側にビスコース繊維が存在しているために、この面に多量の手入れ用組成物を濃縮させ、最適な方式で面上に放出させることができる。結果として、マスクにはより少量の手入れ用組成物を含浸させると同時に、良好な効果を得ることができる。顔に適用された面がはっきりと識別できるように、有利には一面又は他面に印刷を施すか、又は有色繊維で作製してもよい。
この実施例の製品において、RISP1/RISP2の比率は1.75である。
【0055】
実施態様
1. 水性液状の化粧品用組成物を含浸させた基体を含む使い捨て化粧用品において、該基体は浸透性のものであり、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維が、基体の同じ層に配され、基体の第1面が、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも実質的に大きな親水性度を有するように配され、第1面が基体の外側にある化粧用品。
2. 基体が単層基体であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用品。
3. 基体の第1面が、静圧下における放出指数(RISP1)を有し、基体の第2面が静圧下における放出指数(RISP2)を有し、RISP1/RISP2の比率が1.5以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧用品。
4. RISP1/RISP2の比率が1.5〜15、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜7の範囲であることを特徴とする、請求項3に記載の化粧用品。
5. 基体が、第1群の繊維の第1ウエブと、第2群の繊維の第2ウエブとをハイドロ接合させることにより得られるものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化粧用品。
6. 基体に、含浸されていない基体の重量に対して、100重量%〜1000重量%、好ましくは150重量%〜800重量%、より好ましくは150重量%〜400重量%の範囲の程度で化粧品用組成物が含浸されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化粧用品。
7. 液状の化粧品用組成物が、10%〜99.9%の水分、好ましくは30%〜90%の水分を含有していることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化粧用品。
8. 液状の化粧品用組成物が脂肪相を含有していることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化粧用品。
9. 脂肪相が化粧品用組成物の全重量に対して、0.5重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜50重量%であることを特徴とする、請求項8に記載の化粧用品。
10. 脂肪相が、動物由来の炭化水素ベース油、植物由来の炭化水素ベース油、合成エステル及び合成エーテル、特に脂肪酸、鉱物又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、8〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール、アルコキシル化、特にエトキシル化された脂肪アルコール、部分的炭化水素ベース及び/又はシリコーンベースフルオロ油、シリコーン油、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の化粧用品。
11. 化粧品用組成物が、有機溶媒、可溶化剤、親水性又は脂質親和性の増粘剤及びゲル化剤、柔軟剤、酸化防止剤、不透明化剤、安定剤、発泡剤、フィラー、キレート剤、香料、遮蔽剤、精油、染料、顔料、親水性又は脂質親和性の活性剤、及び一又は複数の活性剤を包含していてもよい脂質小胞体から選択される一又は複数の化合物をさらに含有していることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の化粧用品。
12. 化粧品用組成物が、水の他に、エタノール等の1〜6の炭素原子を有する低級アルコール類;グリセロール等のポリオール類;ブチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、特にPEG-8等のグリコール類;ソルビトール;グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース又はスクロース等の糖類;及びそれらの混合物から選択される、一又は複数の溶媒を含有していることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の化粧用品。
13. 化粧品用組成物が1500mPa.s未満、好ましくは1000mPa.s未満の粘度を有することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化粧用品。
14. 第1群の繊維が、綿、セルロース及びビスコース繊維から選択されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の化粧用品。
15. 第2群の繊維が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びポリエチレン繊維から選択されることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の化粧用品。
16. 前記支持体の一面、特に第2面が、特に温艶出し処理により剥離部材になることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の化粧用品。
17. ワイプ、圧縮布、グローブ、ミトン、指サック、スリッパ、ボンネット、スカルキャップ、又は顔の全て又は一部の形状をしたマスクの形態に構成されていることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化粧用品。
18. 化粧品用組成物が、特に毛髪を着色又は洗浄するための毛髪用組成物、又は皮膚もしくは粘膜のための組成物、特に手入れ用組成物、自己サンタン組成物、メークアップ除去用組成物、落屑用組成物、又は着色組成物であることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の化粧用品。
19. 液状の化粧品用組成物が含浸された少なくとも一の基体を含む使い捨ての化粧用品において、該基体が浸透性のあるもので、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維が基体の同じ層に配され、この基体の外側にある基体の第1面が、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも大きな親水性度を有するように配されており、該製品が少なくとも一の中空部又は凹部を有し、該中空部又は凹部が:
i)処理される表面を受容するか、又は
ii)処理される表面と製品とが係合するように、手の全て又は一部を受容する;
ことを意図している化粧用品。
20. グローブ、ミトン、指サック、スリッパ、ボンネット、スカルキャップ又はヘッドキャップの形態に構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の化粧用品。
21. 中空部又は凹部が、処理される表面と製品とを係合させるために、手の全て又は一部を受容することを意図しており、第1面が中空部又は凹部の外側にあることを特徴とする、請求項19又は20に記載の化粧用品。
22. 中空部又は凹部が、処理される表面を受容することを意図しており、第1面が中空部又は凹部の内側にあることを特徴とする、請求項19又は20に記載の化粧用品。
23. 基体が単層基体であることを特徴とする、請求項19ないし22のいずれか1項に記載の化粧用品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性液状の化粧品用組成物を含浸させた基体を含む使い捨て化粧用品において、該基体は浸透性のものであり、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維が、基体の同じ層に配され、基体の第1面が、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも実質的に大きな親水性度を有するように配され、第1面が基体の外側にある化粧用品。
【請求項2】
基体が単層基体であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧用品。
【請求項3】
基体の第1面が、静圧下における放出指数(RISP1)を有し、基体の第2面が静圧下における放出指数(RISP2)を有し、RISP1/RISP2の比率が1.5以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧用品。
【請求項4】
RISP1/RISP2の比率が1.5〜15、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜7の範囲であることを特徴とする、請求項3に記載の化粧用品。
【請求項5】
基体が、第1群の繊維の第1ウエブと、第2群の繊維の第2ウエブとをハイドロ接合させることにより得られるものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項6】
基体に、含浸されていない基体の重量に対して、100重量%〜1000重量%、好ましくは150重量%〜800重量%、より好ましくは150重量%〜400重量%の範囲の程度で化粧品用組成物が含浸されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項7】
液状の化粧品用組成物が、10%〜99.9%の水分、好ましくは30%〜90%の水分を含有していることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項8】
液状の化粧品用組成物が脂肪相を含有していることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項9】
脂肪相が化粧品用組成物の全重量に対して、0.5重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜50重量%であることを特徴とする、請求項8に記載の化粧用品。
【請求項10】
脂肪相が、動物由来の炭化水素ベース油、植物由来の炭化水素ベース油、合成エステル及び合成エーテル、特に脂肪酸、鉱物又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、8〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール、アルコキシル化、特にエトキシル化された脂肪アルコール、部分的炭化水素ベース及び/又はシリコーンベースフルオロ油、シリコーン油、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の化粧用品。
【請求項11】
化粧品用組成物が、有機溶媒、可溶化剤、親水性又は脂質親和性の増粘剤及びゲル化剤、柔軟剤、酸化防止剤、不透明化剤、安定剤、発泡剤、フィラー、キレート剤、香料、遮蔽剤、精油、染料、顔料、親水性又は脂質親和性の活性剤、及び一又は複数の活性剤を包含していてもよい脂質小胞体から選択される一又は複数の化合物をさらに含有していることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項12】
化粧品用組成物が、水の他に、エタノール等の1〜6の炭素原子を有する低級アルコール類;グリセロール等のポリオール類;ブチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、特にPEG-8等のグリコール類;ソルビトール;グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース又はスクロース等の糖類;及びそれらの混合物から選択される、一又は複数の溶媒を含有していることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項13】
化粧品用組成物が1500mPa.s未満、好ましくは1000mPa.s未満の粘度を有することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項14】
第1群の繊維が、綿、セルロース及びビスコース繊維から選択されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項15】
第2群の繊維が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びポリエチレン繊維から選択されることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項16】
前記支持体の一面、特に第2面が、特に温艶出し処理により剥離部材になることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項17】
ワイプ、圧縮布、グローブ、ミトン、指サック、スリッパ、ボンネット、スカルキャップ、又は顔の全て又は一部の形状をしたマスクの形態に構成されていることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項18】
化粧品用組成物が、特に毛髪を着色又は洗浄するための毛髪用組成物、又は皮膚もしくは粘膜のための組成物、特に手入れ用組成物、自己サンタン組成物、メークアップ除去用組成物、落屑用組成物、又は着色組成物であることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の化粧用品。
【請求項19】
液状の化粧品用組成物が含浸された少なくとも一の基体を含む使い捨ての化粧用品において、該基体が浸透性のあるもので、少なくとも一の第1群の繊維と、その親水性度が第1の群の繊維とは異なる少なくとも一の第2群の繊維とを含み、第1群及び第2群の繊維が基体の同じ層に配され、この基体の外側にある基体の第1面が、該第1面の反対側にある基体の第2面の親水性度よりも大きな親水性度を有するように配されており、該製品が少なくとも一の中空部又は凹部を有し、該中空部又は凹部が:
i)処理される表面を受容するか、又は
ii)処理される表面と製品とが係合するように、手の全て又は一部を受容する;
ことを意図している化粧用品。
【請求項20】
グローブ、ミトン、指サック、スリッパ、ボンネット、スカルキャップ又はヘッドキャップの形態に構成されていることを特徴とする、請求項19に記載の化粧用品。
【請求項21】
中空部又は凹部が、処理される表面と製品とを係合させるために、手の全て又は一部を受容することを意図しており、第1面が中空部又は凹部の外側にあることを特徴とする、請求項19又は20に記載の化粧用品。
【請求項22】
中空部又は凹部が、処理される表面を受容することを意図しており、第1面が中空部又は凹部の内側にあることを特徴とする、請求項19又は20に記載の化粧用品。
【請求項23】
基体が単層基体であることを特徴とする、請求項19ないし22のいずれか1項に記載の化粧用品。

【公開番号】特開2012−211141(P2012−211141A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−120289(P2012−120289)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2005−63317(P2005−63317)の分割
【原出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】