説明

使い捨て可能な試験センサカートリッジ

本発明は、試験センサを送出するために必要とされる横方向運動の距離を短縮しながら試験センサを個別に分配する、試験センサカートリッジアセンブリに関する。固定ギヤラックは、可動ギヤラックが固定ギヤラックに対して平行に位置決めされる状態で表面に固定される。可動ギヤラックは、試験センサに係合するようになされる。ギヤは、固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらに接触する。ギヤの第1の方向での横方向運動は、ギヤによる回転運動を生み出す。横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが、横方向に第1の方向で動かされる。ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、試験センサを分配するための装置および方法に関する。詳細には、本発明は、試験センサを分配するために必要とされる摺動運動の距離を短縮しながら、試験センサを一度に1つ分配するための装置および方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
今日、試験センサカートリッジは、試験センサを個別に分配するために一般的に使用される。たとえば、試験センサカートリッジは、たとえばグルコース測定器において、測定器と共に使用するための試験センサを分配するために使用することができる。カートリッジは、多数の試験センサを保管し、センサの使用が必要とされるまでそれらを無菌および清浄に保つことを助けるために使用される。通常、カートリッジは、各テストセンサを送出する、いくつかのタイプの押出機構を収容する。いくつかの装置では、押出機構を作動させるために、スライダが使用される。
【0003】
通常、試験センサを送出するために試験センサが移動しなければならない距離と等距離だけ、スライドを移動させることが必要であり、そのため一部の使用者にとってセンサを送出することが困難となる。たとえば、子供など手が小さい人には、典型的なカートリッジから試験センサを分配することが困難となることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、これらの問題に対処する試験センサカートリッジの存在が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態に従って、試験センサを試験センサカートリッジから送出するための試験センサ送出機構を開示する。第1の実施形態では、試験センサ送出機構は、固定ギヤラック、可動ギヤラック、およびギヤを備える。固定ギヤラックは、表面に固定される。可動ギヤラックは、固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、試験センサに係合するようになされる。ギヤは、固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらに接触する。ギヤの第1の方向での横方向運動は、ギヤによる回転運動を生み出す。横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが第1の方向で横方向に動かされる。可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
【0006】
別の実施形態によれば、送出機構は、固定ギヤラック、可動ギヤラック、スロット、ギヤ、ギヤコア部材、およびスライダを備える。固定ギヤラックは、カートリッジの前面に固定される。可動ギヤラックは、固定ギヤラックと平行に配置され、そこから突出する足部を有する。スロットは、カートリッジの前面上に形成され、かつ、足部がそこを通って延び試験センサに接触することを可能にするようになされる。ギヤは、固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触し、ギヤの中に形成された中央開口を有する。ギヤのコア部材は、ギヤの中央開口を通って延び、スライダは、ギヤコア部材に取り付けられる。スライダの第1の方向での横方向運動によって、ギヤが第1の方向に動かされ、それによって、ギヤによる回転運動が生み出され、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが第1の方向に動かされる。可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
【0007】
別の実施形態によれば、試験センサディスペンシング装置は、試験センサカートリッジおよび送出機構を備える。試験センサカートリッジは、中央区画を形成し、前面および端部壁、積み重ねられた試験センサ、試験センサ保持機構、ならびに試験センサ送出スリットを備える。前面および端部壁は、基部から頂部カバーへと延びる。積み重ねられた試験センサは、カートリッジの中央区画内に配置される。試験センサ保持機構は、カートリッジの中央区画内に配置され、保持プレートおよび少なくとも1つのばねを有し、このばねは、一端部が保持プレート上に、他端部がカートリッジの端部壁に取り付けられる。試験センサ送出スリットは、カートリッジの前面とほぼ平行であり、試験センサのうちの1つがカートリッジから送出されることを可能にするようになされる。送出機構は、固定ギヤラック、可動ギヤラック、スロット開口、ギヤ、ギヤコア部材、およびスライダを備える。固定ギヤラックは、試験センサカートリッジの前面に固定される。可動ギヤラックは、固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、かつ、そこから延びる足部を有する。スロット開口は、試験センサカートリッジの前面上に配置されており、足場がそこを通って延び試験センサのうちの1つに係合することを、可能にするようになされる。ギヤは、固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらに接触し、ギヤの中に形成された中央開口を有する。ギヤコア部材は、ギヤの中央開口を通って延び、ギヤがその上で回転することを可能にする。スライダは、ギヤコア部材に取り付けられる。スライダの第1の方向での横方向運動は、ギヤを第1の方向に動かし、それによってギヤによる回転運動が生み出され、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが第1の方向で横方向に動かされる。可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが、送出スリットを通って試験センサカートリッジから部分的に送出される。
【0008】
別の実施形態によれば、測定器が、試験センサを分配するようになされる。測定器は、読取りヘッド、表示器、ボタンセット、および送出機構を備える。読取りヘッドは、分配された試験センサ上に配置される流体試料から、分析物濃度を測定するようになされる。表示器は、測定器の使用者に情報を表示する。ボタンセットは、使用者が測定器と情報交換することを可能にする。送出機構は、固定ラック、可動ギヤラック、およびギヤを備える。固定ギヤラックは、表面に固定される。可動ギヤラックは、固定ギヤラックとほぼ平行に配置されており、試験センサに係合するようになされる。ギヤは、固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらに接触する。ギヤラックの第1の方向での横方向運動は、ギヤによる回転運動を生み出す。横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが横方向へと第1の方向で動かされる。可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
【0009】
本発明の上記概要は、本発明の各実施形態またはすべての態様を表すことを意図するものではない。本発明のさらなる特徴および利益は、以下で説明される詳細な説明および図から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、使い捨て可能な試験センサカートリッジ、および試験センサを分配するための送出機構を対象とする。カートリッジから送出される試験センサ(たとえばバイオセンサ)は、血液または体液など、流体試料中の分析物濃度を測定するためのアッセイにおいて使用することができる。採取し分析することができる分析物のタイプのいくつかの例として、グルコース、脂質プロファイル(たとえばコレステロール、トリグリセリド、LDL、およびHDL)、ミクロアルブミン、ヘモグロビンA1C、フラクトース、乳酸、またはビリルビンが挙げられる。体液中の分析物の定量は、いくつかの生理学的異常の診断および維持管理において、非常に重要である。特に、体液中のグルコースの測定は、食事におけるグルコース摂取量を調整するために体液中のグルコース値を頻繁に点検しなければならない、糖尿病の個体にとって重要である。各試験で新しい試験センサの使用が必要となり、すなわち、1日に多くの試験片が使用されることがある。単一の物体内にある複数のストリップを使用者が持ち運ぶことを可能にするために、多数の試験センサを収容するカートリッジが使用される。これらのカートリッジはまた、測定器または同様の装置内に直接組み込むこともできる。検査される分析物の濃度を測定するために、測定器または同様の装置を用いて、血液または体液試料を分析することができる。
【0011】
ここで図面に移り、まず図1〜図2を見ると、本発明の一実施形態による試験センサカートリッジ10が示されている。試験センサカートリッジ10は、基部12、頂部カバー13、ならびに、基部12から延び頂部カバー13を支持する2つの対向側壁14aおよび14bを備える。カートリッジ10はまた、基部12から延び頂面13を支持する、前面16および端面18を有する。カートリッジ10は、側壁14a、14b、前面16、および端面18によって作り出される、基部12とカバー13の間にある中央キャビティ21内に、複数の試験センサ20を収容するようになされる。
【0012】
カートリッジ10はさらに、中央キャビティ21内に配置される、試験センサ保持機構22を備える。試験センサ保持機構22は、保持プレート22a、および複数のばね22b、22cを備える。試験センサ20は、カートリッジ10の前面16と保持プレート22aの間で積み重ねられる。保持機構22は、試験センサ20が互いに接触し、前面16の内面と接触することを保証するために使用される。試験センサ保持機構22は、試験センサ20を前面16の内面に向かって押し進める。ばね22b、cは、保持プレート22aと端面18の間に位置決めされ、保持プレート22aおよび端面18の両方に取り付けられる。たとえば、ばね22b、22cは、突起19を端部18から、もう一方の突起を保持プレート22aから、ばね22b、22cの中央開口内へと延ばすことによって取り付けることができる。ばね22b、22cを、別の方法によって取り付けることができることが企図される。ばね22b、22cは、保持プレート22a上に、前面16の方向の力をもたらす。図示の実施形態は、保持プレート22aに力を加えるために使用される2つのばね22b、22cを示すが、1つのばねなど、異なる数のばねを本発明で使用することができることを理解されたい。
【0013】
同様に図3を参照すると、カートリッジ10の前面16は、基部12とほぼ平行に延びるスロット24を形成する。スロット24は、スロット24を通して送出機構11(図5a)を挿入することが可能になるようになされる。スロット24は初めに、たとえば、カートリッジ10の前面16に箔を取り付けることによって封止することができる。スロットを封止することによって、積み重ねられた試験センサが湿度から保護される。側壁14aは、カートリッジ10から試験センサを一度に1つ送出することを可能にするのに十分な、基部12に対して垂直に延びる送出スリット25を有する。
【0014】
図3はまた、カートリッジ10のスロット24付近に位置決めされた、可動ギヤラック26を示す。可動ギヤラック26は、そこから突出する足部27を備える。足部27は、図4に示すように、前面16の内面に接触する試験センサの端部後方で、スロット24を通して挿入されるように設計される。足部27は、試験センサカートリッジ10の前面16に最も近い単一の試験センサ20のみと接触するように設計される。可動ギヤラック26は、足部27がスロット24を通して挿入されるときに、カートリッジ10に着脱可能に取り付けられるようになされる。足部27は、準備位置から送出位置へと往復運動することができる。本明細書で説明する足部27の代わりに、別のタイプの送出方式または装置を使用することができることが企図される。
【0015】
図5a〜図5bは、固定ギヤラック28がカートリッジ10の前面16に取り付けられた、図1〜図2のカートリッジ10を示す。可動ギヤラック26は、スロット24を通して足部27を挿入することによって、カートリッジ10に着脱可能に取り付けられている。固定ギヤラック28は、カートリッジ10の前面16上に固定され、可動ギヤラック26は、スロット24を覆うように位置決めされる。固定ギヤラック28と可動ギヤラック26の間に、ギヤ30が配置される。ギヤ30は、固定ギヤラック28および可動ギヤラック26の両方に接触する。ギヤ30、固定ギヤラック28、および可動ギヤラック26はすべて、歯を備える。ギヤ30の歯は、固定ギヤラック28の歯と可動ギヤラック26の歯の間に挿入されるようになされる。ギヤ30は、中央開口(図示せず)を通って延びるコア部片32、およびコア部片32に取り付けられたスライダ34を備える。ギヤ30は、使用者がスライダ34を動かすときに、コア部片32上で回転することが可能となる。
【0016】
ギヤ30およびラック26、28は、二重ラックアンドピニオン構成である。すなわち、スライダ34が横方向に、準備位置(図5a)から送出位置(図5b)へと矢印A(図5a、図5b)の方向で動くとき、ギヤ30もまた横方向に動き、固定ギヤラック28によって、ギヤ30が時計回り方向にも回転される。ギヤ30の横方向運動およびギヤ30の回転の両方によって、可動ギヤラック26が、横方向へと矢印Aの方向に動かされる。たとえば、スライダ34が横方向に距離Xだけ動かされるとき、ギヤ30も同様に距離X動かされ、それによって可動ギヤラック26が、横方向に距離Xだけ動かされる。さらに、ギヤ30が横方向に動かされるとき、ギヤ30(すなわちピニオン)は、固定ギヤラック28によって、(図示の実施形態では)時計回りに回転される。この回転によってさらに、可動ギヤラック26が、ギヤ30のサイズ、ならびにギヤ30およびラック26、28上の歯の構成に基づいて、距離Y動かされる。こうして、スライダ34が、矢印A方向に距離Xだけ横方向運動することによって、可動ギヤラック26が、矢印A方向に距離X+Yだけ横方向に動かされる。
【0017】
上記で議論したように、可動ギヤラックの足部27は、前面16に隣接する試験センサ20の後方に位置決めされる。すなわち、スライダ34が距離X動かされるとき、試験センサ20は、スライダ34と同じ方向で、横方向に距離X+Yだけ動く。可動ギヤラック26が横方向に矢印Aの方向で動かされるとき、カートリッジの前面16に隣接する試験センサ20が、足部27によって送出スリット25を通して部分的に送出される。試験センサ20が取り出されるとき、試験センサ保持機構22は、次の近位試験センサ20が前面16に接触するまで、残りの試験センサ20の積重ねを前面16に向かって押す。
【0018】
送出スリット25に最も近い可動ギヤラック26に隣接して、ばね36が配置される。可動ギヤラック26が送出スリット25に向かって動かされるとき、ばね36は、スライダ34が解放されるときに、ばね36の戻る力によって可動ギヤラック26が別の試験センサ20を送出するためにその開始位置へと再び位置決めされるように、圧縮される。
【0019】
上記で議論したように、いくつかの実施形態では、スロット24は、たとえばAlusuisse Flexible Packaging,Incによって販売されるAL−191−01箔など、箔を用いて封止することができる。さらに、送出スリット25を、箔で封止することができる。これらの実施形態では、足部27が最初に、カートリッジ10に取り付けられるときに、スロット24を封止する箔を穿刺する。次いで足部27は、スライダ34が横方向へと矢印Aの方向に動かされるとき、スロット24を封止する箔を切り開く。足部27が矢印Aの方向に動くとき、試験センサ20が、カートリッジ10から分配される。分配される試験センサ20は最初に、送出スリット25を封止する箔を切り開く。
【0020】
ここで図6に移ると、本発明の別の実施形態による、ケーシング38内にありカートリッジ110に取り付けられた、送出機構111が示されている。送出機構111は、固定ギヤラック128、一端部上に足部を備える可動ギヤラック126、ばね136、およびギヤ130を備え、それらはすべて、ケーシング38内に部分的に取り囲まれている。ケーシング38は、底部40、頂部42、および前部50を備える。ケーシング38はまた、底部40から頂部42へと延びる、2つの側部44aおよび44bを有する。カートリッジ110の前面116は、ケーシング38の後部壁として働く。前面116は、図1および図3の、足部がそこから突出するスロット24とサイズおよび寸法が同様のスロットを備える。底部40は、可動ギヤラック126がその上を移動する、通路を提供する。ケーシング38の底部40および前部50はまた、可動ギヤラック126およびばね136を定位置に保持し、足部がスロット内に位置決めされたままとなることを保証する。前部50は、コア部片132がそこを通って延びることを可能にするようになされた、開口52を有する。スライダ134は、ケーシング38の外部に配置されるので、使用者はそれにアクセスすることができる。開口52は、使用者が、試験センサを送出することができるようスライダ134を動かすことが可能になるようになされる。
【0021】
図7a〜図7bを見ると、別の実施形態による、着脱可能なケーシング138が示されている。着脱可能なケーシング138は、カートリッジ210に着脱可能に取り付けられている。着脱可能なケーシング138は、着脱可能なケーシング138が、送出機構211を実質的に取り囲むためにケーシング138に固定された背面54を有する以外は、図6のケーシング38と同様である。着脱可能なケーシング138は、図6のケーシング38と同じ内部特徴を備える。図7a、図7bに示す実施形態では、スロット56は、着脱可能なケーシング138の背面54内に形成される。カートリッジ210は、図1のカートリッジ10内に形成されたスロット24と同様の寸法の、前面216上のスロットを有する。スロット56は、カートリッジ10内に形成されたスロット24と同様の寸法を有し、可動ギヤラック226の足部がそれを通って延びることを可能にするようになされる。着脱可能なケーシング138が、カートリッジ210に着脱可能に取り付けられるとき、スロット56は、可動ギヤラック226の足部が、スロットを通ってカートリッジ210内に挿入されるように、カートリッジ210の前面216上のスロットと位置合せされる。足部がそのように挿入されるとき、送出機構211は、カートリッジ210から試験センサを分配することができる。
【0022】
着脱可能なケーシング138の背面54は、カートリッジ210の前面216に着脱可能に取り付けられるようになされる。この着脱可能な取付けは、(1つまたは複数の)スロットと(1つまたは複数の)グルーブの連結、1つまたは複数のラッチ機構、接着剤などを含むがそれに限定されない、様々な手段によって実現することができる。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、カートリッジ110または210、およびケーシング38または取外し可能なケーシング138は、図8に示すように、測定器100内に挿入されるようになされる。一実施形態によれば、測定器100は、表示部62、読取りヘッド60、および複数のボタン64a〜64cを含むボタンセット64を備える。読取りヘッド60は、試験センサ20に加えられた流体試料からの読みを得るようになされ、ボタンセット64は、使用者が測定器100と情報交換することを可能にする。測定器100は、カートリッジの側壁が、測定器100の第1の表面66および第2の表面68に近接するようになされる。第1の表面66は、試験センサがカートリッジの送出スリットを通って送出されるときに、それがまた試験センサ送出開口70を通って送出されるように、カートリッジの送出スリットと位置合せされる試験センサ送出開口70を備える。隣接する第2の表面68は、使用者がスライダ334にアクセスし、それを動かすことを可能にする、スロット開口72を備える。スロット開口72は、送出機構111、211のコア部片が、準備位置から試験位置へと往復運動することを可能にするようになされる。一代替実施形態では、図7a〜図7bの送出機構211およびケーシング138がまず、測定器100に取り囲まれ、後にカートリッジ210を、カートリッジ210の前面216がケーシング138の端面54と接触し、カートリッジの側壁214aが測定器100の第1の表面66と接触するように、測定器100内に挿入することができる。カートリッジ210が正しく挿入されると、送出スリット225が、測定器100内に形成された試験センサ送出開口70と位置合せされる。
【0024】
ここで図9を参照すると、図7a〜図7bの送出機構111、211が、本発明の一実施形態による測定器200に取り付けられている。送出機構111、211は、測定器200の外面76に取り付けられる。ケーシング138の背面54(図7b)は、ケーシング138のスロット56が、カートリッジ210の前面216上のスロットと位置合せされるよう、カートリッジの前面216に接触するようになされる。この実施形態では、カートリッジ210は、使用時に測定器200の外部で保持される。
代替実施形態A
試験センサを試験センサカートリッジから送出するための試験センサ送出機構。この送出機構は、
表面に固定された固定ギヤラックと、
固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、試験センサに係合するようになされる可動ギヤラックと、
固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触するギヤとを備え、ギヤの第1の方向での横方向運動が、ギヤによる回転運動を生み出し、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが横方向へと第1の方向に動かされ、可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
代替実施形態B
可動ギヤラックが動く横方向距離が、ギヤが動く距離の2倍である、実施形態Aの試験センサ送出機構。
代替実施形態C
ギヤに機械的に取り付けられたスライダをさらに備え、スライダの第1の方向の運動によって、ギヤが第1の方向に動かされる、実施形態Aの試験センサ送出機構。
代替実施形態D
送出機構が、少なくとも部分的にケーシングによって取り囲まれる、実施形態Aの試験センサ送出機構。
代替実施形態E
ケーシングが、測定器に着脱可能に取り付けられるようになされる、実施形態Dの試験センサ送出機構。
代替実施形態F
ケーシングが、試験センサカートリッジに着脱可能に取り付けられるようになされる、実施形態Dの試験センサ送出機構。
代替実施形態G
試験センサが、流体試料中の分析物濃度の測定を助けるようになされる、実施形態Aの試験センサ送出機構。
代替実施形態H
分析物がグルコースであり、流体試料が全血である、実施形態Gの試験センサ送出機構。
代替実施形態I
試験センサを試験センサカートリッジから送出するための試験センサ送出機構。この送出機構は、
カートリッジの前面に固定された固定ギヤラックと、
固定ギヤラックと平行に配置され、そこから突出する足部を有する可動ギヤラックと、
カートリッジの前面上に形成され、足部がそこを通って延び試験センサに接触することを、可能にするようになされるスロットと、
固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触し、その中に形成された中央開口を有するギヤと、
ギヤの中央開口を通って延びるギヤコア部材と、
ギヤコア部材に取り付けられたスライダとを備え、スライダの第1の方向での横方向運動によって、ギヤが第1の方向に動かされ、それによってギヤによる回転運動が生み出され、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが横方向へと第1の方向に動かされ、可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
代替実施形態J
カートリッジが、その中に配置される複数の試験センサを備える、実施形態Iの試験センサ送出機構。
代替実施形態K
カートリッジが、複数の試験センサをカートリッジの前面と接触させて置くための試験センサ保持機構を備える、実施形態Jの試験センサ送出機構。
代替実施形態L
送出機構およびカートリッジが、測定器内に挿入されるようになされる、実施形態Kの試験センサ送出機構。
代替実施形態M
送出機構およびカートリッジが、測定器に着脱可能に取り付けられるようになされる、実施形態Kの試験センサ送出機構。
代替実施形態N
中央区画を形成する試験センサカートリッジを備える、試験センサディスペンシング装置。このカートリッジは、
(i)基部から頂部カバーへと延びる、前面および端部壁と、
(ii)カートリッジの中央区画内に配置された、複数の積み重ねられた試験センサと、
(iii)カートリッジの中央区画内に配置された試験センサ保持機構であって、保持プレートおよび少なくとも1つのばねを有し、少なくとも1つのばねは、一端部が保持プレートに、他端部がカートリッジの端部壁に取り付けられる、試験センサ保持機構と、
(iv)カートリッジの前面とほぼ平行であり、複数の試験センサのうちの1つがカートリッジから送出されることを可能にするようになされる、試験センサ送出スリットとを備える。試験センサディスペンシング装置はさらに、送出機構を備え、送出機構は、
(i)試験センサカートリッジの前面に固定された固定ギヤラックと、
(ii)固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、可動ギヤラックから延びる足部を有する可動ギヤラックと、
(iii)試験センサカートリッジの前面上にあり、足部がそれを通って延び複数の試験センサのうちの1つと係合することを、可能にするようになされるスロット開口と、
(iv)固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらに接触するギヤであって、その中に形成された中央開口を有するギヤと、
(v)ギヤの中央開口を通って延び、ギヤがその上で回転することを可能にするギヤコア部材と、
(vi)ギヤコア部材に取り付けられたスライダとを備え、スライダの第1の方向での横方向運動によって、ギヤが第1の方向に動かされ、それによって、ギヤによる回転運動が生み出され、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが横方向へと第1の方向に動かされ、可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが、送出スリットを通って試験センサカートリッジから部分的に送出される。
代替実施形態O
試験センサディスペンシング装置が測定器に取り付けられる、実施形態Nの試験センサディスペンシング装置。
代替実施形態P
送出機構は、ギヤコア部材およびスライダがそれを通って突出する開口を有するケーシングに取り囲まれる、実施形態Nの試験センサディスペンシング装置。
代替実施形態Q
試験センサカートリッジの前面が、ケーシングの後部壁として機能する、実施形態Pの試験センサディスペンシング装置。
代替実施形態R
スロット開口が最初に箔で封止されている、実施形態Nの試験センサディスペンシング装置。
代替実施形態S
送出スリットが最初に箔で封止されている、実施形態Nの試験センサディスペンシング装置。
代替実施形態T
試験センサを送出するようになされた測定器。この測定器は、
分配された試験センサ上に配置された流体試料から、分析物濃度を測定するようになされた読取りヘッドと、
測定器の使用者に情報を表示するための表示器と、
使用者が測定器と情報交換することを可能にするためのボタンセットと、
送出機構とを備え、この送出機構は、
(i)表面に固定された固定ギヤラックと、
(ii)固定ギヤラックとほぼ平行に配置されており、試験センサと係合するようになされた可動ギヤラックと、
(iii)固定ギヤラックと可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触するギヤとを備え、ギヤの第1の方向での横方向運動は、ギヤによる回転運動を生み出し、横方向運動および回転運動の両方によって、可動ギヤラックが第1の方向で横方向に動かされ、可動ギヤラックの第1の方向での横方向運動によって、試験センサが試験センサカートリッジから送出される。
代替実施形態U
分析物がグルコースであり、流体試料が全血である、実施形態Tの測定器。
代替実施形態V
送出機構が、測定器の外面に取り付けられる、実施形態Tの測定器。
代替実施形態W
測定器が、試験センサカートリッジを前記測定器内に挿入することを可能にするようになされた内部キャビティをさらに備え、ギヤが測定器の外側から第1の方向で横方向に動かされるように、送出機構が内部キャビティ内に取り付けられる、実施形態Tの測定器。
【0025】
本発明は、様々な修正形態および代替形態を許容可能であるが、具体的な実施形態を、例として図面に示し、以下で詳細に説明する。ただし、本発明は、開示される特定の形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含まれる、すべての修正物、等価物、代替物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態による試験センサカートリッジを示す斜視図である。
【図2】図1に示すカートリッジの内部斜視図である。
【図3】図2の試験センサカートリッジを図示の可動ギヤラックと共に示す内部斜視図である。
【図4】図1の試験センサカートリッジ内に挿入された可動ギヤラックを示す、図3のカートリッジの上面図である。
【図5a】送出機構が準備位置にある、図2の試験センサカートリッジに取り付けられた送出機構を示す概略図である。
【図5b】送出機構が送出位置にある、図5aの送出機構およびカートリッジを示す概略図である。
【図6】送出機構がケーシングに取り囲まれる、図5の試験センサカートリッジおよび摺動機構の一代替実施形態を示す概略図である。
【図7】図7aは、本発明の一実施形態による、試験センサカートリッジ、および試験センサカートリッジに着脱可能に取り付けられた送出機構を示す斜視図である。
【0027】
図7bは、図7aの送出機構のケーシングの背面を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態における、図5の送出機構が内部に取り付けられた測定器を示す斜視図である。
【図9】図8の測定器の外部に取り付けられた、図6の送出機構を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験センサを試験センサカートリッジから送出するための、試験センサ送出機構であって、
表面に固定された固定ギヤラックと、
前記固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、前記試験センサに係合するようになされた可動ギヤラックと、
前記固定ギヤラックと前記可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触するギヤとを備え、
前記ギヤの第1の方向での横方向運動によって、前記ギヤによる回転運動が生み出され、前記横方向運動および回転運動の両方によって、前記可動ギヤラックが横方向へと前記第1の方向に動かされ、前記可動ギヤラックの前記第1の方向での前記横方向運動によって、前記試験センサが前記試験センサカートリッジから送出されるようになされた、試験センサ送出機構。
【請求項2】
前記可動ギヤラックが動く横方向距離は、前記ギヤが動く距離の2倍である、請求項1に記載の試験センサ送出機構。
【請求項3】
前記ギヤに機械的に取り付けられたスライダをさらに備え、前記スライダの前記第1の方向での運動によって、前記ギヤが前記第1の方向に動かされるようになされた、請求項1に記載の試験センサ送出機構。
【請求項4】
前記送出機構が、少なくとも部分的にケーシングによって取り囲まれている、請求項1に記載の試験センサ送出機構。
【請求項5】
前記ケーシングが、測定器に着脱可能に取り付けられるようになされている、請求項4に記載の試験センサ送出機構。
【請求項6】
前記ケーシングが、前記試験センサカートリッジに着脱可能に取り付けられるようになされている、請求項4に記載の試験センサ送出機構。
【請求項7】
前記試験センサが、流体試料中の分析物濃度の測定を助けるようになされている、請求項1に記載の試験センサ送出機構。
【請求項8】
前記分析物がグルコースであり、前記流体試料が全血である、請求項7に記載の試験センサ送出機構。
【請求項9】
試験センサカートリッジから試験センサを送出するための、試験センサ送出機構であって、
前記カートリッジの前面に固定された固定ギヤラックと、
前記固定ギヤラックと平行に配置され、そこから突出する足部を有する可動ギヤラックと、
前記カートリッジの前記前面上に形成され、前記足部がそこを通って延び前記試験センサに接触することを可能にするようになされている、スロットと、
前記固定ギヤラックと前記可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触し、その中に形成された中央開口を有するギヤと、
前記ギヤの前記中央開口を通って延びるギヤコア部材と、
前記ギヤコア部材に取り付けられたスライダと、を備え、
前記スライダの第1の方向での横方向運動によって、前記ギヤが前記第1の方向に動かされ、それによって、前記ギヤによる回転運動が生み出され、前記横方向運動および回転運動の両方によって、前記可動ギヤラックが前記第1の方向で横方向に動かされ、前記可動ギヤラックの前記第1の方向での前記横方向運動によって、前記試験センサが前記試験センサカートリッジから送出されるようになされている、試験センサ送出機構。
【請求項10】
前記カートリッジが、その中に配置される複数の試験センサを備える、請求項9に記載の試験センサ送出機構。
【請求項11】
前記カートリッジが、前記複数の試験センサのうちの1つを前記カートリッジの前記前面と接触させて置くための、試験センサ保持機構を備える、請求項10に記載の試験センサ送出機構。
【請求項12】
前記送出機構および前記カートリッジが、測定器内に挿入するようになされている、請求項11に記載の試験センサ送出機構。
【請求項13】
前記送出機構および前記カートリッジが、測定器に着脱可能に取り付けられるようになされている、請求項11に記載の試験センサ送出機構。
【請求項14】
中央区画を形成する試験センサカートリッジを備える、試験センサディスペンシング装置において、前記カートリッジが、
(i)基部から頂部カバーへと延びる、前面および端部壁と、
(ii)前記カートリッジの前記中央区画内に配置された、複数の積み重ねられた試験センサと、
(iii)前記カートリッジの前記中央区画内に配置された試験センサ保持機構であって、保持プレートおよび少なくとも1つのばねを有し、前記少なくとも1つのばねは、一端部が前記保持プレートに、他端部が前記カートリッジの前記端部壁に取り付けられている、試験センサ保持機構と、
(iv)前記カートリッジの前記前面とほぼ平行な試験センサ送出スリットにして、前記複数の試験センサのうちの1つが前記カートリッジから送出されることを可能にするようになされた試験センサ送出スリットと、を備え、
前記試験センサディスペンシング装置がさらに、送出機構を備え、
前記送出機構が、
(i)前記試験センサカートリッジの前記前面に固定された固定ギヤラックと、
(ii)前記固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、可動ギヤラックから延びる足部を有する、可動ギヤラックと、
(iii)前記試験センサカートリッジの前記前面上のスロット開口であって、前記足部がそれを通って延び前記複数の試験センサのうちの1つと係合することを、可能になるようになされたスロット開口と、
(iv)前記固定ギヤラックと前記可動ギヤラックの間に配置され、それらに接触するギヤであって、その中に形成された中央開口を有するギヤと、
(v)前記ギヤの前記中央開口を通って延び、前記ギヤがその上で回転することを可能にするギヤコア部材と、
(vi)前記ギヤコア部材に取り付けられたスライダと、を備え、
前記スライダの第1の方向での横方向運動によって、前記ギヤが前記第1の方向に動かされ、それによって前記ギヤによる回転運動が生み出され、前記横方向運動および回転運動の両方によって、前記可動ギヤラックが横方向へと前記第1の方向に動かされ、前記可動ギヤラックの前記第1の方向での前記横方向運動によって、前記試験センサが前記送出スリットを通って前記試験センサカートリッジから部分的に送出されるようになされている、試験センサディスペンシング装置。
【請求項15】
前記試験センサディスペンシング装置が測定器に取り付けられている、請求項14に記載の試験センサディスペンシング装置。
【請求項16】
前記送出機構は、前記ギヤコア部材およびスライダがそれを通って突出する開口を有するケーシングに取り囲まれている、請求項14に記載の試験センサディスペンシング装置。
【請求項17】
前記試験センサカートリッジの前記前面が、前記ケーシングの後部壁として機能するようになされている、請求項16に記載の試験センサディスペンシング装置。
【請求項18】
前記スロット開口が最初に箔で封止されている、請求項14に記載の試験センサディスペンシング装置。
【請求項19】
前記送出スリットが最初に箔で封止されている、請求項14に記載の試験センサディスペンシング装置。
【請求項20】
試験センサを分配するようになされた測定器であって、前記測定器は、
分配された試験センサ上に配置された流体試料から、分析物濃度を測定するようになされた読取りヘッドと、
前記測定器の使用者に情報を表示するための表示器と、
使用者が前記測定器と情報交換することを可能にするためのボタンセットと、
送出機構と、を備え、
前記送出機構が、
(i)表面に固定された固定ギヤラックと、
(ii)前記固定ギヤラックとほぼ平行に配置され、前記試験センサに係合するようになされる可動ギヤラックと、
(iii)前記固定ギヤラックと前記可動ギヤラックの間に位置決めされ、それらと接触するギヤと、を備え、
前記ギヤの第1の方向での横方向運動が、前記ギヤによる回転運動を生み出し、前記横方向運動および回転運動の両方によって、前記可動ギヤラックが横方向へと前記第1の方向に動かされ、前記可動ギヤラックの前記第1の方向での前記横方向運動によって、前記試験センサが前記試験センサカートリッジから送出されるようになされている、測定器。
【請求項21】
前記分析物がグルコースであり、前記流体試料が全血である、請求項20に記載の測定器。
【請求項22】
前記送出機構が、前記測定器の外面に取り付けられている、請求項20に記載の測定器。
【請求項23】
前記測定器が、試験センサカートリッジを前記測定器内に挿入することを可能にするようになされた内部キャビティをさらに備え、前記ギヤを、前記測定器の外側から前記第1の方向で横方向に動かすことが可能になるように、前記送出機構が前記内部キャビティ内に取り付けられている、請求項20に記載の測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−524599(P2008−524599A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546965(P2007−546965)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045760
【国際公開番号】WO2006/066123
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】