使い捨て手袋および使用者の手に手袋を装着させる装置
本発明は、使い捨て手袋のパッケージ、ならびにパッケージを使用して使用者の手への手袋の装着を可能にすることができる方法および装置に関する。手袋はロール巻きで保管され、装置によって巻き出されて開けられ、その結果、使用者は手袋に触れずに衛生的に自分の手を手袋に挿入できる。その後、自分の手が手袋に入っている使用者は、手を装置から下方に引き離して、手袋のロール巻きから手袋を裂き取る。その後、装置は、使用者が別の手を挿入できるように、別の手袋を巻き出して開けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て手袋のパッケージ、ならびにそのパッケージを用いて使用者の手への手袋の装着を可能にすることのできる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て手袋の使用は、サンドイッチなどの食べ物を作って顧客に販売できるような、あるいは食肉など他の包装されていない食品をトレーから選び出して包装し顧客が買えるようにするような、食物を取り扱う施設など数多くの業界で一般的になってきている。そのような手袋の使用は、衛生面を改善することを目的としており、その使用により、そのような食品を素手で取り扱う場合に起こり得る病原菌の繁殖が防止される。
【0003】
従来、そのような手袋を使用する場合、手袋を単に箱から選んで使用者が自分の手に装着する。その場合、手袋を使用者の手に装着する前、および装着している間に、使用者が手袋にかなり接触することは避けられない。このことは、手袋の外面が、何らかの他の病原菌または使用者の手にすでに付いている他の望ましくない物質で汚染され得ることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より衛生的に手袋を使用者の手に装着させる方法および装置で使用できる使い捨て手袋のパッケージを提供し、またそのような方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、最初の態様において、
1つの手袋を連続体から切り離すために分割可能な脆い連結部によって、連続体において互いに連結されている複数の手袋と、
各手袋の開口カフを形成するための、脆い連結部に対して横方向の手袋端部と
を含む、使い捨て手袋のパッケージであって、
各手袋が手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られる、使い捨て手袋のパッケージにあると言うことができる。
【0006】
好ましくは、各パネルが脆い連結部によって隣接パネルに連結されており、接合部が手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含んでいるような手袋パネルで、手袋は作られる。
【0007】
1つの実施形態では、各パネルは長方形パネルであり、接合部の外側方向にウェブがある。
【0008】
1つの実施形態では、手袋は画定された指を有し、指を切り離すために指と指との間のウェブに切れ目が入れられている。
【0009】
しかし、他の実施形態では、指と指との間のウェブは、切れ目が入っていないままであってよい。
【0010】
別の実施形態では、手袋は指を有し、指を画定する手袋の接合部は、指のところでパネルの周囲を形成する。
【0011】
したがって、この実施形態では、各手袋の指と指との間にウェブは形成されない。
【0012】
他の実施形態では、手袋は画定された指のない二又手袋であってよい。
【0013】
好ましくは、使い捨て手袋のパッケージは、手袋のロール巻きの形態である。
【0014】
本発明のこの態様は、
連続体から1つの手袋を切り離すために分割可能な脆い連結部によって、連続体において互いに連結されている複数の手袋であって、
各手袋が、手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られている、複数の手袋と、
手袋が装置で位置合わせされることを可能にする位置決め印(locating indicia)と、
を含む、使用者の手への手袋の装着を可能にする手袋装着機と共に使用するための使い捨て手袋のパッケージにあると言うこともできる。
【0015】
1つの実施形態では、位置決め印は標示を含む。
【0016】
別の実施形態では、位置決め印は孔を含む。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、新しい手袋の新しいパッケージが装置に装填された時に、手袋のパッケージを装置内に位置合わせするため、孔に位置付けられる少なくとも1本のピンを孔の中に位置付けて、これにより手袋を装置を通して割送りする(indexed)ことが可能になる。
【0018】
好ましくは、手袋は、各パネルが脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、接合部は、手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む。
【0019】
好ましくは、各パネルは、接合部の外側方向にウェブ部分を有し、位置決め印はウェブ部分に位置している。
【0020】
1つの実施形態によれば、好ましくは、脆い連結部に対して横方向である各パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される。言い換えれば、手袋は連続体に対して横向きに(または「東から西に」)配向されている。
【0021】
別の実施形態によれば、好ましくは、パネル間の脆い連結部にあるパネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される。言い換えれば、手袋は連続体に対して縦向きに(または「北から南に」)配向される。
【0022】
もっとも好ましい実施形態では、標示印(marking indicia)は各パネルにおいて2個の孔を含む。
【0023】
好ましくは、脆い連結部は穿孔線を含む。
【0024】
しかし、他の実施形態では、脆い連結部は各手袋間に小さな付着細片(attaching strips)を含んでもよく、その付着細片は、1つの手袋を手袋連続体の隣接手袋から引きちぎる時に分割可能なものである。
【0025】
好ましくは、使い捨て手袋のパッケージは手袋のロール巻きを含む。
【0026】
本発明は、別の態様において、
機械的に手袋を手挿入場所に位置付けることと、
手袋を開けることと、
手を手袋に挿入することと、
を含む、衛生的に使用者の手に手袋を装着させる方法にあると言うことができる。
【0027】
好ましくは、手袋は手挿入場所において開いている。
【0028】
好ましくは、手袋は、脆い連結部によって連結された連続体手袋中の1つの手袋として提供され、したがって、使用者の手が手袋内に位置付けされた手袋は、使用者の手および手袋を動かすことによって、連続体から引き裂かれる。
【0029】
好ましくは、手袋は開口カフおよび指部分を有し、手袋は、手袋のカフと手袋の指部分の端との間の線が実質的に水平であるような向きに位置付けされる。
【0030】
好ましくは、手袋は、手袋の手の甲を画定する第1層と手袋の手のひらを画定する第2層とを有し、第1層と第2層を引き離すことによって手袋が開かれ、人が自分の手をカフに通して手袋に挿入できるようになる。
【0031】
もっとも好ましくは、第1層と第2層の両方が動く。しかし、他の実施形態では、層の一方のみが動くことができ、他方は実質的に静止している。
【0032】
本発明はまた、
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と、
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かすための割送り機構(indexing device)と、
使用者が自分の手を手袋に手挿入ステーションで挿入できるように手袋を開けるための手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言える。
【0033】
本発明の1つの実施形態では、保管機構は、とぎれていない手袋連続体を含む手袋のロール巻きを保管するための区画であって、手袋は、連続体において脆い連結部によって互いに繋がれている。
【0034】
好ましくは、割送り機構は、機構が手挿入ステーションと把持ステーションとの間で動くための可動把持機構を備えており、したがって、機構は、手挿入ステーションと連続体把持ステーションとの間で連続体に対して動くことができ、また把持ステーションにおいて連続体を把持することができるので、連続体は、把持ステーションから手挿入ステーションへの復帰運動の際にその機構によって引っ張られる。
【0035】
好ましくは、連続体中の手袋は第1層および第2層を有し、手袋開口機構は、層の少なくとも1つを把持するためのグリッパーと、グリッパーおよび層の少なくとも1つを他の層に対して動かして手袋を開けるためのグリッパー移動要素とを備えている。
【0036】
好ましくは、グリッパー機構が把持ステーションと手挿入ステーションとの間を動いている間に、手袋が把持されて開かれる。
【0037】
1つの実施形態によれば、グリッパーは、空気が流れることのできる物質のブロックを備え、グリッパー駆動要素(gripper mover element)はブラダーを備えており、ブラダーが膨張すると、物質が層の少なくとも1つに対して押しつけられ、その物質を真空にすると、空気流がその物質中を流れて層が物質に押しつけられ、またブラダーが収縮すると、物質とその層は他の層から引き離され、それによって手袋が開かれる。
【0038】
好ましくは、物質は連続気泡フォーム物質を含む。
【0039】
好ましくは、ブラダーは、ブラダーの膨張と収縮を制御するためのバネ要素を有しており、それは最初、ブラダーが膨張すると物質を層に対して押しつけ、ブラダーが収縮すると、物質とその層を他の層から引き離す。
【0040】
他の実施形態によれば、グリッパーはインフレータブルアセンブリと1つまたは複数の吸引点を有するシーリング構成体とを備え、インフレータブルアセンブリが膨張すると、シーリング構成体の少なくとも1つの吸引点が層の少なくとも1つに接するように位置付けられ、インフレータブルアセンブリが収縮すると、その層が他の層から引き離され、それによって手袋が開かれる。
【0041】
好ましくは、インフレータブルアセンブリは蛇腹を備えている。
【0042】
好ましくは、インフレータブルアセンブリの膨張または収縮の速度は、インフレータブルアセンブリへ空気を供給する(またはインフレータブルアセンブリから空気を引き出す)ピストンおよびシリンダーによって制御され、吸引点の吸引は別個のピストンおよびシリンダーによって制御される。
【0043】
好ましくは、そのピストンおよびシリンダーのアセンブリまたは各ピストンおよびシリンダーのアセンブリは、ソレノイドによって制御される直線アクチュエーターで操作可能である。
【0044】
好ましくは、割送り機構は一対のローラーをさらに備え、ギアが各ローラーに取り付けられており、ギア同士が噛み合い、その結果、ローラーは一致して(但し、反対方向に)回転することができ、ローラーは溝およびリブを有しているので、一方のローラーの溝が他のローラーのリブと噛み合うと、連続体はローラー間に把持されるようになっており、また割送り機構が把持ステーションから手挿入ステーションへ動くと、連続体はパッケージから引き離されるようになっており、また割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動くと、ローラーが連続体に対して回転するが、その回転は、割送り機構が動いている間に起こり、ついには溝とリブが再び噛み合い、それによってローラー間に連続体が把持される。
【0045】
1つの実施形態では、把持機構が手挿入ステーションから把持ステーションへと動く間だけローラーを回転させるための駆動装置が設けられる。
【0046】
1つの実施形態では、駆動装置は、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動く間にローラーの回転を促進するために設けることのできるモーターを含む。
【0047】
モーターは、割送り機構が把持ステーションから手挿入ステーションへ動く間にローラーが回転するのを防止するクラッチを有することができる。
【0048】
別の実施形態では、駆動装置はラックとギアとのアセンブリを備え、ギアはローラーの一方に取り付けられ、ラックは固定されてギアに係合しており、その結果、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動く時、ギアとラックの係合によってギアの回転が生じ、それゆえにローラーが回転することになる。
【0049】
この実施形態では、ギアは、ローラーの回転を、手挿入ステーションと把持ステーションとの間の割送り機構の移動と同期させることも行う。
【0050】
好ましくは、手挿入ステーションにおける手袋への使用者の手の挿入、およびその後の手挿入ステーションにおける連続体からの手袋の除去を感知し、それによって割送り機構を作動させて、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動くようにし、また手挿入ステーションへ戻るようにし、そうして、手挿入ステーションで新しい手袋が開かれて使用者の手の挿入準備が整うようにするためのセンサーが備えられている。。
【0051】
好ましくは、装置は、新しいパッケージが装置内に入れられた時に連続体に係合して、連続体を装置内に正しく位置合わせするための位置付け要素を備えている。
【0052】
好ましくは、連続体は孔を有し、位置付け要素はピンを含み、そのピンは、パッケージが装置内に装填される時に孔に入り、パッケージが装置に装填された後、孔から引き抜かれるためのものである。
【0053】
好ましくは、ピンは、装置の保管機構における出し入れ口となる装置のドアの開閉運動によって、ピンが孔に入ることのできる位置付け位置と、連続体から引き離される位置との間で動かされる。
【0054】
好ましくは、ローラーの少なくとも一方がバネ付勢されてローラーの他方と係合するようになっており、その結果として、装置へのパッケージの装填時に、ローラー間への連続体の位置付けが容易になるようにローラーを少し離すことができる。
【0055】
本発明のこの態様は、
手挿入ステーションを利用できるようにする前面開口部と下部開口部とを有するハウジングと;
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構であって、手袋のカフ部分と手袋の指の先端部分との間の線が実質的に水平であるような配向で、しかも手袋のカフ部分が前面開口部に向いた状態で、手袋が手挿入ステーションにおいて提供されるようになっている、保管機構と;
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かす手袋割送り機構であって、使用者が自分の手をカフ部分に通して手袋に入れることができるようになっている、手袋割送り機構と
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置であって、
手袋を手に装着させるため、また手袋を装置から取り外すために、使用者が自分の手を前面開口部に通して手袋に挿入してから、手袋が手にある状態で自分の手を下部開口部に通して下方に動かす、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言うこともできる。
【0056】
本発明のこの態様は、
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と;
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かす割送り機構と;
手袋開口機構であって、空気が流れることができる少なくとも1つの物質ブロック、インフレータブルブラダー、およびそのブラダーへ空気を供給してブラダーを膨張させて、ブロックを手袋に隣接する位置に動かすため、ブロックを介して真空にして、手袋の一部分がブロックに引きつけられるようにするため、またブラダーを収縮させて、ブロックがブラダーと一緒に動いて、手袋の一部分を手袋の別の部分から引き離して手袋を開けて、手挿入ステーションにおいて使用者が自分の手を手袋に挿入できるようにするための、少なくとも1つの給気・真空システムを備えた手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言うこともできる。
【0057】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら例を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】1つの実施形態による、パッケージとして形成された手袋連続体の図である。
【図2】図1に似た別の実施形態の図である。
【図3】図1のIII−IIIの線に沿った図である。
【図4】手袋のロール巻きの形態である、手袋のパッケージの側面図である。
【図5】図1における連続体中の1つの手袋の詳細図である。
【図6】図1に示すタイプの1つの手袋を変更した形態の詳細図である。
【図7】手袋のパッケージを形成するための機械の側面図である。
【図8】図7の機械の上面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態による装置の側面図である。
【図10】図9の装置の正面図である。
【図11】図9の装置の斜視図である。
【図12】本発明の好ましい実施形態を用いたローラーとギアとのアセンブリの詳細図である。
【図13】図9における装置の一部の概略図である。
【図14】図13に示す装置の一部の斜視図である。
【図15】図9に従った装置の概略正面図である。
【図16】図15における装置の一部の側面図である。
【図17】図9における装置の一部の概略図である。
【図18】本発明の別の実施形態による装置の一部の概略図である。
【図19】本発明の実施形態による装置の別の部分の横断面図である。
【図20】図18に示す装置の一部の断面の斜視図である。
【図21】本発明の実施形態に用いる制御系の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1を参照すると、手袋のパッケージ(図4に示すロール巻き15など)を形成する手袋連続体10が示されている。他の実施形態では、パッケージは、手袋連続体をジグザグの層状にしたもの、または他の任意のコンパクトな手袋のパッケージを含み得る。
【0060】
手袋連続体10は、第1層18と第2層20とから形成される(図3を参照)。手袋連続体10中の各手袋11は、手袋の周囲(言い換えれば、手袋の形状)を画定するヒートシール接合部21によって画定される。したがって、接合部では、2つの層18〜20が手袋の輪郭11aに沿ってヒートシールされて一緒にされ、そのようにして手袋の形状が画定される。
【0061】
図1の実施形態では、手袋は、2つの層18および20によって形成された手袋パネル25として形成されており、手袋パネル25は脆い連結部26によって画定されている。脆い連結部26は、以下にさらに詳細に説明するように、好ましくは、1つの手袋を連続体10から容易に引き裂くことができるように穿孔線を含む。
【0062】
図1の実施形態では、手袋パネル25は、向かい合わせの端部27および29を有しており、それらは、接合部21が端部27および29を横切るかまたは接触している箇所以外では、互いに繋がっていない。それゆえに、図3に最もうまく示されているように、これは各手袋の開口カフ30を画定する。端部29にビードを付けることができ、その結果として、各手袋11の開口カフはビード31を有することになって、手袋のその部分がいくらか強化され、また人が自分の手を手袋に挿入し易いようになる。
【0063】
各パネル25には2個の孔33も設けられる。それらの孔は、以下に説明する手袋装着装置に手袋を位置付け易くするための位置決め印を形成する。
【0064】
図2は、手袋が、図1の「東−西」の配置ではなく「北−南」の配置にされている第2の実施形態を示す。同様の参照番号は、前述のものを同様に表すものである。
【0065】
この実施形態では、手袋連続体10から1つの手袋11を切り離す時に穿孔線26を裂くと、手袋に開いた裂け口が生じるであろう。
【0066】
図5は、図1に示したタイプのパネル26に形成される1つの手袋11に関するより詳細な図である。
【0067】
図1および図5の両方から明らかなように、ウェブ35は、接合部11aの外側方向に残されたままになり、各パネル25の層18および20から形成されている。
【0068】
所望される場合には、指を切り離すために、手袋の指11b間のウェブ35に切れ目37を入れることができる。しかし、他の実施形態では、ウェブは手を加えないままにすることもできる。なぜなら、ウェブは比較的薄く、ほとんどの用途において、依然として指の形の相対的動きが十分に確保されるからである。
【0069】
手袋11の親指11cと、親指11cに隣接した人差し指11bとの間にも、切れ目37を入れる。
【0070】
使い捨て手袋は普通、非常に短時間(多分、ほんの30秒以下程度)使用されるだけなので、ウェブは手の動き、または手袋を装着している人が行う必要のある作業を邪魔することはないであろう。
【0071】
本発明のさらなる実施形態では、パネル25は、指11bを画定している接合部11aの周囲でパネルが切断され、その結果、指11bおよび親指11cの間にウェブがなくなっている、図6に示すタイプのものであってよい。ウェブ35は、手の手のひら部分11dの外側方向に残る。
【0072】
この実施形態では、端部27は、図6に示すように指の形状によって画定される。
【0073】
図6の実施形態では、穿孔線26は、端部29から親指11cの先端まで、また端部29から小指11bの先端までの間で伸びている。
【0074】
図7および8は、手袋のパッケージが形成される仕方を示す例を図式的に示している。
【0075】
層18および20は、層物質の供給ロール40および41から供給し、1組または複数組のアイドラーローラー42の周囲に誘導してヒートシールステーション43へ送る。ヒートシールステーション43では、ステーション43の適切な部品を介して線11aに沿って加熱して、手袋の形状を画定する線11aに沿って層18および20を熱溶接して合わせることにより、手袋11aの周囲を画定する接合部21が形成される。このようにして、層18および20が線11aで接合される。
【0076】
次いで層18が切断・穿孔ステーション45(ここで、穿孔線26が形成され、孔33と切れ目37も形成される)へと割送りされ、その後、形成された手袋連続体10はロールに巻き取られて、図4に示す手袋のパッケージ15が形成される。
【0077】
図7および8に示す装置は、概略であって、単なる説明のためのものであり、手袋のパッケージを完成させる機械のすべての構成部品を示すことを意図するものではないことを理解すべきである。いずれにしても、図7に詳しく示されていない構成部品は、市販の部品を組み合わせて容易に構成できることが理解されるであろう。
【0078】
図9〜14、ならびに16および17は、本発明の1つの実施形態による装置の一部を示す。図15は、図9〜14ならびに16および17に示した部品を含む、衛生的に手袋を使用者の手に装着させるための集成装置の略図を示す。
【0079】
図9、10および11を参照すると、装置は、一対の手袋開口機構52を支持する支持フレーム50を備えた、手袋連続体10の割送り機構48を有している。手袋11のロール巻き15は、保管機構49内のシャフト(図示せず)上に支持され、手袋連続体10は、図10および図11に最もうまく示されているように、ロール巻き15から機構52を通って誘導される。
【0080】
フレーム50は、2つのU字形フレーム部材51を含み、それらはトラック53上に支持され、そのトラックはというと、外側ハウジング55によって支えられている(図15を参照)。
【0081】
フレーム50は、以下にさらに詳しく説明するように、ガイドトラック53上で垂直にフレーム50を動かすための一対のリニアベアリング56にも連結されている。
【0082】
フレーム50は、連続体10を把持するための連続体グリッパー54も支える。連続体グリッパー54は、一対のローラー58を備え、その間を通るように手袋11の連続体10が誘導される。ローラー58は一端にギア59があり、そのギア59はローラー58の回転と同期するよう噛み合い、その結果として、ローラーは互いに一致して(但し、反対方向に)回転する。
【0083】
外側ハウジング55は、機構52を駆動するための2つの圧力ポンプ60も支える。これについても以下にさらに詳細に説明する。
【0084】
ローラー58の回転を監視するため、エンコーダー61が、ローラー58の1つが取り付けられているシャフト62上に設けられている。
【0085】
フレーム50およびローラー59の動き、ならびに関連した機構52の動作は、以下の通りである。
【0086】
図9および10は、グリッパーステーションGにある上昇上側把持位置のフレーム50を示し、そこでは、手袋連続体10がローラー59によって把持され、機構52の間に延在している。リニアベアリング56は、フレームおよびローラー59を図11に示す手挿入ステーションHに向けて下方へ動かし、それによって手袋連続体10は下方へ引っ張られ、フレーム50はロール巻き15から離れる。
【0087】
フレーム50の降下の間、圧力が機構52に加えられて、機構52が連続体10の手袋11の1つを把持することになる。手袋が把持された後、機構52を真空にして、それらの機構52が離れるようにし、それによって手袋11を構成する2つの層18および20を互いに引き離して手袋を開ける。真空にすると同時に、手袋を把持させるために以前に機構52に加えた圧力を緩める。
【0088】
したがって手袋は、図11に示す手挿入ステーションHにおける下側の位置でフレーム50によって開かれた状態に保たれ、その結果、使用者は自分の手をハウジング55の前面開口部62に通して手袋に挿入することができる。使用者は、ハウジング55の開口下部64を通り抜けるように自分の手を下方向に引っ張るだけで、手袋11の上の孔26に沿って手袋が連続体10から引き裂かれる。このようにして使用者の手は、使用者が手袋の外側に触れなくても、手袋がきちんと嵌った状態で装置から抜き出される。
【0089】
図9および15に最もうまく示されているように、光検出器68の直線アレイ(linear array)とは反対側のフレーム50上に発光アレイ66が設けられている。発光体66が発する光を、検出器68が検出する。したがって、人の手が手袋の中に位置付けられると、光が遮られ、それによって人の手が装置内にあることが示される。また人が、前述の手の下方の動きによって手袋11を連続体10から引き裂くと、光検出器68のアレイによって光が再び検出される。このようにして、使用者が自分の手を装置内に挿入したこと、また手袋が手にある状態で自分の手を取り除いたこと示す信号が提供される。この信号は、リニアベアリング56を作動させて、フレーム50を上方に再び動かすために用いられる。フレーム50が上方に駆動されるにつれ、連続体10とローラー58との間の摩擦により、ローラー58が回転し、それによってステーションに対して相対的に手袋11の連続体10が巻き上げられる。ローラー58が完全に1回転すると(エンコーダー61によって検出される)、信号が送られて、リニアベアリング56が停止され、フレーム50が更に上方に移動しないようにされ、これはフレーム50が図10に示すその出発ステーションGに戻ったということを表す。ローラー58は連続体10を把持し、フレーム50は図11に示す手挿入ステーションHへ向かって下方に戻る。その場所では、手袋が前述と同じようにして開かれ、使用者が自分の手を装置に挿入して手袋を使用者の手に装着するための準備が整う。こうしたことが起きて、使用者の手が装置から取り除かれると、この一連のことが再び開始し、フレーム50が上方に駆動される。その結果として、ローラーが回転し、やがて連続体が把持され、フレーム50が下方に動いて連続体10をロール巻き15から引っ張り、図11に示すようにステーションHにフレーム50が戻ると装置内で新しい手袋が開かれる。こうして、装置へ使用者の手の挿入、ならびに手および手袋の取り出しにより、装置を操作する信号が出されて、別の手袋が開かれて使用者が自分の手を手袋に入れる準備が整う。このようにして、手袋が使用者によって連続体から取り外された後、新しい手袋が、図11に示す手挿入ステーションHに送り出され、別の手を手袋に挿入するための準備が整えられる。
【0090】
ローラー58は、フレーム50が上方へ移動している間だけ回転することに、上記から気付くであろう。フレーム50が下降する間、ローラー58は手袋連続体10を把持し、回転はしない。それによってロール巻き15から手袋がさらに引っ張られる。
【0091】
割送り機構48が動いている間中ローラー58の回転を促進するために、ステーションGへ移動する間にローラー58を回転させる駆動装置を設ける。但し、この装置は、割送り機構48が手挿入ステーションHへ戻る間、ローラーが回転しないようロックされるようにする。1つの実施形態では、駆動装置は、クラッチまたはラチェット機構を有するモーター69を備えている。そのため、モーターは、把持ステーションGへ移動する間はローラーを回転させることができるが、手挿入ステーションHへ戻る間は、回転しないようローラーがロックされた状態のままにする。
【0092】
モーター69(図9を参照)がシャフト62上に設けられており、そのシャフト上でローラー58を回転させる。その回転は、ギア59の噛み合いによって他のローラーに付与される。
【0093】
別の実施形態では、図17に示すように、駆動装置は、ローラー58の1つが設けられているシャフト102上に取り付けられたギア101を含む。ギア101は、ハウジング55に固定されたラック103と噛み合う(図16に示す)。ギア101は、ラチェット、クラッチなどによってシャフト102に取り付けられており、その結果、割送り機構48が、図17の矢印Cの方向に把持ステーションGに向かって上方に動くと、ギア101とラック103の係合によってギア101の回転、それゆえにシャフト102およびローラー58の回転が生じる。回転は、ギア59によって他のローラー58に付与される。このようにして、ローラー58は手袋11の連続体10を容易に巻き上げる。矢印Dの方向に手挿入ステーションに向かって戻っている間、ギア101に連結されたラチェットまたはクラッチにより、ギア101はシャフト102上を自由に回転することができ、回転はローラー58に付与されず、前述したように、ローラーはロック位置のままであり、リブ70が溝71の中に入った状態にある。
【0094】
ギア101が備えられていることにより、次のような更なる利点がある。つまり、ギアは、矢印Cの方向への割送り機構48の上方移動を、ローラー58の回転と同期させ、その結果、手挿入ステーションHから把持ステーションGへ割送り機構が完全に移動する間に、ローラーは完全に1回回転する。
【0095】
ローラー58は、フレーム部材51間のスペースの距離の一部にしか延在していないので、モーター69またはギア101およびラック103のための十分なスペースが設けられていることが、前の説明および図から理解されるであろう。
【0096】
図12に示されているように、ローラー58は、フレーム50が図9に示されている上部位置にある時、連続体10を把持するよう構成されている。これを達成するために、ローラー58の1つ(すなわち、図12中の左のローラー)には、長手方向のリブ70が設けられており、他のローラー58には長手方向の溝71が設けられている。フレーム50がグリッパーステーションGにあり、上部位置にある時、リブ70は溝71内に入り、それゆえにリブ70と溝71との間で連続体10を動かなくし、その結果としてローラー58が連続体10をしっかり保持する。フレーム50が下方に動く時、それゆえにローラー58は連続体10をしっかり把持し、フレーム50の降下によって連続体10はロール巻き15から引き出される。フレーム50が上方に動く時、ローラー58は回転することができ、そのためリブ70は溝71から抜けだし、結果として、ローラー58の完全な1回転で、ローラー58は連続体10を効果的に巻き上げることができ、やがてリブ70が再び溝71内に入って連続体10を再び把持する。
【0097】
図13および14は、手袋11を開けるための最初の実施形態にしたがった機構52をさらに詳細に示している。機構52は、プレート73上に支えられており、プレートはフレーム50の一部を形成しかつフレーム部材51の間に延在している。したがって、プレート73およびフレーム部材51は、機構52を確実に支えるための部分筐体を形成している。
【0098】
各機構52は同一であるので、図13および14では1つについてのみ詳しく説明する。各機構52は、手袋11の指よりもいくらか短いこと以外は一般に手袋11の形状である、連続気泡フォームブロック75を備えている。ブロック75は、端部75a、75bおよび裏面75cに施されたラッカーまたは他のシーラントの層を有する。末端部75dならびに指部分75eを画定する端部も、それらに施されたラッカーまたはシーラント塗膜を有する。真空チューブ(vacuum tube)78は、ブロック75に連結され、次いで圧力ポンプ60の1つに連結されている。ブラダー80はブロック75の外側で表面75cに接触して連結され、これもブロック75と同じ一般形状を有する。ブラダーは、以下に詳しく説明するように、バネとして働くプラスチックストリップ81をブラダー内に備えている。給気チューブ83がブラダー80に連結され、残りのポンプ60にも連結されている。このようにして、ポンプ60の1つにより、2つの機構52(つまり、2つの機構52のブロック75)を真空にすることができ、他のポンプ60により機構52の2つのブラダー80に圧力が加えられる。
【0099】
手袋11を開けるために、圧力ポンプ60の1つからブラダー80へ空気をポンプ注入して、ブラダー80の膨張を引き起こす。バネは、ブラダー80が球状膨張しないようにブラダー81を全般的に抑える。それゆえに、ブラダーが膨張する時、図10に最もよく示されているように、ブラダーはブロック75を押して、ブロック75が閉じられた手袋11に触れるようにする。このようにして、ブロック75の開口多孔質面75g(これには、ラッカーもシーラントも塗られていない)は、押されて手袋11を構成する層18および20と穏やかに接触する。次いで、チューブ78を介して、またフォームブロック75の開口気泡構造を介して、他のポンプ60で真空にされ、その結果、ウェブ18および20がブロック75の75gの表面に吸い付けられる。同時に、ブラダー80の圧力がゆるめられ、ブラダーは図14に示す全般的に平たい収縮構成へと戻り、図13中の矢印Aの方向にウェブと一緒にブロック75が引っ張られる。これにより、層18と20とが離れて、手袋11が十分に開かれ、人が自分の手をハウジング55の開かれたドア62に通して手袋11に入れられる程になる。
【0100】
図18〜20は、手袋11を開けるための他の実施形態の機構52を示す。機構は、図17から最もよく分かるようにプレート73上に支えられており、そのプレートは、フレーム50の一部を形成し、かつ図9〜15に示されているフレーム部材51間に延在している。したがって、プレート73およびフレーム部材51は、機構52を確実に支えるための部分筐体を形成している。
【0101】
各機構52は同じであり、それゆえに1つについてのみ詳しく説明する。各機構52は、蛇腹75(蛇腹75をプレート73に固定するためのクランプリング120を有する)と、一連のひだを含む側壁を有している柔軟なインフレータブルダイアフラム121と、手袋11の手のひら領域の大きさに近い係合面122とを備えている。係合面122の外縁部の周囲には真空シールリップ123があり、それぞれが多岐管およびチューブ78aによって真空源60aに連結されている3つの吸引孔124が、係合面122の中央にある。蛇腹75のダイアフラム121は、排気ポンプ60bを備えた空気デリバリーシステム(air delivery system)に連結されている。図19は、真空源60aおよび排気ポンプ60bが、手袋11の連続体10を誘導するためのローラー58内に配置されたピストンとシリンダーとのアセンブリの形態であるような実施形態を示す。ローラー58の壁の内側は、シリンダーとピストン126(真空シール125またはポンプシール128を有する)を形成し、それぞれはソレノイド制御の直線アクチュエーター127によってシリンダー内で駆動される。各ローラー58の端壁は、給気チューブ78a、78bへつなぐための回転式エアカップリング(rotary air coupling)を備えている。真空源の場合、チューブ78aは、多岐管を介して、真空源のシリンダーを係合面122の面にある孔124に連結する。排気ポンプの場合、チューブ78bが、シリンダーをダイアフラム121の内部に連結する。
【0102】
手袋11を開けるために、空気ポンプ60bの直線アクチュエーター127が作動してローラー58の遠位端までピストンを動かし、それによって図18中の矢印Aの方向に蛇腹75を膨張させ、ついには、リップシーリング構成体(lip sealing formation)123が挿入ステーションHにおいて手袋11の手のひら領域に触れる。排気弁または流量調整弁(flow regulates)を空気ポンプ60bまたはチューブ78bに組み込んで、必要と思われる場合は蛇腹75での圧力の加え過ぎ、または圧力の不足を制限内に留めることができる。蛇腹75が膨張し、リップ構成体123が手袋11の向かい側の層または側面に接触した状態で、真空源60aは手袋11のそれぞれの各層を蛇腹75に保持するように作用する。真空60aの直線アクチュエーター127は、図19中のローラー58の近位端に向かってピストンを動かすことによって操作される。手袋11の層を係合面122に保持するのに十分な真空が作られたなら、排気ポンプ60bの直線アクチュエーター127がシリンダーの遠位端から近位端へピストンを駆動し、それによって蛇腹75を収縮させ、それと同時に手袋を開けて手の挿入準備が整う。蛇腹75の膨張および収縮が十分であるか不十分であるかは、排気弁または流量調整弁によって監視制御できる。同様に、蛇腹75の係合面122に手袋11の層を保持するための真空が十分であるか不十分であるかは、適切な調整弁によって監視制御できる。
【0103】
手袋を開けるための機構52が図13および14に示す実施形態の形態であるか、図18および20に示す他の実施形態であるかに関係なく、手袋へ手が挿入されると、発光体アレイ66から検出器アレイ68へ向かう光が遮断され、手が手袋の中に入れられたことの印となる。前述したように、その後で使用者は、開口下部64を通り抜けるように自分の手を下方に引いて、使用者の手にある手袋と一緒に穿孔線26に沿って手袋11を裂き取る。使用者の手が装置から取り除かれると、光が再びアレイ68によって検出されて、信号が送られるが、その信号は、フレーム50が上方に動かされて再び連続体を把持し、それから下方に動くためのものであり、フレーム50が下方に動く時、別の手袋が開かれ、その結果、望まれる場合には使用者は自分の別の手を次の手袋に挿入できる。挿入されなければ、手袋は開かれた形状で機構内に保持されているだけであり、次の手がその手袋に挿入されるのを待ち、またその手袋が連続体10から裂き取られるのを待つ。裂き取られたなら、一連の流れが繰り返されて別の手袋が手挿入ステーションHに運ばれる。
【0104】
挿入ステーションHにおいて予め決められた時間間隔だけ開かれた状態に手袋を保持するために真空にすることができ、その後、真空は遮断される。したがって、しばらくの間、手袋が必要ではない場合、手袋は手挿入ステーションにおいて静止状態にあるだけである。手が装置内に挿入された時に、手袋開口機構を作動させて手袋を再び開けるために、センサー(図示せず)を設けることができる。
【0105】
別の実施形態では、新しい手袋を引き出して新しい手袋を開けるというサイクルは、開始ボタン110(図15を参照)によって開始させることができ、一連の操作は次のようなものとなり得る:ボタン110を押すと、前述のように割送り機構48が上方に動いて連続体10を把持し、その後、手挿入ステーションに戻り、前述のように手袋が開けられるので、使用者は自分の手を手袋に挿入することができる。手袋がもう1つ必要であれば、ボタン110を再び押すと、一連の流れが繰り返される。これにより、開口機構52でかなりの長時間にわたって真空を維持する必要がなくなる。
【0106】
図15に最もうまく示されているように、ハウジング55にはドア90が設けられており、このドアは矢印Bの方向に開けることができ、装置への新しいロール巻き15の装填が可能である。新しいロール巻きを装填するために、ドア90を開き、古いロール巻き15の残りを取り出す。新しいロール巻きを装置内の所定の位置に入れる。ドア90が開かれると、91で略図的に示されている機械的リンク機構により、2本のピン92が前方に動かされる。連続体10のパネル25の1つにある位置付け孔33が、ピン92に位置付けられ、ピン92が孔33を通って突き出る。これにより、ローラー58に対してロール巻きが正しく位置合わせされ、連続体10の一部がローラー58間に位置付けられる。ローラー58間への連続体10の位置付けを容易にするために、ローラー58の1つをバネテンション機構(spring tensioning device)95に取り付ける。この機構は、ドア90が開けられると、それぞれのローラー58を他のローラー58から引き離して、連続体10がローラー間に容易に挿入されるようなスペースが生じる。この場合にも、機械的リンク96(略図的に示されている)を用いてこのことを達成できる。ドア10が閉じられると、ピン92は孔33から引き抜かれて連続体10から離され、ローラー58が再びバネ付勢されて、ローラー58間にある連続体10と一緒に他のローラー58に押しつけられる。
【0107】
ドア90が閉じられると、装置は、手挿入ステーションに手袋を位置付けるよう作動することができ、手袋が開けられて使用者がすぐに使用できるようにされる。
【0108】
図18は、装置を制御する制御系の略ブロック図である。互いに対する相対的なローラー58の位置を監視するため、またローラー58が完全に1回転した時にリニアベアリング56の動きを停止するため、エンコーダー61からの信号を受け取る処理装置99を設ける。光検出器アレイ66および68も信号を処理装置99に送って、使用者の手の取り出しを知らせ、リニアベアリング56を駆動して割送り機構48を上方へ動かし、次いで下に向かって手挿入ステーションHへ復帰させ、それと同時に、ポンプ及び/または真空源を作動させて機構52に圧力を加えまた真空にして、手袋を把持し手袋を開ける。ポンプ60、60aまたは60bによる空気流が不十分であるかまたは過剰になって機構52の誤作動が生じていることを、排気値または空気調整器が検出した場合、処理装置99は、警報器130を作動させて、装置の保守または整備が必要であることを信号で伝えることができる。
【0109】
処理装置99は、ボタン100が押されて(ボタンが設けられている場合)、手袋を取得してそれを開ける一連の流れが開始された場合の信号、および予め決められた時間の後に開口機構52の真空を遮断するためのタイマー111からの信号も受信する。
【0110】
フレーム50が上に動く間にローラー58の回転を促進するためのモーター69を設ける場合、処理装置99は、割送り機構48がステーションHからステーションGへ動く間、ローラー58が完全に一回転するまでローラー68を駆動するモーター69を制御することもできる。
【0111】
装置を通過してロール巻き15から手挿入ステーションへ割送られている連続体10の場所を検知するために、他のセンサーを装置内に設けることもできる。他のセンサーによって連続体10が検出されるのを容易にするために、更なる標示または他の印を連続体10上に設けてもよい。
【0112】
手袋11の連続体10をさらに堅くするために、手袋11の周囲に二重のヒートシール部を形成させるか、または連続体11に沿って厚いヒートシールビードを設けるなどして、層18および20をさらに堅くすることができる。さらに堅くなれば、連続体10が垂直に下方に動くようにし、また連続体10が装置を通って割送りされる間にローラー58の周囲に巻き付いてしまう傾向をなくすようにする点で役立つであろう。
【0113】
本発明の精神および範囲に含まれる変更は当業者が容易に成し遂げることができるので、本発明は、上に例として説明した具体的な実施形態に限定されないことを理解すべきである。
【0114】
続く請求項において、また本発明の前述の説明において、明白な言葉遣いまたは必要とされる言外の意味のゆえに文脈で特に必要とされている場合を除き、「含む、備える(comprise)」という言葉または「含む、備える(comprises)」または「含んでいる、備えている(comprising)」などの変化形は、非排他的な意味で用いられている。すなわち、述べた特徴が存在することを明示するが、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在または付加を排除するものではない。
続く請求項において、また本発明の前述の説明において、明白な言葉遣いまたは必要とされる言外の意味のゆえに文脈で特に必要とされている場合を除き、「含む、備える(comprise)」という言葉または「含む、備える(comprises)」または「含んでいる、備えている(comprising)」などの変化形は、非排他的な意味で用いられている。すなわち、述べた特徴が存在することを明示するが、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在または付加を排除するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て手袋のパッケージ、ならびにそのパッケージを用いて使用者の手への手袋の装着を可能にすることのできる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨て手袋の使用は、サンドイッチなどの食べ物を作って顧客に販売できるような、あるいは食肉など他の包装されていない食品をトレーから選び出して包装し顧客が買えるようにするような、食物を取り扱う施設など数多くの業界で一般的になってきている。そのような手袋の使用は、衛生面を改善することを目的としており、その使用により、そのような食品を素手で取り扱う場合に起こり得る病原菌の繁殖が防止される。
【0003】
従来、そのような手袋を使用する場合、手袋を単に箱から選んで使用者が自分の手に装着する。その場合、手袋を使用者の手に装着する前、および装着している間に、使用者が手袋にかなり接触することは避けられない。このことは、手袋の外面が、何らかの他の病原菌または使用者の手にすでに付いている他の望ましくない物質で汚染され得ることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より衛生的に手袋を使用者の手に装着させる方法および装置で使用できる使い捨て手袋のパッケージを提供し、またそのような方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、最初の態様において、
1つの手袋を連続体から切り離すために分割可能な脆い連結部によって、連続体において互いに連結されている複数の手袋と、
各手袋の開口カフを形成するための、脆い連結部に対して横方向の手袋端部と
を含む、使い捨て手袋のパッケージであって、
各手袋が手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られる、使い捨て手袋のパッケージにあると言うことができる。
【0006】
好ましくは、各パネルが脆い連結部によって隣接パネルに連結されており、接合部が手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含んでいるような手袋パネルで、手袋は作られる。
【0007】
1つの実施形態では、各パネルは長方形パネルであり、接合部の外側方向にウェブがある。
【0008】
1つの実施形態では、手袋は画定された指を有し、指を切り離すために指と指との間のウェブに切れ目が入れられている。
【0009】
しかし、他の実施形態では、指と指との間のウェブは、切れ目が入っていないままであってよい。
【0010】
別の実施形態では、手袋は指を有し、指を画定する手袋の接合部は、指のところでパネルの周囲を形成する。
【0011】
したがって、この実施形態では、各手袋の指と指との間にウェブは形成されない。
【0012】
他の実施形態では、手袋は画定された指のない二又手袋であってよい。
【0013】
好ましくは、使い捨て手袋のパッケージは、手袋のロール巻きの形態である。
【0014】
本発明のこの態様は、
連続体から1つの手袋を切り離すために分割可能な脆い連結部によって、連続体において互いに連結されている複数の手袋であって、
各手袋が、手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られている、複数の手袋と、
手袋が装置で位置合わせされることを可能にする位置決め印(locating indicia)と、
を含む、使用者の手への手袋の装着を可能にする手袋装着機と共に使用するための使い捨て手袋のパッケージにあると言うこともできる。
【0015】
1つの実施形態では、位置決め印は標示を含む。
【0016】
別の実施形態では、位置決め印は孔を含む。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、新しい手袋の新しいパッケージが装置に装填された時に、手袋のパッケージを装置内に位置合わせするため、孔に位置付けられる少なくとも1本のピンを孔の中に位置付けて、これにより手袋を装置を通して割送りする(indexed)ことが可能になる。
【0018】
好ましくは、手袋は、各パネルが脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、接合部は、手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む。
【0019】
好ましくは、各パネルは、接合部の外側方向にウェブ部分を有し、位置決め印はウェブ部分に位置している。
【0020】
1つの実施形態によれば、好ましくは、脆い連結部に対して横方向である各パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される。言い換えれば、手袋は連続体に対して横向きに(または「東から西に」)配向されている。
【0021】
別の実施形態によれば、好ましくは、パネル間の脆い連結部にあるパネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される。言い換えれば、手袋は連続体に対して縦向きに(または「北から南に」)配向される。
【0022】
もっとも好ましい実施形態では、標示印(marking indicia)は各パネルにおいて2個の孔を含む。
【0023】
好ましくは、脆い連結部は穿孔線を含む。
【0024】
しかし、他の実施形態では、脆い連結部は各手袋間に小さな付着細片(attaching strips)を含んでもよく、その付着細片は、1つの手袋を手袋連続体の隣接手袋から引きちぎる時に分割可能なものである。
【0025】
好ましくは、使い捨て手袋のパッケージは手袋のロール巻きを含む。
【0026】
本発明は、別の態様において、
機械的に手袋を手挿入場所に位置付けることと、
手袋を開けることと、
手を手袋に挿入することと、
を含む、衛生的に使用者の手に手袋を装着させる方法にあると言うことができる。
【0027】
好ましくは、手袋は手挿入場所において開いている。
【0028】
好ましくは、手袋は、脆い連結部によって連結された連続体手袋中の1つの手袋として提供され、したがって、使用者の手が手袋内に位置付けされた手袋は、使用者の手および手袋を動かすことによって、連続体から引き裂かれる。
【0029】
好ましくは、手袋は開口カフおよび指部分を有し、手袋は、手袋のカフと手袋の指部分の端との間の線が実質的に水平であるような向きに位置付けされる。
【0030】
好ましくは、手袋は、手袋の手の甲を画定する第1層と手袋の手のひらを画定する第2層とを有し、第1層と第2層を引き離すことによって手袋が開かれ、人が自分の手をカフに通して手袋に挿入できるようになる。
【0031】
もっとも好ましくは、第1層と第2層の両方が動く。しかし、他の実施形態では、層の一方のみが動くことができ、他方は実質的に静止している。
【0032】
本発明はまた、
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と、
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かすための割送り機構(indexing device)と、
使用者が自分の手を手袋に手挿入ステーションで挿入できるように手袋を開けるための手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言える。
【0033】
本発明の1つの実施形態では、保管機構は、とぎれていない手袋連続体を含む手袋のロール巻きを保管するための区画であって、手袋は、連続体において脆い連結部によって互いに繋がれている。
【0034】
好ましくは、割送り機構は、機構が手挿入ステーションと把持ステーションとの間で動くための可動把持機構を備えており、したがって、機構は、手挿入ステーションと連続体把持ステーションとの間で連続体に対して動くことができ、また把持ステーションにおいて連続体を把持することができるので、連続体は、把持ステーションから手挿入ステーションへの復帰運動の際にその機構によって引っ張られる。
【0035】
好ましくは、連続体中の手袋は第1層および第2層を有し、手袋開口機構は、層の少なくとも1つを把持するためのグリッパーと、グリッパーおよび層の少なくとも1つを他の層に対して動かして手袋を開けるためのグリッパー移動要素とを備えている。
【0036】
好ましくは、グリッパー機構が把持ステーションと手挿入ステーションとの間を動いている間に、手袋が把持されて開かれる。
【0037】
1つの実施形態によれば、グリッパーは、空気が流れることのできる物質のブロックを備え、グリッパー駆動要素(gripper mover element)はブラダーを備えており、ブラダーが膨張すると、物質が層の少なくとも1つに対して押しつけられ、その物質を真空にすると、空気流がその物質中を流れて層が物質に押しつけられ、またブラダーが収縮すると、物質とその層は他の層から引き離され、それによって手袋が開かれる。
【0038】
好ましくは、物質は連続気泡フォーム物質を含む。
【0039】
好ましくは、ブラダーは、ブラダーの膨張と収縮を制御するためのバネ要素を有しており、それは最初、ブラダーが膨張すると物質を層に対して押しつけ、ブラダーが収縮すると、物質とその層を他の層から引き離す。
【0040】
他の実施形態によれば、グリッパーはインフレータブルアセンブリと1つまたは複数の吸引点を有するシーリング構成体とを備え、インフレータブルアセンブリが膨張すると、シーリング構成体の少なくとも1つの吸引点が層の少なくとも1つに接するように位置付けられ、インフレータブルアセンブリが収縮すると、その層が他の層から引き離され、それによって手袋が開かれる。
【0041】
好ましくは、インフレータブルアセンブリは蛇腹を備えている。
【0042】
好ましくは、インフレータブルアセンブリの膨張または収縮の速度は、インフレータブルアセンブリへ空気を供給する(またはインフレータブルアセンブリから空気を引き出す)ピストンおよびシリンダーによって制御され、吸引点の吸引は別個のピストンおよびシリンダーによって制御される。
【0043】
好ましくは、そのピストンおよびシリンダーのアセンブリまたは各ピストンおよびシリンダーのアセンブリは、ソレノイドによって制御される直線アクチュエーターで操作可能である。
【0044】
好ましくは、割送り機構は一対のローラーをさらに備え、ギアが各ローラーに取り付けられており、ギア同士が噛み合い、その結果、ローラーは一致して(但し、反対方向に)回転することができ、ローラーは溝およびリブを有しているので、一方のローラーの溝が他のローラーのリブと噛み合うと、連続体はローラー間に把持されるようになっており、また割送り機構が把持ステーションから手挿入ステーションへ動くと、連続体はパッケージから引き離されるようになっており、また割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動くと、ローラーが連続体に対して回転するが、その回転は、割送り機構が動いている間に起こり、ついには溝とリブが再び噛み合い、それによってローラー間に連続体が把持される。
【0045】
1つの実施形態では、把持機構が手挿入ステーションから把持ステーションへと動く間だけローラーを回転させるための駆動装置が設けられる。
【0046】
1つの実施形態では、駆動装置は、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動く間にローラーの回転を促進するために設けることのできるモーターを含む。
【0047】
モーターは、割送り機構が把持ステーションから手挿入ステーションへ動く間にローラーが回転するのを防止するクラッチを有することができる。
【0048】
別の実施形態では、駆動装置はラックとギアとのアセンブリを備え、ギアはローラーの一方に取り付けられ、ラックは固定されてギアに係合しており、その結果、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動く時、ギアとラックの係合によってギアの回転が生じ、それゆえにローラーが回転することになる。
【0049】
この実施形態では、ギアは、ローラーの回転を、手挿入ステーションと把持ステーションとの間の割送り機構の移動と同期させることも行う。
【0050】
好ましくは、手挿入ステーションにおける手袋への使用者の手の挿入、およびその後の手挿入ステーションにおける連続体からの手袋の除去を感知し、それによって割送り機構を作動させて、割送り機構が手挿入ステーションから把持ステーションへ動くようにし、また手挿入ステーションへ戻るようにし、そうして、手挿入ステーションで新しい手袋が開かれて使用者の手の挿入準備が整うようにするためのセンサーが備えられている。。
【0051】
好ましくは、装置は、新しいパッケージが装置内に入れられた時に連続体に係合して、連続体を装置内に正しく位置合わせするための位置付け要素を備えている。
【0052】
好ましくは、連続体は孔を有し、位置付け要素はピンを含み、そのピンは、パッケージが装置内に装填される時に孔に入り、パッケージが装置に装填された後、孔から引き抜かれるためのものである。
【0053】
好ましくは、ピンは、装置の保管機構における出し入れ口となる装置のドアの開閉運動によって、ピンが孔に入ることのできる位置付け位置と、連続体から引き離される位置との間で動かされる。
【0054】
好ましくは、ローラーの少なくとも一方がバネ付勢されてローラーの他方と係合するようになっており、その結果として、装置へのパッケージの装填時に、ローラー間への連続体の位置付けが容易になるようにローラーを少し離すことができる。
【0055】
本発明のこの態様は、
手挿入ステーションを利用できるようにする前面開口部と下部開口部とを有するハウジングと;
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構であって、手袋のカフ部分と手袋の指の先端部分との間の線が実質的に水平であるような配向で、しかも手袋のカフ部分が前面開口部に向いた状態で、手袋が手挿入ステーションにおいて提供されるようになっている、保管機構と;
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かす手袋割送り機構であって、使用者が自分の手をカフ部分に通して手袋に入れることができるようになっている、手袋割送り機構と
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置であって、
手袋を手に装着させるため、また手袋を装置から取り外すために、使用者が自分の手を前面開口部に通して手袋に挿入してから、手袋が手にある状態で自分の手を下部開口部に通して下方に動かす、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言うこともできる。
【0056】
本発明のこの態様は、
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と;
手袋を保管機構から手挿入ステーションへ動かす割送り機構と;
手袋開口機構であって、空気が流れることができる少なくとも1つの物質ブロック、インフレータブルブラダー、およびそのブラダーへ空気を供給してブラダーを膨張させて、ブロックを手袋に隣接する位置に動かすため、ブロックを介して真空にして、手袋の一部分がブロックに引きつけられるようにするため、またブラダーを収縮させて、ブロックがブラダーと一緒に動いて、手袋の一部分を手袋の別の部分から引き離して手袋を開けて、手挿入ステーションにおいて使用者が自分の手を手袋に挿入できるようにするための、少なくとも1つの給気・真空システムを備えた手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置にあると言うこともできる。
【0057】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら例を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】1つの実施形態による、パッケージとして形成された手袋連続体の図である。
【図2】図1に似た別の実施形態の図である。
【図3】図1のIII−IIIの線に沿った図である。
【図4】手袋のロール巻きの形態である、手袋のパッケージの側面図である。
【図5】図1における連続体中の1つの手袋の詳細図である。
【図6】図1に示すタイプの1つの手袋を変更した形態の詳細図である。
【図7】手袋のパッケージを形成するための機械の側面図である。
【図8】図7の機械の上面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態による装置の側面図である。
【図10】図9の装置の正面図である。
【図11】図9の装置の斜視図である。
【図12】本発明の好ましい実施形態を用いたローラーとギアとのアセンブリの詳細図である。
【図13】図9における装置の一部の概略図である。
【図14】図13に示す装置の一部の斜視図である。
【図15】図9に従った装置の概略正面図である。
【図16】図15における装置の一部の側面図である。
【図17】図9における装置の一部の概略図である。
【図18】本発明の別の実施形態による装置の一部の概略図である。
【図19】本発明の実施形態による装置の別の部分の横断面図である。
【図20】図18に示す装置の一部の断面の斜視図である。
【図21】本発明の実施形態に用いる制御系の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1を参照すると、手袋のパッケージ(図4に示すロール巻き15など)を形成する手袋連続体10が示されている。他の実施形態では、パッケージは、手袋連続体をジグザグの層状にしたもの、または他の任意のコンパクトな手袋のパッケージを含み得る。
【0060】
手袋連続体10は、第1層18と第2層20とから形成される(図3を参照)。手袋連続体10中の各手袋11は、手袋の周囲(言い換えれば、手袋の形状)を画定するヒートシール接合部21によって画定される。したがって、接合部では、2つの層18〜20が手袋の輪郭11aに沿ってヒートシールされて一緒にされ、そのようにして手袋の形状が画定される。
【0061】
図1の実施形態では、手袋は、2つの層18および20によって形成された手袋パネル25として形成されており、手袋パネル25は脆い連結部26によって画定されている。脆い連結部26は、以下にさらに詳細に説明するように、好ましくは、1つの手袋を連続体10から容易に引き裂くことができるように穿孔線を含む。
【0062】
図1の実施形態では、手袋パネル25は、向かい合わせの端部27および29を有しており、それらは、接合部21が端部27および29を横切るかまたは接触している箇所以外では、互いに繋がっていない。それゆえに、図3に最もうまく示されているように、これは各手袋の開口カフ30を画定する。端部29にビードを付けることができ、その結果として、各手袋11の開口カフはビード31を有することになって、手袋のその部分がいくらか強化され、また人が自分の手を手袋に挿入し易いようになる。
【0063】
各パネル25には2個の孔33も設けられる。それらの孔は、以下に説明する手袋装着装置に手袋を位置付け易くするための位置決め印を形成する。
【0064】
図2は、手袋が、図1の「東−西」の配置ではなく「北−南」の配置にされている第2の実施形態を示す。同様の参照番号は、前述のものを同様に表すものである。
【0065】
この実施形態では、手袋連続体10から1つの手袋11を切り離す時に穿孔線26を裂くと、手袋に開いた裂け口が生じるであろう。
【0066】
図5は、図1に示したタイプのパネル26に形成される1つの手袋11に関するより詳細な図である。
【0067】
図1および図5の両方から明らかなように、ウェブ35は、接合部11aの外側方向に残されたままになり、各パネル25の層18および20から形成されている。
【0068】
所望される場合には、指を切り離すために、手袋の指11b間のウェブ35に切れ目37を入れることができる。しかし、他の実施形態では、ウェブは手を加えないままにすることもできる。なぜなら、ウェブは比較的薄く、ほとんどの用途において、依然として指の形の相対的動きが十分に確保されるからである。
【0069】
手袋11の親指11cと、親指11cに隣接した人差し指11bとの間にも、切れ目37を入れる。
【0070】
使い捨て手袋は普通、非常に短時間(多分、ほんの30秒以下程度)使用されるだけなので、ウェブは手の動き、または手袋を装着している人が行う必要のある作業を邪魔することはないであろう。
【0071】
本発明のさらなる実施形態では、パネル25は、指11bを画定している接合部11aの周囲でパネルが切断され、その結果、指11bおよび親指11cの間にウェブがなくなっている、図6に示すタイプのものであってよい。ウェブ35は、手の手のひら部分11dの外側方向に残る。
【0072】
この実施形態では、端部27は、図6に示すように指の形状によって画定される。
【0073】
図6の実施形態では、穿孔線26は、端部29から親指11cの先端まで、また端部29から小指11bの先端までの間で伸びている。
【0074】
図7および8は、手袋のパッケージが形成される仕方を示す例を図式的に示している。
【0075】
層18および20は、層物質の供給ロール40および41から供給し、1組または複数組のアイドラーローラー42の周囲に誘導してヒートシールステーション43へ送る。ヒートシールステーション43では、ステーション43の適切な部品を介して線11aに沿って加熱して、手袋の形状を画定する線11aに沿って層18および20を熱溶接して合わせることにより、手袋11aの周囲を画定する接合部21が形成される。このようにして、層18および20が線11aで接合される。
【0076】
次いで層18が切断・穿孔ステーション45(ここで、穿孔線26が形成され、孔33と切れ目37も形成される)へと割送りされ、その後、形成された手袋連続体10はロールに巻き取られて、図4に示す手袋のパッケージ15が形成される。
【0077】
図7および8に示す装置は、概略であって、単なる説明のためのものであり、手袋のパッケージを完成させる機械のすべての構成部品を示すことを意図するものではないことを理解すべきである。いずれにしても、図7に詳しく示されていない構成部品は、市販の部品を組み合わせて容易に構成できることが理解されるであろう。
【0078】
図9〜14、ならびに16および17は、本発明の1つの実施形態による装置の一部を示す。図15は、図9〜14ならびに16および17に示した部品を含む、衛生的に手袋を使用者の手に装着させるための集成装置の略図を示す。
【0079】
図9、10および11を参照すると、装置は、一対の手袋開口機構52を支持する支持フレーム50を備えた、手袋連続体10の割送り機構48を有している。手袋11のロール巻き15は、保管機構49内のシャフト(図示せず)上に支持され、手袋連続体10は、図10および図11に最もうまく示されているように、ロール巻き15から機構52を通って誘導される。
【0080】
フレーム50は、2つのU字形フレーム部材51を含み、それらはトラック53上に支持され、そのトラックはというと、外側ハウジング55によって支えられている(図15を参照)。
【0081】
フレーム50は、以下にさらに詳しく説明するように、ガイドトラック53上で垂直にフレーム50を動かすための一対のリニアベアリング56にも連結されている。
【0082】
フレーム50は、連続体10を把持するための連続体グリッパー54も支える。連続体グリッパー54は、一対のローラー58を備え、その間を通るように手袋11の連続体10が誘導される。ローラー58は一端にギア59があり、そのギア59はローラー58の回転と同期するよう噛み合い、その結果として、ローラーは互いに一致して(但し、反対方向に)回転する。
【0083】
外側ハウジング55は、機構52を駆動するための2つの圧力ポンプ60も支える。これについても以下にさらに詳細に説明する。
【0084】
ローラー58の回転を監視するため、エンコーダー61が、ローラー58の1つが取り付けられているシャフト62上に設けられている。
【0085】
フレーム50およびローラー59の動き、ならびに関連した機構52の動作は、以下の通りである。
【0086】
図9および10は、グリッパーステーションGにある上昇上側把持位置のフレーム50を示し、そこでは、手袋連続体10がローラー59によって把持され、機構52の間に延在している。リニアベアリング56は、フレームおよびローラー59を図11に示す手挿入ステーションHに向けて下方へ動かし、それによって手袋連続体10は下方へ引っ張られ、フレーム50はロール巻き15から離れる。
【0087】
フレーム50の降下の間、圧力が機構52に加えられて、機構52が連続体10の手袋11の1つを把持することになる。手袋が把持された後、機構52を真空にして、それらの機構52が離れるようにし、それによって手袋11を構成する2つの層18および20を互いに引き離して手袋を開ける。真空にすると同時に、手袋を把持させるために以前に機構52に加えた圧力を緩める。
【0088】
したがって手袋は、図11に示す手挿入ステーションHにおける下側の位置でフレーム50によって開かれた状態に保たれ、その結果、使用者は自分の手をハウジング55の前面開口部62に通して手袋に挿入することができる。使用者は、ハウジング55の開口下部64を通り抜けるように自分の手を下方向に引っ張るだけで、手袋11の上の孔26に沿って手袋が連続体10から引き裂かれる。このようにして使用者の手は、使用者が手袋の外側に触れなくても、手袋がきちんと嵌った状態で装置から抜き出される。
【0089】
図9および15に最もうまく示されているように、光検出器68の直線アレイ(linear array)とは反対側のフレーム50上に発光アレイ66が設けられている。発光体66が発する光を、検出器68が検出する。したがって、人の手が手袋の中に位置付けられると、光が遮られ、それによって人の手が装置内にあることが示される。また人が、前述の手の下方の動きによって手袋11を連続体10から引き裂くと、光検出器68のアレイによって光が再び検出される。このようにして、使用者が自分の手を装置内に挿入したこと、また手袋が手にある状態で自分の手を取り除いたこと示す信号が提供される。この信号は、リニアベアリング56を作動させて、フレーム50を上方に再び動かすために用いられる。フレーム50が上方に駆動されるにつれ、連続体10とローラー58との間の摩擦により、ローラー58が回転し、それによってステーションに対して相対的に手袋11の連続体10が巻き上げられる。ローラー58が完全に1回転すると(エンコーダー61によって検出される)、信号が送られて、リニアベアリング56が停止され、フレーム50が更に上方に移動しないようにされ、これはフレーム50が図10に示すその出発ステーションGに戻ったということを表す。ローラー58は連続体10を把持し、フレーム50は図11に示す手挿入ステーションHへ向かって下方に戻る。その場所では、手袋が前述と同じようにして開かれ、使用者が自分の手を装置に挿入して手袋を使用者の手に装着するための準備が整う。こうしたことが起きて、使用者の手が装置から取り除かれると、この一連のことが再び開始し、フレーム50が上方に駆動される。その結果として、ローラーが回転し、やがて連続体が把持され、フレーム50が下方に動いて連続体10をロール巻き15から引っ張り、図11に示すようにステーションHにフレーム50が戻ると装置内で新しい手袋が開かれる。こうして、装置へ使用者の手の挿入、ならびに手および手袋の取り出しにより、装置を操作する信号が出されて、別の手袋が開かれて使用者が自分の手を手袋に入れる準備が整う。このようにして、手袋が使用者によって連続体から取り外された後、新しい手袋が、図11に示す手挿入ステーションHに送り出され、別の手を手袋に挿入するための準備が整えられる。
【0090】
ローラー58は、フレーム50が上方へ移動している間だけ回転することに、上記から気付くであろう。フレーム50が下降する間、ローラー58は手袋連続体10を把持し、回転はしない。それによってロール巻き15から手袋がさらに引っ張られる。
【0091】
割送り機構48が動いている間中ローラー58の回転を促進するために、ステーションGへ移動する間にローラー58を回転させる駆動装置を設ける。但し、この装置は、割送り機構48が手挿入ステーションHへ戻る間、ローラーが回転しないようロックされるようにする。1つの実施形態では、駆動装置は、クラッチまたはラチェット機構を有するモーター69を備えている。そのため、モーターは、把持ステーションGへ移動する間はローラーを回転させることができるが、手挿入ステーションHへ戻る間は、回転しないようローラーがロックされた状態のままにする。
【0092】
モーター69(図9を参照)がシャフト62上に設けられており、そのシャフト上でローラー58を回転させる。その回転は、ギア59の噛み合いによって他のローラーに付与される。
【0093】
別の実施形態では、図17に示すように、駆動装置は、ローラー58の1つが設けられているシャフト102上に取り付けられたギア101を含む。ギア101は、ハウジング55に固定されたラック103と噛み合う(図16に示す)。ギア101は、ラチェット、クラッチなどによってシャフト102に取り付けられており、その結果、割送り機構48が、図17の矢印Cの方向に把持ステーションGに向かって上方に動くと、ギア101とラック103の係合によってギア101の回転、それゆえにシャフト102およびローラー58の回転が生じる。回転は、ギア59によって他のローラー58に付与される。このようにして、ローラー58は手袋11の連続体10を容易に巻き上げる。矢印Dの方向に手挿入ステーションに向かって戻っている間、ギア101に連結されたラチェットまたはクラッチにより、ギア101はシャフト102上を自由に回転することができ、回転はローラー58に付与されず、前述したように、ローラーはロック位置のままであり、リブ70が溝71の中に入った状態にある。
【0094】
ギア101が備えられていることにより、次のような更なる利点がある。つまり、ギアは、矢印Cの方向への割送り機構48の上方移動を、ローラー58の回転と同期させ、その結果、手挿入ステーションHから把持ステーションGへ割送り機構が完全に移動する間に、ローラーは完全に1回回転する。
【0095】
ローラー58は、フレーム部材51間のスペースの距離の一部にしか延在していないので、モーター69またはギア101およびラック103のための十分なスペースが設けられていることが、前の説明および図から理解されるであろう。
【0096】
図12に示されているように、ローラー58は、フレーム50が図9に示されている上部位置にある時、連続体10を把持するよう構成されている。これを達成するために、ローラー58の1つ(すなわち、図12中の左のローラー)には、長手方向のリブ70が設けられており、他のローラー58には長手方向の溝71が設けられている。フレーム50がグリッパーステーションGにあり、上部位置にある時、リブ70は溝71内に入り、それゆえにリブ70と溝71との間で連続体10を動かなくし、その結果としてローラー58が連続体10をしっかり保持する。フレーム50が下方に動く時、それゆえにローラー58は連続体10をしっかり把持し、フレーム50の降下によって連続体10はロール巻き15から引き出される。フレーム50が上方に動く時、ローラー58は回転することができ、そのためリブ70は溝71から抜けだし、結果として、ローラー58の完全な1回転で、ローラー58は連続体10を効果的に巻き上げることができ、やがてリブ70が再び溝71内に入って連続体10を再び把持する。
【0097】
図13および14は、手袋11を開けるための最初の実施形態にしたがった機構52をさらに詳細に示している。機構52は、プレート73上に支えられており、プレートはフレーム50の一部を形成しかつフレーム部材51の間に延在している。したがって、プレート73およびフレーム部材51は、機構52を確実に支えるための部分筐体を形成している。
【0098】
各機構52は同一であるので、図13および14では1つについてのみ詳しく説明する。各機構52は、手袋11の指よりもいくらか短いこと以外は一般に手袋11の形状である、連続気泡フォームブロック75を備えている。ブロック75は、端部75a、75bおよび裏面75cに施されたラッカーまたは他のシーラントの層を有する。末端部75dならびに指部分75eを画定する端部も、それらに施されたラッカーまたはシーラント塗膜を有する。真空チューブ(vacuum tube)78は、ブロック75に連結され、次いで圧力ポンプ60の1つに連結されている。ブラダー80はブロック75の外側で表面75cに接触して連結され、これもブロック75と同じ一般形状を有する。ブラダーは、以下に詳しく説明するように、バネとして働くプラスチックストリップ81をブラダー内に備えている。給気チューブ83がブラダー80に連結され、残りのポンプ60にも連結されている。このようにして、ポンプ60の1つにより、2つの機構52(つまり、2つの機構52のブロック75)を真空にすることができ、他のポンプ60により機構52の2つのブラダー80に圧力が加えられる。
【0099】
手袋11を開けるために、圧力ポンプ60の1つからブラダー80へ空気をポンプ注入して、ブラダー80の膨張を引き起こす。バネは、ブラダー80が球状膨張しないようにブラダー81を全般的に抑える。それゆえに、ブラダーが膨張する時、図10に最もよく示されているように、ブラダーはブロック75を押して、ブロック75が閉じられた手袋11に触れるようにする。このようにして、ブロック75の開口多孔質面75g(これには、ラッカーもシーラントも塗られていない)は、押されて手袋11を構成する層18および20と穏やかに接触する。次いで、チューブ78を介して、またフォームブロック75の開口気泡構造を介して、他のポンプ60で真空にされ、その結果、ウェブ18および20がブロック75の75gの表面に吸い付けられる。同時に、ブラダー80の圧力がゆるめられ、ブラダーは図14に示す全般的に平たい収縮構成へと戻り、図13中の矢印Aの方向にウェブと一緒にブロック75が引っ張られる。これにより、層18と20とが離れて、手袋11が十分に開かれ、人が自分の手をハウジング55の開かれたドア62に通して手袋11に入れられる程になる。
【0100】
図18〜20は、手袋11を開けるための他の実施形態の機構52を示す。機構は、図17から最もよく分かるようにプレート73上に支えられており、そのプレートは、フレーム50の一部を形成し、かつ図9〜15に示されているフレーム部材51間に延在している。したがって、プレート73およびフレーム部材51は、機構52を確実に支えるための部分筐体を形成している。
【0101】
各機構52は同じであり、それゆえに1つについてのみ詳しく説明する。各機構52は、蛇腹75(蛇腹75をプレート73に固定するためのクランプリング120を有する)と、一連のひだを含む側壁を有している柔軟なインフレータブルダイアフラム121と、手袋11の手のひら領域の大きさに近い係合面122とを備えている。係合面122の外縁部の周囲には真空シールリップ123があり、それぞれが多岐管およびチューブ78aによって真空源60aに連結されている3つの吸引孔124が、係合面122の中央にある。蛇腹75のダイアフラム121は、排気ポンプ60bを備えた空気デリバリーシステム(air delivery system)に連結されている。図19は、真空源60aおよび排気ポンプ60bが、手袋11の連続体10を誘導するためのローラー58内に配置されたピストンとシリンダーとのアセンブリの形態であるような実施形態を示す。ローラー58の壁の内側は、シリンダーとピストン126(真空シール125またはポンプシール128を有する)を形成し、それぞれはソレノイド制御の直線アクチュエーター127によってシリンダー内で駆動される。各ローラー58の端壁は、給気チューブ78a、78bへつなぐための回転式エアカップリング(rotary air coupling)を備えている。真空源の場合、チューブ78aは、多岐管を介して、真空源のシリンダーを係合面122の面にある孔124に連結する。排気ポンプの場合、チューブ78bが、シリンダーをダイアフラム121の内部に連結する。
【0102】
手袋11を開けるために、空気ポンプ60bの直線アクチュエーター127が作動してローラー58の遠位端までピストンを動かし、それによって図18中の矢印Aの方向に蛇腹75を膨張させ、ついには、リップシーリング構成体(lip sealing formation)123が挿入ステーションHにおいて手袋11の手のひら領域に触れる。排気弁または流量調整弁(flow regulates)を空気ポンプ60bまたはチューブ78bに組み込んで、必要と思われる場合は蛇腹75での圧力の加え過ぎ、または圧力の不足を制限内に留めることができる。蛇腹75が膨張し、リップ構成体123が手袋11の向かい側の層または側面に接触した状態で、真空源60aは手袋11のそれぞれの各層を蛇腹75に保持するように作用する。真空60aの直線アクチュエーター127は、図19中のローラー58の近位端に向かってピストンを動かすことによって操作される。手袋11の層を係合面122に保持するのに十分な真空が作られたなら、排気ポンプ60bの直線アクチュエーター127がシリンダーの遠位端から近位端へピストンを駆動し、それによって蛇腹75を収縮させ、それと同時に手袋を開けて手の挿入準備が整う。蛇腹75の膨張および収縮が十分であるか不十分であるかは、排気弁または流量調整弁によって監視制御できる。同様に、蛇腹75の係合面122に手袋11の層を保持するための真空が十分であるか不十分であるかは、適切な調整弁によって監視制御できる。
【0103】
手袋を開けるための機構52が図13および14に示す実施形態の形態であるか、図18および20に示す他の実施形態であるかに関係なく、手袋へ手が挿入されると、発光体アレイ66から検出器アレイ68へ向かう光が遮断され、手が手袋の中に入れられたことの印となる。前述したように、その後で使用者は、開口下部64を通り抜けるように自分の手を下方に引いて、使用者の手にある手袋と一緒に穿孔線26に沿って手袋11を裂き取る。使用者の手が装置から取り除かれると、光が再びアレイ68によって検出されて、信号が送られるが、その信号は、フレーム50が上方に動かされて再び連続体を把持し、それから下方に動くためのものであり、フレーム50が下方に動く時、別の手袋が開かれ、その結果、望まれる場合には使用者は自分の別の手を次の手袋に挿入できる。挿入されなければ、手袋は開かれた形状で機構内に保持されているだけであり、次の手がその手袋に挿入されるのを待ち、またその手袋が連続体10から裂き取られるのを待つ。裂き取られたなら、一連の流れが繰り返されて別の手袋が手挿入ステーションHに運ばれる。
【0104】
挿入ステーションHにおいて予め決められた時間間隔だけ開かれた状態に手袋を保持するために真空にすることができ、その後、真空は遮断される。したがって、しばらくの間、手袋が必要ではない場合、手袋は手挿入ステーションにおいて静止状態にあるだけである。手が装置内に挿入された時に、手袋開口機構を作動させて手袋を再び開けるために、センサー(図示せず)を設けることができる。
【0105】
別の実施形態では、新しい手袋を引き出して新しい手袋を開けるというサイクルは、開始ボタン110(図15を参照)によって開始させることができ、一連の操作は次のようなものとなり得る:ボタン110を押すと、前述のように割送り機構48が上方に動いて連続体10を把持し、その後、手挿入ステーションに戻り、前述のように手袋が開けられるので、使用者は自分の手を手袋に挿入することができる。手袋がもう1つ必要であれば、ボタン110を再び押すと、一連の流れが繰り返される。これにより、開口機構52でかなりの長時間にわたって真空を維持する必要がなくなる。
【0106】
図15に最もうまく示されているように、ハウジング55にはドア90が設けられており、このドアは矢印Bの方向に開けることができ、装置への新しいロール巻き15の装填が可能である。新しいロール巻きを装填するために、ドア90を開き、古いロール巻き15の残りを取り出す。新しいロール巻きを装置内の所定の位置に入れる。ドア90が開かれると、91で略図的に示されている機械的リンク機構により、2本のピン92が前方に動かされる。連続体10のパネル25の1つにある位置付け孔33が、ピン92に位置付けられ、ピン92が孔33を通って突き出る。これにより、ローラー58に対してロール巻きが正しく位置合わせされ、連続体10の一部がローラー58間に位置付けられる。ローラー58間への連続体10の位置付けを容易にするために、ローラー58の1つをバネテンション機構(spring tensioning device)95に取り付ける。この機構は、ドア90が開けられると、それぞれのローラー58を他のローラー58から引き離して、連続体10がローラー間に容易に挿入されるようなスペースが生じる。この場合にも、機械的リンク96(略図的に示されている)を用いてこのことを達成できる。ドア10が閉じられると、ピン92は孔33から引き抜かれて連続体10から離され、ローラー58が再びバネ付勢されて、ローラー58間にある連続体10と一緒に他のローラー58に押しつけられる。
【0107】
ドア90が閉じられると、装置は、手挿入ステーションに手袋を位置付けるよう作動することができ、手袋が開けられて使用者がすぐに使用できるようにされる。
【0108】
図18は、装置を制御する制御系の略ブロック図である。互いに対する相対的なローラー58の位置を監視するため、またローラー58が完全に1回転した時にリニアベアリング56の動きを停止するため、エンコーダー61からの信号を受け取る処理装置99を設ける。光検出器アレイ66および68も信号を処理装置99に送って、使用者の手の取り出しを知らせ、リニアベアリング56を駆動して割送り機構48を上方へ動かし、次いで下に向かって手挿入ステーションHへ復帰させ、それと同時に、ポンプ及び/または真空源を作動させて機構52に圧力を加えまた真空にして、手袋を把持し手袋を開ける。ポンプ60、60aまたは60bによる空気流が不十分であるかまたは過剰になって機構52の誤作動が生じていることを、排気値または空気調整器が検出した場合、処理装置99は、警報器130を作動させて、装置の保守または整備が必要であることを信号で伝えることができる。
【0109】
処理装置99は、ボタン100が押されて(ボタンが設けられている場合)、手袋を取得してそれを開ける一連の流れが開始された場合の信号、および予め決められた時間の後に開口機構52の真空を遮断するためのタイマー111からの信号も受信する。
【0110】
フレーム50が上に動く間にローラー58の回転を促進するためのモーター69を設ける場合、処理装置99は、割送り機構48がステーションHからステーションGへ動く間、ローラー58が完全に一回転するまでローラー68を駆動するモーター69を制御することもできる。
【0111】
装置を通過してロール巻き15から手挿入ステーションへ割送られている連続体10の場所を検知するために、他のセンサーを装置内に設けることもできる。他のセンサーによって連続体10が検出されるのを容易にするために、更なる標示または他の印を連続体10上に設けてもよい。
【0112】
手袋11の連続体10をさらに堅くするために、手袋11の周囲に二重のヒートシール部を形成させるか、または連続体11に沿って厚いヒートシールビードを設けるなどして、層18および20をさらに堅くすることができる。さらに堅くなれば、連続体10が垂直に下方に動くようにし、また連続体10が装置を通って割送りされる間にローラー58の周囲に巻き付いてしまう傾向をなくすようにする点で役立つであろう。
【0113】
本発明の精神および範囲に含まれる変更は当業者が容易に成し遂げることができるので、本発明は、上に例として説明した具体的な実施形態に限定されないことを理解すべきである。
【0114】
続く請求項において、また本発明の前述の説明において、明白な言葉遣いまたは必要とされる言外の意味のゆえに文脈で特に必要とされている場合を除き、「含む、備える(comprise)」という言葉または「含む、備える(comprises)」または「含んでいる、備えている(comprising)」などの変化形は、非排他的な意味で用いられている。すなわち、述べた特徴が存在することを明示するが、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在または付加を排除するものではない。
続く請求項において、また本発明の前述の説明において、明白な言葉遣いまたは必要とされる言外の意味のゆえに文脈で特に必要とされている場合を除き、「含む、備える(comprise)」という言葉または「含む、備える(comprises)」または「含んでいる、備えている(comprising)」などの変化形は、非排他的な意味で用いられている。すなわち、述べた特徴が存在することを明示するが、本発明の様々な実施形態における更なる特徴の存在または付加を排除するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの手袋を連続体から切り離すために分割可能な脆い連結部によって、前記連続体において互いに連結されている複数の手袋と、
各手袋の開口カフを形成するための、前記脆い連結部に対して横方向の手袋端部と
を含む、使い捨て手袋のパッケージであって、
各手袋が前記手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られる、使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項2】
前記手袋が、各パネルが前記脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、前記接合部が前記手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む、請求項1に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項3】
各パネルが長方形パネルであり、かつ前記接合部の外側方向にウェブを有する、請求項2に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項4】
各手袋は画定された指を有し、前記ウェブが前記指間に形成されており、前記指を切り離すために前記指間のウェブに切れ目が入れられている、請求項3に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項5】
前記手袋は指を有し、前記指を画定している前記手袋の前記接合部が前記指において前記パネルの周囲を形成する、請求項4に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項6】
手袋のロール巻きの形態である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項7】
使用者の手への手袋の装着を可能にする手袋装着装置と共に使用するための使い捨て手袋のパッケージであって、前記パッケージが、
連続体から1つの手袋を切り離すために分割可能な脆い連結部によって、前記連続体において互いに連結されている複数の手袋であって、
各手袋が、前記手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られている、複数の手袋と、
前記手袋が前記装置で位置合わせされることを可能にする位置決め印と
を含む、使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項8】
前記位置決め印が標示を含む、請求項7に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項9】
前記位置決め印が孔を含む、請求項7に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項10】
手袋の新しいパッケージが前記装置に装填された時に、前記手袋のパッケージを前記装置内で位置合わせするため、孔に位置付けられる少なくとも1本のピンを前記孔の中に位置付けて、これにより前記手袋を前記装置を通して割送りすることが可能になる、請求項9に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項11】
前記手袋が、各パネルが前記脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、前記接合部が、前記手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項12】
各パネルが前記接合部の外側方向にウェブ部分を有し、前記位置決め印が前記ウェブ部分に位置している、請求項11に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項13】
前記位置決め印が各パネルにおいて2個の孔を含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項14】
前記脆い連結部に対して横方向である各パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される、請求項7〜13のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項15】
前記パネル間の前記脆い連結部にある前記パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される、請求項7〜13のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項16】
前記脆い連結部が穿孔線を含む、請求項7〜15のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項17】
前記使い捨て手袋のパッケージが手袋のロール巻きを含む、請求項7〜16のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項18】
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と、
前記手袋を前記保管機構から手挿入ステーションへ動かすための割送り機構と、
使用者が自分の手を前記手袋に前記手挿入ステーションで挿入できるように手袋を開けるための手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項19】
前記保管機構が、とぎれていない手袋連続体を含む手袋のロール巻きを保管するための区画であって、前記手袋が前記連続体において脆い連結部によって互いに接合されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記割送り機構は、前記機構が前記手挿入ステーションと前記把持ステーションとの間で動くための可動把持機構を備えており、したがって、前記機構は前記手挿入ステーションと連続体把持ステーションとの間で前記連続体に対して動くことができ、また前記把持ステーションにおいて前記連続体を把持することができるので、前記連続体は、前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへの復帰運動の際に前記機構によって引っ張られる、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記連続体中の前記手袋が第1層および第2層を有し、前記手袋開口機構が、前記層の少なくとも1つを把持するためのグリッパーと、前記グリッパーおよび前記層の前記少なくとも1つを他の層に対して動かして前記手袋を開けるためのグリッパー移動要素とを備えている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記グリッパー機構が前記把持ステーションと前記手挿入ステーションとの間を動いている間に、前記手袋が把持されて開かれる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記グリッパーはインフレータブルアセンブリと1つまたは複数の吸引点を有するシーリング構成体とを備え、前記インフレータブルアセンブリが膨張すると、前記シーリング構成体の少なくとも1つの前記吸引点が前記層の少なくとも1つに接するように位置付けられ、また前記インフレータブルアセンブリが収縮すると、前記層が他の層から引き離され、それによって前記手袋が開かれる、請求項18〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記インフレータブルアセンブリが蛇腹を備えている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記インフレータブルアセンブリの膨張または収縮の速度が、前記インフレータブルアセンブリへ空気を供給する(または前記インフレータブルアセンブリから空気を引き出す)ピストンおよびシリンダーによって制御され、前記吸引点の吸引が別個のピストンおよびシリンダーによって制御される、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記ピストンとシリンダーとのアセンブリが、ソレノイドによって制御される直線アクチュエーターで操作可能である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記割送り機構が一対のローラーをさらに備え、ギアが各ローラーに取り付けられており、前記ギア同士が噛み合い、その結果、前記ローラーは一致して(但し、反対方向に)回転することができ、前記ローラーは溝およびリブを有しているので、一方のローラーの前記溝が他のローラーの前記リブと噛み合うと、前記連続体は前記ローラー間に把持されるようになっており、また前記割送り機構が前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへ動くと、前記連続体は前記パッケージから引き離されるようになっており、また前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動くと、前記ローラーが前記連続体に対して回転するが、その回転は、前記割送り機構が動いている間に起こり、ついには前記溝およびリブが再び噛み合い、それによって前記ローラー間に前記連続体が把持される、請求項18〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記把持機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへと動く間だけ前記ローラーを回転させるための駆動装置が設けられている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記駆動装置は、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動く間に前記ローラーの回転を促進するために設けることができるモーターを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記駆動装置は、前記割送り機構が前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへ動く間に前記ローラーが回転するのを防止するクラッチを備えている、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
前記駆動装置がラックとギアとのアセンブリを備え、前記ギアは前記ローラーの一方に取り付けられ、前記ラックは固定されて前記ギアに係合しており、その結果、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動く時、前記ギアと前記ラックの係合によって前記ギアの回転が生じ、それゆえに前記ローラーが回転することになる、請求項28または29に記載の装置。
【請求項32】
前記ギアが、前記ローラーの回転を、前記手挿入ステーションと前記把持ステーションとの間の前記割送り機構の動きと同期させることも行う、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ローラーの少なくとも一方がバネ付勢されて前記ローラーの他方と係合するようになっており、その結果として、前記装置へのパッケージの装填時に、前記ローラー間への前記連続体の位置付けが容易になるように前記ローラーを少し離すことができる、請求項27〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記手挿入ステーションにおける前記手袋への使用者の手の挿入、およびその後の前記手挿入ステーションにおける前記連続体からの前記手袋の除去を感知し、それによって前記割送り機構を作動させて、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動くようにし、また前記手挿入ステーションへ戻るようにし、そうして、前記手挿入ステーションにおいて新しい手袋が開かれて使用者の手の挿入準備が整うようにするための、センサーをさらに備えている、請求項18〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
新しいパッケージが前記装置内に入れられた時に前記連続体に係合して、前記連続体を前記装置内で正しく位置合わせするための位置付け要素をさらに備えている、請求項18〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記連続体が孔を有し、前記位置付け要素がピンを含み、前記ピンは、前記パッケージが前記装置内に装填される時に前記孔に入り、前記パッケージが前記装置に装填された後、前記孔から引き抜かれるためのものである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ピンは、前記装置の前記保管機構における出し入れ口となる前記装置のドアの開閉運動によって、前記ピンが孔に入ることのできる位置付け位置と、前記連続体から引き離される位置との間で動かされる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
手挿入ステーションを利用できるようにする前面開口部と下部開口部とを有するハウジングと;
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構であって、前記手袋のカフ部分と前記手袋の指の先端部分との間の線が実質的に水平であるような配向で、しかも前記手袋のカフ部分が前面開口部に向いた状態で、前記手袋が前記手挿入ステーションにおいて提供されるようになっている、保管機構と;
手袋を前記保管機構から前記手挿入ステーションへ動かす手袋割送り機構であって、使用者が自分の手を前記カフ部分に通して前記手袋に入れることができるようになっている、手袋割送り機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置であって、
前記手袋を前記手に装着させるため、また前記手袋を前記装置から取り外すために、使用者が自分の手を前記前面開口部に通して前記手袋に挿入してから、前記手袋が手にある状態で自分の手を前記下部開口部に通して下方に動かす、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項39】
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と;
前記手袋を前記保管機構から手挿入ステーションへ動かす割送り機構と;
手袋開口機構であって、空気が流れることができる開口部をその中に有する少なくとも1種のインフレータブルアセンブリ、および、前記インフレータブルアセンブリへ空気を供給して膨張させ、それによって前記アセンブリの開口部を前記手袋に隣接した位置に位置付けるため、また前記アセンブリを介して真空にして前記手袋の一部分が前記アセンブリに引きつけられるようにするため、また前記アセンブリを収縮し、前記アセンブリが前記手袋の一部分を前記手袋の別の部分から引き離して前記手袋を開けて、前記手挿入ステーションにおいて使用者が自分の手を前記手袋に挿入できるようにするための、少なくとも1つの給気・真空システムを備えた手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項40】
手袋を使用者の手に衛生的に装着させる方法であって、
機械的に前記手袋を手挿入場所に位置付けることと、
前記手袋を開けることと、
手を前記手袋に挿入することと
を含む、手袋を使用者の手に衛生的に装着させる方法。
【請求項41】
前記手袋を前記手挿入場所で開ける、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記手袋が、脆い連結部によって接合された手袋連続体中の1つの手袋として提供され、したがって、前記使用者の手が前記手袋内に位置付けられた時に、前記手袋が、前記使用者の手および前記手袋の動きによって前記連続体から引き裂かれる、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記手袋が開口カフおよび指部分を有し、前記手袋の前記カフと前記手袋の前記指部分の端との間の線が実質的に水平であるような配向で前記手袋が位置付けられる、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記手袋が開口カフおよび指部分を有し、前記手袋の前記カフと前記手袋の前記指部分の端との間の線が実質的に垂直であるような配向で前記手袋が位置付けられる、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記手袋は前記手袋の手の甲を画定する第1層と前記手袋の手のひらを画定する第2層とを有し、前記第1層と第2層とを引き離すことによって前記手袋が開かれ、人が自分の手を前記カフに通して前記手袋に挿入できるようにする装置が関与する、請求項40〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
1つの手袋を連続体から切り離すために分割可能な脆い連結部によって、前記連続体において互いに連結されている複数の手袋と、
各手袋の開口カフを形成するための、前記脆い連結部に対して横方向の手袋端部と
を含む、使い捨て手袋のパッケージであって、
各手袋が前記手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られる、使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項2】
前記手袋が、各パネルが前記脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、前記接合部が前記手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む、請求項1に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項3】
各パネルが長方形パネルであり、かつ前記接合部の外側方向にウェブを有する、請求項2に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項4】
各手袋は画定された指を有し、前記ウェブが前記指間に形成されており、前記指を切り離すために前記指間のウェブに切れ目が入れられている、請求項3に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項5】
前記手袋は指を有し、前記指を画定している前記手袋の前記接合部が前記指において前記パネルの周囲を形成する、請求項4に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項6】
手袋のロール巻きの形態である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項7】
使用者の手への手袋の装着を可能にする手袋装着装置と共に使用するための使い捨て手袋のパッケージであって、前記パッケージが、
連続体から1つの手袋を切り離すために分割可能な脆い連結部によって、前記連続体において互いに連結されている複数の手袋であって、
各手袋が、前記手袋を画定する接合部によって接合されている2つの層から作られている、複数の手袋と、
前記手袋が前記装置で位置合わせされることを可能にする位置決め印と
を含む、使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項8】
前記位置決め印が標示を含む、請求項7に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項9】
前記位置決め印が孔を含む、請求項7に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項10】
手袋の新しいパッケージが前記装置に装填された時に、前記手袋のパッケージを前記装置内で位置合わせするため、孔に位置付けられる少なくとも1本のピンを前記孔の中に位置付けて、これにより前記手袋を前記装置を通して割送りすることが可能になる、請求項9に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項11】
前記手袋が、各パネルが前記脆い連結部によって隣接パネルに連結されている手袋パネルで作られ、前記接合部が、前記手袋の形状を画定する各パネル内のヒートシール部を含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項12】
各パネルが前記接合部の外側方向にウェブ部分を有し、前記位置決め印が前記ウェブ部分に位置している、請求項11に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項13】
前記位置決め印が各パネルにおいて2個の孔を含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項14】
前記脆い連結部に対して横方向である各パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される、請求項7〜13のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項15】
前記パネル間の前記脆い連結部にある前記パネルの端部において、各手袋の開口カフが形成される、請求項7〜13のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項16】
前記脆い連結部が穿孔線を含む、請求項7〜15のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項17】
前記使い捨て手袋のパッケージが手袋のロール巻きを含む、請求項7〜16のいずれか一項に記載の使い捨て手袋のパッケージ。
【請求項18】
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と、
前記手袋を前記保管機構から手挿入ステーションへ動かすための割送り機構と、
使用者が自分の手を前記手袋に前記手挿入ステーションで挿入できるように手袋を開けるための手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項19】
前記保管機構が、とぎれていない手袋連続体を含む手袋のロール巻きを保管するための区画であって、前記手袋が前記連続体において脆い連結部によって互いに接合されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記割送り機構は、前記機構が前記手挿入ステーションと前記把持ステーションとの間で動くための可動把持機構を備えており、したがって、前記機構は前記手挿入ステーションと連続体把持ステーションとの間で前記連続体に対して動くことができ、また前記把持ステーションにおいて前記連続体を把持することができるので、前記連続体は、前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへの復帰運動の際に前記機構によって引っ張られる、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
前記連続体中の前記手袋が第1層および第2層を有し、前記手袋開口機構が、前記層の少なくとも1つを把持するためのグリッパーと、前記グリッパーおよび前記層の前記少なくとも1つを他の層に対して動かして前記手袋を開けるためのグリッパー移動要素とを備えている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記グリッパー機構が前記把持ステーションと前記手挿入ステーションとの間を動いている間に、前記手袋が把持されて開かれる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記グリッパーはインフレータブルアセンブリと1つまたは複数の吸引点を有するシーリング構成体とを備え、前記インフレータブルアセンブリが膨張すると、前記シーリング構成体の少なくとも1つの前記吸引点が前記層の少なくとも1つに接するように位置付けられ、また前記インフレータブルアセンブリが収縮すると、前記層が他の層から引き離され、それによって前記手袋が開かれる、請求項18〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記インフレータブルアセンブリが蛇腹を備えている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記インフレータブルアセンブリの膨張または収縮の速度が、前記インフレータブルアセンブリへ空気を供給する(または前記インフレータブルアセンブリから空気を引き出す)ピストンおよびシリンダーによって制御され、前記吸引点の吸引が別個のピストンおよびシリンダーによって制御される、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記ピストンとシリンダーとのアセンブリが、ソレノイドによって制御される直線アクチュエーターで操作可能である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記割送り機構が一対のローラーをさらに備え、ギアが各ローラーに取り付けられており、前記ギア同士が噛み合い、その結果、前記ローラーは一致して(但し、反対方向に)回転することができ、前記ローラーは溝およびリブを有しているので、一方のローラーの前記溝が他のローラーの前記リブと噛み合うと、前記連続体は前記ローラー間に把持されるようになっており、また前記割送り機構が前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへ動くと、前記連続体は前記パッケージから引き離されるようになっており、また前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動くと、前記ローラーが前記連続体に対して回転するが、その回転は、前記割送り機構が動いている間に起こり、ついには前記溝およびリブが再び噛み合い、それによって前記ローラー間に前記連続体が把持される、請求項18〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記把持機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへと動く間だけ前記ローラーを回転させるための駆動装置が設けられている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記駆動装置は、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動く間に前記ローラーの回転を促進するために設けることができるモーターを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記駆動装置は、前記割送り機構が前記把持ステーションから前記手挿入ステーションへ動く間に前記ローラーが回転するのを防止するクラッチを備えている、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
前記駆動装置がラックとギアとのアセンブリを備え、前記ギアは前記ローラーの一方に取り付けられ、前記ラックは固定されて前記ギアに係合しており、その結果、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動く時、前記ギアと前記ラックの係合によって前記ギアの回転が生じ、それゆえに前記ローラーが回転することになる、請求項28または29に記載の装置。
【請求項32】
前記ギアが、前記ローラーの回転を、前記手挿入ステーションと前記把持ステーションとの間の前記割送り機構の動きと同期させることも行う、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ローラーの少なくとも一方がバネ付勢されて前記ローラーの他方と係合するようになっており、その結果として、前記装置へのパッケージの装填時に、前記ローラー間への前記連続体の位置付けが容易になるように前記ローラーを少し離すことができる、請求項27〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記手挿入ステーションにおける前記手袋への使用者の手の挿入、およびその後の前記手挿入ステーションにおける前記連続体からの前記手袋の除去を感知し、それによって前記割送り機構を作動させて、前記割送り機構が前記手挿入ステーションから前記把持ステーションへ動くようにし、また前記手挿入ステーションへ戻るようにし、そうして、前記手挿入ステーションにおいて新しい手袋が開かれて使用者の手の挿入準備が整うようにするための、センサーをさらに備えている、請求項18〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
新しいパッケージが前記装置内に入れられた時に前記連続体に係合して、前記連続体を前記装置内で正しく位置合わせするための位置付け要素をさらに備えている、請求項18〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記連続体が孔を有し、前記位置付け要素がピンを含み、前記ピンは、前記パッケージが前記装置内に装填される時に前記孔に入り、前記パッケージが前記装置に装填された後、前記孔から引き抜かれるためのものである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ピンは、前記装置の前記保管機構における出し入れ口となる前記装置のドアの開閉運動によって、前記ピンが孔に入ることのできる位置付け位置と、前記連続体から引き離される位置との間で動かされる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
手挿入ステーションを利用できるようにする前面開口部と下部開口部とを有するハウジングと;
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構であって、前記手袋のカフ部分と前記手袋の指の先端部分との間の線が実質的に水平であるような配向で、しかも前記手袋のカフ部分が前面開口部に向いた状態で、前記手袋が前記手挿入ステーションにおいて提供されるようになっている、保管機構と;
手袋を前記保管機構から前記手挿入ステーションへ動かす手袋割送り機構であって、使用者が自分の手を前記カフ部分に通して前記手袋に入れることができるようになっている、手袋割送り機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置であって、
前記手袋を前記手に装着させるため、また前記手袋を前記装置から取り外すために、使用者が自分の手を前記前面開口部に通して前記手袋に挿入してから、前記手袋が手にある状態で自分の手を前記下部開口部に通して下方に動かす、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項39】
使い捨て手袋のパッケージを保管するための保管機構と;
前記手袋を前記保管機構から手挿入ステーションへ動かす割送り機構と;
手袋開口機構であって、空気が流れることができる開口部をその中に有する少なくとも1種のインフレータブルアセンブリ、および、前記インフレータブルアセンブリへ空気を供給して膨張させ、それによって前記アセンブリの開口部を前記手袋に隣接した位置に位置付けるため、また前記アセンブリを介して真空にして前記手袋の一部分が前記アセンブリに引きつけられるようにするため、また前記アセンブリを収縮し、前記アセンブリが前記手袋の一部分を前記手袋の別の部分から引き離して前記手袋を開けて、前記手挿入ステーションにおいて使用者が自分の手を前記手袋に挿入できるようにするための、少なくとも1つの給気・真空システムを備えた手袋開口機構と、
を備えた、衛生的に手袋を手に装着できるようにする装置。
【請求項40】
手袋を使用者の手に衛生的に装着させる方法であって、
機械的に前記手袋を手挿入場所に位置付けることと、
前記手袋を開けることと、
手を前記手袋に挿入することと
を含む、手袋を使用者の手に衛生的に装着させる方法。
【請求項41】
前記手袋を前記手挿入場所で開ける、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記手袋が、脆い連結部によって接合された手袋連続体中の1つの手袋として提供され、したがって、前記使用者の手が前記手袋内に位置付けられた時に、前記手袋が、前記使用者の手および前記手袋の動きによって前記連続体から引き裂かれる、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記手袋が開口カフおよび指部分を有し、前記手袋の前記カフと前記手袋の前記指部分の端との間の線が実質的に水平であるような配向で前記手袋が位置付けられる、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記手袋が開口カフおよび指部分を有し、前記手袋の前記カフと前記手袋の前記指部分の端との間の線が実質的に垂直であるような配向で前記手袋が位置付けられる、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記手袋は前記手袋の手の甲を画定する第1層と前記手袋の手のひらを画定する第2層とを有し、前記第1層と第2層とを引き離すことによって前記手袋が開かれ、人が自分の手を前記カフに通して前記手袋に挿入できるようにする装置が関与する、請求項40〜44のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2012−503105(P2012−503105A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527149(P2011−527149)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001377
【国際公開番号】WO2009/036499
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(511070167)グローブマティック ピーティーワイ エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【国際出願番号】PCT/AU2008/001377
【国際公開番号】WO2009/036499
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(511070167)グローブマティック ピーティーワイ エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
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