説明

使い捨て用枕カバー

【課題】枕側への液の移動を防止しつつ、使用者に不快感をあたえることない使い捨て用枕カバーの提供。
【解決手段】液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4との間に液吸収性シート3を挟んで積層した使い捨て用枕カバー1であって、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4が液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汗、脂分、洗髪後の濡れた毛髪の水分、髪の染め色などが枕や寝具に付着するのを防止する使い捨て用枕カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨て用枕カバーとしては、例えば、特許文献1に示すように、液透過性表面シートと液不透過性裏面シートの間に液吸収体を介装した状態で積層した構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−195322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の使い捨て用枕カバーにあっては、以下に述べるような問題点があった。
すなわち、従来の使い捨て用枕カバーにあっては、枕への液の移動を確実に阻止する目的で、枕と接する裏面シートが液不透過性を有するポリエチレン等のプラスチックフィルムで構成されていたため、これを枕カバーとして使用した場合に、寝返りなどで使用者が頭を動かす度にプラスチックフィルム独特のガサガサという音を発し、使用者に不快感を与えるという問題があった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、枕側への液の移動を防止しつつ、使用者に不快感をあたえることない使い捨て用枕カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の使い捨て用枕カバーは、液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートとの間に液吸収性シートを挟んで積層した使い捨て用枕カバーであって、
前記液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートが液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の使い捨て用枕カバーは、請求項1に記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記液透過性表面側シート及び液透過性裏面側シートは凸部と凹部を有するエンボス加工が施されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の使い捨て用枕カバーは、請求項1又は請求項2記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートと液吸収性シートの少なくとも1つに防ダニ加工が施されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の使い捨て用枕カバーは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記使い捨て用枕カバーの形状が円形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の使い捨て用枕カバーでは、上述のように、液透過性裏面側シートが液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されることで、ポリオレフィン系不織布の逆戻り防止機能と素材の柔軟性により枕側への液の移動を防止しつつ、使用者にガサガサ音による不快感を与えることを防止できるようになる。
【0011】
請求項2記載の使い捨て用枕カバーでは、上述のように、液透過性表面側シート及び液透過性裏面側シートは凸部と凹部を有するエンボス加工が施されることにより、素材全体の柔軟性が高まるので、快適な使用感が得られるようになる。
【0012】
請求項3記載の使い捨て用枕カバーでは、上述のように、液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートと液吸収性シートの少なくとも1つに防ダニ加工が施されることにより、枕カバーにおけるダニの発生を抑制することができるようになる。
【0013】
請求項4記載の使い捨て用枕カバーでは、上述のように、その形状を円形としたことで、枕の大小や形にこだわることなしに使用でき、応用範囲を広げることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の使い捨て用枕カバーを示す表面側斜視図である。
【図2】図1のS2−S2線における拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
まず、この実施例1の使い捨て用枕カバーの構成を図1、2に基づいて説明する。
【0017】
この実施例1の使い捨て用枕カバー1は、図1、2に示すように、円形の液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4との間に円形の液吸収性シート3を挟んで積層し、外周縁部を3層一体に熱シール5して結合した構造となっている。
【0018】
さらに詳述すると、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4は、液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されている。
【0019】
また、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4は、図2に示すように、凸部11と凹部12を有するエンボス加工が施されている。
【0020】
液吸収性シート3としては、少なくとも寝ている間に頭部から出る汗や脂分や、洗髪後頭髪に残った水分を吸収可能であればその素材は任意であり、高分子吸収材以外に、吸収紙、綿状パルプなどの使用が可能である。特に、リサイクル紙を用いることで、エコ要求にも貢献することができる。
【0021】
また、この実施例1では、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4と、液吸収性シート3のいずれか1つ以上、少なくとも枕に直接接する液透過性裏面側シート4に防ダニ加工が施される。
【0022】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の使い捨て用枕カバー1では、上述のように、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4が液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されることで、ポリオレフィン系不織布の逆戻り防止機能と素材の柔軟性により枕側への液の移動を防止しつつ、使用者にガサガサ音による不快感を与えることを防止できるようになる。
【0023】
また、液透過性表面側シート2及び液透過性裏面側シート4は凸部11と凹部12を有するエンボス加工が施されることにより、素材全体の柔軟性が高まるので、より快適な使用感が得られるようになる。
【0024】
また、液透過性表面側シート2と液透過性裏面側シート4と液吸収性シート3の少なくとも1つに防ダニ加工が施されることにより、枕カバー1におけるダニの発生を抑制することができるようになる。特に、枕と直接接する液透過性裏面側シート4に防ダニ加工を施すことで、枕の防ダニ効果が高まる。
【0025】
また、枕カバー1の形状を円形とすることで、枕の大小や形にこだわることなしに使用でき、応用範囲を広げることができるようになる。
【0026】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0027】
例えば、実施例では、枕カバー1の形状を円形とした例を示したが、その形状は任意であり、多角形、正方形、長方形、筒状、袋状などにすることができる。
また、防ダニ加工の他に、抗菌、消臭、芳香加工を施すこともできる。
【符号の説明】
【0028】
1 使い捨て用枕カバー
2 液透過性表面シート
3 液吸収シート
4 液不透過性裏面シート
5 熱シール
11 凸部
12 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートとの間に液吸収性シートを挟んで積層した使い捨て用枕カバーであって、
前記液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートが液透過性と一端透過した液の逆戻り防止可能なポリオレフィン系不織布で構成されていることを特徴とする使い捨て用枕カバー。
【請求項2】
請求項1に記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記液透過性表面側シート及び液透過性裏面側シートは凸部と凹部を有するエンボス加工が施されていることを特徴とする使い捨て用枕カバー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記液透過性表面側シートと液透過性裏面側シートと液吸収性シートの少なくとも1つに防ダニ加工が施されていることを特徴とする使い捨て用枕カバー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て用枕カバーにおいて、
前記使い捨て用枕カバーの形状が円形であることを特徴とする使い捨て用枕カバー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−85821(P2013−85821A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230811(P2011−230811)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【特許番号】特許第4891461号(P4891461)
【特許公報発行日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(511242270)
【Fターム(参考)】