説明

使い捨て着用物品

【課題】インナーパッドを肌当接面に固定することができ、パッドに体液を確実に吸収保持させることができる使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】使い捨て着用物品20では、インナーパッド31を物品20の肌当接面に押し当てる横方向へ長い伸縮性バンド32が前胴周り域21と後胴周り域23とにおける物品20の肌当接面に伸縮可能に取り付けられている。バンド32は、物品20の両側部25に位置して防漏シート41の可動部46に固着された固定両端部57と、固定両端部57の間に位置して物品20に非固着の自由伸縮部58とから形成されている。物品20では、バンド32によってパッド31が物品20の肌当接面に押し当てられ、パッド31がバンド32を介して物品20の肌当接面に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性インナーパッドを肌当接面に装着して該パッドとともに着用する使い捨て着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域と、横方向へ延びる両端部および縦方向へ延びる両側部とを有し、胴周り開口と一対の脚周り開口とが形成され、体液を吸収保持する吸収性インナーパッドを肌当接面に装着して該インナーパッドとともに着用するパンツ型の使い捨て着用物品がある(特許文献1参照)。
【0003】
この着用物品の股下域には、横方向へ所定寸法離間して縦方向へ延びる一対の防漏シートが取り付けられている。防漏シートは、股下域の両側部に固着された固定部と、固定部に平行する可動部と、横方向内方へ倒伏して物品に固着された固定両端縁部とから形成されている。防漏シートの可動部には、縦方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材が伸縮可能に取り付けられている。物品では、それが肌当接面を内側にして縦方向へ湾曲すると、弾性部材が収縮して防漏シートの可動部が肌当接面の上方へ起立し、可動部が体液の横漏れを防ぐ障壁を形成する。物品は、それら防漏シートの間にインナーパッドを装着することで、パッドの両側部が防漏シートの可動部に支持される。この物品は、インナーパッドのずれ動きを防漏シートの可動部によって防止することを意図している。
【特許文献1】特開2004−236740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の着用物品では、防漏シートの可動部がインナーパッドを物品の肌当接面に押し当てることはないから、それら防漏シートを介してパッドを物品の肌当接面に固定することはできない。この物品は、防漏シートが低剛性の繊維不織布から作られているので、物品の着用中に着用者の動作が防漏シートに伝わると、防漏シートの可動部に捻れや捲れが生じ、インナーパッドが防漏シートの間から外れてずれ動いてしまう場合がある。インナーパッドがずれ動くと、パッドが排泄位置からずれ、体液がパッドに吸収されずにパッドの外側に漏れてしまう場合がある。また、この物品は、その股下域で体液を吸収保持することはできないから、多量の体液が排泄されると、パッドに吸収しきれない体液が肌当接面を拡散して物品を広範囲に汚してしまう。
【0005】
本発明の目的は、インナーパッドを肌当接面に固定することができ、パッドのずれ動きを防ぎつつ、パッドに体液を吸収保持させることで、排泄物の漏れを防ぐことができる使い捨て着用物品を提供することにある。本発明の他の目的は、排泄された多量の体液を吸収保持することができる使い捨て着用物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域と、横方向へ延びる両端部および縦方向へ延びる両側部とを有し、体液を吸収保持する吸収性インナーパッドを肌当接面に装着して該インナーパッドとともに着用する使い捨て着用物品である。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、インナーパッドを物品の肌当接面に押し当てる横方向へ長い伸縮性バンドが前胴周り域と後胴周り域とのうちの少なくとも一方であって物品の肌当接面に伸縮可能に取り付けられ、伸縮性バンドが、物品の両側部に位置して該物品に固着された固定両端部と、固定両端部の間に位置して物品に非固着の自由伸縮部とから形成されていることにある。
【0008】
本発明の実施態様の一例は、物品がその両側部に位置して前後胴周り域間に延びる一対の液抵抗性防漏シートを有し、防漏シートが、物品の両側部に固着されて縦方向へ延びる固定部と、固定部に並行して縦方向へ延びていて肌当接面の上方へ起立性向を有する伸縮性可動部と、横方向へ倒伏して前後胴周り域に固着された固定両端縁部とから形成され、伸縮性バンドの固定両端部が防漏シートの可動部に固着されている。
【0009】
本発明の実施態様の他の一例として、物品では、伸縮性バンドの自由伸縮部を横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で該バンドの固定両端部が物品に固着されている。
【0010】
本発明の実施態様の他の一例は、剥離紙に被覆保護された粘着剤が伸縮性バンドの自由伸縮部の肌非当接面に塗布され、伸縮性バンドが粘着剤を介してインナーパッドに着脱可能に連結される。
【0011】
本発明の実施態様の他の一例は、複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが伸縮性バンドの自由伸縮部の肌非当接面に取り付けられ、伸縮性バンドがメカニカルファスナを介してインナーパッドに着脱可能に連結される。
【0012】
本発明の実施態様の他の一例は、物品が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、表裏面シートの間に介在する吸液性第1コアとから形成され、インナーパッドが、透液性シートと、透液性シートに包被された吸液性第2コアとから形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る使い捨て着用物品によれば、インナーパッドの端部が物品の肌当接面と伸縮性バンドとの間に介在し、バンドによってパッドが物品の肌当接面に押し当てられるから、バンドを介してパッドを物品の肌当接面に固定することができ、物品の着用中におけるパッドのずれ動きを防ぐことができる。この物品は、インナーパッドが排泄位置からずれることはないから、物品の着用中に排泄された体液をパッドに確実に吸収保持させることができ、パッドの外側への体液の漏れを防ぐことができる。
【0014】
バンドの固定両端部が防漏シートの可動部に固着された着用物品は、インナーパッドの端部が物品の肌当接面と伸縮性バンドとの間に介在し、バンドによってパッドが物品の肌当接面に押し当てられるとともに、パッドの両側部が防漏シートの可動部に支持されるから、バンドと防漏シートの可動部とを介してパッドを物品の肌当接面に確実に固定することができ、物品の着用中におけるパッドのずれ動きを確実に防ぐことができる。この物品は、インナーパッドが排泄位置からずれることはないから、物品の着用中に排泄された体液をパッドに確実に吸収保持させることができ、パッドの外側への体液の漏れを防ぐことができる。
【0015】
伸縮性バンドの自由伸縮部を横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で該バンドの固定両端部が物品に固着された着用物品は、バンドの収縮力によってインナーパッドが物品の肌当接面に強く押し当てられるから、バンドを介してパッドを物品の肌当接面に確実に固定することができ、物品の着用中におけるパッドのずれ動きを確実に防ぐことができる。
【0016】
剥離紙に被覆保護された粘着剤が自由伸縮部の肌非当接面に塗布された着用物品は、粘着剤を介して伸縮性バンドがインナーパッドに連結されるので、着用者の動作によってバンドに部分的な捩れや捲れが生じたとしても、パッドがバンドから外れることはなく、バンドを介してパッドを物品の肌当接面に確実に固定することができ、物品の着用中におけるパッドのずれ動きを確実に防ぐことができる。
【0017】
複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが自由伸縮部の肌非当接面に取り付けられた着用物品は、メカニカルファスナを介して伸縮性バンドがインナーパッドに連結されるので、着用者の動作によってバンドに部分的な捩れや捲れが生じたとしても、パッドがバンドから外れることはなく、バンドを介してパッドを物品の肌当接面に確実に固定することができ、物品の着用中におけるパッドのずれ動きを確実に防ぐことができる。
【0018】
物品が表裏面シートと吸液性第1コアとから形成され、インナーパッドが被覆シートと吸液性第2コアとから形成された着用物品は、多量の体液が排泄され、パッドが体液の全てを吸収しきれない場合でも、パッドを透過した体液が第1コアに吸収保持されるから、排泄された多量の体液を物品の外側に漏らすことなく吸収保持することができる。この物品は、インナーパッドに吸収しきれない体液が物品の肌当接面を拡散することはなく、物品の汚れを最小限にとどめることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0020】
図1,2は、前胴周り域21の側から示す着用物品20の部分破断斜視図と、前後胴周り域21,23の連結を解除した状態で示す図1の物品20の展開斜視図とである。図3,4は、図2の状態から物品20とパッド32とを分離して示すそれらの部分破断斜視図と、股下域22の一部を省略して示す図2の4−4線矢視断面図とであり、図5は、図2の5−5線端面図である。図1,2では、縦方向を矢印Lで示し、横方向を矢印Mで示す。なお、物品20の肌当接面とは、着用者の肌に対向する面をいう。また、表面シート36や裏面シート26,37、防漏シート41の内面とは、第1コア38に対向する面をいい、それらシート26,36,37,41の外面とは、コア38に非対向の面をいう。被覆シート59の内面とは、第2コア60に対向する面をいい、シート59の外面とは、コア60に非対向の面をいう。
【0021】
物品20は、前胴周り域21および後胴周り域23と、それら胴周り域21,23の間に位置する股下域22とを有し、前後胴周り域21,23に横方向へ延びる両端部24と、前後胴周り域21,23間に縦方向へ延びる両側部25とを有する。物品20は、前後胴周り域21,23および股下域22を画成してその全体形状を形作る不透液性第1裏面シート26(不透液性裏面シート)と、裏面シート26の内面に取り付けられた積層パネル27とから形成されている。物品20では、股下域22の両側部25が横方向内方へ向かって弧を画いている。物品20は、図2に示すように、その平面形状が砂時計型を呈する。物品20では、前後胴周り域21,23の両側部25が合掌状に重なり合い、両側部25が縦方向へ並ぶ複数の熱融着線28を介して固着されている。物品20は、図1に示すように、前後胴周り域21,23が連結されたパンツ型であり、胴周り開口29と一対の脚周り開口30とを有する。この物品20は、その肌当接面に体液を吸収保持する吸収性インナーパッド31を装着し、パッド31ととも着用される。
【0022】
前後胴周り域21,23には、パッド31を物品20の肌当接面に押し当てる一対の伸縮性バンド32が伸縮可能に取り付けられている。両端部24には、横方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材33が伸縮可能に取り付けられている。両側部25には、縦方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材34が伸縮可能に取り付けられている。裏面シート26には、互いに重なり合う2枚の疎水性繊維不織布35a,35bをラミネートした複合不織布が使用されている。胴周り用弾性部材33は、裏面シート26を形成する不織布35aに被覆され、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布35a,35bに固着されている。脚周り用弾性部材34は、裏面シート26を形成する不織布35a,35bの間に介在し、縦方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれら不織布35a,35bに固着されている。
【0023】
パネル27は、肌当接側に位置する透液性表面シート36と、肌非当接側に位置する不透液性第2裏面シート37(不透液性裏面シート)と、表裏面シート36,37の間に介在する吸液性第1コア38とから形成されている。パネル27は、その平面形状が略矩形を呈し、前後胴周り域21,23間に延びている。パネル27は、前後胴周り域21,23に位置して横方向へ延びる両端部39と、物品20の両側部25に位置して縦方向へ延びる両側部40とを有する。パネル27では、それを形成する第2裏面シート37の外面が第1裏面シート26の内面に固着されている。パネル27の両側部40には、前後胴周り域21,23間に延びる一対の液抵抗性防漏シート41が取り付けられている。
【0024】
表面シート36には、親水性繊維不織布42が使用されている。裏面シート37には、シリカやアルミナ等の無機物微細粒子を含有する通気不透液性の延伸プラスチックフィルム43が使用されている。第1コア38は、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプとの混合物、または、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプと熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所定の厚みに圧縮されている。コア38は、その型崩れやポリマーの脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シート(図示せず)に包被されている。コア38は、透液性シートを介して表裏面シート36,37の内面に接合されている。ポリマーには、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のそれが使用されている。
【0025】
防漏シート41には、疎水性繊維不織布44が使用されている。防漏シート41は、パネル27の両側部40に並行して縦方向へ延びる固定部45と、固定部45に並行して縦方向へ延びる可動部46と、可動部46の縦方向両側に位置して物品20の横方向内方へ倒伏した固定両端縁部47とを有する。可動部46の上方には、縦方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材48が伸縮可能に取り付けられている。弾性部材48は、縦方向へ所定の倍率に伸長させた状態で可動部46に固着されている。防漏シート41では、物品20が肌当接面を内側にして縦方向へ湾曲すると、弾性部材48が収縮して可動部46が表面シート36の外面(物品20の肌当接面)から上方へ起立し、可動部46が体液の横漏れを防ぐ障壁を形成する。
【0026】
パネル27の両端部39は、コア38の端縁49から縦方向外方へ延びる表裏面シート36,37の端部50,51から形成されている。両端部39では、表裏面シート36,37の端部50,51が互いに重なり合った状態で、それらシート36,37の内面どうしが固着されている。防漏シート41の固定両端縁部47は、パネル27の両端部39(物品20の前後胴周り域21,23)に位置し、その内面が表面シート36の外面に固着されている。
【0027】
パネル27の両側部40は、コア38の側縁52から横方向外方へ延びる表裏面シート36,37の側部53,54と防漏シート41の固定部45とから形成されている。両側部40では、表裏面シート36,37の側部53,54と防漏シート41の固定部45とが互いに重なり合った状態で、表裏面シート36,37の内面どうしが固着され、表面シート36の外面と防漏シート41の内面とが固着されている。防漏シート41の固定部45のうちのパネル27の側部40から横方向外方へ延びる部分は、側部40において横方向内方へ折り曲げられ、第1裏面シート26と第2裏面シート37との間に介在し、それらシート26,37の内外面に固着されている。
【0028】
伸縮性バンド32は、前胴周り域21の横方向中央と後胴周り域23の横方向中央とに配置され、表面シート36の外面(物品20の肌当接面)に位置してパネル27を横切るように横方向へ延びている。バンド32は、親水性または疎水性の繊維不織布55と、不織布55に伸縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材56とから形成されている。弾性部材56は、不織布55に包被され、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布55に固着されている。バンド32は、パネル27の両側部40(物品20の両側部25)に位置する固定両端部57と、固定両端部57の間に位置してパネル27(物品20)に非固着の自由伸縮部58とから形成されている。固定両端部57は、防漏シート41の可動部46の上方に固着されている。可動部46に対する固定両端部57の固着時では、自由伸縮部58を横方向へ所定の倍率に伸長させた状態にある。自由伸縮部58の伸長状態が解除されると、起立する防漏シート41の可動部46どうしがバンド32の収縮力で横方向内方へ引っ張られる。可動部46は、バンドの収縮力によって物品20の横方向内方へ傾斜している(図5参照)。
【0029】
インナーパッド31は、透液性被覆シート59と、被覆シート59に包被された吸液性第2コア60とから形成されている。パッド31は、縦方向へ長い矩形を呈し、横方向へ延びる両端部61と、縦方向へ延びる両側部62とを有する。パッド31は、縦方向の長さが物品20のそれよりもわずかに小さく、横方向の長さが防漏シート41の可動部46の起立始点間の寸法とほぼ同一である。パッド31では、コア60の周縁から周方向外方へ延びる被覆シート59の部分が互いに重なり合った状態で固着されている。被覆シート59には、親水性繊維不織布63が使用されている。第2コア60は、第1コア38と同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シート(図示せず)に包被されている。コア60は、透液性シートを介して被覆シート59の内面に接合されている。
【0030】
この物品20を着用する手順の一例は、以下のとおりである。インナーパッド31が物品20の前後胴周り域21,23と股下域22とに位置するように、パッド31を防漏シート41の間であって表面シート36の外面に乗せた後、バンド32の収縮力に抗してパッド31の両端部61をパネル27とバンド32との間に通し、パッド31の両側部62を防漏シート41の可動部46の内側に納め、パッド31を物品20に装着する。パッド31を物品20に装着すると、被覆シート59の外面が表面シート36の外面に当接し、両端部61が前後胴周り域21,23に位置するとともに、両側部62がパネル27の両側部40(物品20の両側部25)に位置する。物品20にパッド31を装着した後、胴周り開口29から脚周り開口30に着用者の両脚を通し、物品20を着用者の胴部に引き上げる。物品20の着用中に排泄された体液は、被覆シート59を透過して第2コア60に吸収保持される。パッド31に吸収しきれない体液は、被覆シート59と表面シート36とを透過して第1コア38に吸収保持される。
【0031】
物品20では、インナーパッド31の両端部61が表面シート36の外面と伸縮性バンド32との間に介在し、パッド31の両側部62が防漏シート41の可動部46の内側に納まり、両側部62がバンド32の収縮力によって横方向内方へ傾斜した可動部46に覆われる。物品20は、伸縮性バンド32の固定両端部57が防漏シート41の可動部46に固着され、可動部46の捩れや捲れがバンド32によって阻止される。インナーパッド31は、バンド32の収縮力によって表面シート36の外面(物品20の肌当接面)に押し当てられるとともに、両側部62が防漏シート41の可動部46によって表面シート36の外面(物品20の肌当接面)に押し当てられる。パッド31は、バンド32と防漏シート41の可動部46とを介して物品20の肌当接面に固定される。
【0032】
物品20は、バンド32の収縮力によってパッド31が物品20の肌当接面に強く押し当てられ、パッド31の両側部62が防漏シート41の可動部46によって物品20の肌当接面に押し当てられるから、バンド32と防漏シート41の可動部46とを介してパッド31を物品20の肌当接面に確実に固定することができ、物品20の着用中におけるパッド31のずれ動きを確実に防ぐことができる。物品20は、インナーパッド31が排泄位置からずれることはないから、物品20の着用中に排泄された体液をパッド31に確実に吸収保持させることができ、パッド31の外側への体液の漏れを防ぐことができる。
【0033】
物品20は、その着用中に多量の体液が排泄され、インナーパッド31が体液の全てを吸収しきれない場合でも、パッド31を透過した体液が物品20の第1コア38に吸収保持されるから、排泄された多量の体液を物品20の外側に漏らすことなく吸収保持することができる。この物品20は、インナーパッド31に吸収しきれない体液が肌当接面を拡散することはなく、物品20の汚れを最小限にとどめることができる。
【0034】
図6,7は、他の一例として示す着用物品70の斜視図と、物品70とパッドとを分離して示すそれらの部分破断斜視図とである。図8,9は、股下域72の一部を省略して示す図6の8−8線矢視断面図と、両側部75の一部を省略して示す図6の9−9線端面図とであり、図10は、図7の10−10線端面図である。図6,7では、縦方向を矢印Lで示し、横方向を矢印Mで示す。図9,10では、バンド80を形成する不織布97を一層で示している。なお、物品70の肌当接面とは、着用者の肌に対向する面をいう。また、第1表面シート76や第1裏面シート77、防漏シート83の内面とは、第1コア78に対向する面をいい、それらシート76,77,83の外面とは、コア78に非対向の面をいう。第2表面シート108や第2裏面シート109の内面とは、第2コア110に対向する面をいい、それらシート108,109の外面とは、コア110に非対向の面をいう。
【0035】
物品70は、前胴周り域71および後胴周り域73と、それら胴周り域71,73の間に位置する股下域72とを有し、前後胴周り域71,73に横方向へ延びる両端部74と、前後胴周り域71,73間に縦方向へ延びる両側部75とを有する。物品70は、肌当接側に位置する透液性第1表面シート76と、肌非当接側に位置する不透液性第1裏面シート77(不透液性裏面シート)と、表裏面シート76,77の間に介在してそれらシート76,77の内面に接合された吸液性第1コア78とから形成されている。物品70では、股下域72の両側部75が横方向内方へ向かって弧を画いている。物品70は、その平面形状が砂時計型を呈する。この物品70は、着用時に前後胴周り域71,73を連結するオープン型であり、その肌当接面に体液を吸収保持する吸収性インナーパッド79を装着し、パッド79ととも着用される。
【0036】
前後胴周り域71,73には、パッド79を物品70の肌当接面に押し当てる一対の伸縮性バンド80が伸縮可能に取り付けられている。両端部74には、横方向へ延びる複数条の胴周り用弾性部材81が伸縮可能に取り付けられている。両側部75には、縦方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材82が伸縮可能に取り付けられている。両側部75には、前後胴周り域71,73間に延びる一対の液抵抗性防漏シート83が取り付けられている。表面シート76には、親水性繊維不織布84が使用されている。裏面シート77には、互いに重なり合う2枚の疎水性繊維不織布85a,85bをラミネートした複合不織布が使用されている。コア78は、図1の物品70のコア38と同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シート(図示せず)に包被されている。
【0037】
防漏シート83には、疎水性繊維不織布86が使用されている。防漏シート83は、物品70の両側部75に並行して縦方向へ延びる固定部87と、固定部87に並行して縦方向へ延びる可動部88と、可動部88の縦方向両側に位置して物品70の横方向内方へ倒伏した固定両端縁部89とを有する。可動部88の上方には、縦方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材90が伸縮可能に取り付けられている。弾性部材90は、縦方向へ所定の倍率に伸長させた状態で可動部88に固着されている。防漏シート83では、物品70が肌当接面を内側にして縦方向へ湾曲すると、弾性部材90が収縮して可動部88が表面シート76の外面(物品70の肌当接面)から上方へ起立し、可動部88が体液の横漏れを防ぐ障壁を形成する。
【0038】
両端部74は、コア78の端縁91から縦方向外方へ延びる表裏面シート76,77の端部92,93から形成されている。両端部74では、表裏面シート76,77の端部92,93が互いに重なり合った状態で、それらシート76,77の内面どうしが固着されている。防漏シート83の固定両端縁部89は、両端部74(物品70の前後胴周り域71,73)に位置してその内面が表面シート76の外面に固着されている。胴周り用弾性部材81は、裏面シート77を形成する不織布85a,85bの間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布85a,85bに固着されている。
【0039】
両側部75は、コア78の側縁94から横方向外方へ延びる表裏面シート76,77の側部95,96と防漏シート83の固定部87とから形成されている。両側部75では、表面シート76の側部95がコア78の側縁94から横方向外方へわずかに延び、側部95からさらに横方向外方へ裏面シート77の側部96と防漏シート83の固定部87とが延びている。両側部75では、表裏面シート76,77の側部95,96と防漏シート83の固定部87とが重なり合い、表裏面シート76,77の内面どうしが固着され、表裏面シート76,77の内外面と防漏シート83の内面とが固着されている。脚周り用弾性部材82は、裏面シート77を形成する不織布85a,85bの間に介在し、縦方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれら不織布85a,85bに固着されている。
【0040】
伸縮性バンド80は、前胴周り域71の横方向中央と後胴周り域73の横方向中央とに配置され、表面シート76の外面(物品70の肌当接面)に位置して横方向へ延びている。バンド80は、親水性または疎水性の繊維不織布97と、不織布97に伸縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材98とから形成されている。弾性部材98は、不織布97に包被され、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布97に固着されている。バンド80は、物品70の両側部75に位置する固定両端部99と、固定両端部99の間に位置して物品70に非固着の自由伸縮部100とから形成されている。固定両端部99は、表面シート76と防漏シート83の固定部87との間に介在し、それらシート76,87の内外面に固着されている。固定両端部99の固着時では、自由伸縮部100を横方向へ所定の倍率に伸長させた状態にある。表面シート76の外面に対向する自由伸縮部100の肌非当接面には、剥離紙101に被覆保護された粘着剤102が塗布されている。なお、自由伸縮部100の肌非当接面には、粘着剤102ではなく、複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが取り付けられていてもよい。
【0041】
後胴周り域73の両側部75には、プラスチックフィルムから形成された可撓性のテープファスナ103が取り付けられている。テープファスナ103は、横方向へ延びる固定端部104と自由端部105とを有する。固定端部104は、裏面シート77の側部96と防漏シート83の固定部87との間に介在し、それらシート77,87の内面に固着されている。自由端部105の内面には、複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナ106が取り付けられている。なお、自由端部105には、メカニカルファスナ106ではなく、粘着剤が塗布されていてもよい。
【0042】
前胴周り域71には、テープファスナ103の自由端部105を着脱可能に止着する可撓性のターゲットテープ107が取り付けられている(図11参照)。ターゲットテープ107には、プラスチックフィルムとフィルムから突出する複数のループとから形成された雌型のメカニカルファスナが使用されている。ターゲットテープ107は、横長矩形を有し、裏面シート77の外面に固着されている。テープファスナ103の自由端部105に粘着剤を塗布する場合は、ターゲットテープ107にプラスチックフィルムが使用される。
【0043】
インナーパッド79は、透液性第2表面シート108と、不透液性第2裏面シート109と、表裏面シート108,109の間に介在する吸液性第2コア110とから形成されている。パッド79は、縦方向へ長い矩形を呈し、横方向へ延びる両端部111と、縦方向へ延びる両側部112とを有する。パッド79は、縦方向の長さが物品70のそれよりもわずかに小さく、横方向の長さが防漏シート83の可動部88の起立始点間の寸法とほぼ同一である。パッド79では、コア110の周縁から周方向外方へ延びる表裏面シート108,109の部分が互いに重なり合った状態で固着されている。表面シート108には、親水性繊維不織布113が使用されている。裏面シート109には、疎水性繊維不織布114が使用されている。コア110は、図1のパッド31のコア60と同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シート(図示せず)に包被されている。コア110は、透液性シートを介して表裏面シート108,109の内面に接合されている。
【0044】
図11は、着用途中の状態を示す図6の物品70の斜視図である。この物品70を着用する手順の一例は、以下のとおりである。伸縮性バンド80から剥離紙101を剥がして粘着剤102を露出させ、インナーパッド79が物品70の前後胴周り域71,73と股下域72とに位置するように、パッド79を防漏シート83の間であって表面シート76の外面に乗せる。バンド80の収縮力に抗してパッド79の両端部111を表面シート76とバンド80との間に通した後、粘着剤102を介してバンド80の肌非当接面を表面シート108の外面に貼付してバンド80とパッド79とを連結し、パッド79を物品70に装着する。なお、伸縮性バンド80の肌非当接面に雄型のメカニカルファスナを取り付ける場合は、フックが表面シート108を形成する不織布113の繊維に引っ掛かることでバンド80とパッド79とが連結される。パッド79を物品70に装着すると、裏面シート109の外面が表面シート76の外面に当接し、両端部111が前後胴周り域71,73に位置するとともに、両側部112が物品70の両側部75に位置する。物品70では、パッド79がバンド80の収縮力によって表面シート76の外面(物品70の肌当接面)に押し当てられるとともに、パッド79の両側部112が防漏シート83の可動部88に支持される。パッド79は、バンド80と防漏シート83の可動部88とを介して物品70の肌当接面に固定される。
【0045】
物品70にパッドを装着した後、物品70の股下域72に着用者の臀部を乗せ、股下域72を折り曲げて前胴周り域71を着用者の腹部の上に乗せる。次に、後胴周り域73の両側部75が着用者の腹部の上に位置するように、後胴周り域73の両側部75を前胴周り域71の両側部74の外側に重ね合わせ、メカニカルファスナ106を介してテープファスナ103の自由端部105をターゲットテープ107に止着し、前胴周り域71と後胴周り域73とを連結する。前後胴周り域71,73が連結された物品70には、胴周り開口と一対の脚周り開口とが形成される(図示せず)。物品70の着用中に排泄された体液は、表面シート108を透過して第2コア110に吸収保持される。パッド79に吸収しきれずにパッド79の周縁から漏出した体液は、表面シート76を透過して第1コア78に吸収保持される。
【0046】
物品70は、インナーパッド79の両端部111が表面シート76の外面と伸縮性バンド80との間に介在し、バンド80の収縮力によってパッド79が表面シート76(物品70の肌当接面)に強く押し当てられ、さらに、パッド79の両側部112が防漏シート83の可動部88に支持されるから、バンド80と防漏シート83の可動部88とを介してパッド79を物品70の肌当接面に確実に固定することができ、物品70の着用中におけるパッド79のずれ動きを確実に防ぐことができる。物品70は、粘着剤102を介してバンド80がインナーパッド79に連結されるので、着用者の動作によってバンド80に部分的な捩れや捲れが生じたとしても、パッド79がバンド80から外れることはない。物品70は、インナーパッド79が排泄位置からずれることはないから、物品70の着用中に排泄された体液をパッド79に確実に吸収保持させることができ、パッド79の外側への体液の漏れを防ぐことができる。
【0047】
物品70は、その着用中に多量の体液が排泄され、インナーパッド79が体液の全てを吸収しきれない場合でも、体液が物品70の第1コア78に吸収保持されるから、排泄された多量の体液を物品70の外側に漏らすことなく吸収保持することができる。この物品70は、インナーパッド79に吸収しきれない体液が肌当接面を拡散することはなく、物品70の汚れを最小限にとどめることができる。なお、複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが伸縮性バンド80の自由伸縮部100の肌非当接面に取り付けられた場合は、フックを介してバンド80がインナーパッド79に連結されるので、着用者の動作によってバンド80に部分的な捩れや捲れが生じたとしても、パッド79がバンド80から外れることはなく、バンド80を介してパッド79を物品70の肌当接面に確実に固定することができ、物品70の着用中におけるパッド79のずれ動きを確実に防ぐことができる。
【0048】
図1の物品20では、図6のそれと同様に、伸縮性バンド32の自由伸縮部58の肌非当接面に剥離紙に被覆保護された粘着剤が塗布されていてもよく、自由伸縮部の肌非当接面に複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが取り付けられていてもよい。また、図1の物品20では、伸縮性バンド32の固定両端部57が表面シート37と防漏シート41の固定部45との間に介在し、それらシート37,41の内外面に固着されていてもよい。図6の物品70では、図1のそれと同様に、伸縮性バンド80の固定両端部99が防漏シート83の可動部88に固着されていてもよい。図1,6の物品20,70では、伸縮性バンド32,80の自由伸縮部58,100を横方向へ伸長することなくバンド32,80の固定両端部57,99が物品20,70に固着されていてもよい。図1,6の物品20,70では、伸縮性バンド32,80が前後胴周り域21,71,23,73のうちのいずれか一方のみに取り付けられていてもよい。
【0049】
表面シート36,76,108や被覆シート59には、親水性繊維不織布42,63,84,113の他に、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布を使用することができる。裏面シート26,37,77,109や防漏シート41,83には、通気不透液性プラスチックフィルムを使用することもでき、通気不透液性プラスチックフィルムと疎水性繊維不織布とをラミネートした複合シートを使用することもできる。裏面シート26,37,77,109や防漏シート41,83には、高い耐水性を有するメルトブローン法による繊維不織布の少なくとも片面に、高い強度と良好な柔軟性とを有するスパンボンド法による繊維不織布をラミネートした複合不織布(SM不織布、SMS不織布)を使用することもできる。伸縮性バンド32,80には、熱可塑性エラストマー樹脂を溶融、紡糸して作られる伸縮性繊維から形成された伸縮性繊維不織布を使用することもできる。バンド32,80には、伸縮性繊維不織布の少なくとも片面に捲縮繊維から形成された親水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布を使用することもできる。
【0050】
繊維不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンドの各製法により製造された不織布を使用することができる。親水性繊維不織布は、親水化処理が施された合成繊維、半合成繊維、再生繊維のうちのいずれか、または、それら繊維を混合した複合繊維から作ることができる。疎水性繊維不織布は、合成繊維から作ることができる。疎水性繊維不織布には、撥水処理が施された半合成繊維や再生繊維が含まれていてもよい。合成繊維には、特に限定はないが、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系を使用することができる。合成繊維には、芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、異型中空繊維、微多孔繊維、接合型複合繊維を使用することもできる。
【0051】
シート26,36,37,41,59,76,77,108,109どうしの固着やシート36,37,59,76,77,108,109に対するコア38,60,78,110の接合、シート26,41,77,83や不織布55,97に対する弾性部材33,34,48,56,81,82,90,98の固着には、接着剤を使用することができる。接着剤は、シート26,36,37,41,59,76,77,108,109や不織布55,97にスパイラル状や波状、ジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されていることが好ましい。接着剤をそれらの態様でシート26,36,37,41,59,76,77,108,109や不織布55,97に塗布すると、それらシート26,36,37,41,59,76,77,108,109どうしが断続的に固着され、コア38,60,78,110がシート36,37,59,76,77,108,109に断続的に接合されるとともに、弾性部材33,34,48,56,81,82,90,98がシート26,41,77,83や不織布55,97に断続的に固着される。接着剤には、ホットメルト型接着剤やアクリル系接着剤、ゴム系接着剤のいずれかを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】前胴周り域の側から示す着用物品の部分破断斜視図。
【図2】前後胴周り域の連結を解除した状態で示す図1の物品の展開斜視図。
【図3】物品とパッドとを分離して示すそれらの部分破断斜視図。
【図4】図2の4−4線矢視断面図。
【図5】図2の5−5線端面図。
【図6】他の一例として示す着用物品の斜視図。
【図7】物品とパッドとを分離して示すそれらの部分破断斜視図。
【図8】図6の8−8線矢視断面図。
【図9】図6の9−9線端面図。
【図10】図7の10−10線端面図。
【図11】着用途中の状態を示す図6の物品の斜視図。
【符号の説明】
【0053】
20 使い捨て着用物品
21 前胴周り域
22 股下域
23 後胴周り域
24 両端部
25 両側部
26 不透液性第1裏面シート(不透液性裏面シート)
31 吸収性インナーパッド
32 伸縮性バンド
36 透液性表面シート
37 不透液性第2裏面シート(不透液性裏面シート)
38 吸液性第1コア
41 液抵抗性防漏シート
45 固定部
46 可動部
47 固定両端縁部
48 伸縮性弾性部材
56 伸縮性弾性部材
57 固定両端部
58 自由伸縮部
59 透液性被覆シート
60 吸液性第2コア
70 使い捨て着用物品
71 前胴周り域
72 股下域
73 後胴周り域
74 両端部
75 両側部
76 透液性第1表面シート(透液性表面シート)
77 不透液性第1裏面シート(不透液性裏面シート)
78 吸液性第1コア
79 吸収性インナーパッド
80 伸縮性バンド
83 液抵抗性防漏シート
87 固定部
88 可動部
89 固定両端縁部
90 伸縮性弾性部材
98 伸縮性弾性部材
99 固定両端部
100 自由伸縮部
101 剥離紙
102 粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域と、横方向へ延びる両端部および縦方向へ延びる両側部とを有し、体液を吸収保持する吸収性インナーパッドを肌当接面に装着して該インナーパッドとともに着用する使い捨て着用物品において、
前記インナーパッドを前記物品の肌当接面に押し当てる横方向へ長い伸縮性バンドが、前記前胴周り域と前記後胴周り域とのうちの少なくとも一方における前記物品の肌当接面に伸縮可能に取り付けられ、前記伸縮性バンドが、前記両側部に位置して前記物品に固着された固定両端部と、前記固定両端部の間に位置して前記物品に非固着の自由伸縮部とから形成されていることを特徴とする前記着用物品。
【請求項2】
前記物品が、前記両側部に位置して前記前後胴周り域間に延びる一対の液抵抗性防漏シートを有し、前記防漏シートが、前記両側部に固着されて縦方向へ延びる固定部と、前記固定部に並行して縦方向へ延びていて前記肌当接面の上方へ起立性向を有する伸縮性可動部と、横方向へ倒伏して前記前後胴周り域に固着された固定両端縁部とから形成され、前記伸縮性バンドの固定両端部が、前記防漏シートの可動部に固着されている請求項1記載の着用物品。
【請求項3】
前記物品では、伸縮性バンドの自由伸縮部を横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で該バンドの固定両端部が前記物品に固着されている請求項1または請求項2に記載の着用物品。
【請求項4】
剥離紙に被覆保護された粘着剤が、前記自由伸縮部の肌非当接面に塗布され、前記伸縮性バンドが、前記粘着剤を介して前記インナーパッドに着脱可能に連結される請求項1ないし請求項3いずれかに記載の着用物品。
【請求項5】
複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナが、前記自由伸縮部の肌非当接面に取り付けられ、前記伸縮性バンドが、前記メカニカルファスナを介して前記インナーパッドに着脱可能に連結される請求項1ないし請求項3いずれかに記載の着用物品。
【請求項6】
前記物品が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、前記表裏面シートの間に介在する吸液性第1コアとから形成され、前記インナーパッドが、透液性被覆シートと、前記被覆シートに包被された吸液性第2コアとから形成されている請求項1ないし請求項5いずれかに記載の着用物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−167004(P2006−167004A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360690(P2004−360690)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】