使用時間制限機能付き電子機器、及びそれに使用するコンピュータプログラム及びその記録媒体
【課題】子供や青少年等による電子機器の使用時間を容易な操作で確実に制限する。
【解決手段】電子機器本体と特定コードを記録した外部メモリ装置とマルチタスク処理可能なOSとカレンダ時刻タイマと使用時間制限プログラムを備える。使用時間制限プログラムは周期的に実行され、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていた場合は使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面を表示して入力を要求し、入力された内容を記憶する。接続されていなかった場合は記憶していた使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合は使用時間制限条件と現在時刻との照合を行い、使用を禁止すべき条件が成立していた場合は電源を遮断させる。条件が成立していなかった場合及び使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合は電源を遮断させない。
【解決手段】電子機器本体と特定コードを記録した外部メモリ装置とマルチタスク処理可能なOSとカレンダ時刻タイマと使用時間制限プログラムを備える。使用時間制限プログラムは周期的に実行され、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていた場合は使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面を表示して入力を要求し、入力された内容を記憶する。接続されていなかった場合は記憶していた使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合は使用時間制限条件と現在時刻との照合を行い、使用を禁止すべき条件が成立していた場合は電源を遮断させる。条件が成立していなかった場合及び使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合は電源を遮断させない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供や青少年等がパソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器を必要以上に長時間に渡って使用したり、深夜や勉強時間帯等の不適切な時間帯に使用したりすることを制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器、及びそれに使用するコンピュータプログラムとそれを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器が広く普及し、子供や青少年がそれら電子機器を使用する機会が増えている。こうした電子機器を使用して行なう娯楽や会話は子供や青少年にとっては楽しく、興味深いものである。そのため子供や青少年が長時間に渡ってそうした電子機器の使用に没頭したり、夜遅くや家庭での勉強時間帯にも使用したりして、睡眠不足を来したり勉強が疎かになったりする例が増えつつある。こうしたことは子供や青少年の教育上好ましいことではない。
【0003】
こうした問題に対処するため、そうした電子機器の使用時間、使用時間帯に制限をかける技術が各種提案されている。パソコン及びテレビを対象としたものとして、例えば特許文献1には連続使用モード、タイマモード(使用時間制限モード)、停止モードを切り換えるための専用リモコン又は鍵付き切換えスイッチを設けると共に、パソコン内部にタイマモードにて使用する特別な制限用タイマを付加して使用制限をかける技術が提案されている。しかし、専用リモコンを設けるには、パソコン、テレビ側にその信号を受信する回路も追加しなければならず費用がかかる。また、鍵付き切換えスイッチや制限用タイマを後から追加するには費用がかかる。最初から追加しておくにしても、そのためには専用仕様のパソコンやテレビを製造しなければならない問題がある。
【0004】
また、汎用パソコンに使用時間制限ソフトをインストールし、パスワードを使用してパソコンの使用モードを切り換えたり制限条件を変更したりする技術も提案されている。しかし、使用モードの切り換えや制限条件の変更の度に、パソコンを管理する親がパスワード入力を伴う操作をすることは面倒である。また、子供等がパスワードを覚えてしまうことがあるためパスワードを頻繁に変更しなければならない問題もある。
【特許文献1】特表2004−501361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は子供や青少年等がパソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器を必要以上に長時間に渡って使用したり、深夜や勉強時間帯等の不適切な時間帯に使用したりすることを制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器、及びそれに使用するコンピュータプログラムとそれを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、コンピュータで制御される電子機器の使用時間を制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器であって、コンピュータで制御される電子機器本体とそれに外部接続可能な外部メモリ装置とを備えて構成してあり、外部メモリ装置には特定コードが予め記憶させてあり、電子機器本体は複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムと、カレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックと、電子機器本体の使用時間制限を行なう使用時間制限プログラムと、電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件を記憶しておく内部記憶装置とを備えており、使用時間制限プログラムはオペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、その要求に応えてユーザが入力した内容を内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶し、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件とリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器本体の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあり、オペレーティングシステムは使用時間制限プログラムより電子機器本体の電源遮断の指示を受けた場合には、予め定められた手順に従い電子機器本体の電源を遮断するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0007】
このような構成の使用時間制限機能付き電子機器によれば、使用時間制限プログラムがインストールされて使用時間制限モードが制限ありに設定してあると、設定されている制限条件に従って使用可能時間や1日の累計使用時間が制限される。制限なしに設定してある場合には何らの制限も受けることなく通常通りに使用できる。その使用時間制限モードの設定と制限条件の設定、変更は特定コードを記録させた外部メモリ装置を接続した状態においてのみ可能である。従って、子供をもつ親がその外部メモリ装置を管理することで、子供等の電子機器使用に容易に時間制限をかけることができる。制限モードや制限条件の設定、変更の際にパスワードをキーボードから入力する方式を採っていないため、パスワードを入力したり、パスワードを記憶したり、パスワードをしばしば変更したりする煩わしさが無い利点を有する。また、設定変更以外の通常使用の際には特定コードを記憶した外部メモリ装置を接続しないので、外部装置接続用のコネクタが外部メモリ装置により専有されない利点も有する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限プログラムはリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、そのサーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0009】
電子機器の内部で生成されているカレンダ時刻は、その日付や時刻の設定をユーザが変更できる。そのようなカレンダ時刻に基づいた使用時間制限では、ユーザである子供がカレンダ時刻を変更してしまえば使用時間制限がかからなくなってしまう。本構成のように外部の標準時刻提供サーバより取得したカレンダ時刻に基づいて制御すれば、現在時刻の変更が不可能なため確実に使用時間制限をかけることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置をさらに有することを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0011】
使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置とは、例えば、1日の使用可能時間が30分、1時間、2時間、4時間、8時間等と設定されたメモリ装置のことであり、それぞれの使用可能時間毎に配されたコードを該既設メモリ装置と前記内部記憶装置の両方に記憶させることで電子機器の使用時間制限を行うことができる。このような既設メモリ装置を有することで、使用時間制限条件の変更を容易にできるのみでなく、使用時間制限条件の入力を省略することもできる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は3の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器において、特定コードを記憶した外部メモリ装置及び前記既設メモリ装置は電子機器にUSB規格のバスインターフェイスにて接続可能なUSBメモリにより構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0013】
今日、市販されている多くの電子機器はUSB規格の入出力バスを備え、それに外部装置を接続するためのUSBコネクタを標準で備えている。従って、外部メモリ装置及び既設メモリ装置をUSB規格で接続するようすれば、ハードウェアの改造をせずに市販の多くの電子機器に使用時間制限をかけることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、電子機器がパーソナルコンピュータ、ゲーム機、携帯電話機、テレビの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器である。
【0015】
請求項1乃至4の各請求項に記載の使用時間制限方式は、使用時間制限プログラムがマルチタスクにより他のアプリケーションプログラムと並行処理され、外部メモリ装置を外部接続でき、警告を表示でき、OSがその電子機器の電源を遮断する機能を備えているコンピュータ制御式の電子機器であれば適用可能である。今日の最新型ゲーム機はコンピュータで制御されているため本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、携帯電話機もコンピュータで制御されているため本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、今日の高機能テレビはチャンネル制御、リモコン制御等のためにコンピュータが組み込まれているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。従って、このような電子機器についても各請求項に記載の使用時間制限方式を適用することで、子供、青少年等によるそれら電子機器の使用に容易、確実に時間制限をかけることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムとカレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックとを備えたコンピュータにより制御される電子機器にインストールされて該電子機器の使用時間に制限を加えるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムはオペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には予め定めた特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には電子機器の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を電子機器の備える内部記憶装置に現在の使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶させ、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件とリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0017】
このようなコンピュータプログラムを電子機器にインストールして使用すれば、特定コードを記憶した外部メモリ装置を併用することで請求項1に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のコンピュータプログラムにおいて、該コンピュータプログラムはリアルタイムクロックが出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して前記電子機器の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0019】
このようなコンピュータプログラムを使用すれば、請求項2に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のコンピュータプログラムにおいて、使用時間制限条件には電子機器の1日に許される累計使用時間、1日単位の使用禁止時間帯のスケジュールのうちの少なくとも1項目を含むことを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0021】
このようなコンピュータプログラムを使用すれば、子供や青少年による電子機器の使用時間に制限をかけることができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8の何れかに記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
このような記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを使用すれば、対応する請求項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る使用時間制限機能付き電子機器の実施形態について、電子機器がパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)である場合を例にして説明する。図1は、そのパソコン1の外観を、図2はパソコン1のハードウェアの構成をブロック図で示したものである。
【0025】
パソコン1は、一般家庭で広く使用されているノート型汎用パソコンであり、そのパソコン本体2は図2に示すように、CPU21、メモリ22、磁気ディスク装置(以下、HDDという。)23、キーボード24、表示装置25、USB(Universal Serial Bus)コントローラ28、リアルタイムクロック(以下、RTCという。)29、クロック発生回路30、ネットワークインターフェイス31を備えて構成されている。
【0026】
ネットワークインターフェイス31はインターネット40に接続するためのものである。RTC29は、クロック発生回路30の発生するクロックパルスを計数して日付、時刻を刻む時計であり、パソコン本体2の電源がOFF状態でも動作するように構成してある。
【0027】
USBコントローラ28は、バス規格の一つであるUSB規格によるシリアルバス33を制御するためのコントローラで、パソコン本体2にプリンタ、マウス、CD駆動装置、ディジタルカメラ等の周辺装置を外部接続するためのものである。シリアルバス33はパソコン本体2の筐体の側面に取り付けたUSBコネクタ(レセプタクル)34に接続されている。
【0028】
本発明では、パソコン1の使用時間を制限するに際して外部メモリ装置3を使用する。外部メモリ装置3はパソコン本体2のUSBコネクタ34にそのコネクタ(プラグ)35を差し込んでUSB規格のシリアルバス33に接続して使用する外部記憶装置である。本実施形態の外部メモリ装置3は、不揮発性メモリ回路37、USBコントローラ38、USBコネクタ35を備えて構成されている。
【0029】
図3は、パソコン1のソフトウェアの構成を示したものである。パソコン1には多数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステム(以下、OSという。)50がインストールされている。OS50は内部にタスクスケジューラを有しており、ユーザにより指示されたスケジュールに従いインストールされているプログラムA、B、C等の多数のアプリケーションプログラムを指示されたスケジュールに従いマルチタスク処理で実行させる。そのアプリケーションプログラムの一つとして、パソコン1の使用時間制限を制御するための本実施形態に特有の使用時間制限プログラム51がインストールされる。
【0030】
次に、このような構成の下で使用時間制限プログラム51が実行するパソコン1の使用時間制限の制御方法と動作についてフローを参照して説明する。使用時間制限プログラム51は、インストール時に実行する処理部分(図4)と、その後のパソコン1の通常使用時に実行する処理部分(図5〜図7)の2つの部分で構成されている。
【0031】
最初に使用時間制限プログラム51のインストールを行なう(図4のステップA1)。インストールは、例えば、ユーザが使用時間制限プログラム51の記録されたCDをUSBコネクタ34に外部接続したCD駆動装置にセットし、OSにより管理されるアプリケーションプログラムとしてHDD23に記憶させる。なお、図中の処理枠の右側に記載してある指さしマークは、ユーザの介入を伴う処理であることを示している。
【0032】
インストールが終了すると、使用時間制限プログラム51の最初の動作が開始される(ステップA2)。使用時間制限プログラム51は、最初に外部メモリ装置3をUSBコネクタ34に接続させる指示を表示装置25上に表示させる。それに応えてユーザは、外部メモリ装置3をUSBコネクタ34に接続する。接続状態をOSが直ちに確認できるように外部メモリ装置3はプラグアンドプレイができるように製作しておく。使用時間制限プログラム51は外部メモリ装置3が接続されたことを確認して(ステップA4のYES)、ステップA5に移る。
【0033】
次に、使用時間制限プログラム51は、特定コードをキーボード24より入力するようにユーザに指示する(ステップA5)。指示は表示装置25上に表示させる。この特定コードはパスワードの役割を果たすコードである。ユーザは、英数字、日本語文字等の組合せで任意の特定コードを作成してキーボード24から入力する(ステップA6)。使用時間制限プログラム51は入力が完了したことを確認する(ステップA7のYES)。確認後、入力された特定コードを外部メモリ装置3の不揮発性メモリ回路37とHDD23に書き込む(ステップA8)。
【0034】
続くステップA9〜A13は、パソコン1の電源が次に投入された時以降に使用時間制限プログラム51がパソコン1の使用時間制限を実行するための準備処理である。ステップA9では現在時刻を取得する。現在時刻は日付、曜日も含むカレンダ時刻のことであり、RTC29から読み込む。次に、HDD23内に「前回時刻エリア」と名付けた領域を確保し、読み込んだ現在時刻を記憶させる(ステップA10)。更に、HDD23内に「積算時間エリア」と名付けた領域を確保し、そこにゼロを記憶させておく(ステップA11)。ステップA12では、使用時間制限の制限モードを記憶する「制限モードエリア」をHDD23内に確保し、そこに「制限モードA」と書き込んでおく。制限モードAは、後述するようにパソコン1を使用時間制限なしに使用できるモードである。
【0035】
続くステップA13では、パソコン1が次回以降に電源投入された時の使用時間制限プログラム51の動作スケジュールをOSに書き込む。具体的には、電源投入されたならば、使用時間制限プログラム51が図5のステップS1から自動的に起動されるようにしておく。更に、そのフローに従って使用時間制限プログラム51の実行が終了しても、短い時間間隔t1(例えば、5秒)の周期で繰り返し起動されるようにOSに要求しておく。OSはその要求を記憶しておき、次回の電源投入以降は時間間隔t1の周期で使用時間制限プログラム51を繰り返し起動させる。
【0036】
なお、OSに市販のOSを使用した場合において、そのOSが時間間隔t1で周期的にプログラムを起動させる機能は持たず、代わりに起動開始時刻を予約できる機能を有する場合がある。その場合には、使用時間制限プログラム51が実行終了する直前にその時点の時刻に時間t1を加えた時刻を次に起動を求める時刻としてOSに要求を出しておく。そうすることで使用時間制限プログラム51を周期的に起動させることができる。また、OSには電源投入後の起動のみを任せ、周期t1による繰り返しは使用時間制限プログラム51自身で行なうようにしてもよい。具体的には空ループを回したり、現在時刻をRTC29から読み出して比較を繰り返したりするプログラム方法を採用すればよい。
【0037】
次に、使用時間制限プログラム51のインストールされているパソコン1が、次回以降に電源投入された時に行なう処理を図5〜図7に示したフローを参照して説明する。パソコン1の電源が投入されるとOSにより使用時間制限プログラム51が起動され、図5のステップS1の処理より実行が開始される。使用時間制限プログラム51は、最初に、USBコネクタ34に外部メモリ装置3が接続されており、そこにステップA8でHDD23に記録しておいた特定コードと同一の特定コードが記録されているかチェックする(ステップS1)。
【0038】
外部メモリ装置3が接続されており、且つ特定コードが記録されていた場合(ステップS1のYES)にはステップS2に移る。ステップS2〜S7は使用時間制限の制限モードの設定と、制限条件の設定、変更を行なう処理フローである。ステップS2では、図8に示すような制限モードを設定する画面を表示装置25に表示する。ユーザは、画面に表示されている「制限モードA(制限なし)」、「制限モードB(制限あり)」の何れかのモードを選択してモード設定完了ボタン61を押す。モード設定完了ボタン61が押されたことを確認するとステップS4に移り、設定された制限モードをHDD23内の制限モードエリアに上書きで記憶しておく。
【0039】
ステップS5では、使用時間制限の制限条件の設定、変更を行なうための図9に示す制限条件設定画面を表示する。制限条件項目としてはパソコン1の使用を禁止する「1日の使用禁止時間帯」と、1日の累計使用可能時間を制限する「1日の許容累計使用時間」の2種類の他に「既設定のパターンからの選択」が設けてある。ユーザは何れかの項目を選択する。「1日の使用禁止時間帯」が選択された場合は、図10に示す1日の使用禁止時間帯設定画面が表示され、画面にはHDD23に記憶している現在の設定値が表示される。ユーザは禁止時間帯の追加、修正を行い、変更ボタン62を押す。変更ボタン62が押されると、パターン登録を行うかを問い合わせる画面が表示されるので、必要なら登録を行う。登録することで、既設定のパターンに加えられる。
【0040】
次いで、図9に示す制限条件設定画面が再表示される。この画面で「1日の許容累計使用時間」が選択された場合は、図11に示す1日の許容累計使用時間設定画面が表示され、画面には現在の設定値が表示される。ユーザは許容累計使用時間の修正を行って変更ボタン63を押す。変更ボタン63が押されると、パターン登録を行うかを問い合わせる画面が表示されるので、必要なら登録を行う。登録することで、既設定のパターンに加えられる。次いで、図9に示す制限条件設定画面が再表示される。このようにして制限条件の入力を終えたならば、ユーザは制限条件入力完了ボタン64を押す。制限条件入力完了ボタン64が押されるとステップS7に移り、入力された制限条件をHDD23に記憶する(ステップS7)。
【0041】
ステップS8では、特定コードが記録された外部メモリ装置3の抜取りを指示する。抜取りを確認したならば、次に日付、曜日を含む現在時刻をRTC29から取得する(ステップS10)。そして取得した現在時刻の日付がHDD23内の前回時刻エリアに記憶している前回時刻の日付と同じかチェックする(ステップS11)。日付が同じでなかった場合は、パソコン1の1日の使用時間の積算をやり直すためにステップA11で確保しておいたHDD23内の積算時間エリアにゼロを書き込む(ステップS12)。その後、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS13)終了する。ステップS11にて日付が同じであった場合はステップS12を飛ばし、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS13)終了する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されていた場合(ステップS1のYES)には、その状態にて使用時間制限の制限モードの設定と制限条件の設定、変更を行なわせ、それらの処理の終了後には外部メモリ装置3を抜き取った状態にさせる。
【0042】
ステップS1にて特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されていなかった場合(ステップS1のNO)には、図6のステップS14に移る。ステップS14ではHDD23内の制限モードエリアに記録されている制限モードを読み出し、そのモードが制限モードAであるか判定する。制限モードAはパソコン1を時間制限なしに自由に使用できるモードである。制限モードがAであった場合(ステップS14のYES)には、何もしないで終了する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、且つステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードA(制限なし)であった場合には、使用時間制限プログラム51はユーザの使用に対して何の介入もしない。ユーザは時間制限を受けずに自由にパソコン1を使用することができる。
【0043】
ステップS14にて制限モードが制限モードAでなかった場合にはステップS15に移り、制限モードBになっているか判定する。制限モードBでもなかった場合にはそのまま終了する。即ち、制限モードが制限モードA、制限モードBの何れでもなかった場合は、ユーザは制限を受けずに自由にパソコン1を使用できる。このような状態はパソコン1に使用時間制限プログラム51がインストールされている限り、通常は起こり得ない。
【0044】
ステップS15にて制限モードBになっていた場合はステップS16に移り、現在時刻をRTC29から取得する。そして、取得した現在時刻の日付がHDD23内の前回時刻エリアに記憶している前回時刻の日付と同じかチェックする(ステップS17)。日付が同じでなかった場合は1日の使用時間の積算をやり直すためにステップA11で確保しておいたHDD23内の積算時間エリアにゼロを書き込み(ステップS18)、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS19)、ステップS20に移る。日付が同じであった場合は、ステップS18、S19を飛ばしてステップS20に移る。
【0045】
ステップS20ではステップS7にて記憶しておいた使用時間制限条件を読み出す。そして図10の画面による使用禁止時間帯の制限が設定されているか判定する。使用禁止時間帯の制限がなければ図7のステップS26に移る。使用禁止時間帯の制限が設定されていた場合には、ステップS16にて取得した現在時刻がその禁止時間帯に入っているか判定する(ステップS22)。使用禁止時間帯に入っていない場合には図7のステップS26に移る。
【0046】
使用禁止時間帯に入っていた場合は、使用を禁止すべきであるためステップS23に移り使用禁止時間帯である旨の警告を表示装置25に表示する。警告をt2時間表示した後(ステップS24)、OSに対して電源遮断の指示を出す(ステップS25)。指示を受けたOSは、決められた手順に従いパソコン1の電源を遮断する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、ステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードB(制限あり)であり、且つ現在時刻が使用禁止時間帯に入っていた場合には電源が遮断されてユーザはパソコン1を使用できなくなる。
【0047】
使用禁止時間帯の制限が設定されていなかった場合(ステップS21のNO)及び使用禁止時間帯に入っていない場合(ステップS22のNO)には図7のステップS26に移る。ステップS26では現在時刻と前回時刻エリアに記憶している前回時刻との時間差が所定時間t3より大きいか判定する。前回時刻エリアの時刻は後述するステップS33でも書き換えられ、使用時間制限プログラム51が前回実行された時の時刻を表わす。従って、計算した時間差は、使用時間制限プログラム51が前回実行された時から現在までの経過時間に相当する。
【0048】
所定時間t3はステップA13で設定した時間t1より少し大きな値である(例えば、3分間)。時間t1は、使用時間制限プログラム51が繰り返し実行される際の時間差(周期)である。従って、計算した時間差が時間t3より大きいことは、前回の実行時と今回の実行時との間にパソコン1の電源が遮断され、使用時間制限プログラム51の実行が停止されていた期間が存在したと判断する。このことは、今回の使用時間制限プログラム51の実行がパソコン1に電源が投入された後の最初の実行と判断することを意味する。
【0049】
このパソコン1に電源が投入された後の最初の実行であることと判断した場合(ステップS26のYES)にはステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。即ち、使用時間制限プログラム51の前回実行時と今回実行時との間に電源遮断があった場合には電源遮断を指示しないで終了する。
【0050】
ステップS26にて現在時刻と前回時刻との時間差が所定時間t3を超えていなかった場合にはステップS27に移る。所定時間t3を超えていなかった場合は、その間はパソコン1が継続使用されていたと判断し、その使用時間に相当する時間差を積算時間エリアの数値に加える(ステップS27)。そしてステップS28に移る。
【0051】
ステップS28では、図11の画面を使用して設定される1日の許容累計使用時間の制限が設定されているか判定する。設定されていなかった場合はステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。設定されていた場合は、積算時間エリアに記憶する積算時間が設定されている1日の許容累計使用時間を超えているか判定する(ステップS29)。超えていない場合は継続使用させてもよいのでステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。
【0052】
1日の許容累計使用時間を超えていた場合(ステップS29のYES)は使用を中止させる必要があるのでステップS30に移り、累計使用時間が1日の許容累計使用時間を超えた旨の警告を表示装置25に表示する。警告をt2時間表示した後(ステップS31)、OSに対して電源遮断の指示を出し(ステップS32)、パソコン1の電源を遮断させる。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、ステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードB(制限あり)であり、且つ累計使用時間が1日の許容累計使用時間を超えていた場合は電源が遮断されてユーザはパソコン1を使用できなくなる。
【0053】
以上、説明したように本実施形態の使用時間制限機能付きのパソコン1では、使用時間制限プログラム51がインストールされて使用時間制限モードが制限モードB(制限あり)に設定してあると、設定されている制限条件に従って使用可能時間帯や1日の累計使用時間が制限される。制限モードA(制限なし)に設定してある場合には、何らの制限も受けることなく通常通りに使用できる。そして、その使用時間制限モードの設定と制限条件の設定、変更は特定コードを記録させた外部メモリ装置3を接続した状態においてのみ可能にしてある。従って、子供をもつ親がその外部メモリ装置3を管理することで、子供のパソコン使用に容易に時間制限をかけられる利点を有する。制限モードや制限条件の設定、変更の際にパスワードをキーボードから入力する方式を採っていないため、パスワードを入力したり、パスワードを記憶したり、パスワードをしばしば変更したりする煩わしさが無い利点を有する。また、使用時間制限ありのモードで使用する際には外部メモリ装置3は接続されていないので、外部メモリ装置3が外部機器接続用のコネクタを専有することがない利点も有する。
【0054】
また、本実施形態で説明したパソコン1は、今日、市販されている標準仕様パソコンでよい。標準仕様パソコンは殆どが外部機器接続用にUSBコネクタを備えているのでハードウェアに改造を加える必要がない。また、本実施形態の使用時間制限プログラム51をマルチタスクで実行させるOSを標準的に備えているため特別のOSを準備する必要もない。即ち、ソフトウェアの改造も不要である。このため市販の標準仕様パソコンに何らの改造も加えることなく使用時間制限をかけられる利点を有する。
【0055】
(変形実施形態)
上述した本発明の実施形態は、次のように変形を加えて実施してもよい。
前記実施形態のパソコン1では、パソコン1の備えるリアルタイムクロック(RTC)29から現在時刻を取得して使用時間制限の制御に使用した。しかし、通常の市販パソコンでは、こうした現在時刻はその日付や時刻を設定変更できるようになっている。ユーザである子供が現在時刻を変更してしまえば、使用時間制限は無意味になってしまう。こうした変更ができないようにするため、インターネット40に接続された外部の標準時刻提供サーバ41の提供するカレンダ時刻(現在時刻)を取得して制御に用いるとよい。そうすれば現在時刻を変更できないため確実に時間制限をかけることができる。この場合、標準時刻提供サーバ41よりカレンダ時刻を取得できなかった場合は、警告表示の後、OSに要求してパソコン1の電源を遮断させるようにする。
【0056】
また、前記実施形態では外部メモリ装置3として不揮発性メモリを使用するメモリ装置を使用したが、読出し専用メモリ素子を使用したメモリ装置を使用してもよい。この場合には、読出し専用メモリ素子に予め特定コードを書き込んでおき、使用時間制限プログラム51に同じ特定コードを書き込んでおくようにする。このようにすれば、インストール直後に特定コードを外部メモリ装置3に書き込む手間を省くことができる。
【0057】
また、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置、例えば、一日の使用可能時間が各々30分、1時間、2時間、4時間、8時間に設定されたメモリ装置を使用してもよい。この場合、前期既設定のパターンの中から、「既設メモリ装置を使用する」を選択することで、使用時間制限条件の入力を省略することができる。親は既設メモリ装置を適宜組み合わせて子供に与えることで、パソコンの使用時間制限の変更を簡便に行うことができる。
【0058】
また、前記実施形態では、使用を許される時間として1日分を設定したが、1週間分、1ケ月分を設定するようにしてもよい。また、1日分と1週間分のような2つの条件のANDによる組合せで設定できるようにしてもよい。使用禁止帯の制限についても前記実施形態では1日分を設定したが、1週間分、1ケ月分を設定できるようにしてもよい。また、入力して設定した制限条件と既設メモリ装置との組み合わせなども自由に選択できる。
【0059】
また、前記実施形態では入出力バスとしてUSB規格のバスを用いたが、USB規格以外の標準規格に従ったバスを採用してもよい。そうしたバスとしては、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)、SCSI(Small Computer System Interface)、IDE(Integrated Drive Electronics)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、パラレルインタフェース、シリアルインタフェースなどが挙げられる。
【0060】
また、前記実施形態では電子機器としてパソコンを例に挙げて説明したが、電子機器はゲーム機、携帯電話機、テレビ等でもよい。本発明に係る使用時間制限方式は、前述した使用時間制限プログラム51がマルチタスクにより他のアプリケーションプログラムと並行処理され、外部メモリ装置3を外部接続でき、警告を表示でき、OSがその電子機器の電源を遮断する機能を備えているコンピュータ制御式の電子機器であれば適用可能である。今日の最新型ゲーム機はコンピュータで制御されているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、携帯電話機もコンピュータで制御されているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、今日の高機能テレビはチャンネル制御、リモコン制御等のためにコンピュータが組み込まれているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。従って、このような電子機器についても本発明に係る使用時間制限方式を採用することで、子供、青少年等によるそれら電子機器の使用に容易、確実に時間制限をかけられる。
【0061】
また、携帯電話機の実施形態としては、親の携帯電話機と子供の携帯電話機の両方に本発明の使用時間制限プログラム51をインストールし、さらに、親の携帯電話機のみに前記特定コードを記憶させることで、メール通信機能または電話機能を使用して、親の携帯電話機から子供の携帯電話機に対して使用時間制限をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を適用したパソコン1の外観図である。
【図2】パソコン1のハードウェアの構成例である。
【図3】パソコン1内のソフトウェア構成図である。
【図4】使用時間制限プログラムのインストール時の処理フローである。
【図5】パソコン1が電源投入された時以降の使用時間制限プログラムの処理フローである。
【図6】図5の処理フローの続き部分である。
【図7】図6の処理フローの続き部分である。
【図8】制限モードを設定する画面の例である。
【図9】制限項目を設定する画面の例である。
【図10】1日の使用禁止時間帯を設定する画面の例である。
【図11】1日の許容累計使用時間を設定する画面の例である。
【符号の説明】
【0063】
図面中、1はパソコン(電子機器の例)、2はパソコン本体、3は外部メモリ装置、23は磁気ディスク(内部記憶装置)、25は表示装置、29はリアルタイムクロック、34はUSBコネクタ、41は標準時刻提供サーバを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供や青少年等がパソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器を必要以上に長時間に渡って使用したり、深夜や勉強時間帯等の不適切な時間帯に使用したりすることを制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器、及びそれに使用するコンピュータプログラムとそれを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器が広く普及し、子供や青少年がそれら電子機器を使用する機会が増えている。こうした電子機器を使用して行なう娯楽や会話は子供や青少年にとっては楽しく、興味深いものである。そのため子供や青少年が長時間に渡ってそうした電子機器の使用に没頭したり、夜遅くや家庭での勉強時間帯にも使用したりして、睡眠不足を来したり勉強が疎かになったりする例が増えつつある。こうしたことは子供や青少年の教育上好ましいことではない。
【0003】
こうした問題に対処するため、そうした電子機器の使用時間、使用時間帯に制限をかける技術が各種提案されている。パソコン及びテレビを対象としたものとして、例えば特許文献1には連続使用モード、タイマモード(使用時間制限モード)、停止モードを切り換えるための専用リモコン又は鍵付き切換えスイッチを設けると共に、パソコン内部にタイマモードにて使用する特別な制限用タイマを付加して使用制限をかける技術が提案されている。しかし、専用リモコンを設けるには、パソコン、テレビ側にその信号を受信する回路も追加しなければならず費用がかかる。また、鍵付き切換えスイッチや制限用タイマを後から追加するには費用がかかる。最初から追加しておくにしても、そのためには専用仕様のパソコンやテレビを製造しなければならない問題がある。
【0004】
また、汎用パソコンに使用時間制限ソフトをインストールし、パスワードを使用してパソコンの使用モードを切り換えたり制限条件を変更したりする技術も提案されている。しかし、使用モードの切り換えや制限条件の変更の度に、パソコンを管理する親がパスワード入力を伴う操作をすることは面倒である。また、子供等がパスワードを覚えてしまうことがあるためパスワードを頻繁に変更しなければならない問題もある。
【特許文献1】特表2004−501361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は子供や青少年等がパソコン、ゲーム機、携帯電話機、テレビ等のコンピュータ制御式電子機器を必要以上に長時間に渡って使用したり、深夜や勉強時間帯等の不適切な時間帯に使用したりすることを制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器、及びそれに使用するコンピュータプログラムとそれを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、コンピュータで制御される電子機器の使用時間を制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器であって、コンピュータで制御される電子機器本体とそれに外部接続可能な外部メモリ装置とを備えて構成してあり、外部メモリ装置には特定コードが予め記憶させてあり、電子機器本体は複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムと、カレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックと、電子機器本体の使用時間制限を行なう使用時間制限プログラムと、電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件を記憶しておく内部記憶装置とを備えており、使用時間制限プログラムはオペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、その要求に応えてユーザが入力した内容を内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶し、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件とリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器本体の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあり、オペレーティングシステムは使用時間制限プログラムより電子機器本体の電源遮断の指示を受けた場合には、予め定められた手順に従い電子機器本体の電源を遮断するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0007】
このような構成の使用時間制限機能付き電子機器によれば、使用時間制限プログラムがインストールされて使用時間制限モードが制限ありに設定してあると、設定されている制限条件に従って使用可能時間や1日の累計使用時間が制限される。制限なしに設定してある場合には何らの制限も受けることなく通常通りに使用できる。その使用時間制限モードの設定と制限条件の設定、変更は特定コードを記録させた外部メモリ装置を接続した状態においてのみ可能である。従って、子供をもつ親がその外部メモリ装置を管理することで、子供等の電子機器使用に容易に時間制限をかけることができる。制限モードや制限条件の設定、変更の際にパスワードをキーボードから入力する方式を採っていないため、パスワードを入力したり、パスワードを記憶したり、パスワードをしばしば変更したりする煩わしさが無い利点を有する。また、設定変更以外の通常使用の際には特定コードを記憶した外部メモリ装置を接続しないので、外部装置接続用のコネクタが外部メモリ装置により専有されない利点も有する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限プログラムはリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、そのサーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0009】
電子機器の内部で生成されているカレンダ時刻は、その日付や時刻の設定をユーザが変更できる。そのようなカレンダ時刻に基づいた使用時間制限では、ユーザである子供がカレンダ時刻を変更してしまえば使用時間制限がかからなくなってしまう。本構成のように外部の標準時刻提供サーバより取得したカレンダ時刻に基づいて制御すれば、現在時刻の変更が不可能なため確実に使用時間制限をかけることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置をさらに有することを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0011】
使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置とは、例えば、1日の使用可能時間が30分、1時間、2時間、4時間、8時間等と設定されたメモリ装置のことであり、それぞれの使用可能時間毎に配されたコードを該既設メモリ装置と前記内部記憶装置の両方に記憶させることで電子機器の使用時間制限を行うことができる。このような既設メモリ装置を有することで、使用時間制限条件の変更を容易にできるのみでなく、使用時間制限条件の入力を省略することもできる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は3の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器において、特定コードを記憶した外部メモリ装置及び前記既設メモリ装置は電子機器にUSB規格のバスインターフェイスにて接続可能なUSBメモリにより構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器である。
【0013】
今日、市販されている多くの電子機器はUSB規格の入出力バスを備え、それに外部装置を接続するためのUSBコネクタを標準で備えている。従って、外部メモリ装置及び既設メモリ装置をUSB規格で接続するようすれば、ハードウェアの改造をせずに市販の多くの電子機器に使用時間制限をかけることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、電子機器がパーソナルコンピュータ、ゲーム機、携帯電話機、テレビの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器である。
【0015】
請求項1乃至4の各請求項に記載の使用時間制限方式は、使用時間制限プログラムがマルチタスクにより他のアプリケーションプログラムと並行処理され、外部メモリ装置を外部接続でき、警告を表示でき、OSがその電子機器の電源を遮断する機能を備えているコンピュータ制御式の電子機器であれば適用可能である。今日の最新型ゲーム機はコンピュータで制御されているため本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、携帯電話機もコンピュータで制御されているため本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、今日の高機能テレビはチャンネル制御、リモコン制御等のためにコンピュータが組み込まれているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。従って、このような電子機器についても各請求項に記載の使用時間制限方式を適用することで、子供、青少年等によるそれら電子機器の使用に容易、確実に時間制限をかけることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムとカレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックとを備えたコンピュータにより制御される電子機器にインストールされて該電子機器の使用時間に制限を加えるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムはオペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には予め定めた特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には電子機器の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を電子機器の備える内部記憶装置に現在の使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶させ、特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件とリアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して電子機器の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0017】
このようなコンピュータプログラムを電子機器にインストールして使用すれば、特定コードを記憶した外部メモリ装置を併用することで請求項1に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のコンピュータプログラムにおいて、該コンピュータプログラムはリアルタイムクロックが出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、オペレーティングシステムに対して前記電子機器の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0019】
このようなコンピュータプログラムを使用すれば、請求項2に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のコンピュータプログラムにおいて、使用時間制限条件には電子機器の1日に許される累計使用時間、1日単位の使用禁止時間帯のスケジュールのうちの少なくとも1項目を含むことを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0021】
このようなコンピュータプログラムを使用すれば、子供や青少年による電子機器の使用時間に制限をかけることができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8の何れかに記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
このような記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを使用すれば、対応する請求項に記載の発明と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る使用時間制限機能付き電子機器の実施形態について、電子機器がパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)である場合を例にして説明する。図1は、そのパソコン1の外観を、図2はパソコン1のハードウェアの構成をブロック図で示したものである。
【0025】
パソコン1は、一般家庭で広く使用されているノート型汎用パソコンであり、そのパソコン本体2は図2に示すように、CPU21、メモリ22、磁気ディスク装置(以下、HDDという。)23、キーボード24、表示装置25、USB(Universal Serial Bus)コントローラ28、リアルタイムクロック(以下、RTCという。)29、クロック発生回路30、ネットワークインターフェイス31を備えて構成されている。
【0026】
ネットワークインターフェイス31はインターネット40に接続するためのものである。RTC29は、クロック発生回路30の発生するクロックパルスを計数して日付、時刻を刻む時計であり、パソコン本体2の電源がOFF状態でも動作するように構成してある。
【0027】
USBコントローラ28は、バス規格の一つであるUSB規格によるシリアルバス33を制御するためのコントローラで、パソコン本体2にプリンタ、マウス、CD駆動装置、ディジタルカメラ等の周辺装置を外部接続するためのものである。シリアルバス33はパソコン本体2の筐体の側面に取り付けたUSBコネクタ(レセプタクル)34に接続されている。
【0028】
本発明では、パソコン1の使用時間を制限するに際して外部メモリ装置3を使用する。外部メモリ装置3はパソコン本体2のUSBコネクタ34にそのコネクタ(プラグ)35を差し込んでUSB規格のシリアルバス33に接続して使用する外部記憶装置である。本実施形態の外部メモリ装置3は、不揮発性メモリ回路37、USBコントローラ38、USBコネクタ35を備えて構成されている。
【0029】
図3は、パソコン1のソフトウェアの構成を示したものである。パソコン1には多数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステム(以下、OSという。)50がインストールされている。OS50は内部にタスクスケジューラを有しており、ユーザにより指示されたスケジュールに従いインストールされているプログラムA、B、C等の多数のアプリケーションプログラムを指示されたスケジュールに従いマルチタスク処理で実行させる。そのアプリケーションプログラムの一つとして、パソコン1の使用時間制限を制御するための本実施形態に特有の使用時間制限プログラム51がインストールされる。
【0030】
次に、このような構成の下で使用時間制限プログラム51が実行するパソコン1の使用時間制限の制御方法と動作についてフローを参照して説明する。使用時間制限プログラム51は、インストール時に実行する処理部分(図4)と、その後のパソコン1の通常使用時に実行する処理部分(図5〜図7)の2つの部分で構成されている。
【0031】
最初に使用時間制限プログラム51のインストールを行なう(図4のステップA1)。インストールは、例えば、ユーザが使用時間制限プログラム51の記録されたCDをUSBコネクタ34に外部接続したCD駆動装置にセットし、OSにより管理されるアプリケーションプログラムとしてHDD23に記憶させる。なお、図中の処理枠の右側に記載してある指さしマークは、ユーザの介入を伴う処理であることを示している。
【0032】
インストールが終了すると、使用時間制限プログラム51の最初の動作が開始される(ステップA2)。使用時間制限プログラム51は、最初に外部メモリ装置3をUSBコネクタ34に接続させる指示を表示装置25上に表示させる。それに応えてユーザは、外部メモリ装置3をUSBコネクタ34に接続する。接続状態をOSが直ちに確認できるように外部メモリ装置3はプラグアンドプレイができるように製作しておく。使用時間制限プログラム51は外部メモリ装置3が接続されたことを確認して(ステップA4のYES)、ステップA5に移る。
【0033】
次に、使用時間制限プログラム51は、特定コードをキーボード24より入力するようにユーザに指示する(ステップA5)。指示は表示装置25上に表示させる。この特定コードはパスワードの役割を果たすコードである。ユーザは、英数字、日本語文字等の組合せで任意の特定コードを作成してキーボード24から入力する(ステップA6)。使用時間制限プログラム51は入力が完了したことを確認する(ステップA7のYES)。確認後、入力された特定コードを外部メモリ装置3の不揮発性メモリ回路37とHDD23に書き込む(ステップA8)。
【0034】
続くステップA9〜A13は、パソコン1の電源が次に投入された時以降に使用時間制限プログラム51がパソコン1の使用時間制限を実行するための準備処理である。ステップA9では現在時刻を取得する。現在時刻は日付、曜日も含むカレンダ時刻のことであり、RTC29から読み込む。次に、HDD23内に「前回時刻エリア」と名付けた領域を確保し、読み込んだ現在時刻を記憶させる(ステップA10)。更に、HDD23内に「積算時間エリア」と名付けた領域を確保し、そこにゼロを記憶させておく(ステップA11)。ステップA12では、使用時間制限の制限モードを記憶する「制限モードエリア」をHDD23内に確保し、そこに「制限モードA」と書き込んでおく。制限モードAは、後述するようにパソコン1を使用時間制限なしに使用できるモードである。
【0035】
続くステップA13では、パソコン1が次回以降に電源投入された時の使用時間制限プログラム51の動作スケジュールをOSに書き込む。具体的には、電源投入されたならば、使用時間制限プログラム51が図5のステップS1から自動的に起動されるようにしておく。更に、そのフローに従って使用時間制限プログラム51の実行が終了しても、短い時間間隔t1(例えば、5秒)の周期で繰り返し起動されるようにOSに要求しておく。OSはその要求を記憶しておき、次回の電源投入以降は時間間隔t1の周期で使用時間制限プログラム51を繰り返し起動させる。
【0036】
なお、OSに市販のOSを使用した場合において、そのOSが時間間隔t1で周期的にプログラムを起動させる機能は持たず、代わりに起動開始時刻を予約できる機能を有する場合がある。その場合には、使用時間制限プログラム51が実行終了する直前にその時点の時刻に時間t1を加えた時刻を次に起動を求める時刻としてOSに要求を出しておく。そうすることで使用時間制限プログラム51を周期的に起動させることができる。また、OSには電源投入後の起動のみを任せ、周期t1による繰り返しは使用時間制限プログラム51自身で行なうようにしてもよい。具体的には空ループを回したり、現在時刻をRTC29から読み出して比較を繰り返したりするプログラム方法を採用すればよい。
【0037】
次に、使用時間制限プログラム51のインストールされているパソコン1が、次回以降に電源投入された時に行なう処理を図5〜図7に示したフローを参照して説明する。パソコン1の電源が投入されるとOSにより使用時間制限プログラム51が起動され、図5のステップS1の処理より実行が開始される。使用時間制限プログラム51は、最初に、USBコネクタ34に外部メモリ装置3が接続されており、そこにステップA8でHDD23に記録しておいた特定コードと同一の特定コードが記録されているかチェックする(ステップS1)。
【0038】
外部メモリ装置3が接続されており、且つ特定コードが記録されていた場合(ステップS1のYES)にはステップS2に移る。ステップS2〜S7は使用時間制限の制限モードの設定と、制限条件の設定、変更を行なう処理フローである。ステップS2では、図8に示すような制限モードを設定する画面を表示装置25に表示する。ユーザは、画面に表示されている「制限モードA(制限なし)」、「制限モードB(制限あり)」の何れかのモードを選択してモード設定完了ボタン61を押す。モード設定完了ボタン61が押されたことを確認するとステップS4に移り、設定された制限モードをHDD23内の制限モードエリアに上書きで記憶しておく。
【0039】
ステップS5では、使用時間制限の制限条件の設定、変更を行なうための図9に示す制限条件設定画面を表示する。制限条件項目としてはパソコン1の使用を禁止する「1日の使用禁止時間帯」と、1日の累計使用可能時間を制限する「1日の許容累計使用時間」の2種類の他に「既設定のパターンからの選択」が設けてある。ユーザは何れかの項目を選択する。「1日の使用禁止時間帯」が選択された場合は、図10に示す1日の使用禁止時間帯設定画面が表示され、画面にはHDD23に記憶している現在の設定値が表示される。ユーザは禁止時間帯の追加、修正を行い、変更ボタン62を押す。変更ボタン62が押されると、パターン登録を行うかを問い合わせる画面が表示されるので、必要なら登録を行う。登録することで、既設定のパターンに加えられる。
【0040】
次いで、図9に示す制限条件設定画面が再表示される。この画面で「1日の許容累計使用時間」が選択された場合は、図11に示す1日の許容累計使用時間設定画面が表示され、画面には現在の設定値が表示される。ユーザは許容累計使用時間の修正を行って変更ボタン63を押す。変更ボタン63が押されると、パターン登録を行うかを問い合わせる画面が表示されるので、必要なら登録を行う。登録することで、既設定のパターンに加えられる。次いで、図9に示す制限条件設定画面が再表示される。このようにして制限条件の入力を終えたならば、ユーザは制限条件入力完了ボタン64を押す。制限条件入力完了ボタン64が押されるとステップS7に移り、入力された制限条件をHDD23に記憶する(ステップS7)。
【0041】
ステップS8では、特定コードが記録された外部メモリ装置3の抜取りを指示する。抜取りを確認したならば、次に日付、曜日を含む現在時刻をRTC29から取得する(ステップS10)。そして取得した現在時刻の日付がHDD23内の前回時刻エリアに記憶している前回時刻の日付と同じかチェックする(ステップS11)。日付が同じでなかった場合は、パソコン1の1日の使用時間の積算をやり直すためにステップA11で確保しておいたHDD23内の積算時間エリアにゼロを書き込む(ステップS12)。その後、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS13)終了する。ステップS11にて日付が同じであった場合はステップS12を飛ばし、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS13)終了する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されていた場合(ステップS1のYES)には、その状態にて使用時間制限の制限モードの設定と制限条件の設定、変更を行なわせ、それらの処理の終了後には外部メモリ装置3を抜き取った状態にさせる。
【0042】
ステップS1にて特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されていなかった場合(ステップS1のNO)には、図6のステップS14に移る。ステップS14ではHDD23内の制限モードエリアに記録されている制限モードを読み出し、そのモードが制限モードAであるか判定する。制限モードAはパソコン1を時間制限なしに自由に使用できるモードである。制限モードがAであった場合(ステップS14のYES)には、何もしないで終了する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、且つステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードA(制限なし)であった場合には、使用時間制限プログラム51はユーザの使用に対して何の介入もしない。ユーザは時間制限を受けずに自由にパソコン1を使用することができる。
【0043】
ステップS14にて制限モードが制限モードAでなかった場合にはステップS15に移り、制限モードBになっているか判定する。制限モードBでもなかった場合にはそのまま終了する。即ち、制限モードが制限モードA、制限モードBの何れでもなかった場合は、ユーザは制限を受けずに自由にパソコン1を使用できる。このような状態はパソコン1に使用時間制限プログラム51がインストールされている限り、通常は起こり得ない。
【0044】
ステップS15にて制限モードBになっていた場合はステップS16に移り、現在時刻をRTC29から取得する。そして、取得した現在時刻の日付がHDD23内の前回時刻エリアに記憶している前回時刻の日付と同じかチェックする(ステップS17)。日付が同じでなかった場合は1日の使用時間の積算をやり直すためにステップA11で確保しておいたHDD23内の積算時間エリアにゼロを書き込み(ステップS18)、現在時刻を前回時刻エリアに書き込んで(ステップS19)、ステップS20に移る。日付が同じであった場合は、ステップS18、S19を飛ばしてステップS20に移る。
【0045】
ステップS20ではステップS7にて記憶しておいた使用時間制限条件を読み出す。そして図10の画面による使用禁止時間帯の制限が設定されているか判定する。使用禁止時間帯の制限がなければ図7のステップS26に移る。使用禁止時間帯の制限が設定されていた場合には、ステップS16にて取得した現在時刻がその禁止時間帯に入っているか判定する(ステップS22)。使用禁止時間帯に入っていない場合には図7のステップS26に移る。
【0046】
使用禁止時間帯に入っていた場合は、使用を禁止すべきであるためステップS23に移り使用禁止時間帯である旨の警告を表示装置25に表示する。警告をt2時間表示した後(ステップS24)、OSに対して電源遮断の指示を出す(ステップS25)。指示を受けたOSは、決められた手順に従いパソコン1の電源を遮断する。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、ステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードB(制限あり)であり、且つ現在時刻が使用禁止時間帯に入っていた場合には電源が遮断されてユーザはパソコン1を使用できなくなる。
【0047】
使用禁止時間帯の制限が設定されていなかった場合(ステップS21のNO)及び使用禁止時間帯に入っていない場合(ステップS22のNO)には図7のステップS26に移る。ステップS26では現在時刻と前回時刻エリアに記憶している前回時刻との時間差が所定時間t3より大きいか判定する。前回時刻エリアの時刻は後述するステップS33でも書き換えられ、使用時間制限プログラム51が前回実行された時の時刻を表わす。従って、計算した時間差は、使用時間制限プログラム51が前回実行された時から現在までの経過時間に相当する。
【0048】
所定時間t3はステップA13で設定した時間t1より少し大きな値である(例えば、3分間)。時間t1は、使用時間制限プログラム51が繰り返し実行される際の時間差(周期)である。従って、計算した時間差が時間t3より大きいことは、前回の実行時と今回の実行時との間にパソコン1の電源が遮断され、使用時間制限プログラム51の実行が停止されていた期間が存在したと判断する。このことは、今回の使用時間制限プログラム51の実行がパソコン1に電源が投入された後の最初の実行と判断することを意味する。
【0049】
このパソコン1に電源が投入された後の最初の実行であることと判断した場合(ステップS26のYES)にはステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。即ち、使用時間制限プログラム51の前回実行時と今回実行時との間に電源遮断があった場合には電源遮断を指示しないで終了する。
【0050】
ステップS26にて現在時刻と前回時刻との時間差が所定時間t3を超えていなかった場合にはステップS27に移る。所定時間t3を超えていなかった場合は、その間はパソコン1が継続使用されていたと判断し、その使用時間に相当する時間差を積算時間エリアの数値に加える(ステップS27)。そしてステップS28に移る。
【0051】
ステップS28では、図11の画面を使用して設定される1日の許容累計使用時間の制限が設定されているか判定する。設定されていなかった場合はステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。設定されていた場合は、積算時間エリアに記憶する積算時間が設定されている1日の許容累計使用時間を超えているか判定する(ステップS29)。超えていない場合は継続使用させてもよいのでステップS33に移り、現在時刻を前回時刻エリアに記憶させて終了する。
【0052】
1日の許容累計使用時間を超えていた場合(ステップS29のYES)は使用を中止させる必要があるのでステップS30に移り、累計使用時間が1日の許容累計使用時間を超えた旨の警告を表示装置25に表示する。警告をt2時間表示した後(ステップS31)、OSに対して電源遮断の指示を出し(ステップS32)、パソコン1の電源を遮断させる。このように特定コードが記録された外部メモリ装置3が接続されておらず、ステップS4にて指定された最新の制限モードが制限モードB(制限あり)であり、且つ累計使用時間が1日の許容累計使用時間を超えていた場合は電源が遮断されてユーザはパソコン1を使用できなくなる。
【0053】
以上、説明したように本実施形態の使用時間制限機能付きのパソコン1では、使用時間制限プログラム51がインストールされて使用時間制限モードが制限モードB(制限あり)に設定してあると、設定されている制限条件に従って使用可能時間帯や1日の累計使用時間が制限される。制限モードA(制限なし)に設定してある場合には、何らの制限も受けることなく通常通りに使用できる。そして、その使用時間制限モードの設定と制限条件の設定、変更は特定コードを記録させた外部メモリ装置3を接続した状態においてのみ可能にしてある。従って、子供をもつ親がその外部メモリ装置3を管理することで、子供のパソコン使用に容易に時間制限をかけられる利点を有する。制限モードや制限条件の設定、変更の際にパスワードをキーボードから入力する方式を採っていないため、パスワードを入力したり、パスワードを記憶したり、パスワードをしばしば変更したりする煩わしさが無い利点を有する。また、使用時間制限ありのモードで使用する際には外部メモリ装置3は接続されていないので、外部メモリ装置3が外部機器接続用のコネクタを専有することがない利点も有する。
【0054】
また、本実施形態で説明したパソコン1は、今日、市販されている標準仕様パソコンでよい。標準仕様パソコンは殆どが外部機器接続用にUSBコネクタを備えているのでハードウェアに改造を加える必要がない。また、本実施形態の使用時間制限プログラム51をマルチタスクで実行させるOSを標準的に備えているため特別のOSを準備する必要もない。即ち、ソフトウェアの改造も不要である。このため市販の標準仕様パソコンに何らの改造も加えることなく使用時間制限をかけられる利点を有する。
【0055】
(変形実施形態)
上述した本発明の実施形態は、次のように変形を加えて実施してもよい。
前記実施形態のパソコン1では、パソコン1の備えるリアルタイムクロック(RTC)29から現在時刻を取得して使用時間制限の制御に使用した。しかし、通常の市販パソコンでは、こうした現在時刻はその日付や時刻を設定変更できるようになっている。ユーザである子供が現在時刻を変更してしまえば、使用時間制限は無意味になってしまう。こうした変更ができないようにするため、インターネット40に接続された外部の標準時刻提供サーバ41の提供するカレンダ時刻(現在時刻)を取得して制御に用いるとよい。そうすれば現在時刻を変更できないため確実に時間制限をかけることができる。この場合、標準時刻提供サーバ41よりカレンダ時刻を取得できなかった場合は、警告表示の後、OSに要求してパソコン1の電源を遮断させるようにする。
【0056】
また、前記実施形態では外部メモリ装置3として不揮発性メモリを使用するメモリ装置を使用したが、読出し専用メモリ素子を使用したメモリ装置を使用してもよい。この場合には、読出し専用メモリ素子に予め特定コードを書き込んでおき、使用時間制限プログラム51に同じ特定コードを書き込んでおくようにする。このようにすれば、インストール直後に特定コードを外部メモリ装置3に書き込む手間を省くことができる。
【0057】
また、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置、例えば、一日の使用可能時間が各々30分、1時間、2時間、4時間、8時間に設定されたメモリ装置を使用してもよい。この場合、前期既設定のパターンの中から、「既設メモリ装置を使用する」を選択することで、使用時間制限条件の入力を省略することができる。親は既設メモリ装置を適宜組み合わせて子供に与えることで、パソコンの使用時間制限の変更を簡便に行うことができる。
【0058】
また、前記実施形態では、使用を許される時間として1日分を設定したが、1週間分、1ケ月分を設定するようにしてもよい。また、1日分と1週間分のような2つの条件のANDによる組合せで設定できるようにしてもよい。使用禁止帯の制限についても前記実施形態では1日分を設定したが、1週間分、1ケ月分を設定できるようにしてもよい。また、入力して設定した制限条件と既設メモリ装置との組み合わせなども自由に選択できる。
【0059】
また、前記実施形態では入出力バスとしてUSB規格のバスを用いたが、USB規格以外の標準規格に従ったバスを採用してもよい。そうしたバスとしては、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)、SCSI(Small Computer System Interface)、IDE(Integrated Drive Electronics)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、パラレルインタフェース、シリアルインタフェースなどが挙げられる。
【0060】
また、前記実施形態では電子機器としてパソコンを例に挙げて説明したが、電子機器はゲーム機、携帯電話機、テレビ等でもよい。本発明に係る使用時間制限方式は、前述した使用時間制限プログラム51がマルチタスクにより他のアプリケーションプログラムと並行処理され、外部メモリ装置3を外部接続でき、警告を表示でき、OSがその電子機器の電源を遮断する機能を備えているコンピュータ制御式の電子機器であれば適用可能である。今日の最新型ゲーム機はコンピュータで制御されているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、携帯電話機もコンピュータで制御されているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。また、今日の高機能テレビはチャンネル制御、リモコン制御等のためにコンピュータが組み込まれているため、本発明に係る使用時間制限方式を適用することができる。従って、このような電子機器についても本発明に係る使用時間制限方式を採用することで、子供、青少年等によるそれら電子機器の使用に容易、確実に時間制限をかけられる。
【0061】
また、携帯電話機の実施形態としては、親の携帯電話機と子供の携帯電話機の両方に本発明の使用時間制限プログラム51をインストールし、さらに、親の携帯電話機のみに前記特定コードを記憶させることで、メール通信機能または電話機能を使用して、親の携帯電話機から子供の携帯電話機に対して使用時間制限をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を適用したパソコン1の外観図である。
【図2】パソコン1のハードウェアの構成例である。
【図3】パソコン1内のソフトウェア構成図である。
【図4】使用時間制限プログラムのインストール時の処理フローである。
【図5】パソコン1が電源投入された時以降の使用時間制限プログラムの処理フローである。
【図6】図5の処理フローの続き部分である。
【図7】図6の処理フローの続き部分である。
【図8】制限モードを設定する画面の例である。
【図9】制限項目を設定する画面の例である。
【図10】1日の使用禁止時間帯を設定する画面の例である。
【図11】1日の許容累計使用時間を設定する画面の例である。
【符号の説明】
【0063】
図面中、1はパソコン(電子機器の例)、2はパソコン本体、3は外部メモリ装置、23は磁気ディスク(内部記憶装置)、25は表示装置、29はリアルタイムクロック、34はUSBコネクタ、41は標準時刻提供サーバを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで制御される電子機器の使用時間を制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器であって、
コンピュータで制御される電子機器本体と該電子機器本体に外部接続可能な外部メモリ装置とを備えて構成してあり、
前記外部メモリ装置には特定コードが予め記憶させてあり、
前記電子機器本体は複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムと、カレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックと、前記電子機器本体の使用時間制限を行なう使用時間制限プログラムと、前記電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件を記憶しておく内部記憶装置と、を備えており、
前記使用時間制限プログラムは、前記オペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていた場合には前記電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を前記内部記憶装置の記憶する前記使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶し、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件と前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器本体の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあり、
前記オペレーティングシステムは、前記使用時間制限プログラムより電子機器本体の電源遮断の指示を受けた場合には、予め定められた手順に従い電子機器本体の電源を遮断するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、前記使用時間制限プログラムは、前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して前記電子機器本体の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置をさらに有することを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項4】
請求項1又は3の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器において、前記外部メモリ装置及び前記既設メモリ装置は前記電子機器にUSB規格のバスインターフェイスにて接続可能なUSBメモリにより構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項5】
前記電子機器がパーソナルコンピュータ、ゲーム機、携帯電話機、テレビの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項6】
複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムとカレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックとを備えたコンピュータにより制御される電子機器にインストールされて該電子機器の使用時間に制限を加えるコンピュータプログラムであって、
該コンピュータプログラムは、前記オペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には前記電子機器に予め定めた特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には前記電子機器の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を前記電子機器の備える内部記憶装置に現在の使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶させ、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件と前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、前記電子機器の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して電子機器の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムにおいて、該コンピュータプログラムは、前記リアルタイムクロックが出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には、警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して前記電子機器の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記使用時間制限条件には、前記電子機器の1日に許される累計使用時間、1日単位の使用禁止時間帯のスケジュールのうちの少なくとも1項目を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れかに記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
コンピュータで制御される電子機器の使用時間を制限できるようにした使用時間制限機能付き電子機器であって、
コンピュータで制御される電子機器本体と該電子機器本体に外部接続可能な外部メモリ装置とを備えて構成してあり、
前記外部メモリ装置には特定コードが予め記憶させてあり、
前記電子機器本体は複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムと、カレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックと、前記電子機器本体の使用時間制限を行なう使用時間制限プログラムと、前記電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件を記憶しておく内部記憶装置と、を備えており、
前記使用時間制限プログラムは、前記オペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていた場合には前記電子機器本体の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を前記内部記憶装置の記憶する前記使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶し、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件と前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、電子機器本体の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して電子機器本体の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあり、
前記オペレーティングシステムは、前記使用時間制限プログラムより電子機器本体の電源遮断の指示を受けた場合には、予め定められた手順に従い電子機器本体の電源を遮断するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、前記使用時間制限プログラムは、前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して前記電子機器本体の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の使用時間制限機能付き電子機器において、使用時間制限条件があらかじめ記憶された既設メモリ装置をさらに有することを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項4】
請求項1又は3の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器において、前記外部メモリ装置及び前記既設メモリ装置は前記電子機器にUSB規格のバスインターフェイスにて接続可能なUSBメモリにより構成してあることを特徴とする使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項5】
前記電子機器がパーソナルコンピュータ、ゲーム機、携帯電話機、テレビの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の使用時間制限機能付き電子機器。
【請求項6】
複数のアプリケーションプログラムをマルチタスク処理可能なオペレーティングシステムとカレンダ時刻を出力するリアルタイムクロックとを備えたコンピュータにより制御される電子機器にインストールされて該電子機器の使用時間に制限を加えるコンピュータプログラムであって、
該コンピュータプログラムは、前記オペレーティングシステムによって周期的に実行されるよう管理され、その実行時には前記電子機器に予め定めた特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されているか否かをチェックし、接続されていた場合には前記電子機器の使用時間制限モードと使用時間制限条件の設定、変更を促す画面をその表示装置に表示して入力を要求し、該要求に応えてユーザが入力した内容を前記電子機器の備える内部記憶装置に現在の使用時間制限モードと使用時間制限条件として記憶させ、
前記特定コードを記憶した外部メモリ装置が接続されていなかった場合には前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限モードを読み出し、そのモードが使用時間制限ありモードであった場合には、前記内部記憶装置の記憶する使用時間制限条件と前記リアルタイムクロックの出力するカレンダ時刻との照合を行い、前記電子機器の使用を禁止すべき条件が成立していた場合には警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して電子機器の電源遮断を指示し、使用を禁止すべき条件が成立していなかった場合、及び読み出した使用時間制限モードが使用時間制限なしモードであった場合には電源遮断を指示せずに終了するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータプログラムにおいて、該コンピュータプログラムは、前記リアルタイムクロックが出力するカレンダ時刻の代わりに、インターネットに接続されている標準時刻提供サーバの提供するカレンダ時刻を取得して使用し、該サーバの提供するカレンダ時刻を取得できなかった場合には、警告表示をさせた後、前記オペレーティングシステムに対して前記電子機器の電源遮断を指示するように構成してあることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記使用時間制限条件には、前記電子機器の1日に許される累計使用時間、1日単位の使用禁止時間帯のスケジュールのうちの少なくとも1項目を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れかに記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−205249(P2009−205249A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44359(P2008−44359)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(506389322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(506389322)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]