使用済排出海水の泡採取装置
【課題】放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる使用済排出海水の泡採取装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、使用済の排出海水11の放水路12に設けられ、排出海水11に浮遊している泡22の拡散を防止する1つ以上のフロート13と、フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に設けられ、泡22を吸着する吸着ブラシ14Aとを有する。吸着ブラシ14Aに付着した泡22はフロート13の内部に引き込まれる際、液化し、液体として回収することができる。
【解決手段】本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、使用済の排出海水11の放水路12に設けられ、排出海水11に浮遊している泡22の拡散を防止する1つ以上のフロート13と、フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に設けられ、泡22を吸着する吸着ブラシ14Aとを有する。吸着ブラシ14Aに付着した泡22はフロート13の内部に引き込まれる際、液化し、液体として回収することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば火力発電所や原子力発電所等の発電プラントや化学プラント等の冷却水として、あるいは排ガスの洗浄用水として、海水を使用した後に再び海へ排出する使用済排出海水に同伴される泡を監視する使用済排出海水の泡採取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、火力発電所などの種々の発電プラントでは、海水は復水器等の冷却水や、海水脱硫設備の排ガス処理用の水や熱交換器等の熱交換用の水として多量に使用されている。復水器で使用された後の使用済の排出海水、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排出海水は、温排水として放水路に排出され、海域や河川域に排出されている。
【0003】
放水路には、一般に海の潮位の変動に対応するため堰を設置しているが、この堰を越えて排水が下流側に流れ落ちて空気を巻き込むことで、放水路の水面上には多量の泡が発生する。また、放水路には、排水が空気を巻き込むことで生じる泡の他に、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸など汚染物などの様々な原因により生じている泡も含まれている場合がある。
【0004】
空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは排水路の途中で消泡するが、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、化学薬品や汚染物等による界面活性作用により容易に破泡しないため、使用済海水や排出海水の表面に浮遊している場合が多く、排水路の排出口から海に排出される場合がある。
【0005】
従来より、例えば、冷却水として用いる海水中に消泡剤等の薬剤を添加し、海水を冷却水として用いる際に泡が発生するのを抑制する発泡抑制方法などが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。これにより、放水路の水面上に泡が発生するのを抑制し、放水路に流れる使用済海水や排出海水に泡が同伴して海域や河川域に流れ出さないようにしていた。
【0006】
また、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、空気を巻き込むことで生じる泡に比べ外観も悪く、排水基準に泡の規制がないが、これらに起因して生じた泡が同伴された排出海水は、外観的に汚濁排水と認識されやすい。そのため、排水が放水される周辺の海域や河川域で行われている漁業や農業の安全性を確保する観点から、泡の安全性の確認や証明を行う場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/041400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、泡の安全性の確認や証明を行う際に、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うためには、泡を液体にした状態で少なくとも数リットル確保する必要がある。また、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収する際、放水路でバケツ等を用いて泡を袋や容器等に回収し、回収した泡を手で潰すなどして液体にしてから分析用の容器等に集める必要があった。
【0009】
しかしながら、泡は多くの気泡を含んでいることから、分析用の試料として、泡を液体にした状態で数リットルを確保しようとすると、泡を採取し、分析用の試料を確保するためだけでも少なくとも1日以上要していた、という問題がある。
【0010】
このように、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うには、人手により行われる作業が多く労力を要することが多いことから、放水路の水面上に浮遊している泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる泡の泡検知装置が切望されている。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる使用済排出海水の泡採取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、使用済の排出海水を放水する放水路に係留されて設けられ、前記排出海水に浮遊している泡の拡散を抑制する浮体と、前記浮体の上流側の表面に設けられ、前記泡を吸着する泡吸着材と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0013】
第2の発明は、使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水の水面上に設けられ、円筒状浮体と、前記浮体の表面の全周に渡って設けられ、前記排出海水に浮遊している泡を吸着する泡吸着材と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、前記浮体が、略立方中空体であることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0015】
第4の発明は、第1又は第3の発明において、前記浮体は、内部に前記泡吸着部材を設ける支持部と、前記泡吸着部材を挿出可能とするための挿出手段とを有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0016】
第5の発明は、第1乃至第4の何れか一つの発明において、前記泡吸着材が、吸着ブラシであることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、前記吸着ブラシが、親水性繊維を用いて形成されることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の使用済排出海水の泡採取装置によれば、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図である。
【図2】図2は、図1のA−A方向から見た図である。
【図3】図3は、図2の部分拡大図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の斜視図である。
【図5】図5は、フロートの内部の構成を簡略に示す図である。
【図6】図6は、図4のA−A断面図である。
【図7】図7は、図4のB−B断面図である。
【図8】図8は、支持部とベルトとを連結の一例を示す斜視図である。
【図9】図9は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図10】図10は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図11】図11は、フロートの部分拡大図である。
【図12】図12は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の他の構成を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の他の構成を示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図である。
【図16】図16は、図15のA−A方向から見た図である。
【図17】図17は、円筒型フロートの斜視図である。
【図18】図18は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図19】図19は、フロートの部分拡大図である。
【図20】図20は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図21】図21は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに以下に記載した下記実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図であり、図2は、図1のA−A方向から見た図であり、図3は、図2の部分拡大図であり、図4は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の斜視図である。図1〜図4に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、使用済の排出海水11を海へ排出する放水路12に設けられ、浮体(フロート)13と、吸着ブラシ(泡吸着部材)14Aとを有するものである。
【0022】
排出海水11は、例えば、海から取水した海水を火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器の冷却水として用い、復水器で熱交換されて温められた温排水であり、復水器などの放水管15から海に向けて排出される使用済の海水である。
【0023】
放水路12には堰21が設けられ、放水路12の水面の高さは、復水器の方が海域側よりも高くなるように形成され、海の潮位の変動を受けないようにしている。
【0024】
放水路12には、排出海水11が海に向けて排出されるまでの間に、排出海水11には泡22が多量に発生し、泡22を同伴した排出海水11が海に向けて流れている。泡22は、排出海水11が堰21を越えて下流側に流れ落ちた際に排出海水11が空気を巻き込むことで生じる泡や、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸などの汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などの様々な原因により生じている泡などがある。空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは放水路12の途中で消泡するが、汚染物等に起因して生じた泡は、水と水以外の物質(化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子)が攪拌されたときに曝気され、いったん沈んだ泡が浮上する際に加圧浮上することによって気泡の周囲に吸着することから界面活性剤としての機能を果たし、気泡が割れにくくなっている。また、こうした泡22に対しては、物理的な力を加えた場合でも、破泡、消泡せず、余計な泡を生じることが多い。すなわち、小さな泡が放水路12の下部から上昇する過程で排出海水11中や放水路12の底部に堆積した汚泥などの汚濁成分が泡に巻き込まれることで、化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などを多く取り込み、泡の中に更に小さい泡が多数存在した状態の泡を形成することが考えられる。これにより、泡22の皮膜が厚く、強固となる結果、気泡が割れにくくなり、破泡、消泡し難くなっている。そのため、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、放水路12の排出口まで排出海水11の表面に着色した状態で浮遊している場合が多い。
【0025】
フロート13は、放水路12に係留されて設けられるものであり、放水路12の下流側の放水路12と海域との境近傍に係留されて設けられている。フロート13は放水路12の排出海水11の流れ方向と略直交する方向に複数設けられている。フロート13は、排出海水11の表面近傍の流れを遮るため、排出海水11の海水表層に浮遊している泡22が排出海水11に同伴して海に拡散するのを抑制している。
【0026】
フロート13は、図4に示すように、排出海水11の流れ方向に直交する断面が四角形状の略立方中空体である。また、フロート13同士は、例えば、紐等により各々連結されており、フロート13の数は、放水路12の幅、大きさ等により調整される。また、発生する泡22に応じて、フロート13の高さや水没量を適宜調整するようにしてもよい。
【0027】
図5は、フロートの内部の構成を簡略に示す図であり、図6は、図4のA−A断面図であり、図7は、図4のB−B断面図である。図5〜7に示すように、フロート13は、その内部に、吸着ブラシ14Aを設ける支持部24と、吸着ブラシ14Aを挿出可能とするための挿出手段25とを有する。挿出手段25は、支持部24の両端上部に設けられる一対の連結部27と、ベルト28と、ローラ29と、モータ30とを有する。連結部27は、図8に示すように、支持部24とベルト28とに各々設けてある連結部27a、27bを連結させて支持部24とベルト28とを連結させる。ベルト28は連結部27に対応して一対設けられている。ローラ29は各ベルト28に対して1組設けられている。1組のローラ29のうち一方のローラ29はモータ30により回転するようにしている。また、支持部24の両端下部には一対のローラ31が設けられる。モータ30を回転させることで一組のローラ29のうちの一方のローラ29を回転し、ベルト28が回転する。ベルト28の回転に伴い、連結部27が移動することで支持部24を移動させることができる。
【0028】
フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面には複数の孔33が設けられている。支持部24は、各々の孔33に対応するように、表面に吸着ブラシ14Aを固定するための固定部34を有する。固定部34の高さはフロート13の壁面の厚さよりも大きく、支持部24がフロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に接触する位置にある時には、固定部34はフロート13の表面から突出するようにしている。これにより、吸着ブラシ14Aに泡22を吸着させることができる。
【0029】
吸着ブラシ14Aは、フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に設けられる繊維状吸着部材である。吸着ブラシ14Aは、複数の吸着ブラシ14Aを束ねて支持部24の各固定部34に設けられている。
【0030】
吸着ブラシ14Aの材料は、特に限定されるものではないが、排出海水11に浮遊している泡22を効率良く吸着させるため、親水性繊維を用いて形成されるものであることが好ましい。親水性繊維は、分子構造中に水との親和性の高い水酸基(OH)を有しているため、泡22を効率良く吸着することができる。親水性繊維としては、例えば、綿、レーヨンなどが挙げられる。
【0031】
吸着ブラシ14Aの長さは、特に限定されるものではなく、フロート13の大きさに応じて異なるが、例えば5mm〜20mmであることが好ましい。これは、吸着ブラシ14Aが長すぎると、吸着ブラシ14Aは付着した泡22の重みに耐えられないため、吸着ブラシ14Aの先端が湾曲し、泡22が排出海水11に落下してしまう虞がある。また、吸着ブラシ14Aが短すぎると、吸着ブラシ14Aに泡22を十分付着させることができないためである。
【0032】
吸着ブラシ14Aはフロート13の内部で固定部34により固定され、フロート13の内部での支持部24の動きに連動して、吸着ブラシ14Aのフロート13の表面からの突出量は調整可能に構成されている。排出海水11に浮遊している泡22を吸着させる際には、吸着ブラシ14Aはフロート13の表面から全て突出させる。また、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22を回収する際には、吸着ブラシ14Aの一部をフロート13の内部に引き込ませる。また、フロート13は、内部の底部に溶液回収部36を有する。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込んだ際に吸着ブラシ14Aに吸着した泡22は、フロート13の内部で吸着ブラシ14Aから液下して溶液回収部36に回収される。
【0033】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について図9〜図12を用いて説明する。
【0034】
図9に示すように、排出海水11に浮遊している泡22は吸着ブラシ14Aに吸着される。吸着ブラシ14Aに泡22が十分吸着された後、図10に示すように、モータ30を回転させ、支持部24を後方に移動させる。このとき、吸着ブラシ14Aに付着した泡22は、図11に示すように、吸着ブラシ14Aが孔33を通過してフロート13の内部に引き込まれる際、フロート13の孔33で吸着ブラシ14Aが絞られるため、吸着ブラシ14Aに付着していた泡22は圧縮されて潰され、液化する。吸着ブラシ14Aは、フロート13の内部に引き込んだ状態でしばらく放置しておくと、液化した泡成分37は、吸着ブラシ14Aから液下してフロート13の内部の底部に設けた溶液回収部36に回収される。
【0035】
また、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込む際には、吸着ブラシ14Aの先端は孔33を通過させず、フロート13の外側に位置するようにしておく。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の外側に再度押出す際に、容易に押し出すことができる。
【0036】
吸着ブラシ14Aから泡成分37が全て滴下して抜けた後、図12に示すように、支持部24をフロート13の内部に引き込む時とは逆方向にモータ30を回転させ、支持部24を前方に移動させる。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の表面から飛び出させることができ、排出海水11に浮遊している泡22を吸着ブラシ14Aに吸着させることができる。
【0037】
このようにして、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22をフロート13の内部で回収し、所定量回収されたら、フロート13を引き上げ、液体となった泡成分を分析する。
【0038】
本実施例においては、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、1回としているが、これに限定されるものではなく、必要な採取量に応じて、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、複数回としてもよい。
【0039】
また、フロート13の内部が泡22でいっぱいの場合には、液化処理を行うようにしてもよい。液化処理としては、例えば、ポンプやシリンジにより吸引したり、遠心力をかけて液化する方法等が挙げられる。
【0040】
また、吸着ブラシ14Aは、フロート13の表面から略垂直に伸びているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、図13に示すように、吸着ブラシ14Aの先端部分がフロート13の表面から高さ方向に伸びるようにしてもよい。これにより、図10に示すように、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込む際に、より効果的に吸着ブラシ14Aに付着した泡22を、フロート13の孔33で絞ることができるため、泡22を効率よく液化させ、得られる泡成分37をフロート13の溶液回収部36に回収する。
【0041】
また、吸着ブラシ14Aは、フロート13の排出海水11流れの前流側に設けているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、図14に示すように、フロート13の上部に設けるようにしてもよい。このとき、フロート13の内部には、上述のように、フロート13の上部に設けた吸着ブラシ14Aを駆動させるための挿出手段25をフロート13の内部に設けるようにする。
【0042】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aによれば、フロート13の表面に吸着ブラシ14Aを設け、放水路12に放出される排出海水11に同伴した泡22を吸着ブラシ14Aに吸着させ、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22をフロート13の内部に引き込む際に、吸着ブラシ14Aが絞られることで液体の泡成分37として回収することができる。このため、放水路12に放出される排出海水11に浮遊している泡22を短時間で容易に液化し、分析用として回収することができる。また、泡22を分析する際には、フロート13を放水路12の外側に移動させて回収するため、液体の泡成分37は必要な分だけ分析用の試料として採取することができる。
【0043】
この採取した泡22や液体の泡成分35は、別途公知の分析手段により分析される。この泡22や泡成分35の分析は、発泡原因となりうる有機物や生物等の調査、例えば泡22の内容物や構成する物質の把握を行う場合には、例えば、試料外観観察、顕微鏡観察、全有機炭素(TOC)分析、CHN元素分析(Elemental Analysis(Carbon、Hydrogen、Nitrogen))、浮遊物質量(SS)測定、示差熱分析(Differential Thermal Analysis:DTA)、重金属分析、写真判定分析等により行うことができる。
【0044】
本実施例においては、泡吸着部材として吸着ブラシ14Aを用いているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、泡22を吸着できる部材であってフロート13に設けることができるものであればよい。
【0045】
本実施例においては、排出海水11として、火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器等から排出される使用済海水に同伴される泡を監視し、処理する場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排水、河川に排出される排水等についても同様に適用することができる。
【実施例2】
【0046】
本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置について説明する。本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置は、フロート13の構成以外、上述した図1〜図4に示す実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成と同様である。そのため、上述した実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0047】
図15は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図であり、図16は、図15のA−A方向から見た図であり、図17は、円筒型フロートの斜視図である。図15〜図17に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bは、排出海水11を海へ排出する放水路12の水面上に設けられる円筒型フロート(円筒状浮体)41と、円筒型フロート41の表面の全周に渡って設けられる吸着ブラシ14Bとを有するものである。
【0048】
円筒型フロート41は、長手方向に直交する断面が円筒状の中空体である。円筒型フロート41は、その内部に円筒型フロート41を軸方向に貫通した内部通路43を有する。円筒型フロート41は、放水路12の排出海水11の流れ方向と略直交する方向に複数設けられている。各円筒型フロート41同士は、各円筒型フロート41の内部通路43に支持棒44を貫通させて放水路12の排出海水11上に位置するように設けられている。
【0049】
支持棒44は、放水路12の両壁面の外側まで伸びて設けられているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、放水路12の両壁面に設けるようにしてもよい。
【0050】
円筒型フロート41の表面の全周に渡って複数の吸着ブラシ14Bが放射状に設けられている。また、上述した実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aと同様、円筒型フロート41の表面の各孔45に複数の吸着ブラシ14Bが束で収まるようにしている。
【0051】
円筒型フロート41は、排出海水11と接触しないように設けられ、吸着ブラシ14Bが排出海水11に一部浸漬するように設けられている。吸着ブラシ14Bの一部のみが排出海水11に浸漬するようにしておくことで、排出海水11の流れにより各円筒型フロート41は長手方向に対して直交方向に回転させることができる。また、排出海水11に浮遊している泡22は吸着ブラシ14Bに吸着された後、円筒型フロート41の回転による遠心力により、円筒型フロート41の表面側の方向に移動して円筒型フロート41の表面の孔45に取り込まれる。その際、吸着ブラシ14Bに吸着した泡22が孔45に取り込まれる際、吸着ブラシ14Bの束が孔45の大きさ内に収まるように絞られるため、吸着ブラシ14Bに付着していた泡22は液化して液体の泡成分37となり、円筒型フロート41の内部に回収される。
【0052】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について説明する。
【0053】
支持棒44に複数の円筒型フロート41を取り付け、放水路12に排出海水11の流れ方向と直交する方向に複数の円筒型フロート41を設け、図18に示すように、吸着ブラシ14Bの一部のみを排出海水11に浸漬させる。これにより、排出海水11の流れにより円筒型フロート41は回転すると共に、排出海水11に浮遊している泡22を吸着ブラシ14Bに吸着させることができる。吸着ブラシ14Bに吸着した泡22は、円筒型フロート41の回転により生じる遠心力により、円筒型フロート41の表面近傍に流れる。このとき、吸着ブラシ14Bに付着した泡22は、図19に示すように、吸着ブラシ14Bが孔33を通過して円筒型フロート41の内部に引き込まれる際、円筒型フロート41の孔45で泡22が絞られるため、吸着ブラシ14Bに付着していた泡22は圧縮されて潰され、液化し、液化した泡成分37が円筒型フロート41の内部に回収される。
【0054】
泡成分37が円筒型フロート41の内部に回収された後、図20に示すように、支持棒44を吸着ブラシ14Bが排出海水11に接触しない位置まで垂直方向に移動させる。これにより、吸着ブラシ14Bは、排出海水11に浸漬していないため、円筒型フロート41の回転は停止し、吸着ブラシ14Bに付着した泡22が円筒型フロート41の内部方向に移動するのが停止する。
【0055】
その後、支持棒44を移動し、円筒型フロート41を放水路12の外側に移動させ、支持棒44に取り付けた円筒型フロート41の内部に溜まった泡成分37と、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収する。
【0056】
円筒型フロート41の内部に溜まった泡成分37と、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収した後、再び、支持棒44に円筒型フロート41を取り付け、支持棒44を移動する。そして、図21に示すように、円筒型フロート41を放水路12の水面上に移動させ、円筒型フロート41を吸着ブラシ14Bの一部が排出海水11に浸漬するまで移動し、吸着ブラシ14Bに泡22を吸着させ、円筒型フロート41の内部に泡22を回収する。
【0057】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bによれば、円筒型フロート41の表面に吸着ブラシ14Bを設け、吸着ブラシ14Bを排出海水11に一部浸漬させることで、排出海水11の流れを利用して円筒型フロート41を回転させつつ、吸着ブラシ14Bに泡22を吸着させることができる。吸着ブラシ14Bに吸着した泡22は、円筒型フロート41の回転による遠心力により円筒型フロート41の表面側に引き込み、液体の泡成分37を円筒型フロート41の内部に回収することができる。このため、放水路12に放出される排出海水11に浮遊している泡22を短時間で容易に液化し、分析用として回収することができる。また、液体の泡成分37は必要な分だけ分析用の試料として採取することができる。
【0058】
本実施例においては、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、1回としているが、これに限定されるものではなく、必要な採取量に応じて、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、複数回としてもよい。
【0059】
本実施例においては、円筒型フロート41の内部から泡成分37や吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収した後、再度、同一の円筒型フロート41を用いているが、これに限定されるものではなく、円筒型フロート41の腐食や破損状況などに応じて、新たし円筒型フロート41を支持棒44に取り付け、用いてもよい。
【0060】
本実施例においては、円筒型フロート41の表面に放射状に複数の吸着ブラシ14Bを設け、各吸着ブラシ14B毎に円筒型フロート41の表面に孔33を設け、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収しているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、吸着ブラシ14B毎に円筒型フロート41の表面に孔33を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10A、10B 使用済排出海水の泡採取装置
11 排出海水
12 放水路
13 浮体(フロート)
14A、14B 吸着ブラシ(泡吸着部材)
15 放水管
21 堰
22 泡
24 支持部
25 挿出手段
27 連結部
28 ベルト
29、31 ローラ
30 モータ
33、45 孔
34 固定部
36 溶液回収部
37 泡成分
41 円筒型フロート(円筒状浮体)
43 内部通路
44 支持棒
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば火力発電所や原子力発電所等の発電プラントや化学プラント等の冷却水として、あるいは排ガスの洗浄用水として、海水を使用した後に再び海へ排出する使用済排出海水に同伴される泡を監視する使用済排出海水の泡採取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、火力発電所などの種々の発電プラントでは、海水は復水器等の冷却水や、海水脱硫設備の排ガス処理用の水や熱交換器等の熱交換用の水として多量に使用されている。復水器で使用された後の使用済の排出海水、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排出海水は、温排水として放水路に排出され、海域や河川域に排出されている。
【0003】
放水路には、一般に海の潮位の変動に対応するため堰を設置しているが、この堰を越えて排水が下流側に流れ落ちて空気を巻き込むことで、放水路の水面上には多量の泡が発生する。また、放水路には、排水が空気を巻き込むことで生じる泡の他に、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸など汚染物などの様々な原因により生じている泡も含まれている場合がある。
【0004】
空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは排水路の途中で消泡するが、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、化学薬品や汚染物等による界面活性作用により容易に破泡しないため、使用済海水や排出海水の表面に浮遊している場合が多く、排水路の排出口から海に排出される場合がある。
【0005】
従来より、例えば、冷却水として用いる海水中に消泡剤等の薬剤を添加し、海水を冷却水として用いる際に泡が発生するのを抑制する発泡抑制方法などが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。これにより、放水路の水面上に泡が発生するのを抑制し、放水路に流れる使用済海水や排出海水に泡が同伴して海域や河川域に流れ出さないようにしていた。
【0006】
また、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、空気を巻き込むことで生じる泡に比べ外観も悪く、排水基準に泡の規制がないが、これらに起因して生じた泡が同伴された排出海水は、外観的に汚濁排水と認識されやすい。そのため、排水が放水される周辺の海域や河川域で行われている漁業や農業の安全性を確保する観点から、泡の安全性の確認や証明を行う場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/041400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、泡の安全性の確認や証明を行う際に、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うためには、泡を液体にした状態で少なくとも数リットル確保する必要がある。また、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収する際、放水路でバケツ等を用いて泡を袋や容器等に回収し、回収した泡を手で潰すなどして液体にしてから分析用の容器等に集める必要があった。
【0009】
しかしながら、泡は多くの気泡を含んでいることから、分析用の試料として、泡を液体にした状態で数リットルを確保しようとすると、泡を採取し、分析用の試料を確保するためだけでも少なくとも1日以上要していた、という問題がある。
【0010】
このように、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うには、人手により行われる作業が多く労力を要することが多いことから、放水路の水面上に浮遊している泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる泡の泡検知装置が切望されている。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる使用済排出海水の泡採取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、使用済の排出海水を放水する放水路に係留されて設けられ、前記排出海水に浮遊している泡の拡散を抑制する浮体と、前記浮体の上流側の表面に設けられ、前記泡を吸着する泡吸着材と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0013】
第2の発明は、使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水の水面上に設けられ、円筒状浮体と、前記浮体の表面の全周に渡って設けられ、前記排出海水に浮遊している泡を吸着する泡吸着材と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、前記浮体が、略立方中空体であることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0015】
第4の発明は、第1又は第3の発明において、前記浮体は、内部に前記泡吸着部材を設ける支持部と、前記泡吸着部材を挿出可能とするための挿出手段とを有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0016】
第5の発明は、第1乃至第4の何れか一つの発明において、前記泡吸着材が、吸着ブラシであることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、前記吸着ブラシが、親水性繊維を用いて形成されることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の使用済排出海水の泡採取装置によれば、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図である。
【図2】図2は、図1のA−A方向から見た図である。
【図3】図3は、図2の部分拡大図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の斜視図である。
【図5】図5は、フロートの内部の構成を簡略に示す図である。
【図6】図6は、図4のA−A断面図である。
【図7】図7は、図4のB−B断面図である。
【図8】図8は、支持部とベルトとを連結の一例を示す斜視図である。
【図9】図9は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図10】図10は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図11】図11は、フロートの部分拡大図である。
【図12】図12は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の他の構成を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の他の構成を示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図である。
【図16】図16は、図15のA−A方向から見た図である。
【図17】図17は、円筒型フロートの斜視図である。
【図18】図18は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図19】図19は、フロートの部分拡大図である。
【図20】図20は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図21】図21は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに以下に記載した下記実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図であり、図2は、図1のA−A方向から見た図であり、図3は、図2の部分拡大図であり、図4は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の斜視図である。図1〜図4に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、使用済の排出海水11を海へ排出する放水路12に設けられ、浮体(フロート)13と、吸着ブラシ(泡吸着部材)14Aとを有するものである。
【0022】
排出海水11は、例えば、海から取水した海水を火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器の冷却水として用い、復水器で熱交換されて温められた温排水であり、復水器などの放水管15から海に向けて排出される使用済の海水である。
【0023】
放水路12には堰21が設けられ、放水路12の水面の高さは、復水器の方が海域側よりも高くなるように形成され、海の潮位の変動を受けないようにしている。
【0024】
放水路12には、排出海水11が海に向けて排出されるまでの間に、排出海水11には泡22が多量に発生し、泡22を同伴した排出海水11が海に向けて流れている。泡22は、排出海水11が堰21を越えて下流側に流れ落ちた際に排出海水11が空気を巻き込むことで生じる泡や、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸などの汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などの様々な原因により生じている泡などがある。空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは放水路12の途中で消泡するが、汚染物等に起因して生じた泡は、水と水以外の物質(化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子)が攪拌されたときに曝気され、いったん沈んだ泡が浮上する際に加圧浮上することによって気泡の周囲に吸着することから界面活性剤としての機能を果たし、気泡が割れにくくなっている。また、こうした泡22に対しては、物理的な力を加えた場合でも、破泡、消泡せず、余計な泡を生じることが多い。すなわち、小さな泡が放水路12の下部から上昇する過程で排出海水11中や放水路12の底部に堆積した汚泥などの汚濁成分が泡に巻き込まれることで、化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などを多く取り込み、泡の中に更に小さい泡が多数存在した状態の泡を形成することが考えられる。これにより、泡22の皮膜が厚く、強固となる結果、気泡が割れにくくなり、破泡、消泡し難くなっている。そのため、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、放水路12の排出口まで排出海水11の表面に着色した状態で浮遊している場合が多い。
【0025】
フロート13は、放水路12に係留されて設けられるものであり、放水路12の下流側の放水路12と海域との境近傍に係留されて設けられている。フロート13は放水路12の排出海水11の流れ方向と略直交する方向に複数設けられている。フロート13は、排出海水11の表面近傍の流れを遮るため、排出海水11の海水表層に浮遊している泡22が排出海水11に同伴して海に拡散するのを抑制している。
【0026】
フロート13は、図4に示すように、排出海水11の流れ方向に直交する断面が四角形状の略立方中空体である。また、フロート13同士は、例えば、紐等により各々連結されており、フロート13の数は、放水路12の幅、大きさ等により調整される。また、発生する泡22に応じて、フロート13の高さや水没量を適宜調整するようにしてもよい。
【0027】
図5は、フロートの内部の構成を簡略に示す図であり、図6は、図4のA−A断面図であり、図7は、図4のB−B断面図である。図5〜7に示すように、フロート13は、その内部に、吸着ブラシ14Aを設ける支持部24と、吸着ブラシ14Aを挿出可能とするための挿出手段25とを有する。挿出手段25は、支持部24の両端上部に設けられる一対の連結部27と、ベルト28と、ローラ29と、モータ30とを有する。連結部27は、図8に示すように、支持部24とベルト28とに各々設けてある連結部27a、27bを連結させて支持部24とベルト28とを連結させる。ベルト28は連結部27に対応して一対設けられている。ローラ29は各ベルト28に対して1組設けられている。1組のローラ29のうち一方のローラ29はモータ30により回転するようにしている。また、支持部24の両端下部には一対のローラ31が設けられる。モータ30を回転させることで一組のローラ29のうちの一方のローラ29を回転し、ベルト28が回転する。ベルト28の回転に伴い、連結部27が移動することで支持部24を移動させることができる。
【0028】
フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面には複数の孔33が設けられている。支持部24は、各々の孔33に対応するように、表面に吸着ブラシ14Aを固定するための固定部34を有する。固定部34の高さはフロート13の壁面の厚さよりも大きく、支持部24がフロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に接触する位置にある時には、固定部34はフロート13の表面から突出するようにしている。これにより、吸着ブラシ14Aに泡22を吸着させることができる。
【0029】
吸着ブラシ14Aは、フロート13の排出海水11の流れ方向の前流側の表面に設けられる繊維状吸着部材である。吸着ブラシ14Aは、複数の吸着ブラシ14Aを束ねて支持部24の各固定部34に設けられている。
【0030】
吸着ブラシ14Aの材料は、特に限定されるものではないが、排出海水11に浮遊している泡22を効率良く吸着させるため、親水性繊維を用いて形成されるものであることが好ましい。親水性繊維は、分子構造中に水との親和性の高い水酸基(OH)を有しているため、泡22を効率良く吸着することができる。親水性繊維としては、例えば、綿、レーヨンなどが挙げられる。
【0031】
吸着ブラシ14Aの長さは、特に限定されるものではなく、フロート13の大きさに応じて異なるが、例えば5mm〜20mmであることが好ましい。これは、吸着ブラシ14Aが長すぎると、吸着ブラシ14Aは付着した泡22の重みに耐えられないため、吸着ブラシ14Aの先端が湾曲し、泡22が排出海水11に落下してしまう虞がある。また、吸着ブラシ14Aが短すぎると、吸着ブラシ14Aに泡22を十分付着させることができないためである。
【0032】
吸着ブラシ14Aはフロート13の内部で固定部34により固定され、フロート13の内部での支持部24の動きに連動して、吸着ブラシ14Aのフロート13の表面からの突出量は調整可能に構成されている。排出海水11に浮遊している泡22を吸着させる際には、吸着ブラシ14Aはフロート13の表面から全て突出させる。また、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22を回収する際には、吸着ブラシ14Aの一部をフロート13の内部に引き込ませる。また、フロート13は、内部の底部に溶液回収部36を有する。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込んだ際に吸着ブラシ14Aに吸着した泡22は、フロート13の内部で吸着ブラシ14Aから液下して溶液回収部36に回収される。
【0033】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について図9〜図12を用いて説明する。
【0034】
図9に示すように、排出海水11に浮遊している泡22は吸着ブラシ14Aに吸着される。吸着ブラシ14Aに泡22が十分吸着された後、図10に示すように、モータ30を回転させ、支持部24を後方に移動させる。このとき、吸着ブラシ14Aに付着した泡22は、図11に示すように、吸着ブラシ14Aが孔33を通過してフロート13の内部に引き込まれる際、フロート13の孔33で吸着ブラシ14Aが絞られるため、吸着ブラシ14Aに付着していた泡22は圧縮されて潰され、液化する。吸着ブラシ14Aは、フロート13の内部に引き込んだ状態でしばらく放置しておくと、液化した泡成分37は、吸着ブラシ14Aから液下してフロート13の内部の底部に設けた溶液回収部36に回収される。
【0035】
また、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込む際には、吸着ブラシ14Aの先端は孔33を通過させず、フロート13の外側に位置するようにしておく。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の外側に再度押出す際に、容易に押し出すことができる。
【0036】
吸着ブラシ14Aから泡成分37が全て滴下して抜けた後、図12に示すように、支持部24をフロート13の内部に引き込む時とは逆方向にモータ30を回転させ、支持部24を前方に移動させる。これにより、吸着ブラシ14Aをフロート13の表面から飛び出させることができ、排出海水11に浮遊している泡22を吸着ブラシ14Aに吸着させることができる。
【0037】
このようにして、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22をフロート13の内部で回収し、所定量回収されたら、フロート13を引き上げ、液体となった泡成分を分析する。
【0038】
本実施例においては、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、1回としているが、これに限定されるものではなく、必要な採取量に応じて、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、複数回としてもよい。
【0039】
また、フロート13の内部が泡22でいっぱいの場合には、液化処理を行うようにしてもよい。液化処理としては、例えば、ポンプやシリンジにより吸引したり、遠心力をかけて液化する方法等が挙げられる。
【0040】
また、吸着ブラシ14Aは、フロート13の表面から略垂直に伸びているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、図13に示すように、吸着ブラシ14Aの先端部分がフロート13の表面から高さ方向に伸びるようにしてもよい。これにより、図10に示すように、吸着ブラシ14Aをフロート13の内部に引き込む際に、より効果的に吸着ブラシ14Aに付着した泡22を、フロート13の孔33で絞ることができるため、泡22を効率よく液化させ、得られる泡成分37をフロート13の溶液回収部36に回収する。
【0041】
また、吸着ブラシ14Aは、フロート13の排出海水11流れの前流側に設けているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、図14に示すように、フロート13の上部に設けるようにしてもよい。このとき、フロート13の内部には、上述のように、フロート13の上部に設けた吸着ブラシ14Aを駆動させるための挿出手段25をフロート13の内部に設けるようにする。
【0042】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aによれば、フロート13の表面に吸着ブラシ14Aを設け、放水路12に放出される排出海水11に同伴した泡22を吸着ブラシ14Aに吸着させ、吸着ブラシ14Aに吸着した泡22をフロート13の内部に引き込む際に、吸着ブラシ14Aが絞られることで液体の泡成分37として回収することができる。このため、放水路12に放出される排出海水11に浮遊している泡22を短時間で容易に液化し、分析用として回収することができる。また、泡22を分析する際には、フロート13を放水路12の外側に移動させて回収するため、液体の泡成分37は必要な分だけ分析用の試料として採取することができる。
【0043】
この採取した泡22や液体の泡成分35は、別途公知の分析手段により分析される。この泡22や泡成分35の分析は、発泡原因となりうる有機物や生物等の調査、例えば泡22の内容物や構成する物質の把握を行う場合には、例えば、試料外観観察、顕微鏡観察、全有機炭素(TOC)分析、CHN元素分析(Elemental Analysis(Carbon、Hydrogen、Nitrogen))、浮遊物質量(SS)測定、示差熱分析(Differential Thermal Analysis:DTA)、重金属分析、写真判定分析等により行うことができる。
【0044】
本実施例においては、泡吸着部材として吸着ブラシ14Aを用いているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、泡22を吸着できる部材であってフロート13に設けることができるものであればよい。
【0045】
本実施例においては、排出海水11として、火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器等から排出される使用済海水に同伴される泡を監視し、処理する場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排水、河川に排出される排水等についても同様に適用することができる。
【実施例2】
【0046】
本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置について説明する。本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置は、フロート13の構成以外、上述した図1〜図4に示す実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成と同様である。そのため、上述した実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0047】
図15は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を放水路に設けた状態を示す図であり、図16は、図15のA−A方向から見た図であり、図17は、円筒型フロートの斜視図である。図15〜図17に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bは、排出海水11を海へ排出する放水路12の水面上に設けられる円筒型フロート(円筒状浮体)41と、円筒型フロート41の表面の全周に渡って設けられる吸着ブラシ14Bとを有するものである。
【0048】
円筒型フロート41は、長手方向に直交する断面が円筒状の中空体である。円筒型フロート41は、その内部に円筒型フロート41を軸方向に貫通した内部通路43を有する。円筒型フロート41は、放水路12の排出海水11の流れ方向と略直交する方向に複数設けられている。各円筒型フロート41同士は、各円筒型フロート41の内部通路43に支持棒44を貫通させて放水路12の排出海水11上に位置するように設けられている。
【0049】
支持棒44は、放水路12の両壁面の外側まで伸びて設けられているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、放水路12の両壁面に設けるようにしてもよい。
【0050】
円筒型フロート41の表面の全周に渡って複数の吸着ブラシ14Bが放射状に設けられている。また、上述した実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aと同様、円筒型フロート41の表面の各孔45に複数の吸着ブラシ14Bが束で収まるようにしている。
【0051】
円筒型フロート41は、排出海水11と接触しないように設けられ、吸着ブラシ14Bが排出海水11に一部浸漬するように設けられている。吸着ブラシ14Bの一部のみが排出海水11に浸漬するようにしておくことで、排出海水11の流れにより各円筒型フロート41は長手方向に対して直交方向に回転させることができる。また、排出海水11に浮遊している泡22は吸着ブラシ14Bに吸着された後、円筒型フロート41の回転による遠心力により、円筒型フロート41の表面側の方向に移動して円筒型フロート41の表面の孔45に取り込まれる。その際、吸着ブラシ14Bに吸着した泡22が孔45に取り込まれる際、吸着ブラシ14Bの束が孔45の大きさ内に収まるように絞られるため、吸着ブラシ14Bに付着していた泡22は液化して液体の泡成分37となり、円筒型フロート41の内部に回収される。
【0052】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について説明する。
【0053】
支持棒44に複数の円筒型フロート41を取り付け、放水路12に排出海水11の流れ方向と直交する方向に複数の円筒型フロート41を設け、図18に示すように、吸着ブラシ14Bの一部のみを排出海水11に浸漬させる。これにより、排出海水11の流れにより円筒型フロート41は回転すると共に、排出海水11に浮遊している泡22を吸着ブラシ14Bに吸着させることができる。吸着ブラシ14Bに吸着した泡22は、円筒型フロート41の回転により生じる遠心力により、円筒型フロート41の表面近傍に流れる。このとき、吸着ブラシ14Bに付着した泡22は、図19に示すように、吸着ブラシ14Bが孔33を通過して円筒型フロート41の内部に引き込まれる際、円筒型フロート41の孔45で泡22が絞られるため、吸着ブラシ14Bに付着していた泡22は圧縮されて潰され、液化し、液化した泡成分37が円筒型フロート41の内部に回収される。
【0054】
泡成分37が円筒型フロート41の内部に回収された後、図20に示すように、支持棒44を吸着ブラシ14Bが排出海水11に接触しない位置まで垂直方向に移動させる。これにより、吸着ブラシ14Bは、排出海水11に浸漬していないため、円筒型フロート41の回転は停止し、吸着ブラシ14Bに付着した泡22が円筒型フロート41の内部方向に移動するのが停止する。
【0055】
その後、支持棒44を移動し、円筒型フロート41を放水路12の外側に移動させ、支持棒44に取り付けた円筒型フロート41の内部に溜まった泡成分37と、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収する。
【0056】
円筒型フロート41の内部に溜まった泡成分37と、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収した後、再び、支持棒44に円筒型フロート41を取り付け、支持棒44を移動する。そして、図21に示すように、円筒型フロート41を放水路12の水面上に移動させ、円筒型フロート41を吸着ブラシ14Bの一部が排出海水11に浸漬するまで移動し、吸着ブラシ14Bに泡22を吸着させ、円筒型フロート41の内部に泡22を回収する。
【0057】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bによれば、円筒型フロート41の表面に吸着ブラシ14Bを設け、吸着ブラシ14Bを排出海水11に一部浸漬させることで、排出海水11の流れを利用して円筒型フロート41を回転させつつ、吸着ブラシ14Bに泡22を吸着させることができる。吸着ブラシ14Bに吸着した泡22は、円筒型フロート41の回転による遠心力により円筒型フロート41の表面側に引き込み、液体の泡成分37を円筒型フロート41の内部に回収することができる。このため、放水路12に放出される排出海水11に浮遊している泡22を短時間で容易に液化し、分析用として回収することができる。また、液体の泡成分37は必要な分だけ分析用の試料として採取することができる。
【0058】
本実施例においては、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、1回としているが、これに限定されるものではなく、必要な採取量に応じて、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、複数回としてもよい。
【0059】
本実施例においては、円筒型フロート41の内部から泡成分37や吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収した後、再度、同一の円筒型フロート41を用いているが、これに限定されるものではなく、円筒型フロート41の腐食や破損状況などに応じて、新たし円筒型フロート41を支持棒44に取り付け、用いてもよい。
【0060】
本実施例においては、円筒型フロート41の表面に放射状に複数の吸着ブラシ14Bを設け、各吸着ブラシ14B毎に円筒型フロート41の表面に孔33を設け、吸着ブラシ14Bに付着した泡22を回収しているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、吸着ブラシ14B毎に円筒型フロート41の表面に孔33を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10A、10B 使用済排出海水の泡採取装置
11 排出海水
12 放水路
13 浮体(フロート)
14A、14B 吸着ブラシ(泡吸着部材)
15 放水管
21 堰
22 泡
24 支持部
25 挿出手段
27 連結部
28 ベルト
29、31 ローラ
30 モータ
33、45 孔
34 固定部
36 溶液回収部
37 泡成分
41 円筒型フロート(円筒状浮体)
43 内部通路
44 支持棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の排出海水を放水する放水路に係留されて設けられ、前記排出海水に浮遊している泡の拡散を抑制する浮体と、
前記浮体の上流側の表面に設けられ、前記泡を吸着する泡吸着材と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項2】
使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水の水面上に設けられ、円筒状浮体と、
前記浮体の表面の全周に渡って設けられ、前記排出海水に浮遊している泡を吸着する泡吸着材と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記浮体が、略立方中空体であることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項4】
請求項1又は3において、
前記浮体は、内部に前記泡吸着部材を設ける支持部と、前記泡吸着部材を挿出可能とするための挿出手段とを有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つにおいて、
前記泡吸着材が、吸着ブラシであることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記吸着ブラシが、親水性繊維を用いて形成されることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項1】
使用済の排出海水を放水する放水路に係留されて設けられ、前記排出海水に浮遊している泡の拡散を抑制する浮体と、
前記浮体の上流側の表面に設けられ、前記泡を吸着する泡吸着材と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項2】
使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水の水面上に設けられ、円筒状浮体と、
前記浮体の表面の全周に渡って設けられ、前記排出海水に浮遊している泡を吸着する泡吸着材と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記浮体が、略立方中空体であることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項4】
請求項1又は3において、
前記浮体は、内部に前記泡吸着部材を設ける支持部と、前記泡吸着部材を挿出可能とするための挿出手段とを有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つにおいて、
前記泡吸着材が、吸着ブラシであることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記吸着ブラシが、親水性繊維を用いて形成されることを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−34922(P2013−34922A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171243(P2011−171243)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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