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使用済排出海水の泡採取装置
説明

使用済排出海水の泡採取装置

【課題】放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる使用済排出海水の泡採取装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、排出海水11に浮遊している泡22を採取し、放水路12の外部に送給する泡採取管13と、流入口27を有し、他端側が開放された外筒25と、内部に貫通流路28を有する内筒26とを有するシリンジ14と、貫通流路28にシリンジ14の外部から消泡剤31を供給する消泡剤供給手段15と、泡採取管13に連結され、消泡剤31で消泡され、液化した泡成分を回収する泡成分回収管16と、泡成分回収管16に連結され、泡成分を回収する泡成分回収容器17と、泡採取管13に設けられ、放水路12の排出海水11、シリンジ14、泡成分回収管16のいずれかに流路を切替える三方弁18と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば火力発電所や原子力発電所等の発電プラントや化学プラント等の冷却水として、あるいは排ガスの洗浄用水として、海水を使用した後に再び海へ排出する使用済排出海水に同伴される泡を監視する使用済排出海水の泡採取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、火力発電所などの種々の発電プラントでは、海水は復水器等の冷却水や、海水脱硫設備の排ガス処理用の水や熱交換器等の熱交換用の水として多量に使用されている。復水器で使用された後の使用済の排出海水、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排出海水は、温排水として放水路に排出され、海域や河川域に排出されている。
【0003】
放水路には、一般に海の潮位の変動に対応するため堰を設置しているが、この堰を越えて排水が下流側に流れ落ちて空気を巻き込むことで、放水路の水面上には多量の泡が発生する。また、放水路には、排水が空気を巻き込むことで生じる泡の他に、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸など汚染物などの様々な原因により生じている泡も含まれている場合がある。
【0004】
空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは排水路の途中で消泡するが、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、化学薬品や汚染物等による界面活性作用により容易に破泡しないため、使用済海水や排出海水の表面に浮遊している場合が多く、排水路の排出口から海に排出される場合がある。
【0005】
従来より、例えば、冷却水として用いる海水中に消泡剤等の薬剤を添加し、海水を冷却水として用いる際に泡が発生するのを抑制する発泡抑制方法などが用いられていた(例えば、特許文献1参照)。これにより、放水路の水面上に泡が発生するのを抑制し、放水路に流れる使用済海水や排出海水に泡が同伴して海域や河川域に流れ出さないようにしていた。
【0006】
また、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、空気を巻き込むことで生じる泡に比べ外観も悪く、排水基準に泡の規制がないが、これらに起因して生じた泡が同伴された排出海水は、外観的に汚濁排水と認識されやすい。そのため、排水が放水される周辺の海域や河川域で行われている漁業や農業の安全性を確保する観点から、泡の安全性の確認や証明を行う場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/041400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、泡の安全性の確認や証明を行う際に、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うためには、泡を液体にした状態で少なくとも数リットル確保する必要がある。また、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収する際、放水路でバケツ等を用いて泡を袋や容器等に回収し、回収した泡を手で潰すなどして液体にしてから分析用の容器等に集める必要があった。
【0009】
しかしながら、泡は多くの気泡を含んでいることから、分析用の試料として、泡を液体にした状態で数リットルを確保しようとすると、泡を採取し、分析用の試料を確保するためだけでも少なくとも1日以上要していた、という問題がある。
【0010】
このように、放水路から使用済海水や排出海水に浮遊している泡を回収し、分析等を行うには、人手により行われる作業が多く労力を要することが多いことから、放水路の水面上に浮遊している泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる泡の泡検知装置が切望されている。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる使用済排出海水の泡採取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水に浮遊している泡を採取し、前記放水路の外部に送給する泡採取管と、先端部に前記泡採取管と連結する流入口を有し、軸方向に延びると共に、他端側が開放された外筒と、前記外筒の内周面に覆われ、軸方向に移動可能であると共に、内部に貫通流路を有する内筒とを有する薬剤混合容器と、前記貫通流路に前記薬剤混合容器の外部から消泡剤を供給する消泡剤供給手段と、前記泡採取管に連結され、消泡剤で消泡され、液化した泡成分を回収する泡成分回収管と、前記泡成分回収管に連結され、前記泡成分を回収する泡成分回収部と、前記泡採取管に設けられ、前記放水路の排出海水、前記薬剤混合容器、前記泡成分回収管のいずれかに流路を切替える三方弁と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【0013】
第2の発明は、使用済の排出海水の放水路の前記排出海水に浮遊している泡を採取し、前記放水路の外部に送給する泡採取管と、先端部に前記泡採取管と連結する流入口を有し、軸方向に延びると共に、他端側が開放された外筒と、前記外筒の内周面に覆われ、軸方向に移動可能であると共に、内部に貫通流路を有する内筒とを有する薬剤混合容器と、前記泡採取管に連結され、前記薬剤混合容器に消泡剤を供給する消泡剤供給手段と、前記薬剤混合容器に連結され、消泡剤で消泡され、液化した泡成分を回収する泡成分回収管と、前記泡成分回収管に連結され、前記泡成分を回収する泡成分回収部と、前記泡採取管に設けられ、前記放水路の排出海水、前記消泡剤供給手段、前記薬剤混合容器のいずれかに流路を切替える三方弁と、を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の使用済排出海水の泡採取装置によれば、放水路に放出される排出海水に同伴される泡を簡易に採取して短時間で分析用の試料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成の概略図である。
【図2】図2は、図1のA−A方向から見た図である。
【図3】図3は、B−B方向から見た図である。
【図4】図4は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図5】図5は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図6】図6は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図7】図7は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図8】図8は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を図1のB−B方向から見た図である。
【図10】図10は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図11】図11は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図12】図12は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図13】図13は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【図14】図14は、泡の採取方法の工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る使用済排出海水の泡採取装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに以下に記載した下記実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成の概略図であり、図2は、図1のA−A方向から見た図であり、図3は、B−B方向から見た図である。図1〜図3に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aは、使用済の排出海水11を海へ排出する放水路12に設けられ、泡採取管13と、薬剤混合容器(シリンジ)14と、消泡剤供給手段15と、泡成分回収管16と、泡成分回収容器(泡成分回収部)17と、三方弁18とを有するものである。
【0018】
排出海水11は、例えば、海から取水した海水を火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器の冷却水として用い、復水器で熱交換されて温められた温排水であり、復水器などの放水管20から海に向けて排出される使用済の海水である。
【0019】
放水路12には堰21が設けられ、放水路12の水面の高さは、復水器の方が海域側よりも高くなるように形成され、海の潮位の変動を受けないようにしている。
【0020】
放水路12には、排出海水11が海に向けて排出されるまでの間に、排出海水11には泡22が多量に発生し、泡22を同伴した排出海水11が海に向けて流れている。泡22は、排出海水11が堰21を越えて下流側に流れ落ちた際に排出海水11が空気を巻き込むことで生じる泡や、界面活性剤などの化学薬品、微生物や生物死骸などの汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などの様々な原因により生じている泡などがある。空気を巻き込むことで生じる泡のほとんどは放水路12の途中で消泡するが、汚染物等に起因して生じた泡は、水と水以外の物質(化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子)が攪拌されたときに曝気され、いったん沈んだ泡が浮上する際に加圧浮上することによって気泡の周囲に吸着することから界面活性剤としての機能を果たし、気泡が割れにくくなっている。また、こうした泡22に対しては、物理的な力を加えた場合でも、破泡、消泡せず、余計な泡を生じることが多い。すなわち、小さな泡が放水路12の下部から上昇する過程で排出海水11中や放水路12の底部に堆積した汚泥などの汚濁成分が泡に巻き込まれることで、化学薬品や汚染物、水中の藻類や細菌、無機物や有機物の微粒子、多糖類、脂肪等の両親媒性生体高分子などを多く取り込み、泡の中に更に小さい泡が多数存在した状態の泡を形成することが考えられる。これにより、泡22の皮膜が厚く、強固となる結果、気泡が割れにくくなり、破泡、消泡し難くなっている。そのため、化学薬品や汚染物等に起因して生じた泡は、放水路12の排出口まで排出海水11の表面に着色した状態で浮遊している場合が多い。
【0021】
放水路12の下流側の放水路12と海域との境近傍には、泡22を同伴した排出海水11の表面近傍の流れを遮る浮体(フロート)23が放水路12の排出海水11の流れ方向と略直交する向きに複数係留して設けられている。フロート23を排出海水11に浮遊させることで排出海水11の表面近傍の流れを遮るため、排出海水11の海水表層に浮遊する泡22が排出海水11に同伴して海に拡散するのを抑制している。また、フロート23同士は、例えば、紐等により各々連結されており、フロート23の数は、放水路12の幅大きさ等により調整される。また、発生する泡22に応じて、フロート23の高さや水没量を適宜調整するようにしてもよい。
【0022】
泡採取管13は、放水路12の排出海水11に浮遊している泡22を採取し、放水路12の外部に送給する管であり、シリンジ14と連結されている。これにより、排出海水11に浮遊している泡22は排出海水11から泡採取管13を介してシリンジ14内に送給される。
【0023】
シリンジ14は、泡採取管13と放水路12の外部において連結され、外筒25と、内筒26とを有するものである。外筒25は、先端部に泡採取管13と連結する流入口27を有し、軸方向に延びると共に、他端側が開放されている。内筒26は、外筒25の内周面に覆われ、軸方向に移動可能であると共に、内部に貫通流路28を有するものである。
【0024】
排出海水11の浮遊している泡22を泡採取管13を通過させてシリンジ14内に吸引する際、内筒26を外筒25の先端側から他端側に引っ張り、外筒25の内部に空間を形成するようにするだけで、排出海水11の浮遊している泡22をシリンジ14内に吸引することができる。このため、泡22を採取するのに動力弁など動力を用いることなく、泡22を回収することができる。
【0025】
消泡剤供給手段15は、消泡剤31を貯蔵する消泡剤供給タンク32と、貫通流路28と連結する消泡剤供給管33とを有するものであり、貫通流路28にシリンジ14の外部から消泡剤31を供給する。消泡剤31は、泡22を液化させて液体にさせるためのものである。消泡剤31としては、アルコール系消泡剤を用いるのが好ましい。これは、泡成分を回収して、分析に供するので、分析に先立って揮発させることができるアルコール系消泡剤であれば、分析に悪影響を与えないものが好ましいからである。ここで、アルコール系消泡剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を挙げることができる。また、アルコール系消泡剤以外としては、例えばヘキサメチレン酸ナトリウムなどを挙げることができる。なお、一般的な消泡剤として、例えばシリコーン系消泡剤、ポリグリコール系消泡剤、ポリアクリレート系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アミン系消泡剤、アミド系消泡剤、エーテル系消泡剤、および金属石鹸等を挙げることができる。また、シリコーン系消泡剤には、オイル型、エマルジョン型、変成油型、溶剤型、粉末型などがある。本実施例においては、消泡剤31としては、アルコール系消泡剤、酸性溶液の何れか一方又は両方の混合溶液が用いることが好ましい。酸性溶液としては、具体的には、希塩酸(HCl)、希硫酸(H2SO4)、希硝酸(HNO3)などがある。なお、分析において、消泡剤31として痕跡が残る場合には、予めそれを考慮して分析するようにしてもよい。
【0026】
排出海水11のpHは、約8.3程度であり、排出海水11の浮遊している泡22のpHも排出海水11のpHとほぼ同じであるが、消泡剤31として、アルコール、酸性溶液の何れか一方又は両方の混合溶液を用い、泡22に消泡剤31を混合することにより、排出海水11のpHは下げられるため、泡22を破砲することができる。
【0027】
内筒26は貫通流路28を有するため、消泡剤31は貫通流路28を通過して外筒25内に供給される。外筒25内に消泡剤31を予め供給し、排出海水11に浮遊している泡22を泡採取管13から外筒25内に送給することで、泡22は消泡剤31と反応して液化され、液体の泡成分となる。
【0028】
泡成分回収管16は、泡採取管13に連結され、消泡剤31で消泡され、液化した泡成分を回収する管である。泡成分回収管16には泡成分回収容器17が連結されており、外筒25の内部で生成した泡成分は泡成分回収容器17に回収される。
【0029】
泡採取管13には三方弁18が設けられ、排出海水11を回収する際には、泡採取管13とシリンジ14とを連通するようにし、泡成分を泡成分回収容器17に送給する際には、シリンジ14と泡成分回収管16とを連通するように流路を切替える。
【0030】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について図4〜図8を用いて説明する。
【0031】
まず、図4に示すように、調節弁V11を開放し、調節弁V12を閉鎖し、三方弁18を泡採取管13と泡成分回収管16とが連通するようにした状態で、消泡剤供給タンク32内の消泡剤31を消泡剤供給タンク32から消泡剤供給管33、貫通流路28をこの順に通過させ、外筒25の内部に所定量送給する。
【0032】
その後、図5に示すように、調節弁V11を閉鎖する。これにより、外筒25と内筒26より形成される空間内に所定量の消泡剤31を溜めて置くことができる。
【0033】
その後、図6に示すように、三方弁18を泡採取管13とシリンジ14とが連通するようにし、放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を泡採取管13より回収してシリンジ14に送給する。シリンジ14内には予め消泡剤31が溜められているため、シリンジ14内に泡22を送給すると、泡22はシリンジ14内の消泡剤31と混合される。泡22を消泡剤31と混合すると、泡22は消泡剤31と反応して、消泡され液化され、液体の泡成分35を生成する。これにより、シリンジ14内には液化した泡成分35が溜められる。
【0034】
泡22を所定量回収した後、図7に示すように、三方弁18を泡採取管13とシリンジ14とが連通するようにして泡22を排出海水11から採取するのを停止する。その後、図8に示すように、調節弁V12を開放し、シリンジ14内の泡成分35を泡採取管13、泡成分回収管16をこの順に通過させ、泡成分回収容器17内に送給して、泡成分回収容器17内に回収する。
【0035】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aを放水路12に設け、シリンジ14内に予め消泡剤31を入れておき、放水路12に放出される排出海水11に同伴した泡22をシリンジ14内で消泡剤31と容易に混合し、液体の泡成分35を得ることができる。このため、泡22を短時間で容易に液化し、分析用にして回収することができる。
【0036】
また、泡22の採取、液化作業は手動で行うことができ、電気を消費することなく行うことができるため、電力の得られない状況下でも泡22を分析用の試料として採取することができる。
【0037】
この採取した液体の泡成分35は、別途公知の分析手段により分析される。この泡成分35の分析は、発泡原因となりうる有機物や生物等の調査、例えば泡22の内容物や構成する物質の把握を行う場合には、例えば、試料外観観察、顕微鏡観察、全有機炭素(TOC)分析、CHN元素分析(Elemental Analysis(Carbon、Hydrogen、Nitrogen))、浮遊物質量(SS)測定、示差熱分析(Differential Thermal Analysis:DTA)、重金属分析、写真判定分析等により行うことができる。
【0038】
本実施例においては、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、1回としているが、これに限定されるものではなく、必要な採取量に応じて、排出海水11に浮遊している泡22を採取する回数は、複数回としてもよい。
【0039】
本実施例においては、フロート23でせき止められている泡22を採取するようにしているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、放水路12に設けられている堰21に滞留する泡22を採取するようにしてもよい。
【0040】
本実施例においては、排出海水11として、火力発電所、原子力発電所等の発電プラントの復水器等から排出される使用済海水に同伴される泡を監視し、処理する場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、海水脱硫設備で用いた使用済の排出海水、熱交換器等から排出される排水、河川に排出される排水等についても同様に適用することができる。
【実施例2】
【0041】
本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置について説明する。本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置は、上述した図1〜図3に示す実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置の構成と同様である。そのため、上述した実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0042】
図9は、本発明の実施例2に係る使用済排出海水の泡採取装置を図1のB−B方向から見た図である。図9に示すように、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bは、図1に示す実施例1に係る使用済排出海水の泡採取装置10Aの泡採取管13に三方弁18に泡成分回収管16に代えて消泡剤供給管33を連結し、貫通流路28に消泡剤供給管33に代えて泡成分回収管16を連結したものである。
【0043】
消泡剤31は消泡剤供給タンク32から消泡剤供給管33を通過して泡採取管13に送給される。これにより、泡採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間と、シリンジ14の外筒25と内筒26とより形成される空間内とに、消泡剤31を溜めることができる。
【0044】
このため、泡採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間と、シリンジ14内とに、予め消泡剤31を溜め、排出海水11に浮遊している泡22を泡採取管13を通過してシリンジ14内に送給することにより、泡22はシリンジ14内に供給される前に消泡剤31と混合されるため、液化した泡成分35のみがシリンジ14内に貯留される。
【0045】
よって、泡22をシリンジ14内に引き込む前に既に液体状態としているため、泡22の回収と同時に、シリンジ14内に泡成分35のみを回収することができる。
【0046】
本実施例においては、泡採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間と、シリンジ14内とに予め消泡剤31を溜めた後、排出海水11に浮遊している泡22をシリンジ14内に送給するようにしているが、これに限定されるものではない。採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間と、シリンジ14内とに消泡剤31を供給するのと同時に、シリンジ14内に泡22を供給するようにしてもよい。
【0047】
放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を採取し、分析用の試料とするための泡22の採取方法について図10〜図14を用いて説明する。
【0048】
まず、図10に示すように、調節弁V21を開放し、調節弁V22を閉鎖し、三方弁18を消泡剤供給管33とシリンジ14とが連通するようにした状態で、消泡剤供給タンク32内の消泡剤31を消泡剤供給タンク32から消泡剤供給管33、泡採取管13をこの順に通過させ、外筒25の内部に所定量送給する。
【0049】
その後、図11に示すように、調節弁V21を閉鎖する。これにより、泡採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間内と、シリンジ14の外筒25と内筒26とより形成される空間内とに、所定量の消泡剤31を溜めて置くことができる。
【0050】
その後、図12に示すように、三方弁18を泡採取管13とシリンジ14とが連通するようにし、放水路12を流れる排出海水11に浮遊している泡22を泡採取管13より回収してシリンジ14に送給する。泡採取管13の三方弁18と外筒25の流入口27との空間内と、シリンジ14の外筒25と内筒26とより形成される空間内とには予め消泡剤31が溜められているため、シリンジ14内に泡22を回収する際に、泡採取管13内で泡22はシリンジ14内の消泡剤31と混合して消泡剤31と反応し、消泡され、液体の泡成分35が生成される。これにより、シリンジ14内には既に液化した泡成分35が溜められる。
【0051】
泡22を所定量回収した後、図13に示すように、三方弁18を消泡剤供給管33と泡採取管13の排出海水11側とが連通するようにして泡22を排出海水11から採取するのを停止する。
【0052】
その後、図14に示すように、調節弁V22を開放し、シリンジ14内の泡成分35を貫通流路28、泡成分回収管16をこの順に通過させ、泡成分回収容器17内に送給して、泡成分回収容器17内に回収する。
【0053】
よって、本実施例に係る使用済排出海水の泡採取装置10Bを放水路12に設け、シリンジ14の前流側の採取管13内とシリンジ14内に予め消泡剤31を入れておき、放水路12に放出される排出海水11に同伴した泡22を泡採取管13に採取する際、シリンジ14内には予め泡採取管13にも入れておいた消泡剤31で泡22を液化した泡成分35を得ることができる。このため、泡22を短時間で容易に液化し、分析用にして回収することができる。
【0054】
また、泡22の採取、液化作業は手動で行うことができ、電気を消費することなく行うことができるため、電力の得られない状況下でも泡22を分析用の試料として採取することができる。
【符号の説明】
【0055】
10A、10B 使用済排出海水の泡採取装置
11 排出海水
12 放水路
13 泡採取管
14 薬剤混合容器(シリンジ)
15 消泡剤供給手段
16 泡成分回収管
17 泡成分回収容器(泡成分回収部)
18 三方弁
20 放水管
21 堰
22 泡
23 浮体(フロート)
25 外筒
26 内筒
27 流入口
28 貫通流路
31 消泡剤
32 消泡剤供給タンク
33 消泡剤供給管
35 泡成分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の排出海水を放水する放水路の前記排出海水に浮遊している泡を採取し、前記放水路の外部に送給する泡採取管と、
先端部に前記泡採取管と連結する流入口を有し、軸方向に延びると共に、他端側が開放された外筒と、前記外筒の内周面に覆われ、軸方向に移動可能であると共に、内部に貫通流路を有する内筒とを有する薬剤混合容器と、
前記貫通流路に前記薬剤混合容器の外部から消泡剤を供給する消泡剤供給手段と、
前記泡採取管に連結され、消泡剤で消泡され、液化した泡成分を回収する泡成分回収管と、
前記泡成分回収管に連結され、前記泡成分を回収する泡成分回収部と、
前記泡採取管に設けられ、前記放水路の排出海水、前記薬剤混合容器、前記泡成分回収管のいずれかに流路を切替える三方弁と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。
【請求項2】
使用済の排出海水の放水路の前記排出海水に浮遊している泡を採取し、前記放水路の外部に送給する泡採取管と、
先端部に前記泡採取管と連結する流入口を有し、軸方向に延びると共に、他端側が開放された外筒と、前記外筒の内周面に覆われ、軸方向に移動可能であると共に、内部に貫通流路を有する内筒とを有する薬剤混合容器と、
前記泡採取管に連結され、前記薬剤混合容器に消泡剤を供給する消泡剤供給手段と、
前記薬剤混合容器に連結され、消泡剤で消泡され、液化した泡成分を回収する泡成分回収管と、
前記泡成分回収管に連結され、前記泡成分を回収する泡成分回収部と、
前記泡採取管に設けられ、前記放水路の排出海水、前記消泡剤供給手段、前記薬剤混合容器のいずれかに流路を切替える三方弁と、
を有することを特徴とする使用済排出海水の泡採取装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−36783(P2013−36783A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171241(P2011−171241)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】