説明

供給回路及び供給回路を有する装置

出力電流信号を負荷6,106,206へ供給する供給回路1〜3,101〜102,201〜203であって、トランジスタ11〜14,111〜112,211〜212を有し、入力電圧信号をパルス信号に変換する第1の回路1,101,201と、共振回路を有し、パルス信号を受け取り、出力電流信号を負荷6,106,206へ供給する第2の回路2,102,202とを有する供給回路は、第1の回路を制御する第3の回路3,203を設けられる。この第3の回路は、入力電圧信号と出力電流信号との間の依存を減らすようトランジスタ11〜14等を制御する制御信号を生成する発生器35〜37を有する。第3の回路は、入力電圧信号に依存して且つ出力電流信号から独立して制御信号を供給する。トランジスタ11〜14等は、フルブリッジ、ハーフブリッジモードで動作するフルブリッジ、又はハーフブリッジを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力信号を負荷へ供給する供給回路に関し、更に、供給回路を有する装置、方法並びにコンピュータプログラムプロダクト及び/又はコンピュータプログラムプロダクトを記憶する媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
このような供給回路の例にはスイッチモード電力供給があるが、当然、他の供給回路も含まれる。このような負荷の例には、1つの発光ダイオード、2又はそれ以上の直列発光ダイオード、及び2又はそれ以上の並列発光ダイオードがあるが、当然、他の負荷も含まれる。
【0003】
先行技術に従う供給回路は、US6,853,150B2から知られる。この特許文献は、ハーフブリッジ構成で2つのトランジスタを有するトランジスタ回路と、発光ダイオードへ夫々結合されるインダクタ及びコンデンサを有するインピーダンス回路とを備える供給回路を開示する。
【特許文献1】US6,853,150B2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術に従う供給回路には、とりわけ、入力信号での変動及び/又は発光ダイオードの両端の電圧降下での変動が、発光ダイオードの輝度の変動を引き起こしうる出力信号の変動を生じさせうるという欠点がある。
【0005】
本発明は、特に、比較的一定な出力信号を負荷へ供給する供給回路を提供することを目的とする。
【0006】
更に、本発明は、特に、比較的一定の出力信号を負荷へ供給する供給回路を有する装置を提供すること、比較的一定の出力信号を負荷へ供給する方法を提供すること、及び比較的一定の出力信号を負荷へ供給するコンピュータプログラムプロダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、出力信号を負荷へ供給する供給回路は、
トランジスタを有し、入力信号をパルス信号に変換する第1の回路と、
共振回路を有し、前記パルス信号を受信し、前記出力信号を前記負荷へ供給する第2の回路と、
前記入力信号と前記出力信号との間の依存を減らすよう、前記トランジスタを制御する制御信号を発生させる発生器を有し、前記第1の回路を制御する第3の回路と
を有する。
【0008】
前記第1の回路及び前記第2の回路に加えて、前記入力信号と前記出力信号との間の依存が減じられるように前記トランジスタを制御する制御信号を発生させる発生器を有し、前記第1の回路を制御する第3の回路を導入することによって、本発明に従う供給回路は、比較的一定の出力信号を負荷へ供給する。
【0009】
前記入力信号は、他の入力信号を除くことなく、例えば、入力電圧信号を有し、前記出力信号は、他の出力信号を除くことなく、例えば、出力電流信号を有する。
【0010】
本発明に従う供給回路は、更に、例えば出力電圧信号と、例えば出力電流信号との間の依存を減らす。
【0011】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記入力信号を受信する入力部と、前記入力信号に依存し且つ前記出力信号から独立して前記制御信号を供給する出力部とを有する前記第3の回路によって定義される。この実施例は、有利に、前記負荷(二次側)から前記第1の回路(一次側)への不利なフィードバックループの使用を回避する。言い換えると、この実施例は、一次側信号に依存して且つ二次側信号から独立して前記制御信号を供給する。
【0012】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記第3の回路が基準信号を受信する更なる入力部を有し、前記制御信号が、更に、前記基準信号に依存することによって定義される。この実施例は、有利に、前記出力信号が前記基準信号を調整することによって調整されることを可能にする。前記基準信号は、他の基準信号を除くことなく、例えば、基準電流信号を有する。
【0013】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記第3の回路が、前記入力信号及び前記制御信号を掛け合わせる乗算器と、乗算器出力信号に低域通過フィルタをかける低域通過フィルタと、低域通過フィルタ出力信号を低域通過フィルタ出力信号に変換する変換器と、反転された低域通過フィルタ出力信号及び前記基準信号を足し合わせる加算器とを有し、前記発生器が、加算器出力信号を受信する制御器と、制御器出力信号を受信する電圧制御発振器と、電圧制御発振器出力信号を受信し、前記制御信号を生成するモノフロップとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、制御ループを備えた第3の回路を導入する。前記反転された低域通過フィルタ出力電流信号及び前記基準信号の加算は、当然、前記基準信号からの前記低域通過フィルタ出力信号の減算に相当する。他の信号を除くことなく、前記乗算器出力信号は、例えば、乗算器出力電圧信号を有し、前記低域通過フィルタ出力信号は、例えば、前記変換器に入力する前の低域通過フィルタ出力電圧信号を有し、且つ、例えば、前記変換器を通った後の低域通過フィルタ出力電流信号を有し、前記加算器出力信号は、例えば、加算器出力電流信号を有する。
【0014】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が、第1の振幅を有する第1のパルスと、前記第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する第2のパルスと、前記第1の振幅及び前記第2の振幅とは異なる第3の振幅を有するレベルとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、制御オプションの数を増加させる3つの異なった振幅を有するパルス信号を導入する。
【0015】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の振幅が正の振幅を有し、前記第2の振幅が負の振幅を有し、前記第3の振幅が略零の振幅を有することによって定義される。この実施例は、有利に、対称的なパルス信号を導入する。
【0016】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路が第1の基準端子へ結合される第1の主電極及び前記第2の回路の第1の入力へ結合される第2の主電極を有する第1のトランジスタと、該第1のトランジスタの前記第2の主電極へ結合される第1の主電極及び第2の基準端子へ結合される第2の主電極を有する第2のトランジスタと、前記第1の基準端子へ結合される第1の主電極及び前記第2の回路の第2の入力へ結合される第2の主電極を有する第3のトランジスタと、該第3トランジスタの前記第2の主電極へ結合される第1の主電極及び前記第2の基準端子へ結合される第2の主電極を有する第4のトランジスタとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、フルブリッジ構成(Hブリッジ)で4個のトランジスタを有する第1の回路を導入する。
【0017】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路が、前記制御信号を受信する論理回路であって、前記第1のパルスを生成すべく前記第1及び第4のトランジスタを導通状態に至らし且つ前記第2のパルスを生成すべく前記第2及び第3のトランジスタを導通状態に至らし且つ前記レベルを生成すべく前記第1及び第3の又は前記第2及び第4のトランジスタを導通状態に至らすよう前記第1乃至第4のトランジスタの制御電極へ結合される出力を有する論理回路を有することによって定義される。この実施例は、有利に、前記第1及び第3の回路を相互に結合するよう前記第1の回路に論理回路を導入する。
【0018】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が第1の振幅を有する第1のパルスと、前記第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する第2のパルスとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、唯2つの異なった振幅を有するパルス信号を導入する。
【0019】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の振幅が正の振幅を有し、前記第2の振幅が負の振幅を有することによって定義される。この実施例は、有利に、対称的なパルス信号を導入する。
【0020】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路が上記の4トランジスタトポロジを有することによって定義される。この4個のトランジスタは、この場合に、2つの異なった振幅を有するパルス信号のみが導入されるように動作する。この実施例は、有利に、この場合に唯2つの振幅を有するパルス信号を導入するHフルブリッジ構成(Hブリッジ)での4トランジスタを有する第1の回路を導入する。
【0021】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が第4の振幅を有する第3のパルスと、第5の振幅を有するレベルとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、唯2つの異なった振幅を有するパルス信号を導入する。これらの振幅のうちの1つはパルスによって実現され、他はレベルによって実現される。
【0022】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第4の振幅が正の振幅であって、前記第5の振幅が略零の振幅であることによって定義される。この実施例は、有利に、対称的なパル信号を導入する。
【0023】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路が、第1の基準端子へ結合される第1の主電極及び前記第2の回路の第1の入力へ結合される第2の主電極を有する第1のトランジスタと、該第1のトランジスタの前記第2の主電極へ結合される第1の主電極及び第2の基準端子へ結合される第2の主電極を有する第2のトランジスタとを有し、前記第2の基準端子は前記第2の回路の第2の入力へ結合されることで定義される。この実施例は、有利に、ハーフブリッジ構成で2つのトランジスタを有する第1の回路を導入する。
【0024】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路が、前記制御信号を受信する論理回路であって、前記第3のパルスを生成すべく前記第1のトランジスタを導通状態に至らせ且つ前記レベルを生成すべく前記第2のトランジスタを導通状態に至らせるよう前記第1及び第2のトランジスタの制御電極へ結合される出力を有する論理回路を有することによって定義される。この実施例は、有利に、前記第1及び第3の回路を相互に結合するよう前記第1の回路に論理回路を導入する。
【0025】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路がハーフブリッジを有し、前記第3の回路が、Ts≧4τで前記ハーフブリッジを駆動するよう配置されることによって定義される。ここで、τは、前記共振回路の共振周期の半分であり、Tsはスイッチング周期である。
【0026】
望ましくは、本発明に従う供給回路は、前記第1の回路がフルブリッジを有し、前記第3の回路が、オン及びオフ時間=2τ且つTs≧4τでハーフブリッジとして、又はオン+及びオン−時間=2τ且つTs≧4τでフリーホイール状態を有さないフルブリッジとして、又はオン+及びオン−時間=τでのフリーホイール状態並びに全てのパルスに続く長さτ及びTs≧4τのフリーホイール状態を有するフルブリッジとして、前記フルブリッジを駆動するよう配置されることによって定義される。ここで、τは、前記共振回路の共振周期の半分であり、Tsはスイッチング周期である。
【0027】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記共振回路が、変圧器と、該変圧器の一次側へ又は前記変圧器の二次側へ直列に結合されるコンデンサとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、ガルバニック絶縁を提供する変圧器を導入する。場合により、前記第2の回路は、前記変圧器の二次側へ結合される1又はそれ以上のダイオードを備えた整流回路を更に有する。この実施例は、有利に、前記変圧器の漏れインダクタンス(及び/又は別個のインダクタ)と組み合わせて共振回路を形成するコンデンサを更に導入する。
【0028】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記共振回路が、インダクタと、該インダクタの一次側へ又は前記インダクタの二次側へ直列に結合されるコンデンサとを有することによって定義される。この実施例は、有利に、前記インダクタを導入する。このようなインダクタは、変圧器に比べて安価である。場合により、前記第2の回路は、前記インダクタの二次側へ結合される1又はそれ以上のダイオードを備えた整流回路を更に有しても良い。この実施例は、有利に、前記インダクタと組み合わせて共振回路を形成するコンデンサを更に導入する。
【0029】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記負荷が1又はそれ以上の発光ダイオードを有することによって定義される。
【0030】
本発明に従う供給回路の実施例は、AC信号を整流する1又はそれ以上の入力ダイオードを有し、前記入力信号が整流されたAC信号を有することによって定義される。前記AC信号は、他のAC信号を除くことなく、例えば、AC電圧信号を有する。
【0031】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が、前記共振回路(フルブリッジ)の共振周期の半分に略等しいパルス幅を有するパルスを有することによって定義される。
【0032】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が、前記共振回路(フルブリッジ)の共振周波数の半分に略等しいか、又は該半分より小さいパルス周波数を有するパルスを有することによって定義される。
【0033】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記入力信号及び前記パルス周波数の積が略一定であることによって定義される。このように、一定の出力電流信号は、入力電圧信号から独立であるよう生成される。
【0034】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が、前記共振回路(ハーフブリッジ)の共振周期に略等しいパルス幅を有するパルスを有することによって定義される。
【0035】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記パルス信号が、前記共振回路(ハーフブリッジ)の共振周波数に略等しいか、又は該共振周波数より小さいパルス周波数を有するパルスを有することによって定義される。
【0036】
本発明に従う供給回路の実施例は、前記入力信号及び前記パルス周波数の積が略一定であることによって定義される。このように、一定の出力電流信号は、入力電圧信号から独立であるよう生成される。
【0037】
本発明に従う装置並びに本発明に従う方法並びに本発明に従うコンピュータプログラムプロダクト及び/又は本発明に従う媒体の実施例は、本発明に従う供給回路の実施例に対応する。
【0038】
本発明は、とりわけ、入力電圧での変動が、回避されるべき出力電流での変動を引き起こしうるという見識に基づき、更に、とりわけ、前記第1の回路及び前記第2の回路に加えて、入力信号と出力信号との間の依存が減じられるように前記第1の回路を制御する第3の回路が導入されるべきであるという考えに基づく。
【発明の効果】
【0039】
本発明は、とりわけ、比較的一定の出力信号を負荷へ供給する供給回路を提供するという課題を解決し、また、例えば出力電圧信号と例えば出力電流信号との間の依存が減じられる点で更に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の上記及び他の態様は、以下で記載される例から明らかであり、それらにより説明される。
【0041】
図1に示される本発明に従う供給回路は、第1の回路1と、第2の回路2と、第3の回路3とを有する。第1の回路1は、第1及び第2の基準端子15及び16を介して入力電圧信号Uinを生成する電圧源4を有する。第1の回路1は、4個のトランジスタ11〜14を更に有する。第1のトランジスタ11は、第1の基準端子15へ結合される第1の主電極と、第2の回路2の第1の入力20aへ結合される第2の主電極とを有する。第2のトランジスタ12は、第1のトランジスタ11の第2の主電極へ結合される第1の主電極と、第2の基準端子16へ結合される第2の主電極とを有する。第3のトランジスタ13は、第1の基準端子15へ結合される第1の主電極と、第2の回路2の第2の入力20bへ結合される第2の主電極とを有する。第4のトランジスタ14は、第3のトランジスタ13の第2の主電極へ結合される第1の主電極と、第2の基準端子16へ結合される第2の主電極とを有する。第1の回路1は、第3の回路へ及びトランジスタ11〜14の制御電極へ結合される論理回路5を更に有する。この論理回路5については、図3を参照して記載する。
【0042】
第2の回路2は、入力20aと入力20bとの間に、例えば、コンデンサ27、インダクタンス26及び変圧器25の一次側の直列共振回路を有する。インダクタンス26は、通常は、少なくとも部分的に、変圧器25の漂遊インダクタンスによって形成される。第2の回路2は、場合により、且つ変圧器25の二次側へ結合され且つ整流回路を形成する4個の出力ダイオードを更に有する。この整流回路は、更に、平滑コンデンサ28へ及び、例えば、3個の直列な発光ダイオードを有する負荷6へ結合される。
【0043】
図2に示されるAC−DC変換器4、すなわち電圧源4は、更なる整流回路を形成する4個のダイオードへ結合されるAC電圧源45を有する。この更なる整流回路は、更に、更なる平滑コンデンサ46へ結合される。
【0044】
図3に示される論理回路5は、第3の回路3から制御信号s(t)を受信するフリップフロップ51を有する。フリップフロップ51のQ出力は、更に制御信号s(t)を受信するANDゲート52へ結合される。フリップフロップ51の反転Q出力は、更に制御信号s(t)を受信するANDゲート53へ結合される。ANDゲート52の出力は、非反転器52aを介してtdon遅延回路54aへ結合されるとともに、反転器52bを介してtdon遅延回路54bへ結合される。ANDゲート53の出力は、非反転器53aを介してtdon遅延回路55aへ結合されるとともに、反転器53bを介してtdon遅延回路55bへ結合される。各tdon遅延回路54a、54b、55a及び55bは、場合により、トランジスタ11及び12のためのレベルシフタ56並びにトランジスタ13及び14のためのレベルシフタ57を介して、各トランジスタ11〜14の制御電極へ結合される。
【0045】
図4に示される第3の回路3は、入力電圧信号Uin(より一般的には、入力信号又は一次側信号)を受信する入力30aと、入力電圧信号Uinに依存し且つ負荷6を通る出力電流信号から独立して制御信号s(t)を供給する出力30cとを有する。第3の回路3は、基準電流信号を受信する更なる入力30bを更に有し、制御信号s(t)は、更に、この基準電流信号に依存する。それに加えて、第3の回路3は、入力電圧信号Uin及び制御信号s(t)を掛け合わせる乗算器31と、乗算器出力電圧信号に低域通過フィルタをかける低域通過フィルタ32と、低域通過フィルタ出力電圧信号を低域通過フィルタ出力電流信号に変換する変換器33と、反転された低域通過フィルタ出力電流信号及び基準電流信号を足し合わせる加算器34とを有する。発生器35〜37は、加算器出力電流信号を受信する制御器35と、制御器出力信号を受信する電圧制御発振器36と、電圧制御発振器出力信号を受信し、制御信号s(t)を生成するモノフロップ(monoflop)37とを有する。
【0046】
図5には、制御信号s(t)及び結果として得られるパルス信号U1(t)が示される。パルス信号U1は、第1の振幅+Uinを有する第1のパルスと、第1の振幅とは異なる第2の振幅−Uinを有する第2のパルスと、第1及び第2の振幅とは異なる第3の振幅0を有するレベルとを有する。望ましくは、第1の振幅は正の振幅であり、第2の振幅は負の振幅であり、第3の振幅は略零の振幅である。
【0047】
図6には、パルス信号U1(t)の関数としての、第2の回路2の変圧器25の一次側を通る電流I1(t)及び第2の回路2のコンデンサ27の両端にかかる電圧Uc(t)が示される。
【0048】
図7には、パルス信号U1(t)の関数としての、(整流器後の)第2の回路2の変圧器25の二次側を通る電流ID(t)及び負荷6を通る電流Ioutが示される。
【0049】
図8に示される本発明に従う装置10は、第1、第2及び第3の回路1〜3と、負荷6と、この場合に第1の回路1の外部に配置された電圧源4とを有する。
【0050】
図9には、制御信号s(t)と、個々の制御信号f1(ANDゲート53の出力)及びf2(ANDゲート52の出力)と、それらの制御信号から論理回路5によって導出され且つ個々のトランジスタ11〜14に入力される制御信号T1〜T4(tdon遅延回路54a、54b、55a、55bの出力)とが示される。
【0051】
一般に、発光ダイオード又はLEDのための制御方式及びガルバニック絶縁ドライバトポロジが作られている。入力電圧Uinは、非安定化DC電圧でありうる。ドライバは、トランジスタのHブリッジ11〜14と、変圧器25と、直列コンデンサ27と、ダイオードブリッジ21〜24と、平滑出力コンデンサ28とから成る。出力において、LEDの直列接続が設けられる。
【0052】
変圧器25は、ガルバニック絶縁に寄与し、例えば、300ボルトから30ボルトまでの電圧レベルに適応しうる。共振トポロジは、変圧器25の漂遊インダクタンス26と、直列コンデンサ27とによって形成される。このようにして、変圧器25の寄生漏れインダクタンスは、ドライバの一部でありうる。例えば、フォワード又はフライバックトポロジのような、パルス幅変調に基づく変換器とは逆に、ここでは、漏れインダクタンスは最小限にされる必要はない。このことは絶縁及び巻線設計に関して有利であり、従って、それは費用を低いままとする。
【0053】
第3の回路3及び論理回路5の制御により、一定のパルス幅を有して交互にされる正及び負の電圧パルスが発生する。これらの電圧パルスの間で、Hブリッジ11〜14は、設定可能な時間の間、フリーホイール状態のままであるべきである。従って、出力は繰り返し周波数によって制御される。回路の共振周波数が電圧パルスの幅に適切に適合する場合であって、且つ、LEDの数が回路の動作電圧範囲を満たす場合には、理想的なLED供給ドライバは、以下の特性を示すよう作られている。
・ ドライバ内の電流は正弦関数となり、それはスイッチング時に零である。このことは、スイッチング損失を回避し、EMIを最小限とする。
・ LEDの平均電流は、ドライバのDC入力電圧及び動作周波数に比例する。このことは、LEDの電圧降下が、大きな負荷範囲にわたって電流に影響を及ぼさないことを意味する。DC入力電圧×周波数の積が一定に保たれる場合には、LEDの平均電流も同様に一定である。更に、LED電流は、公称値から零へと変更され得る。
・ LEDドライバシステムは、二次(LED)側で、センサも、制御ユニットも必要としない。
・ LEDパラメータの変化は、LEDの電流に影響を及ぼさない。これは、また、単一のLEDの短絡回路を含む。全てのLEDの全体的な電圧降下は、33%から100%の間で変化しうる。
・ 公称の出力電圧は、変圧器25の巻線比によって設定され得る。
・ 照明システムは、主電源供給(mains supply)に極めて適する。
・ 調光機能は、容易に組み込まれ得る。
・ 電力及び制御ユニットは、小電力ICに内蔵され得る。
【0054】
より具体的には、如何なる非安定化DC電圧Uinも、ドライバに給電するために使用され得る。この電圧は、更なるダイオードブリッジ41〜44及び更なる平滑コンデンサ46を用いることによって、AC主電源(mains)から生成され得る。ドライバの電力部分は、4個のトランジスタ11〜14によって実現されるHブリッジから成る。これらのトランジスタは、論理回路5を介して第3の回路3によって制御される。電圧レベルシフタは、トランジスタ11〜14の制御電極と論理回路5との間のインターフェースとして使用され得る。
【0055】
Hブリッジ11〜14の出力端子は、直列コンデンサ27を介して変圧器25の一次巻線へ接続される。変圧器25の二次巻線は、ダイオードブリッジ21〜24に給電する。このダイオードブリッジ21〜24は変圧器25からのAC電圧を整流し、平滑コンデンサ28は、出力電圧Uoutを平滑化するために使用される。任意の個数のLEDの直列接続は、出力電圧Uoutによって給電される。
【0056】
直列コンデンサ27及び変圧器25の漂遊インダクタンス26は、共振周波数fres=(2π)−1(L26/C27−1/2=(Tres)−1を有し且つ共振インピーダンスZres=(L26/C27−1/2を有する直列共振回路を形成する。Hブリッジ11〜14は、交互に正及び負の電圧パルス(+Uin又は−Uin)を生成する。正の電圧パルスは、トランジスタ11及びトランジスタ14がオン状態にある場合に生じ、一方、負の電圧パルスは、トランジスタ12及び13をオンするよう設定され得る。電圧パルスの間で、Hブリッジ11〜14はフリーホイール経路をもたらす。これは、トランジスタ11及び13をオンすることによって又はトランジスタ12及び14をオンすることによって行われ得る。望ましくは、正及び負のパルスの時間幅tonは、他の設定を除くことなく、共振周期ton=Tres/2に等しく設定される。
【0057】
パルス幅tonが一定である場合に、周波数fsは、制御パラメータとして使用され得る。その最大値は、fmax=fres/2に制限される必要がある。図5は、制御する第3の回路3の内部で生成される基本スイッチング関数s(t)とともに、Hブリッジ11〜14の特性出力電圧波を示す。
【0058】
公称の出力電圧Uoutは、直列に接続されるLEDの数及びそれらの電圧降下によって決定され得る。それは、電圧範囲N2Uin/(3N1)<Uout<N2Uin/N1の範囲内にある。ここで、N2は変圧器25の二次巻線を表し、N1は変圧器25の一次巻線を表す。条件が満たされる場合には、2つの連続する正弦半波電流パルスは、電圧パルスごとにHブリッジ11〜14から取り出される。対応する電流I1(t)は、ある動作点に関して図6に表される。更に、この図は、また、直列コンデンサ27で結果として得られる電圧Uc(t)を表す。
【0059】
磁化電流を無視すると、変圧器25の二次電流は、一次電流に比例する(I2=I1N1/N2)。二次変圧器電流I2は、図7に示されるID(t)=|I2(t)|を有して、ダイオードブリッジ21〜24によって整流される。平滑コンデンサ28のために、DC出力電流は負荷6を流れ、それは、整流された二次電流Iout=IDrectifiedの平均値に等しい。
【0060】
出力電流、ひいてはLED電流は、周波数及び入力電圧に比例する(Iout=2UinN1fs/(ZresπN2fres))。入力電圧Uinは主電源電圧とともに変化するために、更に、小さな更なる平滑コンデンサ46によって引き起こされる電圧リップルのために、周波数fsは、Uin及びfsの積、ひいては出力電流Ioutが比較的一定で保たれるように適合され得る。
【0061】
これは、他の回路を除くことなく、第3の回路3によって達成され得る。最初のステップで、スイッチング関数s(t)及び入力DC電圧Uinによって生成されるべき符号なし電圧パルスは、(例えば、RC回路網によって、)低域通過フィルタをかけられる。結果として得られるDC電圧は、電圧周波数の積に比例する。この電圧は、変換器33を介して電流に変換され、基準電流Irefと比較される。その差は、制御器35を介して動作周波数fsを設定する。それに加えて、制御器35は、電圧制御発振器36を制御する。電圧制御発振器36は、fsを生成し、モノフロップ37をトリガする。モノフロップ37は、パルス幅ton等を有するパルスを有する制御信号s(t)を生成する。望ましくは、しかし排他的ではなく、ton=1/(2fres)である。ターンオン遅延回路54a、54b、55a、55bは、Hブリッジ11〜14の短絡を防ぐよう時間遅延tdonを導入する。
【0062】
可能な変形は、以下の通りである。
・ MOSFETに代えて、如何なる他のトランジスタ技術が使用されても良い。
・ LEDに並列に接続される平滑コンデンサ28は、省略されても良い。これは、平均電流に影響を及ぼすことなく、LEDのRMS及び電流を増大させる。
・ Hブリッジ11〜14のフリーホイール経路は、常に、トランジスタ12及び14をオンすることによって実現され得る。この場合に、上側のトランジスタ11及び13のターンオン時間は、一定のパルス幅tonに制限される。これは利点である。
・ 直列コンデンサ27は、また、二次変圧器側に挿入されても、あるいは、両側で使用されても良い。
・ 入力整流器は、PFC整流器回路によって実現されても良い。
・ ドライバは、変圧器25を用いずに、例えば、共振トポロジを形成する直列チョークのようなインダクタを用いて実現されても良い。
・ フルブリッジ出力整流器21〜24は、また、2つのダイオードを節約し且つダイオード順方向導通損失を減らすという利点を伴って(しかし、二次巻線を必要とし、且つ、ことによると、正及び負の変圧器入力電圧に関して非対称のLEDピーク電流がもたらされるという代償を払って)、分割出力巻線及び唯2つのダイオードの組み合わせによって置換されても良い。
【0063】
本発明は、LEDの形又はLEDではない形での負荷を伴う他の用途を除くことなく、ウォールフラッディング(wall flooding)、LCDバックライティング及び一般的な照明のために使用され得る。
【0064】
図10に示される本発明に従う供給回路は、電源Voへ結合される第1のトランジスタ111及び第2のトランジスタ112の直列トランジスタ回路を有するハーフブリッジを備えた第1の回路101を有し、更に、例えば、コンデンサ127及びインダクタ126の直列共振回路を備えた第2の回路102を有する。直列共振回路の一方の側は、直列トランジスタ回路の共有点へ結合され、他方の側は、第1及び第2の(逆並列の)ブランチへ結合される。第1(第2)のブランチは、コンデンサ128A(128B)及び、例えば、直列結合されたLED106A(106B)の並列回路へ結合されるダイオード121A(121B)を有する。
【0065】
代替的に、ハーフブリッジは、例えば、ハーフブリッジモードにあるフルブリッジによって置換され得る。更に代替的に、インダクタ126は、その一次側がコンデンサ127へ結合され、その二次側がブランチへ結合される変圧器によって置換されても良い。
【0066】
図11に示される本発明に従う供給回路は、電源Voへ結合される第1のトランジスタ111及び第2のトランジスタ112の直列トランジスタ回路を有するハーフブリッジを備えた第1の回路101を有し、更に、例えば、コンデンサ127及びインダクタ126の直列共振回路を備えた第2の回路102を有する。直列共振回路の一方の側は、直列トランジスタ回路の共有点へ結合され、他方の側は、第1及び第2の(逆並列の)ブランチへ結合される。第1(第2の)ブランチは、コンデンサ128C(128D)へ結合されるダイオード121C(121D)の第1(第2)の直列ダイオード−コンデンサ回路を有する。直列ダイオード−コンデンサ回路の共有点は、例えば、直列結合されたLED106Cを介して、互いへ結合される。これは、2コンデンサ構成を備えた電圧ダブラーである。
【0067】
図12に示される本発明に従う供給回路は、図10及び11で既に論じられた、電源Voへ結合された第1のトランジスタ111及び第2のトランジスタ112の直列トランジスタ回路を有するハーフブリッジを有し、更に、例えば、図10及び11で既に論じられた、コンデンサ127及びインダクタ126の直列共振回路を有する。直列共振回路の一方の側は、コンデンサ128Eへ結合される。コンデンサ128Eは、ダイオード121Eの陽極へ及びダイオード121Fの陰極へ結合される。これらのダイオード121E〜121Fは、更に、例えば、直列結合されたLED106Eへ結合される。これは、1コンデンサ構成を備えた電圧ダブラーである。
【0068】
図13に示される本発明に従う供給回路は、図11及び12に示される供給回路に相当する。ただし、電圧ダブラー構成は、コックロフト・ウォルトン構成によって置換されている。
【0069】
図14には、時間の関数としての、第1の回路101によって供給される電圧Vin及びコンデンサ127の両端にかかる電圧Vcが示される。図15には、時間の関数としてのインダクタ126を通る電流が、インダクタ126及びコンデンサ127の共振周期の2倍に等しいスイッチング周期に関して示される。図20には、電圧Vin、インダクタ126を通る電流及び平均電流Io1が、インダクタ126及びコンデンサ127の共振周期の2倍よりも大きいスイッチング周期に関して示される。
【0070】
そのトポロジは、例えば、共振において又は共振を下回って直列タンク及び整流器負荷ブランチを駆動するハーフブリッジの組み合わせでありうる。それによって、トポロジは、例えば、入力電圧及びスイッチング周波数の両方が一定であって、出力電流が知られる場合に、電圧−電流変換器のように動作し、駆動する一定の電流負荷のための更なるシャントは必要とされず、零電流スイッチングが達成され、共振動作モードは、受動部品の容量を減らすためにスイッチング周波数を増大させることを可能にし、トポロジは変圧器を用いても又は用いなくとも動作可能であり、それは、特有の短絡保護を有し、変圧器を用いた解決法のための内蔵の磁石を有して、これによって、変圧器の漏れインダクタンスが直列タンクインダクタとして使用され得、それは、ACバスを可能にするよう低EMIを有した正弦タンク電流を有することができ、クロスレギュレーション(cross regulation)を必要とせず、故に、すなわち、1つの出力ブランチでの負荷変動は出力での電流に影響を及ぼさず、潜在的な余分の電圧保護が存在し、それは、(一体化のために重要な)変圧器を用いずに出力電圧振幅を増大させるよう電圧乗算器を駆動するために使用され得る。
【0071】
図10〜15で、VoはDC入力電圧を表し、111及び112は、例えば、ハーフブリッジのMOSFETであり、127及び126は、例えば、直列共振タンク素子であり、121は出力整流器ダイオードであり、106は、例えばLEDの負荷列である。
【0072】
図10、14及び15を考慮して、定常状態のために、応答は、2つのサブインターバルを有する2つの状態に分けられ得る。この2つの状態は、I)121Aはオンであり且つ121Bはオフであること(状態I)及びII)121Aはオフであり且つ121Bはオンであること(状態II)によって定義される。図14及び15で定義されるサブインターバル1、2、3、4は、同じ長さ、すなわちt1=t2=t3=t4=τを有することができる。ここで、τは共振周期を表す(τ=π×√(L1×C1))。スイッチング周期Tsは、4τ又はそれよりも大きいように選択され得る。両状態のために差動回路方程式を定めると、連続性及び周期性を観測することで、関係のある電流が条件付けられ、電圧は分析的に計算され得る。重要なのは、状態ごとの、両方の負荷ブランチにおける1スイッチング周期Ts=1/fsに対する平均電流の関係である。すなわち、iav=iavII=2/π×Vo/Zo×fs/fresである。ここで、Zo=√(L1/C1)である。
【0073】
この式は、平均出力電流が、入力DC電圧Vo及びスイッチング周波数fsの積に比例することを示す。
【0074】
Voが一定である場合には、負荷を通る電流も同様に一定である。負荷及びクロスレギュレーションの誤差でさえ零である。これは、すなわち、1つのブランチでの電圧変化が、そのブランチ又は他のブランチのいずれの電流にも影響を及ぼさないことを意味する。入力電圧が変化する場合には、スイッチング周波数は、Vo及びfsの積、ひいては電流が、同様に、比較的一定に保たれるように適合され得る。これは、図17及び18に示されており、以下で論じられる。故に、例えば、ハーフブリッジ・トポロジは、理想的な電圧−電流変換器のように動作する。他の重要な側面は、一定の出力電力に対するピーク負荷電流である。変換器は共振時に発振し、スイッチング周期は4πであるから、状態ごとに2つの局所的な電流ピークが存在する。すなわち、ipkl=|−0.5×(Vo−Vout1+Vout2)/Zo|及びipk2=|−0.5×(Vo+Vout1−Vout2)/Zo|である。両ピークが平衡状態であることが好ましい。すなわち、所与の電力(平気電流)に対するピーク電流ストレスが最小であるように、両ピークがおおよそ同じ大きさであることが好ましい。本発明に従う変換器のピーク電流に関する両方の発現を観測すると、両方の値は、出力電圧Vout1、Vout2がVoと比較して小さい場合に平衡状態にあることが分かる。これは、提案される変換器が、ほんの数個のLEDが直列に接続されるところの高電力ダイオードのように、小さな供給電圧を伴う用途に申し分なく適することを暗示する。
【0075】
図16には、時間の関数としての、異なる状況A〜Fに関する電圧及び電流が示される。例えば、Vout<<Voに関する。A:零状態を有さない入力電圧フルブリッジ、B:入力電圧ハーフブリッジ、C:零状態を有する入力電圧フルブリッジ、D:零状態を有さないダイオード電流フルブリッジ、E:ダイオード電流ハーフブリッジ、及びF:零状態を有するダイオード電流フルブリッジ。
【0076】
図17には、時間の関数としての、異なる状況A〜Cに関する電流が示される(クロスレギュレーション)。そのブランチで出力電圧を変化させるダイオードを備えたブランチにおける電流及び平均電流は、平均電流が一定であることを示す。負荷パラメータはld=0、0.5、1である。ここで、Vout1=ld×Vout、Vout2=Vout、Vout=48V、Vin=100Vである。
【0077】
図18には、時間の関数としての、異なる状況A〜Cに関する電流が示される(1のグラフにおいて全て)。他のブランチで出力電圧を変換させるブランチにおける電流及び平均電流は、平均電流が一定であることを示す。負荷パラメータはld=0、0.5、1である。ここで、Vout1=ld×Vout、Vout2=Vout、Vout=48V、Vin=100Vである。
【0078】
故に、例えば、直列共振タンク及び整流された出力を有するハーフブリッジ・トポロジは、例えば二重の一方向整流を有して且つ例えばTs≧4τで駆動されるコンデンサ−ダイオード電圧乗算器を有して、作られている。ここで、τ=π×√(L×C)である。代替的に、可変駆動を有するフルブリッジは、このフルブリッジがハーフブリッジとして(オン及びオフ時間:2τ、Ts≧4τ)又はフリーホイール状態を有さないフルブリッジとして(オン+及びオン−時間:2τ、Ts≧4τ)又はフリーホイール状態を有するフルブリッジとして(オン+及びオン−時間=τ、フリーホイール状態=全てのパルスの後に続くτ、Ts≧4τ)駆動される。言い換えると、図10〜13に図示されないが、第3の回路は、入力信号と出力信号との間の依存を減らすよう、上述された4通りの駆動方式のうちの1又はそれ以上に従ってブリッジを駆動するために使用され得る。
【0079】
図19に示される本発明に従う供給回路は、第1の回路201と、第2の回路202と、第3の回路203とを有する。第1の回路201は、第1及び第2の基準端子215及び216を介して入力電圧信号Uinを生成する電圧源204を有する。第1の回路201は、2個のトランジスタ211〜212を更に有する。第1のトランジスタ211は、第1の基準端子215へ結合される第1の主電極と、第2の回路202の第1の入力220aへ結合される第2の主電極とを有する。第2のトランジスタ212は、第1のトランジスタ211の第2の主電極へ結合される第1の主電極と、第2の基準端子216へ結合される第2の主電極とを有する。第2の基準端子216は、更に、第2の回路202の第2の入力220bへ結合される。第1の回路201は、第3の回路203へ及びトランジスタ211〜212の制御電極へ結合される論理回路205を更に有する。この論理回路205は、例えば、上述された論理回路5の一部と同一である。第2の回路202は、例えば、上述された第2の回路2と同一である。
【0080】
図20には、Vin、インダクタ126を通る電流及び平均電流Io1が、インダクタ126、127の共振周期の2倍より大きいスイッチング期間に関して示される。T=スイッチング周波数、ton=Tresである。ここで、Tres=共振周期である。
【0081】
この図20は、T>2×Tresに関するタイミングを示す。ここで、ton=Tres及びToff>Tresである。最小タイミングはT=2×Tresである。ここで、ton=Tres及びToff=Tresである(図14〜15を参照。)。
【0082】
要約すると、入力電圧信号をパルス信号に変換するトランジスタ11〜14、111〜112、211〜212を有する第1の回路1、101、201と、パルス信号を受け取って、出力電流信号を負荷6、106、206へ供給する共振回路有する第2の回路2、102、202とを有し、出力電流信号を負荷6、106、206へ供給する供給回路は、第1の回路1、101、201を制御する第3の回路3、203を設けられる。この第3の回路3、203は、入力電圧信号と出力電流信号との間の依存を減らすよう、トランジスタ11〜14、111〜112、211〜212を制御する制御信号を生成する発生器35〜37を有する。第3の回路3、203は、入力電圧信号に依存し且つ出力電流信号から独立して、制御信号を供給する。トランジスタ11〜14、111〜112、211〜212は、フルブリッジ、ハーフブリッジモードで動作するフルブリッジ、又はハーフブリッジを形成することができる。
【0083】
“比較的に(relatively)”及び“実質的に、略(substantially)”のような語は、30%、望ましくは20%、更に望ましくは10%、最も望ましくは1%の最大偏差を定義する。言い換えると、このような語は、70〜130%、望ましくは80〜120%、更に望ましくは90〜110%、最も望ましくは99〜101%の間隔を定義する。
【0084】
留意すべきは、上記の実施例は、本発明を限定しているのではなく、説明しており、当業者は、添付の特許請求の範囲の適用範囲を逸脱することなく、多数の代替の実施例を設計することができる点である。特許請求の範囲で、括弧内の如何なる参照符号も、請求項を限定するよう解釈されるべきではない。動詞“有する(comprise)”及びその活用形の使用は、請求項に挙げられた以外の要素又は段階の存在を除外しているわけではない。要素の前にある冠詞“1つの(a又はan)”は、このような要素の複数個の存在を除外しているわけではない。本発明は、幾つかの個別の要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施され得る。幾つかの手段を列挙する装置クレームでは、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの同一の事項によって具現され得る。ある方策が相互に異なる請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に使用され得ないことを示しているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1乃至第3の回路を有する本発明に従う供給回路を図式的に示す。
【図2】AC−DC変換器を図式的に示す。
【図3】第1の回路用の論理回路を示す。
【図4】第3の回路をより詳細に示す。
【図5】制御信号及び結果として得られるパルス信号を示す。
【図6】第2の回路の変圧器の一次側を通る電流及び第2の回路のコンデンサの両端にかかる電圧をパルス信号の関数として示す。
【図7】第2の回路の変圧器の二次側を通る電流及び負荷を通る電流をパルス信号の関数として示す。
【図8】本発明に従う装置を示す。
【図9】制御信号及びそれから論理回路によって導出され且つ個々のトランジスタに入力される個々の制御信号を示す。
【図10】本発明に従う他の供給回路を図式的に示す。
【図11】本発明に従う他の供給回路を図式的に示す。
【図12】本発明に従う他の供給回路を図式的に示す。
【図13】本発明に従う他の供給回路を図式的に示す。
【図14】第1の回路によって供給される電圧及びコンデンサの両端にかかる電圧を時間の関数として示す。
【図15】インダクタを通る電流を時間の関数として示す。
【図16】異なる状況A〜Fに関する電圧及び電流を時間の関数として示す。
【図17】異なる状況A〜Cに関する電流を時間の関数として示す。
【図18】異なる状況A〜Cに関する電流を時間の関数として示す。
【図19】本発明に従う他の供給回路を図示的に示す。
【図20】スイッチング周期に間の電流及び電圧を時間の関数として示す(Ts>4τ(τ=共振周期の半周期))。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力信号を負荷へ供給する供給回路であって、
トランジスタを有し、入力信号をパルス信号に変換する第1の回路と、
共振回路を有し、前記パルス信号を受信し、前記出力信号を前記負荷へ供給する第2の回路と、
前記入力信号と前記出力信号との間の依存を減らすよう、前記トランジスタを制御する制御信号を発生させる発生器を有し、前記第1の回路を制御する第3の回路と
を有する供給回路。
【請求項2】
前記第3の回路は、
前記入力信号を受信する入力部と、
前記入力信号に依存し且つ前記出力信号から独立して、前記制御信号を供給する出力部と
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項3】
前記第3の回路は、基準信号を受信する更なる入力部を有し、
前記制御信号は、更に、前記基準信号に依存する、請求項2記載の供給回路。
【請求項4】
前記第3の回路は、
前記入力信号及び前記制御信号を掛け合わせる乗算器と、
乗算器出力信号に低域通過フィルタをかける低域通過フィルタと、
低域通過フィルタ出力信号を低域通過フィルタ出力信号に変換する変換器と、
反転された低域通過フィルタ出力信号及び前記基準信号を足し合わせる加算器と
を有し、
前記発生器は、
加算器出力信号を受信する制御器と、
制御器出力信号を受信する電圧制御発振器と、
電圧制御発振器出力信号を受信し、前記制御信号を生成するモノフロップと
を有する、請求項3記載の供給回路。
【請求項5】
前記パルス信号は、
第1の振幅を有する第1のパルスと、
前記第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する第2のパルスと、
前記第1の振幅及び前記第2の振幅とは異なる第3の振幅を有するレベルと
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項6】
前記パルス信号は、
第1の振幅を有する第1のパルスと、
前記第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する第2のパルスと
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項7】
前記パルス信号は、
第4の振幅を有する第3のパルスと、
第5の振幅を有するレベルと
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項8】
前記共振回路は、
変圧器と、
前記変圧器の一次側へ又は前記変圧器の二次側へ直列に結合されるコンデンサと
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項9】
前記共振回路は、
インダクタと、
前記インダクタの一次側へ又は前記インダクタの二次側へ直列に結合されるコンデンサと
を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項10】
前記負荷は、1又はそれ以上の発光ダイオードを有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項11】
AC信号を整流する1又はそれ以上の入力ダイオードを有し、
前記入力信号は、整流されたAC信号を有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項12】
前記パルス信号は、前記共振回路の共振周期の半分に略等しいパルス幅を有するパルスを有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項13】
前記パルス信号は、前記共振回路の共振周波数の半分に略等しいか、又は該半分より小さいパルス周波数を有するパルスを有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項14】
前記入力信号及び前記パルス周波数の積は略一定である、請求項13記載の供給回路。
【請求項15】
前記パルス信号は、前記共振回路の共振周期に略等しいパルス幅を有するパルスを有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項16】
前記パルス信号は、前記共振回路の共振周波数に略等しいか、又は該共振周波数より小さいパルス周波数を有するパルスを有する、請求項1記載の供給回路。
【請求項17】
前記入力信号及び前記パルス周波数の積は略一定である、請求項16記載の供給回路。
【請求項18】
請求項1記載の供給回路を有し、前記負荷を更に有する装置。
【請求項19】
出力信号を負荷へ供給する方法であって、
トランジスタを有する第1の回路を介して、入力信号をパルス信号に変換する段階と、
共振回路を有する第2の回路を介して、前記パルス信号を受信し、前記出力信号を前記負荷へ供給する段階と、
前記入力信号と前記出力信号との間の依存を減らすよう、前記トランジスタを制御する制御信号を発生させる発生器を有する第3の回路を介して、前記第1の回路を制御する段階と
を有する方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法の段階を実行するコンピュータプログラム、及び/又は該コンピュータプログラムを記憶する媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−529312(P2009−529312A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557867(P2008−557867)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050681
【国際公開番号】WO2007/102106
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】