説明

価格比較支援システム、価格比較支援サーバおよび価格比較支援用プログラム

【課題】実店舗において商品を購入しようとする購入者が、納得のゆく価格で希望商品を購入することができるように価格交渉を支援する価格比較支援システムを提供する。
【解決手段】価格比較支援サーバと通信端末とからなるシステムである。通信端末は、使用者の指示操作に応じて、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を取得して、商品の識別情報を取得するための情報または商品の識別情報と共に、通信ネットワークを通じて価格比較支援サーバに送出する。価格比較支援サーバは、通信端末から送られてくる価格交渉情報を価格交渉情報格納部に格納する。価格比較支援サーバは、通信端末からの商品価格の問い合わせ要求に対して、価格交渉情報格納部から、要求された商品の価格交渉情報を抽出して、通信端末に回答情報として送出し、通信端末のユーザの、店舗における価格交渉の利用に供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗での価格交渉に有効な価格比較支援システムに関する。また、この発明は、当該価格比較支援システムに用いられる価格比較支援サーバおよび価格比較支援用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に商品を購入しようとする者は、同じ商品であれば、できるだけ安価に購入することを欲する。このことを踏まえ、商品の販売者側は、広告や店舗において、「在庫限り」、「展示品処分」、「感謝セール」、「訳あり」、など商品の安さをアピールする文言を駆使して、商品購入者の購買意欲を誘うようにしている。
【0003】
しかしながら、実際に商品を購入しようとする際に、他店と比較して安いかどうかがわからない場合が多い。
【0004】
一方、インターネット上では、ネットオークションや通信販売等により、商品の売買がなされており、インターネットのこれらのネットオークションや通信販売のwebサイトから販売価格の情報を収集することにより、購買対象となる商品のおおよその価格を知ることができる(例えば特許文献1(特開2008−52672号公報)参照)。
【0005】
しかしながら、インターネット上のネットオークションや通信販売等では、購買対象の商品を目で見て確かめられず、また、送料や代引き手数料、個人情報流出、アフターサービスの面で不安があり、実店舗で販売員の説明を受けて購入するという人は多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−52672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実店舗で販売員の説明を受けて商品を購入する場合に、できるだけ安価に商品を手に入れるためには、従来は、購入者自身が、複数の店舗を回り、各店舗での購入対象商品の価格を知得して比較する必要があり、手間と時間がかかる問題があった。
【0008】
また、他店の価格や、値引き交渉をした結果を口頭で伝えても、それに応じない販売員も多い。
【0009】
さらに、価格の値引き交渉が苦手な人も多く、そのような人は、店舗での店頭価格そのままや、販売員の言い値で購入してしまう結果となる場合も多い。
【0010】
この発明は、以上の問題点を回避しながら、実店舗において商品を購入しようとする購入者が、納得のゆく価格で希望商品を購入することができるように支援する価格比較支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、この発明は、
通信ネットワークに接続される価格比較支援サーバと、この価格比較支援サーバと前記通信ネットワークを通じて接続される通信端末とからなる価格比較支援システムであって、
前記通信端末は、
商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報から取得された前記商品の識別情報を含む商品の価格の問い合わせ要求を、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する問い合わせ要求送出手段と、
使用者の指示操作に応じて、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を取得して、前記商品の識別情報を取得するための情報または前記商品の識別情報と共に、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する価格交渉情報送出手段と、
前記価格比較支援サーバからの回答情報を、前記通信ネットワークを通じて受信し、前記識別情報で特定される商品の前記価格交渉情報を構成する音声情報および/または画像情報を再生して呈示する呈示手段と、
を備え、
前記価格比較支援サーバは、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる前記商品の価格の問い合わせ要求を受信する問い合わせ要求受信手段と、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる前記価格交渉情報を、前記商品の識別情報に対応付けて格納する価格交渉情報格納部と、
前記問い合わせ要求受信手段で受信した前記問い合わせ要求の情報から前記商品の識別情報を取得し、前記価格交渉情報格納部から、前記識別情報で特定される前記価格交渉情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出する回答情報送出手段と、
を備えることを特徴とする価格比較支援システムを提供する。
【0012】
通信端末は、使用者の指示操作に応じて、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を取得して、商品の識別情報を取得するための情報または商品の識別情報と共に、通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する。
【0013】
価格比較支援サーバは、通信端末から通信ネットワークを通じて送られてくる、販売店での価格交渉情報を取得して、その価格交渉情報を商品の識別情報に対応付けて価格交渉情報格納部に格納する。
【0014】
通信装置は、この希望商品の識別情報を取得するための情報を受け付けると、当該商品の識別情報を取得するための情報を含む価格問い合わせ要求を、価格比較支援サーバに送る。
【0015】
価格比較支援サーバは、この価格交渉情報を、商品の識別情報に対応付けて、価格交渉情報格納部に格納する。そして、価格比較支援サーバは、通信装置から問い合わせ要求を受信すると、その問い合わせ要求に含まれる情報から商品の識別情報を取得し、価格交渉情報格納部から、その識別情報で特定される商品の価格交渉情報を抽出して、通信端末に回答情報に含めて通信ネットワークを通じて送出する。
【0016】
通信装置は、この価格比較支援サーバからの回答情報を受信し、商品の識別情報で特定された価格交渉情報を再生して、表示画面に表示したり、スピーカで音響再生したりして呈示する。
【0017】
この通信装置を所持しているユーザは、この価格交渉情報の再生画像や、再生音声を、店舗の販売員に呈示することで、販売員と値引き交渉ができる。すなわち、値引き交渉が苦手なユーザであっても、この表示画面に表示されている価格交渉情報を販売員に見せることにより、値引き交渉を行うことができ、便利である。
【0018】
すなわち、この価格交渉情報には、他のユーザが店舗での交渉の結果として獲得した安い価格の情報や、その安い価格を取得する交渉過程の情報が含まれる。この場合に、ユーザは、その価格交渉情報を用いて販売員との価格交渉をする場合に、他のユーザが他店での交渉の結果取得した価格を呈示しながら当該店舗での価格交渉をすることできて、納得できる価格となるように、販売員と値引き交渉をすることができ、最安値で商品を購入することができる機会も多くなると期待できる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、この発明による価格比較支援システムを構成する通信装置を用いることにより、値引き交渉が苦手なユーザであっても容易に値引き交渉をすることができると共に、ユーザは、価格の客観的な評価を行うことができて、納得できる価格あって、最安値で商品を購入することができる機会も多くなると期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明による価格比較支援システムの実施形態の全体の概要を示す図である。
【図2】この発明による価格比較支援サーバの実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の実施形態の価格比較支援サーバの一部の構成を説明するための図である。
【図4】図2の実施形態の価格比較支援サーバの他の一部の構成を説明するための図である。
【図5】この発明による価格比較支援システムの実施形態で用いられる通信端末の構成例のブロック図である。
【図6】図2の実施形態の価格比較支援サーバの処理動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図7】図2の実施形態の価格比較支援サーバの処理動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図8】図2の実施形態の価格比較支援サーバの処理動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図9】この発明による価格比較支援システムの実施形態で用いられる通信端末の処理動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図10】この発明による価格比較支援システムの実施形態で用いられる通信端末の処理動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明による価格比較支援システムの実施形態を、図を参照しながら説明する。図1は、この実施形態の価格比較支援システムの全体の構成例を示す図である。
【0022】
この図1に示すように、この実施形態の価格比較支援システムは、価格比較支援サーバ1と、各ユーザが備える通信装置2とからなり、これら価格比較支援サーバ1と通信装置2との間は通信ネットワーク3を通じて接続される構成となっている。この実施形態では、通信装置2は、例えばいわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末で構成されている。通信ネットワーク3は、インターネット3Iと、携帯電話網3Kとを含むものとされる。
【0023】
価格比較支援サーバ1は、インターネット3Iに接続されている。そして、価格比較支援サーバ1は、ロボット検索機能を備え、このインターネット3Iに接続されているwebサイトである、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイト7から、多種多様の商品の価格情報のそれぞれを、各商品の識別情報と対応付けて、取得する機能を備えている。なお、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイト7は、図1では、それぞれ1個ずつ示したが、実際的には、それぞれ複数個ずつのサイトがインターネット3Iに接続されていることは言うまでもない。
【0024】
すなわち、価格比較支援サーバ1は、価格比較サイト4や通販サイト5を、所定時間毎、あるいは所定日数毎に、アクセスして、横断的にロボット検索を行って、各商品毎の通販価格の価格関連情報を収集し、その収集した価格関連情報を格納部に格納する、あるいは、取得した価格関連情報により、格納部に格納されている価格関連情報を更新する。なお、この実施形態では、通販サイト5から収集する価格関連情報は、商品の価格が「店頭同価」となっているもののみとする。この実施形態の価格比較支援は、店舗での価格交渉のためのものであるからである。
【0025】
また、価格比較支援サーバ1は、チラシサイト6を、所定時間毎、あるいは所定日数毎に、アクセスして、横断的にロボット検索を行って、チラシに掲載されている店舗価格を含む価格関連情報を収集し、その収集した価格関連情報を、各商品の識別情報に対応付けて、収集価格関連情報格納部に格納する、あるいは、取得した価格関連情報により、収集価格関連情報格納部に格納されている価格関連情報を更新する。
【0026】
また、価格比較支援サーバ1は、実店舗価格を掲載しているショップサイト7を、所定時間毎、あるいは所定日数毎に、アクセスして、横断的にロボット検索を行って、実店舗価格を含む価格関連情報を収集し、その収集した価格関連情報を、各商品の識別情報に対応付けて、収集価格関連情報格納部に格納する、あるいは、取得した価格関連情報により、収集価格関連情報格納部に格納されている価格関連情報を更新する。
【0027】
さらに、価格比較支援サーバ1は、口コミ価格を掲載しているwebサイトも、所定時間毎、あるいは所定日数毎に、アクセスして、横断的にロボット検索を行って、口コミ価格を含む価格関連情報を収集し、その収集した価格関連情報を、各商品の識別情報に対応付けて、収集価格関連情報格納部に格納する、あるいは、取得した価格関連情報により、収集価格関連情報格納部に格納されている価格関連情報を更新する。
【0028】
商品の識別情報は、この実施形態では、商品に付与されている製品型番が用いられる。また、この実施形態では、商品の識別を容易にするために、商品の識別情報には、当該商品の製造メーカ名および商品名も含められる。
【0029】
一方、ユーザは、この実施形態では、価格比較支援サーバ1による価格比較支援サービスを受けるために、自分が所持する通信端末2を用いて、通信ネットワーク3を通じて価格比較支援サーバ1にアクセスし、例えば無償で、価格比較支援を受けるためのアプリケーションプログラム(以下、価格比較支援アプリという)を取得して、自端末2にインストールするようにする。このとき、価格比較支援サーバ1にアクセスするためのアドレス情報が、通信端末2のブックマークに登録される。
【0030】
この価格比較支援アプリは、ユーザが通信端末2、この例では携帯電話端末を持って店舗8a,8b,8cなどに出向き、購入希望の商品について当該店舗の販売員と価格交渉をする際に起動して利用する場合を想定して作成されたものである。そして、価格比較支援を受ける対象商品は、生鮮食品や日用品ではなく、全国的に流通していて、店舗において販売員と価格交渉が可能な、例えば型番が付けられている電気製品や車用品、ブランド品、ゴルフ用品などが対象となる。
【0031】
なお、価格比較支援サーバ1は、価格比較支援アプリを有償でユーザに提供するようにしても良い。その場合には、ユーザは、通信端末2により価格比較支援サーバ1に対して会員登録を行って、サーバ1に対してパスワードおよびIDを設定し、通信端末2で価格比較支援サービスを受ける場合には、設定したパスワードおよびIDの入力を必要とするようにするのが望ましい。
【0032】
なお、この価格比較支援アプリは、通信端末2に予めインストールされていて、メニューから選択できるようにされていても良い。
【0033】
ユーザは、店舗8a,8b,8c・・・に出向いて、販売員(店員)から商品説明を受け、購入希望の商品を決め、その商品について、販売員と価格交渉をする。ユーザは、この価格交渉に先立ち、あるいは、価格交渉中に、通信端末2のブックマークから、価格比較支援サーバ1のアドレス情報を選択指定する。すると、通信端末2は、インストールされている価格比較支援アプリを起動すると共に、通信ネットワーク3を通じて、価格比較支援サーバ1に対してアクセス要求を送り、当該価格比較支援サーバ1と接続する。
【0034】
価格比較支援サーバ1と接続されると、通信端末2は、価格比較支援サーバ1からの後述するような価格比較支援サービスを受けるモードとなる。このとき、通信端末2の表示画面には、価格比較支援サーバ1と協働して、価格比較支援サービスを実行するための画面が表示される。以下のユーザ操作は、この表示画面に表示された画面内容にしたがって行われるものである。
【0035】
先ず、ユーザは、通信端末2と価格比較支援サーバ1との通信路を確立させたら、通信端末2に、価格を問い合わせる商品の識別情報を取得するための情報(以下、識別情報取得用情報という)の入力を行う。すると、通信端末2は、入力された識別情報取得用情報から価格を問い合わせる商品の識別情報を取得する。そして、ユーザは、通信端末2に対して、商品価格の問い合わせ要求の送信指示操作を行う。すると、通信端末2は、価格比較支援サーバ1に、取得した識別情報を含めた商品価格の問い合わせ要求を送る。
【0036】
識別情報取得用情報を通信端末2に入力する方法としては、この実施形態では、複数の方法があり、ユーザは、表示画面に表示された複数の入力方法から選択した方法で、識別情報取得用情報の入力を行う。
【0037】
識別情報取得用情報の第1の入力方法は、ユーザが、通信端末2において、商品の識別情報である、製造メーカ名、商品名および型番を、文字入力する方法である。この場合には、識別情報取得用情報から直接的に商品の識別情報が取得されることになる。
【0038】
識別情報取得用情報の第2の入力方法は、ユーザが、通信端末2において、商品の識別情報である、製造メーカ名、商品名および型番を、音声入力する方法である。この第2の入力方法の場合には、音声入力された製造メーカ名、商品名および型番は、通信端末2が内蔵する音声認識手段により音声認識され、その音声認識結果として、商品の識別情報が取得される。
【0039】
また、識別情報取得用情報の第3の入力方法は、ユーザが通信端末2のカメラで対象商品を撮影して、その撮影画像情報を、識別情報取得用情報として用いる方法である。この第3の入力方法が用いられた場合、通信端末2は、識別情報取得用情報として入力された撮影画像情報を、通信ネットワーク3を通じて、商品識別情報提供サーバに送る。この商品識別情報提供サーバは、製造メーカ名、商品名および型番からなる識別情報に対応する商品の画像情報を収集して保持しており、通信端末2からの撮影画像情報を受け取ると、保持している商品の画像情報をも用いて画像認識処理を行い、通信端末2からの撮影画像情報の商品を特定し、対応する当該商品の識別情報を通信端末2に返すようにする。以上のようにして、第3の入力方法の場合には、通信端末2は、商品識別情報提供サーバから商品の識別情報を取得するようにする。
【0040】
この実施形態では、通信端末2は、商品価格の問い合わせ要求には、そのときの通信端末2の位置情報を含めて価格比較支援サーバ1に送信するようにする。すなわち、通信端末2は、この実施形態では、GPS測位機能部を備え、当該GPS測位機能部により、現在位置を測位して求め、商品価格の問い合わせ要求に含めるようにする。
【0041】
価格比較支援サーバ1は、上述した商品価格の問い合わせ要求を、通信ネットワーク3を通じて受信すると、その受信情報に含まれる商品の識別情報を取得する。
【0042】
そして、価格比較支援サーバ1は、取得した商品の識別情報を用いて、収集価格関連情報格納部を検索し、その識別情報で特定される商品についての、通信販売での最安価格、チラシ広告での最安価格、実店舗での最安価格、口コミの最安価格のそれぞれと、それらの各最安価格が掲載されているwebページのリンク情報(webページのアドレス(URL))を取得する。また、この例では、価格比較支援サーバ1は、各最安価格を提供している通信販売業者名や店舗名をも取得するようにする。更には、価格比較支援サーバ1は、取得した最安価格について、通信販売価格か、チラシ広告価格か、実店舗価格か、口コミ価格かのいずれであるかを識別するための価格種別の情報も取得する。通信端末2側では、この価格種別の情報に基づいて、いずれの価格種別の最安価格であるかを判別表示できる。
【0043】
この収集価格関連情報格納部の検索の際に、価格比較支援サーバ1は、通信端末2からの商品価格の問い合わせ要求に含まれる通信端末2の位置情報から、通信端末2の現在位置を判定する。そして、価格比較支援サーバ1は、チラシ広告での最安価格、実店舗での最安価格および口コミの最安価格を提供する店舗に関しては、その現在位置を基準とした所定の周辺地域範囲内における店舗のみを検索対象として検索を行うようにする。すなわち、例えば北海道の価格を九州の店舗で販売員に見せても説得力がないので、問い合わせ要求してきた通信端末2に対して回答する価格情報の検索の地域範囲を、通信端末2の現在位置の周辺地域範囲内に限定するものである。なお、現在位置を基準とした地域範囲は、現在位置を中心とした地域範囲であっても良いし、現在位置が含まれる県、市、町、などの単位の地域範囲であっても良い。
【0044】
また、この実施形態では、価格比較支援サーバ1は、通信端末2からの商品価格の問い合わせ要求に含まれる通信端末2の位置情報を、例えば、通信ネットワーク3を通じて地図サイトに送り、店舗名などを、当該地図サイトから取得することで、問い合わせ要求してきたユーザが現在居る店舗を認識する。
【0045】
そして、価格比較支援サーバ1は、検索の結果取得した最安価格が、ユーザが現在居る店舗の系列店であったり、あるいは、競合店であったりした場合には、その旨の情報を、その最安価格に付加するようにする。この実施形態では価格比較支援サーバ1は、系列店や競合店の情報は、予め、インターネットを通じて所定のwebサイトにアクセスすることにより収集して格納して保持している。
【0046】
系列店であっても価格が異なることが多々あるが、系列店であるが故に、その最安価格に値引き交渉することが比較的容易になる。また、競合店での対象商品の価格が、訪れている店舗での価格よりも、安ければ、販売員は、値引き交渉に応じてくれることが多いと考えられるので、これらの系列店の情報、競合店の情報は、有益である。
【0047】
また、価格比較支援サーバ1は、商品価格の問い合わせ要求を受信した日時を検知し、検知した日時において有効である商品価格のみを取得するようにする。すなわち、通信販売での価格、チラシ広告での価格や店舗での価格、また、口コミによる価格には、有効期間が設定されている場合があるので、価格比較支援サーバ1は、商品価格の問い合わせ要求を受信した日時が、検索結果の商品価格の有効期間内の日時であるかどうかをチェックして、有効期間内の価格情報のみを、問い合わせ要求してきた通信端末2に対して回答する価格情報として用いるようにする。
【0048】
そして、価格比較支援サーバ1は、以上のようにして検索して取得した対象商品の通信販売での最安価格、チラシ広告での最安価格、実店舗での最安価格、口コミの最安価格、それらの最安価格のそれぞれが掲載されているwebページへのリンク情報(URL)、通信販売業者名や店舗名、価格種別を含む回答情報を生成し、生成した回答情報を、通信ネットワーク3を通じて、問い合わせ要求してきた通信端末2に送信する。この回答情報には、問い合わせ要求された対象商品の識別情報が含まれることは言うまでもない。
【0049】
商品価格の問い合わせ要求をした通信端末2は、この価格比較支援サーバ1からの回答情報を通信ネットワーク3を通じて受信すると、その回答情報を一時記憶する。そして、通信端末2は、表示画面に、対象商品の通信販売での最安価格、チラシ広告での最安価格、実店舗での最安価格、口コミの最安価格の最安価格一覧を、その価格種別や店舗名などと共に表示する。
【0050】
そして、通信端末2のユーザが、表示画面に表示されている最安価格一覧のうちの一つの最安価格を選択すると、通信端末2は、その最安価格が掲載されているwebページへのリンク情報(URL)を用いて、そのwebページを取得して、表示画面に表示する。
【0051】
そして、通信端末2のユーザは、この表示画面の価格を販売員に見せ、購入希望商品の価格やポイント、付帯サービスの交渉を行う。そして、この実施形態では、ユーザは、この交渉中に、通信端末2において、所定の記録開始操作をすることにより、販売員との間での交渉中のやり取りの音声情報を録音したり、交渉中のやり取りの様子を録画したりすることができるように、価格比較支援アプリが構成されている。
【0052】
そして、交渉の結果得られた価格は、特に交渉結果価格情報として、取り込むようにする。例えば、販売員との交渉過程において、所定のボタン操作、例えば表示画面上のアイコンボタンを押下操作することにより、販売員の音声情報として取り込む。販売員が電卓により価格を呈示する場合には、その価格をユーザが読み上げて取り込む、あるいは、その価格が表示されている電卓をカメラで撮像して撮像画像として取り込む。
【0053】
そして、取り込まれた音声情報や画像情報からなる交渉結果価格情報は、通信端末2のメモリに、当該商品の識別情報に対応付けられて格納されて保持されるだけでなく、通信端末2から、価格比較支援サーバ1に、価格交渉情報として送信される。
【0054】
また、通信端末2は、販売員との交渉中のやり取りの音声情報が録音されていれば、同時に、その録音された音声情報も、価格交渉情報として価格比較支援サーバ1に送信する。更に、販売員との交渉中のやり取りが撮像されて記録されていれば、その撮像画像情報も、価格交渉情報として価格比較支援サーバ1に送信する。
【0055】
この価格交渉情報には、いずれの商品についての価格交渉情報であるかを示すために当該商品の識別情報と、当該価格交渉情報が発信された現在位置の情報が含められている。この位置情報は、後述するように、価格交渉が行われた店舗の店舗名などを取得するために用いられる。
【0056】
価格比較支援サーバ1は、通信端末2から受信した価格交渉情報は、商品の識別情報と対応付けて価格交渉情報格納部に格納する。この場合に、価格比較支援サーバ1は、価格交渉情報に含まれる位置情報を、例えば、通信ネットワーク3を通じて地図サイトに送り、店舗名や住所などを、当該地図サイトから取得することで、価格交渉情報を送ってきたユーザが現在居る店舗の店舗名や住所などを取得する。そして、価格比較支援サーバ1は、この取得した店舗名および住所などを、前記商品の識別情報に対応付けて、価格交渉情報格納部に格納する。
【0057】
そして、価格比較支援サーバ1は、この価格交渉情報格納部に格納した価格交渉情報は、通信端末2から、商品の価格問い合わせ要求があったときの回答情報に含めるようにする。
【0058】
すなわち、価格比較支援サーバ1は、通信端末2から商品の価格問い合わせ要求を受けたときに、当該問い合わせ要求に含まれる商品の識別情報に対応する価格交渉情報が、価格交渉情報格納部に格納されているときには、その価格交渉情報を、問い合わせ要求をしてきた通信端末2への回答情報に含めるようにする。
【0059】
価格交渉情報に含まれる交渉結果価格は、当該価格交渉情報の受信時点で最安価格となっている可能性が高いが、この実施形態によれば、その交渉結果価格も、通信端末2からの価格問い合わせ要求があったときの回答情報に含めることでき、価格交渉を行うユーザにとって有益な情報となる。また、価格交渉情報に交渉過程の情報が含まれていれば、交渉結果価格の客観性が担保されるものである。
【0060】
なお、通信端末2に録音された交渉中のやり取りの音声情報や、録音あるいは撮影されて記憶された交渉結果価格情報は、ユーザが他店舗に移動した際の交渉材料として使用できるように、ユーザによる所定の操作により、再生可能および読出し可能とされている。
【0061】
その際に、通信端末2は、メモリに記憶されている価格交渉情報に含まれる位置情報を、例えば、通信ネットワーク3を通じて地図サイトに送り、店舗名や住所などを、当該地図サイトから取得することで、その価格交渉情報が記録された店舗の店舗名や住所などを取得する。そして、通信端末2は、この取得した店舗名および住所などを、表示画面に表示すると共に、価格交渉情報の価格の音声情報や画像情報を再生して、他店での価格交渉に用いるようにする。
【0062】
次に、以上説明した、この実施形態における価格比較支援サーバ1および通信端末2のハードウエア構成例、並びに、その処理動作例を説明する。
【0063】
[価格比較支援サーバ1のハードウエア構成例]
図2は、価格比較支援サーバ1のハードウエア構成例を示すブロック図である。すなわち、価格比較支援サーバ1は、制御部101に対して、システムバス100を通じて、通信インターフェース102、受信情報処理部103、送信情報処理部104、ロボット検索部105、収集価格関連情報格納部106、価格交渉情報格納部107、時計部108、回答情報生成部109、系列および競合関係記憶部110のそれぞれが接続されて構成されている。
【0064】
制御部101は、コンピュータで構成されており、この価格比較支援サーバ1の全体の処理を制御する。
【0065】
通信インターフェース102は、通信ネットワーク3に接続されている。通信インターフェース102は、通信ネットワーク3を通じて受信した受信情報を、受信情報処理部103に転送し、また、送信情報処理部104から送られてくる送信情報を、通信ネットワーク3を通じて通信相手に宛てて送信する。
【0066】
受信情報処理部103は、通信インターフェース102からの受信情報を解析し、制御部101の制御にしたがって、システムバス100を通じて必要な各部に受信情報を転送する。例えば、受信情報処理部103は、通信端末2からの商品価格の問い合わせ要求を受信したときには、それを制御部101に通知すると共に、問い合わせ要求に含まれる商品の識別情報と、位置情報とを制御部101に転送する。制御部101は、これを受けて、収集価格関連情報格納部106を前述したようにして検索して、通信端末2に回答するための処理を実行する。
【0067】
また、受信情報処理部103は、通信端末2から価格交渉情報を受信したときには、それを制御部101に通知すると共に、価格交渉情報格納部107に、受信した価格交渉情報を転送する。制御部101は、この通知を受けて、受信した価格交渉情報を、価格交渉情報格納部107に格納する処理を実行する。
【0068】
送信情報処理部104は、制御部101の制御にしたがってシステムバス100を通じて送られてくる情報から、通信ネットワーク3に送出する送信情報を生成し、通信インターフェース102に転送する。
【0069】
ロボット検索部105は、制御部101により、所定時間毎、あるいは所定日数毎に起動され、前述したように、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイト7にアクセスして、それぞれのサイトを横断的にロボット検索して、それぞれの価格種別の価格情報を収集する。そして、ロボット検索部105で検索され、収集された価格情報は、制御部101の制御により、収集価格関連情報格納部106に格納される。
【0070】
図3に、収集価格関連情報格納部106に格納される情報の例を示す。図3の例では、各商品の識別情報毎に、収集された情報が格納される。図3の例では、商品毎の価格情報のみならず、それに関連する情報として、店舗名称、価格種別、価格が記述されているwebページのアドレス情報(リンク情報)、価格の有効期間、店舗位置、などの情報が、各サイトから収集されて格納されている。
【0071】
図3の例では、価格の有効期間は、日付けのみにより規定されているが、更に時刻により期間が規定されていても勿論良い。また、店舗位置の情報としては、図3では住所が記載されているが、住所ではなく、地図上の緯度、経度の情報からなる情報からなるものとしても良い。
【0072】
価格交渉情報格納部106には、通信端末2から送られてきた価格交渉情報が、商品の識別情報に対応付けられて格納される。図4に、この価格交渉情報格納部107に格納される情報の例を示す。
【0073】
すなわち、図4に示すように、この例では、価格交渉情報格納部107には、商品の識別情報に対応付けられて、販売店における交渉の結果として取得された交渉結果価格情報および交渉のやり取り情報(交渉経過情報)が格納されると共に、当該販売店の店舗名、住所および価格交渉情報の受信日時の情報が格納されている。受信日時は、その価格交渉情報を価格比較支援サーバ1が受信した日時とされる。
【0074】
交渉結果価格情報には、図4に示すように、画像情報と音声情報とがあり、それぞれ、例えば図示のようなファイル名が付与されて格納されている。また、交渉のやり取り情報も、例えば図示のようなファイル名が付与されて格納されている。なお、前述したように、交渉のやり取り情報は、前述したように、音声情報のみからなる場合、画像情報のみかなる場合、あるいは音声情報と画像情報との両方からなる場合がある。
【0075】
時計部108は、カレンダ機能を備える日時情報の発生部である。この実施形態では、通信端末2からの商品価格問い合わせ要求や価格交渉情報の受信日時を、制御部101が、この時計部108から出力される日時情報として取得する。また、この実施形態では、制御部101は、この時計部108の日時情報を参照することで、所定時間毎、あるいは所定日数毎に、ロボット検索部105を起動して、ロボット検索を実行するようにする。
【0076】
回答情報生成部109には、上述したようにして、制御部101により、問い合わせ要求に応じて収集価格関連情報格納部106を検索されて取得された各価格種別毎の最安価格の情報が、その価格種別の情報と共に、送られる。また、この回答情報生成部109には、受信情報処理部103で取得された商品の識別情報も転送される。
【0077】
回答情報生成部109は、これら受け取った情報を用いて、問い合わせ要求してきた通信端末2に送信する回答情報を生成する。
【0078】
系列および競合関係記憶部110には、インターネット3Iから取得した店舗についての系列関係および競合関係の情報が格納されている。制御部101は、例えば通信端末2から商品価格の問い合わせ要求が送られた店舗名を検索子として、この系列および競合関係記憶部110を検索することで、検索子とされた店舗についての系列店、および競合店の情報を検知する。
【0079】
そして、制御部101は、問い合わせ要求に応じて収集価格関連情報格納部106を検索して検知した最安価格の店舗が、商品価格の問い合わせ要求が送られた店舗の系列店であるか、または競合店であるか、あるいは、系列関係および競合関係がないかを判定する。そして、制御部101は、問い合わせ要求に応じて収集価格関連情報格納部106を検索して検知した最安価格の店舗が、商品価格の問い合わせ要求が送られた店舗の系列店または競合店である場合には、その旨の情報を、回答情報生成部109に送り、回答情報に含めるように制御する。
【0080】
回答情報生成部109は、問い合わせ要求に応じて収集価格関連情報格納部106を検索して検知した最安価格の店舗が、商品価格の問い合わせ要求が送られた店舗の系列店または競合店である場合には、その旨の情報を回答情報に含めるようにする。
【0081】
回答情報生成部109で生成された回答情報は、送信情報処理部104を介して通信インターフェース102に転送され、この通信インターフェース102から、問い合わせ要求してきた通信端末2に対して送信される。
【0082】
なお、図2のハードウエア構成において、受信情報処理部103、送信情報処理部104、ロボット検索部105および回答情報生成部109の処理機能は、制御部101を構成するコンピュータが、ソフトウエア処理機能として実行するように構成することもできる。
【0083】
[通信端末2のハードウエア構成例]
図5は、この発明による通信端末の実施形態としての通信端末2のハードウエア構成例を示す図である。この例の通信端末2は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話端末の構成を備える場合である。
【0084】
すなわち、図5に示すように、通信端末2は、マイクロコンピュータで構成される制御部201が、システムバス200を通じて、無線通信回路部202、受信情報処理部203、送信情報処理部104、音声インターフェース205、ディスプレイインターフェース206、タッチパネルインターフェース207、表示情報生成部208、GPS測位部209、メモリ210、カメラ部211、音声認識部212、時計部213、のそれぞれと接続されている。
【0085】
制御部201は、内蔵メモリに格納されている各種処理を制御するためのプログラムにしたがって、携帯電話における種々の制御処理を実行する。制御部201は、また、メモリ210に格納されるアプリケーションプログラムを実行して、種々のアプリケーション処理を実行制御するようにする。
【0086】
無線通信回路部202は、通信ネットワーク3に接続されている。受信情報処理部203は、無線通信回路部202を通じて受信した受信情報を解析し、制御部201の制御にしたがって、システムバス200を通じて必要な各部に受信情報を転送する。受信情報には、電話通信のための情報のほか、通信ネットワーク3のインターネット3Iを通じて価格比較支援サーバ1などとのやり取りの情報が含まれる。
【0087】
送信情報処理部204は、携帯電話網3Kまたはインターネット3Iに送出する送信情報を生成し、無線通信回路部202に転送する。
【0088】
音声インターフェース205は、制御部201の制御の下、システムバス200を通じて入力される音声情報を、デジタル信号からアナログ信号に変換し、アンプ214を通じてスピーカ215に供給して音響再生させる。音声インターフェース205は、また、マイクロホン216で収音された送話音声信号を、アンプ217を通じて受け、アナログ音声信号からデジタル信号に変換して、制御部201の制御の下、システムバス200に供給する。
【0089】
ディスプレイインターフェース206には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ218が接続され、このディスプレイ218の表示画面には、携帯電話通信のための画面や、インターネット3Iを通じたサーバなどとの通信時におけるブラウザ画面が表示される。実施形態では、価格比較支援アプリが起動されると、このディスプレイ218の表示画面には、価格比較支援サービスのためのブラウザ画面が表示される。
【0090】
そして、ディスプレイ218の表示画面上にはタッチパネル219が設けられており、このタッチパネル219は、タッチパネルインターフェース207に接続されている。タッチパネルインターフェース207は、タッチパネル219を通じた使用者による操作指示入力を受けて、システムバス200に送出する。
【0091】
そして、この実施形態では、操作ボタンなどの操作入力は、このタッチパネル219を通じて行えるようにされており、ディスプレイ218の表示画面には、必要に応じて操作画面が表示される。この表示画面に表示されたアイコンなどに対して、使用者は、指でタッチ操作したり、指でスライドさせたりする所定の振る舞いをすることにより、所定の操作入力をすることができる。
【0092】
表示情報生成部208は、制御部201の制御により、携帯電話としての表示画面、その他のブラウザ表示画面の表示情報を生成して、ディスプレイインターフェース206を通じてディスプレイ218に供給する。
【0093】
GPS測位部209は、GPS衛星からの電波を受信して、通信端末2の現在位置を測位して検知し、その検知した現在位置情報をシステムバス200を通じて制御部201に転送する。
【0094】
メモリ210は、この実施形態では、価格比較支援アプリなどのアプリケーションプログラムの記憶エリアを備えると共に、マイクロホン216で収音された音声情報を記憶する録音情報記憶エリア、カメラ部211で撮影された撮影画像情報を記憶する画像情報記憶エリアなどを備える。
【0095】
カメラ部211は、ユーザの撮像指示があったときに、制御部201の制御に従って、撮影した画像を取り込み、メモリ210の画像情報記憶エリアに格納するようにする。この実施形態では、価格比較支援アプリが起動されている状態において、前述した商品の識別情報取得用情報の第3の入力方法がユーザにより選択されたときに、このカメラ部211が起動されて、商品の撮像画像を撮影するために用いられる。
【0096】
音声認識部212は、この実施形態では、価格比較支援アプリが起動されている状態において、前述した商品の識別情報取得用情報の第2の入力方法がユーザにより選択されたときに、マイクロホン216で収音された音声情報を音声認識するための処理部である。
【0097】
時計部213は、カレンダ機能を備える日時情報の発生部である。この実施形態では、通信端末2の制御部201は、交渉やり取り情報や交渉結果価格情報を記録したときに、この時計部108の日時情報を取得し、記録がなされた日時を示す情報として併せて記録するようにする。
【0098】
そして、この実施形態の通信端末2は、前述したような処理機能を実現するために、対象商品価格問い合わせ要求生成部2011、対象商品価格情報受信処理部2012、価格交渉情報生成部2013を、ソフトウエア処理機能部として備える。
【0099】
次に、以上のような構成を備える価格比較支援サーバ1および通信端末2の処理動作について説明する。
【0100】
[価格比較支援サーバ1の処理動作]
先ず、価格比較支援サーバ1のロボット検索処理動作について説明する。図6は、価格比較支援サーバ1のロボット検索処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0101】
この図6に示すように、価格比較支援サーバ1の制御部101は、時計部108からの日時情報を監視して、収集価格関連情報格納部106に格納されている価格情報の更新タイミングになるのを待つ(ステップS101)。このステップS101で、価格情報の更新タイミングになったと判別したときには、制御部101は、ロボット検索部105を起動して、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイト7のそれぞれを、横断的にロボット検索させ、前述した価格関連情報を収集するように制御する(ステップS102)。
【0102】
そして、制御部101は、ロボット検索部105で検索され、収集された価格関連情報により、収集価格関連情報格納部106の格納情報を更新する(ステップS103)。すなわち、収集した価格関連情報が、収集価格関連情報格納部106に格納されていない新規の商品の価格関連情報であるときには、当該新規の商品の識別情報に対応付けて、収集した価格関連情報を収集価格関連情報格納部106に追加格納する。また、収集した価格関連情報が、収集価格関連情報格納部106に既に格納されて商品についての価格関連情報であるときには、その商品の識別情報に対応付けられて格納されている情報のうち、価格情報や、有効期限など、更新すべき情報を書き換えるようにする。
【0103】
このステップS103の処理が終了したら、制御部101は、処理をステップS101に戻し、このステップS101以降の処理を繰り返す。すなわち、ロボット検索部105を、定期的に繰り返し、起動させて、常に、収集価格関連情報格納部106の格納情報を、最新のものにしておくようにする。
【0104】
なお、この図6の例では、このステップS101においては、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイト7を同じタイミングで、ロボット検索するようにしているが、価格比較サイト4、通販サイト5、チラシサイト6、ショップサイトのそれぞれについてのロボット検索を異なるタイミングで実行するようにしても良い。
【0105】
なお、ここでは、説明を省略するが、価格比較支援サーバ1は、系列および競合関係記憶部110に記憶する系列情報および競合関係の情報も、定期的に、必要なwebサイトにアクセスして更新するようにしている。
【0106】
[価格比較支援サービスの処理]
図7および図8は、価格比較支援サーバ1における価格比較支援サービス時の処理動作例を説明するためのフローチャートである。
【0107】
この図7に示すように、価格比較支援サーバ1の制御部101は、先ず、通信ネットワーク3を通じて、通信端末2のいずれかから、商品価格の問い合わせ要求を受信したか否か判別する(ステップS111)。
【0108】
このステップS111で、商品価格の問い合わせ要求を受信したと判別したときには、制御部101は、時計部108からの日時情報を取り込んで、当該問い合わせ要求を受信した受信日時を認識し、一時保持する(ステップS112)。この一時保持した受信日時の情報は、商品価格検索の際の有効期間をチェックする際に用いられる。
【0109】
次に、制御部101は、問い合わせ要求の情報に含まれている問い合わせ対象の商品の識別情報を抽出して、一時保持する(ステップS113)。
【0110】
また、制御部101は、問い合わせ要求の情報に含まれている位置情報を抽出して、当該問い合わせ要求が発信された店舗の場所を認識すると共に、例えば、その位置情報を通信ネットワーク3を通じて地図サイトに送り、店舗名などを、当該地図サイトから取得するようにする(ステップS114)。
【0111】
次に、制御部101は、ステップS114で認識した店舗の場所を基準とした範囲として、検索する地域範囲を設定するようにする(ステップS115)。
【0112】
次に、制御部101は、ステップS113で抽出した商品の識別情報により収集価格関連情報格納部106を検索し、当該識別情報で特定される対象商品についての、通信販売での最安価格、チラシ広告での最安価格、実店舗での最安価格、口コミの最安価格、それらの最安価格の通信販売業者や店舗、の情報を取得すると共に、それらの価格が掲載されている商品ページへのリンク情報などを取得する(ステップS116)。この収集価格関連情報格納部106を検索する際に、ステップS112で認識した受信日時情報により、商品の価格の有効期間をチェックし、受信日時が有効期間内である価格情報のみを検索対象とするようにする。
【0113】
また、制御部101は、系列および競合関係記憶部110を参照して、問い合わせ要求が発せられた場所の店舗は、取得した最安価格の通信販売業者や店舗と系列関係にあるか、あるいは競合関係にあるかをチェックし、系列関係あるいは競合関係にあれば、その関係を示す情報をも合わせて取得しておく。
【0114】
次に、制御部101は、ステップS113で抽出した商品の識別情報により価格交渉情報格納部107を検索し、当該識別情報で特定される対象商品についての価格交渉情報が格納されているか否か判別する(ステップS117)。
【0115】
このステップS117で、対象商品についての価格交渉情報が格納されていないと判別したときには、制御部101は、回答情報生成部109に、ステップS116で取得した各価格種別の最安価格、通信販売業者名、店舗名、価格種別、系列関係あるいは競合関係など情報を用いて回答情報を生成させるように制御する。さらに、制御部101は、生成された回答情報を問い合わせ要求してきた通信端末2に宛てて送信するように制御する(ステップS119)。
【0116】
また、ステップS117で、対象商品についての価格交渉情報が格納されていると判別したときには、CPU101は、価格交渉情報格納部107から、当該対象商品についての価格交渉情報を読出して取得し、回答情報生成部109に転送させるように制御する(ステップS118)。
【0117】
そして、ステップS118の次には、制御部101は、ステップS119に進み、前述したように回答情報生成部109に回答情報を生成させ、生成された回答情報を問い合わせ要求してきた通信端末2に宛てて送信するように制御する。この際に、回答情報生成部109は、ステップS117で取得した情報に加えて、ステップS118で取得した価格交渉情報も回答情報に含ませるようにする。
【0118】
ステップS119の処理を終了したら、制御部101は、処理をステップS111に戻し、このステップS111以降の処理を繰り返す。
【0119】
また、ステップS111で、商品価格の問い合わせ要求を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、通信端末2から価格交渉情報を受信したか否か判別する(図8のステップS121)。このステップS121で、通信端末2から価格交渉情報を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS111に戻し、このステップS111以降の処理を繰り返す。
【0120】
また、ステップS121で、通信端末2から価格交渉情報を受信したと判別したときには、制御部101は、時計部108からの日時情報を取り込んで、当該価格交渉情報を受信した受信日時を認識し、一時保持する(ステップS122)。この一時保持した受信日時の情報は、価格交渉情報を後の時点で使用する際の有効性の判断の材料となる。すなわち、価格交渉情報が例えば1週間以内の情報であれば、その有効性は大きいが、数ヶ月前の情報であれば、市場状況の変化を考慮すると、その有効性が低くなると考えられる。
【0121】
次に、制御部101は、受信情報に含まれる商品の識別情報を抽出して一時保持する(ステップS123)。次に、制御部101は、受信情報に含まれている位置情報を抽出し、例えば、その位置情報を通信ネットワーク3を通じて地図サイトに送り、当該価格交渉情報が発信された店舗の店舗名および住所などを、当該地図サイトから取得する(ステップS124)。
【0122】
次に、制御部101は、ステップS122で認識した商品の識別情報に対応付けて、交渉結果の価格情報、交渉のやり取り情報からなる価格交渉情報と、ステップS124で、取得した店舗名およびその住所などを、価格交渉情報格納部107に格納する(ステップS125)。そして、制御部101は、このステップS125の次には、処理をステップS111に戻して、このステップS111以降の処理を繰り返す。
【0123】
[通信端末2の処理動作]
図9および図10は、通信端末2における価格比較支援サービス時の処理動作例を説明するためのフローチャートである。図9および図10に示す処理は、前述したように、ユーザが、通信端末2のブックマークから、価格比較支援サーバ1のアドレス情報を選択指定することにより起因して、通信端末2が、インストールされている価格比較支援アプリを起動すると共に、通信ネットワーク3を通じて、価格比較支援サーバ1に対してアクセス要求を送り、当該価格比較支援サーバ1と接続することで開始される。
【0124】
先ず、通信端末2の制御部201は、価格比較支援アプリに基づき、価格を問い合わせる商品の識別情報取得用情報の入力画面をディスプレイ218の表示画面に表示する(ステップS201)。
【0125】
次に、制御部201は、識別情報取得用情報の入力方法として、前述した3種の入力方法のうちのいずれがユーザにより選択されたかを判別する(ステップS202)。このステップS202において、第1の方法である文字入力方法が選択されたと判別したときには、制御部201は、入力された文字列を受け付けて、識別情報として一時保持する(ステップS203)。
【0126】
また、ステップS202で、第2の方法である音声入力方法が選択されたと判別したときには、制御部201は、マイクロホン216からの音声信号を取り込み、音声認識部212で音声認識を行い、その音声認識結果として商品の識別情報を取得し、一時保持する(ステップS204)。
【0127】
また、ステップS202で、第3の方法である音声入力方法が選択されたと判別したときには、制御部201は、カメラ部211で撮影された商品の撮影画像情報を取り込み、その撮影画像情報を、通信ネットワーク3を通じて商品識別情報提供サーバに送る。そして、制御部201は、商品識別情報提供サーバから、撮影画像情報に対応する商品の識別情報を取得して、一時保持する(ステップS205)。
【0128】
次に、制御部201は、一時保持した商品の識別情報と、GPS測位部209で測位して得られた現在位置の情報とを含めた商品価格の問い合わせ要求を、価格比較支援サーバ1に送信する(ステップS206)。
【0129】
価格比較支援サーバ1からは、前述したようにして、この問い合わせ要求に対して回答情報を送ってくるので、制御部201は、その回答情報を受信する(ステップS207)。
【0130】
次に、制御部201は、回答情報から、商品価格、価格種別、通信販売業社名、店舗名、系列関係または競合関係、有効期間などからなる一覧を生成してディスプレイ218の表示画面に表示すると共に、価格交渉情報があれば、そのファイル名の一覧を生成して、表示画面に表示する(ステップS208)。
【0131】
ところで、ユーザは、店舗での販売員との交渉経過の音声情報および/または画像情報を記録したい場合には、ディスプレイ218の表示画面に表示されている記録開始アイコンボタンを操作するようにする。
【0132】
そのため、通信端末2の制御部201は、この記録開始アイコンボタンが操作されたか否かにより、交渉経過記録開始操作がなされたか否か判別する(ステップS209)。そして、このステップS209で、交渉経過記録開始操作がなされたと判別したときには、制御部201は、交渉経過の音声情報および/または画像情報の記録を開始する(ステップS210)。この場合に、ユーザは、交渉経過の記録情報は、音声情報のみとするか、画像情報のみとするか、音声情報および画像情報の両方であるかを選択することができ、その選択に応じて、制御部201は、音声情報および/または画像情報の記録を実行し、メモリ210に記録した音声情報および/または画像情報を格納する。
【0133】
次に、制御部201は、価格比較支援サーバ1より受信した回答情報をもとに生成した価格情報等の一覧から、いずれかの最安価格が選択指示されたか否か判別する(図10のステップS211)。
【0134】
このステップS211で、いずれかの最安価格が選択指示されたと判別したときには、制御部201は、選択された最安価格の情報に関連して取得したwebページへのリンク情報(URL)を用いて、当該最安価格が掲載されているwebページを通信ネットワーク3を通じて取得し、ディスプレイ218の表示画面に表示する(ステップS212)。ユーザは、この通信端末2のディスプレイ218の表示画面のwebページを店舗の販売員に呈示しながら購入希望商品の価格交渉をするようにする。このステップS212の次には、制御部201は、処理をステップS211に戻す。
【0135】
また、ステップS211で、いずれかの最安価格が選択指示されてはいないと判別したときには、制御部201は、価格比較支援サーバ1から受信した回答情報に含まれる価格交渉情報のファイルのいずれかが選択指示されたか否か判別する(ステップS213)。このステップS213で、いずれかの価格交渉情報のファイルが選択指示されたと判別したときには、制御部201は、選択された価格交渉情報のファイルを読み出して、音声情報および/または画像情報を再生する(ステップS214)。
【0136】
前述したように、この価格交渉情報は、最終価格の音声情報や撮影画像情報あるいは交渉過程の音声情報や撮影画像情報である。ユーザは、再生された音声情報や、ディスプレイ218の表示画面に表示された画像を販売員に呈示しながら購入希望商品の価格交渉をするようにする。このステップS212の次には、制御部201は、処理をステップS211に戻す。
【0137】
ステップS213で、いずれかの価格交渉情報のファイルが選択指示されてはいないと判別したときには、制御部201は、通信端末2で記録されてメモリ210に格納されている音声情報および/または画像情報の再生指示があったか否か判別する(ステップS215)。
【0138】
このステップS215で、通信端末2で記録されてメモリ210に格納されている音声情報および/または画像情報の再生指示があったと判別したときには、制御部201は、再生指示された音声情報および/または画像情報をメモリ210から読み出して再生する(ステップS216)。
【0139】
このメモリ210から読み出されて再生された音声情報および/または画像情報は、他の店舗での交渉の結果の価格情報や交渉過程の情報であり、ユーザは、これを現在居る店舗でその販売員に呈示することで、購入希望商品の価格交渉をすることができる。
【0140】
以上のようにして、この例では、ユーザは、交渉経過を記録しながら販売員と交渉をすることもできるし、交渉経過を記録せずに、販売員と交渉をすることもできる。いずれの場合においても、ユーザは、販売員により商品の最終価格が呈示されたとき、この例では、ディスプレイ218の表示画面に表示されている最終価格取り込みアイコンボタンを操作するようにする。
【0141】
そこで、ステップS215で、通信端末2で記録されてメモリ210に格納されている音声情報および/または画像情報の再生指示がなかったと判別したときには、制御部201は、最終価格取り込みアイコンボタンが操作されたか否か判別する(ステップS217)。
【0142】
このステップS217で、最終価格取り込みアイコンボタンが操作されていないと判別したときには、制御部201は、交渉経過の記録中であるか否か判別し(ステップS218)、交渉経過記録中であると判別したときには、処理をステップS211に戻し、交渉経過記録中ではないと判別したときには、処理をステップS209に戻す。
【0143】
また、ステップS217で、最終価格取り込みアイコンボタンが操作されたと判別したときには、制御部201は、販売員が提示した最終価格の取り込み処理を行うと共に、交渉経過の記録中であれば、その記録を終了する(ステップS219)。このステップS219における販売員が提示した最終価格の取り込み処理は、販売員が音声により価格を呈示したときには、その音声情報を取り込む。また、販売員が電卓などに最終価格を表示して提示したときには、それをカメラ部211で撮影して撮影画像情報として取り込むようにする。なお、販売員が電卓などに最終価格を表示して提示したときであっても、自分がそれを読み上げることで、音声情報として取り込むようにしても良い。
【0144】
このステップS219の次には、制御部201は、取り込んだ交渉結果の最終価格の情報および/または交渉経過の記録情報を含む価格交渉情報を生成し、価格比較支援サーバ1に通信ネットワーク3を通じて送信する(ステップS220)。以上で、この処理ルーチンを終了する。
【0145】
なお、通信端末2のメモリ210には、交渉結果の価格の情報および交渉経過のやり取りの情報が格納されているが、前述したように、これらは、例えば記録日時や、記録が行われた店舗の位置情報と対応付けられて記録されており、識別可能である。そして、前述したように、この実施形態の通信端末2では、その記録されている情報の一覧を、ディスプレイ218の表示画面に表示し、その一覧から選択された記録情報を読み出して再生する機能を備えている。なお、ユーザは、メモリ210の記録情報にファイル名を付与して、より識別し易くするようにすることもできる。
【0146】
[実施形態の効果]
以上説明した価格比較支援システムによれば、ユーザは、通信端末2を携帯して店舗に赴き、店舗において価格比較支援アプリを起動すれば、上述のような価格比較支援サービスにより、購入希望商品の最安価格の情報を取得して、店舗の販売員との交渉に用いることができる。したがって、予め、複数の店舗に出向いて、購入希望商品の価格をチェックしたり、webサイトにアクセスして、価格をチェックしたりする手間が不要となり、非常に便利である。
【0147】
また、通信装置は、価格比較支援サーバからの回答情報を受信し、識別情報で特定された商品についての価格関連情報を呈示する。例えば、当該商品の価格が掲載されているwebページを表示画面に表示するなどして呈示する。この通信装置を所持しているユーザは、この表示画面を、店舗の販売員に見せることで、この表示画面の価格を値引き交渉の基礎として、販売員と値引き交渉ができる。すなわち、値引き交渉が苦手なユーザであっても、この表示画面に表示されている価格関連情報を販売員に見せることにより、値引き交渉を行うことができ、便利である。
【0148】
しかも、上述の実施形態によれば、webサイトから収集した価格情報のみでなく、店舗で他のユーザが交渉の結果、取得した最安価格や、その交渉経過の情報を含む価格交渉情報も、価格比較支援サーバから取得して、販売員との交渉に利用することができるので、効果的な値引き交渉が可能となると期待できる。
【0149】
また、上述の実施形態によれば、商品価格の問い合わせ要求が発せられた店舗の場所を基準とした地域に絞られた価格情報の検索がなされるので、価格情報として、無駄の無い、効果的な検索結果が得られる。同様に、上述の実施形態によれば、問い合わせ要求が発せられた日時において、有効な価格情報のみが検索結果として提供されるので、価格情報として、無駄の無い、効果的な検索結果が得られる。
【0150】
また、交渉結果の価格情報や交渉過程の価格交渉情報は、携帯電話端末に記録されて保持されるので、使用者が他の店舗に移動して商品を購入しようとする場合に、その記録した価格交渉情報を価格交渉に用いることができ、便利である。
【0151】
[その他の実施形態または変形例]
上述の実施形態では、価格交渉情報は、価格比較支援サーバ1から商品の価格の問い合わせ要求により通信端末2側で取得した価格関連情報を用いて、販売員との価格交渉を行ったときに、価格比較支援サーバ1に、問い合わせに対するフィードバック情報として、通信端末2から価格比較支援サーバ1に送るようにした。しかし、通信端末2側から商品の価格の問い合わせ要求をしない場合において、販売員と価格交渉を行った結果の商品価格やその交渉過程を、その商品の識別情報あるいは識別情報取得用情報および当該店舗の位置情報と共に、価格比較支援サーバ1に、価格交渉情報として提供するようにしても良いことは言うまでもない。
【0152】
なお、上述した実施形態では、商品の識別情報取得用情報の第3の入力方法として、ユーザが通信端末2のカメラで対象商品を撮影して、その撮影画像情報を、識別情報取得用情報として用いるようにした。
【0153】
しかし、商品の価格表示プレートや価格札には、製造メーカ名、商品名および型番が表示されていることが多い。このことから、識別情報取得用情報として画像情報を用いる場合において、対象商品そのものの撮影画像情報を用いるのではなく、ユーザが通信端末2のカメラ部211で、対象商品の価格表示プレートや価格札を撮影して、その撮影画像情報を、識別情報取得用情報として用いるようにすることもできる。
【0154】
その場合には、通信端末2は、当該撮影画像情報を画像認識して、製造メーカ名、商品名および型番を抽出し、識別情報を取得するように機能を備えるようにすれば良い。
【0155】
また、上述の実施形態では、識別情報取得用情報が音声情報および画像情報の場合には、通信端末2において、それらの音声情報や画像情報から商品の識別情報を抽出して、用いるようにした。しかし、識別情報取得用情報が音声情報および画像情報の場合には、通信端末2は、商品価格の問い合わせ要求に、その音声情報や画像情報からなる識別情報取得用情報を含めて、価格比較支援サーバ1に送るようにし、価格比較支援サーバ1側で、音声認識や画像認識により商品の識別情報を取得、あるいは他のサイトに画像情報を送って、識別情報を取得するようにしても良い。この場合には、通信端末2は、価格比較支援サーバ1からの回答情報に含まれる識別情報により、問い合わせ要求した商品の識別情報を認識し、取得保持する。
【0156】
また、上述の実施形態では、通信端末2の位置情報を用いた地域範囲の絞込みは、価格比較支援サーバで行うようにしたが、サーバでは、そのような絞込みは行わず、通信端末2側で、自端末2を基準にした地域範囲の絞込みを行うようにしても良い。
【0157】
また、有効期間についても同様に、サーバでは、有効期間のチェックは行なわず、有効期間の情報を通信端末2側に、回答情報に含めて、送信し、携帯電話端末側で、回答情報中にある有効期間の情報により、価格情報が有効期間内のものであるかどうかをチェックして、有効な価格情報のみを表示するようにしても良い。
【0158】
しかし、上述の実施形態においては、サーバ側で、地域範囲の絞込みや有効期間のチェックを行うようにしたので、回答情報として無駄の無い情報を携帯電話端末に提供できるという効果がある。
【0159】
なお、上述の実施形態では、通信端末2は、価格交渉が行われた店舗を特定するために、価格比較支援サーバ1に送信する価格交渉情報には、価格交渉が行われた店舗の位置情報を含めて送信するようにした。しかし、通信端末2が、価格交渉が行われた店舗で、そのときの位置情報をwebサーバに送り、その店舗名などの情報を取得して、その取得した情報を、価格交渉情報に含めて価格比較支援サーバ1に送るようにしても良い。
【0160】
また、通信端末2において、当該位置情報を中心とした周辺店舗検索を、店舗検索用サーバに送って、当該サーバから周辺店舗の情報を取得し、その周辺店舗についてのみについて、価格比較支援サーバ1に対して対象商品の価格情報の問い合わせ要求をするようにしても良い。
【0161】
なお、上述の実施形態では、通信端末は、携帯電話端末の場合としたが、携帯電話端末に限られるものではなく、インターネットを通じた通信機能を備えている端末であれば、電話機能を備えない携帯型端末であっても勿論良い。
【符号の説明】
【0162】
1…価格比較支援サーバ、2…通信端末、3…通信ネットワーク、105…ロボット検索部、106…収集価格関連情報格納部、107…価格交渉情報格納部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続される価格比較支援サーバと、この価格比較支援サーバと前記通信ネットワークを通じて接続される通信端末とからなる価格比較支援システムであって、
前記通信端末は、
商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報から取得された前記商品の識別情報を含む商品の価格の問い合わせ要求を、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する問い合わせ要求送出手段と、
使用者の指示操作に応じて、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を取得して、前記商品の識別情報を取得するための情報または前記商品の識別情報と共に、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する価格交渉情報送出手段と、
前記価格比較支援サーバからの回答情報を、前記通信ネットワークを通じて受信し、前記識別情報で特定される商品の前記価格交渉情報を構成する音声情報および/または画像情報を再生して呈示する呈示手段と、
を備え、
前記価格比較支援サーバは、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる前記商品の価格の問い合わせ要求を受信する問い合わせ要求受信手段と、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる前記価格交渉情報を、前記商品の識別情報に対応付けて格納する価格交渉情報格納部と、
前記問い合わせ要求受信手段で受信した前記問い合わせ要求の情報から前記商品の識別情報を取得し、前記価格交渉情報格納部から、前記識別情報で特定される前記価格交渉情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出する回答情報送出手段と、
を備えることを特徴とする価格比較支援システム。
【請求項2】
前記商品の識別情報を取得するための情報の入力を受け付ける受付手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の価格比較支援システム。
【請求項3】
前記商品の識別情報を取得するための情報または前記商品の識別情報は、少なくとも商品の製品型番の情報を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の価格比較支援システム。
【請求項4】
前記通信端末は、
前記価格交渉情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記価格交渉情報を使用者の指示操作に応じて読み出して呈示する価格交渉情報呈示手段とを備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の価格比較支援システム。
【請求項5】
前記価格比較支援サーバは、
前記通信ネットワークに接続されているwebサイトから、商品の価格を含む商品の価格に関連する価格関連情報を収集する価格関連情報収集手段と、
前記価格関連情報収集手段で収集した前記商品の価格関連情報を前記商品の識別情報に対応付けて格納する収集価格関連情報格納部と、
を備え、
回答情報送出手段は、
前記収集価格関連情報格納部から、前記識別情報で特定される商品の価格関連情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出し、
前記通信端末は、
前記価格比較支援サーバからの前記回答情報に含まれる前記識別情報で特定された商品の価格関連情報を呈示する手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の価格比較支援システム。
【請求項6】
前記価格比較支援サーバからの前記回答情報には、前記識別情報で特定された商品の価格が掲載されているwebページへのリンク情報を含み、前記呈示手段は、前記webページの画面を表示画面に表示する表示手段からなる
ことを特徴とする請求項5に記載の価格比較支援システム。
【請求項7】
前記通信端末は、
現在位置を測位する測位手段を備え、前記問い合わせ要求送信手段は、前記測位手段で測位した現在位置の位置情報を前記問い合わせ要求に含めて、前記価格比較支援サーバに送信し、
前記価格比較支援サーバは、
前記問い合わせ要求に含まれる前記現在位置の位置情報を取得して、前記通信端末の現在位置の位置情報を基準にした所定の地域範囲内の店舗の価格関連情報に絞り込んだ前記回答情報を、前記通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の価格比較支援システム。
【請求項8】
前記価格比較支援サーバの収集価格関連情報格納部に格納されている前記商品の価格関連情報は、価格種別の情報を含み、
前記回答手段は、前記価格種別毎の最安価格に関連する情報を前記通信端末に提供する
ことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の価格比較支援システム。
【請求項9】
前記価格比較支援サーバの収集価格関連情報格納部に格納されている前記商品の価格関連情報を、有効期間を含み、前記問い合わせ要求を受信した時点を有効期間に含む価格関連情報のみを前記回答情報に含めて前記通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の価格比較支援システム。
【請求項10】
通信ネットワークに接続される通信端末と対して価格比較支援を行う価格比較支援サーバであって、
通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる、商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報を含み、前記識別情報で特定される商品の価格の問い合わせ要求を受信する問い合わせ要求受信手段と、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる、前記商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報に対応付けられた、少なくとも、販売店での交渉結果の価格情報を含む価格交渉情報を、前記商品の識別情報に対応付けて格納する価格交渉情報格納部と、
前記問い合わせ要求受信手段で受信した前記問い合わせ要求に含まれる情報から前記商品の識別情報を取得し、前記価格交渉情報格納部から、前記識別情報で特定される前記価格交渉情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出する回答情報送出手段と、
を備えることを特徴とする価格比較支援サーバ。
【請求項11】
通信端末から通信ネットワークを通じて送られてくる、商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報を含み、前記識別情報で特定される商品の価格の問い合わせ要求を受信する問い合わせ要求受信手段と、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を、前記商品の識別情報に対応付けて格納する価格交渉情報格納部と、
前記問い合わせ要求受信手段で受信した前記問い合わせ要求の情報から前記商品の識別情報を取得し、前記価格交渉情報格納部から、前記識別情報で特定される前記価格交渉情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出する回答情報送出手段と、
を備える価格比較支援サーバに前記通信ネットワークを通じて接続される前記通信装置であって、
前記商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報から取得された前記商品の識別情報を含む商品の価格の問い合わせ要求を、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する問い合わせ要求送出手段と、
使用者の指示操作に応じて、前記価格交渉情報を取得して、前記商品の識別情報を取得するための情報または前記商品の識別情報と共に、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する価格交渉情報送出手段と、
前記価格比較支援サーバからの回答情報を、前記通信ネットワークを通じて受信し、前記識別情報で特定される商品の前記価格交渉情報を構成する音声情報および/または画像情報を再生して呈示する呈示手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項12】
通信端末から通信ネットワークを通じて送られてくる、商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報を含み、前記識別情報で特定される商品の価格の問い合わせ要求を受信する問い合わせ要求受信手段と、
前記通信端末から前記通信ネットワークを通じて送られてくる、少なくとも販売店での交渉結果の価格を含む音声情報および/または画像情報からなる価格交渉情報を、前記商品の識別情報に対応付けて格納する価格交渉情報格納部と、
前記問い合わせ要求受信手段で受信した前記問い合わせ要求の情報から前記商品の識別情報を取得し、前記価格交渉情報格納部から、前記識別情報で特定される前記価格交渉情報を抽出して、前記通信端末に回答情報に含めて前記通信ネットワークを通じて送出する回答情報送出手段と、
を備える価格比較支援サーバに前記通信ネットワークを通じて接続される前記通信装置が備えるコンピュータを、
前記商品の識別情報を取得するための情報、または、前記商品の識別情報を取得するための情報から取得された前記商品の識別情報を含む商品の価格の問い合わせ要求を、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する問い合わせ要求送出手段、
使用者の指示操作に応じて、前記価格交渉情報を取得して、前記商品の識別情報を取得するための情報または前記商品の識別情報と共に、前記通信ネットワークを通じて前記価格比較支援サーバに送出する価格交渉情報送出手段、
前記価格比較支援サーバからの回答情報を、前記通信ネットワークを通じて受信し、前記識別情報で特定される商品の前記価格交渉情報を構成する音声情報および/または画像情報を再生して呈示する呈示手段、
として機能させるための価格比較支援用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−97765(P2013−97765A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243194(P2011−243194)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)