説明

価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具及び価格表示具

【課題】スポッター、あるいはカードケースの取り付け、取り外しが容易であり、かつ確実に行うことができる価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具及び価格表示具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側の面に取り付け可能とされた係留板部2と、この係留板部2から突設された底部5と、底部5から上方に連設された係留板部2の面に略並行な壁部6と、この壁部6から係留板部2面側に突設された係止片15とを有する受け部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具及び価格表示具に関する。詳しくは、価格表示具に取り付けられるスポッターあるいはカードケース用としての取付具及び商品陳列フックのホルダー棒の先端部に嵌着される価格表示具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の価格表示具として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
具体的には、特許文献1に記載された価格表示具110は、図13に示すように、表面に価格等の表示部101が形成され、その裏面の略中央部に筒状部102が固設されると共に弾発性を有する腕状片103が一体化されている。更に、腕状片103の上面の適宜個所に筒状部102に向って凹状溝104が複数個形成されることで筒状部102を支点として表示部101の角度を左右に変更可能な構成とされている。
【0003】
上記した価格表示具110は、図14に示すように、商品棚(図示せず)に取り付けられた商品陳列フックホルダー107に取り付けられる。
【0004】
なお、商品陳列フックホルダー107は、商品陳列用フックバー106に嵌着されるフック係合部108と、商品109を吊り下げるフック棒113と、このフック棒113の上方に位置し、その先端が略直角状に折り曲げられた先端部111が形成されたホルダー棒112とから構成されている。
【0005】
ここで、価格表示具110を商品陳列フックホルダー107に取り付ける場合には、ホルダー棒112の先端部111に筒状部102を嵌め入れる。そして、先端部111を支点として表示部101面の向きを適宜方向に調整した上で、凹状溝104にホルダー棒112を嵌め入れる。そうすることで、表示部101を任意角度において係留させることが可能となる。
【0006】
ところで、価格表示具は、表示部にプライスカードを貼り付ける、あるいは差し込む等によって商品の価格を表示するものであるが、顧客の注意を引くために、価格表示具にスポッターやカードケースを取り付けることが行われている。
【0007】
具体的には、スポッターを取り付ける場合には、例えばPOP紙を大きめに作成して、プライスカード紙を重ねて上部に飛び出すように取付けている。また、スポッターの代わりにB8カードケースを取り付ける場合もあり、その場合には、粘着テープで貼り付けたり、樹脂成型フックで表示部に引っ掛けたりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−188470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、POP紙を大きめに作成して、プライスカード紙と重ねて上部に飛び出すようにスポッターを取り付ける場合には、取り付けたスポッターが取れやすく、かつ折れ曲がったり、破れたりしやすい。
【0010】
また、スポッターの代わりにB8カードケースを取り付ける場合で、粘着テープで貼り付けを行うと、カードケースを取り外した場合に、糊跡が残り汚くなる。なお、フックによる取り付けの場合には、僅かな接触でスポッターが歪んだり、落下したりする。特に、上下左右に密接して商品陳列を行っている場合には、買い物客が接触し易く、より一層歪みや落下の頻度が高まる。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、スポッター、あるいはカードケースの取り付け、取り外しが容易であり、かつ確実に行うことができる価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具及び価格表示具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係る価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具は、価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側の面に取り付け可能とされた係留板部と、前記係留板部から突設された底部と、該底部から上方に連設された前記係留板部の面に略並行な壁部と、該壁部から係留板部面側に突設された係止片とを有する受け部とを備える。
【0013】
ここで、価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側の面に取り付け可能とされた係留板部によって、例えば、店舗で使用している既製の価格表示具に取り付けることが可能となる。
【0014】
また、係留板部から突設された底部と、底部から上方に連設された係留板部の面に略並行な壁部と、壁部から係留板部面側に突設された係止片とを有する受け部によって、スポッター、あるいはカードケースを支持することができ、スポッター、あるいはカードケースを容易に取り付けたり、取り外したりすることが可能となる。なお、スポッターを取り付ける場合には、POP紙等を係止片と価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側の面との間に差し込むこととなる。
【0015】
また、係留板部の上端、あるいは下端のうち、少なくとも上端に沿って価格表示具に嵌め合わせ可能な嵌合部が形成されることで、例えば、既製の価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側より、その上端及び下端に沿って嵌合部を嵌め合わせることができる。そして、このことで、価格表示具への着脱を容易に行うことが可能となる。
【0016】
また、受け部が係留板部の両側に配置されると共に、係留板部の下端より上端に向けて受け部との間が切欠開口されていても良い。この様な構成とすることで、例えば、価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側より接続部が突設されている場合であっても、接続部を係留板部の受け部との間に挿し入れることで、価格表示具への取り付けを行うことが可能となる。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る価格表示具は、商品のプライスカードが着脱自在に取り付け可能に構成された第1の面を有する価格表示具本体と、該価格表示具本体の第1の面とは逆側の第2の面に設けられると共に、前記第2の面から突設された底部と、該底部から上方に連設された前記第2の面に略平行な壁部と、該壁部から第2の面側に突設された係止片とを有する受け部と、前記第2の面に設けられると共に、所定の部材と接続可能、かつ、略鉛直線を回転軸として回動自在に構成される連結穴と、前記第1の面の向きが異なる複数の位置で所定の部材と上下方向に挿入可能とされた角度調整用溝部とを有する接続部とを備える。
【0018】
ここで、第2の面から突設された底部と、この底部から上方に連設された第2の面に略平行な壁部と、この壁部から第2の面側に突設された係止片とを有する受け部によって、スポッター、あるいはカードケースを支持することができ、スポッター、あるいはカードケースを容易に取り付けたり、取り外したりすることが可能となる。なお、スポッターを取り付ける場合には、POP紙等を係止片と第2の面との間に差し込むこととなる。
【0019】
また、底部から上方に壁部が連設され、壁部から係止片が突設することで受け部が構成されている。換言すると、受け部の上方は開口状に構成されている。受け部がこうした構成を採用することによって、POP紙等のスポッターを価格表示具本体の上方から差し込むことが可能となり、POP紙等のスポッターを容易に取り付けたり、取り外したりすることが可能となる。
【0020】
また、第2の面側に突設された係止片によって、POP紙等のスポッターのズレや落下を有効に抑止することが可能となる。即ち、受け部で支持するPOP紙等に穴を設け、こうした穴に係止片を嵌め合わせた状態とすることで、POP紙等のズレや落下を有効に抑止することができるのである。
【0021】
また、第2の面に設けられると共に、所定の部材(例えば、ホルダー棒)と接続可能、かつ、略鉛直線を回転軸として回動自在に構成される連結穴と、第1の面の向きが異なる複数の位置で所定の部材と上下方向に挿入可能とされた角度調整用溝部とを有する接続部によって、第1の面の向きを適宜変更することが可能となる。そのため、顧客目線、あるいはプライスカードの重なりを防ぐ様に、第1の面の傾斜角度を調整することができる。
【0022】
更に、上下方向に挿入可能とされる角度調整用溝部内に所定の部材が嵌め入れられることで、例えば顧客の手がPOP紙等のスポッターに対して横方向から当たった場合でも、角度調整用溝部内に所定の部材が外れることなく第1の面の傾斜角度を維持することができる。
【0023】
ここで、第1の面にレンズが取り付けられた場合には、プライスカードに表示された価格等の文字の視認性を向上することができる。
例えば、商品が小物の場合には、プライスカードが小さくならざるを得ず、結果としてプライスカードに表示された価格等を視認し難いといったことが考えられる。そのため、第1の面にレンズを取り付けることで、プライスカードに表示された価格等の文字を拡大表示することが可能となり、視認性を向上することが可能となるのである。
【0024】
ところで、商品の在庫数量等を管理するために、プライスカードには価格表示の近辺にバーコードが表示されていることが多く、商品補充の際には、バーコードを読み取る必要が生じることがある。この様な場合に、第1の面にレンズが取り付けられたままの状態では、バーコードを読み取ることができない場合がある。そのため、レンズを移動可能に構成し、レンズを移動して第1の面を露出することができる様に構成することによって、バーコードの読み取りを容易かつ確実に行うことが可能となる。
なお、レンズの移動方法としては、水平方向にスライドさせる方法や、軸回転により上方に移動させる方法等が挙げられる。
【0025】
また、レンズはカマボコ型凸レンズとすることで、火災等の事故を抑制することができる。
即ち、商品陳列の都合上、価格表示具に太陽光が当たる状況も充分に考えられ、例えば、球面状の凸レンズ等は、入射光の焦点が集中し、プライスカードが焼けてしまうといった危険性を完全に否定することができない。これに対して、カマボコ型凸レンズの場合には、入射光の焦点が一箇所に集中することがなく、上述の通り、火災等の事故を抑制することができるのである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具によれば、既製の価格表維持具に対して容易に取り付け、取り外しを行うことができると共に、スポッターあるいはカードケースの取り付けを容易、かつ確実に行うことが可能となる。
【0027】
また、本発明の価格表示具によれば、スポッターあるいはカードケースの取り付け、取り外しを容易、かつ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の一例を説明するための正面からの立体模式図である。
【図2】本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の一例を説明するための背面からの立体模式図である。
【図3】本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の価格表示具への取り付け状態を説明するための模式図である。
【図4】本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具にスポッターを取り付けた状態の一例を説明するための模式図である。
【図5】本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための立体模式図である。
【図6】本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための正面模式図である。
【図7】本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための側面模式図である。
【図8】本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための背面模式図である。
【図9】本発明を適用した価格表示具の一例の使用状態の一例を説明するための模式図である。
【図10】本発明を適用した価格表示具にスポッターを取り付けた状態の一例を説明するための模式図である。
【図11】本発明を適用した価格表示具の他の例を説明するための模式図である。
【図12】本発明を適用した価格表示具の他の例の使用状態の一例を説明するための模式図である。
【図13】従来の価格表示具の一例を説明するための模式図である。
【図14】従来の価格表示具にスポッターを取り付けた状態の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0030】
<第1の実施の形態>
図1は本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の一例を説明するための正面からの立体模式図、図2は本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の一例を説明するための背面からの立体模式図である。
【0031】
ここで示す価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具1には、ABS樹脂を始め、ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂素材が用いられている。なお、価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具1は、例えば、射出成型機等を利用した一体成型で製造することができる。
【0032】
ここで、係留板部2は、価格表示具(図示せず。)のプライスカードを取り付ける面と略同じ大きさに形成されている。
【0033】
更に、係留板部2の第1の面3は価格表示具のプライスカードを取り付ける面と反対側の面に接すると共に、上下方向の略中央の両側位置には、係留板部2を貫通する窓部8が開設されている。
【0034】
そして、この窓部8より第2の面7(第2の面7は第1の面3の逆側面である)側に、係留板部2の第2の面7と一定間隔を設けて受け部9が取り付けられている。
【0035】
この受け部9は、底部5、壁部6及び係止片15から構成されている。底部5は窓部8の下端から係留板部2の第2の面7側に突設形成されており、この底部5と連設して壁部6が設けられ、壁部6は第2の面7と一定間隔を隔てている。
【0036】
更に、壁部6の上端より第2の面7に向けて係止片15が突設形成されている。なお、第2の面7と係止片15との間隙は、二つ折りしたPOP紙が挿入可能な程度に構成されている。
【0037】
なお、本実施例では係留板部2の略中央の両側位置に窓部8を設けた場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした窓部8は必ずしも設ける必要性はなく、例えば、窓部8を設けることなく係留板部2の第2の面7に受け部9を設けても構わない。
【0038】
また、係留板部2の下端より上端に向けて受け部9、9との間に切欠開口部10が開設されている。
【0039】
また、係留板部2の上端及び下端には受け部9とは逆側に係留板部2と略直角状に突設された所定幅の庇部11と、この庇部11の先端から係留板部2の中央側に略直角状に突設された突条部12とを有する嵌合部13が形成されている。
【0040】
ここで、所定幅の庇部11とは既製の価格表示具のプライスカードが取り付けられる価格表示具本体(図示せず。)の厚さ以上の幅長さとされる。
【0041】
更に、係留板部2の第1の面3の略中央両側には、所定厚さとされた押圧部14が突設されている。
【0042】
なお、本実施例では係留板部2の上端及び下端に嵌合部13を設けた場合を例に挙げて説明を行っているが、必ずしも上端及び下端に設ける必要性はなく、例えば上端のみに嵌合部13を設けても構わない。
【0043】
また、価格表示具のプライスカードが取り付けられる価格表示具本体に係留できる機構として嵌合部に限定する必要性はなく、価格表示具本体に係留できる機構のものであればいかなる機構であっても構わない。
【0044】
以上の構成よりなる本発明の価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具1は、図3に示すように、価格表示具Hに取り付けられる。
【0045】
ここで、価格表示具Hは、例えば、その表面側にプライスカード等の取り付けを行えるようにした価格表示具本体Iと、この価格表示具本体Iの裏面側に連設された接続部Jとから構成されている。
【0046】
このような構成の価格表示具Hの価格表示具本体Iの裏面側に係留板部2の切欠開口部10を価格表示具本体Iの裏面側に連設された接続部Jに挿し入れるようにして押し当てる。
【0047】
そして、係留板部2の上下端に沿って設けられている嵌合部13を価格表示具本体Iの上下端に嵌め入れることで係留板部2が価格表示具本体Iの裏面側に取り付けられる。更に、係留板部2の押圧部(図示せず。)で価格表示具本体Iの裏面が常に押圧する付勢力が作用することで係留板部2が強固に係着することになる。
【0048】
このようにして、価格表示具Hに価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具1を取り付けることで、価格表示具本体Iの裏面側に係留板部2の受け部9が配置された状態となる。
【0049】
図4(図4(イ)は本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具に取り付けるスポッターの一例を説明するための模式図、図4(ロ)は本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具にスポッターを取り付けた状態の一例を説明するための模式図である。)は本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具の使用状態の一例を説明するための模式図である。
【0050】
ここで、折返し前(図示せず。)のスポッターBは、B8形状のPOP紙の上部に、例えば「新商品」なる広告文字が記載されている。更にPOP紙の中央よりも下方位置(広告文字とは反対側位置)に折返し線Gが設けられ、この折返し線Gの略中央に接続部Jが挿入可能となる挿入切欠部Cが開口されている。更に、この挿入切欠部Cの両側には、受け部9の係止片19が係留可能な係留穴Fが折返し線Gを挟んで同位置(線対称位置)にそれぞれ2個ずつ開口されている。
【0051】
このように構成されたスポッターBを「新商品」を表示した面から後方に折返し線Gより折り曲げて重ねることで、折返し線Gの両側に係止片15が係留可能な係留穴Fが一体となって開口されることとなる。
【0052】
そして、挿入切欠部Cに接続部Jを挿入した状態で、係留板部2の第2の面7と係止片15との間にスポッターBを差し入れる。なお、係止片15をスポッターBの係留穴Fに差し込む。
この場合に、POP紙の2枚の開放端が開こうとする付勢力により、スポッターBの係留穴Fに受け部9の係止片15が嵌め入れられた状態でスポッターBが受け部9の壁部6と第2の面7に押圧されることとなり、確実にスポッターBを取り付けることが可能となる。
【0053】
また、POP紙の折返しを後方とすることで「新商品」と表現したPOP紙が前方位置に配置されることとなり、顧客の目線により近づくことになる。このことにより、より一層の商品のアピールを行うことができる。
【0054】
なお、本実施例ではPOP紙の折返しを後方とした場合を詳述するものであるが、これに限定する必要性は無く、例えばPOP紙の折返しを前方とする場合でも良く、また、更なる変形例としてPOP紙を折返さない場合でも良い。
【0055】
しかし、顧客に一層の商品のアピールを行うことができる点を考慮した場合には、POP紙の折返しを後方とすることが望ましい。
【0056】
上述の様に、本発明を適用した価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具は、既製の価格表示具に対して、容易、かつ確実に取り付け、あるいは取り外しを行うことが可能となる。
【0057】
また、スポッターの取り付けが糊等の貼り付けによらず容易に取り付けることができ、かつ、取り外しの際にも糊等の付着で汚すことなく容易に取り外すことが可能となる。
【0058】
<第2の実施の形態>
図5は本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための立体模式図、図6は本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための正面模式図、図7は本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための側面模式図、図8は本発明を適用した価格表示具の一例を説明するための背面模式図である。
【0059】
ここで示す価格表示具21には、ABS樹脂を始め、ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂素材が用いられている。なお、価格表示具21は、例えば、射出成型機等を利用した一体成型で製造することができる。
【0060】
ここで、例えば、横長さが45mm、縦長さが33mmの大きさとした価格表示具本体22の第1の面23には、プライスカード等の取り付けを行えるように、両側端に沿って突条片24が形成されている。
【0061】
また、価格表示具本体22の第1の面23の下端の略中央には、一定長さのカード受け部25が突設形成されている。
【0062】
更に、価格表示具本体22の上端の略中央には、プライスカード等を剥がす必要のある場合に掴み易く、あるいは剥がし易くするために、半円形状の切欠部26が形成されている。
【0063】
また、価格表示具本体22の上下方向の略中央の両側位置には、価格表示具本体22を貫通する窓部28が開設されている。そして、この窓部28より第2の面27(第2の面は第1の面23の逆側面である)側に、価格表示具本体22の第2の面27と一定間隔を設けて受け部29が取付けられている。
【0064】
この受け部29は、底部40、壁部41及び係止片39から構成されている。底部40は窓部28の下端から価格表示具本体22の第2の面27側に突設形成されており、この底部40と連設して壁部41が設けられ、壁部41は第2の面27と一定間隔を隔てている。更に、壁部41の上端より第2の面27に向けて係止片39が突設形成されている。なお、第2の面27と係止片39との間隙42は、二つ折りしたPOP紙が挿入可能な程度に構成されている。
【0065】
なお、本実施例では価格表示具本体22の略中央の両側位置に窓部28を設けた場合を例に挙げて説明を行っているが、こうした窓部28は必ずしも設ける必要性はなく、例えば、窓部28を設けることなく価格表示具本体22の第2の面27に受け部29を設けても構わない。
【0066】
また、価格表示具本体22の第2の面27の略中央、即ち両側に配置された受け部29との間に接続部30が取り付けられている。
【0067】
ここで、接続部30は、第2の面27に対して略直角状に突設されると共に、その上面に連結用貫通穴31が開口されたホルダー棒嵌着部32と、このホルダー棒嵌着部32に一体的に延設された角度調整用ホルダー棒支持部33とから構成されている。
【0068】
また、図7に示すように、ホルダー棒嵌着部32の連結用貫通穴31は、先端が上向きに略直角状に折り曲げ形成されたホルダー棒Aの先端が挿入可能な内径とされている。
【0069】
更に、図8に示すように、角度調整用ホルダー棒支持部33には、価格表示具本体22の第2の面27に対してホルダー棒Aが略直角状となる位置でホルダー棒Aを係止する係留溝部34が形成されている。
【0070】
また、角度調整用ホルダー棒支持部33には、価格表示具本体22の第2の面27とホルダー棒Aとの間の角度が略直角ではない角度(係留溝部34でホルダー棒Aを係止した場合とは異なる角度)でホルダー棒Aを係止する角度調整用溝部34A、34Bが形成されている。
【0071】
これらの係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bは角度調整用ホルダー棒支持部33の下端が開口されており、ホルダー棒Aを下端より上方に挿し入れる構成とされている。
【0072】
ここで、ホルダー棒Aの先端がホルダー棒嵌着部32の連結用貫通穴31に挿通されると共に、ホルダー棒Aのコーナー手前の直線部分が係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bのいずれかで係止されることで、ホルダー棒Aが角度調整用ホルダー棒支持部33に固定連結されることとなる。
【0073】
また、係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bを適宜使い分けることで、価格表示具本体22の向きを調整することが可能となる。
【0074】
以上の構成よりなる本発明の価格表示具21は、図9に示すように、商品棚(図示せず。)に取り付けられる商品陳列フックホルダーDのホルダー棒Aの先端に取り付けられる。
【0075】
この商品陳列フックホルダーDは、商品(図示せず。)を吊り下げるフック棒Eと、このフック棒Eの上方に位置し、その先端が略直角状に折り曲げられたホルダー棒Aとから構成されている。
【0076】
このような構成の商品陳列フックホルダーDのホルダー棒Aの先端に、価格表示具21の接続部30のホルダー棒嵌着部32の連結用貫通穴31を嵌め入れる。続いて、角度調整用ホルダー棒支持部33の係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bのいずれかにホルダー棒Aを嵌め入れて、ホルダー棒Aの先端に価格表示具本体22を任意の角度で取り付ける。
【0077】
更に、価格表示具本体の第1の面3にバーコードが印刷されたプライスカードを貼り付ける、あるいはクリップ等で取り付ける。
【0078】
図10(図10(イ)は本発明を適用した価格表示具に取り付けるスポッターの一例を説明するための模式図、図10(ロ)は本発明を適用した価格表示具にスポッターを取り付けた状態の一例を説明するための模式図である。)は本発明を適用した価格表示具の使用状態の一例を説明するための模式図である。
【0079】
ここで、折返し前(図示せず。)のスポッターBは、B8形状のPOP紙の上部に、例えば「新商品」なる広告文字が記載されている。更にPOP紙の中央よりも下方位置(広告文字とは反対側位置)に折返し線Gが設けられ、この折返し線Gの略中央に接続部30のホルダー棒嵌着部32が挿入可能となる挿入切欠部Cが開口されている。更に、この挿入切欠部Cの両側には、受け部29の係止片39が係留可能な係留穴Fが折返し線Gを挟んで同位置(線対称位置)にそれぞれ2個ずつ開口されている。
【0080】
このように構成されたスポッターBを「新商品」を表示した面から後方に折返し線Gより折り曲げて重ねることで、折返し線Gの両側に係止片39が係留可能な係留穴Fが一体となって開口されることとなる。
【0081】
そして、挿入切欠部Cに接続部30のホルダー棒嵌着部32を挿入した状態で、価格表示具22の第2の面27と係止片39との間にスポッターBを差し入れる。なお、係止片39をスポッターBの係留穴Fに差し込む。
この場合に、POP紙の2枚の開放端が開こうとする付勢力により、スポッターBの係留穴Fに受け部29の係止片39が嵌め入れられた状態でスポッターBが受け部29の壁部41と第2の面27に押圧されることとなり、確実にスポッターBを取り付けることが可能となる。
【0082】
また、POP紙の折返しを後方とすることで「新商品」と表現したPOP紙が前方位置に配置されることとなり、顧客の目線により近づくことになる。このことにより、より一層の商品のアピールを行うことができる。
【0083】
なお、本実施例ではPOP紙の折返しを後方とした場合を詳述するものであるが、これに限定する必要性は無く、例えばPOP紙の折返しを前方とする場合でも良く、また、更なる変形例としてPOP紙を折返さない場合でも良い。
【0084】
しかし、顧客に一層の商品のアピールを行うことができる点を考慮した場合には、POP紙の折返しを後方とすることが望ましい。
【0085】
上述の様に、本発明を適用した価格表示具は、スポッターの取り付けが糊等の貼り付けによらず容易に取り付けることができ、かつ、取り外しの際にも糊等の付着で汚すことなく容易に取り外すことが可能となる。
【0086】
<第3の実施の形態>
図11(図11(イ)は本発明を適用した価格表示具の他の例を説明するための正面模式図、図11(ロ)は本発明を適用した価格表示具の他の例を説明するための側面模式図である。)は本発明を適用した価格表示具の他の例を説明するための模式図である。
【0087】
ここで示す価格表示具21には、ABS樹脂を始め、ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂素材が用いられている。なお、価格表示具21は、例えば、射出成型機等を利用した一体成型で製造することができる。
【0088】
ここで、例えば、横長さが45mm、縦長さが33mmの大きさとした価格表示具本体22Aの第1の面23には、プライスカード等の取り付けを行えるように、両側端に沿って突条片24が形成されている。
【0089】
また、価格表示具本体22Aの第1の面23の下端の略中央には、一定長さのカード受け部25が突設形成されている。
【0090】
更に、価格表示具本体22Aの上端の略中央には、プライスカード等を剥がす必要のある場合に掴み易く、あるいは剥がし易くするために、半円形状の切欠部26が形成されている。
【0091】
また、価格表示具本体22Aの上下方向の略中央の両側位置には、価格表示具本体22Aを貫通する窓部28が開設されている。そして、この窓部28より第2の面27(第2の面は第1の面23の逆側面である)側に、価格表示具本体22Aの第2の面27と一定間隔を設けて受け部29が取付けられている。
【0092】
この受け部29は、底部40、壁部41及び係止片39から構成されている。底部40は窓部28の下端から価格表示具本体22Aの第2の面27側に突設形成されており、この底部40と連設して壁部41が設けられ、壁部41は第2の面27と一定間隔を隔てている。更に、壁部41の上端より第2の面27に向けて係止片29が突設形成されている。なお、第2の面27と係止片39との間隙は、二つ折りしたPOP紙が挿入可能な程度に構成されている。
【0093】
また、価格表示具本体22Aの第1の面23には、カマボコ型凸レンズ部35が取り付けられている。
【0094】
このカマボコ型レンズ部35は、価格表示具本体22Aの第1の面23に取り付けられるプライスカード(図示せず。)を覆うことができる大きさとされ、その上下端より中央に向けて凸状のカマボコ型に形成されている。
【0095】
また、カマボコ型凸レンズ部35の両側端の上部には枢支用孔部36が穿孔されている。更に、カマボコ型凸レンズ部35はレンズ支持腕部38が形成されており、レンズ支持腕部38に設けられた連結用突起部37が枢支用孔部36に挿入されている。
【0096】
このような構成のカマボコ型凸レンズ部35では、レンズ支持腕部38を価格表示具本体22Aの両側端の上部に取付けることで第1の面23をカマボコ型凸レンズ部35で覆った状態となる。
【0097】
ここで、枢支用孔部36に挿入された連結用突起部37が回動自在に構成されることによって、カマボコ型凸レンズ部35を価格表示具本体22Aの上方に移動せしめることが可能となる(図12参照)。なお、カマボコ型凸レンズ部35を価格表示具本体22Aの上方に移動することで、第1の面23をカマボコ型凸レンズ部35で覆った状態から第1の面23を露出状態にすることができる。
【0098】
また、カマボコ型凸レンズ部35の取り付け機構としては、本実施の形態において詳述した機構に限定する必要性は無く、スポッターを取り付けた状態でカマボコ型凸レンズ部35を開閉できる、あるいは着脱できる機構であればいかなる取付け機構であっても構わない。
【0099】
更に、カマボコ型凸レンズ部35が開閉できるレンズカバーをワンタッチ方式で価格表示具本体22Aに取り付けられる構成とすることによって、拡大表示が必要な時に容易に取付けることができ、更には、カマボコ型凸レンズ部35のみを既製の価格表示具に適用することも可能となる。
【0100】
また、価格表示具本体22Aの第2の面27の略中央、即ち両側に配置された受け部29との間に接続部30が取り付けられている。
【0101】
ここで、接続部30は、第2の面27に対して略直角状に突設されると共に、その上面に連結用貫通穴31が開口されたホルダー棒嵌着部32と、このホルダー棒嵌着部32に一体的に延設された角度調整用ホルダー棒支持部33とから構成されている(図5参照)。
【0102】
また、前記図7において示すように、ホルダー棒嵌着部32の連結用貫通穴31は、先端が上向きに略直角状に折り曲げ形成されたホルダー棒Aの先端が挿入可能な内径とされている。
【0103】
更に、角度調整用ホルダー棒支持部33には、価格表示具本体22Aの第2の面27に対してホルダー棒Aが略直角状となる位置でホルダー棒Aを係止する係留溝部34が形成されている。なお、係留溝部34はホルダー棒Aが着脱自在に構成されている。
【0104】
また、角度調整用ホルダー棒支持部33には、価格表示具本体22Aの第2の面27とホルダー棒Aとの間の角度が略直角ではない角度(係留溝部34でホルダー棒Aを係止した場合とは異なる角度)でホルダー棒Aを係止する角度調整用溝部34A、34Bが形成されている。
【0105】
これらの係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bは角度調整用ホルダー棒支持部33の下端が開口されており、ホルダー棒Aを下端より上方に挿し入れる構成とされている。
【0106】
ここで、ホルダー棒Aの先端がホルダー棒嵌着部32の連結用貫通穴31に挿通されると共に、ホルダー棒Aのコーナー手前の直線部分が係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bのいずれかで係止されることで、ホルダー棒Aが角度調整用ホルダー棒支持部33に固定連結されることとなる。
【0107】
また、係留溝部34及び角度調整用溝部34A、34Bを適宜使い分けることで、価格表示具本体22Aの向きを調整することが可能となる。
【0108】
以上の構成よりなる本発明の価格表示具21では、第1の面23上にバーコードが印刷されたプライスカードDを取り付ける。
【0109】
なお、第1の面23上にプライスカードDを取り付ける場合には、カマボコ型凸レンズ部35を付けた状態でプライスカードDを取り付ける、あるいはカマボコ型凸レンズ部35を上方に回動させて第1の面23を露出させた状態でプライスカードDを取り付ける。更には、第1の面23にプライスカードDを取り付けた後にカマボコ型凸レンズ部35を取り付けることが考えられるものであり、状況に応じて最も適したプライスカードの取り付け行うことができる。
【0110】
なお、スポッターの取り付けについては、上記した第2の実施の形態と同様である。
【0111】
本発明を適用した価格表示具は、スポッターの取り付けが糊等の貼り付けによらず容易に取り付けることができ、かつ、取り外しの際にも糊等の付着で汚すことなく容易に取り外すことが可能となる。
【0112】
また、価格表示具本体22Aの第1の面23上にプライスカードDをカマボコ型凸レンズ部35で覆うことによって、プライスカードDに記載された金額や商品名等を拡大表示することが可能となる。
【0113】
また、第1の面に取り付けられるレンズを通常の凸レンズではなく、カマボコ型凸レンズ部とすることで太陽光等の入射による焦点が一箇所に集中せずにプライスカードが焼けてしまうという不具合を抑制することが可能となる。
【0114】
更に、プライスカードDに記載されたバーコードを読み取る場合には、カマボコ型凸レンズ部35を上方へ回動することで容易にプライスカードDを露出させてバーコードを読み取ることが可能となる。
【符号の説明】
【0115】
1 価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具
2 係留板部
3、23 第1の面
5、40 底部
6、41 壁部
7、27 第2の面
8、28 窓部
9、29 受け部
10 切欠開口部
11 庇部
12 突条部
13 嵌合部
14 押圧部
15、39 係止片
21 価格表示具
22、22A 価格表示具本体
24 突条片
25 カード受け部
26 切欠部
30 接続部
31 連結用貫通穴
32 ホルダー棒嵌着部
33 角度調整用ホルダー支持部
34 係留溝部
34A、34B 角度調整用溝部
35 カマボコ型凸レンズ部
36 枢支用孔部
37 連結用突起部
38 レンズ支持腕部
42 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
価格表示具のプライスカードが表示される面とは反対側の面に取り付け可能とされた係留板部と、
前記係留板部から突設された底部と、該底部から上方に連設された前記係留板部の面に略並行な壁部と、該壁部から係留板部面側に突設された係止片とを有する受け部とを備える
価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具。
【請求項2】
前記係留板部の上端、あるいは下端のうち、少なくとも上端に沿って前記受け部とは逆側に突設された所定幅の庇部と、該庇部から前記係留板部の中央側に突設された突条部とを有する価格表示具に嵌め合わせ可能な嵌合部が形成された
請求項1に記載の価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具。
【請求項3】
前記受け部が係留板部の両側に配置されると共に、該係留板部の下端より上端に向けて前記受け部との間が切欠開口された
請求項1または請求項2に記載の価格表示具用スポッターあるいはカードケース取付具。
【請求項4】
商品のプライスカードが着脱自在に取り付け可能に構成された第1の面を有する価格表示具本体と、
該価格表示具本体の第1の面とは逆側の第2の面に設けられると共に、前記第2の面から突設された底部と、該底部から上方に連設された前記第2の面に略平行な壁部と、該壁部から第2の面側に突設された係止片とを有する受け部と、
前記第2の面に設けられると共に、所定の部材と接続可能、かつ、略鉛直線を回転軸として回動自在に構成される連結穴と、前記第1の面の向きが異なる複数の位置で所定の部材と上下方向に挿入可能とされた角度調整用溝部とを有する接続部とを備える
価格表示具。
【請求項5】
第1の面に取り付けられたレンズを備える
請求項4に記載の価格表示具。
【請求項6】
前記レンズは、移動することで前記第1の面を露出可能に構成された
請求項5に記載の価格表示具。
【請求項7】
前記レンズはカマボコ型レンズである
請求項5または請求項6に記載の価格表示具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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