説明

侵入検知システム、侵入検知用子機、侵入検知用親機、侵入検知方法および侵入検知プログラム

【課題】検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することが可能な侵入検知システム、侵入検知用子機、侵入検知用親機、侵入検知方法および侵入検知プログラムを提供する。
【解決手段】侵入検知用子機102a,102b,102c,102dが送信する無線信号の送信エリアは、侵入検知用親機101の設置位置を含み、かつ侵入検知用子機102a,102b,102c,102d間で互いに異なる。侵入検知用親機101は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dからそれぞれ送信された無線信号を受信し、受信した各無線信号に基づいて、空間特徴量を無線信号ごとに算出し、算出した空間特徴量に基づいて無線信号に対応する送信エリアにおける人間の動作を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入検知システム、侵入検知用子機、侵入検知用親機、侵入検知方法および侵入検知プログラムに関し、特に、空間特徴量を用いて人間の動作を検知する侵入検知システム、侵入検知用子機、侵入検知用親機、侵入検知方法および侵入検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内等の所定エリアにおいて、人の動作を検知する侵入検知装置が開発されている。侵入検知方法の一例として、たとえば、「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日(非特許文献1)には、UWB−IR(Ultra WideBand-Impulse Radio)による伝搬遅延プロファイルすなわち電力遅延プロファイルを用いる方法が開示されている。
【0003】
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、広帯域の信号を用いることから他の無線サービスとの干渉が問題となり、また、受信信号の電力を用いることから屋内におけるマルチパスフェージングの影響を受け、検出精度が劣化する場合がある。
【0004】
このような問題点を解決するための技術として、たとえば、特開2008−216152号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、イベント検出装置は、各アレイアンテナの受信信号に基づいて固有ベクトルすなわち到来角分布を計算し、当該固有ベクトルと、比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値を計算する。そして、イベント検出装置は、この内積値と所定の閾値との比較結果に基づいて、イベントの発生すなわち侵入者の検知を行なう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−216152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のイベント検出装置では、受信機によって受信された電波が、検知対象エリアにおけるどのような経路を通って受信機に到来したのか判断することができない。このため、検知対象エリアにおいて侵入者を検知することは可能であるが、この検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することが可能な侵入検知システム、侵入検知用子機、侵入検知用親機、侵入検知方法および侵入検知プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知システムは、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムであって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記複数の侵入検知用子機は、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信し、上記侵入検知用親機は、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知する。
【0010】
なお、侵入検知用子機は、侵入検知に用いられる無線信号を送信するためだけの専用の子機である必要はなく、例えば、何らかの信号を送信する子機であればよい。
【0011】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数、または、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0012】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0013】
また、各侵入検知用子機においてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機ごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0014】
(2)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知システムは、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムであって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記複数の侵入検知用子機は、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信し、上記侵入検知用親機は、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知する。
【0015】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0016】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機において無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0017】
(3)好ましくは、上記侵入検知用親機は、上記複数の侵入検知用子機が上記侵入検知用親機と同期するための基準時刻を示す情報と、上記複数の侵入検知用子機が無線信号を送信する順番を示す情報と、上記送信期間の長さを示す情報と、を含む子機制御信号を上記複数の侵入検知用子機に送信し、上記複数の侵入検知用子機は、上記侵入検知用親機から受信した上記子機制御信号に基づいて上記送信期間をそれぞれ決定する。
【0018】
このように、侵入検知用親機が、送信期間を決定するために必要となる情報を子機制御信号に含ませて侵入検知用子機へ送信する構成により、侵入検知用子機を個別に設定することなく、各侵入検知用子機の無線信号の送信期間を容易に決定することができる。
【0019】
また、侵入検知用親機が、複数の情報を含む子機制御信号を侵入検知用子機へ送信する構成により、侵入検知用子機の設定を行うことなく、侵入検知用親機の設定のみで、各侵入検知用子機に種々の送信動作をさせることができる。
【0020】
(4)より好ましくは、上記侵入検知用親機は、上記複数の侵入検知用子機が無線信号を送信する上記送信期間以外のタイミングにおいて、上記複数の侵入検知用子機へ上記子機制御信号を送信し、上記子機制御信号は、さらに、上記複数の侵入検知用子機が無線信号の送信を繰り返す回数を示す繰り返し回数情報を含み、上記複数の侵入検知用子機は、上記子機制御信号を受信して、上記繰り返し回数情報の示す前記繰り返し回数だけ無線信号を送信する。
【0021】
ここで、侵入検知用親機と侵入検知用子機とが同じ周波数の無線信号を時分割で送受信する場合には、侵入検知用親機が侵入検知用子機へ子機制御信号を送信している期間は、侵入検知用子機は無線信号を送信することができない。しかしながら、上記のような構成により、侵入検知用親機から侵入検知用子機への子機制御信号の送信回数を、侵入検知用子機からの無線信号の送信回数に対して相対的に減らすことができる。このため、侵入検知用子機が無線信号を送信する送信期間を長くすることにより、人間の動作を検知可能な期間を長くすることができるため、未検出を抑制することができる。また、侵入検知用子機が無線信号を送信する送信期間を長くすることにより、空間特徴量の演算用のサンプルデータ取得期間を長くすることができるため、精度の高い検知を行うことができる。
【0022】
(5)好ましくは、複数の侵入検知用子機は、上記侵入検知用親機と同期して無線信号を送信する。
【0023】
このような構成により、例えば、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機における動作周波数または位相のズレによって生じる誤検知を防ぎ、検知の精度を向上させることができる。
【0024】
(6)より好ましくは、上記侵入検知用親機は、2以上の上記送信エリアにおいて人間の動作を検知した場合には、上記2以上の送信エリアが重なるエリアにおいて人間が存在すると判断する。
【0025】
このような構成により、侵入検知用親機は、検知対象エリア内で侵入者が存在するエリアをより細かく特定することができる。
【0026】
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知用子機は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける上記侵入検知用子機であって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記無線信号の周波数を設定するための周波数設定部と、上記周波数設定部によって設定された周波数の無線信号を送信するための送信部と、を備え、上記周波数設定部は、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる周波数を設定する。
【0027】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0028】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0029】
(8)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知用子機は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける上記侵入検知用子機であって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、無線信号を送信するための送信部と、上記送信部を制御するための送信制御部と、を備え、上記送信制御部は、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、上記複数の侵入検知用子機間で互いに無線信号の送信期間が重ならないように上記送信部を制御する。
【0030】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0031】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機において無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0032】
(9)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知用子機は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける上記侵入検知用子機であって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記無線信号に用いられる拡散コードを設定するための拡散コード設定部と、上記拡散コード設定部によって設定された拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するための送信部と、を備え、上記拡散コード設定部は、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる拡散コードを設定する。
【0033】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0034】
また、各侵入検知用子機においてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機ごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0035】
(10)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知用親機は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける上記侵入検知用親機であって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる周波数の上記無線信号、または、上記複数の侵入検知用子機において互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された上記無線信号を上記複数の侵入検知用子機から受信するための受信部と、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知演算部と、を含む。
【0036】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数、または、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0037】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0038】
また、各侵入検知用子機においてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機ごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0039】
(11)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知用親機は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける上記侵入検知用親機であって、上記無線信号の送信エリアは、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ互いに送信期間が重ならないように送信された上記無線信号を受信するための受信部と、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知演算部と、を含む。
【0040】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0041】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機において無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0042】
(12)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知方法は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける侵入検知方法であって、上記複数の侵入検知用子機が、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するステップと、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出するステップと、上記侵入検知用親機が、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を含む。
【0043】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数、または、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0044】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0045】
また、各侵入検知用子機においてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機ごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0046】
(13)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知方法は、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける侵入検知方法であって、上記複数の侵入検知用子機が、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信するステップと、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出するステップと、上記侵入検知用親機が、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を含む。
【0047】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0048】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機において無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0049】
(14)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知プログラムは、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおいて用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、上記複数の侵入検知用子機が、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するステップと、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出するステップと、上記侵入検知用親機が、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を実行させる。
【0050】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数、または、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0051】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0052】
また、各侵入検知用子機においてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、複数の侵入検知用子機から無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機ごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0053】
(15)また、この発明の別の局面に係わる侵入検知プログラムは、無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおいて用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、上記複数の侵入検知用子機が、上記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ上記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアに、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信するステップと、上記侵入検知用親機が、上記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された上記無線信号を受信し、受信した各上記無線信号に基づいて、空間特徴量を上記無線信号ごとに算出するステップと、上記侵入検知用親機が、算出した上記空間特徴量に基づいて上記無線信号に対応する上記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を実行させる。
【0054】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0055】
また、各侵入検知用子機の送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機において無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムの侵入検知用親機の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムのRAMに記憶された、送信エリアと侵入検知用子機と送信周波数とを対応づけたテーブルを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムの侵入検知用子機の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る侵入検知システムの侵入検知用親機および複数の侵入検知用子機による無線信号の送受信の関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムの侵入検知用親機の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムの侵入検知用親機から送信される無線信号に含まれる情報を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムのRAMに記憶された、送信エリアと侵入検知用子機と送信期間とを対応づけたテーブルを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムの侵入検知用子機の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る侵入検知システムの侵入検知用親機および侵入検知用子機による無線信号の送受信の関係を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2の変形例1に係る侵入検知システムの侵入検知用親機から送信される無線信号に含まれる情報を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態2の変形例1に係る侵入検知システムの侵入検知用親機および侵入検知用子機による無線信号の送受信の関係を示す図である。
【図16】実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システムの侵入検知用親機の構成を示す図である。
【図17】実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システムの侵入検知用子機の構成を示す図である。
【図18】実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
【図20】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムの侵入検知用親機の構成を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムのRAMに記憶された、送信エリアと、侵入検知用子機と、侵入検知用子機が送信する各無線信号に用いる拡散コードと、を対応づけたテーブルを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムの侵入検知用子機の構成を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【図24】本発明の実施の形態3に係る侵入検知システムの侵入検知用親機および侵入検知用子機による無線信号の送受信の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0059】
図1は、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201の使用イメージを示す図である。
【0060】
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201は、動体検知センサとして機能する。侵入検知システム201として、無線信号を受信するための侵入検知用親機101と、無線信号を送信するための侵入検知用子機102a,102b,102c,102dと、が警戒エリアとしたい検知対象エリア、たとえば室内などに設置される。
【0061】
そして、侵入検知システム201は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dから一定間隔以内または連続的に送信される無線信号を侵入検知用親機101で受信し、受信した無線信号に基づいて信号処理を行なうことにより、室内に侵入した人間の動作の有無を検知する。
【0062】
たとえば、侵入検知システム201における侵入検知用親機101は、アレイ式電波センサであり、複数の受信アンテナ素子を備え、電波伝搬の変化を利用して動体の検知機能を実現する。また、侵入検知用親機101が使用する電波は、原理上は周波数および帯域幅等に制約はない。
【0063】
侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、無線信号の送信エリアが侵入検知用親機101の設置位置を含み、かつ、無線信号の送信エリアが侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの間で互いに異なるように設置されている。この図1に示す例では、侵入検知用子機102aの無線信号の送信エリアが室内の北側エリアANであり、侵入検知用子機102bの無線信号の送信エリアが室内の西側エリアAWであり、侵入検知用子機102cの無線信号の送信エリアが室内の東側エリアAEであり、侵入検知用子機102dの無線信号の送信エリアが室内の南側エリアASである。
【0064】
[構成および基本動作]
(侵入検知用親機)
図2は、侵入検知システム201の侵入検知用親機101の構成を示す図である。図2を参照して、侵入検知用親機101は、アレイアンテナ部11と、受信部12と、分岐回路13と、発振器14aと、発振器14bと、制御部15と、侵入検知演算部16と、分岐回路17と、発振器18と、スイッチ19と、を備えている。また、侵入検知演算部16は、空間特徴量算出部61と、RAM62と、検知部63と、警報部64と、を含む。
【0065】
アレイアンテナ部11は、たとえば4本のアンテナを含む。受信部12は、アレイアンテナ部11におけるアンテナに対応して、デュプレクサ(Duplex)21と、ローノイズアンプ22と、直交復調器23と、A/Dコンバータ(ADC)24と、パワーアンプ25と、の組を4つ含む。受信部12におけるこれらの組を、それぞれRX1,RX2,RX3,RX4とする。
【0066】
デュプレクサ21は、アレイアンテナ部11から受けた無線信号をローノイズアンプ22へ出力する。また、デュプレクサ21は、パワーアンプ25から受けた無線信号をアレイアンテナ部11へ出力する。デュプレクサ21は、アレイアンテナ部11から受けた無線信号と、パワーアンプ25から受けた無線信号と、の分離を行ない、両信号間の干渉を防ぐ。
【0067】
ローノイズアンプ22は、デュプレクサ21を通過した無線信号を増幅して出力する。
【0068】
直交復調器23は、ローノイズアンプ22から受けた無線信号と、分岐回路13およびスイッチ19を介して発振器14aまたは発振器14bから受けたローカル信号と、を乗算することにより、ローノイズアンプ22から受けた信号をたとえば直交復調してベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ24へ出力する。
【0069】
A/Dコンバータ24は、直交復調器23から受けたI信号およびQ信号をそれぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、侵入検知演算部16へ出力する。
【0070】
発振器18は周波数f0の発振信号を生成し、分岐回路17へ出力する。分岐回路17は、周波数f0の発振信号である無線信号を、受信部12の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4のパワーアンプ25へ出力する。
【0071】
パワーアンプ25は、分岐回路17を介して発振器18から受けた周波数f0の無線信号を増幅してデュプレクサ21へ出力する。さらに、デュプレクサ21は、パワーアンプ25から受けた無線信号をアレイアンテナ部11へ出力し、アレイアンテナ部11は周波数f0の無線信号を送信する。
【0072】
発振器14aは、発振信号であるローカル信号を生成する。また、発振器14bは、発振信号であるローカル信号を生成する。
【0073】
制御部15は、発振器14aに与える制御電圧CV1のレベルを調整することにより、発振器14aが生成するローカル信号の周波数を制御する。また、制御部15は、発振器14bに与える制御電圧CV2のレベルを調整することにより、発振器14bが生成するローカル信号の周波数を制御する。また、制御部15は、スイッチ19へスイッチ切替信号SWAを出力することにより、スイッチ19の接続を切り替える。制御部15は、これらの制御電圧CV1,CV2およびスイッチ切替信号SWAにより、直交復調器23へ与えるローカル信号の周波数を切り替える制御を行う。
【0074】
より詳細には、まず、制御部15は、発振器14aを制御して、発振器14aから周波数f1のローカル信号を出力させる。また、制御部15は、スイッチ19を制御して、分岐回路13と発振器14aとを接続する。これにより、直交復調器23は、周波数f1のローカル信号を受ける。このとき、制御部15は、制御電圧CV2を調整し、発振器14bにおいて周波数f2のローカル信号を生成させておく。
【0075】
次に、制御部15は、スイッチ19を制御し、分岐回路13と発振器14bとを接続する。これにより、直交復調器23は、周波数f2のローカル信号を受ける。このとき、制御部15は、制御電圧CV1のレベルを調整し、発振器14aにおいて周波数f3のローカル信号を生成させておく。
【0076】
次に、制御部15は、スイッチ19を制御し、分岐回路13と発振器14aとを接続する。これにより、直交復調器23は、周波数f3のローカル信号を受ける。このとき、制御部15は、制御電圧CV2を発振器14bへ与えて、発振器14bにおいて周波数f4のローカル信号を生成させておく。
【0077】
次に、制御部15は、スイッチ19を制御し、分岐回路13と発振器14bとを接続する。これにより、直交復調器23は、周波数f4のローカル信号を受ける。このとき、制御部15は、制御電圧CV1を発振器14aへ与えて、発振器14aにおいて周波数f1のローカル信号を生成させておく。
【0078】
このようにして、直交復調器23が受けるローカル信号の周波数が切り替えられることにより、侵入検知用親機101は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dからの周波数f1,f2,f3,f4の各無線信号を、異なるタイミングで受信する。
【0079】
分岐回路13は、発振器14aまたは発振器14bから受けたローカル信号を、受信部12の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4の各直交復調器23へ出力する。
【0080】
侵入検知演算部16は、受信部12の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4からデジタル信号を受けて、侵入検知のための演算処理を行う。
【0081】
侵入検知演算部16において、空間特徴量算出部61は、アレイアンテナ部11における各アンテナに対応するデジタル信号を受信部12から受けて、これらのデジタル信号に基づいて、アレイアンテナ部11によって受信された無線信号のレベルおよび到着タイミングを算出する。そして、空間特徴量算出部61は、算出結果に基づいて、各周波数の無線信号の送信エリア、すなわち送信エリアAN、送信エリアAW、送信エリアAEおよび送信エリアASごとの空間特徴量を算出する。
【0082】
より詳細には、空間特徴量算出部61は、たとえば特許文献1に記載の構成と同様に、到来角分布を用いて空間特徴量を抽出する。すなわち、空間特徴量算出部61は、固有ベクトルの内積を算出することにより、空間特徴量P(t)を抽出する。この内積は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)とすると、空間特徴量P(t)は以下の式で表される。
P(t)=vno・vob(t)
【0083】
図3は、図2に示すRAM62に記憶された、送信エリアと侵入検知用子機102a,102b,102c,102dと各侵入検知用子機の送信周波数fnとを対応づけたテーブルを示す図である。
【0084】
図3を参照して、RAM62は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dと、これらの侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの送信エリアである北側エリアAN、西側エリアAW、東側エリアAE、南側エリアASと、これらの侵入検知用子機102a,102b,102c,102dが送信する各無線信号の送信周波数f1,f2,f3,f4と、が対応づけられたテーブルを予め記憶する。
【0085】
検知部63は、空間特徴量算出部61によって算出された空間特徴量P(t)に基づいて、無線信号の周波数ごとに、送信エリアにおける人間の動作を検知する。そして、検知部63は、人間の動作が検知された場合、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号の周波数から、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知部63は、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する。
【0086】
警報部64は、人間の動作を検知したこと、および、人間の動作を検知したエリアを知らせるため、たとえば警備会社に警報信号を送信する。
【0087】
(侵入検知用子機)
図4は、侵入検知システム201の侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの構成を示す図である。なお、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dはいずれも同様の構成である。
【0088】
図4を参照して、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、アンテナ31と、デュプレクサ(Duplex)32と、同期信号生成部33と、送信部34と、周波数設定部35と、を備えている。
【0089】
アンテナ31は、侵入検知用親機101から送信された周波数f0の無線信号を受信する。
【0090】
デュプレクサ32は、アンテナ31から受けた無線信号を同期信号生成部33へ出力する。また、デュプレクサ32は、送信部34から受けた発振信号である無線信号をアンテナ31へ出力する。デュプレクサ32は、アンテナ31から受けた無線信号と、送信部34から受けた無線信号との分離を行ない、両信号間の干渉を防ぐ。
【0091】
同期信号生成部33は、1/N1分周回路41と、1/R分周回路42と、位相比較回路(PD)43と、バンドパスフィルタ(BPF)44と、発振器45と、を含む。同期信号生成部33は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dが侵入検知用親機101と同期して無線信号を送信するように、同期信号を生成する。
【0092】
1/N1分周回路41は、デュプレクサ32から受けた無線信号を1/N1に分周する。また、1/R分周回路42は、周波数fREFの同期信号を1/Rに分周する。位相比較回路43は、1/N1分周回路41から受けた無線信号と1/R分周回路42から受けた同期信号との位相差を検出し、検出結果を示す位相差信号を出力する。
【0093】
バンドパスフィルタ44は、位相比較回路43から受けた位相差信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
【0094】
発振器45は、バンドパスフィルタ44を通過した位相差信号に基づく周波数fREFの同期信号を生成する。
【0095】
送信部34は、1/N2分周回路51と、1/R分周回路52と、位相比較回路(PD)53と、バンドパスフィルタ(BPF)54と、発振器55と、パワーアンプ56と、を含む。送信部34は、同期信号生成部33によって生成された同期信号に基づいて、周波数設定部35によって設定された周波数fnの発振信号であって、侵入検知用親機101から受信した周波数f0の無線信号に同期する発振信号を生成し、この発振信号である無線信号を送信する。
【0096】
1/N2分周回路51は、周波数fnの発振信号を1/N2に分周する。また、1/R分周回路52は、同期信号生成部33によって生成された周波数fREFの同期信号を1/Rに分周する。位相比較回路53は、1/N2分周回路51から受けた無線信号と1/R分周回路52から受けた無線信号との位相差を検出し、検出結果を示す位相差信号を出力する。
【0097】
バンドパスフィルタ54は、位相比較回路53から受けた位相差信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
【0098】
発振器55は、バンドパスフィルタ54を通過した位相差信号に基づく周波数fnの発振信号を生成する。
【0099】
ここで、周波数設定部35によって設定される周波数fnは、侵入検知用子機102a,102b,102c,102d間で互いに異なる。たとえば、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dが、それぞれ周波数f1,f2,f3,f4の無線信号を送信するように、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの各々における周波数設定部35が周波数fnを設定する。
【0100】
パワーアンプ56は、発振器55から受けた発振信号を増幅してデュプレクサ32へ出力する。
【0101】
[動作]
次に、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201が侵入検知を行なう際の動作について説明する。
【0102】
図5は、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201が侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図であり、図6は、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用親機101および侵入検知用子機102a,102b,102c,102dによる無線信号の送受信の関係を示す図である。
【0103】
侵入検知システム201における侵入検知用親機101および侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0104】
図5を参照して、まず、侵入検知用親機101は、発振器18が生成した周波数f0の無線信号を、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dへ送信する(ステップS1)。図6に示すように、侵入検知用親機101は、侵入検知システム201による侵入検知が行われている間、周波数f0の無線信号を連続的に送信する。
【0105】
次に、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの各同期信号生成部33が、侵入検知用親機101から周波数f0の無線信号を受けて周波数fREFの同期信号を生成する(ステップS2)。
【0106】
次に、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの各送信部34が、同期信号生成部33により生成された同期信号を受けて、周波数fnの発振信号を生成する(ステップS3)。
【0107】
このような同期信号の生成(ステップS2)および発振信号の生成(ステップS3)は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dがそれぞれ行う。なお、周波数fnは、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dにおいて、それぞれ周波数f1,f2,f3,f4である。
【0108】
次に、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、周波数fnの発振信号である無線信号を、侵入検知用親機101へ送信する(ステップS4)。侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、侵入検知用親機101から送信される周波数f0の無線信号と同様に、侵入検知システム201による侵入検知が行われている間、周波数fnの無線信号を連続的に送信する。
【0109】
次に、侵入検知用親機101が、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dから無線信号を受信する(ステップS5〜ステップS8)。具体的には、侵入検知用親機101の制御部15が、発振器14a、発振器14bおよびスイッチ19を制御し、直交復調器23が受けるローカル信号の周波数を切り替える。これにより、侵入検知用親機101は、周波数f1,f2,f3,f4の各無線信号の受信処理を異なるタイミングで行う。
【0110】
たとえば図6に示すように、侵入検知用親機101は、期間T1において周波数f1の無線信号の受信処理を行い(ステップS5)、期間T2において周波数f2の無線信号の受信処理を行い(ステップS6)、期間T3において周波数f3の無線信号の受信処理を行い(ステップS7)、期間T4において周波数f4の無線信号の受信処理を行う(ステップS8)。
【0111】
次に、侵入検知用親機101の空間特徴量算出部61が、各侵入検知用子機からの無線信号ごとに空間特徴量を算出する(ステップS9)。そして、侵入検知用親機101の検知部63が、空間特徴量に基づいて侵入検知を行う。
【0112】
次に、検知部63が、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号の周波数から、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する(ステップS10)。
【0113】
次に、警報部64が、人間の動作を検知したこと、および、人間の動作を検知した送信エリアを知らせる信号を警備会社等へ送信する(ステップS11)。
【0114】
ところで、特許文献1に記載のイベント検出装置では、受信機によって受信された電波が、検知対象エリアにおけるどのような経路を通って受信機に到来したのか判断することができない。このため、検知対象エリアにおいて侵入者を検知することは可能であるが、この検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができないという問題があった。
【0115】
これに対して、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201では、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dが送信する無線信号の送信エリアは、侵入検知用親機101の設置位置を含み、かつ侵入検知用子機102a,102b,102c,102d間で互いに異なる。そして、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、互いに異なる周波数の無線信号を送信する。また、侵入検知用親機101は、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dからそれぞれ送信された無線信号を受信し、受信した各無線信号に基づいて、空間特徴量を無線信号ごとに算出し、算出した空間特徴量に基づいて無線信号に対応する送信エリアにおける人間の動作を検知する。
【0116】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の周波数から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0117】
また、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dの送信無線信号の周波数を異ならせる構成により、例えば、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dから無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御を行うことなく周波数の相違から送信エリアを特定することができる。
【0118】
また、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201では、侵入検知用子機102a,102b,102c,102dは、侵入検知用親機101と同期して無線信号を送信する。
【0119】
このような構成により、例えば、侵入検知用親機101および侵入検知用子機102a,102b,102c,102dにおける動作周波数または位相のズレによって生じる誤検知を防ぎ、検知の精度を向上させることができる。
【0120】
なお、本発明の実施の形態1に係る侵入検知システム201において、侵入検知用親機101は、2以上の送信エリアにおいて人間の動作を検知した場合には、2以上の送信エリアが重なるエリアにおいて人間が存在すると判断してもよい。
【0121】
このような構成により、侵入検知用親機101は、検知対象エリア内で侵入者が存在するエリアをより細かく特定することができる。
【0122】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0123】
本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信するものである。図7は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202の使用イメージを示す図である。
【0124】
図7を参照して、侵入検知システム202として、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201と同様に、無線信号を受信するための侵入検知用親機103と、無線信号を送信するための侵入検知用子機104a,104b,104c,104dと、が検知対象エリア、たとえば室内などに設置される。
【0125】
そして、侵入検知システム202は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dから一定間隔以内または連続的に送信される無線信号を侵入検知用親機103で受信し、受信した無線信号に基づいて信号処理を行なうことにより、室内に侵入した人間の動作の有無を検知する。
【0126】
侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、無線信号の送信エリアが侵入検知用親機103の設置位置を含み、かつ、無線信号の送信エリアが侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの間で互いに異なるように設置されている。この図7に示す例では、侵入検知用子機104aの無線信号の送信エリアが室内の北側エリアANであり、侵入検知用子機104bの無線信号の送信エリアが室内の西側エリアAWであり、侵入検知用子機104cの無線信号の送信エリアが室内の東側エリアAEであり、侵入検知用子機104dの無線信号の送信エリアが室内の南側エリアASである。
【0127】
[構成および基本動作]
(侵入検知用親機)
図8は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機103の構成を示す図であり、図9は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機103から送信される無線信号に含まれる情報を示す図である。
【0128】
図8を参照して、侵入検知用親機103は、アレイアンテナ部11と、受信部71と、制御部72と、分岐回路73と、発振器74と、直交変調器75と、子機制御情報生成部76と、スイッチ79と、侵入検知演算部16と、を備えている。また、侵入検知演算部16は、空間特徴量算出部61と、RAM62と、検知部63と、警報部64と、を含む。
【0129】
アレイアンテナ部11は、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用親機101のアレイアンテナ部11と同様の構成である。
【0130】
受信部71は、アレイアンテナ部11におけるアンテナに対応して、バンドパスフィルタ(BPF)81と、スイッチ82と、ローノイズアンプ83と、直交復調器84と、A/Dコンバータ(ADC)85と、パワーアンプ86と、スイッチ87と、の組を4つ含む。受信部71におけるこれらの組を、それぞれRX1,RX2,RX3,RX4とする。
【0131】
バンドパスフィルタ81は、アレイアンテナ部11における対応アンテナにおいて受信された無線信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
【0132】
ローノイズアンプ83は、バンドパスフィルタ81から受けた無線信号を増幅して出力する。
【0133】
直交復調器84は、ローノイズアンプ83から受けた無線信号と、発振器74が生成した発振信号であって、スイッチ79、分岐回路73およびスイッチ87を介して受けたローカル信号と、を乗算することにより、ローノイズアンプ83から受けた信号を直交復調してベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ85へ出力する。
【0134】
A/Dコンバータ85は、制御部72から与えられた制御信号STに基づくサンプリングタイミングにおいて、直交復調器84から受けたI信号およびQ信号をそれぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、侵入検知演算部16へ出力する。
【0135】
子機制御情報生成部76は、図9に示すように、プリアンブルと、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが侵入検知用親機103と同期するための情報であって、たとえばユニークワード(UW)で構成される同期情報と、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが無線信号を送信する順番を示す順番情報と、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが送信する各無線信号の送信期間の長さを示す送信期間情報と、各無線信号の周波数を示す周波数情報と、を生成する。子機制御情報生成部76は、生成した情報を示すI信号およびQ信号を直交変調器75へ出力する。
【0136】
発振器74は、周波数f1の発振信号であるローカル信号を生成する。直交変調器75は、発振器74により生成された周波数f1のローカル信号と、子機制御情報生成部76により生成された情報を示すI信号およびQ信号とを乗算することにより、I信号およびQ信号を直交変調して子機制御信号である無線信号を生成し、スイッチ79経由で分岐回路73へ出力する。
【0137】
パワーアンプ86は、スイッチ79、分岐回路73およびスイッチ87を介して直交変調器75から受けた無線信号を増幅してバンドパスフィルタ81へ出力する。
【0138】
制御部72は、スイッチ82へスイッチ切替信号SWBを与えることにより、スイッチ82の接続を切り替える。また、制御部72は、スイッチ87へスイッチ切替信号SWCを与えることにより、スイッチ87の接続を切り替える。また、制御部72は、スイッチ79へスイッチ切替信号SWDを与えることにより、スイッチ79の接続を切り替える。また、制御部72は、A/Dコンバータ85へサンプリングタイミング情報を含む制御信号STを与えて、A/Dコンバータ85を制御する。
【0139】
より詳細には、受信期間において、制御部72は、スイッチ82を制御して、バンドパスフィルタ81とローノイズアンプ83とを接続する。このとき、制御部72は、スイッチ79を制御して、発振器74と分岐回路73とを接続し、さらに、制御部72は、スイッチ87を制御して分岐回路73と直交復調器84とを接続する。
【0140】
これにより、発振器74が生成した周波数f1のローカル信号は、分岐回路73へ出力される。また、アレイアンテナ部11が受信した周波数f1の無線信号は、バンドパスフィルタ81およびスイッチ82を介してローノイズアンプ83へ出力される。そして、直交復調器84は、ローノイズアンプ83から受けた無線信号と、分岐回路73およびスイッチ87を介して発振器74から受けたローカル信号とを乗算することにより、直交復調を行う。
【0141】
送信期間において、制御部72は、スイッチ79を制御して、直交変調器75と分岐回路73とを接続する。このとき、制御部72は、スイッチ87を制御して、分岐回路73とパワーアンプ86とを接続し、さらに、制御部72は、スイッチ82を制御してバンドパスフィルタ81とパワーアンプ86とを接続する。
【0142】
これにより、直交変調器75は、子機制御情報生成部76により生成された各情報を示すI信号およびQ信号と、発振器74により生成されたローカル信号と、を受けて直交変調処理を行い、子機制御信号を生成してスイッチ79経由で分岐回路73へ出力する。分岐回路73へ出力された子機制御信号は、スイッチ87、パワーアンプ86、スイッチ82およびバンドパスフィルタ81を介してアンテナ部11から出力される。
【0143】
図10は、図8に示すRAM62に記憶された、送信エリアと侵入検知用子機104a,104b,104c,104dと送信期間とを対応づけたテーブルを示す図である。
【0144】
侵入検知演算部16は、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用親機101の侵入検知演算部16と同様の構成である。ただし、図10を参照して、RAM62は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dと、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの送信エリアである北側エリアAN、西側エリアAW、東側エリアAE、南側エリアASと、これらの侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが送信する各無線信号の送信期間T1,T2,T3,T4と、が対応づけられたテーブルを予め記憶する。
【0145】
侵入検知演算部16における検知部63は、空間特徴量算出部61によって算出された空間特徴量P(t)に基づいて、無線信号ごとに、送信エリアにおける人間の動作を検知する。そして、検知部63は、人間の動作が検知された場合、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知部63は、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する。
【0146】
(侵入検知用子機)
図11は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202の侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの構成を示す図である。なお、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dはいずれも、この図11に示す構成と同様の構成である。
【0147】
図11を参照して、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、アンテナ31と、周波数設定部35と、バンドパスフィルタ(BPF)36と、スイッチ37と、送信制御部40と、ローノイズアンプ65と、直交復調器66と、A/Dコンバータ(ADC)67と、子機制御情報抽出部68と、発振器69と、パワーアンプ70と、分配器80と、を備えている。
【0148】
アンテナ31は、侵入検知用親機103から送信された周波数f1の無線信号を受信する。
【0149】
バンドパスフィルタ36は、アンテナ31において受信された周波数f1の無線信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
【0150】
ローノイズアンプ65は、バンドパスフィルタ36を通過した無線信号を、増幅して出力する。直交復調器66は、ローノイズアンプ65から受けた無線信号と、分配器80を介して発振器69から受けた発振信号と、を乗算することにより、ローノイズアンプ65から受けた信号をたとえば直交復調してベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ67へ出力する。
【0151】
A/Dコンバータ67は、直交復調器66から受けたI信号およびQ信号を、それぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、子機制御情報抽出部68へ出力する。
【0152】
子機制御情報抽出部68は、A/Dコンバータ67から受けた信号に含まれるプリアンブルを検出し、検出したプリアンブルに基づき、同期情報、順番情報、送信期間情報および周波数情報を抽出して、抽出した各情報を送信制御部40へ出力する。
【0153】
送信制御部40は、同期情報、順番情報および送信期間情報を用いて、スイッチ37へスイッチ切替信号SWEを出力することにより、スイッチ37の接続を切り替える。また、送信制御部40は、同期情報、順番情報および送信期間情報を用いて、パワーアンプ70へ出力制御信号CV3を与えることにより、パワーアンプ70による信号の出力の有無を制御する。また、送信制御部40は、周波数情報に基づき、周波数設定部35に対して周波数の設定を指示する。
【0154】
具体的には、受信期間において、送信制御部40は、スイッチ37を制御して、バンドパスフィルタ36とローノイズアンプ65とを接続する。これにより、アンテナ31が受信した侵入検知用親機103からの無線信号が、バンドパスフィルタ36およびスイッチ37を介してローノイズアンプ65へ出力される。そして、ローノイズアンプ65によって増幅された無線信号は、直交復調器66へ出力される。そして、直交復調器66によって変換されたI信号およびQ信号が、A/Dコンバータ67によってデジタル信号に変換されて、子機制御情報抽出部68へ出力され、子機制御情報抽出部68により抽出された各情報が送信制御部40へ出力される。
【0155】
また、送信期間において、周波数設定部35は、送信制御部40の指示に従い、発振器69により生成される発振信号の周波数を設定する。発振器69は、周波数設定部35により設定された発振信号である無線信号を生成し、分配器80へ出力する。分配器80は、発振器69から受けた発振信号をパワーアンプ70と直交復調器66とへ出力する。
【0156】
そして、送信制御部40は、子機制御情報抽出部68から受けた各情報に基づき、パワーアンプ70およびスイッチ37を制御して、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dから送信される各無線信号の送信期間を決定する。具体的には、送信制御部40は、スイッチ37を制御してバンドパスフィルタ36とパワーアンプ70とを接続し、自己の侵入検知用子機の送信期間においてパワーアンプ70から無線信号を出力させ、当該送信期間以外においてパワーアンプ70からの無線信号の出力を停止する。
【0157】
これにより、パワーアンプ70へ出力された発振信号である無線信号は、侵入検知用親機103によって設定された送信期間に、スイッチ37およびバンドパスフィルタ36を介してアンテナ31に出力され、アンテナ31から侵入検知用親機103へ送信される。
【0158】
[動作]
次に、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202が侵入検知を行なう際の動作について説明する。
【0159】
図12は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202が侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図であり、図13は、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機103および侵入検知用子機104a,104b,104c,104dによる無線信号の送受信の関係を示す図である。
【0160】
侵入検知システム202における侵入検知用親機103および侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0161】
図12および図13を参照して、まず、侵入検知用親機103は、周波数f1の無線信号を、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ送信する(ステップS31)。
【0162】
次に、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、侵入検知用親機103から子機制御信号である周波数f1の無線信号を受信する。そして、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの子機制御情報抽出部68は、受信した無線信号に含まれるプリアンブルによって子機制御信号を検出し、子機制御信号においてプリアンブルに続く同期情報、すなわちユニークワードを検出することにより、基準時刻を取得して、侵入検知用親機103と同期する。さらに、子機制御情報抽出部68は、周波数情報、順番情報および送信期間情報を抽出する(ステップS32)。
【0163】
ここで、図13に示すように、たとえば、順番情報は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dのIDがこの順番に並べられたデータである。また、送信期間情報は、送信期間T1,T2,T3,T4がこの順番に並べられたデータである。また、周波数情報は、周波数f1を示すデータである。
【0164】
次に、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの各周波数設定部35が、無線信号の周波数f1を設定する。そして、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの各発振器69が、侵入検知用親機103に同期して、周波数設定部35により設定された周波数f1の発振信号である無線信号を生成する(ステップS33)。
【0165】
次に、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの各送信制御部40が、パワーアンプ70およびスイッチ37を制御して、自己の侵入検知用子機の無線信号の送信期間を制御する。これにより、具体的には以下のような処理が行われる。
【0166】
まず、侵入検知用子機104aが、周波数f1の無線信号を侵入検知用親機103へ送信する(ステップS34)。そして、侵入検知用親機103が、送信期間T1において侵入検知用子機104aからの無線信号の受信処理を行う(ステップS35)。
【0167】
次に、侵入検知用子機104bが、侵入検知用子機104aの送信期間T1の終了後、周波数f1の無線信号を侵入検知用親機103へ送信する(ステップS36)。そして、侵入検知用親機103が、送信期間T2において侵入検知用子機104bからの無線信号の受信処理を行う(ステップS37)。
【0168】
次に、侵入検知用子機104cが、侵入検知用子機104bの送信期間T2の終了後、周波数f1の無線信号を侵入検知用親機103へ送信する(ステップS38)。そして、侵入検知用親機103が、送信期間T3において侵入検知用子機104cからの無線信号の受信処理を行う(ステップS39)。
【0169】
次に、侵入検知用子機104dが、侵入検知用子機104cの送信期間T3の終了後、周波数f1の無線信号を侵入検知用親機103へ送信する(ステップS40)。そして、侵入検知用親機103が、送信期間T4において侵入検知用子機104dからの無線信号の受信処理を行う(ステップS41)。
【0170】
本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202では、以上のような侵入検知用親機103および侵入検知用子機104a,104b,104c,104dからの無線信号の時分割送信が繰り返される。
【0171】
次に、侵入検知用親機103の空間特徴量算出部61が、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dからの無線信号ごとに空間特徴量を算出する(ステップS42)。そして、侵入検知用親機103の検知部63が、空間特徴量に基づいて侵入検知を行う。
【0172】
次に、検知部63が、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する(ステップS43)。
【0173】
次に、警報部64が、人間の動作を検知したこと、および、人間の動作を検知した送信エリアを知らせる信号を警備会社等へ送信する(ステップS44)。
【0174】
上述のとおり、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202では、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが送信する無線信号の送信エリアは、侵入検知用親機103の設置位置を含み、かつ侵入検知用子機104a,104b,104c,104d間で互いに異なる。また、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信する。また、侵入検知用親機103は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dからそれぞれ送信された無線信号を受信し、受信した各無線信号に基づいて、空間特徴量を無線信号ごとに算出し、算出した空間特徴量に基づいて無線信号に対応する送信エリアにおける人間の動作を検知する。
【0175】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0176】
また、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの各送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機103および侵入検知用子機104a,104b,104c,104dにおいて無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0177】
また、上述のとおり、本発明の実施の形態2に係る侵入検知システム202では、侵入検知用親機103は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが侵入検知用親機103と同期するための基準時刻を示す同期情報と、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが無線信号を送信する順番を示す順番情報と、送信期間の長さを示す送信期間情報と、を含む子機制御信号を侵入検知用子機104a,104b,104c,104dに送信する。そして、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、子機制御信号を受信してそれぞれの送信期間を決定する。
【0178】
このように、侵入検知用親機103が、送信期間を決定するために必要となる情報を子機制御信号に含ませて侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ送信するため、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dを個別に設定することなく、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの無線信号の送信期間を容易に決定することができる。
【0179】
また、侵入検知用親機103が、複数の情報を含む子機制御信号を侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ送信する構成により、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの設定を行うことなく、侵入検知用親機103の設定のみで、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dに種々の送信動作をさせることができる。
【0180】
(変形例1)
以下、実施の形態2の変形例1について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0181】
実施の形態2の変形例1では、侵入検知用親機103から送信される子機制御信号である無線信号に、繰り返し情報が含まれている場合について説明する。
【0182】
[構成および基本動作]
図14は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機103から送信される子機制御信号に含まれる情報を示す図である。
【0183】
図14を参照して、変形例1では、図8に示す侵入検知用親機103における子機制御情報生成部76が、プリアンブルと、ユニークワード(UW)で構成される同期情報と、順番情報と、送信期間情報と、周波数情報と、に加えてさらに、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが無線信号の送信を繰り返す回数を示す繰り返し回数情報と、を生成する。この繰り返し回数情報は、たとえば「3回」という情報を示すデータである。
【0184】
すなわち、侵入検知用親機103は、プリアンブル、同期情報、順番情報、送信期間情報、周波数情報および繰り返し回数情報を含む子機制御信号を、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ送信する。
【0185】
図11に示す侵入検知用子機104a,104b,104c,104dにおいて、子機制御情報抽出部68は、同期情報、順番情報、送信期間情報、周波数情報および繰り返し回数情報を抽出して、送信制御部40へ出力する。
【0186】
送信制御部40は、繰り返し回数情報に示された回数だけ、送信期間の設定を繰り返す。これにより、子機制御信号を受信した侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは、繰り返し回数情報に示された回数だけ、無線信号を送信する。
【0187】
[動作]
図15は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機103および侵入検知用子機104a,104b,104c,104dによる無線信号の送受信の関係を示す図である。
【0188】
図15を参照して、まず、侵入検知用親機103が、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ周波数f1の無線信号を送信する(図12に示すステップS31)。
【0189】
次に、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが、子機制御情報の抽出(図12に示すステップS32)、および、発振信号の生成(図12に示すステップS33)を行う。
【0190】
次に、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが、互いの送信期間が重ならないように、周波数f1の無線信号の送信を行う(図12に示すステップS34、S36、S38、S40)。そして、侵入検知用親機103は、各無線信号の受信処理を行う(図12に示すステップS35、S37、S39、S41)。
【0191】
次に、侵入検知用親機103が、無線信号ごとに、空間特徴量の算出(図12に示すステップS42)、侵入検知(図12に示すステップS43)、および、警報信号の送信(図12に示すステップS44)を行う。
【0192】
このとき、侵入検知用親機103が送信した子機制御信号には、繰り返し回数「3回」が含まれているため、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが、無線信号の送信動作をさらに2回行う。すなわち、ステップS34からステップS44までの動作が合計3回繰り返される。
【0193】
ここで、侵入検知用親機103と侵入検知用子機104a,104b,104c,104dとが同じ周波数f1の無線信号を時分割で送受信する場合には、侵入検知用親機103が侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへ子機制御信号を送信している期間は、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dは無線信号を送信することができない。
【0194】
しかしながら、上記のような構成により、侵入検知用親機103から侵入検知用子機104a,104b,104c,104dへの子機制御信号の送信回数を、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dからの無線信号の送信回数に対して相対的に減らすことができる。
【0195】
このため、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが無線信号を送信する送信期間を長くすることにより、人間の動作を検知可能な期間を長くすることができるため、未検出を抑制することができる。また、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが無線信号を送信する送信期間を長くすることにより、空間特徴量の演算用のサンプルデータ取得期間を長くすることができるため、精度の高い検知を行うことができる。
【0196】
その他の構成および動作は実施の形態2に係る侵入検知システム202と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0197】
(変形例2)
以下、実施の形態2の変形例2について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0198】
上述した実施の形態2では、侵入検知用親機103が同期情報を含む子機制御信号を生成し、侵入検知用子機104a,104b,104c,104dが子機制御信号に含まれる各情報を抽出する場合について説明した。これに対して、実施の形態2の変形例2では、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dが自ら同期信号を生成するものである。
【0199】
[構成および基本動作]
(侵入検知用親機)
図16は、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202の侵入検知用親機105の構成を示す図である。
【0200】
図16を参照して、侵入検知用親機105は、図8に示した実施の形態2に係る侵入検知用親機103と比較して、直交変調器75、子機制御情報生成部76およびスイッチ79を備えていない。
【0201】
制御部72は、受信期間において、スイッチ82を制御して、バンドパスフィルタ81とローノイズアンプ83とを接続する。このとき、制御部72は、スイッチ87を制御して分岐回路73と直交復調器84とを接続する。これにより、直交復調器84は、ローノイズアンプ83から受けた無線信号と、分岐回路73およびスイッチ87を介して発振器74から受けたローカル信号とを乗算することにより直交復調を行う。
【0202】
また、A/Dコンバータ85は、制御部72から与えられた制御信号STに基づくサンプリングタイミングにおいて、直交復調器84から受けたI信号およびQ信号をそれぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、侵入検知演算部16へ出力する。
【0203】
制御部72は、送信期間において、スイッチ87を制御して、分岐回路73とパワーアンプ86とを接続する。このとき、制御部72は、スイッチ82を制御してバンドパスフィルタ81とパワーアンプ86とを接続する。
【0204】
これにより、発振器74により生成された周波数f1の発振信号である無線信号は、分岐回路73へ出力され、スイッチ87、パワーアンプ86、スイッチ82およびバンドパスフィルタ81を介してアンテナ部11へ出力され、アンテナ部11から侵入検知用子機106a,106b,106c,106dへ出力される。
【0205】
(侵入検知用子機)
図17は、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202の侵入検知用子機106a,106b,106c,106dの構成を示す図である。なお、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dはいずれも、この図17に示す構成と同様の構成である。
【0206】
図17を参照して、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dは、アンテナ31と、同期信号生成部33と、送信部34と、バンドパスフィルタ(BPF)36と、スイッチ37と、分岐回路38と、検波器(DET)39と、送信制御部40と、を備えている。
【0207】
ここで、図17に示す同期信号生成部33は、図4に示す実施の形態1に係る同期信号生成部33と概ね同様の構成であるが、図4に示す同期信号生成部33は1/N1分周回路41を含むのに対して、図17に示す同期信号生成部33は1/N分周回路46を含む。また、図17に示す送信部34は、図4に示す実施の形態1に係る送信部34と概ね同様の構成であるが、図4に示す送信部34は1/N2分周回路51を含むのに対して、図17に示す送信部34は1/N分周回路90を含む。1/N分周回路46および1/N分周回路90は、いずれも無線信号を1/Nに分周する。
【0208】
分岐回路38は、バンドパスフィルタ36を通過した無線信号を、同期信号生成部33の1/N分周回路46と、検波器39と、へ分岐して出力する。
【0209】
同期信号生成部33は、図4に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用子機102の同期信号生成部33と同様の構成であり、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dが侵入検知用親機105と同期して無線信号を送信するように、同期信号を生成する。
【0210】
送信部34は、図4に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用子機102の送信部34と同様の構成であり、同期信号生成部33によって生成された同期信号に基づいて、周波数設定部35によって設定された周波数f1の発振信号であって、侵入検知用親機105から受信した周波数f1の無線信号に同期する発振信号を生成し、送信する。
【0211】
検波器39は、分岐回路38から受けた無線信号を検波して、検波信号DSを送信制御部40へ出力する。
【0212】
送信制御部40は、検波器39から受けた検波信号DSを受けたタイミングを基準時刻として、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dごとに設定された送信タイミングに基づき、パワーアンプ56からの信号出力およびスイッチ37の切り替えを、図11に示した実施の形態2に係る侵入検知システム202の侵入検知用子機104a,104b,104c,104dの送信制御部40と同様に、制御する。
【0213】
[動作]
次に、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202が侵入検知を行なう際の動作について説明する。
【0214】
図18は、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202が侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【0215】
図18を参照して、まず、侵入検知用親機105は、周波数f1の無線信号を、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dへ送信する(ステップS51)。
【0216】
次に、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dの各同期信号生成部33が、侵入検知用親機105から周波数f1の無線信号を受けて周波数fREFの同期信号を生成する(ステップS52)。
【0217】
次に、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dの各送信部34が、同期信号生成部33により生成された同期信号を受けて、周波数f1の発振信号である無線信号を生成する(ステップS53)。
【0218】
このような同期信号の生成(ステップS52)および発振信号の生成(ステップS53)は、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dがそれぞれ行う。
【0219】
次に、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dの各送信制御部40は、検波信号DSに基づいて、パワーアンプ56およびスイッチ37の制御を行う。これにより、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dは、送信期間が互いに重ならないように、周波数f1の無線信号を送信する(ステップS54からステップS61)。
【0220】
次に、侵入検知用親機103の空間特徴量算出部61が、無線信号ごとに空間特徴量を算出し(ステップS62)、侵入検知用親機103の検知部63が、空間特徴量に基づいて侵入検知を行う。
【0221】
次に、検知部63が、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から、人間の動作を検知した送信エリアを特定する(ステップS63)。
【0222】
次に、警報部64が、人間の動作を検知したこと、および、人間の動作を検知した送信エリアを知らせる信号を警備会社等へ送信する(ステップS64)。
【0223】
このように、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202によれば、実施の形態2と同様に、人間の動作が検知された無線信号の送信期間から当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0224】
また、実施の形態2の変形例2に係る侵入検知システム202によれば、実施の形態2と同様に、侵入検知用子機106a,106b,106c,106dの各送信無線信号の送信期間を異ならせる構成により、侵入検知用親機105および侵入検知用子機106a,106b,106c,106dにおいて無線信号を同じ周波数に設定することができるため、侵入検知システムを容易に構築することができる。
【0225】
その他の構成および動作は実施の形態2に係る侵入検知システム202と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0226】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0227】
本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dが互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するものである。図19は、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203の使用イメージを示す図である。
【0228】
図19を参照して、侵入検知システム203として、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201と同様に、無線信号を受信するための侵入検知用親機107と、無線信号を送信するための侵入検知用子機108a,108b,108c,108dと、が検知対象エリア、たとえば室内などに設置される。
【0229】
また、侵入検知システム203は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから一定間隔以内または連続的に送信される無線信号を侵入検知用親機107で受信し、受信した無線信号に基づいて信号処理を行なうことにより、室内に侵入した人間の動作の有無を検知する。
【0230】
侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、無線信号の送信エリアが侵入検知用親機107の設置位置を含み、かつ、無線信号の送信エリアが侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの間で互いに異なるように設置されている。この図17に示す例では、侵入検知用子機108aの無線信号の送信エリアが室内の北側エリアANであり、侵入検知用子機108bの無線信号の送信エリアが室内の西側エリアAWであり、侵入検知用子機108cの無線信号の送信エリアが室内の東側エリアAEであり、侵入検知用子機108dの無線信号の送信エリアが室内の南側エリアASである。
【0231】
[構成および基本動作]
(侵入検知用親機)
図20は、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203の侵入検知用親機107の構成を示す図である。図20を参照して、侵入検知用親機107は、アレイアンテナ部11と、受信部12と、分岐回路13と、侵入検知演算部16と、分岐回路17と、発振器18と、発振器77と、制御部78と、を備えている。
【0232】
アレイアンテナ部11および受信部12は、それぞれ、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用親機101のアレイアンテナ部11および受信部12と同様の構成である。ただし、受信部12は、デュプレクサ(Duplex)21と、ローノイズアンプ22と、直交復調器23と、A/Dコンバータ(ADC)24と、パワーアンプ25と、に加えて更に、相関器26を含む。
【0233】
アレイアンテナ部11は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから周波数f1の無線信号を受信する。この無線信号は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dによって、個別に設定された拡散コードPNnを用いて、スペクトラム拡散処理されている。アレイアンテナ部11は、受信した無線信号を、デュプレクサ21およびローノイズアンプ22を介して相関器26へ出力する。
【0234】
制御部78は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから送信される各無線信号について、スペクトラム拡散に用いられる拡散コードPNnを予め記憶する。そして、制御部78は、記憶した拡散コードPNnを、相関器26に出力する。
【0235】
相関器26は、制御部78から拡散コードPNnを受けて、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから送信された各無線信号に対して逆拡散処理を行い、処理後の信号を直交復調器23へ出力する。
【0236】
発振器77は、周波数f1のローカル信号を生成し、分岐回路13へ出力する。分岐回路13は、周波数f1のローカル信号を、受信部12の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4の直交復調器23へ出力する。
【0237】
直交復調器23は、相関器26から受けた信号と、発振器77によって生成された周波数f1のローカル信号とを乗算することにより直交復調を行い、ベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ24へ出力する。
【0238】
A/Dコンバータ24は、直交復調器23から受けたI信号およびQ信号をそれぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、侵入検知演算部16へ出力する。
【0239】
図21は、図20に示すRAM62に記憶された、送信エリアと、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dと、各侵入検知用子機が送信する無線信号に用いる拡散コードPNnと、を対応づけたテーブルを示す図である。
【0240】
侵入検知演算部16は、図2に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用親機101の侵入検知演算部16と同様の構成である。ただし、図21を参照して、RAM62には、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dと、これらの侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの送信エリアである北側エリアAN、西側エリアAW、東側エリアAE、南側エリアASと、これらの侵入検知用子機108a,108b,108c,108dが送信する各無線信号に用いる拡散コードPN1,PN2,PN3,PN4と、が対応づけられたテーブルを予め記憶する。
【0241】
侵入検知演算部16において、検知部63は、空間特徴量算出部61によって算出された空間特徴量P(t)に基づいて、無線信号ごとに、送信エリアにおける人間の動作を検知する。そして、人間の動作が検知された場合、検知部63はRAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する。
【0242】
発振器18は周波数f0の発振信号を生成し、分岐回路17へ出力する。分岐回路17は、周波数f0の発振信号である無線信号を、受信部12の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4のパワーアンプ25へ出力する。
【0243】
パワーアンプ25は、分岐回路17を介して発振器18から受けた周波数f0の無線信号を増幅してデュプレクサ21へ出力する。さらに、デュプレクサ21は、パワーアンプ25から受けた無線信号をアレイアンテナ部11における対応のアンテナへ出力し、当該アンテナから周波数f0の無線信号が送信される。
【0244】
(侵入検知用子機)
図22は、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203の侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの構成を示す図である。なお、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dはいずれも同様の構成である。
【0245】
図22を参照して、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、アンテナ31と、デュプレクサ(Duplex)32と、同期信号生成部33と、送信部34と、拡散コード設定部60と、を備えている。
【0246】
アンテナ31、デュプレクサ32および同期信号生成部33は、図4に示した実施の形態1に係る侵入検知システム201の侵入検知用子機102a,102b,102c,102dのアンテナ31、デュプレクサ32および同期信号生成部33と同様の構成である。
【0247】
送信部34は、1/N2分周回路51と、1/R分周回路52と、位相比較回路(PD)53と、バンドパスフィルタ(BPF)54と、発振器55と、パワーアンプ56と、に加えて、さらに、信号処理部57と、直交変調器58と、拡散器59と、を含む。送信部34は、同期信号生成部33によって生成された周波数fREFの同期信号に基づいて、侵入検知用親機107から受信した周波数f0の無線信号に同期する発振信号を生成する。さらに、送信部34は、発振信号を用いて生成した無線信号に対して、拡散コード設定部60によって設定された拡散コードPNnを用いてスペクトラム拡散処理を行い、スペクトラム拡散処理した無線信号を送信する。
【0248】
具体的には、1/N2分周回路51は、周波数f1の無線信号を1/N2に分周する。1/R分周回路52は、同期信号生成部33によって生成された周波数fREFの同期信号を1/Rに分周する。位相比較回路53は、1/N2分周回路51から受けた無線信号と1/R分周回路52から受けた無線信号との位相差を検出し、検出結果を示す位相差信号を出力する。
【0249】
バンドパスフィルタ54は、位相比較回路53から受けた位相差信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
【0250】
発振器55は、バンドパスフィルタ54を通過した位相差信号に基づく周波数f1の発振信号を生成する。
【0251】
信号処理部57は、ベースバンド帯のI信号およびQ信号を生成し、直交変調器58へ出力する。直交変調器58は、信号処理部57から受けたI信号およびQ信号と、発振器55から受けた周波数f1の発振信号とを乗算することによりI信号およびQ信号を直交変調して無線信号を生成し、拡散器59へ出力する。
【0252】
拡散器59は、直交変調器58から受けた無線信号に対して、拡散コード設定部60によって設定された拡散コードPNnを用いてスペクトラム拡散を行う。
【0253】
ここで、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの各拡散コード設定部60は、互いに異なる拡散コードPNnを予め記憶する。たとえば、侵入検知用子機108aの拡散コード設定部60は拡散コードPN1を記憶し、侵入検知用子機108bの拡散コード設定部60は拡散コードPN2を記憶し、侵入検知用子機108cの拡散コード設定部60拡散コードPN3を記憶し、侵入検知用子機108dの拡散コード設定部60は拡散コードPN4を記憶する。
【0254】
パワーアンプ56は、拡散器59から受けた無線信号を増幅してデュプレクサ32経由でアンテナ31へ出力する。
【0255】
[動作]
次に、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203が侵入検知を行なう際の動作について説明する。
【0256】
図23は、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203が侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図であり、図24は、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203の侵入検知用親機107および侵入検知用子機108a,108b,108c,108dによる無線信号の送受信の関係を示す図である。
【0257】
侵入検知システム203における侵入検知用親機107および侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0258】
図23を参照して、まず、侵入検知用親機107は、発振器18により生成した周波数f0の無線信号を、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dへ送信する(ステップS71)。図24を参照して、この周波数f0の無線信号は、侵入検知システム203による侵入検知が行われている間、連続的に侵入検知用親機107から送信される。
【0259】
次に、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの各同期信号生成部33が、侵入検知用親機107から周波数f0の無線信号を受けて周波数fREFの同期信号を生成する(ステップS72)。
【0260】
次に、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dの各送信部34の発振器55が、同期信号生成部33により生成された同期信号を受けて、周波数f1の発振信号を生成する(ステップS73)。
【0261】
次に、送信部34の拡散器59は、拡散コード設定部60によって設定された拡散コードPNnを用いて、スペクトラム拡散処理を行う(ステップS74)。
【0262】
このような同期信号の生成(ステップS72)、発振信号の生成(ステップS73)およびスペクトラム拡散処理(ステップS74)は、各侵入検知用子機108a,108b,108c,108dがそれぞれ行う。また、拡散コードPNnは、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dにおいて、それぞれ周波数PN1,PN2,PN3,PN4である。
【0263】
次に、各侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、スペクトラム拡散された周波数f1の無線信号を、侵入検知用親機107へ送信する(ステップS54)。侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、侵入検知用親機107から送信される周波数f0の無線信号と同様に、侵入検知システム203による侵入検知が行われている間、スペクトラム拡散された周波数f1の無線信号を連続的に送信する。
【0264】
次に、侵入検知用親機107が、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから無線信号を受信する(ステップS76)。
【0265】
次に、侵入検知用親機107の相関器26が、制御部78から拡散コードPNnを受けて、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから受信した無線信号に対して逆拡散処理を行う(ステップS77)。この拡散コードPNn、すなわちPN1,PN2,PN3,PN4は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dが、スペクトラム拡散に用いる拡散コードPNn、すなわちPN1,PN2,PN3,PN4にそれぞれ対応している。これにより、侵入検知用親機107は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dにおける拡散処理前の信号をそれぞれ得ることができる。
【0266】
次に、侵入検知用親機107の空間特徴量算出部61が、各侵入検知用子機からの無線信号ごとに空間特徴量を算出する(ステップS78)。
【0267】
次に、侵入検知用親機107の検知部63が、RAM62に記憶されたテーブルを参照し、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから、人間の動作を検知した送信エリアを特定する。すなわち、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定する(ステップS79)。
【0268】
次に、検知対象エリアのうち人間の動作が検知されたエリアがある場合には、警報部64が、人間の動作を検知したこと、および、人間の動作を検知したエリアを知らせる信号を警備会社等へ送信する(ステップS80)。
【0269】
上述のとおり、本発明の実施の形態3に係る侵入検知システム203では、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dが送信する無線信号の送信エリアは、侵入検知用親機101の設置位置を含み、かつ侵入検知用子機108a,108b,108c,108d間で互いに異なる。また、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dは、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信する。また、侵入検知用親機107は、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dからそれぞれ送信された無線信号を受信し、受信した各無線信号に基づいて、空間特徴量を無線信号ごとに算出し、算出した空間特徴量に基づいて無線信号に対応する送信エリアにおける人間の動作を検知する。
【0270】
このような構成により、人間の動作が検知された無線信号に用いられた拡散コードから当該無線信号の送信エリアを特定することができるため、検知対象エリア内のどの場所に侵入者が存在するかを特定することができる。
【0271】
また、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dにおいてスペクトラム拡散に用いる拡散コードを異ならせる構成により、例えば、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dから無線信号を異なる期間に送信するなどといった複雑な制御、または、侵入検知用子機108a,108b,108c,108dごとに異なる周波数の無線信号を送信するための設定が不要となる。
【0272】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0273】
11 アレイアンテナ部
12,71 受信部
13,17 分岐回路
14a,14b 発振器
15 制御部
16 侵入検知演算部
18 発振器
19,37 スイッチ
21,32 デュプレクサ(Duplex)
22,65 ローノイズアンプ
23,66 直交復調器
24,67 A/Dコンバータ(ADC)
25,56 パワーアンプ
26 相関器
31 アンテナ
33 同期信号生成部
34 送信部
35 周波数設定部
36,44 バンドパスフィルタ(BPF)
38,73 分岐回路
39 検波器(DET)
40 送信制御部
41 1/N1分周回路
51 1/N2分周回路
42,52 1/R分周回路
43,53 位相比較回路(PD)
45,55 発振器
46,90 1/N分周回路
54,81 バンドパスフィルタ(BPF)
57 信号処理部
58 直交変調器
59 拡散器
60 拡散コード設定部
61 空間特徴量算出部
62 RAM
63 検知部
64 警報部
68 子機制御情報抽出部
69,74,77 発振器
70,86 パワーアンプ
72,78 制御部
75 直交変調器
76 子機制御情報生成部
79,82,87 スイッチ
80 分配器
83 ローノイズアンプ
84 直交復調器
85 A/Dコンバータ(ADC)
101,103,105,107 侵入検知用親機
102a,102b,102c,102d 侵入検知用子機
104a,104b,104c,104d 侵入検知用子機
106a,106b,106c,106d 侵入検知用子機
108a,108b,108c,108d 侵入検知用子機
201,202,203 侵入検知システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムであって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記複数の侵入検知用子機は、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信し、
前記侵入検知用親機は、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知する、侵入検知システム。
【請求項2】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムであって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記複数の侵入検知用子機は、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信し、
前記侵入検知用親機は、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知する、侵入検知システム。
【請求項3】
前記侵入検知用親機は、前記複数の侵入検知用子機が前記侵入検知用親機と同期するための情報と、前記複数の侵入検知用子機が無線信号を送信する順番を示す情報と、前記送信期間の長さを示す情報と、を含む子機制御信号を前記複数の侵入検知用子機に送信し、
前記複数の侵入検知用子機は、前記侵入検知用親機から受信した前記子機制御信号に基づいて前記送信期間をそれぞれ決定する、請求項2に記載の侵入検知システム。
【請求項4】
前記侵入検知用親機は、前記複数の侵入検知用子機が無線信号を送信する前記送信期間以外のタイミングにおいて、前記複数の侵入検知用子機へ前記子機制御信号を送信し、
前記子機制御信号は、さらに、前記複数の侵入検知用子機が無線信号の送信を繰り返す回数を示す繰り返し回数情報を含み、
前記複数の侵入検知用子機は、前記子機制御信号を受信して、前記繰り返し回数情報の示す前記繰り返し回数だけ無線信号を送信する、請求項3に記載の侵入検知システム。
【請求項5】
前記複数の侵入検知用子機は、前記侵入検知用親機と同期して無線信号を送信する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の侵入検知システム。
【請求項6】
前記侵入検知用親機は、2以上の前記送信エリアにおいて人間の動作を検知した場合には、前記2以上の送信エリアが重なるエリアにおいて人間が存在すると判断する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の侵入検知システム。
【請求項7】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける前記侵入検知用子機であって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記無線信号の周波数を設定するための周波数設定部と、
前記周波数設定部によって設定された周波数の無線信号を送信するための送信部と、を備え、
前記周波数設定部は、前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる周波数を設定する、侵入検知用子機。
【請求項8】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける前記侵入検知用子機であって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
無線信号を送信するための送信部と、
前記送信部を制御するための送信制御部と、を備え、
前記送信制御部は、前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、前記複数の侵入検知用子機間で互いに無線信号の送信期間が重ならないように前記送信部を制御する、侵入検知用子機。
【請求項9】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける前記侵入検知用子機であって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記無線信号に用いられる拡散コードを設定するための拡散コード設定部と、
前記拡散コード設定部によって設定された拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するための送信部と、を備え、
前記拡散コード設定部は、前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知可能なように、前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる拡散コードを設定する、侵入検知用子機。
【請求項10】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける前記侵入検知用親機であって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる周波数の前記無線信号、または、前記複数の侵入検知用子機において互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された前記無線信号を前記複数の侵入検知用子機から受信するための受信部と、
受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知演算部と、を含む、侵入検知用親機。
【請求項11】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける前記侵入検知用親機であって、
前記無線信号の送信エリアは、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なり、
前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ互いに送信期間が重ならないように送信された前記無線信号を受信するための受信部と、
受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知演算部と、を含む、侵入検知用親機。
【請求項12】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける侵入検知方法であって、
前記複数の侵入検知用子機が、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するステップと、
前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出するステップと、
前記侵入検知用親機が、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を含む、侵入検知方法。
【請求項13】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおける侵入検知方法であって、
前記複数の侵入検知用子機が、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信するステップと、
前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出するステップと、
前記侵入検知用親機が、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を含む、侵入検知方法。
【請求項14】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおいて用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、
前記複数の侵入検知用子機が、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに異なる周波数の無線信号、または、互いに異なる拡散コードでスペクトラム拡散された無線信号を送信するステップと、
前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出するステップと、
前記侵入検知用親機が、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を実行させるための、侵入検知プログラム。
【請求項15】
無線信号を送信するための複数の侵入検知用子機と、侵入検知用親機と、を備える侵入検知システムにおいて用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、
前記複数の侵入検知用子機が、前記侵入検知用親機の設置位置を含み、かつ前記複数の侵入検知用子機間で互いに異なる送信エリアへ、互いに送信期間が重ならないように無線信号を送信するステップと、
前記侵入検知用親機が、前記複数の侵入検知用子機からそれぞれ送信された前記無線信号を受信し、受信した各前記無線信号に基づいて、空間特徴量を前記無線信号ごとに算出するステップと、
前記侵入検知用親機が、算出した前記空間特徴量に基づいて前記無線信号に対応する前記送信エリアにおける人間の動作を検知するステップと、を実行させるための、侵入検知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−72756(P2013−72756A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212058(P2011−212058)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】