説明

侵入検知装置、侵入検知システム、侵入検知方法および侵入検知プログラム

【課題】電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐ。
【解決手段】侵入検知装置102は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知する。侵入検知装置102は、アンテナを含み、アンテナにおいて無線信号を受信するための受信部52と、受信部52によって受信された無線信号に基づいて所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部11と、空間特徴量算出部11によって算出された空間特徴量に基づいて所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部82とを備える。受信部52は、アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の指向性パターンの中から、受信する無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入検知装置、侵入検知システム、侵入検知方法および侵入検知プログラムに関し、特に、空間特徴量を用いて人間の動作を検知する侵入検知装置、侵入検知システム、侵入検知方法および侵入検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内等の所定エリアにおいて、人の動作を検知する侵入検知装置が開発されている。侵入検知方法の一例として、たとえば、「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日(非特許文献1)には、UWB−IR(Ultra WideBand-Impulse Radio)による伝搬遅延プロファイルすなわち電力遅延プロファイルを用いる方法が開示されている。
【0003】
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、広帯域の信号を用いることから他の無線サービスとの干渉が問題となり、また、受信信号の電力を用いることから屋内におけるマルチパスフェージングの影響を受け、検出精度が劣化する場合がある。
【0004】
このような問題点を解決するための技術として、たとえば、特開2008−216152号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、イベント検出装置は、各アレイアンテナの受信信号に基づいて固有ベクトルすなわち到来角分布を計算し、当該固有ベクトルと、比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値を計算する。そして、イベント検出装置は、この内積値と所定の閾値との比較結果に基づいて、イベントの発生すなわち侵入者の検知を行なう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−216152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のイベント検出装置では、送信機および受信機間で電波を送受信する。このイベント検出装置が設置される場所によっては、受信機に到来する送信機からの直接波のレベルが反射波と比べて非常に大きくなってしまう場合がある。この場合、反射波の伝搬経路における変化を検出することが困難になり、検知可能エリアが狭くなってしまう。このような問題は、室内等の比較的狭いエリアに設置される場合に生じる可能性が高い。
【0008】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことが可能な侵入検知装置、侵入検知システム、侵入検知方法および侵入検知プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知装置は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、上記受信部は、上記アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の上記指向性パターンの中から、受信する上記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0010】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0011】
(2)好ましくは、上記受信部は、上記複数の指向性パターンの中から、上記受信部が受信する上記無線信号のレベルが所定範囲内で最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0012】
このような構成により、たとえば選択したアンテナの指向性のヌル点が他の装置の方向に形成される等、侵入検知装置における無線信号の受信レベルが低くなりすぎる指向性パターンを除外することができるため、侵入検知装置において適切なレベルの無線信号を受信することができる。
【0013】
(3)好ましくは、上記受信部は、指向性パターンの異なる複数のアンテナを含み、上記複数のアンテナの中から、受信する上記無線信号のレベルが最も小さくなる1または複数のアンテナを選択する。
【0014】
このような構成により、アンテナを切り替えるだけの簡易な構成で指向性パターンを選択することができる。
【0015】
(4)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知装置は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、上記アンテナの指向性が、上記他の装置の方向の指向性を含まないように設定されている。
【0016】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0017】
(5)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知装置は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、上記アンテナにおいて受信される上記無線信号のレベルが目標値以下となるように、上記アンテナの指向性が設定されている。
【0018】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0019】
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知システムは、所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、上記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、上記受信機は、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、上記受信部は、上記アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の上記指向性パターンの中から、受信する上記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0020】
このような構成により、受信機にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、受信機が送信機に対して何らかの制御を行なうことなく、また、送信機から特定の信号を受信機へ送信することなく、簡易な構成で、送信機からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0021】
(7)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知システムは、所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、上記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、上記受信機は、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、上記アンテナの指向性が、上記送信機の方向の指向性を含まないように設定されている。
【0022】
このような構成により、受信機にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、受信機が送信機に対して何らかの制御を行なうことなく、また、送信機から特定の信号を受信機へ送信することなく、簡易な構成で、送信機からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0023】
(8)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知システムは、所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、上記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、上記受信機は、アンテナを含み、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するための受信部と、上記受信部によって受信された上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、上記空間特徴量算出部によって算出された上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、上記アンテナにおいて受信される上記無線信号のレベルが目標値以下となるように、上記アンテナの指向性が設定されている。
【0024】
このような構成により、受信機にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、受信機が送信機に対して何らかの制御を行なうことなく、また、送信機から特定の信号を受信機へ送信することなく、簡易な構成で、送信機からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0025】
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知方法は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するステップと、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含み、上記無線信号を受信するステップにおいては、上記アンテナの複数の指向性パターンの中から、受信する上記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0026】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0027】
(10)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知方法は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、上記アンテナの指向性が、上記他の装置の方向の指向性を含まないように設定するステップと、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するステップと、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含む。
【0028】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0029】
(11)またこの発明の別の局面に係わる侵入検知方法は、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、上記アンテナにおいて受信される上記無線信号のレベルが目標値以下となるように、上記アンテナの指向性を設定するステップと、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するステップと、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含む。
【0030】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0031】
(12)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知プログラムは、他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置において用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、上記アンテナにおいて上記無線信号を受信するステップと、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを実行させるためのプログラムであり、上記無線信号を受信するステップにおいては、上記アンテナの複数の指向性パターンの中から、受信する上記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択するためのプログラムである。
【0032】
このような構成により、侵入検知装置にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。また、侵入検知装置が他の装置に対して何らかの制御を行なうことなく、また、他の装置から特定の信号を侵入検知装置へ送信することなく、簡易な構成で、他の装置からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける電波の伝搬経路を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機のアンテナの指向性を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおいて、指向性パターンの切り替えによる効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
【0037】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る侵入検知システム201は、動体検知センサとして機能する。侵入検知システムとして最低一組の送信機101および受信機102が、警戒エリアとしたい閉空間、たとえば家の中に設置される。そして、侵入検知システムは、送信機101から一定間隔以内または連続的に送信される電波を受信機102で受信し、受信した電波に基づいて信号処理を行なうことにより、室内に侵入した人間およびドアの開閉等を検知する。
【0038】
たとえば、侵入検知システム201における受信機102は、アレイ式電波センサであり、複数の受信アンテナ素子を備え、閉空間における電波伝搬の変化を利用して動体の検知機能を実現する。侵入検知システム201が使用する電波は、原理上は周波数および帯域幅等に制約はない。
【0039】
[構成および基本動作]
図2は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける電波の伝搬経路を示す図である。
【0040】
図2を参照して、室内等の所定エリア301において、送信機101および受信機102が設けられている。
【0041】
送信機101は、たとえば10GHz帯の無線信号を送信する。受信機102は、侵入検知装置として、所定エリア301における人間の動作を検知する。受信機102は、送信機101から送信される10GHz帯の電波を利用して検知動作を行なう。
【0042】
より詳細には、受信機102は、所定エリア301の状態を示す空間特徴量に基づいて、当該エリアにおける人間の動作を検知する。すなわち、受信機102は、反射および回折等の波動伝搬の性質に基づいて、所定エリア301内の状態を監視する。具体的には、受信機102は、複数のアンテナの受信信号に基づいて計算された到来角分布を監視することにより、人間の動作を検知する。
【0043】
また、送信機101から送信される無線信号は、たとえば連続的な信号であり、この場合、受信機102は、連続的に受信動作を行なう。
【0044】
所定エリア301において、送信機101からPath1を伝搬して受信機102に到来する電波である直接波が強すぎると、送信機101からPath2〜Path5を伝搬して受信機102に到来する電波である反射波の影響が、受信機102において見えなくなってしまう。具体的には、受信機102において、たとえば、無線信号または当該無線信号をダウンコンバートした信号をサンプリングするためのA/Dコンバータのダイナミックレンジを超えるレベルの信号が当該A/Dコンバータへ入力されてしまい、無線信号を正確に示すデジタル信号が生成されなくなってしまう。また、ダイナミックレンジ内に受信信号が収まっても、直接波のレベルが他の信号に比べて大きすぎる場合には、微少なレベルの信号が変動しても当該変動は直接波に隠れてしまう。これにより、Path2〜Path5における電波伝搬の変化を検出することが困難になり、検知可能エリアが狭くなってしまう。
【0045】
ここで、直接波が伝搬するPath1は、他のPathが交差している確率が高い。すなわち、受信機102において直接波が見えなくても、たとえばPath1と交差するPath2における電波伝搬の変化を監視することにより、Path1における電波伝搬の変化を監視することが可能である。
【0046】
これに基づき、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムでは、以下のような構成および動作により、検知エリアが狭くなるという問題点を解決する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機の構成を示す図である。
【0048】
図3を参照して、受信機102は、アレイ受信部52と、制御部53とを備える。アレイ受信部52は、たとえば4つのアンテナ部21と、受信回路22と、受信アンテナ切り替え部23と、分岐回路37と、発振器38とを含む。アンテナ部21は、たとえば2本のアンテナ61,62と、アンテナ選択部63とを含む。受信回路22は、アンテナ部21に対応して、バンドパスフィルタ(BPF)31、ローノイズアンプ32、方向性結合器(DC)33、直交復調器34、A/Dコンバータ(ADC)35、および測定部の一例である検波器36の組を4つ含む。制御部53は、侵入検知演算部71を含む。
【0049】
アレイ受信部52は、所定エリアに配置された送信機101から送信された無線信号をアンテナで受信する。アレイ受信部52は、当該アンテナの指向性パターンを選択可能である。アレイ受信部52は、複数の指向性パターンの中から、受信する無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。この選択は、アンテナ部21ごとに行なわれる。なお、受信機102は、4つのアンテナ部21を含む構成に限らず、1または複数のアンテナ部21を含む構成であればよい。
【0050】
たとえば、アレイ受信部52は、複数の指向性パターンの中から、アレイ受信部52が受信する無線信号のレベルが所定範囲内となる指向性パターンを選択し、選択した指向性パターンの中から、アレイ受信部52が受信する無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0051】
具体的には、アレイ受信部52は、指向性パターンの異なるアンテナ61,62のうち、受信する無線信号のレベルが最も小さくなるアンテナを選択する。
【0052】
侵入検知演算部71は、アレイ受信部52によって受信された無線信号に基づいて所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した空間特徴量に基づいて所定エリアにおける人間の動作を検知する。
【0053】
より詳細には、アンテナ部21において、アンテナ61,62は、送信機101から送信された無線信号を受信する。
【0054】
受信回路22において、バンドパスフィルタ31は、対応のアンテナ部21におけるアンテナにおいて受信された無線信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分、たとえば10GHz帯以外の成分を減衰させる。
【0055】
ローノイズアンプ32は、バンドパスフィルタ31を通過した無線信号を増幅して出力する。
【0056】
方向性結合器33は、ローノイズアンプ32から受けた無線信号を分岐して直交復調器34および検波器36へ出力する。
【0057】
直交復調器34は、方向性結合器33から受けた無線信号と分岐回路37を介して発振器38から受けたローカル信号とを乗算することにより、ローノイズアンプ32から受けた信号をたとえば直交復調してベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ35へ出力する。
【0058】
A/Dコンバータ35は、直交復調器34から受けたI信号およびQ信号をそれぞれnビット(nは2以上の自然数)のデジタル信号に変換し、制御部53における侵入検知演算部71へ出力する。
【0059】
検波器36は、方向性結合器33から受けた無線信号を検波することにより、無線信号の受信レベルすなわち電力または振幅を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)信号を受信アンテナ切り替え部23へ出力する。なお、RSSIの代わりに、ΔRSSIすなわち各PathのRSSIの最大値および最小値の差を用いる構成であってもよい。また、検波器36からのRSSI信号の代わりに、たとえばA/Dコンバータ35のデジタル信号が最大値になる場合にA/Dコンバータ35から出力されるオーバーフロー情報を受信アンテナ切り替え部23に与える構成であってもよい。
【0060】
受信アンテナ切り替え部23は、検波器36によって測定された受信レベルに基づいて、複数の指向性パターンの中から、受信機102が受信する無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択させるための受信アンテナ切り替え命令をアンテナ選択部63へ出力する。より詳細には、受信アンテナ切り替え部23は、受信回路22から受けたRSSI信号に基づいて、受信アンテナ切り替え命令を各RSSI信号に対応するアンテナ部21のアンテナ選択部63へ出力する。
【0061】
たとえば、受信アンテナ切り替え部23は、受信回路22から受けたRSSI信号が所定値A以上の場合には、送信機101からの直接波の受信レベルが大きいと判断し、他のアンテナを選択するための受信アンテナ切り替え命令をアンテナ選択部63へ出力する。
【0062】
また、受信アンテナ切り替え部23は、受信回路22から受けたRSSI信号が所定値Aより小さい所定値B未満の場合には、送信機101からの無線信号の受信レベルが小さすぎると判断し、他のアンテナを選択するための受信アンテナ切り替え命令をアンテナ選択部63へ出力する。
【0063】
また、受信アンテナ切り替え部23は、受信回路22から受けたRSSI信号が所定値A未満かつ所定値B以上である場合には、アンテナごとのRSSI信号の比較等を行なうことにより、送信機101からの無線信号の受信レベルが最も小さくなるアンテナを選択するための受信アンテナ切り替え命令をアンテナ選択部63へ出力する。
【0064】
アンテナ選択部63は、受信アンテナ切り替え部23から受けた受信アンテナ切り替え命令に基づいて、使用アンテナ、すなわち受信回路22と接続されるアンテナを選択する。
【0065】
図4は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける制御部の構成を示す図である。
【0066】
図4を参照して、侵入検知演算部71は、空間特徴量算出部81と、検知部82とを含む。
【0067】
空間特徴量算出部81は、各アンテナ部21に対応するデジタル信号をアレイ受信部52から受けて、これらのデジタル信号に基づき、各アンテナ部21によって受信された無線信号のレベルおよび到着タイミングを算出する。そして、空間特徴量算出部81は、算出結果に基づいて、所定エリアにおける空間特徴量を算出する。すなわち、空間特徴量算出部81は、人間の動作を検知すべき所定エリアについて、当該所定エリアの状態を示す空間特徴量を算出する。
【0068】
より詳細には、空間特徴量算出部81は、たとえば特許文献1に記載の構成と同様に、到来角分布を用いて空間特徴量を抽出する。すなわち、空間特徴量算出部81は、固有ベクトルの内積を算出することにより、空間特徴量P(t)を抽出する。この内積は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)とすると、空間特徴量P(t)は以下の式で表される。
P(t)=vno・vob(t)
【0069】
検知部82は、空間特徴量算出部81によって算出された空間特徴量P(t)に基づいて、所定エリアにおける人間の動作を検知する。
【0070】
また、受信アンテナ切り替え部23は、受信アンテナ切り替え命令をアンテナ選択部63へ出力するとともに、受信アンテナ切り替え通知を空間特徴量算出部81へ出力する。
【0071】
空間特徴量算出部81は、受信アンテナ切り替え部23から受信アンテナ切り替え通知を受けると、空間特徴量の算出のために蓄積していたアレイ受信部52からのデジタル信号および途中計算結果等を削除し、新たにアレイ受信部52から受けたデジタル信号に基づいて空間特徴量の算出を開始する。これにより、アンテナを切り替えても正確な空間特徴量を得ることができる。
【0072】
図5は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機のアンテナの指向性を示す図である。
【0073】
図5を参照して、アンテナ61の指向性パターンP1とアンテナ62の指向性パターンP2とは、互いに異なる。たとえば、指向性パターンP1および指向性パターンP2は、指向性の方向が略90度異なる。なお、アンテナ部21における各アンテナの指向性は、半値幅および前後比等の特性が異なるものであればよい。
【0074】
アレイ受信部52は、たとえばRSSI値を判断基準として使用アンテナを選択する。すなわち、アレイ受信部52は、RSSI値に基づいて、アンテナ61を選択するか、またはアンテナ62を選択する。
【0075】
たとえば、受信機102では、アンテナ61およびアンテナ62の一方を選択した場合において、選択したアンテナの指向性のメインローブが送信機101を向かないように、また、選択したアンテナの指向性のヌル点が送信機101の方向に形成されないように、アンテナ61およびアンテナ62の向きおよび特性が設定される。
【0076】
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムが侵入検知を行なう際の動作について説明する。
【0077】
図6は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムが侵入検知動作を行なう際の動作手順を定めたシーケンス図である。侵入検知システム201における送信機101および受信機102は、シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
【0078】
図6を参照して、侵入検知モードにおいて、まず、送信機101は、無線信号を受信機102へ送信する(ステップS11)。
【0079】
次に、受信機102は、送信機101から無線信号を受信して、当該無線信号の受信レベルすなわちRSSIを測定する(ステップS12)。
【0080】
次に、受信機102は、RSSIの測定結果に基づいて、アンテナ部21におけるアンテナを切り替えるべきか否かを判断する。より詳細には、受信機102は、送信機101から送信された無線信号の受信レベルを測定し、受信レベルが大きい場合にはアンテナ部21におけるアンテナを切り替えるべきであると判断する(ステップS13)。
【0081】
次に、受信機102は、アンテナの切り替えを行なう。すなわち、受信機102は、選択中の指向性パターンを他の指向性パターンに変更する(ステップS14)。
【0082】
次に、受信機102は、送信機101からの無線信号を、切り替えたアンテナで受信する(ステップS15)。
【0083】
次に、受信機102は、送信機101から受信した無線信号に基づいて空間特徴量を算出し(ステップS16)、侵入検知を行なう(ステップS17)。
【0084】
図7は、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムにおいて、指向性パターンの切り替えによる効果を示す図である。
【0085】
図7を参照して、侵入検知システム201では、直接波の電界強度が通常、一番強いことに基づき、受信機102の指向性パターンを選択する。たとえば、直接波の伝搬するPath1方向の指向性を有するアンテナ部21におけるアンテナを非選択とし、逆に他のアンテナを選択する。これにより、受信機102に到来する各電波の強度の差を縮めることができる。すなわち、各PathのRSSIの差ΔRSSIを小さくすることができる。また、各PathのRSSIの最大値をSmax1からSmax2へ下げることができる。
【0086】
ところで、特許文献1に記載のイベント検出装置では、送信機および受信機間で電波を送受信する。このイベント検出装置が設置される場所によっては、受信機に到来する送信機からの直接波のレベルが反射波と比べて非常に大きくなってしまう場合がある。この場合、反射波の伝搬経路における変化を検出することが困難になり、検知可能エリアが狭くなってしまう。
【0087】
これに対して、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置は、アレイ受信部52は、アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の指向性パターンの中から、受信する無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0088】
このような構成により、電波センサである受信機102にとって都合の良い無線信号を受信することができるため、この無線信号を用いて空間特徴量を正確に算出し、検知精度を向上させることができる。したがって、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、電波を用いて所定エリアにおける人間の侵入を検知する構成において、検知可能エリアが狭くなることを防ぐことができる。
【0089】
また、受信機102が送信機101に対して何らかの制御を行なうことなく、また、送信機101から特定の信号を受信機102へ送信することなく、簡易な構成で、送信機101からの無線信号の受信結果に基づいて人間の動作を検知することができる。
【0090】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、アレイ受信部52における受信アンテナ切り替え部23は、複数の指向性パターンの中から、アレイ受信部52が受信する無線信号のレベルが所定範囲内で最も小さくなる指向性パターンを選択する。
【0091】
このような構成により、たとえば選択したアンテナの指向性のヌル点が送信機101の方向に形成される等、受信機102における無線信号の受信レベルが低くなりすぎる指向性パターンを除外することができるため、受信機102において適切なレベルの無線信号を受信することができる。
【0092】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、アレイ受信部52における受信アンテナ切り替え部23は、指向性パターンの異なるアンテナ61,62を含み、アンテナ61,62の中から、受信する無線信号のレベルが最も小さくなるアンテナを選択する。
【0093】
このような構成により、アンテナを切り替えるだけの簡易な構成で指向性パターンを選択することができる。
【0094】
なお、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムでは、受信機102において指向性パターンを選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。受信機102において指向性が選択可能である構成に限らず、受信機102のアンテナの指向性が固定的に設定される構成であってもよい。すなわち、受信機102のアンテナの指向性が、送信機101の方向の指向性を含まないように設定されている構成であってもよい。
【0095】
具体的には、受信機102のアンテナの指向性が送信機101に向かないように、たとえば、送信機101および受信機102の位置に定めがあり、この定められた位置において、受信機102のアンテナの指向性が送信機101に向かないようにアンテナの配置がなされる。
【0096】
あるいは、受信機102が受信する無線信号のレベルが目標値以下となるように、受信機102のアンテナの指向性が設定されている構成であってもよい。
【0097】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知システムでは、受信機102は、複数のアンテナを備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。受信機102が1つのアンテナを備える構成であっても、当該アンテナの指向性を切り替え可能であればよい。
【0098】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、アレイ受信部52は、アンテナ部21におけるアンテナ61,62の一方を選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。アレイ受信部52は、アンテナ部21における複数のアンテナを選択する構成であってもよい。たとえば、アレイ受信部52は、アンテナ部21におけるアンテナ61,62の両方を使用アンテナとして選択する構成であってもよい。この場合、たとえば、アレイ受信部52は、無指向性を含む複数の指向性パターンを選択可能となる。
【0099】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、空間特徴量として固有ベクトルを用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。固有ベクトルに限らず、非特許文献1に記載されているような遅延プロファイル等、他の空間特徴量を用いる構成であってもよい。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、空間特徴量として1次元の特徴量を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。空間特徴量として多次元の特徴量を用いる構成であってもよい。たとえば、固有ベクトルそのものを特徴量ベクトルとして用いることも可能であるし、非特許文献1に記載されているような遅延プロファイルを用いることも可能である。
【0101】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置では、侵入者の有無という二値的な判定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。侵入可能性のレベルを示す指標を出力する構成であってもよい。
【0102】
また、本発明の実施の形態に係る侵入検知装置はアレイ式電波センサであるとしたが、他の種類の電波センサであってもよい。
【0103】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
21 アンテナ部
22 受信回路
23 受信アンテナ切り替え部
31 バンドパスフィルタ
32 ローノイズアンプ
33 方向性結合器
34 直交復調器
35 A/Dコンバータ
36 検波器
37 分岐回路
38 発振器
52 アレイ受信部
53 制御部
61,62 アンテナ
63 アンテナ選択部
71 侵入検知演算部
81 空間特徴量算出部
82 検知部
101 送信機
102 受信機
201 侵入検知システム
301 所定エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、
前記受信部は、前記アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の前記指向性パターンの中から、受信する前記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する、侵入検知装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記複数の指向性パターンの中から、前記受信部が受信する前記無線信号のレベルが所定範囲内で最も小さくなる指向性パターンを選択する、請求項1に記載の侵入検知装置。
【請求項3】
前記受信部は、指向性パターンの異なる複数のアンテナを含み、前記複数のアンテナの中から、受信する前記無線信号のレベルが最も小さくなる1または複数のアンテナを選択する、請求項1または請求項2に記載の侵入検知装置。
【請求項4】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、
前記アンテナの指向性が、前記他の装置の方向の指向性を含まないように設定されている、侵入検知装置。
【請求項5】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、人間の動作を検知するための侵入検知装置であって、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを備え、
前記アンテナにおいて受信される前記無線信号のレベルが目標値以下となるように、前記アンテナの指向性が設定されている、侵入検知装置。
【請求項6】
所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、
前記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、
前記受信機は、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、
前記受信部は、前記アンテナの指向性パターンを選択可能であり、複数の前記指向性パターンの中から、受信する前記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する、侵入検知システム。
【請求項7】
所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、
前記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、
前記受信機は、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、
前記アンテナの指向性が、前記送信機の方向の指向性を含まないように設定されている、侵入検知システム。
【請求項8】
所定エリアにおいて、無線信号を送信するための送信機と、
前記所定エリアにおいて人間の動作を検知するための受信機とを備える侵入検知システムであって、
前記受信機は、
アンテナを含み、前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するための受信部と、
前記受信部によって受信された前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するための空間特徴量算出部と、
前記空間特徴量算出部によって算出された前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための検知部とを含み、
前記アンテナにおいて受信される前記無線信号のレベルが目標値以下となるように、前記アンテナの指向性が設定されている、侵入検知システム。
【請求項9】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、
前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するステップと、
受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含み、
前記無線信号を受信するステップにおいては、前記アンテナの複数の指向性パターンの中から、受信する前記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する、侵入検知方法。
【請求項10】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、
前記アンテナの指向性が、前記他の装置の方向の指向性を含まないように設定するステップと、
前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するステップと、
受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含む、侵入検知方法。
【請求項11】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置における侵入検知方法であって、
前記アンテナにおいて受信される前記無線信号のレベルが目標値以下となるように、前記アンテナの指向性を設定するステップと、
前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するステップと、
受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを含む、侵入検知方法。
【請求項12】
他の装置から無線信号が送信される所定エリアにおいて、アンテナを備え、人間の動作を検知するための侵入検知装置において用いられる侵入検知プログラムであって、コンピュータに、
前記アンテナにおいて前記無線信号を受信するステップと、
受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するステップとを実行させるためのプログラムであり、
前記無線信号を受信するステップにおいては、前記アンテナの複数の指向性パターンの中から、受信する前記無線信号のレベルが最も小さくなる指向性パターンを選択する、侵入検知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−24844(P2013−24844A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163243(P2011−163243)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】