説明

便利に移植可能な徐放性薬物処方物

【課題】経済的、現実的および効率的な薬物送達系の提供。
【解決手段】本発明は、全身疾患および局所疾患の処置に有用な生体適合性および生分解性の注入可能な液体医薬処方物、移植可能な固体医薬処方物および注射可能なゲル医薬処方物を提供する。さらに具体的には、本発明の処方物は資格のある医師により容易に操作および注射または移植される新規治療法を提供する。処方物は一次的には移植の部位で望まれる長い時間枠にわたって治療的および無毒性レベルの活性薬剤を送達する。処方物は生体適合性および生分解性をともに有し、そして活性薬剤を望まれる部位に送達した後無害に消失する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願への相互参照)
本出願は35U.S.C.§11.9(e)の下でVernon G.WongおよびLouis L.WoodによるConveniently Implantable Sustained Release Drug Compositionsと題された2004年10月1日出願の米国仮特許出願第60/614484号、ならびにVernon G.WongおよびLouis L.WoodによるConveniently Implantable Sustained Release Drug Compositionsと題された2005年8月19日出願の米国仮特許出願第60/709665号(双方共にその全体を参考として本明細書に援用される)の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は全身疾患および局所疾患の処置に有用な生体適合性および生分解性の注入可能な液体、移植可能な固体および注射可能なゲル医薬処方物を提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
局所適用、経口送達および筋肉内、静脈内および皮下注射のような薬物送達の現在の様式は血中で高および低濃度、および/または短い半減期に至り得る。これらの標準的な投与で治療効果を達成するために毒性副作用を招き得る高用量の医薬品を必要とする場合もある。従来の治療の落とし穴のいくつかを回避するために制御された薬物放出に関する技術が試みられている。その目的は医薬品を絶え間なくおよび持続的な様式で送達することである。加えて、限局的な制御された薬物放出適用は部位または器官特異的である。
【0004】
これらの問題に応えて、リザーバー送達系が検討されている。非生分解性の薬物送達系には例えば、ガンシクロビルを眼内に送達する外科用インプラントであるVitrasert(登録商標)(Bausch &Lomb);進行性前立腺癌を処置するために酢酸ロイプロリドを送達する外科移植される浸透圧ポンプであるDuros(登録商標)(Durect Corp.);および一種の真皮下の避妊薬インプラントであるImplanon(登録商標)(オルガノインターナショナル)が含まれる。
【0005】
生分解性インプラントには、例えば、前立腺癌の処置のための黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)アナログの徐放マイクロカプセル注射であるルプロンデポー(ティーエーピー・ファーマシューティカルプロダクツ社);Surodex(登録商標)デキサメタゾン前部薬物送達系(オキュレックスファーマシューティカルズ社);およびポリラクチド−コグリコリド(PLG)ミクロスフェアに包埋された組換えヒト成長ホルモンの微粒子であるNutropin Depto(登録商標)(ジェネンテック)が含まれる。
【0006】
加えて投与頻度を減らすためのポリエチレングリコール抱合体(ペグ化)が現在用いられている。一例は、湿性黄斑変性の処置に使用するためのペグ化抗VEGFアプタマーである、FDAの承認待ちのMacugen(商標)(アイテックファーマシューティカルズ社)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
固体、半固体または液体処方物で限局的または全身的に用いることができる薬物送達系を生成および製造するさらに経済的、現実的および効率的な方式の必要性が依然存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明の目的は経済的、現実的および効率的な薬物送達系を提供する。本発明によれば、この薬物送達系は容易に生成され、指示された部位に容易に送達され、そして生体適合性および生分解性をともに有する。さらに具体的には、本発明の処方物は資格のある医師により容易に操作および注射または移植される新規治療法を提供する。処方物は一次的には移植の部位で望まれる長い時間枠にわたって治療的および無毒性レベルの活性薬剤を送達する。処方物は生体適合性および生分解性をともに有し、そして活性薬剤を望まれる部位に送達した後無害に消失する。
【0009】
本発明の1つの実施態様は生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のために患者に移植するための医薬処方物を提供する。本発明の態様では、処方物を注射により移植することができる。
【0010】
本発明の別の実施態様は生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のために患者に移植するための医薬処方物を提供し、ここで該処方物は約2%から約100%の活性薬剤が約1日から少なくとも365日までの範囲の期間にわたって放出されるインビトロ溶解プロフィールを呈する。
【0011】
さらに別の実施態様は生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のために患者に移植するための医薬処方物を提供し、ここでは約2%から約60%の活性薬剤が約1から約105日までの範囲の期間にわたって放出される。これに代えて、約2%から約100%の活性薬剤が約25日の期間にわたって放出され得る。または約2%から約85%の活性薬剤が約30日から約60日の期間にわたって放出され得る。別の実施態様では、約2%から約60%の活性薬剤が約80から約100日までの範囲の期間にわたって放出される。
【0012】
本発明の別の局面では、処方物はインプラントの約5%から約50%までの濃度で活性薬剤を含み、そしてインプラントの少なくとも約5%の濃度で生分解性、生体適合性賦形剤を含む。
【0013】
別の実施態様では、生体適合性、生分解性賦形剤はトコフェロール異性体および/またはそのエステル;トコトリエノールおよび/またはそのエステル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;低水溶性のポリ(オキシエチレン)ジオールのこれらの二安息香酸エステル;ジメチルスルホン;低水溶性のポリ(オキシプロピレン)ジオール;C〜Cl0直鎖および分岐鎖脂肪族アルコールを有するO−アセチルクエン酸のモノ、ジおよびトリエステル;ならびに液体および半固体ポリカーボネートオリゴマーでよい。
【0014】
本発明の一局面は、眼後部のための制御性かつ持続性の薬物送達系を提供し、直接注射のための生分解性および生体適合性の液体マトリックスからなる。とりわけ本発明のこの態様はデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドおよび安息香酸ベンジルを含む組成物を提供する。この実施態様の態様では、デキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドは約20μg/mlから約1.0μg/ml未満までの範囲の量で約60から約90日の期間にわたって眼の硝子体に放出される。
【0015】
本発明の実施態様で想定される活性薬剤は鎮痛薬、麻酔薬、麻薬、血管新生抑制性ステロイド、抗炎症性ステロイド、血管形成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗感染薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬、抗ウイルス薬、アルファアンドロゲン作動性アゴニスト、ベータアドレナリン作動性遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、肥満細胞安定薬、縮瞳薬、プロスタグランジン、抗ヒスタミン薬、抗微小管薬、抗悪性腫瘍薬、抗アポトーシス薬、アルドースリダクターゼ阻害剤、抗高血圧薬、抗酸化薬、成長ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト、硝子体切除薬(vitrectomy agent)、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、グリコシル化アンタゴニスト、抗加齢ペプチド、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗薬、アルキル化剤、抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬、癌遺伝子活性化阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、抗体またはその部分、アンチセンスオリゴヌクレオチド、融合タンパク質、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮増殖因子阻害剤、リボヌクレオチドリダクターゼ阻害剤、サイトトキシン、IL2治療薬、ニューロテンシンアンタゴニスト、末梢シグマリガンド、エンドセリンETA/受容体アンタゴニスト、抗高血糖薬、抗緑内障薬、抗クロマチン修飾酵素、インスリン、グルカゴン様ペプチド、肥満管理薬(obesity management agent)、貧血治療薬、嘔吐治療薬、好中球減少症治療薬、腫瘍誘起の高カルシウム血症治療薬、抗凝固薬、免疫抑制薬、組織修復薬、精神治療薬、ボツリヌス毒素(ボトックス、アレルガン)ならびにsiRNAおよびRNAiのような核酸からなる群より選択される。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のための医薬処方物であって、該医薬処方物は、注射により移植することができる、医薬処方物。
(項目2)
生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のための患者への移植のための医薬処方物であって、約2%から約100%の該活性薬剤が約1日から約105日までの範囲の期間にわたって放出されるインビトロまたはインビボ溶解プロフィールを呈する、医薬処方物。
(項目3)
生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のための患者への移植のための医薬処方物であって、約2%から約100%の該活性薬剤が約1日から約365日までの範囲の期間にわたって放出されるインビトロまたはインビボ溶解プロフィールを呈する、医薬処方物。
(項目4)
約2%から約60%の前記活性薬剤が約1日から少なくとも約365日までの範囲の期間にわたって放出される、項目1に記載の医薬処方物。
(項目5)
前記インプラントの約5%から約50%までの濃度の活性薬剤、および該インプラントの少なくとも約5%の濃度の生分解性、生体適合性賦形剤を含む、項目1に記載の医薬処方物。
(項目6)
前記インプラントの約0.5%から約95%までの濃度の活性薬剤および約5%から約99.5%までの範囲の対応する濃度の賦形剤を含む、項目1に記載の医薬処方物。
(項目7)
前記生体適合性、生分解性賦形剤がトコフェロール異性体およびトコトリエノール異性体およびそのエステル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;低水溶性のポリ(オキシエチレン)ジオールの二安息香酸エステル;低水溶性のジメチルスルホンポリ(オキシプロピレン)ジオール;C〜Cl0直鎖および分岐鎖脂肪族アルコールを有するO−アセチルクエン酸のモノ、ジおよびトリエステル;ならびに液体および半固体ポリカーボネートオリゴマーからなる群より選択される、項目1に記載の医薬処方物。
(項目8)
前記活性薬剤が鎮痛薬、麻酔薬、麻薬、血管新生抑制性ステロイド、抗炎症性ステロイド、血管形成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗感染薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬、抗ウイルス薬、アルファアンドロゲン作動性アゴニスト、ベータアドレナリン作動性遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、肥満細胞安定薬、縮瞳薬、プロスタグランジン、抗ヒスタミン薬、抗微小管薬、抗悪性腫瘍薬、抗アポトーシス薬、アルドースリダクターゼ阻害剤、抗高血圧薬、抗酸化薬、成長ホルモンアンタゴニスト、硝子体切除薬、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、グリコシル化アンタゴニスト、抗加齢ペプチド、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗薬、アルキル化剤、抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬、癌遺伝子活性化阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、抗体またはその部分、アンチセンスオリゴヌクレオチド、融合タンパク質、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮増殖因子阻害剤、リボヌクレオチドリダクターゼ阻害剤、サイトトキシン、IL2治療薬、ニューロテンシンアンタゴニスト、末梢シグマリガンド、エンドセリンETA/受容体アンタゴニスト、抗高血糖薬、抗緑内障薬、抗クロマチン修飾酵素、肥満管理薬、貧血治療薬、嘔吐治療薬、好中球減少症治療薬、腫瘍誘起の高カルシウム血症治療薬、抗凝固薬、免疫抑制薬、組織修復薬、インスリン、グルカゴン様ペプチド、ボツリヌス毒素(ボトックス、アレルガン)および精神治療薬からなる群より選択される、項目1に記載の医薬処方物。
(項目9)
関節炎症を処置するための方法であって、該方法は、生分解性、生体適合性賦形剤およびステロイドまたは非ステロイド性抗炎症薬を含む医薬処方物を炎症を起こした関節の計画上有利な位置に注射により移植して、治療上有効であるが無毒性のレベルの該抗炎症薬の制御性かつ持続性の放出を罹患した部分に提供する工程を含む、方法。
(項目10)
前記活性薬剤が21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、21−酢酸デキサメタゾン、21−リン酸デキサメタゾン二ナトリウム塩、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、フォルモコルタル、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタマート、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、25−ジエチルアミノ酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チクソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベントニドおよびトリアムシノロンヘキサセトニドからなる群より選択される1つまたはそれより多いステロイド性抗炎症薬である、項目8に記載の医薬処方物。
(項目11)
前記活性薬剤がコルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンアセトニドからなる群より選択される1つまたはそれより多いステロイド性抗炎症薬である、項目10に記載の医薬処方物。
(項目12)
前記活性薬剤がデキサメタゾンおよびトリアムシノロンアセトニドからなる群より選択される1つまたはそれより多いステロイド性抗炎症薬である、項目11に記載の医薬処方物。
(項目13)
前記活性薬剤がナプロキセン、ジクロフェナック、セレコキシブ、ロフェコキシブ、スリンダク、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、r−フルルビプロフェン、メフェナミック、ナブメトン、トルメチン、アスピリンならびにアスピリンのメチルおよびエチルエステルからなる群より選択される1つまたはそれより多い非ステロイド性抗炎症薬である項目8に記載の医薬処方物。
(項目14)
前記活性薬剤が2,4−ジアミノピリミジン類(例えば、ブロジモプリム、テトロキソプリム、トリメトプリム)、ニトロフラン類(例えば、フラルタドン、塩化フラゾリウム、ニフラデン、ニフラテル、ニフルホリン、ニフルピリノール、ニフルプラジン、ニフルトイノール、ニトロフイラントイン)、キノロン類およびアナログ(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、グレパフロキサシン、ロメフロキサシン、ミロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキソリン酸、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ピペミド酸、ピロミド酸、ロソキサシン、ルフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トロバフロキサシン)、スルホンアミド類(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、クロラミン−b、クロラミン−t、ジクロラミンt、n−ホルミルスルフイソミジン、n−β−d−グルコシルスルファニルアミド、マフェニド、4’−(メチルスルファモイル)スルファニルアニリド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジクラミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメテル、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、4−スルファニルアミドサリチル酸、n−スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、n−スルファニリル−3,4−キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフイソミジン、スルフイソキサゾール)、スルホン類(例えば、アセダプソン、アセジアスルホン、アセトスルホンナトリウム、ダプソン、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム、ソラスルホン、スクシスルホン、スルファニル酸、p−スルファニリルベンジルアミン、スルホキソンナトリウム、チアゾルスルホン)、およびその他(例えば、クロフォクトール、ヘキセジン、メテナミン、無水メチレンクエン酸メテナミン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、スルホサリチル酸メテナミン、ニトロキソリン、タウロリジン、およびキシボモール(xibomol))からなる群より選択される1つまたはそれより多い抗感染薬である、項目8に記載の医薬処方物。
(項目15)
項目11に記載の医薬処方物をそれを必要とする患者に送達することを含む炎症症状を処置する、方法。
(項目16)
前記処方物がさらにシプロフロキシンを含む項目15に記載の方法。
(項目17)
項目1に記載の医薬処方物をそれを必要とする患者に移植することにより眼の疾病を処置する方法であって、該疾病が白内障手術からの虹彩血管新生、網膜中心静脈閉塞の黄斑浮腫、細胞移植(網膜色素細胞移植として)、嚢胞様黄斑浮腫、偽水晶体嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、肺結核前性(pre−phthisical)低眼圧症、増殖性硝子体網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、滲出性加齢性黄斑変性、広汎滲出性網膜剥離(コーツ病)、糖尿病性網膜浮腫、びまん性糖尿病性黄斑浮腫、虚血性眼病、慢性病巣性免疫学的角膜移植反応、血管新生緑内障、扁平部硝子体切除術(増殖性糖尿病性網膜症のために)、増殖性硝子体網膜症のための扁平部硝子体切除術、交感性眼炎、中間部ブドウ膜炎、慢性ブドウ膜炎、眼内炎のような眼球内感染、およびアーバイン・ガス症候群からなる群より選択される、方法。
(項目18)
前記処方物が1%から約60%のLSBBを含有する固体形態である、項目2に記載の医薬処方物。
(項目19)
前記処方物が20%から約80%のLSBBを含有するゲル形態である、項目2に記載の医薬処方物。
(項目20)
前記処方物が30%から約99.9%のLSBBを含有する注射可能な液体またはゲル形態である、項目2に記載の医薬処方物。
(項目21)
皮膚のしわまたは膀胱、前立腺および骨盤底障害の管理のための方法であって、項目7に記載の群から選択される生分解性、生体適合性賦形剤およびボツリヌス毒素を含む医薬処方物を、該皮膚または膀胱、前立腺もしくは骨盤底の計画上有利な位置に注射することにより移植して、影響を受ける部分内での治療上有効であるが、無毒性のレベルのボツリヌス毒素の制御性かつ持続性の放出を提供する工程を含む、方法。
(項目22)
子宮筋腫の管理のための方法であって、項目7に列挙した群から選択される生分解性、生体適合性賦形剤およびピルフェニドン、ヒトインターフェロンアルファ、GnRHアンタゴニスト、レドキシフェン、エストロゲン受容体モジュレーターのような適当な治療薬を含む医薬処方物を筋腫内の計画上有利な位置に注射することにより移植して筋腫内での治療上有効であるが、無毒性のレベルの治療薬の制御性かつ持続性の放出を提供する工程を含む、方法。
(項目23)
生体適合性、生分解性賦形剤および活性薬剤または薬学的に許容されるその塩を含む活性薬剤の徐放のための医薬処方物であって、該処方物が注射により移植されることができ、そして該生体適合性、生分解性賦形剤がトコフェロール異性体およびトコトリエナール異性体およびそのエステル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;低水溶性のポリ(オキシエチレン)ジオールの二安息香酸エステル;低水溶性のジメチルスルホンポリ(オキシプロピレン)ジオール;C〜Cl0直鎖および分岐鎖脂肪族アルコールを有するO−アセチルクエン酸のモノ、ジおよびトリエステル;ジメチルスルホン;ならびに液体および半固体ポリカーボネートオリゴマーからなる群より選択される、医薬処方物。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】Dex/ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)Iの2つの処方物からのデキサメタゾン(Dex)の溶解プロフィールを示す。
【図2】Dex/ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)IIの2つの処方物からのDexの溶解プロフィールを示す。
【図3】Dex/ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)の3つの処方物からのDexの溶解プロフィールを示す。
【図4】Dex/ポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)の2つの処方物からのDexの溶解プロフィールを表す。
【図5】Dex/安息香酸ベンジルの3つの処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図6】Dex/二安息香酸ジエチレングリコールの3つの処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図7】トリアムシノロンアセトニド/二安息香酸ジエチレングリコールの3つの処方物から放出されるトリアムシノロンアセトニドの溶解プロフィールを表す。
【図8】Dex/d−トコフェロールおよび酢酸dl−トコフェリルの3つの処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図9】Dex/二安息香酸ジエチレングリコール処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図10】Dex/安息香酸ベンジル処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図11】Dex/コハク酸トコフェリル処方物から放出されるDexの溶解プロフィールを表す。
【図12】安息香酸ベンジル中のこれらの構成成分の1:1処方物(パネルA)および安息香酸ベンジル中のDexおよびシプロフロキサシンの3:1処方物(パネルB)からのDexおよびシプロフロキサシンの溶解プロフィールを表す。
【図13】安息香酸ベンジル中のDexの2つの処方物から硝子体液に放出されるDexの濃度を表す。
【図14】安息香酸ベンジル中25%Dexの処方物の後部注射の30日後のウサギ眼の組織病理学的スライドを示す。
【図15】トリアムシノロンアセトニド(TA)安息香酸ベンジル組成物から放出されるTAの硝子体濃度を表す。
【図16】Dex/コハク酸dl−アルファトコフェロール処方物から水性体液に放出されるDexのインビボ放出を表す。
【図17】固体表面に適用されるDex/アセトン/コハク酸トコフェロール処方物の溶解を表す。
【図18】シクロスポリン/コハク酸トコフェロール処方物からのシクロスポリンの溶解プロフィールを示す。
【図19】NZWウサギ前眼房に移植されたコハク酸トコフェロール:シクロスポリン処方物からのシクロスポリンのインビボ放出プロフィールを表す。
【図20】NZWウサギ後眼部に移植されたコハク酸トコフェロール:シクロスポリン処方物からのシクロスポリンのインビボ放出プロフィールを表す。
【図21】ラットの腹膜腔に移植されたコハク酸トコフェロール:シクロスポリン処方物からのシクロスポリンのインビボ放出を示す。
【図22】酢酸トコフェリル中のインスリンの経皮処方物で処置したマウスのインビボ血糖レベルをプロットする。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明は本明細書に記載する特定の方法論、プロトコールおよび試薬等に限定されることはなく、そしてそれ自体変更され得ると理解すべきである。本明細書で用いる用語は特定の実施態様を記載する目的のためのみのものであり、そして本発明の範囲を限定することを意図せず、それは請求の範囲によってのみ定義される。
【0018】
本明細書で、および請求の範囲において用いるような、単数の形態「a」、「an」および「the」は明確に特記されない場合複数を含む。したがって、例えば、賦形剤に対する言及は1つまたはそれより多いかかる賦形剤に対する言及であり、当業者に公知の等価物を含む。操作の実施例以外、または別に示すところでは、本明細書で用いる成分または反応条件の量を表す全ての数字は全例で「約」なる用語により修飾されると理解すべきである。「約」なる用語はパーセンテージと一緒に用いる場合平均±1%を意味し得る。
【0019】
全特許および確認されたその他の出版物は、例えば、本発明に関連して用いられるかかる出版物に記載される方法論を記載および開示する目的のために出典明示により本明細書の一部とされるが、本明細書に提示したものと一致しない用語の定義は提供しない。これらの出版物は本出願の出願日より前の単にその開示のために提供される。この点に関して、発明者が先願の理由でまたはいずれかその他の理由のためにかかる開示に先行する権利を有するという承認として解釈されるべきものではない。この出願はVernon G.WongおよびLouis L.WoodによるConveniently Implantable Sustained Release Drug Compositionsと題された2004年10月1日出願の米国仮特許出願第60/614484号、ならびにVernon G.WongおよびLouis L.WoodによるConveniently Implantable Sustained Release Drug Compositionsと題された2005年8月19日出願の米国仮特許出願第60/709665号(双方共にその全体を参考として本明細書に援用される)に関係する。
【0020】
特記しない場合、本明細書で用いる全技術的および科学的用語は本発明が関連する分野の当業者に一般に理解される用語と同一の意味を有する。
【0021】
本発明は、新規の生体適合性、生分解性徐放処方物に関する。本発明の1つの態様では、これらの処方物は注入可能な液体、機械的に粘着性の固体、注射可能なゲル、または乳化ミセル(水中油、または油中水)である。これらの液体、固体およびゲル処方物の望ましい特徴は、それらの配置部位で単一のボーラスまたはペレットの形状を維持することである。すなわち、それらが意図されたその配置点から移動する、および/または結果的に生じる表面面積の増加のためにそれらの薬物含量の意図された放出速度を大きく変化させる多数の小滴または粒子として分散しない。
【0022】
本発明の処方物は資格のある医師により容易に操作および注射または移植される新規治療法を提供する。処方物は一次的には移植の部位で望まれる長い時間枠にわたって治療的および無毒性レベルの活性薬剤を送達する。処方物は生体適合性および生分解性の双方であり、そして活性薬剤を望まれる部位に送達した後無害に消失する。
【0023】
本発明は一般に(しかし全体的にではないが)溶解性が限定され、生体適合性および生分解性(LSBB)である処方物の使用に関し、それは活性薬剤または活性薬剤の組み合わせの制御性かつ持続性の放出のために注入可能でもよい。固体、ゲルまたは注射可能な制御された徐放系をLSBBおよび活性薬剤を組み合わせることにより組み立てることができる。系は1つより多い生分解性構成成分および1つより多い活性薬剤を組み合わせることができる。移植用の固体形態を錠剤化、射出成形により、または押し出しにより生成することができる。ゲルはボルテックスまたは機械的混合により生成することができる。注射可能な処方物はシリンジ中で予め混合するか、または投与の前もしくは投与時にLSBBおよび活性薬剤を混合することにより作成することができる。例えば、ステントを処方物の液体形態に浸漬し、そして次に乾燥させることにより、処方物をステントまたはその他のインプラントのためのコーティングとして提供することができる。
【0024】
本発明の1つの局面では、活性薬剤の徐放のためにヒトまたは動物の身体にまたは身体内に便宜上配置される新規生体適合性および生分解性の注入可能な液体、移植可能な粘着性固体および注入可能なゲル処方物は例えば、:ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;二安息香酸ジエチレングリコール;二安息香酸トリエチレングリコール;分子量約400までのポリ(オキシエチレン)ジオールの二安息香酸エステル;二安息香酸プロピレングリコール;二安息香酸ジプロピレングリコール;二安息香酸トリプロピレングリコール;分子量約3000までのポリ(オキシプロピレン)ジオールの二安息香酸エステル;分子量約3000までのポリ(オキシプロピレン)ジオール;ジメチルスルホン;トコフェロールの種々の異性体;酢酸トコフェロールおよびコハク酸トコフェロール、トコトリエノール異性体およびそのエステル、ペルフルオロヘキサン、高分子ポリカーボナートオリゴマー、ならびにC〜C10直鎖および分岐鎖脂肪属アルコールとO−アセチルクエン酸のモノ、ジ、およびトリエステルのような1つまたはそれより多い賦形剤を多くの従来のおよび新しい活性薬剤と共に混合することにより得られる。
【0025】
本発明の別の局面では、固体形態は一般に約1%から約60%のLSBBを含有し、ゲル形態は一般に約20%から約80%のLSBBを含有し、そして注射可能な形態(これはゲルまたは液体形態でよい)は一般に約30%から約99.9%のLSBBを含有する。
【0026】
液体および固体LSBBを例えば、外科的に、トロカールにより、または針導入により移植することができる。それを関節のような体腔に当分野において周知の方法により(典型的にはCardoneおよびTallia、Am.Family Physician
66(2):283−92(2002);66(11):2097−100(2002);67(10):2147−52(2003):68(7)1356−62(2003);67(4):745−50(2003)により概要が示される手順を用いる);眼内に(前眼房および後眼部のような眼房);前立腺腫瘍への腫瘍内注射(典型的にはJacksonら、Cancer Res.60(5):4146−51(2000)により記載されたものに類似する手順を用いる);脳の手術不可能な腫瘍(例えば、神経膠腫)への腫瘍内注射(典型的にはEmerich ら、Pharm Res.17(7):767−75(2000)により記載されたものに類似する手順を用いる);椎間板内または椎間腔への注射または挿入;腹膜腔への注射、または鼻内、髄腔内、皮下もしくは筋肉内注射、硬膜外、硬膜下、および/もしくは、くも膜下腔への注射により配置することができるか;またはそれを脊柱管を通って脳脊髄液に、もしくはCNS脳室系に直接注射または挿入することができる。
【0027】
加えて、活性薬剤の限局的送達のためには、本発明の系を作用部位に、またはその近くに外科的に移植することができる。これは例えば、眼の症状、原発性腫瘍、リウマチ性および関節症状ならびに慢性疼痛の処置に用いる場合に有用であり得る。
【0028】
多様な持続された治療を提供するために、これらのLSBB/活性薬剤組成物を限定するものではないが、以下のヒトまたは動物の身体の系;筋肉、骨格、神経、自律神経、血管、リンパ管、消化管、呼吸器、泌尿器、女性生殖器、男性生殖器、内分泌または実質内に適用できることが企図される。
【0029】
これらのLSBB/活性薬剤組成物の注射または移植または局所適用のために標的とするためのヒトまたは動物の身体の具体的な部分には、限定するものではないが、心臓、脳、脊髄神経、脊柱、頭蓋、頸部、頭部、眼、聴覚および平衡の耳器官、鼻、喉、皮膚、内臓、毛髪、肩、肘、手、手首、臀部、膝、足首、足、歯、歯肉、肝臓、腎臓、膵臓、前立腺、精巣、卵巣、胸腺、副腎、咽頭、喉頭、骨、骨髄、胃、腸、腸管上部および下部、膀胱、肺、乳房が含まれる。眼への外科的移植は、例えば、米国特許第号6699493号;第6726918号;第6331313号;第5824072号;第5766242号;第5443505号;第5164188号;第4997652号;および第4853224号に記載されるように当分野において公知である。
【0030】
例えば、固体LSBBを脳、脊髄のような実質性組織に、またはCNS系の任意の部分に、腎臓、肝臓、脾臓、膵臓、リンパ節および腫瘍に直接移植することができる。ゲルLSBB系を皮膚のような表面組織に、もしくは吸収される実質性器官の表面にコーティングとして適用できるか、または眼の表面および眼球内に活性薬剤を送達するために角膜、結膜に、および強膜に直接適用できる。注射可能なLSBBは浸潤性が低く、そして例えば、30ゲージ針により眼に、または関節のような腔により大きな針により送達することができる。
【0031】
本発明による系は、少なくとも以下の領域、すなわち、癌性の原発性腫瘍、慢性疼痛、関節炎、リウマチ性症状、糖尿病および小人症のようなホルモン欠損症、移植片拒絶の防御および処置ならびに癌治療におけるような免疫応答の変化に関して、望まれる限局的または全身的な生理学的または薬理学的効果を得るのに有効な活性薬剤の制御性かつ持続性の放出を提供するのに特定の適用性を有する。系はまたHIVおよび、CMV、トキソプラズマ、ニューモシスティス・カリニおよびマイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレのようなHIV関連の日和見感染の処置における使用にもまた適当である。系を用いて口の真菌感染を処置するのに有効な活性薬剤を送達することができる。かかる使用が望ましい場合、歯への移植に適当な形状を有するように系を設計することができる。
【0032】
LSBBはまた緑内障、PVR、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、網膜浮腫、静脈閉塞、黄斑変性症、アーバイン・ガス症候群およびCMV網膜炎、角膜炎および角膜移植および拒絶のような角膜の疾患のような眼球の症状を処置するのにも有効である。ドライアイまたは免疫応答の制御のための放出制御点眼薬として処方物を調製することもできる。免疫応答の制御に関しては、処方物はシクロスポリン、シロリムスまたはタクロリムスを含有できる。その他の眼球内使用には、緑内障処置(チモロールを含む処方物)、抗生物質送達、抗増殖剤送達(例えば、パクリタキセル)が含まれる。
【0033】
処方物のその他の使用には、例えば、スロリムスまたはシクロスポリンを含む処方物で同種移植片拒絶を調整することが含まれる。限局的癌治療を例えば、アドリアマイシンまたは小型の上皮成長因子を含む処方物で用いて、例えば、腎臓または肝臓に送達し得る。フェナステリドを含む処方物で前立腺癌を処置することができる。心臓ステントインプラント、中枢神経系インプラント(例えば、脊髄インプラント)、整形外科用インプラント等を成長または分化因子、抗炎症薬または抗生物質を含む処方物でコーティングすることができる。
【0034】
本願の技術は、毒性副作用に至り得る高用量の医薬品を必要とする現在の投与で経験されるような、症例によっては治療効果の達成において報告される困難を打破するのに有用である。この問題の重要な実例は、眼球内血管新生、浮腫性または炎症性疾患の処置のための微晶性トリアムシノロンアセトニド(TA)の硝子体内注射の現在の臨床実践である。Jonasら、Prog Retin Eye Res.24(5):587−611(2005)およびその参照文献を参照のこと。治療は6か月から1年および恐らくさらに長い期間、硝子体腔中の適切なTA濃度の溶液の存在を必要とする。治療用のTAの硝子体濃度は1.0μg/mlまたはそれ以下であると考えられるが(Matsudaら、Invest Ophthalmol Vis Sci. 46:1062−1068(2005))、一方TA濃度が長時間にわたって絶え間なく10μg/mlを超える場合に有害の合併症(緑内障、白内障、細胞毒性)が生じ得る。Gilliesら、Arch
Ophthalmol.122(3):336−340(2004);Jonasら、Eur J Ophthalmol.15(4):462−4(2005);Yeungら、Invest Ophthalmol Vis Sci.44:5293−5300(2003)を参照のこと。TA投与を年1から2回の注射に制限することを望むのは(眼内炎の可能性を加味しても明白な患者の安心(Bucherら、Arch Ophthalmol.123(5):649−53(2005))参照)、毒性濃度に陥ることなく、十分なTA結晶を供給する能力と矛盾する。本発明の新規組成物は、6か月またはそれより長い期間、硝子体内TAの安全な治療レベルの放出を絶え間なく調節する注射可能な、生体適合性、生分解性溶媒中に望まれる量のTA結晶を包含することによりこの問題を解決する。
【0035】
さらに眼の症状に関して、後眼部の代謝および炎症症状は極度に処置が困難である。増殖性硝子体網膜症(PVR)、ブドウ膜炎、嚢胞様黄斑浮腫(CME)、糖尿病および黄斑変性症のようなかかる症状は視覚消失の主要な原因である。局所、眼周囲、結膜下または全身投与を含む薬物送達の従来の方法は、大部分は薬物透過性が低く(血液眼関門のために)、そして毒性副作用のために成功が限定的である。薬物を後部に送達する1つの有効な方式はそれを直接硝子体腔に配置することである。硝子体内薬物注射は動物およびヒトにおいて有望な結果が示されているが、治療レベルを維持するために反復され、そして頻繁な注射が実施されなければならない。
【0036】
例えば、コルチコステロイド、特にトリアムシノロンアセトニドの直接注射は特に選択された湿式AMDおよび糖尿病性網膜浮腫において有効である。眼での薬物の半減期が短いので、頻繁な注射が必要とされる。さらに薬物がボーラスで投与されているので、制御されていない高い、そして次に低い薬物濃度レベルに遭遇する。結果として、感染、緑内障、白内障形成、網膜剥離および眼球内出血のような有害反応が一般的な不都合の発生である。Vitrasert(登録商標)(バウシュ・アンド・ロンブ)はCMV網膜炎を抗ウイルスガンシクロビルで処置するための6から8か月間のリザーバー系である。これは非生分解性系であり、そして外科的に挿入および除去の双方を行わなければならない。同様にPosurdex(登録商標)(アラガンファーマ)は眼に外科的手術で移植しなければならない1か月生分解性送達系であり、そして後部の病変の処置のためにデキサメタゾンおよびPLGAを含有する。
【0037】
したがって、本発明の実施態様は後眼部のための眼球内の制御され、そして持続された薬物送達系を提供する。それは微粒分散した薬物または薬物の混合物を含有する生分解性および生体適合性液体マトリックスからなり、そして比較的小さい針で後部に直接注射することができる。薬物送達の期間を数日ほどの短期から何か月もおよび1年またはそれより長くでき、そしてマトリックスはそれを除去する必要がないように、徐々におよび安全に時間をかけて消失する。実例の実施態様はデキサメタゾンおよび安息香酸ベンジルを含む。この系では50μl中25%処方物でデキサメタゾンの硝子体内レベルは3か月の期間にわたっておよそ8.0μg/mlの平均硝子体レベルを送達する。比較として25μl注射は60日の期間にわたっておよそ4.0μg/mlの平均硝子体レベルを送達する。この組成物は生体適合性で、生分解性で、無毒であり、製造が容易で、送達が容易で、そして治療用量および送達期間に関して適応性がある。
【0038】
GoodmanおよびGilman、THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS(マグロウヒル、2001)、ならびにREMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(リッピンコット・ウィリアムズ・アンド・ウィルキンズ;第20版、2000年)に記載されるもののような非常に様々なその他の疾患状態が当業者に公知である。当業者は本発明を適用できるものを過度な実験を行うことなく決定することができる。
【0039】
本発明の系で使用するための活性薬剤の適当なクラスには限定するものではないが、以下のものが含まれる:
シクロスポリン、インスリン、グルカゴン様ペプチド、成長ホルモン、インスリン関連成長因子、ボツリヌス毒素(ボトックス、アレルガン)、および熱ショックタンパク質のようなペプチドおよびタンパク質;
リドカインおよび関連する化合物ならびにベンゾジアゼパムおよび関連する化合物のような麻酔薬および疼痛軽減薬
5−フルオロウラシル、メトトレキサートおよび関連する化合物のような抗癌薬;
マンノース6リン酸のような抗炎症薬;
フルコナゾールおよび関連する化合物のような抗真菌薬;
ホスホモノギ酸三ナトリウム、トリフルオロチミジン、アシクロビル、シドフォビル、ガンシクロビル、DDIおよびAZTのような抗ウイルス薬;
コルヒチン、ビンクリスチン、サイトカラシンBおよび関連する化合物のような細胞輸送/運動切迫薬(Cell transport/mobility impending agents)
ベータ遮断薬:チモロール、ベタクソロール、アテノロールのような抗緑内障薬;
ムラミルジペプチドおよび関連する化合物のような免疫学的応答修飾因子;
デキサメタゾン、プレドニゾロンおよび関連する化合物のようなステロイド化合物;ならびに
炭酸脱水素酵素阻害剤。
【0040】
前記の薬剤に加えて、限局的または全身的な、生理学的または薬理学的効果を生じるために特に眼およびその周辺組織への投与に適当であるその他の活性薬剤を本発明の系において用いることができる。かかる薬剤の実例には、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、アンピシリン等のような抗生物質が含まれる。
【0041】
本発明の活性薬剤の任意の薬学的に許容される形態、例えば、遊離塩基またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを本発明の実践において用いることができる。例えば、薬学的に許容される塩には、硫酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等が含まれる。
【0042】
活性薬剤を抗酸化剤、安定剤および拡散促進剤のようなさらなる成分で、薬学的に許容される担体と組み合わせて使用することもできる。例えば、活性薬剤による水分の取り込みが望ましくない場合、活性薬剤をワックスまたは油のような、活性薬剤の系からの十分な拡散を可能にする疎水性担体で処方することができる。かかる担体は当分野において周知である。
【0043】
本発明の別の局面では、低溶解性の活性薬剤を高溶解性の生分解性、生体適合性賦形剤と組み合わせてLSBB処方物に至ることができる。例えば、溶解性が限定的な活性薬剤のLSBB処方物においてジメチルスルホンを結合剤として用いることができる。したがって、LSBB処方物における溶解性賦形剤の使用は本発明の範囲内である。
【0044】
1つの実施態様では、活性薬剤例えば、タンパク質を、活性薬剤を加水分解から保護し、そしてその半減期を延長させ、そして冷蔵貯蔵の必要性を排除する傾向がある糖のガラス状マトリックスで処方することができる。例えば、Franks、Long−Tern
Stabilization of Biologicals、Bio/Technology 12:253−56(1994)(その内容は出典明示により本明細書の一部とする)参照のこと。
【0045】
タンパク質を、その均質な溶液から水を除去することによりガラスマトリックスに処方することができる。水は溶液を蒸発させるか、または溶液を急速なコールドクエンチングするかのいずれかにより除去することができる。その方法は一般にガラス化と称されている。水を溶液から除去するので、それは次第に粘性になり、ついにはタンパク質を含有する「固化した」液体が得られる。「固化した」液体は一般にガラスと称される。
【0046】
ガラスは、活性薬剤処方物に理想的な、多くの独特な物理学的および化学的特性を有している。中でも最も重要であるのは固化した液体が元来の溶液の分子の不規則性を保持していることである。この不規則性はそこに入っているタンパク質の結晶化および化学反応を防御することによりガラスの長期間安定性に寄与する。
【0047】
糖もまたタンパク質処方物の安定化において重要な役割を果たし得る。溶液中ではそれはタンパク質の変性平衡を元来の状態に向かってシフトさせることが解っている。たいていの糖、特に低分子量の炭水化物は容易にガラス化し、そしてタンパク質の不活性化反応を遅らせるガラス状マトリックスを提供することが解っている。
【0048】
説明目的で、凍結乾燥したタンパク質と糖およびバッファーならびに場合によっては結合剤との混合物を圧縮することにより、本発明による系で使用するためのガラス状の糖マトリックスを作成することができる。
【0049】
本発明による送達系で処方できそして用いることができるタンパク質およびタンパク質性化合物の実例には、生物学的活性を有する、または疾患もしくはその他の病理学的症状を処置するために用いることができるこれらのタンパク質が含まれる。これには限定するものではないが、成長ホルモン、第VIII因子、第IX因子およびその他の凝固因子(coagulation factors)、キモトリプシン、トリプシノーゲン、アルファインターフェロン、ベータガラクトシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、成長因子、凝固因子(clotting factors)、酵素、免疫応答刺激剤、サイトカイン、リンホカイン、インターフェロン、免疫グロブリン、レトロウイルス、インターロイキン、ペプチド、ソマトスタチン、ソマトトロピンアナログ、ソマトメジンC、ゴナドトロピン放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、LHRH、LHRHアナログ、例えば、ロイプロリド、ナファレリンおよびゲセレリン、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト、成長ホルモン放出ホルモン、カルシトニン、コルヒチン、ゴナドトロピン、例えば、絨毛性ゴナドトロピン、オキシトシン、オクトレオチド、ソマトトロピンプラスおよびアミノ酸、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮増殖因子、プロラクチン、ソマトトロピンプラスタンパク質、コシントロピン、リプレシン、ポリペプチド、例えば、チロトロピン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、セクレチン、パンクレオザイミン、エンケファリン、グルカゴン、ならびに内部で分泌されそして血流により送達される内分泌薬が含まれる。
【0050】
αアンチトリプシン、インスリン、グルカゴン様ペプチドおよびその他のペプチドホルモン、ボツリヌス毒素(ボトックス、アレルガン)、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンおよびその他の下垂体ホルモン、α、βおよびδインターフェロンのようなインターフェロン、エリスロポエチン、GCSFm GM−CSFのような成長因子、インスリン様成長因子1、組織プラスミノーゲン活性化因子、CF4、dDAVP、腫瘍壊死因子受容体、膵酵素、ラクターゼ、インターロイキン−l受容体アンタゴニスト、インターロイキン2、腫瘍抑制タンパク質、細胞毒性タンパク質、ウイルス、ウイルスタンパク質、組換え抗体、抗体の一部、ならびに抗体フラグメント等のようなその他の薬剤を用いることができる。アナログ、誘導体、アンタゴニスト、アゴニスト、および前記の薬学的に許容される塩を用いることもできる。
【0051】
本発明に包含されるその他の活性薬剤にはプロドラッグが含まれる。プロドラッグは非常に多くの望ましい薬学的特質(例えば、溶解性、バイオアベイラビリティー、製造等)を強化することが解っているので、本発明の薬学的投与形態はプロドラッグの形態の化合物を含有することができる。したがって本発明は本請求の活性薬剤のプロドラッグ、同一物を送達する方法、および同一物を含有する組成物に及ぶことが意図される。
【0052】
具体的な化合物またはそのクラスの化学的に修飾された形態を含み、そして該化合物またはクラスの薬学的および/または薬理学的活性を維持する化合物のようなアナログもまた本発明に包含される。同様に、酸のエステルまたはアミド、アルコールまたはチオールのためのベンジル基のような保護基、およびアミンのためのtert−ブトキシカルボニル基のような、修飾が熟練した化学者により日常業務であると考えられている化学的に修飾された化合物のような誘導体もまた本発明に包含される。
【0053】
前記の薬剤は、限定するものではないが、血友病およびその他の血液障害、成長障害、糖尿病、肥満、白血病、肝炎、腎不全、HIV感染、遺伝性疾患、例えば、セレブロシダーゼ欠損症およびアデノシンデアミナーゼ欠損症、高血圧、敗血症性ショック、自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、グレーブズ病、全身性エリテマトーデスおよびリウマチ様関節炎、ショックおよび消耗病、嚢胞性線維症、ラクトース不耐性、クローン病、炎症性腸疾患、胃腸およびその他の癌、ならびに膀胱、前立腺および骨盤底障害、および子宮筋腫(粘膜下、漿膜下、壁内、寄生虫性筋腫および芽生えた筋腫(seedling myomas))の管理(限定するものではないが、例えば、ピルフェニドン、ヒトインターフェロンアルファ、GnRHアンタゴニスト、レドキシフェン、エストロゲン受容体モジュレーターを用いる)の管理を含む種々の症状を処置または防御するのに有用である。加えて本発明の処方物を用いて、例えば、フィブロゲンまたはプラスミンを導入することにより頭蓋内動脈瘤を処置することができる。
【0054】
これらのLSBBと活性薬剤との局所処方物を、いくつか例を挙げると、避妊薬、インスリンもしくGLP−1の経皮投与、脱毛処置の経皮適用、またはアスピリンもしくはその他の小型分子、禁煙用薬、インスリン、抗肥満薬、抗ウイルス薬(ヘルペス治療)、乾癬治療のための薬剤、脱毛治療のための薬剤、ざ瘡治療のための薬剤、勃起障害のための薬剤、および駆虫薬の送達に適用することができることもまた企図される。
【0055】
本発明の処方物に有用なタンパク質化合物を塩、好ましくは薬学的に許容される塩の形態で用いることができる。有用な塩は当業者に公知であり、そして無機酸、有機酸、無機塩基または有機塩基との塩を含む。
【0056】
以前に論じたガラス状マトリックスを調製するために有用な糖には、限定するものではないがグルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、ラフィノース、スタキオース、マルトデキストリン、シクロデキストリン、デキストランおよびその誘導体のような糖ポリマー、フィコール、ならびにデンプンが含まれる。
【0057】
ガラス状マトリックスを処方するのに有用なバッファーには、限定するものではないがMES、HEPES、クエン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、および当分野において公知のアミノ酸バッファーが含まれる。
【0058】
ガラス状糖マトリックスを含むLSBB系を水透過性の低い生体内分解性ポリマーで構築することができる。かかるポリマーにはポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、乳酸/グリコール酸のコポリマー、ポリオルソエステル、ポリ無水物、ポリホスファゾン、ポリカプロラクトンが含まれる。これらのポリマーはその緩徐な浸食特性、および緩徐な水取り込みのために有利であり得、したがってそれらは活性薬剤の送達の経過中に過度な変化を受けてはならない。
【0059】
体液と生物学的に適合する、本発明での使用に適当な天然に存在する材料または合成材料には、一般的にポリエチレン、ポリプロピレン、テレフタル酸ポリエチレン、架橋ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ(2−ペンタン)、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(1,4−フェニレン)、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリ−エチレン−ビニルアセタート(EVA)のようなポリマーが含まれる。
【0060】
本発明の局面では、賦形剤はまた生分解性または生体内分解性である。本明細書で用いる「生体内分解性」および「生分解性」は等価であり、そして互換的に用いられる。生分解性賦形剤はインビボで分解するものであり、そしてここで本発明による薬剤放出動態を達成するために長時間にわたる賦形剤の浸食が必要とされる。適当な生分解性賦形剤には、限定するものではないが、例えば、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、乳酸/グリコール酸のコポリマー、ポリオルソエステル、ポリ無水物、ポリホスファゾン、ポリカーボネート、およびポリカプロラクトンが含まれる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸の使用は例えば、米国特許第6699493号に記載されている。また米国特許第5869079も参照のこと。
【0061】
本発明の別の局面では、賦形剤は生体適合性であり、これはそれが過度な毒性を有さないか、または生理学的もしくは薬理学的のいずれかで有害な影響を引き起こさないことを意味する。本発明の別の態様では、賦形剤は生分解性である。
【0062】
過度な実験を行うことなく、本明細書に鑑みて当業者により決定されるような、本発明の生体適合性、生分解性および/または生体内分解性賦形剤として有用であり得る賦形剤の実例は、限定するものではないが:d−α−トコフェロール;d,l−α−トコフェロール;d−β−トコフェロール;d,l−β−トコフェロール;d−η−トコフェロール;およびd,l−η−トコフェロール(前記の各々の酢酸、ヘミコハク酸、ニコチン酸、およびコハク酸PEGエステル形態含む);トコトリエノール異性体およびそのエステル;
ベンジルアルコール;
安息香酸ベンジル;
二安息香酸ジエチレングリコール;
二安息香酸トリエチレングリコール;
分子量約400までのポリ(オキシエチレン)ジオールの二安息香酸エステル;
二安息香酸プロピレングリコール;
二安息香酸ジプロピレングリコール;
二安息香酸トリプロピレングリコール;
分子量約3000までのポリ(オキシプロピレン)ジオールの二安息香酸エステル;
分子量約3000までのポリ(オキシプロピレン)ジオール;
ジメチルスルホン;
O−アセチルクエン酸のトリエチル、トリプロピルおよびトリブチルエステル;
クエン酸のトリエチル、トリプロピル、トリブチルエステル;ならびに
限定するものではないがトリメチレンカーボネート[ポリ(1,3−プロパンジオールカーボネート)]の重合化またはジエチレンカーボネートと脂肪族ジオールもしくはポリオキシアルカンジオール[ポリ(ジ−l,2−プロピレングリコールカーボネート)もしくはポリ(トリ−l,2−プロピレングリコールカーボネート)]とのエステル交換重合化により調製されたもののような液体から半固体のポリカーボネートオリゴマー;
が含まれる。
【0063】
本発明に有用な生分解性/生体適合性賦形剤の別の実例は「トコール」である。トコールはトコフェロールおよびトコトリエナールのファミリーならびにその誘導体を意味するが、これはトコフェロールおよびトコトリエナールが最も簡単なトコフェロール、6−ヒドロキシ−2−メチル−2−フィチルクロマンの誘導体であるためである。トコフェロールはまた一般にビタミンEと称される天然または合成化合物のファミリーとしても公知である。アルファトコフェロールはこのクラスの化合物の最も豊富にあり、そして活性な形態である。このクラスのその他のメンバーには、β−、γ−およびδ−トコフェロールならびに酢酸、コハク酸、ニコチン酸およびリノール酸トコフェリルのようなα−トコフェロール誘導体が含まれる。有用なトコトリエノールには、d−δ−トコトリエノールおよびd−β−、d−γ−トコトリエノールならびにそのエステルが含まれる。
【0064】
前記で列挙した賦形剤に加えて、非常に低粘性である以下の賦形剤が、それ自体注射可能な徐放(ISR)処方物のための薬物の単体としてのみならず、その粘性を低減させ、そしてそれにより注入可能性を改善するための、前記で列挙した賦形剤のISR処方物への添加剤としても価値がある。これには:ペルフルオロデカリン;ペルフルオロオクタン;ペルフルオロヘキシルオクタン;シクロメチコン、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン、粘度が約1000cStより低いポリジメチルシロキサン;炭酸ジエチル;ならびに炭酸ジプロピルが含まれる。
【0065】
非常に様々な治療特性(限定するものではないが、例えば、抗感染、抗凝固(anticoagulants)、抗炎症、付着の改善、組織成長の改善、生体適合性の改善)を提供するために、これらの液体および固体LSBB/活性薬剤処方物を、限定するものではないがカテーテル、ステント(心臓、CNS、泌尿器等)、プロテーゼ(人工関節、美容的再建等)、組織成長の足場の布地、または骨および歯上の表面のような移植される表面にコーティングできることもまた企図される。これらの表面は、限定するものではないが、天然ゴム、木、セラミック、ガラス、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、セルロース、ポリペプチド、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリカーボネート等のような非常に様々な材料のものでよい。
【0066】
過度な実験を行うことなく、本明細書に鑑みて当業者により決定されるような、本発明に有用であり得る活性薬剤、または活性成分には、限定するものではないが以下のものが含まれる:
鎮痛薬、麻酔薬、麻薬、例えば、アセトアミノフェン;クロニジン(デュラクロン、ロキサン)およびその塩酸、硫酸およびリン酸塩;オキシコドン(ペルコロン、エンド)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;ベンゾジアゼピン;ベンゾジアゼピンアンタゴニスト、フルマゼニル(ロマジコン、ロシュ);リドカイン;トラマドール;カルバマゼピン(テグレトール、ノバルティス);メペリジン(デメロール、サノフィー・シンセラボ)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;ザレプロン(ソナタ、ワイス・アイエルスト);マレイン酸トリミプラミン(スルモンチル、ワイス・アイエルスト);ブプレノルフィン(ブプレックス、レキットベンキーザー);ナルブフィン(ヌバイン、エンド)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;ペンタゾカインおよびその塩酸、硫酸、リン酸塩;フェンタニルおよびそのクエン酸、塩酸、硫酸、リン酸塩;プロポキシフェンおよびその塩酸およびナプシル酸塩(ダルボセット、イーライリリー社);ヒドロモルフォン(ディラウディド、アボット)およびその塩酸、硫酸およびリン酸塩;メタドン(ドロフィン、ロキサン)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;モルヒネおよびその塩酸、硫酸、リン酸塩;レボルファノール(レボ−ドロモラン、アイシーエヌ)およびその酒石酸、塩酸、硫酸およびリン酸塩;ハイドロコドンおよびその二酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸塩;
血管新生抑制性および/または抗炎症性ステロイド、例えば、酢酸アネコルチブ(アルコン);テトラヒドロコルチゾール、4,9(1l)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン(アネコルタブ)およびその−21−酢酸塩;1,1−エピコルチゾール;17α−ヒドロキシプロゲステロン;テトラヒドロコルテキソロン;コルチゾン;酢酸コルチゾン;ヒドロコルチゾン;酢酸ヒドロコルチゾン;フルドロコルチゾン;酢酸フルドロコルチゾン;リン酸フルドロコルチゾン;プレドニゾン;プレドニゾロン;プレドニゾロンリン酸ナトリウム;メチルプレドニゾロン;酢酸メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウム;トリアムシノロン;トリアムシノロン−16,21−ジアセタート;トリアムシノロンアセトニドおよびその−21−アセタート、−21−リン酸二ナトリウムおよび−21−ヘミスクシナート形態;トリアムシノロンベネトニド;トリアムシノロンヘキサアセトニド;フルオシノロンおよび酢酸フルオシノロン;デキサメタゾンおよびその21−アセタート、−21−(3,3−ジメチルブチラート)、−21−リン酸二ナトリウム、−21−ジエチルアミノアセタート、−21−イソニコチナート、−21−ジプロピオナート、および−21−パルミタート形態;ベタメタゾンおよびその−21−アセタート、−21−アダマントアート、−17−ベンゾアート、−17,21−ジプロピオナート、−17−バレアートおよび−21−ホスファート二ナトリウム塩;ベクロメタゾン;二プロピオン酸ベクロメタゾン;ジフロラゾン;二酢酸ジフロラゾン;フロ酸モメタゾン;およびアセタゾラミド(ジアモックス、複数の製造業者);
非ステロイド性抗炎症薬、例えば、ナプロキセン;ジクロフェナック;セレコキシブ;スリンダク;ジフルニサル;ピロキシカム;インドメタシン;エトドラク;メロキシカム;イブプロフェン;ケトプロフェン;r−フルルビプロフェン(ミリアッド);メフェナミック;ナブメトン;トルメチンおよび前記の各々のナトリウム塩;ケトロラック・ブロメタミン;ケトロラック・ブロメタミン・トロメタミン(Acular(登録商標)、アレルガン社);トリサリチル酸コリンマグネシウム;ロフェコキシブ;バルデコキシブ;ルミラコキシブ;エトリコキシブ;アスピリン;サリチル酸およびそのナトリウム塩;アルファ、ベータ、ガンマ−トコフェロールおよびトコトリエノール(および全てのそのd、1、およびラセミ異性体)のサリチル酸エステル;アセチルサリチル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル,sec−ブチル、t−ブチルエステル;
血管形成阻害剤、例えば、スクアラミン、乳酸スクアラミン(MSI−1256F、ゲナエア)およびクルクミン;ペガプタニブ(マクゲン、アイテック/ファイザー);ベバシズマブ(アバスチン、ジェネンテック/ジェネリック);ネオバスタット(アエテルナ);PTK787(シェーリング/ノバルティス);アンギオザイム(リボザイムカイロン);AZD6474(アストラゼネカ);IMC−1C11(イムクロン);NM−3(アイレックスオンコロジー);S6668(スゲン/ファルマシア);CEP−7055(セファロン);およびCEP−5214(セファロン)を含む血管内皮成長因子(VEGF)阻害剤;インテグリンアンタゴニスト、例えば、ビタキシン(アプライド・モレキュラー・エボルーション/メドイミューン);S137(ファルマシア);S247(ファルマシア);ST1646(シグマタウ);DPC A803350(ブリストルマイヤースクイブ);およびO−グアニジン(スリーディーファーマシューティカルズ/ジェネリック);マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えば、プリノマスタット(AG3340、ファイザー/ジェネリック)、(ISV−616、インサイトビジョン)、(TIMP−3、国立衛生研究所);S3304(塩野義);BMS275291(セルテック/ブリストルマイヤーズスクイブ);SC77964(ファルマシア);ラニビズマブ(ルセンティス、ジェネンテック);ABT518(アボット);CV247(アイビーメディカル);サメ軟骨抽出物(ネオバスタット、アエテマ);NX−278−L抗VEGFアプタマー(アイテック);2’−O−メトキシエチルアンチセンスC−raf癌遺伝子阻害剤(ISIS−13650);ビトロネクチンおよびオステオポンチンアンタゴニスト(スリーディーファーマ);コンブレタスタチンA−4リン酸(CA4P、オキシジーン);fabフラグメントα−V/β−1インテグリンアンタゴニスト(Eos−200−F、プロテインデザインラブズ);α−v/β−3インテグリンアンタゴニスト(アボット);ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーターフラグメント(A6、オングストローム・ファーマ);VEGFアンタゴニスト(AAV−PEDF、カイロン);kdrチロシンキナーゼ阻害剤(EG−3306、アークセラピューティクス);サイトカラシンE(国立衛生研究所);カリクレイン結合タンパク質(サウスカロライナ医科大学);コンブレタスタチンアナログ(MV−5−40、チューレーン);色素上皮由来成長因子(サウスカロライナ医科大学);色素上皮由来成長因子(AdPEDF、ゲンベック/ディアクリン);プラスミノーゲンクリングル(サウスカロライナ医科大学);ラパマイシン;サイトカイン合成阻害剤/p38マイトジェン−活性化タンパク質キナーゼ阻害剤(SB−220025、グラクソスミスクライン);血管内皮成長因子アンタゴニスト(SP−(V5.2)C、スプラテック);血管内皮成長因子アンタゴニスト(SU10944、スゲン/ファイザー);血管内皮成長因子アンタゴニスト(VEGF−R、ジョンソン・アンド・ジョンソン/セルテック);血管内皮成長因子成長因子アンタゴニスト(VEGF−TRAP、レゲンクロン);FGFl受容体アンタゴニスト/チロシンキナーゼ阻害剤(ファイザー/スゲン);エンドスタチン、血管内皮成長因子アンタゴニスト(エントレメド);ブラジキニンB1受容体アンタゴニスト(B−9858、コルテック);殺菌性/透過性亢進タンパク質(BPI、ゾーマ);タンパク質キナーゼC阻害剤(ヒペリシン、関西医科大学);メシル酸ルボキシスタウリン(LY−333531、イーライリリー社);ポリスルホン酸誘導体(富士フィルム);成長因子アンタゴニスト(TBC−2653、TBC−3685、テキサスバイオテクノロジー);内膜内皮細胞キナーゼ(アムジェン);
抗感染薬、例えば、アズトレオナム;セフォテタンおよびその二ナトリウム塩;ロラカルベフ;セフォキシチンおよびそのナトリウム塩;セファゾリンおよびそのナトリウム塩;セファクロル、セフチブテンおよびそのナトリウム塩;セフチゾキシム;セフチゾキシムナトリウム塩;セフォペラゾンおよびそのナトリウム塩;セフロキシムおよびそのナトリウム塩;セフロキシムアキセチル;セフプロジル;セフタジジム;セフォタキシムおよびそのナトリウム塩;セファドロキシル;セフタジジムおよびそのナトリウム塩;セファレキシン;セファマンドールナファート;セフェピムおよびその塩酸、硫酸およびリン酸塩;セフジニルおよびそのナトリウム塩;セフトリアクソンおよびそのナトリウム塩;セフィキシムおよびそのナトリウム塩;セフポドキシムプロキセチル;メロペネムおよびそのナトリウム塩;イミペネムおよびそのナトリウム塩;シラスタチンおよびそのナトリウム塩;アジスロマイシン;クラリスロマイシン;ジリスロマイシン;エリスロマイシンおよび塩酸、硫酸またはリン酸塩コハク酸エチルおよびそのステアラート形態;クリンダマイシン;クリンダマイシン塩酸、硫酸またはリン酸塩;リンコマイシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;トブラマイシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ストレプトマイシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;バンコマイシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ネオマイシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;アセチルスルフィソキサゾール;コリスチメタートおよびそのナトリウム塩;キヌプリスチン;ダルフォプリスチン;アモキシシリン;アンピシリンおよびそのナトリウム塩;クラブラン酸およびそのナトリウム塩またはカリウム塩;ペニシリンG;ペニシリンGベンザチン、またはプロカイン塩;ペニシリンGナトリウムまたはカリウム塩;カルベニシリンおよびその二ナトリウムまたはインダニル二ナトリウム塩;ピペラシリンおよびそのナトリウム塩;チカルシリンおよびその二ナトリウム塩;スルバクタムおよびそのナトリウム塩;モキシフロキサシン;シプロフロキサシン;オフロキサシン;レボフロキサシン;ノルフロキサシン;ガチフロキサシン;メシル酸トロバフロキサシン;メシル酸アラトロフロキサシン;トリメトプリム;スルファメトキサゾール;デメクロサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ドキシサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ミノサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;テトラサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;オキシテトラサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;クロルテトラサイクリンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;メトロニダゾール;リファンピン;ダプソン;アトバクオン;リファブチン;リネゾリド;ポリミキシンBおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;スルファセタミドおよびそのナトリウム塩;ミノサイクリン;ならびにクラリスロマイシンを含む抗細菌薬;
抗真菌薬、例えば、アンフォテリシンB、ピリメタミン;フルシトシン;酢酸カスポファンギン;フルコナゾール;グリセオフルビン;テルビナフィンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ケトコナゾール;ミコナゾール;クロトリマゾール;エコナゾール;シクロピロックス;ナフチフィン;ならびにイトラコナゾール;
抗マラリア薬、例えば、クロロキンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ヒドロキシクロロキンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;メフロキンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;アトバクオン;プログアニルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;
抗結核菌薬、例えば、エタンブトールおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;アミノサリチル酸;イソニアジド;ピラジナミド;エチオナミド;
抗ウイルス薬、例えば、アンプレナビル;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファコン−1;ペグインターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−2a;ラミブジン;ジドブジン;アマジン(シンメトレル、エンド)およびその塩酸、硫酸およびリン酸塩;インジナビルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム塩;ファンシクロビル;リマンタジンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;メシル酸サキナビル;フォスカルネット;ザルシタビン;リトナビル;リバビリン;ザナミビル;メシル酸デラビルジン;エファビレンズ;アマンタジンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;パリビズマブ;オセルタミビルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;アバカビルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;バルガンシクロビルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;バルアシクロビルおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ジダノシン;メシル酸ネルフィナビル;ネビラピン;シドフォビル;アシクロビル;トリフルリジン;ペンシクロビル;酸化亜鉛;サリチル酸亜鉛;ヘミコハク酸トコフェロールの全ての異性体の亜鉛塩;直鎖、分岐鎖、飽和および不飽和鎖C2からC20脂肪族カルボン酸の亜鉛塩;ピルビン酸亜鉛;乳酸亜鉛;亜鉛エステル複合体;および亜鉛アセトアセトナートまたは亜鉛アセト酢酸エステル複合体;
スタブジン、レベルセット(ファーマセット)、ACH−126443(アチリコン)、MIV−310(ベーリンガーインゲルハイム)、ゼリットIR(d4tT)(ブリストルマイヤーズスクイブ)、ザイアゲン(グラクソスミスクライン)、ビロアッド(グリード)、ハイビッド(ロシュ)、エムトリバ(ジリード)、デラビルジン(ファイザー)、AG−1549(ファイザー)、DPC−083(ブリストルマイヤーズスクイブ)、NSC−675451(アドバンストライフサイエンシズ)、IMC−125(チビテック)、アジジカルボンアミド、GPG−NH2(トリペップ)、イムニチン(コルサースト)、サイトリン(サイトダイン)、HRG−214(ビリオニクス)、MDX−010(ジリード)、TXU−PAP(ウェイン・ヒューズ研究所)、プロリュウキン(キロン)、BAY50−4798(バイエル)、BG−777(ビロセル)、クリキシバン(メルク)、フューゼオン(ホフマン・ラ・ロシュ)、WF−10(オキソケミー)、Ad5Gagワクチン(メルク)、APL400−003および047(ワイス)、レムネクス(イミュンレスポンス社)、MVA−BN Nef(ババリアンノルディック)、GTUマルティーHIVワクチン(エフアイティー・バイオテック)を含む抗HIV/AIDS薬;
インスリン、例えば、ノボログ(アスパルト)、ノボリンR、ノボリンN、ノボリンL、ノボリン70/30およびノボログ70/30(ノボノルディスク);ヒューマログ(リスプロ)ヒュームリンR、ヒュームリンN、ヒュームリンL、ヒュームリン50/50および70/30およびヒューマログミックス75/25および70/30(イーライリリー);ウルトラレンテ(イーライリリー);ランタス(グラルギン、アベンティス);ブタ;およびウシインスリン;
グルカゴン様ペプチド−1(Glp1)およびアナログ(糖尿病治療および食欲抑制、心臓保護のため)(Keifferら、Endocr Rev.20:876−913(1999);Glp1受容体刺激剤、例えば、エキセンディン−4、エキセナチドおよびエキセナチドLAR(アミリンファーマ);リラグルチド(ノボノルディスク);ZP−10(ジーランドファーマ);GIp−1−アルブミン(コンジュケム);およびDpp−IV阻害剤(これはGlp−1への酵素攻撃を阻害する)、例えば、LAF237(ノバルティス);MK−0431(メルク);BMS−477188(ブリストルマイヤーズスクイブ);およびGSK23A(グラクソスミスクライン);
アルファアンドロゲン作動性アゴニスト、例えば、酒石酸ブリモニジン;ベータアドレナリン作動性遮断薬、例えば、ベタクソロールおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;レボベタクソロールおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;およびマレイン酸チモロール;
炭酸脱水素酵素阻害剤、例えば、ブリンゾラミド;ドルゾラミドおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;およびジクロルフェナミド;
肥満細胞安定剤、例えば、ペミロラストおよびそのカリウム塩;ネドクロミルおよびそのナトリウム塩;クロモリンおよびそのナトリウム塩;
縮瞳薬(miotics)(コリンエステラーゼ阻害剤)、例えば、臭化デメカリウム;プロスタグランジン、例えば、ビマトプロスト;トラボプロスト;およびラタノプロスト;
抗ヒスタミン薬、例えば、オロパタジンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;フェクソフェナジンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;アゼラスチンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;ジフェンヒドラミンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;およびプロメタジンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;
抗微小管薬、例えば、パクリタキセル(タキソール、ブリストルマイヤーズスクイブ)を含むタキソイド;ビンクリスチン(オンコビン、イーライリリー社)およびその塩酸、硫酸またはリン酸塩形態;ビンブラスチン(ベルベ、イーライリリー社)およびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ビノレルビン(ノベルビヌル、ファブレ/GSK);コルヒチン;ドセタキセル(タキソテレ、アベンティス);109881(アベンティス);LIT976(アベンティス);BMS188797(ブリストルマイヤーズスクイブ);BMS184476(ブリストルマイヤーズスクイブ);DJ927(第一);DHAパクリタキセル(タキソプレキシン、プロタルガ);エポチロンB(EPO906、ノバルティス/ジェネリック)を含むエポチロン;BMS247550(ブリストルマイヤーズスクイブ);BMS310705(ブリストルマイヤーズスクイブ);エポチロンD(KOS862、コサン/ジェネリック);およびZK EPO(シェーリング社)を含むエポチロン;
抗腫瘍薬、例えば、ドキソルビシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;イダルビシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ダウノルビシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ダクチノマイシン;エピルビシンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ダカルバジン;プリカマイシン;ミトキサントロン(ノバントロン、オーエスアイ・ファーマシューティカルズ)およびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;バルルビシン;シタラビン;ニルタミド;ビカルタミド;フルタミド;アナストロゾール;エクセメスタン;トレミフェン;フェマラ;タモキシフェンおよびクエン酸タモキシフェン;テモゾルイミド(テモドール);ゲムシタビンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;トポテカンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;ビンクリスチンおよびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;リポソマル
ビンクリスチン(オンコ−TCS、イネックス/エラン);メトトレキサートおよびメトトレキサートナトリウム塩;シクロホスファミド;リン酸エストラムスチンナトリウム;ロイプロリドおよび酢酸ロイプロリド;ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリン;エストラジオール;エチニルエストラジオール;メネストエステル化エストロゲン;プレマリン抱合エストロゲン;5−フルオロウラシル;ボルテゾミブ(ベルケード、ミレニウムファーマシューティカルズ);
抗アポトーシス薬、例えば、デスメチルデプレニル(DES、レチナファーマ);
アルドースリダクターゼ阻害剤、例えば、GP−1447(グレラン);NZ−314(パラバン酸誘導体、日本臓器);SG−210(三菱ファーマ/千寿);およびSJA−7059(千寿);
抗高血圧薬、例えば、カンデサルタンシレキセチル(アタカンド/バイオプレス、武田/アストラゼネカ/アボット);ロサルタン(コザール、メルク);およびリシノプリル(ゼストリル/プリンビル、メルク/アストラゼネカ);
抗酸化剤、例えば、ベンフォチアミン(アルバート・アインシュタイン医科大学/ウォルワグファーマ);アスコルビン酸およびそのエステル;トコフェロール異性体およびそのエステル;およびラキソフェラスト(IRFI−005、バイオメディカフォスカマ);成長ホルモンアンタゴニスト、例えば、オクトレオチド(サンドスタチン、ノバルティス);およびペグビソマント(ソマバート、ファイザー/ジェネンテック);
硝子体切除薬、例えば、ヒアルロニダーゼ(ビトラーゼ、アイエスティーエーファーマ/アレルガン);
アデノシン受容体アンタゴニスト、例えば、A2Bアデノシン受容体アンタゴニスト(754、アデノシンセラピューティクス);
アデノシンデアミナーゼ阻害剤、例えば、ペントスタチン(ニペント、スペルゲン);
グリコシル化アンタゴニスト、例えば、ピリドキサミン(ピリドリン、バイオストラツム);
抗加齢ペプチド、例えば、Ala−Glu−Asp−Gly(エピタロン、セントペテルスブルグ生体防御研究所およびジェロン);
トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、ドキソルビシン(アドリアマイシン/カエリクス、ファルマシア/ジェネリック);ダウノルビシン(ダウノキソム、ジリード/ジェネリック);エトポシド(ベペシド/エトポフォス、ブリストルマイヤーズスクイブ/ジェネリック);イダルビシン(イダマイシン、ファルマシア);イリノテカン(カンプロサル、ファルマシア);トポテカン(ハイカムチン、グラクソスミスクライン);エピルビシン(エレンス、ファルマシア);およびラレチトレキシド(トムデックス、アストラゼネカ);
代謝拮抗薬、例えば、メトトレキサート(ジェネリック)およびそのナトリウム塩;5−フルオロウラシル(アドルシル、アイシーエヌファルマシア);シタラビン(シトサール、ファルマシア/ジェネリック);フルダラビン(フルダラ、シェーリング)および酸との塩としてのその形態;ゲムシタビン(ゲムサール、イーライリリー社);カペシタビン(キセロダ、ロシュ);およびペリリルアルコール(POH、エンドレックス);
アルキル化剤、例えば、クロラムブシル(ロイケラン、グラクソスミスクライン);シクロホスファミド(サイトキサン、ファルマシア/ブリストルマイヤーズスクイブ);メタクロルエタニン(ジェネリック);シスプラチン(プラチナール、ファルマシア/ブリストルマイヤーズスクイブ);カルボプラチン(パラプラチン、ブリストルマイヤーズスクイブ);テモゾロマイド(テモダール)およびオキサリプラチン(サノフィ・シンセラブス);
抗アンドロゲン薬、例えば、フルタミド(オイレキシン、アストラゼネカ);ニルタミド(アナンドロン、アベンティス);ビカルタミド(カソデックス、アストラゼネカ);
抗エストロゲン薬、例えば、タモキシフェン(ノルバデックス、アストラゼネカ);トレミフェン(フェアストン、オリオン/シャイア);ファスロデックス(アストラゼネカ);アルゾキシフェン(イーライリリー社);アリミデックス(アストラゼネカ);レトロゾール(フェメラ、ノバルティス);レンタロン(ノバルティス);アロマシン(ファルマシア);ゾラデックス(アストラゼネカ);ラソキシフェン(CP−366、156、ファイザー);ERA−923(リガンド/ワイス);DCP974(デュポント/ブリストルマイヤーズスクイブ);ZK235253(シェーリング社);ZK1911703(シェーリング社);およびZK230211(シェーリング社);
例えば、グリーベック(ノバルティス)のようなBcr−Ablキナーゼ阻害;Her2阻害、例えば、トラスツズマブ(ヘルセプチン、ジェネンテック);MDX210(メダレックス);EIA(ターゲティドジェネティクス);ME103(ファルメキサ);2C4(ジェネンテック);Cl−1033(ファイザー);PKl166(ノバルティス);GW572016(グラクソスミスクライン)およびME104(ファルメキサ);EGFr阻害剤、例えば、エルビツクス(イムクロン/ブリストルマイヤーズスクイブ/メルクKgaA);EGFrチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ゲフィチニブ(イレッサ
ZD1839、アストラゼネカ);セツキシマブ(エルビツクス、イムクロン/ビーエムエス/メルクKGaA);エルロチニブ(タルセバ、オーエスアイ・ファーマシューティカルズ/ジェネンテック/ロシュ);ABX−EGF(アブゲニクス);Cl−1033(ファイザー);EMD72000(メルクKgaA);GW572016(グラクソスミスクライン);EKB569(ワイス);PKI166(ノバルティス);およびBIBX1382(ベーリンガーインゲルハイム);ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、チピファミブ(ザルネスタ、ジョンソン・アンド・ジョンソン);イオナファルニブ(サラサール、シェーリングプラウ);BMS−214,662(ブリストルマイヤーズスクイブ);AZ3409(アストラゼネカ);CP−609,754(オーエスアイ・ファーマシューティカルズ);CP−663,427(オーエスアイ・ファーマシューティカルズ/ファイザー);アルグラビン(ヌオンコロジー);RPR−130401(アベンティス);A176120(アボット);BIM46228(バイオメジャー);LB42708(エルジーケム);LB42909(エルジーケム);PD169451(ファイザー);およびSCH226374(シェーリングプラウ);Bcl−2阻害剤、例えば、BCL−X(アイシス);ODN2009(ノバルティス);GX011(ゲミンエックス);およびTAS301(大鵬);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、例えば、フラボピリドール(ジェネリック、アベンティス);CYC202(サイシアセル);BMS387032(ブリストルマイヤーズスクイブ);BMS239091(ブリストルマイヤーズスクイブ);BMS250904(ブリストルマイヤーズスクイブ);CGP79807(ノバルティス);NP102(ニコラス・ピラマル);およびNU6102(アストラゼネカ);タンパク質キナーゼC阻害剤、例えば、アフィニタック(イシス、イーライリリー社);ミドスタウリン(PKC412、ノバルティス/ジェネリック);ブリオスタチン(NCI/GPC バイオテック/ジェネリック);KW2401(NCI/協和発酵);LY317615(イーライリリー社);ペリホシン(エーエスティーエー・メディカ/バクスター/ジェネリック);およびSPC100840(スフィンクス);を含む癌遺伝子活性化阻害剤;
テロメラーゼ阻害剤、例えば、GRN163(ゲロン/協和発酵)およびG4T 405(アベンティス);
ヘルセプチン(ジェネンテック/ロシュ);MDX−H210(メダレックス);SGN−15(シアトル、ジェネティクス);H11(ビベンティア);テレックス(アンチゾマ);リツキシマン(リツキサン、ジェネンテック);キャンパス(アイレックスオンコロジー/ミレニウム/シェーリング);マイロターグ(セルテック/ワイス);ゼバリン(アイディーイーシー・ファーマシューティカルズ/シェーリング);トシツモマブ(ベクサール、コリクサ/スミスクラインビーチャム/コールター);エプラツズマブ(リンフォサイド、イムノメディックス/アムジェン);オンコリム(テクニクロン/シェーリング社);Mab Hu1D10抗体(プロテインデザインラボラトリーズ);ABX−EGF(アブゲニクス);インフレキシマブ(Remicade(登録商標)、セントコア)およびエタネルセプト(エンブレル、ワイス・アイエルスト)を含む抗体治療;
アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、アフィニタク(イシスファーマシューティカルズ/イーライリリー社);およびジェナセンス(ジェンタ/アベンティス);
融合タンパク質、例えば、デニロイキン ディフィトックス(オンタック、リガンド);黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRR)アゴニスト別名ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト、例えば、ゴセレリン(ゾラデクス、アストラゼネカ);ロイポレリン(ルプロン、アボット/武田);ロイポレリンアセタートインプラント(ビダウール、アルザ/バイエルおよびアチグレル/エリガード、アトリックス/サノフィー・シンセラボ);およびトリプトレリン(トレルスター、ファーマシューティカルズ);
チロシンキナーゼ阻害剤/上皮細胞成長因子受容体阻害剤、例えば、ゲフィチニブ(イレッサ、アストラゼネカ、ZD1839);トラスツズマブ(ヘルセプチン、ジェネンテック);エルロチニブ(タルセバ、オーエスアイ・ファーマシューティカルズ、OSI774);セツキシマブ(エルビツクス、イムクロンシステムズ、IMC225);およびペルツズマブ(オムニタルグ、ジェネンテック、2C4);
リボヌクレオチドリダクターゼ阻害剤、例えば、ガリウムマルトラート(チタン);
サイトトキシン、例えば、イロフルベン(MGI114、エムジーアイファーマ);
IL2治療薬、例えば、ロイベクチン(ビカール);
ニューロテンシンアンタゴニスト、例えば、SR48692(サノフィー・シンセラボ);
末梢シグマリガンド、例えば、SR31747(サノフィー・シンセラボ);
エンドセリンETA/受容体アンタゴニスト、例えば、YM−598(山之内);およびアトラセンタン(ABT−627、アボット);
抗高血糖薬、例えば、メトフォルミン(グルコファージ、ブリストルマイヤーズスクイブ)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;およびミグリトール(グリセット、ファルマシア/アップジョン);
抗緑内障薬、例えば、ドルゾラミド(コソプト、メルク);チモロール;ベタクソロールおよびその塩酸、硫酸、リン酸塩;アテノロール;およびクロルタリドン;
抗(クロマチン修飾酵素)、例えば、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(アトン/メルク);
肥満管理のための薬剤、例えば、グルカゴン様ペプチド、フェンジメトラジンおよびその酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸塩;メタンフェタミンおよびその塩酸、硫酸、リン酸塩;およびシブトラミン(メリディア、アボット)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩
貧血の処置、例えば、エポエチンアルファ(エポゲン、アムジェン);エポエチンアルファ(エプレクス/プロクリット、ジョンソン・アンド・ジョンソン);エポエチンアルファ(エスポ、三共およびキリン);およびダルベポエチンアルファ(アラネスプ、アムジェン);エポエチンベータ(ネオレコルモン、ロシュ);エポエチンベータ(エポゲン、中外);GA−EPO(ディネポ、ティーケーティー/アベンティス);エポエチンオメガ(エラネックス/バクスター);R744(ロシュ);およびトロンボポエチン(ジェネテック/ファルマシア);
嘔吐の処置、例えば、プロメタジン(フェネルガン、ワイス);プロクロルペラジン;メトクロプラミド(レグラン、ワイス);ドロペリドール;ハロペリドール;ドロナビノール(ロキサン);オンダセトロン(ゾフラン、グラクソスミスクライン);グラニセトロン(カイトリル、ロシュ);ドラセトロン(アンゼメット、アベンティス);インジセトロン(NN−3389、日清製粉、/キョーリン);アプレピタント(MK−869、メルク);パロノセトロン(ロシュ/ヘルシン/エムジーアイファーマ);レリセトロン(ファエス);ノルピタンチウム(SR14033、サノフィー・シンセラボ);R1124(ロシュ);VML670(ベルナリス、イーライリリー社);およびCP122721(ファイザー);
好中球減少症処置、例えば、フィルグラスチム(ニューポジェン、アムジェン);ロイキン(イムネックス/シェーリング社);フィルグラスチム−PEG(ニューラスタ、アムジェン);PT100(ポイントセラピューティクス);およびSB251353(グラクソスミスクライン);
腫瘍誘起高カルシウム血症処置、例えば、ボンビバ(グラクソスミスクライン);イバンドロネート(ボンドラネート、ロシュ);パミドロネート(アレディア、ノバルティス);ゾレンドロネート(ゾメタ、ノバルティス);クロドロネート(ボネフォス、ジェネリック);インカドロネート(ビスフォナール、山之内);カルシトニン(ミアカルシトノン、ノバルティス);ミノドロネート(YM529/Ono592O、山之内/小野);および抗PTHrP(CAL、中外);
抗凝固薬、例えば、アルガトロバン(グラクソスミスクライン);ワルファリン(クマジン、デュポン);ヘパリン(フラグミン、ファルマシア/アップジョン);ヘパリン(ワイス・アイエルスト);チロフィバン(アグラスタット、メルク)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;ジピリダモール(アグレノックス、ベーリンガーインゲルハイム);アナグレリド(アグリリン、シャイア(米国))およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;エポプロステノール(フロラン、グラクソスミスクライン)およびその塩酸、硫酸、リン酸塩;エプチフィバチド(インテグリリン、シーオーアール・セラピューティクス);クロピドグレル(プラビックス、ブリストルマイヤーズスクイブ)およびその塩酸、硫酸またはリン酸塩;シロスタゾール(プレタール、ファルマシア/アップジョン);アブシキシマブ(レオプロ、イーライリリー社);およびチクロピジン(チクリッド、ロシュ);
免疫抑制薬、例えば、シロリムス(ラパマイシン、Rapamune(登録商標)、ワイス・アイエルスト);タクロリムス(プログラフ、FK506);およびシクロスポリン;
組織修復薬、例えば、クリサリン(TRAP−508、オルトロジック・クリサリス・バイオテクノロジー);
抗乾癬薬、例えば、アントラリン;ビタミンD3;シクロスポリン;メトトレキサート;エトレチナート、サリチル酸;イソトレチノイン;およびコルチコステロイド;
抗ざ瘡薬、例えば、レチノイン酸;過酸化ベンゾイル;硫黄−レソルシノール;アゼライン酸;クリンダマイシン;エリスロマイシン;イソトレチノイン;テトラサイクリン;ミノサイクリン;
抗皮膚寄生虫薬、例えば、ペルメトリンおよびチアベンダゾール;
脱毛症の処置、例えば、ミノキシジルおよびフィナステリド;
避妊薬、例えば、メドロキシプロゲステロン;ノルゲスチモール;デソゲストレル;レボノルゲストレル;ノルエチンドロン;ノルエチンドロン;エチノジオールおよびエチニルエストラジオール;
ニコチン;ブプロピオン;およびブスピロンを含む禁煙のための処置;
勃起障害の処置、例えば、アルプロスタジル;シルデナフィル;
テモゾロミドを含むDNAアルキルトランスフェラーゼアゴニストメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えば、マリマスタット;
しわ、膀胱、前立腺および骨盤底障害の管理のための薬剤、例えば、ボツリヌス毒素;
子宮筋腫の管理のための薬剤、例えば、ピルフェニドン、ヒトインターフェロンアルファ、GnRHアンタゴニスト、レドキシフェン、エストロゲン受容体モジュレーター;
トランスMID(ゼノババイオメディックス);Tf−CRM107(ケイエスバイオメディックス)を含むトランスフェリンアンタゴニスト;
インターロイキン−13受容体アゴニスト、例えば、IL−13−PE38QQR(ネオファーム);
核酸、例えば、小型妨害RNA(siRNA)またはRNA妨害(RNAi)、特に例えば、VEGF発現と緩衝するsiRNA;
ならびに抗不安薬、例えば、クロルジアゼポキシド;ジアゼパム;クロラゼペート;フルラゼパム;ハラゼパム;プラゼパム;クロラゼパム;クアルゼパム;アルプラゾラム;ロラゼパム;オラゼパム;テマゼパム;およびトリアゾラム;および抗精神病薬、例えば、クロルプロマジン;チオリダジン、メソリダジン;トリフルオロペラジン;フルフェナジン;ロキサピン;モリンドン;チオチキセン;ハロペリドール;ピモジド;およびクロザピンを含む精神治療薬。
【0067】
前記に開示したいずれかの活性薬剤を本発明の医薬処方物の組み合わせまたは混合物に用いることができることは当業者には理解されよう。かかる混合物または組み合わせを単一の処方物で送達できるか、または望ましい治療結果に影響を与えるために同時もしくは異なる時点のいずれかで送達される異なる処方物として具現化することができる。加えて、前記の薬剤の多くは1つより多い活性を有し得るか、または1つより多い治療用途を有し得るので、本明細書ではそれらが属している特定のカテゴリーはいかなるようにも限定されるものではない。同様に、種々の生分解性、生体適合性賦形剤を特定の適応症に必要とされるような単一または複数の処方物において組み合わせまたは混合物で用いることができる。当業者はこの開示に照らして、これらの活性薬剤および賦形剤の混合物および組み合わせを過度な実験を行うことなく決定することができる。
【0068】
本発明の処方物を当業者に公知の方法により使用するために滅菌することができる。いくつかの実施態様の簡便な研究で加圧滅菌およびeビームが用いられており、そして有意な影響力はないと考えられている。同様に簡便な安定性研究によりいくつかの実施態様の許容される安定性が示されている。加えて、アリコートとロットとの間の再現性は非常に良好であり、標準偏差は5%未満であるかまたはそれより良好である。したがって、標準的な医薬品製造技術が本明細書で記載した技術に容易に適用される。
【0069】
本発明の実施態様例は活性薬剤デキサメタゾンおよび賦形剤安息香酸ベンジルを含む。デキサメタゾンは糖質コルチコイドであり、そして典型的には酢酸またはリン酸二ナトリウムエステルの形態で用いられる。糖質コルチコイドは機械的、化学的または免疫学的性質であり得る種々の薬剤に対する炎症応答を抑制する副腎皮質ステロイドである。デキサメタゾンの投与は局所、眼周囲、全身(経口)および硝子体内にできる。用量は処置される症状および個々の患者の応答性に依存して異なる。眼科学では、デキサメタゾンリン酸ナトリウム(Decadron(登録商標)、メルク社)が0.1%溶液として、それが導入された1957年以来広く用いられている。眼科用用量は処置される症状に依存する。前眼房炎症の制御のためには、局所用量は通常1滴、1日4回、手術後1か月まで(ほぼ0.5mg/日)である。後部炎症の制御のためには、デキサメタゾン4mgの眼周囲注射、またはデキサメタゾン0.75mgから9mgの分割用量の経口投与がよく用いられる。眼内炎の処置ためには、デキサメタゾン0.4mgの硝子体内注射が抗生物質と併用して投与されている。
【0070】
安息香酸ベンジル(CAS120−51−4、FW212.3)。昔は安息香酸ベンジルの経口投与は腸、気管支および泌尿器の病気の処置に有効であることが主張されたが、その使用はさらに効果的な薬物により取って代わられている。現在では疥癬およびシラミ症の処置として局所適用される。GoodmanおよびGilman’s THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS 1630(第6版、1980年);FDA承認、Fed Reg.310.545(a)(25)(i)。安息香酸ベンジルは食品中微量で着香剤として(FDA、タイトル21、第3巻、第I章、第B節、パート172(F)、§172.515)および注射可能な薬物処方物用の溶媒の構成成分として(例えば、Faslodex(登録商標)およびDelestrogen(登録商標)参照)承認されている。
【0071】
安息香酸ベンジルは比較的無毒の液体であり、眼に局所適用された場合の損傷はない。Grant、TOXICOLOGY OF THE EYE 185(第2版、1974年)。そのヒトでの経口LD50は0.5g/kg〜5.0g/kgと推定される。Gosselinら、CLIN TOX OF COMMERCIAL PROD.II 137(第4版、1976年)。インビボ安息香酸ベンジルは安息香酸およびベンジルアルコールに急速に加水分解される。続いてベンジルアルコールは安息香酸に酸化され、これは次いでグルクロン酸と抱合されて、ベンゾイルグルクロン酸として尿中に排泄される。わずかであるが、安息香酸はグリシンと抱合され、そして馬尿酸として尿中に排泄される。HANDBOOK OF PESTICIDE TOXICOLOGY 1506(HayesおよびLaws、編、1991年)。
【0072】
デキサメタゾンは安息香酸ベンジルと混合された場合、均一な懸濁液を形成する。25%の処方物が容易に注入可能である。例えば、懸濁液を後眼部にゆっくりと注射する場合、硝子体内に均一な球形の沈着物(リザーバー)が形成される。リザーバーはその完全性を維持し、そして検眼鏡ではインビボで「破損」は観察されていない。次いでデキサメタゾンは後部の硝子体液にゆっくりと放出される。デキサメタゾンおよび安息香酸ベンジルは最終的には副産物に代謝され、それは尿中に排泄される。
【0073】
同様に安息香酸ベンジル中のトリアムシノロンアセトニド(TA)は注入可能な懸濁液を形成し、それはインビボでその完全性を保持する。以下に記載するTA/安息香酸ベンジル処方物の眼球内注射を伴うウサギの研究では、インビボで1年以上TAのほぼ0次の放出が観察されている(データは示していない)。少用量では、結果的にTAが6か月間にわたって放出されるようなより迅速な放出プロフィールに至る(データは示していない)。DexおよびTA処方物の双方は白内障手術または置換の後の眼の処置に有用であり得る。
【0074】
本発明の一局面は白内障手術からの虹彩血管新生、網膜中心静脈閉塞の黄斑浮腫、細胞移植(網膜色素細胞移植として)、嚢胞様黄斑浮腫、偽水晶体嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫、肺結核前性(pre−phthisical)低眼圧症、増殖性硝子体網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、滲出性加齢性黄斑変性、広汎滲出性網膜剥離(コーツ病)、糖尿病性網膜浮腫、びまん性糖尿病性黄斑浮腫、虚血性眼病、慢性病巣性免疫学的角膜移植反応(chronic focal immunalogic corneal graft reaction)、血管新生緑内障、扁平部硝子体切除術(増殖性糖尿病性網膜症のために)、増殖性硝子体網膜症のための扁平部硝子体切除術、交感性眼炎、中間部ブドウ膜炎、慢性ブドウ膜炎、眼内炎のような眼球内感染、アーバイン・ガス症候群の処置に有用な活性薬剤およびLSBB賦形剤を含む組成物を提供する。
【0075】
本発明の別の実施態様は糖尿病の管理におけるインスリンの経皮送達のための、トコフェロールおよび/またはトコトリエノーならびにそのエステルとインスリンとの処方物および使用を提供する。トコフェロールおよび/またはトコトリエノールならびにそのエステルは治療薬、特にインスリンのような中程度の分子量のタンパク質を、皮膚を通って体内に運ぶ顕著な能力を保持する。実際に多様なその他の治療薬(例えば、ステロイド、NSAID、抗生物質、ホルモン、成長因子、抗癌薬等)が、トコフェロールおよび/またはトコトリエノーならびにそのエステルとの有効な経皮送達処方物に利用可能であることが企図されている。
【0076】
肝臓の酵素変換および消化管の消化過程を許容する(そしてまた胃部不快感を生じさせる)経口薬物送達を回避する利点は、代替方法を見出すための研究を奮起させている。第1の実例は糖尿病のためのインスリン治療である。インスリン治療の現況のいくつかの指導書および概説は:Owens、Nature Reviews/Drug Discovery 1:529−540(2002)、Cefalu、Am J Med 113(6A):25S−35S(2002);Nourparvarら、Trends Pharmacol Sci 25(2):86−91(2004)である。毎日の痛みを伴う複数回の皮下注射の回避は口腔/舌下、直腸、鼻内、肺、および経皮のような代替経路に至っている。完全に受け入れられる注射の代替はまだ確立されていない。最も有望であるのは肺系(エクスブラ、ファイザー/アベンティス;AERxiDMS、アラディグム/ノボノルディスク)および、本明細書にて開示されるように治療薬の浸透性賦形剤としてトコフェロールおよび/またはトコトリエノーならびにそのエステルを伴う新規経皮送達処方物である。
【0077】
インスリンおよびその他の治療薬の単純でそして痛みのない経皮送達が望ましいことは多くの経皮研究法(イオントフォレシス(電荷変化);フォノフォレシス(超音波);フォトエンハンスメント(パルスレーザー);加熱;トランスファーマー(液体小嚢);および浸透剤(DMSO、NMP等))を長年にわたって奮起させているが、結果は不完全である。経皮送達はインスリンのような大きな親水性ポリペプチドに対する皮膚の相対的な非透過性により妨害されると考えられる。しかしながら本発明は酢酸α−トコフェリルとの完全混合物として皮膚に適用した場合、血流に持続的に徐放様式で送達されるインスリンの有効レベルを提供する。マウスモデルでは、酢酸α−トコフェリルとの完全混合物としてマウス皮膚に適用した場合、インスリンの有効レベルはマウスの血流に徐放様式で送達される。
【0078】
トコフェロールは長年日焼け止めおよび化粧用処方物の成分であったので、文献では皮膚に適用されているトコフェロールに対する言及および皮膚を通るその移動の実証が多く存在する。例えば、Zondlo、Int J Toxicol 21(補3):51−116(2002)参照。これらの報告書はトコフェロールが皮膚を透過できる容易さおよび安全性を示しているが、皮膚を通って体内への透過促進剤または治療薬の担体としてのトコフェロールの使用は全く開示されていない。実際に、経皮薬物送達の102の化学的透過促進剤の最近の概説はトコフェロールまたはトコトリエノールについて言及しなかった。Karandeら、Proc Natl Acad Sci USA 102(13):4688−93(2005)。
【0079】
皮膚を通って体内への治療薬のたやすくそして有効な輸送を可能にするトコフェロール処方物はアルファ、ベータ、ガンマおよびデルタトコフェロールのd、l、およびdl異性体ならびにその(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、CからC20直鎖および分岐鎖脂肪酸エステル、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸およびニコチン酸)エステル;アルファ、ベータ、ガンマおよびデルタトコトリエノールのd、l、およびdl異性体ならびにその(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、CからC20直鎖および分岐鎖脂肪酸エステル、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸およびニコチン酸)エステルを用いることができる。
【0080】
さらにトコフェロールに関連する本発明の別の実施態様は、2−アセチルオキシ安息香酸およびその脂肪族エステルとトコフェロールおよびトコトリエノールおよび甘草抽出物との処方物を提供する。とりわけこの態様はトコフェロールおよび/またはトコトリエノールおよび/または甘草抽出物を2−アセチルオキシ安息香酸(2−ABA)と共に用いる注射可能な、摂取可能なまたは局所処方物を提供し、そして特定の脂肪族エステルは2−ABAおよびその脂肪族エステルの全ての周知の医学的利益を可能にするが、実質的には2−ABAそのものの摂取に通常随伴される胃の毒性を回避する。
【0081】
最近開発されたセレコキシブ、ロフェコキシブ等のような特異的COX−2阻害非ステロイド性抗炎症薬とは異なって、数十年におよぶ2−ABAでの医薬的経験がその利益および不利益を十分に定義しているという確実性がある。特異的COX−2阻害剤の十分な利益および問題は依然見出している最中である。2−ABA、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナック、インドメタシン等のような「伝統的な」NSAIDの場合、それらが胃および小腸に及ぼす損傷に関して証拠が蓄積されている。特異的COX−2阻害剤は2−ABAよりも胃腸問題が少ないことが実証されているが、特異的COX−2阻害剤に随伴される重篤な心臓血管問題が表面化している。2−ABAに関しては、その一般的な鎮痛抗炎症利益は伝説的であり;そしてそのCOX−1およびCOX−2阻害の双方の化学が明らかにされているので、COX−1阻害に随伴される心臓保護特性は、COX−2のみの阻害剤の心臓血管の安全性の問題とは著しい対照を成す。2−ABAの胃腸毒性に関する理由はCOX−1阻害に帰属している。そして実際にセレコキシブ、ロフェコキシブ等の胃腸問題のオーダーが低いのはそのCOX−2のみの阻害によるものと考えられる。しかし、興味深いことに、COX−1ノックアウト動物での腸の外観が正常であることは、2−ABAの胃腸毒性に関するさらに難解な理由を指摘する。COX−1および2双方の酵素の組み合わせ阻害が問題であろう。
【0082】
2−ABAの胃腸毒性に関するメカニズムに関わらず、身体のその他の部分において十分に実証された2−ABAの利益により、損傷なしに消化管を通過する分子を得る方法の探求が奨励される。もちろん注射または局所適用は消化管問題を回避するが、主要な投与様式は摂取である。摂取された2−ABAの消化管刺激を低下させる3つの明確に異なる方法が報告されている。第1は最も成功しているもので、RainsfordおよびWhitehouseにより1980年(Agents and Actions,:451−56)に報告された、2−ABAのメチル、エチルおよびフェニルエステルが胃潰瘍誘発活性を実際に引き起こさず、そしてしかもほぼ全ての2−ABAの抗炎症特性を有するというラットおよびブタの研究における発見である。驚くべきことに、2−ABAのエステルの経口投与の調査はさらに追求されていない。ざ瘡制御、日焼け止めおよび虫刺されを和らげるための2−ABAエステルの局所適用が報告されている。米国特許第4244948号、第4454122号、第3119739号参照。2−ABAの胃部不快感を低減させる第2の方法はトコフェロールおよび/またはトコトリエノールに富む食事を推奨し、結果的に病変形成の約30から約40%低下に至り、これは2−ABAエステルにより提供されるものほど甚大ではない。例えば、Jaarinら、Asia Pac J Clin Nutr 13(補):5170(2004);Nafeezaら、Asia
Pac J Clin Nutr 11(4):309−13(2002);Sugimotoら、Dig Dis Sci 45(3):599−605(2000);Stickelら、Am J Clin Nutr 66(5):1218−23(1997)参照。胃部不快感を低減させる第3の方法は甘草抽出物(グリチルリチン)と2−ABAの同時経口投与によるものである。RainsfordおよびWhitehouse、Life Sciences 21:371−78(1977);Dehpourら、Pharm Pharmacol 46J:148−49(1994)。これにより2−ABA単独と比較して66%から80%の潰瘍形成の低下が得られた。2−ABAまたはそのエステル、トコフェロール(またはそのアセタート)および/またはトコトリエノール(またはそのアセタート)、および甘草抽出物を全て一緒に組み合わせた処方物は試されていない。
【0083】
直接注射による眼または関節の炎症症状の処置は胃部不快感および非効率的な摂取経路の全身暴露を回避する。ヒトで一般に処方される2−ABAの投与量(0.650〜1.3g)の摂取は血漿中で2−ABA/2−ヒドロキシ安息香酸の組み合わせ(2−HBA)約20〜100μg/mlのレベルに至る。Kralingerら、Ophthalmic Res 35:107(2003)。ウサギの眼での研究により、これらの血漿レベルでは、硝子体中の2−ABA/2−HBA濃度は5〜10μg/mlの範囲であることが示される。2−ABAレベルは2−HBAよりもさらに低いが、これは30分以内に血漿中で2−ABAの約97%が2−HBAに加水分解されるためである。一度残りの2−ABAが硝子体に到達すると、その環境内では加水分解速度が大きく低下する。そこでは初期レベル4μg/mlが1.5〜2時間で半減する。2−ABAの2−HBAへの変換によりその初期濃度が増加するので、2−HBAの半減期は十分には定義されていないが、半減期は2−ABAの恐らく2倍である。Valeriら、Lens & Eye Toxicity Res 6(3):465−75(1989)。これは経口(全身)投与に勝る直接注射の別の利点を際だたせる。注射によりそれがその標的に到達する前に、2−ABAの加水分解でのアセチル基の実質的な喪失が回避される。2−ABAの抗炎症作用の主要な方法は、そのアセチル基をこれらの酵素に非可逆的に挿入することによりCOX−1および2酵素を不活性化するその能力である。RothおよびMajerus、Clin Invest 56J:624−32(1975)。眼でのこの反応に関するID50は0.9〜9.0μg/mlの範囲であることが決定されている。Higgsら、Agents & Actions 6(補):167−75(1979)。Kahlerら、Eur J Pharmacol 262(3):261−269(1994)。
【0084】
眼の注射可能な徐放(ISR)2−ABA処方物の一例は1.67mg含有シリコン油の1.0mlタンポナーデのウサギの眼の硝子体腔への注射である。研究では2−HBAのみが測定され、これにより6時間以内に640μg/mlの初期バーストが観察された。2−HBAは20時間で20μg/mlまで、そして120時間後には5μg/mlまで低下した。Kralingerら、Retina 21(5):513−20(2001)。エステルはより疎水性であるので、ISR処方物中の2−ABAのエチルエステルの使用は2−ABAよりも半減期が延長されるはずである(長時間持続送達)。2−ABAエステルまたは2−ABAのトコフェロール(またはそのアセタート)またはトコトリエノール(またはそのアセタート)のような疎水性賦形剤への組み込みもまた長時間持続送達に至るはずである。
【0085】
2−ABA650mg用量の摂取からの血液および滑液(ヒト膝)中の2−ABAおよび2−HBAの送達の研究により、7.7分で2−ABA 3.3μg/mlおよび10.9分で2−HBA 23μg/mlの最大血漿レベルが示された。最大滑液レベルは19.4分で2−ABA 2.5μg/mlおよび21.9分で2−HBA 14.5μg/mlであった。Soren、Scand J Rheumatol 6(1):17−22(1977)。2−ABAは血液では75分で、そして滑液では2.3から2.4時間で消失した。成人膝の滑液33ml中20μg/ml 2−ABAの関節内注射の研究によっても、2−ABA/2−HBA組み合わせの平均半減期は2.4時間であった。Owenら、Br J clin Pharmac 38:347−55(1994);Wallisら、Arthritis Rheum 28:441−49(1985)。
【0086】
2−ABAエステル処方物の局所適用を伴う抗炎症治療に関係する前記した参照文献に加え、皮膚刺激および創傷治癒のための鎮痛剤としての2−ABAエステル(米国特許第3119739号、米国特許出願公開第2002−0013300号)または2−ABA(米国特許第4126681号)に言及する参照文献がある。しかしながらその他の報告によると、虫刺されからの痛み(Balitら、Toxicol Clin Toxicol 41(6):801−08(2003))またはアレルギー反応(Thomsenら、Acta Derm Venereal 82:30−35(2002))の緩和のために局所適用された2−ABAでは良好な結果が示されていない。2−ABAのクロロホルム溶液(Kocharら、J Assoc Physicians India 47(4):337−40(1999))または急性疱疹性神経痛の痛みの軽減のための市販の皮膚保湿剤中の2−ABAスラリー(Balakrishnanら、Int. J Dermatol 40(8):535−38(2002))の皮膚適用に関しては良好な結果が見出された。これらの報告された処方物のほとんどが水を含有したことに留意するのは重要である。したがって、これらの処方物をその調製後直ぐに使用しないと、2−ABAまたはそのエステルの有意な加水分解でアセチル基が除去され、効力の低い2−HBA誘導体が得られる可能性が非常に高い。有用な保存期間のために、局所2−ABAおよび2−ABAエステル処方物における非水性または非アルコール性の浸透性賦形剤に関する必要性が存在する。
【0087】
したがって、本発明の実施態様では、処方物に用いる構成成分を以下の2群から選択する:
I群:2−アセチルオキシ安息香酸、2−アセチルオキシ安息香酸メチル、2−アセチルオキシ安息香酸エチル、2−アセチルオキシ安息香酸n−プロピル、2−アセチルオキシ安息香酸イソプロピル、2−アセチルオキシ安息香酸n−ブチル、2−アセチルオキシ安息香酸イソブチル。
II群:アルファ、ベータ、ガンマおよびデルタトコフェロールのd、lおよびdl異性体ならびにその酢酸エステル;アルファ、ベータ、ガンマおよびデルタコトリエノールのd、lおよびdl異性体ならびにその酢酸エステル;全て甘草抽出物または脱グリチルリチン処理した甘草抽出物を伴う。
【0088】
したがって、本発明の1つの態様は、経口投与のための処方物を得るための、2−ABAの有益な治療特性を本質的に全て有するが、2−ABAに随伴される胃部ストレスが皆無かそれに近い、I群から選択した化合物とII群から選択した化合物との新規混合物を伴う。摂取用のこれらの新規処方物は、トコフェロールまたはそのアセタート40から400重量部+トコトリエノールまたはそのアセタート35から110重量部+甘草抽出物または脱グリチルリチン処理した甘草抽出物400から1400重量部と混合した2−ABA 350重量部または2−ABAエステル400から500重量部の一般組成を有する。トコフェロールおよびトコトリエノールの混合物を含有する都合良い供給源はパーム種子油抽出物(多くの供給者の中でもカロテック社)またはコメ糠油抽出物(多くのその他の供給者の中でもイーストマンケミカルズ)である。パーム種子油が好ましいといういくつかの証拠があり、それはデルタトコトリエノール含量が高いためである。Theriaultら、Clin Biochem 32(5):309−19(1999);Yapら、J Phann Pharmacol 53(1):67−71(2001)。
【0089】
限定するものではないが処方物の実例は2−ABA 350mg(または2−ABAエチル400mg)、トコフェロール/トコトリエノール(パーム種子油抽出物)200mg、および甘草抽出物125mgである。かかる処方物を、ヒトまたは動物の身体の至る所の炎症症状を軽減するために必要とされるような1から8カプセル/日で摂取されるゲルカプセルに便宜的に入れることができる。
【0090】
本発明の別の局面は、ヒトまたは動物の眼または関節の炎症症状のための治療としての眼球内または関節内注射のための2−ABAまたは2−ABAエステルとトコフェロールまたは酢酸トコフェロールの新規徐放混合物を伴う。処方物中のこれらの構成成分の量の一般的な範囲は、2−ABAエステルまたは微粉末化2−ABA 5から95重量部、およびトコフェロールまたはそのアセタート95重量部から5重量部である。限定するものではないが、処方の実例は、2−ABAエチルまたは微粉末化2−ABA 250重量部、酢酸α−dlまたはdトコフェロール400重量部である。この処方物は20ゲージから30ゲージ針を通して、10mgから100mgアリコートで眼の硝子体腔への注射用にでき、10日から1年間2−ABAまたはそのエステルの治療レベルの徐放を提供する。同様に、これらの処方物の10mgから3000mgをヒトまたは動物の関節の滑液腔に注射して、10日から1年間の抗炎症治療を提供することができる。
【0091】
本発明の別の局面は、皮膚または関節の炎症および疼痛を軽減するためにヒトまたは動物の皮膚を透過する局所適用のための2−ABAまたはそのエステル5重量部から95重量部とトコフェロール、酢酸トコフェロールおよび/またはトコトリエノール、酢酸トコトリエノール95重量部から5重量部の新規処方を伴う。再度、トコフェロールおよびトコトリエノール双方の都合よい供給源はパーム種子油またはコメ糠油抽出物である。具体的な非限定的な処方は、2−ABAエチルまたは微粉末化2−ABA 60重量部、パーム種子油40重量部である。
【0092】
さらに詳述せずとも、先行の記載の利益を有する当業者は本発明を最大限に利用することができる。以下の実施例は説明のためのみのものであり、そして開示の残りの部分をいかなる様にも限定するものではない。
【実施例】
【0093】
(実施例1)
65℃および96時間で1,3−プロパンジオールからのポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)Iの調製
炭酸ジエチル(b.p.128℃)23.6g(0.2モル)に金属ナトリウム0.05g(1.25ミリモル)を含有する1,3−プロパンジオール15.2g(0.2モル)を加え、2つの液相が得られた。これらの反応物を蓋なし容器中65℃のオーブンに入れ、そして時々振盪した。12時間後、反応物は重量38.0gの均質な溶液であった。エタノール0.4モル(18.4g)の喪失のために理論重量は完全反応で20.4gになる。加熱および時々振盪を続けて、24時間で27.0g、48時間で23.2g、72時間で21.4g、および96時間で17.4gが得られた。油状生成物を5%酢酸水溶液15mlで洗浄して2相になった。上相は水溶性相であった。下相10.5mlを水15mlで洗浄して、水不溶性油状物としてポリ(炭酸1,3−プロピレングリコール)オリゴマー7.5mlが得られた。
【0094】
(実施例2)
110〜150℃および26時間で1,3−プロパンジオールからのポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)IIの調製
金属ナトリウム0.1g(2.5ミリモル)を含有する1,3−プロパンジオール76g(1.0モル)および炭酸ジエチル118g(1.0モル)の混合物を110℃で加熱した。反応物が60℃に到達するとすぐに、それは均質な溶液を形成した。8時間加熱した後、反応物は48g(エタノールの理論量の52%)を喪失した。次いで温度を150℃まで上昇させた。10時間後、反応物はさらに46gを喪失した。この生成物の滴は水に完全に溶解した。得られた油状物97gを炭酸ジエチル6g(0.05モル)と混合し、そして得られた溶液を時々攪拌しながら150℃で加熱した。
【0095】
8時間後、得られたシロップは幾分水に不溶性であることが見出された。生成物を5%酢酸水溶液100mlで洗浄し、続いて水100mlずつで4回洗浄して、わずかに黄色の粘性油状物46.1gが得られた(46.1/102=収率45%)。
【0096】
(実施例3)
ジ−1,2−プロピレングリコールからのポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)の調製
炭酸ジエチル59.0g(0.5モル)にジ−1,2−プロピレングリコール67.0g(0.5モル)を加え、これをNa 0.02gと反応させて均質な溶液を形成した。反応物を蓋なしフラスコ中で100℃で放置した。12時間後、溶液は23.4g(エタノールの理論値46gの約50%)を喪失した。150℃でさらに15時間後、反応物は全部で53.2gを喪失して、幾分水不溶性のシロップが得られた。生成物を5%酢酸水溶液100mlで洗浄し、続いて水100mlずつで4回洗浄して、無色の粘性水不溶性液体ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)オリゴマー25.2gが得られた。
【0097】
(実施例4)
トリ−1,2−プロピレングリコールからのポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)の調製
Na金属0.lgにトリ−1,2プロピレングリコール 96.0g(0.5モル)を加えた。5分後、Naは反応してしまい、淡黄色油状物が残った。炭酸ジエチル59.0g(0.5モル)をこの液体に加え、そして得られた均質な溶液を蓋なしフラスコ中110℃まで加熱した。6時間後、反応物は28.0g(理論値の61%)を喪失した。次いで黄色の溶液を125℃で8時間加熱すると、反応物は全部で48g(理論値の104%)を喪失した。さらに炭酸ジエチル6.0g(0.5モル)を加え、そして温度を150℃まで上昇させた。6時間後、粘性の黄褐色生成溶液を5%酢酸水溶液100mlで洗浄し、続いて水100mlずつで4回洗浄して、粘性橙色の水不溶性液体オリゴマー48gが得られた。
【0098】
(実施例5)
その徐放処方物(SRF)からのデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドの放出プロフィールの測定のためのアッセイ手順
放出研究のためにバイアルにラベルを付け、そして各バイアルの重量を記録した。各バイアルに0.9%食塩水3〜4gを加え、そして重量を記録した。次いでSRFをバイアルの底に注射するかまたは入れた。SRFの重量を記録した。さらなる量の0.9%食塩水を加えて食塩水の全量10gにした。得られたバイアルをインキュベーターまたは水浴中37℃を維持した。試料を定期的に採取してHPLC装置を用いてデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドの放出プロフィールを測定した。以下の手順に従って試料採取プロトコールを実施した.使い捨てピペットを用いてデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドを含有する食塩水8gを各バイアルから注意深く抜き取った。次いで0.9%食塩水8gを各バイアルに加えた。試料採取後バイアルを37℃で維持した。
【0099】
オートサンプラーの付いたベックマンゴールド装置を用いてHPLC分析を実施した。水中3つの異なる濃度のデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニドで較正物質を調製した。較正物質および試料を、ガードカラム(C18、4.6mm×1cm)を含有するC18カラム(レイニン、250×4.6mm)に注射し、そして各々分析した。移動相45%(または50%)アセトニトリル/水、流速1.0ml/分、および周囲温度で7(または6)分を用いてカラムを溶出した。238nmの波長の検出器を使用した。ベックマンゴールド装置のソフトウェアを用いて、各試料のデキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニド(保持時間6〜4分)濃度を標準曲線から計算した。
【0100】
HPLCを実行する間にHPLCカラムを清浄するための洗浄プログラムを設定した。3または4回の注射毎に、アセトニトリル20μlを含有する試料をカラムに注射し、カラムを99%アセトニトリル/水の移動相で、流速1ml/分、および実行時間7分で溶出した。次いでカラムを平衡にしてアセトニトリル20μlを注射することにより元来の移動相に戻し、45%(または50%)アセトニトリル/水、流速1ml/分、および実行時間7分で溶出した。
【0101】
試料採取時間およびHPLCから決定した活性成分(例えば、デキサメタゾンまたはトリアムシノロンアセトニド)濃度を記録し、そして表にした。薬物放出パーセントおよび放出した薬物量をマイクロソフトエクセルソフトウェアプログラムから各々計算した。
【0102】
(実施例6)
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)I中のデキサメタゾン混合物の調製およびその放出プロフィール
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)I中10%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例1で調製したポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)I 9重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図1に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0103】
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)I中20%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン2重量部を、実施例1で調製したポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)I 8重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図1に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0104】
(実施例7)
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)II中のデキサメタゾン混合物の調製およびその放出プロフィール
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)II中5%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例2で調製したポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)II 19重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図2に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0105】
ポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)II中10%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例2で調製したポリ(炭酸1,3−プロパンジオール)II 9重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図2に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0106】
(実施例8)
ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)中のデキサメタゾン混合物の調製およびその放出プロフィール
ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)中5%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例3で調製したポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)19重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図3に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0107】
ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)中10%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例3で調製したポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)9重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図3に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0108】
ポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)中20%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン2重量部を、実施例3で調製したポリ(炭酸ジ−1,2−プロピレングリコール)8重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図3に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0109】
(実施例9)
ポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)中のデキサメタゾン混合物の調製およびその放出プロフィール
ポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)中5%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例4で調製したポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)19重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図4に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0110】
ポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)中10%デキサメタゾンの調製:デキサメタゾン1重量部を、実施例4で調製したポリ(炭酸トリ−1,2−プロピレングリコール)9重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図4に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0111】
(実施例10)
安息香酸ベンジル中のデキサメタゾン混合物の調製およびその放出プロフィール
安息香酸ベンジル中20%デキサメタゾンの調製では、デキサメタゾン2重量部を、安息香酸ベンジル8重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図5に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0112】
安息香酸ベンジル中5%および50%デキサメタゾンを含有する処方物を、デキサメタゾン/安息香酸ベンジル重量比以外は20%処方と類似した条件下で調製した。安息香酸ベンジル中5%および50%デキサメタゾンの混合物を調製し、そして得られた混合物を均等に分け、そして少量を図5に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0113】
安息香酸ベンジル中のデキサメタゾンは均一な懸濁液を形成する。25%の処方物は容易に注入可能である。懸濁液は後眼部にゆっくりと注射されるので、硝子体内に均一な球形の沈着物(リザーバー)が形成される。次いでデキサメタゾンは後部の硝子体液にゆっくりと放出される。デキサメタゾンおよび安息香酸ベンジルは最終的に副産物に代謝されて尿中に排泄される。
【0114】
(実施例12)
二安息香酸ジエチレングリコール中デキサメタゾンの混合物の調製およびその放出プロフィール
デキサメタゾン(Dex)1重量部を、二安息香酸ジエチレングリコール9重量部と混合することにより二安息香酸ジエチレングリコール中10%デキサメタゾンを調製した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図6に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0115】
重量比以外は10%Dex/二安息香酸ジエチレングリコール調製の条件に類似する条件を用いて、5%および25%Dex/二安息香酸ジエチレングリコール混合物の処方物を調製した。得られた混合物を均等に分け、そして少量を以前に記載したように放出プロフィールに関して分析した。得られた放出プロフィールを図6に示す。
【0116】
(実施例13)
二安息香酸ジエチレングリコール中トリアムシノロンアセトニドの混合物の調製およびその放出プロフィール
二安息香酸ジエチレングリコール中5%、10%および25%トリアムシノロンアセトニドの調製物を以下のように調製した:トリアムシノロンアセトニド0.5、1.0または2.5重量部を各々二安息香酸ジエチレングリコール9.5、9.0または7.5重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして以前に記載されたように放出プロフィールに関して分析した。得られた放出プロフィールを図7に示す。
【0117】
(実施例14)
d−トコフェロールまたは酢酸d,l−トコフェロール中デキサメタゾンの混合物の調製およびその放出プロフィール
d−トコフェロール中10%Dexの調製のために、Dex 1重量部をd−トコフェロール9重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図8に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0118】
d−トコフェロール中20%Dexの調製のために、Dex 2重量部をd−トコフェロール8重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図8に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0119】
酢酸dl−トコフェロール中50%Dexの調製のために、Dex 5重量部を酢酸dl−トコフェロール5重量部と混合した。得られた懸濁液を周囲温度で均質な混合物が形成されるまで攪拌した。次いで混合物を均等に分け、そして図8に示すように放出プロフィールに関して分析した。
【0120】
(実施例15)
デキサメタゾンおよび二安息香酸ジエチレングリコールでの固体薬物送達系の製造およびその放出プロフィール
デキサメタゾン粉末および二安息香酸ジエチレングリコールを重量で乳鉢および乳棒で完全に混合した。混合物を直径2mmのパール・ペレットプレスに入れて、25℃で移植に適当な固体ペレットを形成した。次いで新たに形成されたペレットを微量天秤で重量測定した後、図9に示すようにインビトロ動態に関して試験した。
【0121】
(実施例16)
デキサメタゾンおよび安息香酸ベンジルでの固体薬物送達系の製造およびその放出プロフィール
デキサメタゾン粉末および安息香酸ベンジルを重量で乳鉢および乳棒で完全に混合した。次いで混合物を直径2mmのパール・ペレットプレスに入れて、25℃で移植に適当なペレットを形成した。次いで形成されたペレットを微量天秤で重量測定し、そして記録した後、図10に示すようにインビトロ動態に関して試験した。
【0122】
(実施例17)
デキサメタゾンおよびコハク酸トコフェリルでの固体薬物送達系の製造およびその放出プロフィール
デキサメタゾン粉末およびコハク酸トコフェリル粉末を重量比50/50で完全に混合した。十分に混合した粉末を単一バレル押出機に充填し、そして65℃で1時間加熱した後、1mmオリフィスを通して押し出した。図11で示すようなインビトロ動態試験のために、押し出したフィラメントからインプラントに適当な種々の大きさのマイクロペレットを切断した。
【0123】
(実施例18)
組み合わせ処方物
安息香酸ベンジルのような賦形剤と共に便宜的に処方した2つまたはそれより多い薬物との組み合わせは持続され、そして制御された活性薬剤の放出を提供する。成分の容量、濃度およびパーセンテージの変化は放出される(複数の)薬物の期間および治療濃度に影響する因子である。実例としては、安息香酸ベンジル中デキサメタゾン:シプロフロキサシン1:1の20(重量)%処方物では、2つの薬物の放出プロフィールは類似しており、そして期間は約28から35日である。2つの薬物の放出プロフィールを図12Aに示す。
【0124】
別の有用な組成物はデキサメタゾン:シプロフロキサシン3:1の比率のデキサメタゾンおよびシプロフロキサシンを含む。各薬物の放出の期間は図12Bで示すように、デキサメタゾンで約60日まで、およびシプロフロキサシンではさらに長く有意に延長される。
【0125】
(実施例19)
注射されたDexを含む処方物の薬物動態および代謝
インビボデキサメタゾンのインビボ放出を試験するために、安息香酸ベンジル(DR)中重量で25%デキサメタゾンの組成物を使用した。25μl(低用量)はデキサメタゾン6mgを含有し、50μl(高用量)はデキサメタゾン12mgを含有した。安息香酸ベンジルをプラセボとして提供した。
【0126】
DB組成物のインビボ放出を24匹のウサギで研究した。25%DB25μlを12匹の動物の1つの後眼部に注射し、そして反対の眼にプラセボを投与した。別の12匹の動物には1つの眼にDB50μlおよび第2の眼にBBプラセボ50μlを投与した。適切な時点で動物を安楽死させ、そして硝子体液試料を外科的に取り除いた。デキサメタゾン濃度を実施例5に記載したように高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定した。
【0127】
高用量では放出されたデキサメタゾンの濃度は挿入後第1週の間最大であり、7日から90日までで平均5.56μg/mlであり、90日までに平均レベル1.85μg/mlまで低下した。低用量では、デキサメタゾンの平均レベルは7日から60日までで2.8μg/mlであり、平均レベル0.8μg/mlまで低下した。図13。デキサメタゾンはいずれの対照の眼でも検出されなかった。
【0128】
臨床的には、プラセボまたは低もしくは高用量のDBを投与された24匹の動物は全研究で炎症または感染の証拠を示さなかった。動物を週2回、スリットランプ検眼検査法および眼底検査の双方により試験した。白内障、硝子体または網膜異常の証拠は観察されなかった。
【0129】
組織病理学に関しては、3匹の動物の1つの眼にDB25μlおよび反対の眼にプラセボ(BB)25μlを注射した。別の3匹の動物の1つの眼にDB50μlおよび他方の眼にプラセボ(BB)50μlを注射した。それらを毎週臨床的に追跡し、そして低用量に関しては30日に、および高用量に関しては90日に組織病理学のために屠殺した。眼を10%緩衝ホルマリン中で固定し、そしてH&E染色の後に試験した。角膜、前眼房、虹彩、毛様体および水晶体を含む前部は正常であった。色素上皮、ブルッフ膜および脈絡膜は全て正常範囲内であった。図14を参照。処置眼と対照眼との間に明白な組織病理学の差はなかった。
【0130】
DBのインビボでの抗炎症効果をさらに試験するために、25%DB 25μlを体重3kg〜3.5kgのニュージーランドシロ(NZW)ウサギ3匹の1つの眼の硝子体に注射した。24時間後、ウシ血清アルブミン(BSA)2.5mgを双方の眼に注射した。動物を毎日および眼科的に試験した。10から14日の間に、DBで保護されていない眼に重篤な線維素反応を伴うブドウ膜炎を生じた。DBを注射した眼では、試験で検出された炎症は皆無かそれに近かった。組織病理学では、保護されていない眼ではブドウ膜組織ならびに前眼房および硝子体腔に慢性および急性炎症細胞が認められた。保護された眼では、脈絡膜でわずかな円形細胞浸潤を伴う炎症の証拠がわずかにあった。角膜、虹彩、網膜および脈絡膜は組織学的に無傷であった。以下の表1を参照。
【0131】
【表1】

BSA:ウシ血清アルブミン;DB:25%デキサメタゾン/安息香酸ベンジル
OD:右眼、OS:左眼;0〜4:後部の重篤度、炎症は4+が最大。
【0132】
別の3匹のNZWウサギをBSA 10mgの静脈内(IV)で免役した。21日後、BSA 0.5mg/食塩水0.1mlの皮内注射を行い、全動物は強い(+4)アルサス反応を実証し、これは動物がBSAに対して全身的に免疫されたことを示している。30日目に各動物の1つの眼を25%DB組成物25μlで硝子体内注射し、そして24時間後にBSA 0.5mg/生理食塩水0.1mlを双方の眼に注射した。保護されていない眼では重篤なブドウ膜炎が進行し、そしてその後7から10日間持続したが、保護された眼は正常であると判断された。60日目に、皮膚追試験により、(+4)アルサス反応がそのままで残り、そしてBSA 0.5mg/生理食塩水0.1mlの再注射により30日目に観察されたのと類似した保護が示された。これらの研究は、DBが実験した眼において即時的および持続した保護効果を有することを意味している。これらの動物を90日目に再度BSA 0.5mg/生理食塩水0.1mlで誘発した場合、全ての眼でブドウ膜炎が進行したが、保護された(DB)眼では炎症はあまり重篤ではないようであった。以下の表2参照。DB25μlでの炎症に対する保護は60日間続いた。90日では眼のデキサメタゾンの治療レベルは不十分かもしれない。
【0133】
【表2】

BSA:ウシ血清アルブミン;DB:25%デキサメタゾン/安息香酸ベンジル
OD:右眼、OS:左眼;0〜4:後部の重篤度、炎症は4+が最大。
【0134】
別の3匹のNZWウサギをBSA 10mgの静脈内(IV)で同様に免役した。24時間後、各動物の1つの眼を25%DB 50μlで注射した。3か月(90日)で皮膚皮内試験は+4反応を惹起した。1週間後、BSA 0.5mg/通常の生理食塩水0.1mlを各動物の双方の眼に注射した。保護された眼(25%DB 50μlで注射)は反対の保護されていない眼と比較した場合、皆無かそれに近い臨床ブドウ膜炎を示した。これは、BSAで限局的に誘発された場合、デキサメタゾンの長期的な徐放が3か月まで眼を保護できたことを示している。以下の表3参照。
【0135】
【表3】

BSA:ウシ血清アルブミン;DB:25%デキサメタゾン/安息香酸ベンジル
OD:右眼、OS:左眼;0〜4:後部の重篤度、炎症は4+が最大。
【0136】
(実施例20)
注射したTAを含む処方物の薬物動態および代謝
安息香酸ベンジル中重量で25%TA(トリアムシノロンアセトニド)の組成物(TA/B):TA 7.0mgを含有する25μlおよびTA 14mgを含有する50μlを用いた。安息香酸ベンジル(BB)をプラセボとして提供した。
【0137】
27匹のウサギでTAのインビボ放出を研究した。12匹の動物の1つの後眼部に組成物25μlを注射し、そして反対の眼にはBB 25μlを投与した。別の12匹の動物には同一の組成物50μlを1つの後眼部に、そしてBB 50μlを第2の眼に投与した。適切な時点で動物を安楽死させ(各時点でn=3)、そして硝子体液試料を外科的に取り除き、TA濃度に関しては実施例5に記載したように高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)による。TA/B 50μlに関する平均硝子体濃度TAは24時間で3.25μg/ml;1か月で2.45μg/ml;3か月で1.45μg/ml;および6か月で1.56μg/mlであった。6か月間にわたる平均硝子体TAレベルは2.17μg/mlであった。25μlTA/B動物のTAの平均硝子体濃度は24時間で1.78μg/ml;1週間で1.31μg/ml;1か月で0.81μg/ml、3か月で0.4μg/ml;および6か月で0.36μg/mlであり、6か月間にわたる平均は0.93μg/mlであった。いずれの対照の眼でもTAは検出されなかった。図15参照。25μl用量では270日間インビボで0次に近い放出が観察されている(データは示していない)。50μl用量では365日間インビボで0次に近い放出が観察されている(データは示していない)。
【0138】
臨床的には、BBプラセボを投与された27匹の動物は全研究で炎症または感染の証拠を示さなかった。動物を週2回、スリットランプ検眼検査および眼底検査の双方により試験した。白内障、硝子体または網膜異常の証拠は観察されなかった。
【0139】
組織病理学に関しては、6匹の動物の右眼に25%TA/B50μlおよび別の眼にBB50μlを注射した。それらを毎週臨床的に追跡し、180日に組織病理学のために屠殺した。眼を10%緩衝ホルマリン中で固定し、そしてH&E染色の後に試験した。角膜、前眼房、虹彩、毛様体および水晶体を含む前部は正常であった。後眼部(硝子体、網膜、光受容細胞、色素上皮、ブルッフ膜および脈絡膜を含む)の組織病理学は全て正常範囲内であった。処置眼と対照眼との間に明白な組織病理学の差はなかった。
【0140】
(実施例21)
Dexを含む固体インプラント
固体インプラントから放出されるデキサメタゾンのレベルをNZWウサギの前眼房で研究した。デキサメタゾン(アップジョン)およびコハク酸dl−アルファトコフェロール(Sigma)50:50の混合物を25℃で口径790μm mmを通して押し出した。この押し出した混合物1mgを雌4kgNZWウサギの右前眼房に外科手術により配置した。HPLCデキサメタゾン分析のために前眼房(AC)からの房水の試料採取を前記の実施例に従って実施した。デキサメタゾンの治療的徐放レベルを観察した。図16参照。臨床的には動物の眼は完全に鎮静し、そして組成物は生体適合性であると判断された。
【0141】
(実施例22)
ステンレススチール表面および心臓ステントのデキサメタゾン/コハク酸dl−アルファトコフェロールコーティングの徐放
デキサメタゾン:アセトン:コハク酸トコフェロール2:8:1(重量)混合物コーティングを2つのステンレススチール管表面および2つの市販の心臓ステントに施した。浸漬およびオーブン乾燥によりコーティングを達成した。HPLC分析のために蒸留水20mlのバイアル中でデキサメタゾンの溶出を行い、そしてアッセイ期間あたり全容量の75%の交換を行った。図17参照。コハク酸トコフェロールは薬物放出制御のためのスチール表面の有効なコーティング溶媒であることが実証されている。この方法論の適用は木、ガラス、種々の金属、ゴム、合成表面、例えば、テフロン(登録商標)、プラスチック、ポリエチレンチューブ等を含む種々の材料および表面に広げることができる。
【0142】
(実施例23)
コハク酸トコフェロール中にシクロスポリンを含む処方物
dl−アルファトコフェロール:シクロスポリンA 25:75のインビトロ放出を研究するために、シクロスポリンをコハク酸トコフェロールと混合し、そして25℃で口径790μmを通して押し出した。材料1mgを蒸留水10mlのバイアル中に入れ、そして前記したように溶解のためにアリコートを試料採取した。図18参照。直線的な徐放の延長が約272日間観察された。
【0143】
インビボ放出プロフィールを研究するために、コハク酸トコフェロール:シクロスポリン25:75 0.75mgを4.0kgの雌NZWウサギの右前眼房(AC)に外科手術により移植した。房水中のCsAのHPLC測定のために前記の時点でACから液を採取した。図19参照。さらにコハク酸トコフェロール:シクロスポリン25:75 5.0mgを雌4.0kgNZWウサギの左後眼部(PS)に外科手術により移植した。CsAのHPLC分析のために前記の時点でPS中の硝子体液を採取した。図20参照。
【0144】
別のインビボ放出研究では、コハク酸トコフェロール:シクロスポリン25:75 30mg(3×10mg)を、口径1mmを通して押し出した。断片を、3mm切開によりトロカールで成熟雄スプラーグドーリーラットの腹膜腔に局部の0.5%リドカイン浸潤の後に移植した。血液CsA LCMSMS分析のために心臓穿刺を実施した。図21参照。
【0145】
シクロスポリン分布を研究するために、シクロスポリン:コハク酸トコフェロールのインプラントをスプラーグドーリーラットの種々器官にトロカール針により注射した。さらに具体的には、種々重量の押し出したコハク酸トコフェロール:シクロスポリン20:80を移植した。屠殺および回収の後、組織濃縮機中48時間、全組織を乾燥させ、粉砕し、そして10mg/ml CsD含有MeOH 1mlに浸した。液体クロマトグラフィー/質量分析法で分析を実施した。以下の表4および表5に示すようにCsAを観察した。略語:ant 前部、post 後部、hem 半球。
【0146】
【表4】

移植部位
【0147】
【表5】

移植部位
(実施例23)
インスリンの経皮送達
インスリンのいくつかの処方物の注射対経皮送達の比較をマウスモデルで研究した。ブタインスリン1mgをマウスにIP(腹腔内)注射した。半時間以内にグルコースレベルの急落が見出され、そして1時間後には低血糖症に発展した。認知可能なレベルを下回る低血糖症が持続し、そして動物は決して回復しなかった。ブタインスリン1mgを酢酸トコフェロール0.1mlと混合し、そしてIP注射し、3時間までにグルコースレベルの認知可能な降下が認められ、そして動物は低血糖症のままであり、そして回復しなかった。グルコースIP注入が低血糖症を逆転させることはなかった。酢酸トコフェロール0.1mlと混合したブタインスリン1mgを剪毛したマウスの皮膚に局所適用した。グルコースレベルの緩徐な低下が認められ、最低レベルは5.5時間で測定された。処置前レベルへの回復は24時間および48時間で認められた。トコフェロールIPはインスリンの血糖降下効果を遅延させることができた。経皮インスリン トコフェロールAcはグルコースレベルの減少を生じさせ、それは24〜48時間後には処置前レベルまでゆっくりと回復した。経皮投与したインスリンの徐放が観察された(データは示していない)。
【0148】
ブタインスリン(20mg)を酢酸トコフェリル199mg/ml中で混合し、そしてペースト(またはゲル)を形成し、それを以下のように剪毛したアルビノマウスの背に適用した。マウス#1をインスリン/酢酸トコフェロールペースト39.8mgで処置した(これはインスリン3.6mgに匹敵する)。マウス#2をインスリン/酢酸トコフェロールペースト75.2mgで処置した(これはインスリン6.9mgに匹敵する)。ホームディアグノースティクス社トゥルートラック・スマートシステムにより図22Aで表した間隔で尾血糖レベルを測定した。グルコースレベルの降下は、経皮適用後半時間ほどの早期に認められ、続いて15時間まで持続的に抑制されたレベルであった。24時間後までに、グルコースは処置前レベルまで戻り、続いて次の24時間はリバウンドまたは高血糖濃度であった。経皮投与されたインスリンの徐放が実証されている。
【0149】
この基盤により送達され得る医薬品には、鎮痛薬、麻酔薬、麻薬、血管新生抑制性ステロイド、抗炎症性ステロイド、血管形成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗感染薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核菌薬、抗ウイルス薬、アルファアンドロゲン作動性アゴニスト、ベータアドレナリン作動性遮断薬、炭酸脱水素酵素阻害剤、肥満細胞安定剤、縮瞳薬、プロスタグランジン、抗ヒスタミン薬、抗微小管薬、抗腫瘍薬、抗アポトーシス薬、アルドースリダクターゼ阻害剤、抗高血圧薬、抗酸化剤、成長ホルモンアンタゴニスト、硝子体切除薬、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、グリコシル化アンタゴニスト、抗加齢ペプチド、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗薬、アルキル化剤、抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬、癌遺伝子活性化阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、抗体またはその部分、アンチセンスオリゴヌクレオチド、融合タンパク質、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮細胞成長因子阻害剤、リボヌクレオチドリダクターゼ阻害剤、サイトトキシン、IL2治療薬、ニューロテンシンアンタゴニスト、末梢シグマリガンド、エンドセリンETA/受容体アンタゴニスト、抗高血糖薬、抗緑内障薬、抗クロマチン修飾酵素、肥満管理薬、貧血治療薬、嘔吐治療薬、好中球減少症治療薬、腫瘍誘起高カルシウム血症治療薬、抗凝固薬、抗増殖剤、免疫抑制薬、組織修復薬、および精神治療薬が含まれる。アプタマー(アイテック)、およびルセンティス(ジェネンテック)およびRNA阻害剤、インスリン、ヒトインスリン、GLP−1、ビエッタ(エキセナチド、アミリン)。
【0150】
本発明を実行するための前記した様式の改変は外科、薬学または関連する分野の当業者に明白であり、添付の請求の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−72196(P2012−72196A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−8366(P2012−8366)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【分割の表示】特願2007−534731(P2007−534731)の分割
【原出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(507103226)ラムズコア, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】