説明

便器洗浄装置

【課題】 本発明は、既存の各種のロータンクに収容可能なコンパクトな便器洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 排水バルブを有するロータンクに取り付け可能な便器洗浄装置であって、モータと前記モータの出力を減速する減速手段とを収容し、第1の方向に突出し、手動による駆動力を入力可能とした入力軸と、前記第1の方向とは反対の第2の方向に突出し、前記入力軸及び前記減速手段から出力可能な第1の出力軸と、を備え、前記入力軸の前記第1の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、前記第1の出力軸の前記第2の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、前記ロータンクに対して90°単位で回転させて取り付け可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器洗浄装置に関し、より詳細には、水洗便器のロータンクに取り付けて、電動によりロータンクから水洗便器に洗浄水を供給可能とした便器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗便器のロータンクに関する技術開発の歴史は長く、例えば、ロータンクの表面の結露を防ぐための防露構造(例えば、特許文献1)、排水機構(例えば、特許文献2)、作動機構(例えば、特許文献3)、操作機構(例えば、特許文献4)、ハンドル装置(例えば、特許文献5)、大小洗浄水の流し分け機構(例えば、特許文献6)、ロータンク外側に設ける電磁駆動手段(例えば、特許文献7)などが開示されている。
【0003】
手動及び電動のいずれにても水洗便器に洗浄水を供給可能とした便器洗浄装置として、本発明者らは、ロータンクのレバー装置を開示した(特許文献8)。このレバー装置は、モータを内蔵したスピンドル電動装置をロータンクの内部に収容可能とし、且つロータンクのレバー開口からロータンク外の突出するねじ付カラムを設けたものである。このねじ付きカラムにロータンクの外側からナットを螺合させ、スピンドル電動装置の基端部との間にロータンクの外壁を強く挟持することにより、スピンドル電動装置を固定可能とした。かかる構成により、レバー装置の取り付けが容易となり、さらにレバーとロータンクとの隙間を、旧来の手回し式のロータンクのものと変わらない程度まで抑え、見栄えを良くすることができた。
【特許文献1】実開昭55-54485号公報
【特許文献2】特開昭57-33641号公報
【特許文献3】実開昭55-106283号公報
【特許文献4】実開昭56-55085号公報
【特許文献5】実開昭57-38875号公報
【特許文献6】特開昭60-10026号公報
【特許文献7】特開昭60-55136号公報
【特許文献8】特開2001-65028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すでに市場には、各種のロータンクが出回っている。これらのできるだけ多くの機種に適合でき、取り付けも容易な便器洗浄装置が実現できれば、ユーザは、ロータンクを買い換えることなく電動洗浄の恩恵に浴することができる。
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1乃至8の記載からも分かるように、これら既存のロータンクの形状、構造、サイズは、実に多種多様である。このため、これらに共通に取り付けて動作させることができる便器洗浄システムを実現するためには、技術的な高度ないくつかのブレイクスルーが必要である。
【0006】
図59は、既存のロータンクの形態のいくつかを例示する模式図である。すなわち、同図(a)に表したものは、ロータンク200の正面左側に操作ハンドル100が設けられた、いわゆる「前ハンドル型」のロータンクである。また、図59(b)に表したものは、ロータンク200の向かって右側側面に操作ハンドル100が設けられた、いわゆる「右ハンドル型」のロータンクである。一方、図59(c)に表したものは、手洗い室のコーナーに配置可能な、いわゆる「隅付き型」のロータンクである。
【0007】
これらの具体例からも分かるように、ロータンクの外形状とその操作ハンドル100の取り付け位置だけを見ても、各種の形式が存在する。そしてさらに、これら既存のロータンクにおいて、タンク内壁に設けられる防露層やインナータンク、給水金具、手洗い用ホース、ボールタップ、オーバーフロー管などのサイズや配置関係、あるいは、これらの上部に設けられる「手洗い用ボール」の形状や深さなどは、実に多種多様である。
【0008】
従って、これら多種多様な既存のロータンク内に共通的に収容可能とするためには、便器洗浄装置のサイズ、形状、出力の取り出し方法などに関してさらなる工夫が必要とされる。
【0009】
本発明はかかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、既存の各種のロータンクに収容可能なコンパクトな便器洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の便器洗浄装置は、排水バルブを有するロータンクに取り付け可能な便器洗浄装置であって、モータと前記モータの出力を減速する減速手段とを収容し、第1の方向に突出し、手動による駆動力を入力可能とした入力軸と、前記第1の方向とは反対の第2の方向に突出し、前記入力軸及び前記減速手段から出力可能な第1の出力軸と、を備え、前記入力軸の前記第1の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、前記第1の出力軸の前記第2の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、前記ロータンクに対して90°単位で回転させて取り付け可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多様な形式のロータンクに適合する便器洗浄装置を提供でき、ロータンクを買い換えることなく電動洗浄の恩恵に浴することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる便器洗浄装置の要部配置関係を表す概念図である。 すなわち、同図は、本実施形態の便器洗浄装置10を、ロータンク200の内部に取り付けた状態を表す。なお、同図に例示したロータンク200は、その外壁の「結露」を防ぐために発泡材などからなる防露層204が内壁面上に設けられたものである。また、タンクの上には、蓋270が設けられている。
【0013】
本実施形態の便器洗浄装置10は、入力シャフト22と、減速手段41と、モータ42と、出力軸70と、を備える。
入力シャフト22は、ロータンク200の外壁に設けられた開口202を介してタンク外側に突出し、その先端には、図示しない操作ハンドルが適宜装着される。使用者がこの操作ハンドルを操作することにより、手動による回転駆動力Aが入力可能とされている。
【0014】
減速手段41は、複数のギアを有し、モータ42の出力を減速して出力軸70に伝達する。出力軸70は、入力シャフト22とは反対の方向に突出している。なお、後に詳述するように、出力軸70とは別に第2の出力軸を設け、減速手段41からの出力を取り出し可能としてもよい。
【0015】
出力軸70は、入力シャフト22と略平行に設けられ、且つ入力シャフト22と結合され、ロータンク200の内部に向けて突出している。また同時に、出力軸70は、減速手段41とも適宜結合され、その出力も取り出し可能とされている。本発明の望ましい実施の形態においては、出力軸70と入力シャフト22とは同軸とされているが、本発明はこれに限定されない。出力軸70の先端には、動力伝達部材(図示せず)が適宜装着され、手動入力Aまたは減速手段41からの出力によって、ロータンク200内に設けれた排水バルブの開動作を可能としている。
【0016】
以上説明した構成において、まず、モータ42と、減速手段41との配置関係について説明すると、入力シャフト22の突出端から見て、減速手段41よりもモータ42の方が近接して設けられている。つまり、減速手段41よりもモータ42の方がロータンクの壁面200に近接して配置されている。また、モータ42は、その駆動軸42Aが出力軸70及び入力シャフト22と略平行とされ、出力軸70と同方向、すなわちロータンク200の内側に向けて配置されている。
【0017】
図1から分かるように、本発明の便器洗浄装置10を取り付けるためのロータンクの開口202の直下には、防露層204が接近して設けられている。また、既存の殆どのロータンクにおいて、開口202は、タンクの上端に接近して設けられているため、その直上には、タンクの蓋270が接近している。さらに、多くのタンクの場合、この蓋270は、「手洗い鉢」を兼ねている。このため、蓋270は、タンク側壁から遠ざかるにつれて、下方に突出し、本発明の便器洗浄装置10に接近する。
【0018】
これに対して、本発明によれば、便器洗浄装置10を構成する各要素を図1に表したような独特の配置関係とすることにより、防露層204とも、蓋270とも干渉することを防ぎ、また同時に、タンク内壁200からの長さLと、入出力軸方向に対して垂直な方向の高さHを、いずれも最小とすることができる。
【0019】
図2及び図3は、本発明者が本発明に至る過程で検討した比較例の便器洗浄装置を表す概念図である。すなわち、図2に表した比較例の場合、モータ42は、本発明とは逆向き、すなわち、その駆動軸42Aをタンク内壁200に向けて配置されている。さらに、モータ42は、タンク内壁200から見て減速手段41よりも遠くに配置されている。このような配置の場合、便器洗浄装置の長さLが大きくなってしまう。長さLが大きくなると、タンク内部に設けられている各種の部品、例えば、給水金具、オーバーフロー管、手洗い用ホース、リフィール管、玉鎖などのいずれかと干渉する場合が乗ずる。また、図59(c)に例示したような「隅付き型」のロータンクの場合、開口202の位置によっては、タンク側面の内壁に干渉する場合も生じうる。
【0020】
減速手段41は、例えば1/100程度の減速比が必要とされ、4段乃至5段の減速ギアが必要とされる。このため、そのサイズを最大限縮小したとしても、防露層204と干渉してしまい、タンク内壁20に隣接して配置することは困難である。
【0021】
一方、図3に表した比較例の場合、モータ42は、入力シャフト22及び出力軸70と直交し、減速手段41の下方に設けられている。この比較例の場合、高さHが大きくなってしまう。このように高さHが増加すると、やはり前述したものと同様に、タンク内部に設けられている各種の部材と干渉する場合が生ずる。またさらに、防露層204との干渉を避けるためにモータ42を配置すると、長さLも大きくなるおそれがある。
【0022】
これに対して、本実施形態の便器洗浄装置の場合、図1に表したように、防露層204と蓋270との間の空間において、タンク内壁に近接させてモータ42を収容することにより、限られた空間を極めて効率的に利用できる。そして、減速手段204を防露層204に近接させて配置する。その結果として、長さLと高さHをいずれも最小化でき、タンク内部に設けられている各種の部材との干渉を最小に抑えることができる。
【0023】
以下、本発明の便器洗浄装置について具体例を挙げつつさらに詳細に説明する。
【0024】
図4は、本発明の実施例の便器洗浄装置の要部を表す斜視図である。すなわち、この便器洗浄装置10は、螺合突出部20と、駆動部40と、を有する。螺合突出部20の先端には、シャフト22が突出している。駆動部40の内部には、モータと減速手段とが、図1に関して前述したような独特の配置関係で設けられている。一方、駆動部40のタンク内向面には、第1の出力軸70と第2の出力軸72とが設けられている。これら第1及び第2の出力軸70、72は、駆動部40に内蔵されたモータ及び減速手段を介した回転トルクをそれぞれ出力する。後に詳述するように、これら第1及び第2の出力軸70、72を適宜使い分けることにより、各種のロータンクに柔軟に適合させることが可能となる。なお、第1の出力軸70が出力する回転トルクと、第2の出力軸72が出力する回転トルクは、互いに異なるものすることが望ましい。また、駆動部40には、外部から駆動用電圧または駆動用電流を供給するための接続用コード76が接続されている。
【0025】
また、操作ハンドル100を手動により操作した場合にも、シャフト22を介して手動回転トルクが出力軸70、72にそれぞれ伝達される。この際に、駆動部40に内蔵されるモータのコギングトルクの付加を防ぐため、モータの動作軸に所定の空転角を与えたり、またはクラッチ機構などを付加するとよい。この点については、本発明者らが先に出願した特願2002-292508号に記載した構成を採用することができる。
【0026】
そして、図4に表したように、第1の出力軸70には、シャフト80がネジ81によって装着される。本発明の第2の特徴は、このシャフト80及びこれと対向して反対側に突出したシャフト22の断面形状にある。すなわち、これらシャフト22及び80の断面は、回転対称とすることができる。例えば、本実施例の場合、これらシャフト22及び80の断面は、その中心軸の周りに90°毎の回転対称となる形状を有する。
【0027】
図5乃至図9は、シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向から眺めた模式図である。
また、図10及び図11は、シャフト22の側から眺めた模式図である。
これらの図面からも分かるように、本実施例においては、シャフト80は、その軸に対して垂直な断面が略十字状であり、90°を単位とする回転対称形状とされている。すなわち、4次の回転対称である。また、シャフト22は、その軸に対して垂直な断面が略正方形状であり、やはり90°を単位とする回転対称である。すなわち、4次の回転対称である。
【0028】
また、図11に表したように、便器洗浄装置10の螺合突出部20は、取り付け用ナットと係合する螺旋溝が形成された螺合部20Aと、その根本の略四角柱状の突出基部20Bと、を有する。螺合部20Aには、その中心軸のまわりに90°毎にスリット20Cが設けられている。また、突出基部20Bの側壁には、リブ20Dが適宜設けられている。このリブ20Dは、後に詳述するように、ロータンク200の開口に対して取り付ける際の「がた」を吸収する役割を有する。
【0029】
このように、便器洗浄装置10の入力軸(シャフト22)及び出力軸(シャフト80)の断面を4次の回転対称形状とすれば、便器洗浄装置10を90°毎に回転させてロータンク200に取り付けることができる。つまり、便器洗浄装置10の取り付け角度を90°毎に回転させても、シャフト22に取り付ける操作ハンドル100や、シャフト80に取り付ける動力伝達部材などの取り付け角度などは変化しない。その結果として、便器洗浄装置10の適合範囲をさらに拡げることができる。
【0030】
例えば、2重構造のロータンクにおいて、便器洗浄装置10を取り付けるタンク開口202に、内側タンクの側壁が接近するため、図10に表した向きでは、減速手段41の下方の張り出し部が干渉する場合がある。このような場合には、図11に表したように、便器洗浄装置10をシャフト22を中心に90°回転させて、取り付けることができる。
【0031】
具体的には、図12に例示したような取り付け角度(図11と同様の角度)で便器洗浄装置10をロータンク200に取り付けた場合には、便器洗浄装置10の下側の「張り出し」を最小にすることができるので、内側タンクや防露層などと便器洗浄装置10との干渉を防ぐことができる。なお、図12(a)には、まず、モータ駆動ユニット12の接続ケーブル76をスリットカバーに通す工程を併せて表した。
【0032】
また一方、図13に例示したような角度(図10と同様の角度)で取り付けた場合には、便器洗浄装置10の上側の「張り出し」を最小にできるので、例えば、ロータンク200の上の蓋に設けられる手洗いボール(図示せず)の底面などと便器洗浄装置10との干渉を防ぐことができる。
【0033】
本発明によれば、このように便器洗浄装置10を90°回転させても、そのシャフト22、80の断面形状は不変であるので、操作ハンドル100や動力伝達部材などの取り付け関係に変化は生じない。その結果として、便器洗浄装置10をさらに広範な各種の形式のロータンクに適合させることが可能となる。
【0034】
また、上記具体例においては、4次の回転対称である場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
図14(a)〜(c)は、それぞれ5次、6次、8次の回転対称の基本形を表す概念図である。すなわち、本実施形態におけるシャフト22及び出力軸70の断面を、それぞれ図14(a)の如く5次の回転対称とすれば、便器洗浄装置10を72°づつ回転させて、ロータンク200内における干渉を防ぐことができる。
また、同様に、シャフト22及び出力軸70の断面を、それぞれ図14(b)の如く6次の回転対称とすれば、便器洗浄装置10を60°づつ回転させて、ロータンク200内における干渉を防ぐことができる。
【0036】
さらに、シャフト22及び出力軸70の断面を、それぞれ図14(c)の如く8次の回転対称とすれば、便器洗浄装置10を45°づつ回転させて、ロータンク200内における干渉を防ぐことができる。
【0037】
ここで、図14(a)〜(c)は、回転対称となる基本形を例示したものにすぎず、これらを応用した実際のシャフト22及び出力軸70の断面形状は、より複雑なものとしてもよい。例えば、図15は、図14(c)に例示した8次の回転対称の具体例を表す断面図である。本具体例の場合、8方向に均等に伸びる突起が設けられている。このような形状をはじめとして、種々な変形を加えることができる。
【0038】
また一方、図6及び図7に表したように、第1及び第2の出力軸70、72の脇に突出したリブ70R、72Rをそれぞれ設けることができる。これらリブ70R、72Rは、出力軸に取り付けられるシャフトなどと協働して、「ストッパ」の役割を果たす。例えば、図6及び図7に表したシャフト80は、出力軸70に対する取り付け部の根本付近に、突起80Rを有する。シャフト80が回転すると、この突起80Rがリブ70Rに当接し、回転が停止する。つまり、シャフト80が回転可能な角度範囲を、リブ70Rと突起80Rとが当接しない範囲に規制することができる。従って、突起80Rを適宜設けることにより、シャフト80の回転範囲を規制でき、その回転ストロークを機械的に規制することができる。
【0039】
また、第2の出力軸72を用いる場合にも、その脇にあるリブ72Rに当接するような突起を取り付け部品に適宜設けることより、出力軸72に取り付けられた部品の回転範囲を機械的に規制することができる。
【0040】
次に、ロータンクへの取り付け部に「傾斜ワッシャ」を設けた便器洗浄装置について説明する。
【0041】
図16は、傾斜ワッシャを介してロータンクに便器洗浄装置を取り付ける工程を表す組み立て図である。
すなわち、便器洗浄装置10の螺合突出部20をロータンク200の開口202に挿入し、ワッシャ90、91によりロータンク200を挟むようにしてナット92により締め付け固定する。この時に、ワッシャ90、91のそれぞれは、図示の如く、一端が厚く他端が薄い傾斜状に形成された「傾斜ワッシャ」とすることができる。
【0042】
図17は、このような傾斜ワッシャを用いた便器洗浄装置の取り付け部を拡大した一部断面図である。
ワッシャ90、91として、その厚みに分布を設けた「傾斜ワッシャ」を用いることにより、ロータンク200の壁面に対する便器洗浄装置10の軸Cの相対角度を、所定の方向に所定の角度だけ傾斜させることができる。その結果として、ロータンク200の中において、便器洗浄装置10の配置関係を最適な角度に調節することができる。
例えば、一般のロータンク200は陶製であり、その製造工程における「型抜き」のために、上方に向けて開口がやや拡開するように形成されることが多い。つまり、ロータンク200の側面は、鉛直方向に平行ではなく、傾斜している。このような場合に、図17に例示した如く傾斜ワッシャ90、91を介して固定すれば、便器洗浄装置10の軸Cが水平となるように取り付けることが可能となる。
【0043】
また、これら傾斜ワッシャ90、91は、少なくとも2以上の異なる角度で螺合突出部20に挿入可能とされている。つまり、ワッシャ90、91は、螺合突出部20に対して所定の角度で回転させて取り付けることができるようにされている。具体的には、例えば、ワッシャ90は、突出基部20Bに対して90°毎に回転させて挿入することができる。また、ワッシャ91は、その突起91Pが螺合突出部20のスリット20C(90°刻みで設けられている)に係合するように挿入される。つまり、ワッシャ91も、90°刻みで回転させて螺合突出部20に挿入できる。
【0044】
その結果として、傾斜ワッシャ90、91を適宜回転させて取り付けることにより、便器洗浄装置10を所望の方向に傾斜させて取り付けることが可能となる。
【0045】
図18は、ワッシャ90をその上方が厚くなるように配置し、ワッシャ91はその下方が厚くなるように配置して便器洗浄装置10をロータンク200に取り付ける工程を表す組み立て図である。
このように傾斜ワッシャ90、91を配すれば、図19に表したように、ロータンク200の内部において、便器洗浄装置10の先端が矢印の方向に下がるように取り付けることができる。その結果として、ロータンク200の蓋に設けられる手洗い用鉢(図示せず)の底面と便器洗浄装置10との干渉などを防ぐことができる。
【0046】
一方、図20は、ワッシャ90は向かって右側が厚くなるように配置し、ワッシャ91は向かって左側が厚くなるように配置して便器洗浄装置10をロータンク200に取り付ける工程を表す組み立て図である。
このように傾斜ワッシャ90、91を配した場合には、図21(a)に表したように、ロータンク200の内部において、便器洗浄装置10が矢印の方向(向かって左側)に傾斜するように取り付けることができる。その結果として、ロータンク200の蓋に設けられる手洗い用鉢(図示せず)の底面や、その他ロータンク200内に設けられるオーバーフロー管(図示せず)などの部品と便器洗浄装置10との干渉などを防ぐことができる。
【0047】
なお、図16乃至図21(a)は、一例に過ぎない。これらの他にも、例えば、ロータンク200の中において便器洗浄装置10が、向かって右側や、上方に向けて傾斜するように取り付けることもできる。また、図21(b)に表したように、操作ハンドル100を装着した後に、「大」と「小」の区別のためのシールを貼り付けるようにしてもよい。
【0048】
またさらに、ワッシャ90に「リブ」を設けることにより、ロータンク200に対する取り付けをさらに確実に行うことができる。
【0049】
図22は、リブ90Aが設けられた傾斜ワッシャ90を表す模式図である。
すなわち、ワッシャ90には、ロータンク200に当接する面から突出したリブ90Aが適宜設けられている。
【0050】
図23は、リブ90Aを有する傾斜ワッシャの取り付け部を拡大した一部断面図である。すなわち、便器洗浄装置の突出基部20Bの側壁に形成されたリブ20Dは、ワッシャ90のスリット内に収容された状態となる。そして、ワッシャ90に設けられたリブ90Aが、ロータンク200の開口202に形成される隙間に圧入され、点線により表された部分が変形して潰されることにより隙間を埋めて、「がた」を防ぐことができる。
【0051】
すなわち、一般のロータンク200は陶製であるために、その開口202の寸法精度には限界がある。ロータンクの出来上がりの寸法ばらつきを考慮すると、便器洗浄装置の螺合突出部20の外径は、ロータンクの開口202の実寸を常に下回るように決定する必要が生ずる。従って、開口202と螺合突出部20との間には、ある程度の隙間が常に形成される。これに対して、傾斜ワッシャ90にリブ90Aを設け、このリブ90が、開口202の隙間に挿入され、その一部が変形して潰されるようにすれば、ロータンク200の開口に取り付けた際の「がた」を防ぎ、確実に固定することができる。
【0052】
なお、傾斜ワッシャ90を、例えば樹脂などの有機材料により形成すれば、適切な締め付け応力によりリブ90Aを潰して確実に固定することができ、製造コストも抑制することができる。また、ロータンク200の内側に設けられるワッシャ90ではなく、外側のワッシャ91にこのようなリブを設けてもよい。また、これらワッシャ90、91の両方にリブを設けてもよい。
【0053】
なお、螺合突出部20の突出基部20Bに設けられたリブ20Dも、同様の作用を有する。つまり、傾斜ワッシャ90を介さずに便器洗浄装置10をロータンク200に取り付ける際に、これらのリブ20Dが潰されて開口202における「がた」を防止する役割を有する。
【0054】
また、本発明の便器洗浄装置10において、螺合突出部20の螺合部20Aの外径D1と、突出基部20Bの外径D2と、をほぼ同一径とすることができる。このようにすると、螺合部20Aにおいても突出基部20Bにおいても開口202における隙間を均一且つ最小にすることが可能となり、開口202の隙間を減らして、ロータンク200に対する取り付けをさらに確実に行うことができる。
【0055】
次に、便器洗浄装置10から引き出される接続コード76の取り出し部の構造について説明する。
図24は、接続コード76の取り出し部を表す模式図である。
すなわち、便器洗浄装置の駆動部40には、耐水シール部75が設けられ、接続コード76は、このシール部75から外部に引き出されている。耐水シール部75を設けることにより、ロータンク200内で水がかかったり結露が生じても、電気的なショートなどを防止できる。耐水シール部75は、例えば、ゴム製のリング状ブッシュにより接続コード76の導出部を覆うようにしたものを用いることができる。そしてさらに、接続コード76は、耐水シール部75から外部に引き出された後に、少なくともひとつの固定部77により便器洗浄装置10の本体に固定されている。このような固定部77を設けて接続コード76を固定することにより、シール部75に過度の負荷が印加されて耐水性が損なわれる問題を解消できる。すなわち、接続コード76を、シール部75に対して横方向に引っ張るような負荷の発生を防ぐことができる。なお、接続コード76の先端には、接続プラグ78が適宜設けられ、後に詳述するように制御部あるいは駆動部に接続される。
【0056】
次に、本実施例の便器洗浄装置10の内部構造について具体例を挙げて説明する。
図25は、本実施例の便器洗浄装置の内部構造を模式的に表した概念図である。なお、同図は、動力伝達関係を説明するための概念図であり、各要素の寸法や配置関係などは、必ずしも実際の通りではない。
本実施例の便器洗浄装置10の内部には、駆動源であるモータ42と、減速手段41として5段のギア43〜47が設けられている。4段目のギア46の回転トルクが第1の出力軸70に出力される。また、5段目のギア47の回転トルクが、第2の出力軸72として出力される。モータ42として、DC24ボルトで動作するブラシ型の高速モータを用いた場合、1段目から4段目までの減速比は、およそ1/100程度とすることができる。また、5段目のギアの減速比は、概ね1/2程度とすると各種のロータンクに適合させることが容易となる。
【0057】
また、シャフト22には、シャフトリターンスプリング52が設けられ、中立状態に付勢される。同様に、4段目のギア46にはギアリターンスプリング53が設けられ、中立状態に付勢される。
【0058】
また、操作ハンドル100を用いた手動操作の際にモータ42のコギングトルクの付加を防ぐため、4段目のギア46は、シャフト22に対して所定の空転角をもって結合されている。
【0059】
図26は、4段目のギア46とシャフト22との結合断面を表す模式図である。すなわち、4段目のギア46の内心にシャフト22が配置されている。シャフト22は、操作ハンドル100及び第1の出力軸70に結合されている。そして、これらシャフト22の外面とギア46の内面には、凸部22P、46Pがそれぞれ設けられている。図26は、中立状態を表し、この状態から矢印Aの方向にシャフト22(すなわち操作ハンドル100)を回転させた場合、その凸部22Pがギア46の凸部46Pと当接するまでの範囲においては、ギア46から独立に回転させることができる。つまり、この範囲においては、シャフト22は、モータ42のコギングトルクや、ギアリターンスプリング53の付加を受けることなく、回転させることができる。このようにして、操作ハンドル100による手動操作を軽快に行うことができる。
【0060】
一方、モータ42により駆動させる際には、図26に表した中立状態からギア46が矢印Bの方向に空転し、その凸部46Pがシャフト22の凸部22Pに当接すると、シャフト22に結合されてトルクが出力軸に伝達される。つまり、凸部46Pが凸部22Pに当接するまでの範囲が空転角として設けられている。
【0061】
以下、本発明の実施例として、図59(b)に例示した「右ハンドル型」と、同図(a)に例示した「前ハンドル型」について、本実施例の便器洗浄装置を取り付けた具体例を挙げて説明する。
図27は、「右ハンドル型」のロータンクに、本実施例の便器洗浄装置を取り付けた状態を表す斜視図である。また、図28は、このロータンク200の内部を上方から眺めた模式図である。
また、図29は、第1の出力軸70にバルブ駆動用部品を取り付ける組み立て図であり、図30及び図31は、この便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【0062】
まず、図29に表したように、第1の出力軸70に装着したシャフト80を、スペーサ82に挿入してピン83により固定し、その先端付近に玉鎖レバー84、85をそれぞれピン86により装着する。この時、スペーサ82に設けたシャフト80の挿入穴も、略十字状の開口形状を有する。従って、便器洗浄装置10をその出力軸70の周りに90°毎に回転させても、スペーサ82の取り付け角度は、不変である。
【0063】
しかる後に、図30に表したように、螺合突出部20をロータンク200の開口202から突出させ、ワッシャ90及び91を介してナット92により、ロータンク200の外壁を挟持した状態に固定する。この時に、図16乃至図21に関して前述したような傾斜ワッシャ90、91を用いれば、ロータンク200の中で便器洗浄装置10の取り付け角度を適宜調節することができる。またさらに、図22及び図23に関して前述したように、ワッシャ90あるいは91に「リブ」を設けることにより、開口202における隙間を吸収して、便器洗浄装置10を確実に取り付けることが可能となる。
【0064】
次に、図31に表したように、ストッパ93をネジ94によりシャフト22の先端に固定し、その上から手動操作用の操作ハンドル100を圧入固定する。この時も、ストッパ93に設けれたシャフト22の挿入穴も、略正方形状の開口形状を有する。従って、便器洗浄装置10をその出力軸70の周りに90°毎に回転させても、ストッパ93の取り付け角度は、不変である。
【0065】
さらに、図32に表したように、ロータンク200の中に水平方向に突出させたスペーサから鉛直下方に伸びる玉鎖レバー84、85の先端には、玉鎖220、230の一端をそれぞれ固定する。これら玉鎖220、230の他端には、図27に表したように、上側の排水バルブ240と、下側の排水バルブ250がそれぞれ接続され、これらを引き上げることにより、洗浄水が便器300に流される。
【0066】
ここで、玉鎖レバー85は、スペーサ82に対して所定の空転角を有する。つまり、図27中の挿入図に表したように、出力軸70が矢印Aの方向に回転した場合には、玉鎖レバー84及び85は、いずれも回転して玉鎖220、230を引き上げ、上側の排水バルブ240と下側の排水バルブ250をいずれも開く。これにより、「大」用の洗浄水が便器300に流れる。
【0067】
一方、図27中の挿入図において、出力軸70が矢印Bの方向に所定角度だけ回転した場合、玉鎖レバー84はこれに連動して回転するが、玉鎖レバー85は空転して鉛直下方を向いたままとなる。その結果、玉鎖220のみが引き上げられ、上側の排水バルブ240のみが開く。これにより、「小」用の洗浄水が便器300に流れる。
【0068】
ところで、本発明においては、スペーサ82を省略してもよい。すなわち、図33に例示した如く、便器洗浄装置10のシャフト80に玉鎖レバー84を直接、差し込んで、ピン86により固定することができる。この時、シャフト80に固定用の溝80A、80Bなどを適宜設けておくとよい。すなわち、これら固定用の溝80A、80Bとピン86とが嵌合することにより、玉鎖レバー84を確実に固定できる。複数の固定用の溝80A、80Bの中から最適なものを選択することにより、多様なロータンクに適合させることができる。
【0069】
なお、部品を共用して部品点数を減らすためには、玉鎖レバー84は、図29などに表したように、スペーサ82の先端部82Bに挿入取り付け可能とすると同時に、図33に表したように、シャフト80にも挿入取り付け可能とすることが望ましい。
【0070】
このためには、スペーサ82の先端部82Bの断面形状と、シャフト80の断面形状と、を実質的に同一とすればよい。換言すると、シャフト80が挿入されるスペーサ82の接続部82Bの挿入穴の形状(円滑な挿入のための寸法差を除けば、シャフト80の断面形状と実質的に同一である)と、スペーサ82の先端部82Bの断面形状とを略同一とすればよい。この際に、スペーサ82に対してシャフト80を円滑に挿入するためには、接続部82Bの挿入穴のサイズは、シャフト80よりもやや大きくするとよい。なお、シャフト80の断面形状とスペーサ82の先端部82Bの断面形状とは、完全に同一である必要はなく、後述する玉鎖レバー84の挿入穴84Hが回転不可能に挿入することができる程度に、実質的に同一であればよい。
【0071】
このようにすれば、玉鎖レバー84は、スペーサ82の先端部82Bに対しても挿入固定でき、同時に、シャフト80にも挿入固定できる。その結果として、部品を共用化でき、部品点数を減らすと同時に現場で施工する際にも、部品のとり違いなどの問題を解消できる。
【0072】
そして、便器洗浄装置10の出力軸70(あるいは72)から玉鎖レバー84までの距離を広い範囲内で調節できるので、ロータンクの内部に設けられているオーバーフロー管260や給水パイプ270などの各種の要素と干渉することなく、玉鎖レバー84を円滑に回転動作させることができる。その結果として、広範な形式のロータンクに適合する便器洗浄装置を提供できる。
【0073】
さらに、本発明においては、玉鎖レバー84の取り付けの向きを変えることによって、玉鎖の引き上げ量を可変とできる。以下、この点について、図34乃至図39を参照しつつ説明する。
【0074】
図34は、玉鎖レバー84の取り付け方向を説明するための模式図である。
同図に例示した如く、玉鎖レバー84は、Aの向きにも、その反対のBの向きにも、シャフト80に挿入して固定できる。
【0075】
図35は、玉鎖レバー84の構造を例示する模式図である。すなわち、同図(a)はその上面図、(b)は左側面図、(c)は縦断面図、(d)は右側面図、(e)は下面図である。
本具体例の玉鎖レバー84には、略十字状の挿入穴84Hが設けられている。この挿入穴84Hは、シャフト80の略十字状断面と整合し、シャフト80に挿入して空転を防ぐことができる。また、挿入穴84Hとシャフト80の断面形状がそれぞれ4次の回転対称であるので、図14及び図15に関して前述したように、4通りの取り付け角度のうちのいずれかを任意に選択することもできる。
【0076】
そして、本発明においては、玉鎖レバー84の突出方向Pを挿入穴84Hの対称軸に対して傾斜させることにより、玉鎖の引き上げ量を種々に変えることができる。
図36は、便器洗浄装置10の回転角度範囲を例示した模式図である。すなわち、この具体例の場合、「小」の洗浄水を流す際にはシャフト80は矢印Aの方向に80°回転し、「大」の洗浄水を流す際にはシャフト80は矢印Bの方向に110°回転する。これに対して、現存する手動式のロータンクにおける「大」と「小」のための回転角度は様々である。
例えば、図37に表したように、手動式の操作ハンドルの回転角度が「大」の回転角度は125°で、「小」の回転角度は65°のロータンクが存在する(タイプI)。一方、「大」と「小」のいずれの回転角度も95°であるロータンクが存在する(タイプII)。本発明においては、玉鎖レバー84の取り付け向きを反転させることにより、便器洗浄装置10をこれらいずれのロータンクに対しても適合させることができる。
【0077】
図38及び図39は、玉鎖レバー84の取り付け方向を反転させた場合の回転角度を表す模式図である。すなわち、これらの図は、図36の矢印Zの方向から眺めた模式図である。
【0078】
図38に例示した取り付け方向の場合、玉鎖レバー84は、同図(a)に表したように、中立状態において鉛直下方から左回転方向に15°傾斜している。この状態から便器洗浄装置のシャフト80が時計回りに80°回転すると、同図(b)に表したように、玉鎖レバー84の傾斜角度は鉛直下方から65°となる。
一方、図38(c)に表したように、シャフト80が反時計回りに110°回転すると、玉鎖レバー84の傾斜角度は鉛直下方から125°となる。
【0079】
つまり、玉鎖レバー84をシャフト80に対してこの向きに取り付けた場合、「小」の動作として65°、「大」の動作として125°の回転角度にほぼ対応する玉鎖の引き上げ量が得られる。
【0080】
これに対して、図39に表した具体例の場合、玉鎖レバー84は、図38とは反対向きにシャフト80に挿入されている。すなわち、同図(a)に表したように、玉鎖レバー84は、中立状態において鉛直下方から右回転方向に15°傾斜している。この状態からシャフト80が時計回りに80°回転すると、同図(b)に表したように、玉鎖レバー84の傾斜角度は鉛直下方から95°となる。
一方、図39(c)に表したように、シャフト80が反時計回りに110°回転すると、玉鎖レバー84の傾斜角度はやはり鉛直下方から95°となる。
【0081】
つまり、玉鎖レバー84をシャフト80に対してこの向きに取り付けた場合、「小」と「大」のいずれの動作としても95°の回転角度にほぼ対応する玉鎖の引き上げ量が得られる。なおこの際に、図35(a)に表したように、玉鎖レバー84に挿入方向を識別するためのマーク84M(同図においては、「E」および「C」と表されている)を設けると、挿入方向を間違えることなく組み立てを確実に行うことができる。
【0082】
以上説明したように、本発明においては、玉鎖レバー84をシャフト80に対して反転して挿入可能とし、さらに、その突出方向Pを挿入穴84Hの対称軸Sに対して傾斜させることにより、「大」と「小」に対応する玉鎖の引き上げ量をそれぞれ可変とすることができる。その結果として、多様な形式のロータンクに適合する便器洗浄装置を提供できる。
【0083】
次に、「前ハンドル型」のロータンクについて説明する。
図40は、「前ハンドル型」のロータンクに、本実施例の便器洗浄装置を取り付けた状態を表す斜視図である。また、図41は、このロータンク200の内部を上方から眺めた模式図である。
また、図42は、第2の出力軸72にバルブ駆動用部品を取り付ける組み立て図であり、図43及び図44は、この便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【0084】
すなわち、「前ハンドル型」の場合、図42に表したように、ストロークの長い玉鎖レバー87をネジ88により固定する。なお、玉鎖レバー87の取り付け部には、突起87Rが設けられている。この突起87Rは、ネジ88の受け部としての役割とともに、図6及び図7に関して前述したように、出力軸72の脇に設けられたリブ72R(図示せず)と協働して「ストッパ」として作用する。つまり、突起87Rがリブ72Rと当接することにより、玉鎖レバー87の回転が停止する。このようにして、玉鎖レバー87の過度の回転を防ぐことができる。
【0085】
なお、図25に関して前述したように、第2の出力軸72の回転トルクは、第1の出力軸70の回転トルクよりも大きい。従って、第2の出力軸72の脇にリブ72Rを設けて「ストッパ」として作用させようとすると、リブ72Rに対する機械的な負荷が大きく、破損するおそれもあり得る。このような場合には、第1の出力軸70を用いて「ストッパ」作用を得ることもできる。つまり、図6及び図7に例示したような突起80Rを有する角度規制部材を第1の出力軸70に取り付ける。第1の出力軸70の脇に設けられたリブ70Rと、突起80Rとが当接することにより、第1の出力軸70の回転範囲が規制される。図25に関して前述したように、第1の出力軸70と第2の出力軸72とは連動するので、第2の出力軸72の回転範囲を規制することができる。
【0086】
さて、図43に表したように、玉鎖レバー87を取り付けたら、図43に表したように、螺合突出部20をロータンク200の開口202から突出させて固定する。この時にも、図16乃至図21に関して前述したような傾斜ワッシャ90、91を用いれば、ロータンク200の中で便器洗浄装置10の取り付け角度を適宜調節することができる。またさらに、図22及び図23に関して前述したように、ワッシャ90あるいは91に「リブ」を設けることにより、開口202における隙間を吸収して、便器洗浄装置10を確実に取り付けることが可能となる。
【0087】
次に、図44に表したように、手動操作用の操作ハンドル100を装置する。そして、図45に表したように、玉鎖レバー87に玉鎖220を固定する。
【0088】
「前ハンドル型」のロータンクの場合、図40中の挿入図に表したように、辺器洗浄装置10の第2の出力軸72の回転動作により、ストロークの長い玉鎖レバー87が矢印Aの方向に回転し、その先端付近に固定された玉鎖220を引き上げて、排水バルブ240が開く。本具体例のほうが、図27に表したものよりも玉鎖の引き上げに必要な回転トルクが高いが、第1の出力軸70よりも高い減速比を有する第2の出力軸72からの出力を用いることにより、確実且つ迅速に排水動作をさせることができる。
【0089】
そして、本発明によれば、図1に関して前述した如く、便器洗浄装置のモータ及び減速手段に独特の配置関係を与えることにより、構造が異なる各種のロータンクの内部に収容することが容易となり、各種のロータンクに適合可能な便器洗浄装置を提供できる。
【0090】
次に、図59(c)に例示したいわゆる「隅付き型」のロータンクに本発明の便器洗浄装置を取り付けた実施例について説明する。
図46は、隅付き型のロータンクに用いて好適な玉鎖レバー84を取り付けた便器洗浄装置10を表す模式図である。すなわち、隅付き型のロータンクの場合、操作ハンドルから玉鎖までの距離が極めて短い。そこで、図46に表したように、玉鎖レバー84を便器洗浄装置10の第1の出力軸70に直接固定している。また、玉鎖レバー84は、略U字状に屈曲し、便器洗浄装置10から玉鎖までの距離が短くなるような形状とされている。つまり、玉鎖レバー84は、第1の出力軸70または第2出力軸72に固定される固定部84Aと、一端が固定部84Aに接続された略U字状の屈曲部84Bと、屈曲部84Bの他端に接続された玉鎖接続部84Cと、を有する。
【0091】
図47は、既設の隅付き型のロータンクにおいて、手動ハンドルを取り外す工程を表す模式図である。すなわち、排水バルブ240に接続された玉鎖220を手動レバー225から外す。
そして、図48に表したように、固定用ナット226を緩めて、パッキン227とともに、手動レバー225とハンドル228をロータンク200から取り外す。
【0092】
次に、図49に表したように、便器洗浄装置10をナット92によってロータンク200の壁面に固定する。すなわち、螺合突出部20をロータンク200の開口202から突出させ、ワッシャ(図示せず)を適宜介して、ナット92によりロータンク200の外壁を挟持した状態に固定する。この時にも、図16乃至図21に関して前述したような傾斜ワッシャ90、91を用いれば、ロータンク200の中で便器洗浄装置10の取り付け角度を適宜調節することができる。またさらに、図22及び図23に関して前述したように、ワッシャ90あるいは91に「リブ」を設けることにより、開口202における隙間を吸収して、便器洗浄装置10を確実に取り付けることが可能となる。
【0093】
次に、図50(a)に表したように、ストッパ93をネジ94によりシャフト22の先端に固定し、その上から手動操作用の操作ハンドル100を圧入固定する。この時も、ストッパ93に設けれたシャフト22の挿入穴も、略正方形状の開口形状を有する。従って、便器洗浄装置10をその出力軸70の周りに90°毎に回転させても、ストッパ93の取り付け角度は、不変である。
そして、図50(b)に表したように、「大」と「小」の回転方向を表したシール105を操作ハンドル100に貼り付ける。
【0094】
しかる後に、図51に表したように、ロータンク200の中に突出させた玉鎖レバー84の先端に、玉鎖220の一端を固定する。玉鎖220の他端には、図47に表したように、排水バルブ240が接続され、これらを引き上げることにより、洗浄水が便器に流される。なお、玉鎖220を玉鎖レバー84に固定する際には、まず図51(a)に表したように、排水バルブ240が持ち上がらない程度の張力で玉鎖220を張った後に、同図(b)に表したように玉鎖220を1〜2玉程度緩めてから固定するとよい。
【0095】
図52は、玉鎖レバー84や玉鎖220が、オーバーフロー管260や給水パイプ270などと干渉することなく取り付けられた状態をタンク上方から眺めた模式図である。
【0096】
しかる後に、図53に表したように、接続コード76を適宜固定し、ロータンクの蓋210を設置する。この際に、接続コード76は、蓋210の側面に設けられた切り欠き部210Hから外側に取り出すようにすると接続コード76を蓋210によりつぶすことがない。
【0097】
以上説明したように、本発明によれば、玉鎖レバー84の形状を工夫することよって、既設の「隅付き型」のロータンクにも便器洗浄装置10を取り付けることができる。その結果として、その結果として、ユーザは、隅付き型ロータンクを買い換えることなく電動洗浄の恩恵に浴することができる。
【0098】
次に、本発明の便器洗浄装置を用いた便器洗浄システムについて説明する。
図54は、本発明の便器洗浄システムを表すブロック図である。
すなわち、本発明の便器洗浄システムにおいては、便器洗浄装置10は、制御部500に接続されている。そして、この制御部500は、操作部510と駆動部520とを有する。操作部510は、例えば、便器の洗浄を開始させるためのスイッチなどを有し、使用者の意志を入力可能とした部分である。一方、駆動部520は、便器洗浄装置10に内蔵されたモータ42に対して駆動信号を供給しその動作を制御する部分である。
【0099】
操作部510と駆動部520とは、図54(a)に表したように、有線により接続することができる。この場合、操作部510と駆動部520とが、別体として形成され、配線により接続されていてもよく、または、これら操作部510と駆動部520とが一体的に設けられていてもよい。いずれの場合でも、これら操作部510や駆動部520は、例えば、手洗い室の中において、ロータンク200の周囲や、便器300の周囲などに、適宜配置することができる。
【0100】
また、図54(b)に表したように、無線により操作部510から駆動部520に操作信号を送出してもよい。なお、この場合の信号搬送媒体としては、赤外線などの光、電波、音など、各種のものを用いることが可能である。
【0101】
以下に具体例として説明するように、例えば、これら操作部520及び駆動部520のいずれかに人体検知センサ(人感センサ)を設けることにより、いわゆる「自動洗浄」も可能となる。
【0102】
以下、本発明の便器洗浄システムの望ましい実施の形態として、制御部500を便座に設けた具体例について説明する。
【0103】
図55は、便座から便器洗浄装置の制御を実施する便器洗浄システムを例示する模式図である。
また、図56及び図57は、便器洗浄装置10と便座400との接続を例示する模式図である。
【0104】
すなわち、便器300の上に設けられた便座400の背面に接続口402が設けられている。そして、ロータンク200の中に収容された便器洗浄装置10に接続された接続コード76は、ロータンク200の背面に設けられた空気抜き穴290から引き出され、その先端の接続プラグ78が便座400の接続口402に接続される。
【0105】
便座400には、図示しない操作部510と駆動部520とが内蔵され、例えば、DC24ボルトの駆動信号を適宜供給することより、便器洗浄装置10の動作を適宜制御することができる。つまり、使用者は、ロータンク200に設けられた操作ハンドル100を操作することなく、便座400に設けられた手元スイッチ(操作部510)を操作することによって洗浄水を便器に流すことができ、便利である。
【0106】
また、便座400(制御部500)に人感センサ410を設け、例えば、使用者が近づいた時、または便座400に着座した時に、予備洗浄水を流すように便器洗浄装置10を動作させることができる。つまり、便器300が使用される前に、予備洗浄水を流してその内面を濡らした状態とすることにより、汚物などの付着を抑制することができ清潔である。
【0107】
また一方、人感センサ410により、使用者が離れた時、または便座400から立ち上がった時に、自動的に洗浄水を便器300に流すように便器洗浄装置10を動作させることもできる。このようにすれば、いわゆる「自動洗浄」が可能であり、お年寄りや身体障害者あるいは子供などに対しても使い勝手のよい便器洗浄システムが実現できる。
【0108】
またさらに、このような便座に、いわゆる局部洗浄装置を組み合わせることもできる。すなわち、便座400に腰掛けた使用者の局部を水(温水)により洗浄する装置を組み込むことより、さらに高機能で使い勝手に優れた便器洗浄システムが実現される。この場合、例えば局部洗浄の終了に対応して洗浄水を流すように便器洗浄装置10を動作させることもできる。
【0109】
また、本発明の便器洗浄システムにおいては、リモートコントロールにより操作することもできる。
図58は、このような用途に用いることができるリモートコントロール装置を例示する模式図である。このリモートコントロール装置(操作部510)は、例えば、図55に表した便座400に内蔵された駆動部520に操作信号を適宜送信し、便器洗浄装置10を動作させることができる。また、便座400に組み込まれた局部洗浄装置の動作も併せて制御可能としてもよい。さらにまた、このリモートコントロール装置(操作部510)に人感センサを組み込んで、前述の如く予備洗浄水を流したり、自動洗浄を実行させることもできる。
【0110】
このようなリモートコントロール装置(操作部510)を手洗い室の壁面などに適宜設けておけば、使用者は、手元で各種の操作を実行でき、非常に使い勝手のよい便器洗浄システムが実現できる。
【0111】
そして、本発明によれば、便器洗浄装置10に第1及び第2の出力軸を設けることにより、既存の各種のロータンクに適合させることができる。従って、ユーザは、ロータンクを新たに買い換えることなく、便器洗浄装置10及びこれを用いた便器洗浄システムを導入することができる。その結果、前述した自動洗浄を始めたとした各種の機能を有する使い勝手のよい水洗便器を低いコストで実現でき便利である。
【0112】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明の便器洗浄装置及び便器洗浄システムを構成する要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0113】
例えば、便器洗浄装置10の外形状、サイズ、内蔵するモータ42の種類、減速手段が有するギアの数やそれらの減速比、あるいはこれらの配置関係などについては、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の要旨を含む限り本発明の範囲に包含される。
また、便器洗浄システムを構成する制御部500、操作部510及び駆動部520の形状や構造あるいはそれらの配置関係についても、当業者が適宜設計変更を加えたものも本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態にかかる便器洗浄装置の要部配置関係を表す概念図である。
【図2】本発明者が本発明に至る過程で検討した比較例の便器洗浄装置を表す概念図である。
【図3】本発明者が本発明に至る過程で検討した比較例の便器洗浄装置を表す概念図である。
【図4】本発明の実施例の便器洗浄装置の要部を表す斜視図である。
【図5】シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向なら眺めた模式図である。
【図6】シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向なら眺めた模式図である。
【図7】シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向なら眺めた模式図である。
【図8】シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向なら眺めた模式図である。
【図9】シャフト80が装着された便器洗浄装置10をそれぞれ異なる方向なら眺めた模式図である。
【図10】シャフト22の側から眺めた模式図である。
【図11】シャフト22の側から眺めた模式図である。
【図12】便器洗浄装置10の下側の「張り出し」を最小にすることができる取り付け角度を表す模式図である。
【図13】便器洗浄装置10の上側の「張り出し」を最小にできる取り付け角度を表す模式図である。
【図14】(a)〜(c)は、それぞれ5次、6次、8次の回転対称の基本形を表す概念図である。
【図15】8次の回転対称の断面の具体例を表す模式図である。
【図16】傾斜ワッシャを介してロータンクに便器洗浄装置を取り付ける工程を表す組み立て図である。
【図17】傾斜ワッシャを用いた便器洗浄装置の取り付け部を拡大した一部断面図である。
【図18】ワッシャ90をその上方が厚くなるように配置し、ワッシャ91はその下方が厚くなるように配置して便器洗浄装置10をロータンク200に取り付ける工程を表す組み立て図である。
【図19】ロータンク200の内部において、便器洗浄装置10の先端が矢印の方向に下がるように取り付けられることを表す模式図である。
【図20】ワッシャ90は向かって右側が厚くなるように配置し、ワッシャ91は向かって左側が厚くなるように配置して便器洗浄装置10をロータンク200に取り付ける工程を表す組み立て図である。
【図21】ロータンク200の内部において、便器洗浄装置10が矢印の方向(向かって左側)に傾斜するように取り付けられることを表す模式図である。
【図22】リブ90Aが設けられた傾斜ワッシャ90を表す模式図である。
【図23】リブ90Aを有する傾斜ワッシャの取り付け部を拡大した一部断面図である。
【図24】接続コード76の取り出し部を表す模式図である。
【図25】本発明の実施例の便器洗浄装置の内部構造を模式的に表した概念図である。
【図26】ギア46とシャフト22との結合断面を表す模式図である。
【図27】「右ハンドル型」のロータンクに、本実施例の便器洗浄装置を取り付けた状態を表す斜視図である。
【図28】ロータンク200の内部を上方から眺めた模式図である。
【図29】第1の出力軸70にバルブ駆動用部品を取り付ける組み立て図である。
【図30】本発明の便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【図31】本発明の便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【図32】玉鎖レバー84、85の先端に玉鎖220、230の一端をそれぞれ固定する様子を表す模式図である。
【図33】便器洗浄装置10のシャフト80に玉鎖レバー84を直接、差し込んで、ピン86により固定する様子を表す模式図である。
【図34】玉鎖レバー84の取り付け方向を説明するための模式図である。
【図35】玉鎖レバー84の構造を例示する模式図である。
【図36】便器洗浄装置10の回転角度範囲を例示した模式図である。
【図37】手動式の操作ハンドルの回転角度について説明するための模式図である。
【図38】玉鎖レバー84の取り付け方向を反転させた場合の回転角度を表す模式図である。
【図39】玉鎖レバー84の取り付け方向を反転させた場合の回転角度を表す模式図である。
【図40】「前ハンドル型」のロータンクに、本実施例の便器洗浄装置を取り付けた状態を表す斜視図である。
【図41】ロータンク200の内部を上方から眺めた模式図である。
【図42】第2の出力軸72にバルブ駆動用部品を取り付ける組み立て図である。
【図43】本発明の便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【図44】本発明の便器洗浄装置をロータンク200に取り付ける組み立て図である。
【図45】玉鎖レバー87に玉鎖220を固定する様子を表す模式図である。
【図46】隅付き型のロータンクに用いて好適な玉鎖レバー84を取り付けた便器洗浄装置10を表す模式図である。
【図47】既設の隅付き型のロータンクにおいて、手動ハンドルを取り外す工程を表す模式図である。
【図48】手動レバー225とハンドル228をロータンク200から取り外す様子を表す模式図である。
【図49】便器洗浄装置10をナット92によってロータンク200の壁面に固定する様子を表す模式図である。
【図50】ストッパ93と操作ハンドル100を圧入固定し、回転方向を表したシール105を操作ハンドル100に貼り付ける様子を表す模式図である。
【図51】玉鎖レバー84の先端に、玉鎖220の一端を固定する様子を表す模式図である。
【図52】玉鎖レバー84や玉鎖220が、干渉することなく取り付けられた状態をタンク上方から眺めた模式図である。
【図53】接続コード76を適宜固定し、ロータンクの蓋210を設置する様子を表す模式図である。
【図54】本発明の便器洗浄システムを表すブロック図である。
【図55】便座から便器洗浄装置の制御を実施する便器洗浄システムを例示する模式図である。
【図56】便器洗浄装置10と便座400との接続を例示する模式図である。
【図57】便器洗浄装置10と便座400との接続を例示する模式図である。
【図58】リモートコントロール装置を例示する模式図である。
【図59】既存のロータンクの形態のいくつかを例示する模式図である。
【符号の説明】
【0115】
10 便器洗浄装置
20 螺合突出部
22 シャフト
40 駆動部
42 モータ
42A 駆動軸
70 第1の出力軸
70R リブ
72 第2の出力軸
72R リブ
75 耐水シール部
76 接続コード
77 固定部
80 シャフト
80R 突起
81 ネジ
82 スペーサ
83、86 ピン
84、85、87 玉鎖レバー
93 ストッパ
94 ネジ
100 操作ハンドル
200 ロータンク
202 開口
220 玉鎖
240、250 排水バルブ
300 便器
400 便座
410 人感センサ
500 制御部
510 リモートコントロール装置(操作部)
520 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水バルブを有するロータンクに取り付け可能な便器洗浄装置であって、
モータと前記モータの出力を減速する減速手段とを収容し、
第1の方向に突出し、手動による駆動力を入力可能とした入力軸と、
前記第1の方向とは反対の第2の方向に突出し、前記入力軸及び前記減速手段から出力可能な第1の出力軸と、
を備え、
前記入力軸の前記第1の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、
前記第1の出力軸の前記第2の方向に対して垂直な断面形状は、4次の回転対称であり、
前記ロータンクに対して90°単位で回転させて取り付け可能であることを特徴とする便器洗浄装置。
【請求項2】
前記入力軸と前記第1の出力軸とは、略同軸に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の便器洗浄装置。
【請求項3】
前記便器洗浄装置は、前記ロータンクの内部に収容可能な駆動部と、前記駆動部に接続され前記ロータンクの壁面に設けられた開口を介してその外側に突出可能な螺合突出部と、を有し、
前記モータ及び前記減速手段は、前記駆動部に内蔵されたことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1つに記載の便器洗浄装置。
【請求項4】
厚みが一様でないワッシャをさらに備え、
前記螺合突出部に挿入した前記ワッシャと前記ロータンクの壁面とが当接するように前記螺合突出部を螺旋止めすることにより、前記ワッシャの厚みの分布に応じた取り付け角度で取り付け可能とされたことを特徴とする請求項3記載の便器洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の便器洗浄装置と、
前記便器洗浄装置の動作を制御する制御信号を供給する制御部と、
を備えたことを特徴とする便器洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2009−24494(P2009−24494A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254764(P2008−254764)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【分割の表示】特願2006−338749(P2006−338749)の分割
【原出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【出願人】(301068491)TOTOウォシュレットテクノ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】