説明

便器用ビデの流路制御装置、及び流路制御装置を有する便器用ビデ

【課題】チューブの連結構造が簡単でチューブの連結部が少ない改良された便器用ビデの流路制御装置と流路制御装置を含む便器用ビデを提供する。
【解決手段】便器用ビデの流路制御装置は、二つ以上のチャンバーが区画形成された第1のハウジングと、第1のハウジング内に配置され二つ以上のチャンバーの一つを開放してそのチャンバーに水が流入されるようにする第1の流路調節ユニットと、第1のハウジングの一つのチャンバーに連結され空気圧によって開放されたチャンバーに流入される水に空気を混合させる空気混合部と、空気混合部が連結されたチャンバーと連結された三つ以上の区切られた区画室を含み空気を混合した水が流入されビデノズルと洗浄ノズルに連結される第2のハウジングと、第2のハウジング内に配置され三つ以上の区画室の一部を開放して水が流入されるようにする第2の流路調節ユニットとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器用ビデの流路制御装置、及び流路制御装置を有する便器用ビデに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、便器(すなわち、大便器、室内便器など)は、ユーザーが座って用便をする機器である。便器には、トイレの快適性及び衛生のためにビデを設けることができる。
【0003】
ビデには、用便の後に身体の一部に洗浄水を噴射するようにノズルアセンブリーが設けられる。上記ノズルアセンブリーは、進退可能に設けられて洗浄水を噴射する洗浄ノズル及びビデノズルと、当該洗浄ノズル及びビデノズルのノズルチップの外側面を洗浄するノズルチップ洗浄部と、を含む。
【0004】
また、上記ビデには、洗浄ノズル、ビデノズル及びノズルチップ洗浄部に供給される流路を制御できるように流路制御装置が設けられる。上記流路制御装置は、2ウェイバルブ(2 way valve)と4ウェイバルブ(4 way valve)とを含む。
【0005】
この際、上記2ウェイバルブは、ノズルチップ洗浄部に連結されるチューブと4ウェイバルブに連結されるチューブとにそれぞれ連結される。また、上記4ウェイバルブは、洗浄ノズルとビデノズルとに連結されるチューブに連結される。
【0006】
また、上記2ウェイバルブと上記4ウェイバルブとを連結するチューブには、水の流れ(すなわち、水流)に空気を注入できるように空気注入管が連結され、当該空気注入管には、空気をポンピングできるようにエアポンプが連結される。
【0007】
また、上記ビデには、便器とノズルチップ洗浄部に殺菌水を供給して便器を殺菌できるように殺菌モジュールが設けられることができる。上記殺菌モジュールは、チューブによって便器とノズルチップ洗浄部にそれぞれ連結される。
【0008】
しかしながら、従来は、便器とノズルチップを洗浄するときに殺菌モジュールに同じ水が供給されるため、便器とノズルチップが殺菌されるときにほぼ同じ量の殺菌物質が当該殺菌モジュールから生成された。したがって、上記便器が殺菌されるときには、相対的に多量の殺菌物質が必要とされるため、当該便器が十分に殺菌されることが困難であった。
【0009】
また、上記流路制御装置では、2ウェイバルブと4ウェイバルブとがチューブによって連結され、当該2ウェイバルブと当該4ウェイバルブとの間のチューブに空気チューブが連結されるため、チューブの連結構造が複雑になりチューブの連結部の数が増えた。また、上記流路制御装置が故障した時、上記各チューブの連結位置を把握するための時間が顕著に増え、当該各チューブを再組み立てする時にも組み立て時間が顕著に増えた。
【0010】
また、上記流路制御装置では、チューブの連結関係が複雑であるため、当該チューブの連結部から漏水が生じる可能性が高かった。また、上記チューブの連結部の一部から漏水が生じる場合、その原因を見出すことも困難であった。
【0011】
さらに、上記流路制御装置では、2ウェイバルブと4ウェイバルブとの間のチューブに空気チューブが連結されるため、当該チューブに沿って流動する水の水圧が高くなることにより空気の混合比が低くなった。
【0012】
また、上記ビデの内部に2ウェイバルブと4ウェイバルブを設けるためのリブや締結孔等によって設置構造が複雑になった。さらにまた、上記ビデを製作するための金型の構造が複雑になるため、当該ビデの製造コストが増えた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した問題点を解決するために、本発明の目的は、チューブの連結構造が簡単になりチューブの連結部の数を減らすことができる便器用ビデの流路制御装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、流路制御装置が故障したときに、上記各チューブの連結位置を把握するための時間を顕著に減らし、当該各チューブを再組み立てするときにも組み立て時間を顕著に減らすことができる便器用ビデの流路制御装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、便器とノズルチップが殺菌されるときに、当該便器とノズルチップの殺菌に必要なだけの殺菌物質を生成させることができる便器用ビデを提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、チューブの連結構造が簡単になりチューブの連結部の数を減らすことができる便器用ビデを提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、流路制御装置が故障したときに、上記各チューブの連結位置を把握するための時間を顕著に減らし、当該各チューブを再組み立てするときにも組み立て時間を顕著に減らすことができる便器用ビデを提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、漏水が生じる可能性を減少させ、漏水の原因を容易に見出すことができる便器用ビデを提供することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、空気の混合比を向上させることができる便器用ビデを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明による便器用ビデの流路制御装置は、二つ以上のチャンバーが区画形成された第1のハウジングと、当該第1のハウジングの内部に配置され上記二つ以上のチャンバーの一つを開放して当該チャンバーに水が流入されるようにする第1の流路調節ユニットと、上記第1のハウジングの一つのチャンバーに連結され空気圧によって開放されたチャンバーに流入される水に空気を混合させる空気混合部と、第1のハウジングの一つのチャンバーに連結され、ビデノズル及び洗浄ノズルと連結された三つ以上の区画室に区切られる第2のハウジングと、当該第2のハウジングの内部に配置され上記三つ以上の区画室の一部を開放して当該一部の区画室に水が流入されるようにする第2の流路調節ユニットとを含む。
【0021】
本発明による便器用ビデは、上記のような流路制御装置と、殺菌水を提供する殺菌水モジュールと、上記流路制御装置の吐出側流路に連結される連結管と、当該連結管とノズルチップ洗浄部に連結されるノズルチップ殺菌管と、上記連結管と便器殺菌モジュールに連結される便器殺菌管とを含み、上記ノズルチップ殺菌管及び上記便器殺菌管には、上記殺菌水モジュールで形成された殺菌水が供給される。
【0022】
上記殺菌水モジュールは、上記連結管に連結され、当該連結管から吐出された水に電気を印加してイオン化させることにより殺菌水を形成することができる。
【0023】
上記便器用ビデは、上記連結管に連結されて上記殺菌水モジュールに流入される水に反応物質を添加することにより当該殺菌水モジュールで殺菌物質の生成量を増大させる反応物質添加モジュールをさらに含むことができる。
【0024】
上記反応物質は、NaCl又はNaClOであり、上記反応物質添加モジュールには、上記反応物質が水に露出されるように収容されることができる。
【0025】
上記便器用ビデは、上記流路制御装置と上記殺菌水モジュールとを連結する直水供給管をさらに含むことができる。
【0026】
前記空気混合部は、第2のハウジングが連結された第1のハウジングのチャンバーと連結され、空気圧によってチャンバーが開放されたときにチャンバー内に流入される水に空気を混合させる空気混合部をさらに含むことができる。
【0027】
前記空気混合部は、空気が通ることができるように空気チューブの空気吐出側に配置された多孔性部材を含むことができる。
【0028】
上記多孔性部材は、スポンジ状又はメッシュ状に形成されることができる。
【0029】
上記第1の流路調節ユニットは、上記第1のハウジングの流入側に結合され上記二つ以上のチャンバーにそれぞれ対応するように連通口が形成された第1の流路連通部材と、上記第1のハウジングの内部に回転可能に設けられ上記連通口の一つを選択的に開閉させることができるように開閉口が形成された第1の流路開閉部材と、当該第1の流路開閉部材を回転させる駆動モータとを含むことができる。
【0030】
上記第2の流路調節ユニットは、上記第2のハウジングの流入側に結合され上記各区画室に対応するように連通口が形成された第2の流路連通部材と、上記第2のハウジングの内部に回転可能に設けられ上記連通口の一部を選択的に開閉させる第2の流路開閉部材と、当該第2の流路開閉部材を回転させる駆動モータとを含むことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、チューブの連結構造が簡単になり、チューブの連結部の数が減少する。
【0032】
流路制御装置が故障したとき、上記各チューブの連結位置を把握するための時間が顕著に減少し、当該各チューブを再組み立てするときにも組み立て時間が顕著に減少する。
【0033】
漏水が生じる可能性を減少させ、漏水の原因を容易に見出すことができる。
【0034】
空気の混合比を向上させ、泡沫のサイズを均一にすることができる。
【0035】
空気と水とが混合されるときに生じる騒音を減少させることができる。
【0036】
便器とノズルチップを殺菌するのに十分な殺菌物質を生成させることができる。
【0037】
殺菌物質をイオン化させることにより殺菌物質を生成するため、電気分解に比べて相対的に低い電圧を用いることができ、消費電力を顕著に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による便器及び便器用ビデを示す斜視図である。
【0039】
【図2】本発明による便器用ビデを構成する殺菌システムの第1の実施形態を示す構成図である。
【0040】
【図3】図1の便器用ビデのノズルアセンブリーを示す斜視図である。
【0041】
【図4】図1の便器用ビデの流路制御装置を示す斜視図である。
【0042】
【図5】図4の流路制御装置の内部構造を示す部分切開斜視図である。
【0043】
【図6】図4の流路制御装置を示す分解斜視図である。
【0044】
【図7】図4の流路制御装置を示す断面図である。
【0045】
【図8】図6の第1の流路連通部材を示す斜視図である。
【0046】
【図9】図6の第2の流路連通部材を示す斜視図である。
【0047】
【図10】図4の便器用ビデが洗浄モードで運転されるときに洗浄ノズルの直線流路とワイド流路に水が供給される状態を示す状態図である。
【0048】
【図11】図4の便器用ビデが洗浄モードで運転されるときに洗浄ノズルの直線流路のみに水が供給される状態を示す状態図である。
【0049】
【図12】図4の便器用ビデがビデモードで運転されるときにビデノズルの直線流路とワイド流路に水が供給される状態を示す状態図である。
【0050】
【図13】図4の便器用ビデがビデモードで運転されるときにビデノズルの直線流路のみに水が供給される状態を示す状態図である。
【0051】
【図14】図4の便器用ビデがノズルチップ洗浄モードで運転されるときにノズルチップ洗浄部に水が供給される状態を示す状態図である。
【0052】
【図15】図4の便器用ビデが便器殺菌モードで運転されるときに便器殺菌モジュールに殺菌水が供給される状態を示す状態図である。
【0053】
【図16】本発明による便器用ビデを構成する殺菌システムの第2の実施形態を示す構成図である。
【0054】
【図17】本発明の変形実施形態の空気混合部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、上記目的を達成するための本発明による便器用ビデの流路制御装置の具体的な実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0056】
図1は、本発明の実施の形態による便器と便器用ビデを示す斜視図である。
【0057】
図1を参照すると、便器10には、水が収容される。上記便器10の上部には、便器用ビデ20が設けられる。
【0058】
上記便器用ビデ20は、上記便器10に取り付けられる本体30を含む。上記本体30の下側には、上記便器10の上面の後側に取り付けられるようにブラケット(図示せず)が配置されることができる。上記ブラケットは、上記本体30の下側に着脱可能に結合される。
【0059】
上記本体30の前方側には、回転可能に座板40がヒンジ結合される。上記座板40の内部には、当該座板40を適宜な温度に温めるヒーター(図示せず)が配置される。
【0060】
記本体の上側には、回転可能にカバー50が結合される。上記カバー50は、上記本体30の上側にヒンジ結合される。
【0061】
上記本体30の内部には、乾燥装置60が設けられることができる。上記乾燥装置60は、常温の空気又は高温の空気を身体の一部に送風することができる。
【0062】
上記本体30の内部には、ノズルアセンブリー70が配置される。上記ノズルアセンブリー70には、洗浄ノズル73(図3参照)とビデノズル75(図3参照)が往復可能に設けられることができる。上記洗浄ノズル73は、肛門を洗浄し、上記ビデノズル75は、女性の性器を洗浄する。
【0063】
上記本体30の一側145には、上記乾燥装置60と上記ノズルアセンブリー70等を制御するために、操作部80が配置される。上記操作部80には、ユーザーが所定の機能を選択できるように多数のボタンが含まれる。ユーザーが洗浄ボタン又はビデボタン等を押すと、上記ノズルアセンブリー70の洗浄ノズル73又はビデノズル75が前方側に前進して洗浄水を噴射して身体の一部を洗浄する。
【0064】
上記本体30には、上記便器10に殺菌水を噴射するための便器殺菌モジュール250が設けられる。上記便器殺菌モジュール250は、多数の噴射ノズル251を含み、上記便器10の表面に殺菌水を泡沫状や液滴状に噴射(または噴霧)する。
【0065】
図2は、本発明の第1の実施の形態による便器用ビデの殺菌システムを示す構成図である。
【0066】
図2を参照すると、上記本体10は、殺菌システムを含んでいる。上記殺菌システムは、上記便器10とノズルチップ73b、75bに殺菌水を噴射して殺菌する。
【0067】
上記殺菌システムは、流路制御装置100と連結管221と直水供給管211と殺菌水モジュール230と反応物質添加モジュール240とノズルチップ殺菌管212と便器殺菌管222とを含む。
【0068】
上記流路制御装置100は、給水された水の流路を選択的に切り換える。上記流路制御装置100は、給水タンク90または水道管と配管により連結されることができる。
【0069】
上記流路制御装置100が給水タンク90と連結されている場合、当該給水タンク90には、当該流路制御装置100に水をポンピングするために給水ポンプ(図示せず)を設けることができる。上記流路制御装置100が水道管と連結されている場合、当該流路制御装置100には、水道管の水圧によって水が供給されるので、給水ポンプを別に設ける必要がない。
【0070】
上記ノズルアセンブリー70の洗浄ノズル73及びビデノズル75に連結される複数の流路管201、202、203、204は、上記流路制御装置100に連結される。上記流路制御装置100とノズルチップ洗浄部77とは、ノズルチップ殺菌管212によって連結され、上記流路制御装置100と便器殺菌モジュール250とは、便器殺菌管222によって連結される。ノズルアセンブリー70と流路制御装置100については、以下で詳述する。
【0071】
上記殺菌水モジュール230は、一般に、連結管221の吐出側と直水供給管211に連結される。この場合、上記流路制御装置100は、上記連結管221と上記直水供給管211のいずれか一つに選択的に水を流動させる。
【0072】
上記殺菌水モジュール230は、上記連結管221と上記直水供給管211から吐出された水をイオン化することにより殺菌水を形成する。この場合、上記殺菌水モジュールの電極には、約5〜25Vの電圧が印加されるため、約100Vの電圧を印加して水を電気分解する場合と比べて、顕著に低い電圧で水をイオン化させることができる。また、上記水の酸化還元反応では、高い電圧を印加する必要がないので、多量の電解質を必要としない。
【0073】
このように、水に電気を印加して殺菌水を生成することは、当業者に自明な技術的事項であるため、詳細な説明を省略する。
【0074】
上記反応物質添加モジュール240は、上記直水供給管211に連結される。上記反応物質添加モジュール240は、上記直水供給管211から上記殺菌水モジュール230に流入する水に反応物質(図示せず)を添加することにより、当該殺菌水モジュール230の殺菌物質の生成量を増大させる。この場合、上記反応物質としては、固体状態のNaClの塊又はNaClOを用いることができるが、本発明は、これらに限定されず、他の塩を用いることもできる。
【0075】
この場合、上記反応物質は、流入した水に露出するように、上記反応物質添加モジュール240の内部に収容することができる。このような反応物質は、上記反応物質添加モジュール240内に流入する水と混合され、上記殺菌水モジュール230に流入する。その後、上記殺菌水モジュール230では、NaClが混合された水に電気を印加して殺菌物質であるOClイオンを生成する。
【0076】
上記殺菌水モジュール230と上記ノズルチップ洗浄部77は、上記ノズルチップ殺菌管212によって連結され、上記殺菌水モジュール230と上記便器殺菌モジュール250は、上記便器殺菌管222によって連結される。
【0077】
図3は、図1の便器用ビデのノズルアセンブリーを示す斜視図である。
【0078】
図3を参照すると、上記ノズルアセンブリー70は、上記本体30の内部に配置されるプレート71と、当該プレート71に往復可能に結合される洗浄ノズル73及びビデノズル75と、当該洗浄ノズル73及び当該ビデノズル75のノズルチップ73b、75bに水を噴射できるように当該洗浄ノズル73及び当該ビデノズル75の上側に配置されるノズルチップ洗浄部77と、上記洗浄ノズル73及び上記ビデノズル75を前後に往復運動させるノズル駆動装置78とを含む。
【0079】
上記洗浄ノズル73と上記ビデノズル75の端部には、上記ノズルチップ73b、75bがそれぞれ着脱可能に結合されることができる。
【0080】
上記洗浄ノズル73と上記ビデノズル75には、一対ずつの水流入部73a、75aがそれぞれ形成され、上記ノズルチップ洗浄部77には、一つの水流入部77aが形成されることができる。
【0081】
上記洗浄ノズル73及び上記ビデノズル75には、直線流路(図示せず)及びワイド流路(図示せず)がそれぞれ形成される。ここで、直線流路は、該当ノズルに対して水流が直線に噴射または噴霧されるようにする流路であり、ワイド流路は、該当ノズルに対して水流が一定の角度で広がって噴射または噴霧されるようにする流路である。この場合、上記ワイド流路は、直線流路に沿って流動する水に圧力を加えることによって水の噴射角度を調節することができる。
【0082】
上記洗浄ノズル73のうち、一つの水流入部73aは、直線流路に連結され、他の水流入部73aは、ワイド流路に連結される。また、上記ビデノズル75のうち、一つの水流入部75aは、直線流路に連結され、他の水流入部75aは、ワイド流路に連結される。
【0083】
上記洗浄ノズル73の一対の水流入部73aには、上記流路調節装置100に連結された一対の流路管201、202(図2参照)が連結されることができる。上記ビデノズル75の一対の水流入部75aには、上記流路調節装置100に連結された他の一対の流路管203、204(図2参照)が連結されることができる。これにより、上記流路調節装置100は、上記洗浄ノズル73と上記ビデノズル75との、直線流路とワイド流路とに選択的に水を供給することができる。
【0084】
図4は、図1の便器用ビデの流路制御装置を示す斜視図であり、図5は、図4の流路制御装置の内部構造を示す部分切開斜視図である。
【0085】
図4及び図5を参照すると、上記流路制御装置100は、第1のハウジング110と、第1の流路調節ユニット130(図6参照)と、第2のハウジング160と、第2の流路調節ユニット170(図6参照)とを含む。以下では、上記第1及び第2のハウジング110、160を説明した後に上記第1及び第2の流路調節ユニット130、170を説明する。
【0086】
上記第1のハウジング110は、円筒状に形成されることができる。上記第1のハウジング110には、給水タンク91又は水道管がチューブ(図示せず)によって当該第1のハウジング110に連結されることができるように、給水連結部111が形成される。また、上記第1のハウジング110には、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が結合されることができるように、結合部112が締結されることができる。上記駆動モータ158の一端は、上記結合部112に固定されるよう面接触されている。
【0087】
上記第1のハウジング110の吐出側には、第1、第2及び第3のチャンバー113、114、115(図5参照)が区画によって形成されるが、この場合には、必要に応じてチャンバーの数は調整されることができる。上記第1のハウジング110の内部を横切る区画リブ117(図5参照)によって上記第1のハウジング110の内部を上記第1、第2及び第3のチャンバー113、114、115に区切ることができる。この場合、上記区画リブ117は、T字状に形成されることができる。
【0088】
上記第1のチャンバー114には、当該第1のチャンバー114に流入された水が上記ノズルチップ洗浄部77に供給されるようにする自己洗浄連結部101が形成されることができる。上記自己洗浄連結部101は、上記ノズルチップ殺菌管212よって上記ノズルチップ洗浄部77の水流入部73aと連結される。
【0089】
上記第2のチャンバー114には、便器連結部102が形成されることができる。上記便器連結部102は、上記便器殺菌管222によって上記便器殺菌モジュール250に連結される。
【0090】
上記第1のハウジング110の第3のチャンバー115には、上記第2のハウジング160が連結される。上記第1のハウジング110の第3のチャンバー115には、空気混合部120が連結されることができる。上記空気混合部120は、チューブ(図示せず)によってエアポンプ95に連結される。
【0091】
上記空気混合部120は、上記第3のチャンバー115と区画されて上記第2のハウジング160と連通する。上記第3のチャンバー115に流入された水が空気と混合された後に上記第2のハウジング160に吐出されることができるように、上記空気混合部120には流入孔121が形成されることができる。空気混合部120は、管状を有することができる。
【0092】
上記流入孔121は、上記第3のチャンバー115の水流入側に対応するように形成されることができる。したがって、上記第3のチャンバー115から水が、上記流入孔121を介して上記空気混合部120に円滑に流入することができるようになっている。
【0093】
上記空気混合部120の内部空間は、上記流入孔121で急激に拡張されるため、当該空気混合部120では圧力が降下することとなる。これにより、空気の混合比は、上記空気混合部120で顕著に増える。また、空気のポンピング圧力が相対的に低くても、水に空気を十分に混合させることができるため、上記エアポンプ95の使用容量を低くすることができる。
【0094】
上記第2のハウジング160の内部には、三つ以上の区画室161、162、163、165が形成されることができる。上記区画室161、162、163、164には、上記洗浄ノズル73と上記ビデノズル75に水を供給する流路管201、202、203、204を連結するために、ノズル連結部105、106、107、108が形成されることができる。
【0095】
例えば、上記四つの区画室161、162、163、164は、第2のハウジング160に形成されることができる。この場合、上記洗浄ノズル連結部105、106は、一対の区画室161、162に形成され、上記ビデノズル連結部107、108は、他の一対の区画室163、164に形成される。この場合、上記一対の区画室161、162の洗浄ノズル連結部105、106には、一対の流路管201、202が連結され、上記他の一対の区画室163、164のビデノズル連結部107、108には、他の一対の流路管203、204が連結されることができる。
【0096】
したがって、上記一対の区画室161、162は、上記洗浄ノズル73の直線流路とワイド流路に連結され、上記他の一対の区画室163、164は、上記ビデノズル75の直線流路とワイド流路に連結される。
【0097】
また、上記第2のハウジング160の内部には、三つの区画室が形成されることができる。一対の区画室には、洗浄ノズル連結部が形成され、他の一つの区画室には、ビデノズル連結部が形成されることができる。
【0098】
この場合、上記一対の区画室は、洗浄ノズルの直線流路とワイド流路に連結され、上記他の一つの区画室は、ビデノズルの直線流路に連結されることができる。
【0099】
上記第2のハウジングの内部に三つの区画室が形成される場合、一つの区画室には、洗浄ノズル連結部が形成され、他の一対の区画室には、ビデノズル連結部がそれぞれ形成されることができる。
【0100】
上記第2のハウジング160に形成する区画室の数は、上記洗浄ノズル73と上記ビデノズル75の流路の数に応じて変えることができる。以下では、上記第2のハウジング160に四つの区画室161、162、163、164が形成される場合を基に説明する。
【0101】
上記第1のハウジング110と上記第2のハウジング160は、ほぼチャンネル形状の流路を有するように配置されることができる。したがって、上記流路制御装置100の大きさを減らすことができる。
【0102】
上記第1のハウジング110と上記第2のハウジング160は、互いに平行な流路を有するように配置されることもできることは勿論のことである。この場合、流路制御装置100は、チャンネル形状を有する流路制御装置100に比べて長くすることができる。
【0103】
図6は、図4の流路制御装置を示す分解斜視図であり、図7は、図4の流路制御装置を示す断面図である。
【0104】
図6及び図7を参照すると、上記第1のハウジング110の内部には、上記第1の流路調節ユニット130が配置される。上記第1の流路調節ユニット130は、上記第1、第2及び第3のチャンバー113、114、115の一部を開放するように設けられて、当該チャンバーに水が流入されるようにする。
【0105】
上記第1の流路調節ユニット130は、第1の流路連通部材140と第1の流路開閉部材150と駆動モータ158とを含む。
【0106】
上記第1の流路連通部材140には、上記第1、第2及び第3のチャンバー113、114、115にそれぞれ対応するように三つの連通口141、143、145が形成される。
【0107】
上記第1のハウジング110には係止部118(図5参照)が形成されて、上記第1の流路連通部材140の縁を支持している。上記係止部118は、上記第1の流路連通部材140の縁を支持し、上記区画リブ117は、上記第1の流路連通部材140の下面を支持するため、当該第1の流路連通部材140に水圧が作用しても当該第1の流路連通部材140が変形することを防止する。
【0108】
上記第1の流路連通部材140には、環状のガスケット147が設けられて、当該第1の流路連通部材140と上記係止部118との隙間をシールする。また、上記ガスケット147には、中心部を横切るようにクロス部147aが形成されて、上記第1の流路連通部材140と上記区画リブ117との隙間をシールする。上記クロス部147aは、上記区画リブ117の上面と接触することができるように、ほぼT字状に形成されることができる。
【0109】
上記第1の流路連通部材140の一面には、上記ガスケット147のクロス部147aが挟まるように、溝146(図6参照)が形成される。
【0110】
上記第1の流路開閉部材150は、上記第1のハウジング110の内部に回転可能に設けられて、上記三つの連通口141、143、145の一つを選択的に開閉させる。
【0111】
この場合、上記第1の流路開閉部材150は、上記第1の流路連通部材140に面接触され上記連通口141、143、145を開閉させる開閉口152が形成されたディスク部151と、当該ディスク部151と上記駆動モータ158に軸結合される回転部155と、を含むことができる。この場合、上記ディスク部151と上記回転部155とは、着脱可能に結合されることができる。
【0112】
上記第1の流路調節ユニット130は、上記第1の流路開閉部材150のディスク部151を上記第1の流路連通部材140に密着させることができるように、弾性部材157をさらに含むことができる。この場合、上記弾性部材157は、上記ディスク部151と上記回転部155との間に結合されて、当該ディスク部151と当該回転部155とが離れるように弾性力を作用させる役割をする。
【0113】
上記駆動モータ158としては、回転角度を正確に調節できるステッピングモータ(stepping motor)を用いることができる。
【0114】
上記第2のハウジング160の内部には、上記第2の流路調節ユニット170が配置されることができる。上記第2の流路調節ユニット170が上記第2のハウジング160の内部に設けられており、上記四つの区画室161、162、163、164の一部(一つ又は二つ)を開放してそれらに水が流入できるようになっている。
【0115】
上記第2の流路調節ユニット170は、第2の流路連通部材180と、第2の流路開閉部材190と、駆動モータ198とを含む。
【0116】
上記第2の流路連通部材180には、上記四つの区画室161、162、163、164にそれぞれ対応するように、四つの連通口181、182、183、184が形成される。
【0117】
上記第2のハウジング160には、上記第2の流路連通部材180の縁を支持するための係止突起部(図示せず)が形成されることができる。この場合、上記第2の流路連通部材180は、上記係止部と十字型リブ167によって支持されるため、当該第2の流路連通部材180に水圧が作用しても当該第2の流路連通部材180が変形することを防止することができる。
【0118】
上記第2の流路連通部材180には、環状のガスケット187が設けられて、当該第2の流路連通部材180と上記係止部(図示せず)との隙間をシールする。また、上記ガスケット187には、中心部を横切るように十字型クロス部187aが形成されて、上記第2の流路連通部材180と上記十字型リブ167との隙間をシールする。
【0119】
また、上記第2の流路連通部材180の一面には、上記ガスケット187の十字型クロス部187aを挿入できるように、十字型溝186(図6参照)が形成される。
【0120】
上記第2の流路開閉部材190は、上記第2のハウジング160の内部に回転可能に設けられて、上記四つの連通口181、182、183、184の一部を選択的に開閉させる。
【0121】
即ち、上記第2の流路開閉部材190は、上記洗浄ノズル73と連通する一対の区画室161、162、または、一つの区画室を開放させることができる。この場合、上記区画室161、162が開放される数に応じて、ワイド水流または直線水流が上記洗浄ノズル73から噴射される。
【0122】
また、上記第2の流路開閉部材190は、上記ビデノズル75と連通する一対の区画室163、164、または、一つの区画室を開放させることができる。上記区画室163、164が開放される数に応じて、ワイド水流または直線水流が上記ビデノズル75から噴射される。
【0123】
この場合、上記第2の流路開閉部材190は、上記第2の流路連通部材180に面接触され上記連通口181、182、183、184を開閉させるための開閉口192が形成されたディスク部191と、当該ディスク部191と上記駆動モータ198に軸結合される回転部195とを含むことができる。この場合、上記ディスク部191と上記回転部195とは、着脱可能に結合されることができる。
【0124】
上記第2の流路調節ユニット170は、上記第2の流路開閉部材190のディスク部191を上記第2の流路連通部材180に密着させることができるように弾性部材197をさらに含むことができる。この場合、上記弾性部材197は、上記ディスク部191と上記回転部195との間に結合されて、当該ディスク部191と当該回転部195とが離れるように弾性力を作用する役割をする。
【0125】
上記駆動モータ198としては、回転角度を正確に調節できるステッピングモータ(stepping motor)を用いることができる。
【0126】
図8は、第1の流路連通部材を示す斜視図である。
【0127】
図8を参照すると、上記第1の流路連通部材140には、上記第1、第2及び第3のチャンバー113、114、115に対応するように三つの連通口141、143、145が形成される。この場合、上記第3のチャンバー115と対応する連通口145の一側には、段差部145aが形成されることができる。この場合、上記段差部145aは、上記第1の流路開閉部材150のディスク151と上記第1の流路連通部材140の接触面とを離隔させて、上記第3のチャンバー115に流入される水の流量を制御する。
【0128】
この場合、上記ディスク151の開閉口152が最も高い段差部145aと対応すると、上記第3のチャンバー115には、最小量の水が供給される。また、上記ディスク151の開閉口152が連通口145と対応すると、上記第3のチャンバー115には、最大量の水が供給される。
【0129】
また、上記第1の流路開閉部材150の開閉口152は、上記連通口141、143、145及び上記段差部145aの一つに対応するサイズで形成されることができる。したがって、上記開閉口152は、上記連通口141、143、145に対応するか、又は、上記段差部145aに対応するようにすることができる。
【0130】
図9は、第2の流路連通部材を示す斜視図である。
【0131】
図9を参照すると、上記第2の流路連通部材180には、上記各区画室161、162、163、164に対応するように、四つの連通口181、182、183、184が形成される。上記連通口181、182、183、184のそれぞれの一側には、少なくとも一つ以上の段差部181a、182a、183a、184aがそれぞれ形成されて、上記第2の流路開閉部材190のディスク191の接触面と離隔されることにより、上記区画室161、162、163、164に流入される水の流量を制御する。
【0132】
上記一対の連通口181、182、183、184には、対向する構成要素の連通口に向かって段差部191a、192a、193a、194aがそれぞれ形成されることができる。この場合、一対の連通口は、同じノズル73、75と連結される連通口をいう。
【0133】
上記開閉口192が各対の連通口に位置すると、同じノズル73、75の直線流路とワイド流路とに同時に水が供給される。
【0134】
上記流路制御装置100は、一つの本体に多様な流路が形成されるため、チューブの連結構造を単純化することができる。さらに、上記流路制御装置100の組み立て時間と製造コストを減少させることができる。また、上記流路制御装置100が故障したときに上記各チューブの連結位置を把握するための時間を顕著に減らし、当該各チューブを再組み立てするときにも組み立て時間を顕著に減らすことができる。
【0135】
さらに、上記流路制御装置100では、チューブの連結関係が単純化するため、漏水が生じる部分を直ぐに見出すことができる。
【0136】
また、上記流路制御装置100が単純化するので、ビデでも、リブや締結孔等の設置構造が単純化することができる。さらに、上記ビデを製作するための金型の構造が単純化するため、当該ビデの製造コストを削減させることができる。
【0137】
上記のように構成された本発明による便器用ビデの作用について説明する。
【0138】
上記便器用ビデは、洗浄モード、ビデモード、ノズルチップ洗浄モード及び便器殺菌モードを行うことができるため、当該モードの順に説明する。
【0139】
図10は、便器用ビデが洗浄モードで運転されるときに洗浄ノズルの直線流路とワイド流路に水が供給される状態を示す状態図である。
【0140】
図10を参照すると、ユーザーがワイド洗浄ボタンを選択する場合、上記ノズルアセンブリー70のノズル駆動装置78が駆動されて上記洗浄ノズル73が前進する。また、上記給水ポンプ91が稼働されることにより、上記第1のハウジング110に水が供給される。
【0141】
そして、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第3のチャンバー115に対応する連通口145を開放させる。そのとき、上記第1のハウジング110の水は、上記第3のチャンバー115に流入される。
【0142】
また、上記エアポンプ95が稼働されることにより、上記空気混合部120に空気が供給される。これと同時に、上記第3のチャンバー115の水が上記空気混合部120の流入孔121を介して当該空気混合部120に流入される。
【0143】
この場合、水が第1のハウジング110の流入孔121を介して上記空気混合部120に流入されると、空気混合部120の空間が急激に拡張されているため、空気混合部120で圧力が降下する。水の圧力が低下した空気混合部120に空気が供給されるので、空気混合部120での空気の混合比が顕著に増える。本発明による空気混合構造は、従来のように空気チューブが2ウエイバルブと4ウエイバルブとの間のチューブに連結される構造に比べて、空気混合比が約20〜30%増える。
【0144】
上記空気混合部120で空気と混合された水は、上記第2のハウジング160に流入される。このとき、上記第2の流路調節ユニット170の駆動モータ198が回動することにより、上記ディスク191の開閉口192は、上記第2の流路連通部材180のうち上記洗浄ノズル73と連結された一対の連通口181、182を開放する。即ち、上記ディスク191の開閉口192は、一対の連通口181、182の一側に形成された段差部181a、182aを同時に開放する。
【0145】
上記第2のハウジング160に流入された水は、小さい泡沫が形成された状態で、上記洗浄ノズル73の直線流路とワイド流路に供給される。したがって、上記洗浄ノズル73のノズルチップ73bを介して泡沫が形成されたワイド水流が噴射される。
【0146】
図11は、便器用ビデが洗浄モードで運転されるときに洗浄ノズルの直線流路のみに水が供給される状態を示す状態図である。
【0147】
図11を参照すると、ユーザーが直線洗浄ボタンを選択する場合、上記ノズルアセンブリー70のノズル駆動装置78が駆動されて上記洗浄ノズル73が前進する。また、上記給水ポンプ91が稼働されることにより、上記第1のハウジング110に水が供給される。
【0148】
また、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第3のチャンバー115と対応する連通口145を開放させる。そのとき、上記第1のハウジング110の水は、第3のチャンバー115に流入される。
【0149】
そして、上記エアポンプ95が稼働されることにより上記空気混合部120に空気が供給される。これと同時に、上記第3のチャンバー115の水が上記空気混合部120の流入孔121を介して当該空気混合部120に流入される。これと同時に、上記空気混合部120では、圧力降下によって空気の混合比が顕著に増える。上記空気混合部120で空気と混合された水は、上記第2のハウジング160に流入される。
【0150】
上記第2の流路調節ユニット170の駆動モータ198が回動することにより、上記ディスク191の開閉口192は、上記第2の流路連通部材180のうち上記洗浄ノズル73の直線流路に対応する連通口181を開放する。即ち、上記ディスク191の開閉口192は、直線流路に対応する一つの連通口181のみを開放する。
【0151】
上記第2のハウジング160に流入された水は、小さい泡沫が形成された状態で、上記洗浄ノズル73の直線流路に供給される。したがって、泡沫状に形成された直線水流が、上記洗浄ノズル73のノズルチップ73bを介して噴射される。
【0152】
図12は、便器用ビデがビデモードで運転されるときに、ビデノズルの直線流路とワイド流路に水が供給される状態を示す状態図である。
【0153】
図12を参照すると、ユーザーがワイドビデボタンを選択すると、上記ノズルアセンブリー70のノズル駆動装置78が駆動されて上記ビデノズル75が前進する。また、上記給水ポンプ91が稼働されることにより、上記第1のハウジング110に水が供給される。
【0154】
また、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第3のチャンバー115と対応する連通口145を開放させる。そのとき、上記第1のハウジング110の水は、第3のチャンバー115に流入される。
【0155】
また、上記エアポンプ95が稼働されることにより上記空気混合部120に空気が供給される。これと同時に、上記第3のチャンバー115の水が上記空気混合部120の流入孔121を介して当該空気混合部120に流入される。このとき、上記空気混合部120で圧力が降下することによって、空気の混合比が顕著に増える。上記空気混合部120で空気と混合された水は、上記第2のハウジング160に流入される。
【0156】
上記第2の流路調節ユニット170の駆動モータ198が回動することにより、上記ディスク191の開閉口192は、上記第2の流路連通部材180のうち上記ビデノズル75の直線流路とワイド流路と対応する連通口183、184を開放する。
【0157】
上記第2のハウジング160に流入された水は、小さい泡沫が形成された状態で、上記ビデノズル75の直線流路とワイド流路に供給される。したがって、泡沫状に形成されたワイド水流が、上記ビデノズル75のノズルチップ75bを介して噴射される。
【0158】
図13は、便器用ビデがビデモードで運転されるときに、ビデノズルの直線流路のみに水が供給される状態を示す状態図である。
【0159】
図13を参照すると、ユーザーが直線水流ビデボタンを選択する場合、上記ノズルアセンブリー70のノズル駆動装置78が駆動されて上記ビデノズル75が前進する。また、上記給水ポンプ91が稼働されることにより、上記第1のハウジング110に水が供給される。
【0160】
また、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第3のチャンバー115と対応する連通口145を開放させる。そのとき、上記第1のハウジング110の水は、上記第3のチャンバー115に流入される。
【0161】
また、上記エアポンプ95が稼働されることにより上記空気混合部120に空気が供給され、これと同時に、上記第3のチャンバー115の水が上記空気混合部120の流入孔121を介して当該空気混合部120に流入される。このとき、上記空気混合部120では、圧力降下によって空気の混合比が顕著に増える。上記空気混合部120で空気と混合された水は、上記第2のハウジング160に流入される。
【0162】
上記第2の流路調節ユニット170の駆動モータ198が回動することにより、上記ディスク191の開閉口192は、上記第2の流路連通部材180のうちビデノズル75の直線流路と対応する一つの連通口184のみを開放する。
【0163】
上記第2のハウジング160に流入された水は、小さい泡沫が形成された状態で、上記ビデノズル75の直線流路に供給される。そのため、泡沫状に形成された直線水流が、上記ビデノズル75のノズルチップ75bを介して噴射される。
【0164】
上記洗浄ノズル73又は上記ビデノズル75が元位置に後退されると、当該洗浄ノズル73又は当該ビデノズル75のノズルチップ73b、75bから汚れ(または汚物)を除去するために、当該ノズルチップ73b、75bは殺菌される。
【0165】
図2は、殺菌システムを示す構成図であり、図14は、便器用ビデがノズルチップ洗浄モードで運転されるときに、ノズルチップ洗浄部に水が供給される状態を示す状態図である。
【0166】
図2及び図14を参照すると、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第1のチャンバー113と対応する連通口141を開放させる。
【0167】
このとき、上記給水タンク90又は水道管の水は、上記第1のハウジング110に流入されて、上記ノズルチップ殺菌管211、212(図2参照)に沿って流動される。このとき、上記連結管221の水は、上記殺菌水モジュール230に流入される。
【0168】
上記殺菌水モジュール230に供給された水には、各種イオンとClイオンを含んでいる。例えば、上記殺菌水モジュール230に供給された水には、約100ppmのClイオンを含むことができる。ここで、上記Clイオンは、水道水に関する各種法規や規制、水温や水圧等に応じて、変更することができる。
【0169】
上記殺菌水モジュール230の電極に電圧が供給されることにより、水に電気が印加される。上記殺菌水モジュール230の電極の表面では、ClイオンがClに還元される。上記殺菌水モジュール230の水に100ppmのClイオンが存在する場合、電気が印加された水には、約5〜80ppmのClが溶存し、約0.5〜10ppmのOClイオン又はHOClイオンがイオン化することができる。したがって、上記OClイオン及び上記HOClイオンの濃度は、Clイオンの溶存量や、水温、水量(volume)、pH等に応じて可変とすることができる。
【0170】
上記HOClイオン及び上記OClイオンは、殺菌作用を行うため、以下では、当該HOClイオン、当該OClイオンが混合された水を殺菌水という。
【0171】
上記殺菌水は、上記連結管221を介して上記ノズルチップ洗浄部77に供給される。上記ノズルチップ洗浄部77は、水を噴射してノズルチップ73b、75bを洗浄する。上記ノズルチップ73b、75bは、殺菌面積が狭いため、上記殺菌水モジュール230で生成されたHOClイオン、OClイオンのみでも十分な殺菌作用が行われることができる。
【0172】
一方、上記エアポンプ95は、停止されて上記空気混合部120に空気を供給しない。また、上記第2及び第3のチャンバー114、115は、上記流路調節ユニット130によって閉鎖されるため、上記第2のハウジング160には水が供給されない。
【0173】
次いで、上記便器10の表面は、排便または排尿によって汚染されることがある。したがって、上記便器用ビデでは、ユーザーが直接ボタンを押して便器殺菌モードを行うか又は周期的に便器10を殺菌する便器殺菌モードを行うことができる。
【0174】
図2は、殺菌システムを示す構成図であり、図15は、便器用ビデが便器殺菌モードで運転されるときに便器殺菌モジュール250に殺菌水が供給される状態を示す状態図である。
【0175】
図2及び図15を参照すると、上記第1の流路調節ユニット130の駆動モータ158が回動することにより、上記ディスク151の開閉口152は、上記第2のチャンバー114と対応する連通口141を開放させる。
【0176】
このとき、上記給水タンク90又は水道管の水は、上記第1のハウジング110に流入されて、上記直水供給管211(図2参照)に沿って流動される。上記連結管221の水は、上記反応物質添加モジュール240に流入される。
【0177】
上記反応物質添加モジュール240に供給された水は、当該反応物質添加モジュール240に収容された反応物質を溶解させる。このとき、上記反応物質が水に溶解されることにより、水中に存在するClイオンの濃度を顕著に増やすことができる。
【0178】
このような反応物質の溶解速度は、当該反応物質の密度又は水に露出される程度に応じて適切に調節されることができる。
【0179】
上記反応物質添加モジュール240で反応物質が添加された水は、上記直水供給管211を介して上記殺菌水モジュール230に流入される。上記便器殺菌モジュール250の電極に電圧が供給されると、水に電気が印加される。そして、上記便器殺菌モジュール250の電極の表面では、ClイオンがClに還元される。
【0180】
例えば、上記便器殺菌モジュール250の水に100,000ppmのClイオンが存在する場合、電気が印加された水には、約5000ppmのClが溶存し、約500ppmのHOClイオンまたはOClイオンがイオン化されることができる。したがって、単に水道水に電気を印加してイオン化させた場合に比べて、殺菌物質であるHOClイオン、OClイオンの溶存量を1000倍程度上昇させることができる。
【0181】
上記殺菌水は、上記直水供給管211を介して上記便器殺菌モジュール250に供給される。上記便器殺菌モジュール250は、殺菌水を上記便器10の表面に噴射して便器を殺菌する。
【0182】
この場合、上記便器10の殺菌面積がノズルチップに比べて顕著に広くても、上記便器殺菌モジュール250で生成されたHOClイオン、OClイオンの量が顕著に増えるため、便器を十分に殺菌することができる。
【0183】
また、上記便器殺菌モジュール250から殺菌水が液滴状に噴射されるため、少ない量の殺菌水でも上記便器10の表面を十分に殺菌することができる。
【0184】
一方、上記エアポンプ95は、停止されて上記空気混合部120に空気を供給しない。また、上記第2及び第3のチャンバー114、115は、上記流路調節ユニット130によって閉鎖されるため、上記第2のハウジング160には水が供給されない。
【0185】
このように、水や殺菌水を異なる経路に流動させて上記ノズルチップ73b、75b及び上記便器10を殺菌するので、殺菌面積が相違する当該ノズルチップ73b、75b及び当該便器10を適切に殺菌することができる。
【0186】
次いで、本発明による殺菌システムの第2の実施形態について説明する。
【0187】
図16は、本発明による便器用ビデを構成する殺菌システムの第2の実施形態を示す構成図である。第2の実施形態を説明する上で、第1の実施形態と同じ構成に対しては、同じ図面符号を付してその説明を省略する。
【0188】
図16を参照すると、本発明の第2の実施形態では、上記流路制御装置100と上記殺菌水モジュール230とが上記連結管221によって連結され、当該連結管221には、上記反応物質添加モジュール240が設けられる。
【0189】
この場合、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して上記流路制御装置100と上記殺菌水モジュール230との間に上記直水供給管211(図2参照)が連結されない。また、上記直水供給管211(図2参照)が省略されるため、上記流路制御装置100には、当該直水供給管211(図2参照)と連結される第1のチャンバー113(図5参照)が形成されない。また、上記流路制御装置100の第1のハウジング110(図5参照)には、二つのチャンバー114、115のみが形成されることができる。
【0190】
上述した殺菌システムでは、上記流路制御装置100から吐出された水が常に上記反応物質添加モジュール240を経て上記殺菌水モジュール230に流入される。したがって、上記殺菌水モジュール230には、常に反応物質が添加された水が流入されるため、当該殺菌水モジュール230の水に電気が印加されることにより、殺菌物質であるHOClイオン、OClイオンの生成量が顕著に増える。このように、殺菌力が顕著に上昇した殺菌水を上記ノズルチップ洗浄部77及び上記便器殺菌モジュール250に提供することができるため、殺菌性能が向上する。
【0191】
次に、本発明の変形実施形態を説明する。
【0192】
図17には、本発明の変形実施形態の空気混合部120の断面図が示されている。本発明の変形実施形態から空気混合部120の構成を除いた他の構成は、図4から図7で説明した流路制御装置の構成と同一である。
【0193】
図17に示されるように、本発明の変形実施形態の空気混合部120は、吐出側124の端部に行くほど狭くなる形態の空気チューブ123を含み、当該空気チューブ123の吐出側124は、円錐形に形成されることができる。
【0194】
上記空気チューブ123は、空気圧によって開閉できるようにフレキシブルな素材により作ることができる。このような空気チューブ123は、ラテックスゴムのような素材により作ることができる。
【0195】
上記空気混合部120は、上記空気チューブ123の吐出側の近くに形成された空間部を含んでいる。したがって、上記空気チューブ123の吐出側124は、空気圧によって開放されることができる。
【0196】
また、上記空気混合部120は、上記空気チューブ123の空気吐出端に配置されて空気が通る多孔性部材127をさらに含むことができる。上記多孔性部材127としては、スポンジ(sponge)やメッシュネット(mesh net)等を用いることができる。
【0197】
上記多孔性部材127は、均一な圧力で空気が広がるようにすることにより、当該空気が水に混合されるときに騒音が生じることを防止する。また、空気の吐出面積が広がることにより、水と混合される比率を増やすことができるため、豊富な泡沫を含むソフトな水流を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0198】
本発明は、便器用ビデの構造を単純化し、組み立て及び分離を容易にし、必要に応じて殺菌物質の濃度を調節してノズルチップと便器を殺菌することができる。
【符号の説明】
【0199】
73 洗浄ノズル
75 ビデノズル
100 流路制御装置
110 第1のハウジング
113 第1のチャンバー
114 第2のチャンバー
115 第3のチャンバー
120 空気混合部
123 空気チューブ
127 多孔性部材
130 第1の流路調節ユニット
140 第1の流路連通部材
141 連通口
150 第1の流路開閉部材
160 第2のハウジング
170 第2の流路調節ユニット
180 第2の流路連通部材
181 連通口
181a、182a、183a、184a 段差部
190 第2の流路開閉部材
211 直水供給管
212 ノズルチップ殺菌管
221 連結管
222 便座殺菌管
230 殺菌水モジュール
240 反応物質添加モジュール
250 便器殺菌モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ以上のチャンバーが区画形成された第1のハウジングと、
前記第1のハウジングの内部に配置され、前記二つ以上のチャンバーの一つを開放して当該チャンバーに水が流入されるようにする第1の流路調節ユニットと、
前記第1のハウジングの一つのチャンバーに連結され、ビデノズル及び洗浄ノズルに形成された流路と連結された三つ以上の区画室に区切られる第2のハウジングと、
前記第2のハウジングの内部に配置され、前記三つ以上の区画室の一部を開放して当該一部の区画室に水が流入されるようにする第2の流路調節ユニットと
を含む、便器用ビデの流路制御装置。
【請求項2】
殺菌水を提供する殺菌水モジュールと、
前記流路制御装置の吐出側流路に連結される連結管と、
前記連結管とノズルチップ洗浄部に連結されるノズルチップ殺菌管と、
前記連結管と前記便器殺菌モジュールに連結される便器殺菌管とを含み、
前記ノズルチップ殺菌管及び前記便器殺菌管には、前記殺菌水モジュールで形成された殺菌水が供給される、請求項1に記載の流路制御装置を有する便器用ビデ。
【請求項3】
前記殺菌水モジュールは、前記連結管に連結され、当該連結管から吐出された水に電気を印加してイオン化させることにより殺菌水を形成する、請求項2に記載の便器用ビデ。
【請求項4】
前記連結管に連結されて前記殺菌水モジュールに流入される水に反応物質を添加することにより当該殺菌水モジュールで殺菌物質の生成量を増大させる反応物質添加モジュールをさらに含む、請求項3に記載の便器用ビデ。
【請求項5】
前記反応物質は、NaCl又はNaClOであり、
前記反応物質添加モジュールには、反応物質が水に露出されるように収容される、請求項4に記載の便器用ビデ。
【請求項6】
前記流路制御装置と殺菌水モジュールとを連結する直水供給管をさらに含む、請求項3に記載の便器用ビデ。
【請求項7】
前記第2のハウジングに連結された前記第1のハウジングの一つのチャンバーに連結され空気圧によって開放されてチャンバーに流入される水に空気を混合させる空気混合部をさらに含む、請求項1に記載の便器用ビデの流路制御装置。
【請求項8】
前記空気混合部は、空気が通ることができるように空気チューブの空気吐出側に配置された多孔性部材をさらに含む、請求項7に記載の便器用ビデの流路制御装置。
【請求項9】
前記多孔性部材は、スポンジ状又はメッシュ状に形成される、請求項8に記載の便器用ビデの流路制御装置。
【請求項10】
前記第1の流路調節ユニットは、
前記第1のハウジングの流入側に結合され、前記二つ以上のチャンバーにそれぞれ対応するように連通口が形成された第1の流路連通部材と、
前記第1のハウジングの内部に回転可能に設けられ、前記連通口の一つを選択的に開閉させることができるように開閉口が形成された第1の流路開閉部材と、


前記第1の流路開閉部材を回転させる駆動モータと
を含む、請求項2に記載の便器用ビデ。
【請求項11】
前記第2の流路調節ユニットは、
前記第2のハウジングの流入側に結合され、前記各区画室と対応するように連通口が形成された第2の流路連通部材と、
前記第2のハウジングの内部に回転可能に設けられ、前記連通口の一部を選択的に開閉させる第2の流路開閉部材と、
前記第2の流路開閉部材を回転させる駆動モータと
を含む、請求項10に記載の便器用ビデ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−521506(P2012−521506A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501943(P2012−501943)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001884
【国際公開番号】WO2010/110628
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】