説明

便器装置

【課題】前パーツと後パーツの境界部から便器内に汚水が侵入することを防止できる便器装置を提供する。
【解決手段】便器2がボウル1を有する前パーツ2aと後パーツ2bとで構成される。前パーツ2aの便座載置部34の両側端部を後方に延出して延出部82を形成する。延出部82の後端部は便座載置部34よりも上方に位置する。後パーツ2bの上面部の両側端部の前縁から端部垂下片92を垂設する。延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部を対向させる。便座7の両側端部から便座被枢支部7aを後方に突出する。延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cを前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態の便座7及び起立した状態の便座7によって隠れる位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂製の便器を備えた便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から便器をボウルを備えた前パーツと後パーツで構成した便器装置が利用されている(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしこのように便器を前パーツと後パーツで構成した場合、前パーツにおいてボウルの上開口の周縁部を構成して便座が載置される部分となる便座載置部上にかかった汚水が後方に流れて前パーツと後パーツの境界部に至ったり、前パーツと後パーツの境界部に男子小便等の汚水が直接かかったりして、これら汚水が便器内に侵入する恐れがある。また便座として両側端部から便座被枢支部を後方に突出した一般的な便座を採用した場合には、前パーツの便座載置部において閉じた便座の便座被枢支部間に位置する部分に立上壁を立ち上げ、該立上壁により便座載置部上の汚水が立上壁よりも後方に流れることを防止することはできるが、便座被枢支部の下方にはこのような立上壁を便座被枢支部があるために形成することができず、この場合は便座載置部上の両側端部から後方に汚水が流れ、前記前パーツと後パーツの境界部から汚水が浸入してしまう。
【特許文献1】特開2003−41645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、前パーツと後パーツの境界部から便器内に汚水が侵入することを防止できる便器装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る便器装置は、便器2がボウル1を有する前パーツ2aと後パーツ2bとで構成され、前パーツ2aはボウル1の上開口1aの周縁部を構成して便座7が載置される部分となる便座載置部34を有し、便座載置部34の両側端部を後方に延出して延出部82を形成し、該延出部82の後端部は前方に位置する便座載置部34の上面よりも上方に位置し、後パーツ2bの上面部の両側端部の前縁から端部垂下片92を一体に垂設し、延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部を対向させ、便座7の両側端部から便座被枢支部7aを後方に突出し、各便座被枢支部7aが延出部82上に配置されると共に便器2に枢支されて便座7が起倒自在となり、前記延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cを前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態の便座7及び起立した状態の便座7によって隠れる位置に配置して成ることを特徴とする。
【0006】
上記のように前パーツ2aの延出部82の後端部を便座載置部34の上面よりも上方に位置させることで延出部82上を流れる汚水が延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cに至ることを防止でき、またこの境界部93cを前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態の便座7及び起立した状態の便座7によって隠れる位置に配置したので、便座7を起立させた状態及び倒した状態のいずれの状態においても、境界部93cに汚水が直接かかることを防止できる。
【0007】
また請求項2は請求項1において、便座載置部34の後縁中央に前記両延出部82間に位置する立上壁81を一体に立ち上げ、後パーツ2bの上面部の前縁中央から前垂下片90を一体に垂設し、立上壁81の上端部と前垂下片90の下端部を対向させ、立上壁81に着座センサー用窓部95を形成し、便器2に内装した光学式の着座センサーを着座センサー用窓部95を介して前方に臨ませ、便器2に起倒自在に設けた便蓋9は倒した状態で前記前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93aを覆うことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、前パーツ2aの便座載置部34の後縁中央に立ち上げた立上壁81により便座載置部34上を後方に流れる汚水をせき止めることができ、前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93cに汚水が至ることを防止できる。また着座センサーで便座7に着座した人を検知するには、立上壁81において倒した便座7よりも上方位置に着座センサー用窓部95を配置し、着座センサー用窓部95の前方に倒した便座7が位置しないようにする必要があるが、この場合は前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93aの前方を倒した便座7によって覆うことができず、該境界部93aが外部に露出して外観を損ねる。しかし本発明にあっては便器2に起倒自在に設けた便蓋9は倒した状態で境界部93aを覆うようになっているので、便蓋9を倒した状態では境界部93aが外部に露出せず外観を向上できる。
【0009】
また請求項3は請求項2において、立上壁81の上部に上方に開口する窓形成用切欠部94を形成し、窓形成用切欠部94の上方開口を前垂下片90で閉塞して、窓形成用切欠部94の周縁と前垂下片90の下縁で囲まれてなる開口部に前記着座センサー用窓部95を設けて成ることを特徴とする。
【0010】
着座センサー用窓部95をより高い位置に配置できて着座センサー用窓部95に直接汚水がかかったり、着座センサー用窓部95から汚水が浸入することを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、前パーツの延出部の後端部を便座載置部の上面よりも上方に位置させることで延出部上を流れる汚水が延出部の後端部と端部垂下片の下端部の境界部に至ることを防止でき、また延出部の後端部と端部垂下片の下端部の境界部を前面視で便座載置部上に載置して倒した状態の便座及び起立した状態の便座によって隠れる位置に配置したので、便座を起立させた状態及び倒した状態のいずれの状態においても、便座により延出部の後端部と端部垂下片の下端部の境界部に汚水が直接かかることを防止でき、これらにより延出部の後端部と端部垂下片の下端部の境界部から便器内に汚水等が浸入することを防止できる。
【0012】
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、便蓋を倒した状態では前垂下片の下端部と立上壁の上端部の境界部が外部に露出せず外観を向上できる。
【0013】
また請求項3に係る発明では、請求項2に係る発明の効果に加えて、立上壁の上端部に窓形成用切欠部を形成するだけで立上壁に着座センサー用窓部を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1は本実施形態の一例の便器装置の分解斜視図であり、図2乃至図7は便器装置の外観図である。便器装置は図1に示すようにボウル1を備えた便器2で主体を構成してあり、便器2は床14上に設置した鉄などの金属製の支持フレーム3に取付けてある。
【0015】
便器2の上面後端部には立上部4を立ち上げ形成してあり、立上部4を含む便器2自体の後部には後述の便器付属装置やトラップ筒を設けたトラップケース27や洗浄液タンク46を内蔵している。立上部4の前部の両側端部には前方、上方、外側方の3方に開口した空所部からなる被枢支部収納部6を形成している。各被枢支部収納部6の前部には便座7の後端部の両端部から後方に突設した便座被枢支部7aを配置し、後部には便蓋9の後端部の両端部から後方に突設した便蓋被枢支部9aを配置している。各被枢支部収納部6の側面部の前部には便座枢支部8を形成してあり、後部には便蓋枢支部10を形成している。各便座枢支部8には便座被枢支部7aを回動自在に枢支してあり、これにより便座7を起倒自在としている。また各便蓋枢支部10には便蓋被枢支部9aを回動自在に枢支してあり、これにより便蓋9を起倒自在自在としている。便器2はボウル1を備えた前パーツ2aと後パーツ2bで構成してあり、前パーツ2a及び後パーツ2bは共に合成樹脂製である。前パーツ2a及び後パーツ2bは支持フレーム3に夫々独立して取付けられる。前パーツ2aは、ボウル部11と、ボウル部11の上端部に配置するリム部12と、ボウル部11とリム部12で構成したボウル1の外側を覆うスカート部13を備えており、これら合成樹脂製のボウル部11、リム部12、スカート部13を溶着一体化することで前パーツ2aを構成している。
【0016】
後パーツ2bは、便器付属装置を設けた装置支持ケース15と、装置支持ケース15の上方を覆う上カバー16と、上カバー16の背板部88の下方に配置されるリアカバー17と、リアカバー17の上部両側端部の夫々の前方に配置される上サイドカバー18と、リアカバー17の下部両側端部の前方に配置される下サイドカバー19とからなり、装置支持ケース15、上カバー16、リアカバー17、両上サイドカバー18、両下サイドカバー19はいずれも合成樹脂製である。そして後パーツ2bの上カバー16で便器2の後部上端部の外郭が構成され、リアカバー17で上カバー16下方の便器2の後面が構成され、上サイドカバー18と上サイドカバー18下方の下サイドカバー19で上カバー16下方の便器2の側面が構成される。
【0017】
図8に示すように支持フレーム3は、床14にパッキン20(図17参照)を介して設置される下フレーム3aと、下フレーム3aの後部上方に位置する上フレーム3bと、下フレーム3a及び上フレーム3bを接続する縦フレーム3cとで構成してあり、下フレーム3aをボルト等の固着具により床14に固着することで固定されている。
【0018】
下フレーム3aは平面視環状の角状パイプからなる下フレーム材26の両側を下連結材22で連結して形成してある。下フレーム材26の前部は平面視で後方に開口する馬蹄形状に形成してあり、前パーツ載置部21となっている。下フレーム材26の両側の後部にはトラップケース取付部23を設けてあり、各トラップケース取付部23には後述のトラップケース27の両側端部の夫々がビス58で固着される。
【0019】
上フレーム3bは前後に長い角状パイプからなる上フレーム材29を両側に配置し、上フレーム材29の前端同士を上連結材30で連結して形成している。各上フレーム材29の上面には支持ケース取付板59を設けている。また各上フレーム材29の下面にはアーム取付部118を設けてあり、各アーム取付部118には肘掛用のアーム119の一端が回動自在に取付けられる。なおアーム119は設けなくても良いものとする。縦フレーム3cは下フレーム材26の後部の前後両側の夫々から立設したパイプからなる縦フレーム材28で構成してあり、各縦フレーム材28の上端は上フレーム材29に接続されている。
【0020】
図9及び図10に示すように後パーツ2bの装置支持ケース15上には、便器付属装置として、局部洗浄装置5a、臀部乾燥用の送風装置5b、ボウル1内の臭気を脱臭するための脱臭装置5c、ボウル1内に洗浄液を供給するボウル洗浄装置5dを取付けてあり、該装置支持ケース15は上フレーム3bに設けた支持ケース取付板59に載置され、該支持ケース取付板59に図示しないビス等の固着具により取付けてある。
【0021】
図11及び図12に示すスカート部13は水平断面で後方に開口する略C字状の壁状に
形成してあり、ボウル1の後部を除く外側を覆っている。またスカート部13の両側の後縁は下方程前方に位置するように傾斜している。スカート部13の内面の上部にはスカート部13の周方向に沿って段差部31を形成している。スカート部13の段差部31の上面よりも下方の内面には上下に伸びる補強リブ25をスカート部13の周方向に間隔を介して一体に突出してあり、これら補強リブ25はスカート部13の周方向の全長に亘る範囲に多数形成されている。各補強リブ25の上端面は段差部31の上面と面一であり、各補強リブ25の上端面と段差部31の上面とでボウル部載置面32を構成している。
【0022】
図11及び図13に示すボウル部11の上端にはフランジ33を外方に向けて一体に突出してあり、フランジ33はボウル部11の後側を除く全長に亘って形成されている。ボウル部11はスカート部13内の上部に上方から嵌め込み、フランジ33をボウル部載置面32に載置して溶着することでスカート部13と一体化してある。
【0023】
図11及び図14に示すリム部12はボウル1の上開口1aの周縁部を構成する便座載置部34と、便座載置部34から下方に一体に突出してボウル1の上端部を構成する嵌込部35とからなる。便座載置部34は前パーツ2aの上面を構成するものであり、倒した状態の便座7が載置される部分となる。便座載置部34の前側から側部に亘る縁部をスカート部13の上端縁部に載置して溶着すると共に、嵌込部35をボウル部11上に載置して溶着することで、リム部12はスカート部13及びボウル部11と一体化してある。
【0024】
図18に示すようにボウル部11とリム部12の嵌込部35で構成されるボウル1は、その周壁部の上端部にボウル1の内側に向けて開口する断面コ字状の洗浄液流路部36をボウル1の周方向の全長に亘って形成している。洗浄液流路部36においてボウル1の一方の側端部(右側端部)且つ後端部に位置する部分には前後に貫通する洗浄液噴出口37(図11や図13参照)を形成してあり、ボウル洗浄装置5dから送られた洗浄液は洗浄液噴出口37を介してボウル1の洗浄液流路部36内に臨んでいる。従って洗浄液噴出口37から前方に向けて噴出した洗浄液はボウル1の周方向に亘る洗浄液流路部36に沿って流れ、これによりボウル1内に洗浄液の旋回流が生じ、該旋回流によりボウル1の内面を洗浄できるようになっている。
【0025】
図11に示すようにボウル部11の底部には後方に向けて排水筒部42を一体に突設してあり、排水筒部42にはトラップの一端部が接続される。トラップはターントラップ方式のもので、フレキシブルなトラップ筒(図示せず)により構成してあり、モータ(図示せず)によりトラップ筒を回動して、トラップ筒が上向きU字状となったトラップ構造となる状態と、略逆L字状となってトラップ構造が解除される状態とを選択できるようになっており、通常はトラップ筒が上向きU字状となったトラップ構造となっていてボウル1内の下部、排水筒部42、トラップ筒内に水が溜まった状態となっていて、この状態で大便や小便を行い、大便や小便が終わると、後述のように洗浄液噴出口37から洗浄液を流すと共に、トラップ筒を回動してトラップ構造を解除する状態として、汚物と共に汚水を排水するようになっている。上記フレキシブルなトラップ筒、モータ等は図19に示すトラップケース27内に収納してあり、該トラップケース27は装置支持ケース15の下方に形成された収納部122に配置されて前述したように支持フレーム3に取付けてある。なお、トラップケース27の下部は開口していてトラップ筒の端部が床14に形成される排水筒に接続される。
【0026】
トラップケース27の一方(右側)の側面部には螺子孔43を形成してあり、螺子孔43には受具係止部として図示しないねじ具を螺着している。ねじ具にはタンク受部材44に設けた係止孔45を着脱自在に係止してあり、これによりトラップケース27の右側の側面部にタンク受部材44を着脱自在に取付けている。タンク受部材44は洗浄液タンク46を係止した状態で受けるものであり、これにより洗浄液タンク46はタンク受部材44に着脱自在に取付けられている。洗浄液タンク46はボウル洗浄装置5dに設けた水流路にポンプを介して接続してあり、ポンプを駆動することで水源に接続された水流路に洗浄液タンク46内の洗浄液を送って水流路を流れる水と混合し、この水で希釈した洗浄液を洗浄液噴出口37からボウル1内に噴出できるようになっている。またトラップケース27の洗浄液タンク46とは反対側である左側には停電時にトラップ筒を手動で回動するための操作レバーや、便器付属装置に接続した配線などが配設してある。
【0027】
図1や図14に示すようにボウル1の上端部を構成するリム部12の嵌込部35の後端部には洗浄ノズル出し入れ用開口部49と送風用開口部50を左右に並べて形成している。局部洗浄装置5aに設けた局部洗浄用ノズル51を洗浄ノズル出し入れ用開口部49を介してボウル1内に出し入れしたり、送風装置5bに設けたダクト52の先端部から噴出する温風又は冷風を送風用開口部50を介してボウル1内に噴出したりできるようになっている。また嵌込部35の後端部において、洗浄ノズル出し入れ用開口部49及び送風用開口部50とは左右方向にずれた位置には、脱臭用開口部53と発光用開口部54を形成している。脱臭用開口部53に連通する位置にある脱臭装置5cによりボウル1内の臭気を吸い込んで脱臭したり、装置支持ケース15に設けたLEDのような発光体を発光用開口部54を介してボウル1内に臨ませて、該発光体によりボウル1内を明るく照らしたりできるようになっている。またスカート部13の前部両側にはスピーカー嵌込孔56を形成してあり、各スピーカー嵌込孔56には便器付属装置としてスピーカー装置5eを嵌め込んで取付けている。
【0028】
図1や図22等に示すようにリム部12の便座載置部34の後縁の左右方向の中央部(即ちボウル1の上開口1aの後方に位置する部分)にはボウル1の上開口1aの後縁に沿う立上壁81を一体に立ち上げており、立上壁81で便座載置部34上の汚水が後方に流れることを防止できる。便座載置部34の両側端部の後端部は立上壁81よりも後方に延出して延出部82を形成してあり、立上壁81は両延出部82間に位置する。各延出部82の後端はスカート部13の上端の後端よりも後方に位置し、スカート部13の後端と上サイドカバー18の前端の境界部の上端から汚水が浸入することを防止している。各延出部82の他の延出部82側の縁部には側壁83を立設し、各側壁83の前端は立上壁81の側端に一体に接続している。
【0029】
各延出部82の上面は後方に行く程徐々に上方に位置するように傾斜した傾斜面85aとなっている。便座載置部34の上面においてボウル1の上開口1aの前後方向の中間部よりも後方の部分は後方に行く程徐々に上方に位置するように傾斜した傾斜面85bとなっている。各延出部82の上面である傾斜面85aは傾斜面85bの両側端部を後方に延出したものであり、傾斜面85bと滑らかに連続した面となっている。このように延出部82の上面及び便座載置部34の後部上面を傾斜面85a、85bとすることで同部に汚水がかかった場合にこの汚水を前方に流してボウル1内に誘導できる。また各傾斜面85aの前端は傾斜面85bの両側端部の後端と滑らかに連続しているので、傾斜面85aに付着した汚れは布などで容易に拭き取ることができる。なお傾斜面85bよりも前方の便座載置部34の上面は略水平な面となっている。
【0030】
図12、図15、図17に示すように前パーツ2aのスカート部13の下部にはスカート部13の周方向に伸びるフランジ状の載置横片60を内側に向けて一体に突出してあり、該載置横片60はスカート部13の周方向の両端部を除く全長に亘って形成されている。載置横片60の周方向の複数箇所には取付用孔60aを穿設している。スカート部13の周方向の全長に亘る下端部は載置横片60よりも下方に突出して下フレーム覆い部61としている。スカート部13の両側の後部にはスカート部13の後縁に沿って縦片状の縦フレーム取付部62を内側方に向けて一体に突出している。各縦フレーム取付部62は上端がスカート部13の上下方向の中程に位置し、下端は載置横片60の後端に一体に接続され、補強がなされている。各縦フレーム取付部62にはスリーブ用孔62aを上下に複数穿設している。スカート部13の両側の後端部(即ち周方向の両端部)は縦フレーム取付部62よりも後方に突出し、同部の内面は縦フレーム材沿面63となっている。
【0031】
また支持フレーム3の前パーツ載置部21の前記各取付用孔60aに対応する位置には取付用孔21aを穿設している。支持フレーム3の前側一対の縦フレーム材28aは角状パイプからなり、該縦フレーム材28aの前記各スリーブ用孔62aに対応する位置には固着用孔28a1を穿設している。また各縦フレーム取付部62を縦フレーム材28aに取付けるには縦フレーム取付部62の前面に沿う金属製の補強板64(図15及び図16参照)が用いられ、各補強板64の前記各スリーブ用孔62aに対応する位置にはビス用孔64aを穿設している。また装置支持ケース15の前端部には挿入部15a(図1等参照)を形成してあり、リム部12の便座載置部34の後端部の前記挿入部15aに対応する位置には後方に開口する嵌込凹所66(図11参照)を形成している。
【0032】
上記スカート部13、ボウル部11、リム部12を一体化してなる前パーツ2aを支持フレーム3に取付けるには、装置支持ケース15の挿入部15aをリム部12の嵌込凹所66に嵌め込み、同時にスカート部13の載置横片60を下フレーム3aの前パーツ載置部21上に載置すると共に、各縦フレーム取付部62を対応する縦フレーム材28aの前面に沿わせ、載置横片60と前パーツ載置部21をビス65で固着すると共に、各縦フレーム取付部62と対応する縦フレーム材28aをビス67で固着する。
【0033】
上記載置横片60の前パーツ載置部21への取付けは、図17に示すように載置横片60をパッキン68を介して前パーツ載置部21に載置し、各取付用孔21aに下方から挿通した皿頭ビス65の軸部をパッキン68及び取付用孔60aに挿通し、このビス65の載置横片60よりも上方に突出した軸部を、ゴム製パッキン69、金属製ワッシャ70、金属製ばね座金71に順に挿通し、該軸部の先端部にナット121を螺合し、ワッシャ70と前パーツ載置部21でパッキン68、69を介して載置横片60を挟持し、これにより載置横片60と前パーツ載置部21を締結する。またこの時、下フレーム覆い部61は前パーツ載置部21の外周側面側に配置されて前パーツ載置部21が覆われ、また各縦フレーム材沿面63は縦フレーム材28aの外側面に当接又は若干の隙間を介して沿わせられる。なお図中73は下フレーム覆い部61の内面に設けたシール材であり、前パーツ載置部21と床14との間をシールする。
【0034】
また上記各縦フレーム取付部62の縦フレーム材28aへの取付けは、図16に示すように縦フレーム取付部62を縦フレーム材28aの前面にゴムシートからなるパッキン74を介して沿わせると共に、補強板64を縦フレーム取付部62の前面にゴムシートからなるパッキン75を介して沿わせ、各固着用孔28a1に前方から挿通したビス67の軸部を、パッキン75、スリーブ用孔62a、パッキン74に挿通させたスリーブ76と、ビス用孔64aに順に挿通し、このビス67の補強板64から前方に突出した軸部にナット77を螺合し、補強板64と縦フレーム材28aでパッキン74、75を介して縦フレーム取付部62を挟持し、これにより各縦フレーム取付部62と対応する縦フレーム材28aを締結する。
【0035】
図17に示すように下フレーム覆い部61の載置横片60からの下方への突出長さは、スカート部13の下端である下フレーム覆い部61の下端と支持フレーム3の床14への設置面となる前パーツ載置部21の下面との間に隙間78が形成される寸法としてあり、これによりスカート部13にかかる下方向の荷重は略全て下フレーム3aの前パーツ載置部21で受けられるようになっている。また前パーツ載置部21の外側面と下フレーム覆い部61の内面との間には隙間79が形成されるように設定してあり、これにより下フレーム覆い部61の内側に下フレーム3aの前パーツ載置部21を容易に嵌め込めるようにしてある。
【0036】
図1及び図24に示すようにリアカバー17の内面上端部の両側には係合部97を一体に突設してあり、内面下端部の両側には載置片98を一体に突設している。また図20に示すように装置支持ケース15の背面部の下端部の各係合部97に対応する位置には被係合部99を形成している。リアカバー17を取付けるには、各係合部97を装置支持ケース15の被係合部99に係止すると共に各載置片98を平面視環状の下フレーム材26の後端部上に載置し、各載置片98と下フレーム材をビス等の固着具で固着する。これによりリアカバー17は装置支持ケース15の所定位置に取付けられる。
【0037】
また図24に示すようにリアカバー17の内面の下部には正面視略コ字状のリブを突出してあり、このリブにより一側方(洗浄液タンク46と反対側の左側方)に開口して該開口を装置差込口120aとした凹所からなる装置取付部120を形成している。装置取付部120には便器付属装置として図示しない音声発生装置を装置差込口120aから差し込んで配置できるようにしてある。音声発生装置は前述のスカート部13に設けた各スピーカー装置5eに配線で接続してあり、例えば便座7に人が着座した場合に各スピーカー装置5eから鳥の鳴き声等のリラックス効果を高める音声を出せるようにしている。なお音声発生装置は装置取付部120に着脱自在に取付けられるようにしても良い。
【0038】
図25に示すように上サイドカバー18の後部は後方程内側に位置するように湾曲し、該上サイドカバー18の内面の後端部の上下2箇所には側方に突出する差込部100を形成している。図24に示すリアカバー17の内面の側端部上部の各差込部100に対応する上下2箇所には突片101を一体に突設してあり、各突片101には左右方向に貫通する差込孔102を形成している。また上サイドカバー18の内面の前部の上下2箇所には水平断面L字状の係止片103を突設している。また図27のようにスカート部13の両側の後端部はこれよりも前方の部分よりもスカート部13の内側に位置するように段差104を介して接続してあり、このうち上サイドカバー18に対応する部分は後方に突出する差込片部106となっており、各差込片部106の内面において各係止片103に対応する位置には後方に開口する係止凹部107を形成している。
【0039】
上サイドカバー18を取付けるには、上サイドカバー18の後端縁面をリアカバー17の側端縁面の上部に合わせて上サイドカバー18の外面とリアカバー17の外面が面一となるように配置し、各差込部100をリアカバー17の対応する差込孔102に差し込んで前後方向に位置決めした状態で係止すると共に、図27に示すように上サイドカバー18の外面とスカート部13の外面が面一となるように上サイドカバー18の前端縁部をスカート部13の差込片部106の外面側に配置し、上サイドカバー18の内面と各係止片103の間に形成された後方に開口する差込溝108にスカート部13の両側の後端部を差し込んで左右方向に位置決めした状態で係止し、同時に、各係止片103の先端部を係止凹部107に差し込んで上下方向に位置決めした状態で係止する。
【0040】
上記のように取付けられた左右の上サイドカバー18のうち一方(右側)の上サイドカバー18には操作器用孔110を形成してあり、装置支持ケース15に設けた操作器111の操作部111aが操作器用孔110を介して便器2の外面側に露出するようにしている。なお操作器111は操作部111aを操作することで既述の局部洗浄装置5a、送風装置5b、脱臭装置5c、ボウル洗浄装置5d等を操作できるものである。また右側の上サイドカバー18の後部には下方に開口する給水管用切欠部105を形成してあり、給水管用切欠部105に外部給水管(図示せず)を挿通して便器付属装置に接続できるようになっている。
【0041】
図25に示す下サイドカバー19の内面の後端部の上部及び下端部の前後2箇所の夫々には磁石取付部112を設けてあり、各磁石取付部112には磁石113a、113bを設けている。図24に示すようにリアカバー17の内面の両側端部において前記下サイドカバー19の上部に設けた磁石取付部112に対応する位置には鉄板取付部114を設けてあり、鉄板取付部114には鉄板117を設けている。下サイドカバー19の内面の上部の前部には係止突部115を一体に突設してあり、上サイドカバー18の内面の下端部の前部において係止突部115に対応する位置には係止突部115が挿入係止される孔を有する被係止部116を一体に突設している。
【0042】
下サイドカバー19を取付けるには、下サイドカバー19の後端縁面をリアカバー17の側端縁面の下部に合わせて下サイドカバー19の外面とリアカバー17の外面が面一となるように配置し、且つ下サイドカバー19の外面とスカート部13の外面が面一となるように前端縁部をスカート部13の差込片部106の外面側に配置し、下側2箇所に設けた磁石113aを支持フレーム3の下フレーム3aの後部の両外側面に磁力により取付けると共に上側に設けた磁石113bを鉄板117に磁力により取付け、同時に係止突部115を上サイドカバー18の被係止部116に係止して位置決めする。このように取付けた各下サイドカバー19によって装置支持ケース15下方の収納部122に対向する便器2の後部側壁の下部が構成され、このうち右側の下サイドカバー19により前述の洗浄液タンク46が覆い隠され、また左側の下サイドカバー19により、装置取付部120に設けた音声発生装置、操作レバー、配線などが覆い隠される。
【0043】
上記下サイドカバー19の係止突部115と上サイドカバー18の被係止部116は係脱自在に係止してあり、係止突部115と被係止部116の係止は下サイドカバー19を左右方向の外側に移動すれば容易に解除できるようになっている。従って下サイドカバー19を外側に移動すれば、係止突部115と被係止部116の係止が解除されると共に、磁力により引っ付けられた下サイドカバー19の磁石113a、113bがリアカバー17や支持フレーム3から外され、これにより下サイドカバー19を容易に取り外すことができる。このように便器2の側壁の一部を構成する下サイドカバー19を着脱自在とすることで、洗浄液タンク46、トラップケース27に設けたターントラップ等のメンテナンスが行えるようになっている。
【0044】
また下サイドカバー19の前部には上方に開口するアーム用切欠部109を形成してあり、上サイドカバー18とアーム用切欠部109で囲まれてなる孔を前記アーム119を挿通するための孔として利用している。
【0045】
図22及び図26に示す後パーツ2bの上カバー16は、後パーツ2bの上面部を構成する天板部86と、天板部86の後部両側縁の夫々から垂下した側板部87と、天板部86の後縁から垂下した背板部88を備え、天板部86、両側板部87、背板部88の夫々で装置支持ケース15の上側、後部両側、後側を覆っている。
【0046】
上カバー16の天板部86の前半部86aは後半部86bの左右方向の中央から前方に突出してあり、前半部86aの両側端部には切欠89を形成している。前半部86aの前縁からは前垂下片90を垂設している。前垂下片90は前半部86aを前斜め下方に向けて延出して形成してあり、前側程下方に位置するように湾曲している。各切欠89の側縁及びこれに連続する前垂下片90の側縁からは側垂下片91が一体に垂下し、各切欠89の後縁からは端部垂下片92が一体に垂下している。各端部垂下片92は上面が延出部82の上面である傾斜面85aと連続したような外観となるように側断面で前方に開口する弧状に形成されている。各端部垂下片92の一端部は側垂下片91の後端に接続され、他端部は側板部87の前端の上部に接続されている。各側垂下片91の前垂下片90に接続した前部と天板部86の前半部86aに接続した後部の夫々には前述の便座枢支部8と便蓋枢支部10を形成してあり、便座枢支部8と便蓋枢支部10には便座7及び便蓋9を取付けている。ここで便座枢支部8は便蓋枢支部10よりもやや下方に位置しており、便座枢支部8に対応する各側垂下片91の前部を後部よりも下方にやや突出している。
【0047】
上記両側板部87の夫々の下端部には固着用孔123を形成した固着片124を突設している。また装置支持ケース15の後部の両側面部の夫々にはビス孔15bを形成している。
【0048】
上カバー16を装置支持ケース15に取付けるには、装置支持ケース15の上側に上カバー16を被せ、この状態で各固着用孔123にビス126(図2等参照)を挿通し、このビス126をビス孔15bに螺合する。この時、前垂下片90の下端部を立上壁81の上端部の前面側に重複させて対向させ、各側垂下片91の下端部を側壁83の上端部の外側に重複させて対向させ、各端部垂下片92の下端部を便座載置部34よりも上方に突出した延出部82の後端部の前面側に重複させて対向させ、各側板部87の下部前端部を延出部82の側面部の内面側に重複させて対向させる。なおこの時、前垂下片90の下端面、各側垂下片91の下端面、各端部垂下片92の下端面は、立上壁81の上面、側壁83の上面、延出部82の後端部の上面に接合しても良いし、接合しなくても良いものとする。
【0049】
上記のように上カバー16を装置支持ケース15に取付けて上カバー16とリム部12の適宜箇所を接合することで、上カバー16と、リム部12の立上壁81、各側壁83、各延出部82で立上部4が形成される。また同時に、上カバー16の各側垂下片91と対応するリム部12の側壁83で各被枢支部収納部6の側面部が形成され、上カバー16の各端部垂下片92で各被枢支部収納部6の後面部が形成され、またリム部12の各延出部82で各被枢支部収納部6の下面部が形成される。
【0050】
上記上カバー16の前垂下片90の下端部はリム部12の立上壁81の上端部の前側に重複し、各側垂下片91の下端部は対応する側壁83の上端部の外面側に重複し、各端部垂下片92の下端部は対応する延出部82の上方に立ち上げた後端部の前側に重複する。従って上カバー16とリム部12の境界部、即ち前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93a、各側垂下片91の下端部と対応する側壁83の上端部の境界部93b、各端部垂下片92の下端部と対応する延出部82の後端部の境界部93c等から汚水等が立上部4内に侵入することが防止される。
【0051】
また各端部垂下片92の下端部と対応する延出部82の後端部の境界部93cは、各被枢支部収納部6に配置した便座被枢支部7aや便蓋被枢支部9aよりも後方に位置するが、各境界部93cは図5に示すように起立した便座7の便座被枢支部7aの下端よりも上方に位置し、且つ図3に示すように倒れた便座7の便座被枢支部7aの下端よりも上方に位置し、これにより各境界部93cは前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態の便座7及び起立した状態の便座7によって隠れる位置に配置される。このようにすると、起倒自在の便座7が起立状態又は倒れた状態のいずれの状態にあっても、正面視で便座被枢支部7aにより後方の境界部93cを隠すことができ、汚水が境界部93cから立上部4内に侵入することを防止できる。
【0052】
また図23に示すように倒した状態の便蓋9の上面は上カバー16の天板部86の上面及び前垂下片90の前面と面一に連続するような面としてあり、この倒した状態の便蓋9の上板部及び上板部の周縁から垂下した周側板部によって、上カバー16とリム部12の境界部、即ち前垂下片90と立上壁81の境界部93a(前垂下片90の下縁)の前方、各側垂下片91と側壁83の境界部93b(側垂下片91の下縁)の側方、端部垂下片92と延出部82の境界部93c(端部垂下片の下縁)の前方の夫々を覆い隠すようになっている。
【0053】
また図2に示すようにリム部12の立上壁81の上端部は倒した便座7(詳しくは便座被枢支部7aよりも前方の部分)よりも上方に突出しており、該立上壁81の左右方向の中央部には上方に開口する窓形成用切欠部94を形成している。窓形成用切欠部94の上方開口は図2等に示すように上カバー16の前垂下片90によって閉塞され、前垂下片90の下縁と窓形成用切欠部94によって囲まれてなる開口部には着座センサー用窓部95が設けられる。着座センサー用窓部95は立上壁81において倒した便座7(詳しくは便座被枢支部7aよりも前方の部分)よりも上方位置に配置され、着座センサー用窓部の前方に倒した便座が位置しないようにしている。つまり着座センサー用窓部95は前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態にある便座7によって覆い隠されない位置に配設される。装置支持ケース15に設けた図示しない赤外線式のセンサー等からなる光学式の着座センサーは着座センサー用窓部95を介して立上部4の前方に臨んでおり、この着座センサーにより着座センサー用窓部95前方の便座7に着座した人を検知できるようになっている。なおこの着座センサーは例えば便座7に人が着座した時に自動的に脱臭装置5cを駆動させる際などに利用される。
【0054】
また上カバー16の前垂下片90の下部には人体検知センサー用窓部96を設けている。人体検知センサー用窓部96は図23に示すように便蓋9を倒した状態で、便蓋9の便蓋被枢支部9aよりも前方の部分よりも上方に位置し、前面視で倒れた便蓋9によって覆い隠されない位置に配設される。装置支持ケース15に設けた図示しない赤外線式のセンサー等からなる光学式の人体検知センサーは人体検知センサー用窓部96を介して立上部4の前方に臨んでいる。人体検知センサーにより便器2の前方に居る人を検知できるようになっている。なおこの人体検知センサーは例えばトイレに人が入室して便器2の前方に人が来た時に図示しないモータにより自動的に便蓋9を起立させる際などに利用される。
【0055】
以上説明したように本発明の便器装置は、前パーツ2aの延出部82の後端部を便座載置部34の上面よりも上方に位置させることで延出部82上を流れる汚水が延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cに至ることを防止でき、また延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cを前面視で便座載置部34上に載置して倒した状態の便座7及び起立した状態の便座7によって隠れる位置に配置したので、便座7を起立させた状態及び倒した状態のいずれの状態においても、便座7により延出部82の後端部と端部垂下片92の下端部の境界部93cに汚水が直接かかることを防止でき、これらにより境界部93cから便器内に汚水等が浸入することを防止できる。
【0056】
また図23に示すように便器2に起倒自在に設けた便蓋9は倒した状態で前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93cを覆うようになっているので、着座センサー用窓部95を形成するために高い位置に配置される前垂下片90の下端部と立上壁81の上端部の境界部93cを便蓋9で覆って外観を向上できる。
【0057】
また立上壁81の上部に上方に開口する窓形成用切欠部94を形成し、窓形成用切欠部94の上方開口を前垂下片90で閉塞して、窓形成用切欠部94の周縁と前垂下片90の下縁で囲まれてなる開口部に着座センサー用窓部95を設けたので、着座センサー用窓部95をより高い位置に配置できて着座センサー用窓部95に直接汚水がかかったり、着座センサー用窓部95から汚水が浸入することを防止できる。
【0058】
なお上記実施形態においてはターントラップ式の便器装置の例で説明したが、これにのみ限定されず、サイフォン式やサイフォンジェット式、あるいは洗い流し式のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、便器装置の分解斜視図である。
【図2】同上の便器装置の便蓋を起立し且つ便座を倒した状態の斜視図である。
【図3】同上の便器装置の便蓋を起立し且つ便座を倒した状態の右側面図である。
【図4】同上の便器装置の便蓋及び便座を起立した状態の斜視図である。
【図5】同上の便器装置の便蓋及び便座を起立した状態の便器装置の右側面図である。
【図6】同上の便器装置の便蓋及び便座を起立した状態の正面図である。
【図7】同上の便器装置の底面図である。
【図8】同上の支持フレームの斜視図である。
【図9】同上の便器付属装置を設けた装置支持ケースを前側から見た斜視図である。
【図10】同上の便器付属装置を設けた装置支持ケースを後側から見た斜視図である。
【図11】同上の前パーツの分解斜視図である。
【図12】同上のスカート部を示し、(a)は後側から見た斜視図、(b)は前側から見た斜視図、(c)は後側から見た透視斜視図、(d)は前側から見た透視斜視図である。
【図13】同上のボウル部の平面図である。
【図14】同上のリム部の底面図である。
【図15】同上のスカート部と支持フレームの取付構造を示す斜視図である。
【図16】同上のスカート部の縦フレーム取付部と支持フレームの縦フレームの接続構造を示す側断面図である。
【図17】同上のスカート部の載置横片と支持フレームの前パーツ載置部の接続構造を示す正断面図である。
【図18】同上の便器の一部図示を省略した側断面図である。
【図19】(a)は同上のトラップケースに洗浄液タンクを取付けた状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の分解斜視図である。
【図20】同上の支持フレーム及び支持フレームに取付けた装置支持ケースにリアカバーを取付ける前の状態を示す斜視図である。
【図21】同上の支持フレーム及び支持フレームに取付けた装置支持ケースにリアカバーを取付けた状態を示す斜視図である。
【図22】同上の前パーツと上カバーを示す斜視図である。
【図23】同上の便器装置の便蓋を倒した状態を示す要部斜視図である。
【図24】同上のリアカバーの前面(内面)側から見た斜視図である。
【図25】同上の上サイドカバー及び下サイドカバーの斜視図である。
【図26】同上の支持フレームに設けた装置支持ケースから上カバー取り外した状態を示す斜視図である。
【図27】同上のスカート部と上サイドカバーの接続構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ボウル
1 上開口
2 便器
2a 前パーツ
2b 後パーツ
7 便座
7a 便座被枢支部
9 便蓋
34 便座載置部
81 立上壁
82 延出部
90 前垂下片
92 端部垂下片
93a 境界部
93c 境界部
94 窓形成用切欠部
95 着座センサー用窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器がボウルを有する前パーツと後パーツとで構成され、前パーツはボウルの上開口の周縁部を構成して便座が載置される部分となる便座載置部を有し、便座載置部の両側端部を後方に延出して延出部を形成し、該延出部の後端部は前方に位置する便座載置部の上面よりも上方に位置し、後パーツの上面部の両側端部の前縁から端部垂下片を一体に垂設し、延出部の後端部と端部垂下片の下端部を対向させ、便座の両側端部から便座被枢支部を後方に突出し、各便座被枢支部が延出部上に配置されると共に便器に枢支されて便座が起倒自在となり、前記延出部の後端部と端部垂下片の下端部の境界部を前面視で便座載置部上に載置して倒した状態の便座及び起立した状態の便座によって隠れる位置に配置して成ることを特徴とする便器装置。
【請求項2】
便座載置部の後縁中央に前記両延出部間に位置する立上壁を一体に立ち上げ、後パーツの上面部の前縁中央から前垂下片を一体に垂設し、立上壁の上端部と前垂下片の下端部を対向させ、立上壁に着座センサー用窓部を形成し、便器に内装した光学式の着座センサーを着座センサー用窓部を介して前方に臨ませ、便器に起倒自在に設けた便蓋は倒した状態で前記前垂下片の下端部と立上壁の上端部の境界部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
立上壁の上部に上方に開口する窓形成用切欠部を形成し、窓形成用切欠部の上方開口を前垂下片で閉塞して、窓形成用切欠部の周縁と前垂下片の下縁で囲まれてなる開口部に前記着座センサー用窓部を設けて成ることを特徴とする請求項2に記載の便器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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