説明

便器設備、トイレ設備、リモコンユニット及びリモコン

【課題】停電時に自動的に照明を点灯させるようにした便器設備及びトイレ設備を提供することを目的とする。また、必要なときに照明を点灯させるようにして用いることができるリモコンユニット及びリモコンを提供することを目的とする。
【解決手段】便座ボックス12へは、トイレルーム壁面のコンセント19aに差し込まれた電源プラグ19及び電源コード19bを介して商用電源(交流100V)が給電される。便座ボックス12内にバッテリ、コンデンサ等の蓄電手段と、停電検知回路と、停電検知回路が停電を検知したときに蓄電手段から照明12aに通電する通電回路とが設けられている。従って、停電時には照明12aが自動的に点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時に照明を点灯させるようにした便器設備、トイレ設備、リモコンユニット及びリモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレルーム内の足許等を照明するために、便器やリモコンに照明を設けることが特開2001−65032号及び特開平8−284232号に記載されているが、停電時に照明を点灯させる点についての記載はない。
【特許文献1】特開平8−284232号
【特許文献2】特開2001−65032号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特開2001−65032号及び特開平8−284232号においては、停電時には、トイレが暗く、不便な状態で使用することになる。また、使用中に停電となった場合も同様に、不便な状態で使用することになる。特に、集合住宅等の窓のないトイレでは、照明がないと、昼間でも暗いことから、昼間に停電になった場合にも、不便な状態で使用することになる。
【0004】
本発明は、停電時に自動的に照明を点灯させるようにした便器設備及びトイレ設備を提供することを目的とする。また、本発明は、必要なときに照明を点灯させるようにして用いることができるリモコンユニット及びリモコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の便器設備は、蓄電手段と、停電検知手段と、照明手段と、該停電検知手段が停電を検知したときに該蓄電手段から該照明手段へ通電する通電手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2のトイレ設備は、リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備において、該便器設備に、停電検知手段と、停電検知信号をリモコンへ発信する発信手段とを設け、該リモコンに、照明手段と、該停電検知信号を受信すると該照明手段に通電する通電手段を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3のトイレ設備は、リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備において、該リモコンは商用電源から給電されるものであり、該リモコンに、蓄電手段と、停電検知手段と、照明手段と、停電検知時に該蓄電手段から該照明手段に通電する通電手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4のリモコンユニットは、リモコンと、該リモコンを保持するブラケットとを有するリモコンユニットにおいて、該リモコンに、照明手段と、該ブラケットからの取り外しを検知して該照明手段に通電する通電手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5のトイレ用リモコンは、照明手段と、該照明手段に通電を行うためのスイッチを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の便器設備にあっては、停電時に蓄電手段から照明手段に通電が行われ、便器設備に設けられた照明手段が点灯する。
【0011】
請求項2のトイレ設備にあっては、停電時に便器設備から停電検知信号が発信される。この信号がリモコンに受信されると、リモコンに設けられた照明手段が点灯する。
【0012】
請求項3のトイレ設備にあっては、リモコンは商用電源からACアダプタ等を介して給電される。停電時には、リモコンに設けられた蓄電手段から照明手段に通電され、照明手段が点灯する。
【0013】
このように、請求項1〜3の便器設備及びトイレ設備によると、停電時に自動的に照明手段が点灯するので、停電時でもトイレを重大な不便なしに使用することが可能である。
【0014】
請求項4のリモコンユニットにあっては、リモコンをブラケットから取り外すと自動的に照明手段が点灯するので、懐中電灯のように用いることができる。
【0015】
請求項5のリモコンにおいては、スイッチ操作により照明手段を点灯させることができるので、停電時にトイレルームを照明することができる。リモコンがブラケット等から取り外し可能であれば、このリモコンを懐中電灯のように使用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0017】
洋風便器10の後部上面にロータンク11が設置され、このロータンク11の前面側に便座ボックス12が設置されている。ロータンク11及び便座ボックス12内の温水タンクには止水栓13から給水管を介して水道水が供給可能とされている。
【0018】
便座ボックス12には、足許用の照明12aが設けられている。
【0019】
便座ボックス12には、洗浄ノズル15,16及び温風乾燥ファン(図示略)等が設けられている。また、この便座ボックス12には、暖房便座17、便蓋18が上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0020】
便座ボックス12へは、トイレルーム壁面のコンセント19aに差し込まれた電源プラグ19及び電源コード19bを介して商用電源(交流100V)が給電される。
【0021】
この洋風便器10の側方のトイレルーム壁面にリモコン20が設置されている。このリモコン20には、肛門洗浄用操作スイッチ(シャワースイッチ)、ビデ洗浄用操作スイッチ、温風を吹き出させるドライスイッチ、肛門洗浄(シャワー洗浄)、ビデ洗浄、温風乾燥等の作動をストップさせるストップスイッチ等が設置されている。このリモコン20は、ブラケット(図示略)を介してトイレルームの壁面に取り付けられている。このリモコン20には足許用の照明20aが設けられている。
【0022】
[実施の形態1]
この実施の形態に係る便器設備は、蓄電手段と、停電検知回路と、照明手段と、該停電検知回路が停電を検知したときに該蓄電手段から該照明手段へ通電する通電回路とを備えたものである。即ち、便座ボックス12内にバッテリ、コンデンサ等の蓄電手段と、停電検知回路と、停電検知回路が停電を検知したときに蓄電手段から照明12aに通電する通電回路とが設けられている。
【0023】
従って、停電時には照明12aが自動的に点灯するので、夜間や、窓のないトイレルームの場合であってもトイレを使用することが可能である。また、トイレ使用中の人がトイレルーム外へ退室することも可能である。
【0024】
[実施の形態2]
この実施の形態に係るトイレ設備は、リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備であって、該便器設備に、停電検知回路と、停電検知信号をリモコンへ発信する発信回路とを設け、該リモコンに、照明手段と、該停電検知信号を受信すると該照明手段に通電する通電回路を設けたものである。即ち、便座ボックス12内に停電検知回路と、該停電検知回路が停電を検知したときに停電検知信号を発信する発信回路とが設けられている。リモコン20には、停電検知信号の受信回路と、この受信回路の受信信号に基づいて照明20aにリモコン20の乾電池から通電する通電回路とが設けられている。
【0025】
従って、停電時には照明20aが自動的に点灯するので、夜間や、窓のないトイレルームの場合であってもトイレを使用することが可能である。また、トイレ使用中の人がトイレルーム外へ退室することも可能である。
【0026】
なお、リモコン20に乾電池を設ける代りに、リモコン20をACアダプタ(図示略)を介して商用電源に接続すると共に、リモコン20にバッテリやコンデンサ等の蓄電手段を設けてもよい。乾電池をバックアップ用の電源として用いてもよい。
【0027】
[実施の形態3]
この実施の形態に係るトイレ設備は、リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備であって、該リモコンは商用電源から給電されるものであり、該リモコンに、蓄電手段と、停電検知回路と、照明手段と、停電検知時に該蓄電手段から該照明手段に通電する通電回路とを設けたものである。即ち、リモコン20をACアダプタ(図示略)を介して商用電源に接続する。また、リモコン20にバッテリ、コンデンサ等の蓄電手段と、停電検知回路と、停電検知回路の停電検知時に蓄電手段から照明20aに通電する通電回路と設ける。
【0028】
この実施の形態にあっても、停電時には照明20aが自動的に点灯するので、夜間や、窓のないトイレルームの場合であってもトイレを使用することが可能である。また、トイレ使用中の人がトイレルーム外へ退室することも可能である。
【0029】
なお、この実施の形態では、ACアダプタをコンセントから抜いたり、ACアダプタのリード線をリモコン20から外したときにも、リモコン20内の停電検知回路は停電検知状態となり、通電回路が照明20aに通電を行う。従って、ACアダプタをコンセントから抜いたり、ACアダプタのリード線をリモコン20から外して照明20aを点灯させると共に、リモコン20をブラケットから取り外し、リモコン20を懐中電灯のように使用することも可能である。
【0030】
[実施の形態4]
この実施の形態に係るリモコンユニットは、リモコンと、該リモコンを保持するブラケットとを有するリモコンユニットであって、該リモコンに、照明手段と、該ブラケットからの取り外しを検知して該照明手段に通電する通電回路を設けたものである。即ち、リモコン20に、ブラケットからの取り外し検知手段を設ける。
【0031】
例えば、ブラケットにマグネットを設けると共に、リモコン20にリードスイッチを設けておく。あるいは、リモコン20に、該リモコン20をブラケットに装着するとブラケットに接触して信号を出力するリミットスイッチを設けておく。
【0032】
また、リモコン20に、この取り外し検知手段からの取り外し検知信号に基づいて照明20aに通電する通電回路を設けておく。
【0033】
このリモコン20にあっては、リモコン20をブラケットから取り外すと照明20aが点灯するので、リモコン20を懐中電灯のように使用することができる。
【0034】
この場合、リモコン20の電源は乾電池であってもよく、ACアダプタと蓄電手段との組み合わせであってもよい。
【0035】
[実施の形態5]
この実施の形態に係るトイレ用リモコンは、照明手段と、該照明手段に通電を行うためのスイッチを備えたものである。即ち、リモコン20に、照明20aのON、OFF操作用のスイッチ(図示略)を設ける。このスイッチは、リモコン20の前面や側面に設けてもよく、リモコン20の背面に設け、リモコン20をブラケットから取り外したときだけ操作できるようにしてもよい。また、照明20aのON、OFF専用のスイッチを設ける代りに、リモコン20の前面に設けられた各種スイッチのうち特定の複数のものを組み合わせて操作すると照明20aが点灯、消灯するよう構成してもよい。なお、図2はリモコン20とブラケット30との組み合わせの一例を示す斜視図である。ブラケット30はビス31によって壁面に取り付けられている。
【0036】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。例えば、便座ボックスの代わりにロータンクカバーが用いられてもよい。照明12a,20aは、足許を照らすものではなく、便器回りを照らすものであって、トイレの使用に大きな支障がないものであればよく、位置や数は図示のものに限定されない。
【0037】
また、蓄電池の容量は少なくともトイレ使用中に停電した場合に用を足し、トイレ室から退出できる程度(約1〜5分)照明手段に通電できるものであれば、停電時でも重大な不便なしに使用でき、トイレから退出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】トイレルーム内の斜視図である。
【図2】リモコン及びブラケットの斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
12 便座ボックス
12a 照明
20 リモコン
20a 照明
30 ブラケット
31 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電手段と、停電検知手段と、照明手段と、該停電検知手段が停電を検知したときに該蓄電手段から該照明手段へ通電する通電手段とを備えたことを特徴とする便器設備。
【請求項2】
リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備において、
該便器設備に、停電検知手段と、停電検知信号をリモコンへ発信する発信手段とを設け、
該リモコンに、照明手段と、該停電検知信号を受信すると該照明手段に通電する通電手段を設けたことを特徴とするトイレ設備。
【請求項3】
リモコンと、該リモコンによって制御される機器を備えた便器設備とを有するトイレ設備において、
該リモコンは商用電源から給電されるものであり、
該リモコンに、蓄電手段と、停電検知手段と、照明手段と、停電検知時に該蓄電手段から該照明手段に通電する通電手段とを設けたことを特徴とするトイレ設備。
【請求項4】
リモコンと、該リモコンを保持するブラケットとを有するリモコンユニットにおいて、
該リモコンに、照明手段と、該ブラケットからの取り外しを検知して該照明手段に通電する通電手段を設けたことを特徴とするリモコンユニット。
【請求項5】
照明手段と、該照明手段に通電を行うためのスイッチを備えたことを特徴とするトイレ用リモコン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−46329(P2007−46329A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231880(P2005−231880)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】