説明

便器

【課題】小便器が便器に一体に結合され、男性が座り蓋を上に旋回せずに、立ち姿勢で小便しても、尿液が座り蓋に零れ落ちることなく、使用が便利になり、省スペースの目的を達成できる便器を提供する。
【解決手段】ケース20と、前記ケース20の底部から、前記ケース20から遠ざかった方向に延びる便器本体10と、を含み、前記ケース10に仕切板21が少なくとも一つ設けられ、前記仕切板21により前記ケース10の内部が第1貯水区23と小便区24とに仕切られ、前記第1貯水区23に水が溜まられており、前記小便区24の少なくとも一面に開口が形成され、ユーザの尿液が前記開口から前記小便区24に注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器に関し、特に、縦式の小便器を有する便器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の便器は、本体と、貯水ケースと、フラッシング装置と、を含む。本体は、座り蓋を含み、ユーザの糞および尿液を収集する。フラッシング装置により、貯水ケース内にある水が本体に快速に流入して、浄化槽に糞や尿液を移動する。しかし、従来の便器によれば、男性が小便したいときには、座り蓋を上に旋回することが必要であり、そうしないと、尿液が座り蓋に零れ落ちて座り蓋を汚染するため、極めて不便である。
【0003】
このような問題を解決するために、特許文献1の台湾実用新案第M338858号の便器が提案された。このような便器よれば、男性が座り蓋を上に旋回せずに、立ち姿勢で小便しても、尿液が座り蓋に零れ落ちないが、小便器30がホース37を介して導流体35と結合し(特許文献1の図1を参照)、小便器30を利用したいときには、ホース37を引き出して導流体35に合わせて小便することが必要であるため、使用が極めて不便である。そして、ホース37には、複数の屈折箇所があるため、残留の尿液を水で洗い流すことが困難であり、臭いが発生し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録第M338858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の主な目的は、小便器が便器に一体に結合され、男性が座り蓋を上に旋回せずに、立ち姿勢で小便しても、尿液が座り蓋に零れ落ちなく、使用が便利になり、省スペースの目的を達成できる便器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の便器によると、ケースと、前記ケースの底部から、前記ケースから遠ざかった方向に延びる便器本体と、を含む便器において、前記ケースに仕切板が少なくとも一つ設けられ、前記仕切板により前記ケースの内部が第1貯水区と小便区とに仕切られ、前記第1貯水区に水が溜まられており、前記小便区の少なくとも一面に開口が形成され、ユーザの尿液が前記開口から前記小便区に注入することを特徴とする。
【0007】
本発明の便器によると、前記小便区は前記ケースの二つの側辺のうちの一つに設けられ、前記開口の水平延び方向と前記便器本体の延び方向とが予定の開角を成すことを特徴とする器。
【0008】
本発明の便器によると、前記小便区は、貯水ケースと、集尿空間と、水入れ通路と、フラッシング通路と、を含み、前記貯水ケースが第2貯水区であり、前記集尿空間が前記貯水ケースの底壁の下方に設けられ、前記水入れ通路は、前記仕切板に設けられ、前記第1貯水区と前記第2貯水区とを連通し、前記水入れ通路により水が前記第1貯水区から前記第2貯水区に流入可能であり、前記フラッシング通路は前記第2貯水区と前記集尿空間とを連通し、前記水入れ通路の底部と前記貯水ケースの底壁との間に適当な距離があり、これにより、前記水入れ通路の底部と前記貯水ケースの底壁との間にある仕切板が止め壁になることを特徴とする。
【0009】
本発明の便器によると、前記小便区は小便区フラッシング器を含み、前記小便区フラッシング器は、スイッチと、水止め弁と、を含み、前記水止め弁が前記スイッチの一端に設けられ、前記スイッチを押圧することにより、前記水止め弁が閉じ位置から開け位置に移動して、水が前記フラッシング通路から前記集尿空間に流入し、前記スイッチは、押圧具と、弾性具と、を含み、前記弾性具は前記押圧具と前記小便区との間に位置し、前記水止め弁は、押えロッドと、止め片と、を含み、前記押えロッドは、第1端と、第2端と、を含み、前記第1端は前記集尿空間に延び、前記第2端は前記フラッシング通路と前記第2貯水区とを挿通して前記押圧具と連接し、前記止め片は、前記押えロッドに設けられ、前記集尿空間の一側に位置し、前記弾性具の弾力により、前記押圧具は第1位置から第2位置に戻り可能であり、且つ前記止め片は開け位置から閉じ位置に戻り可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の便器によれば、小便器が便器に一体に結合され、男性が座り蓋を上に旋回せずに、立ち姿勢で小便しても、尿液が座り蓋に零れ落ちなく、使用が便利になり、省スペースの目的を達成できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の組合済み状態の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の断面図である。
【図3】本発明の実施例1の小便区のフラッシング器によるフラッシングを示す模式図である。
【図4】本発明の実施例2の断面図である。
【図5】本発明の実施例3の斜視図である。
【図6】本発明の実施例4の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、図1乃至図4を参照する。本発明の便器は、便器本体10と、ケース20と、を含む。便器本体10は、ケース20の底部から、ケース20から遠ざかった方向に延びる。便器本体10は、座り蓋11と、タンクと、排水通路と、を含む。座り蓋11は前記タンクの周縁に設けられる。前記排水通路は前記タンクの底部と連通する。ケース20は、矩形を呈し、少なくとも一つの仕切板21を有する。仕切板21によりケース20の内部が第1貯水区23と小便区24とに仕切られ、第1貯水区23に水が溜まられており、小便区24の少なくとも一面に開口が形成され、ユーザの尿液が前記開口から小便区24に注入する。ケース20は第1水入れ管201を含む。第1水入れ管201により水が第1貯水区23に流入する。トイレの空間を見て、小便区24がケース20の二つの側辺のうちの一つに設けられ、前記開口の水平延び方向と便器本体10の延び方向とが予定の開角を成すことが好ましい。図1に示すように、ケース20は、更に、小便区24の前記開口の一側に枢着されるプレート25を含む。プレート25は、小便区24の前記開口の便器本体10に近接する一側に枢着されることが好ましい。本発明の別の実施例では、ケース20は、更に、もう一つのプレート(図示せず)を含み、このプレートは小便区24の前記開口の他側に枢着される。
【0014】
図2及び図3を参照する。本実施例では、小便区24は、貯水ケース26と、集尿空間27と、水入れ通路28と、フラッシング通路29と、を含む。貯水ケース26は第2貯水区261である。集尿空間27は貯水ケース26の底壁の下方に設けられる。水入れ通路28は、仕切板21に設けられ、第1貯水区23と第2貯水区261とを連通し、水入れ通路28により水が第1貯水区23から第2貯水区261に流入可能である。フラッシング通路29は第2貯水区261と集尿空間27とを連通する。水入れ通路28の底部と貯水ケース26の底壁との間に適当な距離があり、これにより、水入れ通路28の底部と貯水ケース26の底壁との間にある仕切板21が止め壁になる。
【0015】
小便区24は小便区フラッシング器を含む。前記小便区フラッシング器は、スイッチと、水止め弁と、を含む。前記水止め弁は前記スイッチの一端に設けられる。前記スイッチを押圧することにより、前記水止め弁が閉じ位置から開け位置に移動して、水がフラッシング通路29から集尿空間27に流入する。本実施例では、前記スイッチは、押圧具241と、弾性具242と、を含む。弾性具242は押圧具241と小便区24との間に位置する。前記水止め弁は、押えロッド243と、止め片244と、を含む。押えロッド244は、第1端と、第2端と、を含む。前記第1端は集尿空間27に延び、前記第2端はフラッシング通路29と第2貯水区261とを挿通して押圧具241と連接する。止め片244は、押えロッド243に設けられ、集尿空間27の一側に位置する。弾性具242の弾力により、押圧具241は第1位置から第2位置に戻り可能であり、ひいては止め片244が開け位置から閉じ位置に戻り可能である。別の実施例では、前記スイッチが赤外線感応装置である。小便区24は、更に、水跳ね上り片245を含む。水跳ね上り片245は、集尿空間27内に設けられ、フラッシング通路29の開口の近傍に位置する。
【実施例2】
【0016】
本実施例の第1実施例と相違する点は、図4に示すように、小便区24は、集尿空間27と、フラッシング通路29と、第2入水管246と、を含むことである。フラッシング通路29は第2入水管246と集尿空間27とを連通する。第2入水管246からの水はフラッシング通路29に快速に流入する。第1入水管201と第2入水管246とは共用のメイン入水管202に接続される。もちろん、第1入水管201と第2入水管246とは、別々に異なる入水管に接続されてもよい。
【実施例3】
【0017】
本実施例の第1実施例と相違する点は、本実施例のケースの第1貯水区23の便器本体10に対する相対高さは第1実施例の二分の一ということであり、なお、小便区24の便器本体10に対する相対高さは第1実施例と同じである。
【実施例4】
【0018】
図6を参照する。本実施例の小便区はフラッシングレス式である。本実施例の第1実施例と相違する点は、小便区24に臭いを止め可能なフラッシング不要装置が結合されることである。小便区24により集尿空間27が構成される。集尿空間27の底部は漏斗状を呈する。小便区24は、排水口247と、収容空間248と、フィルタ249と、を含む。排水口247は小便区24の底部に位置する。収容空間248は排水口247と集尿空間27とを連通する。フィルタ249は、収容空間248に収容され、ゴミの排水口247への流入を阻止でき、一層の断ち切り液を有し、前記断ち切り液は尿液の臭いを除去する効果を有する。
【0019】
これにより、本発明の便器のケースは、貯水でき、そして小便器とすることができ、小便器がケースの一側に斜めに設けられるため、省スペース効果を有し、使用も極めて便利である。特に、一般の家庭の浴室または商店のトイレなどは、スペースがより小さいため、小便器と便器とを別々に据付けることができず、本発明の便器によれば、スペースが不足である問題を解決できる。男性は、立ち姿勢で小便区に尿液を注入することにより、座り蓋を上に旋回しなくても、尿液が座り蓋に零れ落ちなく、使用が便利になる。小便区の一回のフラッシング量は2リットルよりも少ないため、節水効果を達成することができる。ケースの一部に小便器が形成されるため、ケースの貯水量が減少し、従来の便器に比べると、用水量が大幅に減少する。
【0020】
また、男性が小便区を利用する場合には、プレートの隔離により、尿液が便器本体の座り蓋に零れ落ちることがなく、前記プレートを閉じることにより、小便区の臭いの外部への発散を断ち切ることができる。使用者が第1実施例の便器を利用した後、フラッシングスイッチを押圧してフラッシングするときには、第1貯水区にある水が水管を経由して便器本体に快速に流入し、このとき、止め壁により第2貯水区にある水のうちの少量が第1貯水区に回流し、大分の水が第2貯水区に残るため、節水効果を達成できる。一方、小便区のフラッシング具のスイッチを押圧すると、止め片がフラッシング通路から離れるように開け位置に移動し、これにより、水は、フラッシング通路を経由して集尿空間に流入して、水跳ね上り片に衝突して集尿空間の壁面に跳ねる。そうすると、集尿空間に残留する尿液を均一にフラッシングすることができる。
【0021】
また、フィルタを有する小便区によれば、集尿空間の底部が漏斗状を呈するため、重力により尿液が集尿空間の底部を経由して収容空間に流入し、尿液が集尿空間に残留しない。そしてフィルタにより尿液にある臭いやゴミが除去されて、尿液にある水分がフィルタを経由して排水口に直接に流入する。これにより、小便区をフラッシングすることが必要なくなり、節水効果を達成できる。
【0022】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、便器に適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
本発明に係る部分
10:便器本体
11:座り蓋
20:ケース
21:仕切板
23:第1貯水区
24:小便区
25:プレート
26:貯水ケース
27:集尿空間
28:水入れ通路
29:フラッシング通路
201:第1入水管
202:メイン入水管
241:押圧具
242:弾性具
243:押えロッド
244:止め片
245:水跳ね上り片
246:第2入水管
247:排水口
248:収容空間
249:フィルタ
261:第2貯水区
先行技術に係る部分
30:小便器
35:導流体
37:ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケースの底部から、前記ケースから遠ざかった方向に延びる便器本体と、を含む便器において、
前記ケースに仕切板が少なくとも一つ設けられ、前記仕切板により前記ケースの内部が第1貯水区と小便区とに仕切られ、前記第1貯水区に水が溜まられており、前記小便区の少なくとも一面に開口が形成され、ユーザの尿液が前記開口から前記小便区に注入することを特徴とする便器。
【請求項2】
前記小便区は前記ケースの二つの側辺のうちの一つに設けられ、前記開口の水平延び方向と前記便器本体の延び方向とが予定の開角を成すことを特徴とする、請求項1に記載の便器。
【請求項3】
前記小便区は、貯水ケースと、集尿空間と、水入れ通路と、フラッシング通路と、を含み、前記貯水ケースが第2貯水区であり、前記集尿空間が前記貯水ケースの底壁の下方に設けられ、前記水入れ通路は、前記仕切板に設けられ、前記第1貯水区と前記第2貯水区とを連通し、前記水入れ通路により水が前記第1貯水区から前記第2貯水区に流入可能であり、前記フラッシング通路は前記第2貯水区と前記集尿空間とを連通し、前記水入れ通路の底部と前記貯水ケースの底壁との間に適当な距離があり、これにより、前記水入れ通路の底部と前記貯水ケースの底壁との間にある仕切板が止め壁になることを特徴とする、請求項2に記載の便器。
【請求項4】
前記小便区は小便区フラッシング器を含み、前記小便区フラッシング器は、スイッチと、水止め弁と、を含み、前記水止め弁が前記スイッチの一端に設けられ、前記スイッチを押圧することにより、前記水止め弁が閉じ位置から開け位置に移動して、水が前記フラッシング通路から前記集尿空間に流入し、前記スイッチは、押圧具と、弾性具と、を含み、前記弾性具は前記押圧具と前記小便区との間に位置し、前記水止め弁は、押えロッドと、止め片と、を含み、前記押えロッドは、第1端と、第2端と、を含み、前記第1端は前記集尿空間に延び、前記第2端は前記フラッシング通路と前記第2貯水区とを挿通して前記押圧具と連接し、前記止め片は、前記押えロッドに設けられ、前記集尿空間の一側に位置し、前記弾性具の弾力により、前記押圧具は第1位置から第2位置に戻り可能であり、且つ前記止め片は開け位置から閉じ位置に戻り可能であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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