説明

便座昇降機

【課題】一般的、各種便座に設置され、膝及び股関節障害者に無理なく立ったり、座ったりが容易に使用できる補助便座器を提供する。
【解決手段】一般的な便器(1)の上部に設置されている便座(2)を便座固定アーム(3)に取り付け、その便座固定アーム(3)と固定枠(10)との間にガススプリングを設けた。
また、便座固定アーム(3)の中央付近に固定枠(10)を支点として、便座固定アーム(3)と肘掛アーム(9)に連結した肘掛(8)を梃子の構成とした。
これにより、便器に着座する際に膝、腰に負担のかからない状態でゆっくり下降し便器上に静止することができるとともに、立ち上がる際には、ガススプリングの反発力と肘掛(8)に体重を預けることで肘掛アームが下降する反作用の合力で体重を持ち上げることを可能とした、膝及び腰に負担の少ない補助便座である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原点位置を上死点とし下死点を便器上とした補助動力を設けた便座昇降機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の便座は、腰を下ろす際、足腰の曲げが90度近くなり、脚力が弱くなった人々にとって容易でない。最近、身障者用の便座が実用化されているが、設備が高価な上、機構が複雑であり、高齢者、障害者には使い勝手が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
膝、膝関節、腰の曲げ等が不自由な障害者には、現在普及している便座は着座するのに容易ではない。
【0004】
従来の電動便座では、体格や姿勢に対する個人差に対応する調整範囲が狭い。
【0005】
従来の電動便座では、停電時や電力の供給されていない場所での使用が不可能である。
【0006】
従来の便座では介護者の負担が軽減できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本案の便座は、腰掛ける場合、肘掛アームの使用と相まって、ガススプリングの作動に伴い、足腰の曲げが緩やかな動作となる。
【発明の効果】
【0008】
本案の便座は、固定枠と昇降アームに取り付けたガススプリングの圧縮伸長により、足や腰曲げが不自由な障害者にとって自立して使用し易い補助動力を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の未使用時の斜視図
【図2】 本発明の使用開始時の斜視図
【図3】 本発明の使用中の斜視図
【図4】 完成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【実施例】
【0011】
固定枠(10)と昇降アーム(5)の間にガススプリング(11)を取り付ける。
【0012】
体重に対応するためには、昇降アーム(5)取り付け位置を移動して調整する。
【0013】
昇降アーム(5)の中央付近に固定枠(10)を支点として、便座固定アーム(3)と肘掛アーム(9)に連結した肘掛(8)を配置した梃子の構成とする。
【0014】
図1のように、肘掛アーム(9)の片側には開閉可能とした肘掛(8)を設ける。
【0015】
昇降アーム(5)に連結された高さ調整板(6)によって連動する傾斜アーム(7)の角度を変えることを可能とした。
【0016】
図2のように、便座固定アーム(3)に取り付けたガイドローラー(4)は傾斜アーム(7)の接触面の形状に沿って昇降する。
【0017】
一般的な各種便器(1)の上部に便座(2)を組み込んだ本案を設置し、着座する直前を図2として、以下に、上記構成の動作を説明する。
【0018】
便座(2)に体重をかけることによって、傾斜アーム(7)と昇降アーム(5)に支えられた便座固定アームが下降を始める。
このとき、ガススプリングの圧力によって下降速度を遅くすることと急激な衝撃による圧力変動を軽減することを可能にする。
【0019】
これに連動して、肘掛(8)が上昇し、手で保持することで姿勢と若干の下降速度の調整を可能とする。
【0020】
図3から起立する場合は、肘掛(8)に体重を預けることで昇降アーム(5)の片側が下降することにより反対側の便座(2)を押し上げる力となる。
【0021】
このとき、ガススプリング(11)の伸長圧力が合力となって便座(2)を上昇する補助動力して機能する。以上のように、本実施形態により、腰、膝の負担が少なく、膝、股関節の身障者にも容易に使用することが出来る効果が得られる。
【符号の説明】
【0022】
1 一般的な便器
2 便座
3 便座固定アーム
4 ガイドローラー
5 昇降アーム
6 高さ調整板
7 傾斜アーム
8 肘掛
9 肘掛アーム
10 固定枠
11 ガススプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本案の便座は、木材・金属板・金属管・樹脂板・樹脂管を使用して実現する、ガススプリングの特性を利用して、膝及び股関節に負担をかけずに、ゆっくり立ったり、座ったり(スクワット)が容易な取り付け可能な補助便座機構である。
【請求項2】
本案の便座は、高さ調整板と傾斜アームを利用して任意の姿勢を調整できる傾斜調整機構をもった便座昇降機である。
【請求項3】
本案の便座は、肘掛を保有し、立ち上がりの際にこれを押し下すことで体を持ち上げる梃子の原理を用いた補助便座機構である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−224291(P2011−224291A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106729(P2010−106729)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(598061519)
【出願人】(598061508)
【Fターム(参考)】