説明

便座殺菌装置

【課題】便座殺菌装置を提供することである。
【解決手段】本発明の便座殺菌装置は、一対の殺菌ランプは、互いに間隔を隔てられ、便座蓋の便座閉じ位置において、便座便座の鉛直方向上方で、互いに横方向に並列され、一対の殺菌ランプを便座蓋に取り付けるための取付手段を有し、該取付手段が、一対の殺菌ランプ間に配置される第1ホルダと、該第1ホルダから延び、便座蓋に取り付けられるようになった第2ホルダとを備え、第1ホルダが、各殺菌ランプの外面の一部に当接する一対の円弧形支持面と、これらの円弧形支持面間に延びる連結部とを有し、円弧形支持面間の距離は、円弧形支持面が各殺菌ランプの外面に当接するように第1ホルダを一対の殺菌ランプ間に配置したときに、第1ホルダが一対の殺菌ランプ7によってこれらの間に挟持されるように、寸法決めされている、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式トイレは不特定多数の者が利用するものであり、その便座には利用者の肌が直接触れるので、便座は、雑菌に犯されやすく、不衛生になり易い。
汚れた便座は消毒用ナプキンで清浄すれば良いが、使用のたび毎に清浄作業を行わなければならないのは煩である。
【0003】
このような清浄作業における負担をなくすため、紫外線を用いて便座を殺菌する便器が、例えば特許文献1に、開示されている。
【0004】
特許文献1開示の便器では、便座上に位置される上蓋の底面に凹部が設けられ、この凹部内に紫外線ランプが設けられている。凹部には鏡面加工が施され、紫外線ランプを保護するための被覆材が凹部に取り付けられている。
【0005】
【特許文献1】実開昭63―138200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1開示の便器においては、紫外線ランプは上蓋のほぼ中央に設けられているため、便座に直接紫外線を照射することができない。
【0007】
また、かりにではあるが、紫外線ランプを、便座を覆うように上蓋を閉じたときに便座上に位置するように、上蓋に設けたとしても、紫外線ランプの両端に位置するベース、すなわち、口金の電気接触ピンと、この電気接触ピンと接続されるソケットの接触子とが便座上に位置するときには、当該口金及びソケットと対向する便座の領域は殺菌されないことになる。
【0008】
また、紫外線ランプを便座に沿って延びるように上蓋に設置するときには、紫外線ランプを数箇所で支持する必要があるけれども、在来の家庭用蛍光灯におけるのと同様に、ランプを下方から支持する可撓性金属クリップを用いたのでは、当該クリップと対向する便座の領域は殺菌されないことになる。
【0009】
従って、本発明は、上述した問題を解決するために発明されたものであって、殺菌されない便座の領域を少なくする便座殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明による便座殺菌装置は、便器本体と、該便器本体に取り付けられた便座と、該便座を上から覆うことができるように前記便器本体に回動自在に取り付けられた便座蓋と、前記便座を殺菌するための便座殺菌装置とを有する洋式便器であって、前記便座殺菌装置が、前記便座蓋が前記便座を覆う便座閉じ位置まで前記便座蓋を回動させたときに、前記便座の鉛直方向上方に位置しないように前記便座蓋に取り付けられた電気コネクターと、該電気コネクターに接続され、前記便座の形状に沿って延びる、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において前記便座を殺菌するための一対の円形断面殺菌ランプとを有し、該一対の殺菌ランプは、互いに間隔を隔てられ、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において、便座前記便座の鉛直方向上方で、互いに横方向に並列され、前記一対の殺菌ランプを前記便座蓋に取り付けるための取付手段を有し、該取付手段が、前記一対の殺菌ランプ間に配置される第1ホルダと、該第1ホルダから延び、前記便座蓋に取り付けられるようになった第2ホルダとを備え、前記第1ホルダが、前記各殺菌ランプの外面の一部に当接する一対の円弧形支持面と、これらの円弧形支持面間に延びる連結部とを有し、前記円弧形支持面間の距離は、前記円弧形支持面が前記各殺菌ランプの外面に当接するように前記第1ホルダを前記一対の殺菌ランプ間に配置したときに、前記第1ホルダが前記一対の殺菌ランプ7によってこれらの間に挟持されるように、寸法決めされている、ことを特徴とする。
【0011】
この構成では、便座蓋が便座閉じ位置まで回動されると、便座蓋の下面の殺菌ランプが便座に全体に亘って対向するので、殺菌ランプからの殺菌光によって便座を殺菌することができる。
【0012】
特に、便座蓋が便座閉じ位置にあるとき、電気コネクターは便座の鉛直方向上方に位置しないので、電気コネクターが殺菌ランプを便座の全周に亘って配置するのを妨げず、便座を全体に亘って殺菌することができる。
【0013】
また、一対の殺菌ランプそれ自体によって第1ホルダを挟持し、この第1ホルダを第2ホルダを介して便座蓋に取り付けるので、殺菌ランプから便座に向けて放出される殺菌光を第1ホルダが遮る量を少なくすることができる。
【0014】
本発明では、前記便座蓋の下面に取り付けられた、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において前記殺菌ランプからの殺菌光を前記便座に向けて反射させる反射板を有するのが好ましい。この構成では、殺菌ランプからの殺菌光を効率的に便座に照射することができる。
【0015】
また、前記便座蓋の下面に取り付けられた、前記殺菌ランプを覆う殺菌ランプカバーを有するのが好ましい。この構成では、殺菌ランプを殺菌ランプカバーによって保護することができる。
【0016】
更に、前記殺菌ランプは、前記便座蓋が前記便座閉じ位置に移動されたときに殺菌光を放出し、殺菌光放出後10秒乃至13秒経過後に殺菌光の放出を停止するようになっているのが好ましい。この構成では、殺菌光が常時放出される無駄を省くことができる。
更にまた、前記殺菌ランプの作動状態を示す表示ランプを便座蓋に設けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、誰も手を加えず便座を殺菌することができる便座殺菌装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明による便座殺菌装置を備える洋式便器30を概略的に示す。
【0019】
洋式便器30は、便器本体Bと、便器本体Bに取り付けられた便座2と、この便座2を上から覆うことができるように、便器本体Bに回動軸線Pを中心に回動自在に取り付けられた便座蓋1とを有する。便座2は全体的に円環状である臀部支持面2Aを備え、臀部支持面2Aの内方には中央開口部2Bが形成されている。
【0020】
便座殺菌装置は、便座蓋1の下面1Aに設けられた一対の殺菌ランプ7を有する。一対の殺菌ランプ7は、図2に示すように便座蓋1が便座2を覆う「便座閉じ位置」まで便座蓋1を回動させたときに、便座2の臀部支持面2Aの鉛直方向上方に位置されるように便座蓋1の下面1Aに取り付けられる。
【0021】
一対の殺菌ランプ7は、内側殺菌ランプ7Aと、この内側殺菌ランプ7Aの外方に配置される外側殺菌ランプ7Bとを有し、各殺菌ランプ7A、7Bは、円形断面の棒状ランプによって構成されている。
【0022】
各殺菌ランプ7A、7Bの両端部は雄コネクター14Aに電気的に接続され、この雄コネクター14Aは便座蓋1に取り付けられた雌コネクター14Bに電気的に接続されるようになっており、これらの雄コネクター14A、雌コネクター14Bによって電気コネクター14が構成される。雌コネクター14Bからは電気コード14Cが延び、この電気コード14Cを介して外部電源(図示せず)から殺菌ランプ7A、7Bに給電されるようになっている。
【0023】
電気コネクター14は、便座蓋1が「便座閉じ位置」にあるときに便座2の臀部支持面2Aの鉛直方向上方に位置しないように、便座蓋1の回動軸線Pに隣接して位置決めされている。この配置構造により、電気コネクター14が便座2の臀部支持面2Aへの殺菌ランプ7の紫外線の照射を妨げるのを回避することができる。
電気コネクター14は、下方からコネクターカバー14Dによってカバーされる。
【0024】
図3C及び図6から良くわかるように、内側殺菌ランプ7Aと外側殺菌ランプ7Bは、全長に亘って互いに対して一定距離間隔が隔てられ、便座蓋1が「便座閉じ位置」にあるときに、便座2の臀部支持面2Aの上方で横方向に並列される。
【0025】
各ランプ7A、7Bの両端部は、雄コネクター14Aから直線的に延び、延長端部分ES1、ES2を構成し、これらの延長端部分ES1、ES2間に延びる各ランプ7A、7Bの中央部分は、便座2の臀部支持面2Aに沿って延び、環状部ASを構成する。
【0026】
便座殺菌装置はまた、ランプ7A、7B、特にその環状部ASを便座蓋1に取り付けるための取付手段を有する。
【0027】
この取付手段は、図4、図7及び図8に示されるように、ランプ7Aの環状部ASとランプ7Bの環状部ASとの間に配置され、これらの環状部ASによって挟持される、全体的にH形の第1ホルダ15と、この第1ホルダ15に取り付けられる第2ホルダ16とを有する。この実施形態では、3対の第1ホルダ15、第2ホルダ16が使用され、これら3対の第1ホルダ15、第2ホルダ16は、ランプ7の環状部ASに等間隔に配置されている。
【0028】
各第1ホルダ15は、隣接する殺菌ランプ7A、7Bの外面の一部に当接する一対の円弧形支持面15Aと、これらの円弧形支持面15A間に延びる連結部15Bとを有する。各第1ホルダ15の一対の円弧形支持面15A間の距離15Dは、一対の円弧形支持面15Aが、夫々、隣接する殺菌ランプの外面に当接するように、第1ホルダ15を隣接する殺菌ランプ7A、7B間に配置したときに、第1ホルダ15が隣接する殺菌ランプ7A、7Bによって保持される、すなわち、挟持されるように、決定されている。従って、第1ホルダ15の円弧形支持面15A間の距離15Dは殺菌ランプ7間の間隔よりも僅かに大きい。
【0029】
第1ホルダ15の各円弧形支持面15Aの円弧の長さは、各殺菌ランプ7A、7Bの円周の(内側)半分のおよそ1/3に寸法決めされている。各円弧形支持面15Aの円弧長がこのように短くても、第1ホルダ15が殺菌ランプ7A、7B自体によって挟持されているので、第1ホルダ15が殺菌ランプ7A、7Bから脱落しない。他方、これらの円弧形支持面15Aは、図7から良くわかるように、殺菌ランプ7A、7Bに側方から当接し、しかも当接する領域も少ないので、殺菌ランプ7A、7Bから照射され、便座2の臀部支持面2Aに向う紫外線を遮る量を、在来の家庭用蛍光灯における可撓性金属クリップを用いた場合に比較して、軽減することができる。
【0030】
尚、第1ホルダ15の円弧形支持面15Aと殺菌ランプ7とを接着剤で固定しても良い。この場合には、便座蓋1の開閉により第1ホルダ15が殺菌ランプ7間を移動してしまうのを防止することができる。或いはまた、接着剤に代えて、摩擦係数の高い素材、例えば、ゴムのシートを第1ホルダ15の円弧形支持面15Aに設けることによって第1ホルダ15の移動を妨げても良い。
【0031】
第2ホルダ16は1枚の金属板からなり、第2ホルダ16の上部が便座蓋取付部16Aを構成し、下部が第1ホルダ収容部16Bを構成する。便座蓋取付部16Aは、金属板の一方端部によって構成された水平取付部16aを備え、この水平取付部16aは、例えば接着剤を用いて、後述する反射板13に取り付けられる(図4)。接着剤に代えて、水平取付部16a及び反射板13を貫通して便座蓋1に係合するビスを用いても良い。
【0032】
第1ホルダ収容部16Bは、第1ホルダ15の連結部15Bを下方から支持するように形作られ、金属板の他方端部16bを水平取付部16aから遠ざけるように弾性変形させることによって第1ホルダ15の連結部15Bを受け入れることができるように形作られている。
【0033】
第2ホルダ16は全体に亘って幅Wが連結部15Bの幅と実質的に等しい。従って、第2ホルダ16は、殺菌ランプ7A、7Bから照射され、便座2の臀部支持面2Aに向う紫外線を遮らずに第1ホルダ15、ひいては、第1ホルダ15を挟持する殺菌ランプ7A、7Bを便座蓋1の下面1Aに固定することができる。
【0034】
便座蓋1の下面にはまた、便座蓋1が「便座閉じ位置」に回動されたときに殺菌ランプ7からの殺菌光を便座2に向けて反射させるための反射板13が設けられる。反射板13は、図3bで良くわかるように、殺菌ランプ7A、7B全体をカバーするように、全体的に楕円環状形であり、図4から良くわかるように、下方に開口する半円弧形断面を有する。
【0035】
この実施形態では、反射板13の内方下端部、外方下端部からは、夫々、取付フランジ13A、13Bが内方、外方に突出し、反射板13は、これらの取付フランジ13A、13Bを介して、後述する仕方で、便座蓋1の下面に取り付けられる。
【0036】
反射板13及び殺菌ランプ7を下から覆う殺菌ランプカバー8がまた、便座蓋1の下面に取り付けられる。殺菌ランプカバー8は、殺菌ランプ7からの殺菌光の透過率、耐水性、耐酸性、耐衝撃性、柔軟性の観点から、高分子化合物ポリカーボネートで作られている。殺菌ランプカバー8は、全体的に反射板13と対称形状であり、取付フランジ8A、8Bを介して、後述する仕方で、便座蓋1の下面に取り付けられる。
【0037】
図3aに示されるように、便座蓋1の下面には、反射板13の半円弧形状と相補形状の反射板収納部3が形成され、反射板収納部3の内方、外方には、反射板13の取付フランジ13A、13Bと当接する平坦支持部3A、3Bが夫々形成されている。便座蓋1の下面にはまた、平坦支持部3A、3Bの内方、外方に、平坦支持部3A、3Bに対しておおよそ垂直に上方に延びる保持プレート取付面3a、3bが形成されている。
【0038】
反射板13、殺菌ランプカバー8を便座蓋1の下面に取り付けるための保持プレート9、10が便座蓋1の下面に取り付けられる。各保持プレート9、10は、図1からわかるように全体的に環状であり、図4に示されるように、取付部分9A、10Aと、保持部分9B、10Bとによって構成されるL字形断面を有する。
【0039】
第1ホルダ15及び第2ホルダを介して殺菌ランプ7が取り付けられた反射板13、及び、殺菌ランプカバー8を便座蓋1に取り付けるには、先ず、図4に示されるように、反射板13を便座蓋1の反射板収納部3に配置し、次いで、殺菌ランプカバー8を、その取付フランジ8A、8Bが反射板13の取付フランジ13A、13B上に位置するように、配置し、そして、各保持プレート9、10の取付部分9A、10Aを保持プレート取付面3a、3bに接着剤で取り付け、保持部分9B、10Bによって殺菌ランプカバー8の取付フランジ8A、8Bを下方から支持する。
【0040】
上記構成の便座殺菌装置では、便座蓋1が閉じ位置まで回動されたときに、便座2は、これと対向する殺菌ランプ7からの直接光、及び、反射板13によって反射された反射光によって、殺菌される。
【0041】
便座蓋1の閉じ位置において、電気コネクター14は、便座2の鉛直方向上方に位置せず、殺菌ランプ7が便座2の臀部支持面2Aの全周に亘って配置されるので、臀部支持面2A全体を殺菌することができる。
【0042】
便座2の臀部支持面2A中で最も雑菌の付きやすい便座2の後方部分には、便座蓋1が閉じ位置にあるとき、電気コネクター14から延びる4本の殺菌ランプ7が対向し、殺菌光を照射するので、便座2の後方部分の殺菌効率を強化することができる。
【0043】
また、殺菌ランプ7は殺菌ランプカバー8によって覆われているので、殺菌ランプ7の破損を回避することができる。
【0044】
便座殺菌装置はまた、便座2に対する便座蓋1の開閉を検出するための、既知の構成のセンサ(図示せず)と、このセンサ(図示せず)と接続された制御装置(図示せず)とを有する。この制御装置は、殺菌ランプ7と接続され、上記センサ(図示せず)からの情報に基づいて、便座蓋1が「閉じ位置」にあるときにのみ殺菌ランプ7を作動させるようになっている。
【0045】
変形実施形態として、上記制御装置(図示せず)は、便座蓋1が「閉じ位置」に回動されてから10秒経過した後に殺菌光の放出を停止するように殺菌ランプ7を作動させても良い。このように構成すると、殺菌ランプ7から殺菌光を常時放出する無駄を省くことができる。このような短時間での殺菌を可能にする殺菌ランプとしては、380〜10nm紫外線領域の内から、極めて強い殺菌力を示す253.7nmの波長を放つ、日本フィリップス株式会社製の遠紫外線殺菌ランプが好ましい。例えば、便座2の臀部支持面2Aの全長がおおよそ1.1m乃至1.4mであるとき、40ワットの前記遠紫外線殺菌ランプによれば、殺菌ランプから10cm以内の至近距離からの直射光により10秒間で便座2の臀部支持面2Aの大腸菌(0157:H7)、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌等の雑菌を完全殺菌できる。もっとも、便座殺菌装置の長期の使用により、殺菌効力が少しずつ低下することが考えられるので、殺菌ランプ7の殺菌光放出後、10秒、プラス、数秒、例えば3秒の合計13秒経過後に、殺菌光の放出を停止するように構成するのが好ましい。
【0046】
図4に参照番号17Aで示されるのは、便座蓋1を閉じた際に便座2との間に生ずる衝撃を吸収するための衝撃吸収パッドであり、この衝撃吸収パッド17Aは、便座蓋1に形成された取付台17に取り付けられている。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく以下のような種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、反射板13に取付フランジ13A、13Bを形成することなく、反射板13を接着剤で便座蓋1の下面に取り付けても良い。
同様に、殺菌ランプカバー8に取付フランジ8A、8Bを形成することなく、殺菌ランプカバー8を接着剤で反射板13に接着しても良い。
【0049】
また、各保持プレート9、10の取付部分9A、10Aは、接着剤に代えてビスによって、保持プレート取付面3a、3bに取り付けても良い。
【0050】
更に、便器30に、便器利用者を検知するための人センサー11と、便座蓋1を開閉駆動させるための駆動装置(図示せず)とを設け、前述した制御装置(図示せず)によって、人センサー11により便器30への便器利用者の接近が確認されたときに駆動装置(図示せず)を介して便座蓋1を開け、便器利用者が便器30から離れたときに駆動装置(図示せず)を介して便座蓋1を閉じるようにしても良い。
【0051】
更にまた、殺菌ランプ7の作動を知らせる表示ランプ12を、例えば、便座蓋1に設けても良い。
【0052】
また、前述した制御装置(図示せず)は、殺菌ランプ7の作動中であっても、便座蓋1が開けられたことを、便座蓋1の開閉を検出するためのセンサ(図示せず)が検出したときには、殺菌ランプ7の作動を中止するようになっていても良い。
【0053】
更に、便器コントロール部5に、便座2の殺菌が済むと便器コントロール部5から突出する飛び出しボタン5Aを設けても良い。飛び出しボタン5により、視覚のみならず、触覚によっても便座2の殺菌の有無を確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述した実施形態では、本発明による便座殺菌装置を予め組み込んだ洋式便器として説明したけれども、既存の洋式便器に本発明の便座殺菌装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態による洋式便器を示す概略斜視図である。
【図2】便座蓋を閉じた状態で示す、図1の洋式便器の概略斜視図である。
【図3】図1の洋式便器の便座蓋の分解斜視図である。
【図4】図1の洋式便器の部分断面拡大図である。
【図5】図1の洋式便器の便座蓋の底面を示す概略図である。
【図6】図1の洋式便器の殺菌ランプの雄コネクターと便座蓋の雌コネクターとを示す部分拡大斜視図である。
【図7】図1の洋式便器の殺菌ランプと第1ホルダとの係合を示す概略断面図である。
【図8】図1の洋式便器の第1ホルダと第2ホルダとの接合関係を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 便座蓋
2 便座
7 殺菌ランプ
8 殺菌ランプカバー
13 反射板
14 電気コネクター
15 第1ホルダ
16 第2ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、該便器本体に取り付けられた便座と、該便座を上から覆うことができるように前記便器本体に回動自在に取り付けられた便座蓋と、前記便座を殺菌するための便座殺菌装置とを有する洋式便器であって、
前記便座殺菌装置が、
前記便座蓋が前記便座を覆う便座閉じ位置まで前記便座蓋を回動させたときに、前記便座の鉛直方向上方に位置しないように前記便座蓋に取り付けられた電気コネクターと、
該電気コネクターに接続され、前記便座の形状に沿って延びる、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において前記便座を殺菌するための一対の円形断面殺菌ランプとを有し、該一対の殺菌ランプは、互いに間隔を隔てられ、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において、便座前記便座の鉛直方向上方で、互いに横方向に並列され、
前記一対の殺菌ランプを前記便座蓋に取り付けるための取付手段を有し、該取付手段が、
前記一対の殺菌ランプ間に配置される第1ホルダと、
該第1ホルダから延び、前記便座蓋に取り付けられるようになった第2ホルダとを備え、
前記第1ホルダが、前記各殺菌ランプの外面の一部に当接する一対の円弧形支持面と、これらの円弧形支持面間に延びる連結部とを有し、前記円弧形支持面間の距離は、前記円弧形支持面が前記各殺菌ランプの外面に当接するように前記第1ホルダを前記一対の殺菌ランプ間に配置したときに、前記第1ホルダが前記一対の殺菌ランプ7によってこれらの間に挟持されるように、寸法決めされている、
洋式便器。
【請求項2】
前記便座蓋の下面に取り付けられた、前記便座蓋の前記便座閉じ位置において前記殺菌ランプからの殺菌光を前記便座に向けて反射させる反射板を有する、請求項1記載の便座殺菌装置。
【請求項3】
前記便座蓋の下面に取り付けられた、前記殺菌ランプを覆う殺菌ランプカバーを有する、請求項1又は請求項2記載の便座殺菌装置。
【請求項4】
前記殺菌ランプは、前記便座蓋が前記便座閉じ位置に移動されたときに殺菌光を放出し、殺菌光放出後10秒乃至13秒経過後に殺菌光の放出を停止するようになった、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の便座殺菌装置。
【請求項5】
前記殺菌ランプの作動状態を示す表示ランプを便座蓋に設けた、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の便座殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−35871(P2008−35871A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292271(P2005−292271)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【特許番号】特許第3756932号(P3756932)
【特許公報発行日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(503447612)
【Fターム(参考)】