説明

便座装置およびそれを使用した衛生洗浄装置

【課題】便座の着座面の温度を極めて短時間で昇温させるともに、万が一の故障したときにも安全な便座暖房を提供する。
【解決手段】便座ヒータ450の配線パターン経路中に設けた密領域部480は、中央部の蛇行線L1の蛇行長La、および密領域部480の中央部の蛇行ピッチPaを最長とし、蛇行長および蛇行ピッチを中央部から端部に至り漸減させ、密領域部480全体が温度過昇防止装置470の感熱部470aおよび集熱体470bに確実に密着するよう構成したので、集熱体470bでの受熱量も感熱部470aに熱伝達され、感熱部470aでの受熱量を総合的に増大することで、異常時にも安全に便座ヒータ450への通電を遮断でき、同時に密領域部480の線状発熱体480aの耐久的問題をも解消することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度過昇防止装置を設けた便座装置とそれを使用した衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の便座装置では、図19に示すように金属製便座1の裏面に加熱手段2で便座を所定温度まで昇温させ、省エネを図るというものであった(例えば、特許文献1参照)。すなわち、この種の暖房便座において、加熱手段2は省電力のため使用者の便座への着座直前に通電して着座するまでの短時間に、すばやく便座を適温にしなければならないので、金属製の便座1を使用している。従って、臀部を直接に乗せ、かつ短時間に温度上昇させる暖房便座では、何らかの異常により便座への通電が所定の設定で停止せずに継続されるような事態が発生した時、比較的短時間で適温を越えて使用者に不快感を与え、これにより使用者が便座から立ち上がる必要が生じるという事態も考えられる。
【特許文献1】特開2003−79539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、前記従来の構成では、万が一の異常などにより便座1の温度過昇が発生しうるという課題があった。
【0004】
本発明は、なんらかの異常が発生し便座の温度制御が不能となった場合でも、便座の温度過昇を速やかに検知して温度過昇の防止を可能とし、それにより安全で長寿命な便座装置と、さらにそれを使用した衛生洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の便座装置は、着座面を有し金属材料を含む便座と、便座の着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、着座面の温度過昇防止装置とを備え、温度過昇防止装置は感熱部を具備し、便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、感熱部を密領域部に密着させたものであって、線状発熱体の配設パターンに蛇行状に配設した密領域部を設け、その蛇行線の蛇行長および蛇行ピッチを中央部から端部に至り漸変させ、密領域部に温度応答型の温度過昇防止装置を設けたものである。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成により本発明の便座装置は、配設パターンの密領域部から温度過昇防止装置へ速やかに熱伝達させ、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知するだけでなく、密領域部における線状発熱体の部分的な高温化を防止して断線などの耐久的問題をも解消することができる。したがって安全で長寿命を確保できる便座装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、着座面を有し金属材料を含む便座と、便座の着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、着座面の温度過昇防止装置とを備え、温度過昇防止装置は感熱部を具備し、便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、感熱部を密領域部に密着させたものであって、密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長および蛇行ピッチを最大に配設したものである。これにより、密領域部の中央部の蛇行線の蛇行長が最大であるため、発生す
る熱を速やかに温度過昇防止装置の感熱部の中央に伝達させるので、温度過昇防止装置の温度応答速度を早くでき、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知し、線状発熱体の発熱を停止させることができる。また、密領域部の中央部の蛇行線の蛇行ピッチも最大としたため、隣接する蛇行線との熱干渉を抑制して密領域部の不必要な高温化を防止し、密領域部の線状発熱体の断線などの耐久的問題をも解消することができる。したがって安全で長寿命を確保できる便座装置を提供することができる。
【0008】
第2の発明は、着座面を有し金属材料を含む便座と、便座の着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、着座面の温度過昇防止装置とを備え、温度過昇防止装置は感熱部を具備し、便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、感熱部を密領域部に密着させたものであって、密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長および蛇行ピッチを最小に配設したものである。これにより、密領域部の中央の蛇行長が最小で、例えば感熱部の最大寸法と略同一であっても蛇行ピッチも最小であるため、発生する熱を速やかに温度過昇防止装置の感熱部の中央に伝達させる構成となるので、温度過昇防止装置の温度応答速度を早くすることができ、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知し、線状発熱体の発熱を停止させることができる。また、密領域部の中央部の蛇行線の蛇行長が最小であるため、発熱による線膨張長さも少なくでき、それにより隣接する蛇行線との熱干渉を抑制して密領域部の不必要な高温化を防止し、密領域部の線状発熱体の断線などの耐久的問題をも解消することができる。したがって安全で長寿命を確保できる便座装置を提供することができる。
【0009】
第3の発明は、着座面を有し金属材料を含む便座と、便座の着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、着座面の温度過昇防止装置とを備え、温度過昇防止装置は感熱部を具備し、便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、感熱部を密領域部に密着させたものであって、密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長を最大に配設し、かつ各蛇行曲げ部を蛇行ピッチより大きい寸法の略馬蹄形に構成したものである。これにより、同様に、温度過昇防止装置の感熱部に速やかに熱伝達させる構成となるので、温度過昇防止装置の温度応答速度を早くすることができ、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知し、線状発熱体の発熱を停止させることができる。また、密領域部の中央部の蛇行線の蛇行ピッチも最大としたため、隣接する蛇行線との熱干渉を抑制して密領域部の不必要な高温化を防止し、密領域部の線状発熱体の断線などの耐久的問題をも解消することができる。さらに、各蛇行曲げ部を蛇行ピッチより大きい寸法の略馬蹄形に構成したため、密領域部を構成する際の各蛇行端部の過度の屈曲を防止して、線状発熱体の総合的な耐久性を確保できる。したがって安全で長寿命を確保できる便座装置を提供することができる。
【0010】
第4の発明は、特に第1〜3のいずれかの発明において、便座ヒータの密領域部の蛇行ピッチを、密領域部の中央部から端部に至り漸変させたものである。これにより、感熱部の中央だけでなく感熱部全体に急激な温度勾配を生じさせることなく効果的に熱伝達でき、温度過昇防止装置の感熱部の中心と密領域部の中央部との位置関係がある程度ずれても、温度過昇防止装置の温度応答速度を安定的に早くすることができる。
【0011】
第5の発明は、特に第1〜4のいずれかの発明において、温度過昇防止装置は、サーモスタットとしたものである。これにより、異常が発生した時に速やかにサーモスタットにより、安全に機器の停止を行うことが可能であり、使用者は安全に使用することができる。
【0012】
第6の発明は、特に第5の発明において、温度過昇防止装置は、熱良導体で構成した集熱体を感熱部の周囲を囲繞するように嵌合させたものである。これにより、集熱体に何ら
かの熱伝達がなされると、同時にその熱は感熱部にも熱伝達され、感熱部の総合的な受熱量を増大させることになるため、温度過昇防止装置の温度応答速度をさらに早くし、異常が発生した時に速やかに機器の停止を行うことが可能である。
【0013】
第7の発明は、特に第5〜6のいずれか1つの発明において、温度過昇防止装置は、集熱体を便座ヒータの密領域部に接触させたものである。これによって、集熱体が感熱部周辺の線状発熱体からの発熱を無駄にすることなく集熱して感熱部に併せて熱伝達するため、同様に温度過昇防止装置の温度応答速度をさらに早くすることができ、異常が発生した時に速やかに機器の停止を行うことが可能である。
【0014】
第8の発明は、特に第5〜7のいずれか1つの発明において、便座ヒータの密領域部は、温度過昇防止装置の集熱体に遮蔽させたものである。これにより、便座ヒータの密領域部からの発熱は、全て集熱体および感熱部に吸収され、温度過昇防止装置の温度応答速度を早くすることができ、異常が発生した時に速やかに機器の停止を行うことが可能なだけでなく、密領域部の過度の高温化を防止して、安全で長寿命を確保できる便座装置を提供することができる。
【0015】
第9の発明は、特に第1〜8のいずれか1つの発明における便座装置と、本体部を備えたものである。これにより、便座に生じた異常な温度過昇を応答速度の速い安全装置で検知、遮断することができ、安全で快適な衛生洗浄装置を提供することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における便座装置の概略構成の断面図、図2は同便座装置に用いた便座ヒータの正面図、図3は同便座全体の分解斜視図、図4は同便座ヒータを着座面に貼着した状態図、図5は図2でEの領域の部分拡大図、図6は線状発熱体の部分拡大断面図、図7は他の線状発熱体の例の部分拡大断面図、図8は同便座装置の制御ブロックの概念図、図9は温度過昇防止装置の斜視図、図10は図2でFの領域で指示した部分の拡大図、図11は温度過昇防止装置の装着部の部分拡大断面図、図12は温度過昇防止装置と着座部の温度上昇特性図である。
【0018】
以上の図面を用いて、本発明の実施の形態1における便座装置の構成、および動作、作用について説明する。
【0019】
図1から図12において、便座400は、合成樹脂製の便座基盤420と、アルミニウムなどの高い熱伝導性を有する金属で形成された着座面410Uと、便座基盤420と着座面410Uの間に便座ヒータ450が介在する構成で、便座ヒータ450は、粘着層452aを着座面410Uの内面部の一定の位置に貼着されて固定されている。また、便座ヒータ450には、通常時の着座面410Uの温度調節のためのサーミスタ401aが装着されている。さらに、便座ヒータ450は、一定のパターンで線状発熱体460を配線させたもので、その一部のパターンは、内部にバイメタルスイッチ(図示せず)を有するサーモスタット470からなる温度過昇防止装置470の感熱部470aに接触し、感熱部470aに熱集中させるための密領域部480となっている。一方、制御部90には、人体検知センサ600からの信号入力600a、着座信号入力610a、サーミスタ401aからの出力、さらには、間に温度過昇防止装置450Qを介して便座ヒータ450の通電経路が接続されている。
【0020】
図2、図5に示すように、線状発熱体460は、着座面410Uの形状に合わせて左右
方向に蛇行する蛇行形状に配設される。線状発熱体460は、蛇行形状の曲げ部が着座面の外側の側辺および内側の側辺の近傍に位置するように配置されている。具体的には、1本の連続する線状発熱体460が、第1系列Aの線状発熱体460aと、第2系列Bの線状発熱体460bとに分けられ、両者はほぼ平行に配列されている。この配列は、曲げ部間の線間隔が短いため、熱膨張、収縮に起因する線状発熱体460の線長の変化が小規模となり、また曲げ部で熱膨張、収縮による熱ストレスを緩衝し、断線などを抑制する構成となっている。なお、図2のEの領域の曲げ部の長さLa、Lbおよび曲げ部間の間隔Sは、任意の調整が可能で、それによって便座ヒータ450の加熱分布を調整することができる。例えば、便座ヒータ450の外側および内側の側辺近傍の加熱密度が便座ヒータ450の中央部の加熱密度よりも高くなるように、曲げ部の長さLa,Lbおよび曲げ部間の間隔Sを調整し、便座ヒータ450のほぼ全領域において均等な暖房温度を維持することができる。
【0021】
また、本例では、第1系列Aの線状発熱体460aでの電流の向きが、第1系列Bの線状発熱体460bでの電流の向きと対向するため、双方の線状発熱体460a、460bから発生する磁場が打ち消される傾向にあり、その結果、ノイズ等の発生が抑制される。
【0022】
図6で、着座面410Uは、例えば厚さ1mmのアルミニウム板413により形成される。アルミニウム板413の上面には、下塗り層412および表面化粧層411が二層で厚さ約0.08〜0.14mmで形成され、下面にも厚さ約0.06〜0.1mmの下面塗装膜414が形成される。本例では、下塗り層412、表面化粧層411、および下面塗装膜414は、約150℃の耐熱性を有するポリエステル樹脂材料で構成されている。なお、着座面410Uには、アルミニウム板413以外にも、銅板、ステンレス板、アルミニウムめっき鋼板および亜鉛アルミニウムめっき鋼板のうちいずれか、または複数の組合せを用いてもよい。
【0023】
一方、着座面410Uの下面塗装膜414側には便座ヒータ450が貼着されている。便座ヒータ450は、第一の金属箔453の粘着層452b側と第二の金属箔451の非粘着層側との間に線状発熱体460を挟持させて、前述の蛇行形状配列を保持させたものである。第一の金属箔453、第二の金属箔451は、例えば、比較的熱伝導率の高い厚さ0.05mmのアルミニウム箔を用いているが、その他、銅箔などさらに高い熱伝導率を有する金属材料を使用すると、便座ヒータ450としての加熱性能は上昇する。
【0024】
線状発熱体450は、断面が略円形の発熱線463a、エナメル層463bおよび絶縁被覆層462により構成される。断面円形の発熱線463aの外周面がエナメル層463bおよび絶縁被覆層462で順に被覆される。発熱線463aおよびエナメル層463bによりエナメル線463が構成される。
【0025】
発熱線463aは、例えば0.16〜0.25mmの直径を有する、銅または銅合金からなる。本実施の形態では、発熱線463aとして、直径0.168mmの4%Ag−Cu合金からなる高抗張力型ヒータ線が用いられる。因みに抵抗値は0.88Ω/mである。
【0026】
また、発熱線463aの第一の絶縁被覆であるエナメル層463bは、例えば180〜300℃の耐熱性を有するポリエステルイミド(PEI)からなる。エナメル層463bの膜厚は、0.02mm以下であり、本実施の形態では0.01〜0.016mmである。このようなエナメル線463は、エナメル層463bの膜厚が極薄い0.01〜0.02mm程度であっても、電気用品技術基準である1000Vで1分間以上の電気絶縁耐圧性能を十分確保することができる。また、エナメル層463bの他の材料としては、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)などを用いれば、さらに耐熱性が上昇
する。
【0027】
さらに、第二の絶縁被覆は、例えば260℃の耐熱性を有するパーフルオロアルコキシ混合物(以下PFA層462と称する)等のフッ素樹脂からなる。PFA層462の厚みは、例えば0.05〜0.15mmである。PFA層462の形成は、押出し加工により行うことができる。この場合、PFA層462の厚みが0.05程度に薄くても、雷サージにも耐える電気絶縁耐圧性能を確保することができる。
【0028】
したがって、発熱線上に二重、かつ薄膜状の絶縁被覆を構成した線状発熱体460が得られる。その外径は、0.3〜0.50mmの範囲に留まり、本例の場合0.35mm程度にでき、絶縁耐圧を確保すると共に、発熱線463aから金属箔451および着座面410Uへの熱伝導を極めて俊敏に行うことができる。
【0029】
このように耐熱性能に優れたエナメル線463をヒータ線として使用した場合、十分短時間で便座を昇温でき、かつ電気絶縁性および安全性を確保できるので、種々の便座装置への適用が可能である。
【0030】
図7は、線状発熱体460の他の構成例で、複数のエナメル線463が撚り合わされたもので、各エナメル線463は、直径0.09mmの発熱線463aに第一の絶縁被覆として膜厚0.01mmのエナメル層463bが形成される。
【0031】
さらに、複数のエナメル線463の線束を囲繞するように、第二の絶縁被覆としてPFA層462を形成することにより二重の絶縁構造を確保している。
【0032】
なお、図7では、7本のエナメル線463が撚り合わされているが、エナメル線463の数は7本に限定されるものではない。
【0033】
この構成では、複数のエナメル線463を撚り合わせた線束とすることで、熱膨張、収縮による熱ストレスを線束全体に分散させることができるため、断線などの事態を抑制できる。また、撚り線のうち少なくとも1本をエナメル層463bのない非絶縁電線とすることにより、局所高熱等によりいずれかのエナメル線463のエナメル層463bが絶縁破壊された場合にも、その絶縁破壊を迅速に検知し、安全に発熱線463aへの通電を遮断することができる。
【0034】
図8で、便座装置110は、本体部200、遠隔操作装置300、便座400および人体検知センサ600を備える。本体部200は、制御部90、温度測定部401、ヒータ駆動部402、便座温調ランプRA1および着座センサ610を含む。また、便座部400は便座ヒータ450およびサーミスタ401aを備える。
【0035】
制御部90は、例えばマイクロコンピュータからなり、使用者の入室および便座400の温度等の判定、タイマ機能、種々の情報の記憶、ならびに、ヒータ駆動部402の動作を制御するための通電率切替などの機能を有する。
【0036】
温度測定部401は、サーミスタ401aに接続され、サーミスタ401aから出力される信号に基づいて便座400の温度を測定し、ヒータ駆動部402は、便座ヒータ450に接続され、便座ヒータ450を駆動する。
【0037】
本例では通常の使用状態として、初期設定時では、制御部90がヒータ駆動部402を制御することにより、便座400が待機温度として例えば約18℃に温度調整される。制御部90では、人体検知センサ600からの入室検知信号により使用者のトイレットルー
ムへの入室を検知する。ついで、制御部90は、便座400の測定温度値、および便座設定温度に基づき、所定のヒータ制御パターンの選択を経て、ヒータ駆動部402により便座ヒータ450が駆動され、便座400の温度が便座設定温度へと瞬時に加温される。したがって、使用者が便座部400に着座した時に冷感を覚えることなく、快適な使用が可能である。
【0038】
次に、図2、図9〜11で、便座ヒータ450の後部の片側(図2のFの領域)に線状発熱体460が高密度で蛇行する密領域部480が形成され、密領域部480にバイメタルスイッチ(図示せず)を内蔵したサーモスタット470からなる温度過昇防止装置470が装着されている。サーモスタット470は、復帰型と非復帰型があり、復帰型を用いた場合は、サーモスタットが接続された通電経路中に非復帰型の温度過昇防止装置を別途設置する方が望ましい。本例では、温度過昇防止装置470(サーモスタット450Q)は一例として復帰型を用い、非復帰型の温度過昇防止装置として温度ヒューズ(図示せず)を便座ヒータ450に設置した構成である。温度過昇防止装置470は、感熱部470aを略円缶状の熱良導体で構成している。感熱部470aは、その周囲を囲繞するように、熱良導体からなるフランジ状の集熱体470bを嵌合させ、感熱部470aと集熱体470bを密領域部480に密着させている。
【0039】
密領域部480の蛇行部の構成は、平行線を反復させた蛇行部とし、密領域部480の中央部の蛇行線L1の線長La、および蛇行ピッチPaを最大に配設し、密領域部480の中央部から端部に至り漸減させたものである。
【0040】
また、感熱部470aと中央部の蛇行線L1との基本的な位置関係は、感熱部470aの略中央部に蛇行線L1の中点が位置するように設定している。本例では、温度過昇防止装置470の感熱部470aの直径は16mmのものを用い、図10で破線で示した密領域部480全体が感熱部470aおよび集熱部470bに密着するように構成するため、中央部の蛇行線L1の蛇行長Laの設定範囲を28〜34mmの間で設定している。また、密領域部480の中央部の蛇行ピッチPaは、2〜2.5mmの範囲とし、感熱部470aとの接触線数が9本となるように、蛇行長および蛇行ピッチを中央部から端部に至り漸減させ、密領域部480全体が集熱体470bに遮蔽されるようにして、感熱部470aおよび集熱体470bに確実に密着するよう構成している。これは、加工精度、組立て精度の関係から、感熱部470aと密領域部480との位置関係が1〜2mm程度変動した場合でも、感熱部470aに一定の受熱がなされるように配慮したものである。さらに、密領域部480と感熱部470aの間に、熱伝導促進グリス、熱伝導促進シートなどの熱伝導補助材料を介在させることにより、感熱部470aでの受熱量をさらに増大させることが可能である。因みに本例では、熱伝導率0.8〜1W/m・Kのシリコン系の熱伝導グリスを使用している。
【0041】
また、本例では、感熱部470aと集熱体470bの材質にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたが、銅または銅合金などの熱良導性の金属を用いることも可能である。その場合、水分混入という事態も想定されるため、異種金属の接触部で発生しやすいガルバニ腐食防止の点から、感熱部470aと集熱体470bはほぼ同一の材質か、イオン化傾向が比較的近い材質を用いることが望ましい。
【0042】
一般に、暖房便座100は着座面410Uに直接皮膚を接触させて着座するため、安全に対しては十分な配慮が必要である。通常使用では安全、快適に使用できるが、万一何らかの異常により制御部90に不具合が生じ、便座ヒータ450への通電制御が不能となった場合は、早急な安全装置の作動が必要である。本例における温度過昇防止装置470は、以下に述べるように作動する。
【0043】
図12は、制御部90が故障したことを想定して線状発熱体460に通電した場合の温度過昇防止装置470の検知温度と着座面410Uの表面温度を測定した結果である。図12において曲線(A)、(A’)は着座面12の表面温度であり、曲線(B)、(B’)は温度過昇防止装置470の検知温度である。線状発熱体460への通電が開始されると、着座面410Uの表面温度は時間t1で便座最高設定温度(T1)に達する。通常であれば(T1)に達した時点で、制御部90からの指令で通電を停止させるが、何らかの異常が発生した場合は、このまま通電され続ける。温度過昇防止装置470のOFF動作温度が(T3)に設定されていると、着座面410Uの表面温度が便座最高設定温度(T1)以上であり、確実に異常昇温であると判断できる(T2)に達した時に、温度過昇防止装置470内部のバイメタルスイッチが反転動作して、線状発熱体460への通電を遮断する。このとき、着座面410Uと温度過昇防止装置470の温度は、着座面410Uでの熱拡散作用により、(t2−t1)秒間過昇温し続ける。ここで、温度過昇防止装置470のOFF動作温度は、物作り面や、コスト面を考慮すると交差0とするのは非常に困難であり、公差は±2℃とするのが一般的である。
【0044】
つまり、公差を考慮すると温度過昇防止装置470のOFF動作温度は(T3)〜(T3+4)となる。OFF動作温度が(T3+4)であれば、着座面410Uの温度と温度過昇防止装置470の検知温度の曲線は(A’)、(B’)となり、時間t3で温度過昇防止装置470が動作し、通電回路が遮断される。この場合は(t3−t1)秒間過昇温し続けたこととなる。つまり、温度過昇防止装置470のOFF動作温度のバラツキを考慮すると、過昇温する時間は最短で(t2−t1)秒間、最長で(t3−t1)秒間となる。安全面を考慮すると、過昇温時はできるだけ短時間で回路を遮断しなければならない。そのために、曲線(B)の傾きを大きくする、つまり温度過昇防止装置470の温度応答速度を速くすることによって、時間(t3−t1)を短くすることができ、着座面410Uの温度が過昇する前に、線状発熱体460への通電回路を遮断することが可能となり、万が一の時でも安心安全に使用できる。
【0045】
この時、図10、図11に示すように、密領域部480は中央部の蛇行線L1の蛇行長La、および密領域部480の中央部の蛇行ピッチPaを最長とし、線長および蛇行ピッチを端部に至り漸減させ、密領域部480全体が感熱部470aおよび集熱体470bに確実に密着するよう構成したため、集熱体470bが受熱した熱量も感熱部470aに熱伝達され、感熱部470aでの総合的な受熱量を増大できる。
【0046】
要するに、蛇行線L1の単位長さあたりの発熱量が同じ場合、蛇行長Laの長さに比例した発熱量が発生し、感熱部470aおよび集熱体470bに伝達されることから、密領域部480の中央部の蛇行線L1の蛇行長Laを最大にすることによって、感熱部470aおよび集熱体470bの中央部で発生する熱を最大にすることができる。したがって、温度過昇防止装置470の感熱部470aの中央部へ速やかに熱伝達させることができ、温度過昇防止装置470への熱伝達および温度過昇防止装置470の作動を早くでき、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知し、線状発熱体460の発熱を停止させることができる。また、上記した密領域部480の中央部の蛇行線L1の蛇行長Laを最大にした場合、密領域部480の中央部の蛇行線L1の膨張量が最大となり、膨張により蛇行線L1が伸長して湾曲作用を生じるが、密領域部480の中央部の蛇行線L1の蛇行ピッチPaも最大としたことにより、隣合う蛇行線L1とのピッチPaすなわち間隔が広いので、接近し過ぎることを防止できる。したがって、熱干渉を抑制して密領域部480の不必要な高温化を防止し、密領域部480の線状発熱体480aの断線などの耐久的問題をも解消することができる。
【0047】
本例では、上述した異常が発生した場合、制御部90、その他の制御関連部品の修理などにより、便座ヒータ450を貼着した着座面410Uを再使用する場合を考慮して、温
度過昇防止装置470は復帰型を用いており、そのために密蛇行部480の線状発熱体480aの損傷を抑える必要がある。また本例では、蛇行線L1は、蛇行長Laが最大である中央部の蛇行ピッチPaを最大とし、端部に向けて蛇行長を次第に短くするとともに蛇行ピッチは次第に狭くなるように構成している。これは、端部になるにしたがって、蛇行長が短いことから、熱膨張によって線状発熱体が弓形に変形する変形量すなわち湾曲量も次第に小さくなるため、蛇行ピッチが狭くても隣合う蛇行線と接近し過ぎることはない。上述したように密領域部480の中央部から端部へ至る蛇行線において、蛇行線が接近し過ぎて線状発熱体480aの一部が隣接する線状発熱体480aの熱の影響を受けて部分的に異常高温になってしまうような熱干渉を抑制できるので、密領域部480の不必要な高温化を防止し、密領域部480の線状発熱体480aの損傷、断線などの耐久的問題をも解消でき、便座ヒータ450は十分再使用が可能となる。
【0048】
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2における便座装置における便座ヒータの正面図、図14は図13でGの領域の部分拡大図、図15は温度過昇防止装置の装着部の拡大断面図である。
【0049】
以上の図面を用いて、本発明の実施の形態2における便座装置の構成、および動作、作用について説明する。
【0050】
図13〜15において、実施の形態1と異なる点は、便座ヒータ450AのGの領域で指示した密領域部481の中央部の蛇行線L2の蛇行長Lb、および蛇行ピッチPbを最小に配設し、密領域部481の蛇行長および蛇行ピッチを中央部から端部に至り漸減させたところである。なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0051】
実施の形態1と同様に、制御部90に異常が発生し、便座ヒータ450Aへの通電制御が不能となった場合、同様に温度過昇防止装置470が作動して、便座ヒータ450Aへの通電回路を遮断し、使用者に熱的危害が及ぶのを回避させることができる。この時、図14、図15に示すように、密領域部481は中央部の蛇行線L2の蛇行長Lb、および密領域部481の中央部の蛇行ピッチPbを最短とし、蛇行長および蛇行ピッチを端部に至り漸増させ、密領域部481全体が感熱部470aおよび集熱体470bに確実に密着するよう構成したため、蛇行長LBが最小で、例えば感熱部470aの直径と略同一であっても蛇行ピッチPbも最小であるため、密領域部481で発生する熱を速やかに温度過昇防止装置470の感熱部470aの中央に伝達させる構成となるので、温度過昇防止装置470の温度応答速度を早くすることができ、異常によって生じる着座面410Uの温度過昇を速やかに検知し、便座ヒータ450Aへの通電回路を遮断することができる。
【0052】
すなわち、密領域部481は中央部の蛇行線L2の蛇行長Lb、および密領域部481の中央部の蛇行ピッチPbを最短とし、蛇行長および蛇行ピッチを端部に至り漸増させ、密領域部481全体が感熱部470aおよび集熱体470bに確実に密着するよう構成したことにより、密領域部481は中央部は、蛇行線L2の蛇行長Lbが最小で蛇行線L21本(1辺)当たりの発熱量は最小であるが蛇行ピッチPbを最も狭いピッチにしているため、単位面積当たりの発熱量つまり熱密度を最大にすることができる。したがって、温度過昇防止装置470の感熱部470aの中央部へ速やかに熱伝達させることができ、温度過昇防止装置470への熱伝達および温度過昇防止装置470の作動を早くでき、何らかの異常によって生じる温度過昇を速やかに検知し、線状発熱体460の発熱を停止させることができる。しかも、密領域部481は中央部の蛇行線L2の蛇行長Lbが最小であるため、発熱による線膨張長さも少なくでき、それにより隣接する蛇行線との熱干渉を抑制して不必要な高温化を防止し、密領域部481の線状発熱体481aの損傷、断線など
の耐久的問題をも解消することができ、便座ヒータ30は十分再使用が可能となる。
【0053】
(実施の形態3)
図16は本発明の実施の形態2における便座装置における便座ヒータの正面図、図17は図16でHの領域の部分拡大図である。
【0054】
以上の図面を用いて、本発明の実施の形態3における便座装置の構成、および動作、作用について説明する。
【0055】
図16、図17において、実施の形態1と異なる点は、便座ヒータ450BのHの領域で指示した密領域部482で、密領域部482の各蛇行線の蛇行ピッチを一定のPcとし、中央部の蛇行線L3の蛇行長Lcを最大に配設するとともに、密領域部482の蛇行長を中央部から端部に至り漸増させ、かつ各蛇行端部を各蛇行ピッチより大きい寸法の略馬蹄形部Xとして構成したものである。なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0056】
実施の形態1と同様に、制御部90に異常が発生し、便座ヒータ450Bへの通電制御が不能となった場合、同様に温度過昇防止装置470が作動して、便座ヒータ450Bへの通電回路を遮断し、使用者に熱的危害が及ぶのを回避させることができる。この時、図17に示すように、各蛇行端部を蛇行ピッチPcより大きい寸法の略馬蹄形部Xに構成したため、配線過程で密領域部482を構成する際に、各蛇行端部の過度の屈曲を防止して密蛇行部482の線状発熱体482aの総合的な耐久性を確保できる。
【0057】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4における衛生洗浄装置を示す外観斜視図で、実施の形態1〜3に示した便座装置のうちいずれか一つを備えたものである。
【0058】
図18で、トイレットルーム内に設置された衛生洗浄装置900は便器700の上面に取り付けられる。衛生洗浄装置800は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0059】
便座400は、実施の形態1〜3に示した便座装置のうちいずれか一つを包含し、本体部200には、便座400および蓋部500が開閉可能に取り付けられている。また、本体部200には、便器700内に出入りする洗浄装置800と洗浄水供給機構(図示せず)が設けられるとともに、制御部90が内蔵される。
【0060】
使用者がトイレットルーム内に入室すると、人体検知センサ600(例えば反射型の赤外線センサ)が、人体から反射された赤外線を検出し、使用者の入室を検知する。
【0061】
その時点で、実施の形態1で述べたように、便座400の着座面410Uが、少なくとも使用者が冷感を感じない温度まで急速に、例えば6秒以内に昇温する。
【0062】
次いで、使用者が着座面410Uに着座すると、本体部200の正面上部に設けられる着座センサ610(例えば反射型の赤外線センサ)が、人体から反射された赤外線を検出することにより、便座400上に使用者が存在することを検知して、着座面410Uは快適に着座できる適温に保持される。
【0063】
そして、使用者が用便終了後に遠隔操作装置300を操作して洗浄指示を信号として本体部200に送ると、水道配管(図示せず)に接続された洗浄水供給機構と直結した洗浄装置800が突出して、その先端近傍から洗浄水(矢印)が噴出して使用者の局部を洗浄
する。
【0064】
さらに、使用者が洗浄終了後に遠隔操作装置300を操作して洗浄停止を信号として本体部200に送ると、洗浄装置900が本体200内に収納される。
【0065】
最終的に、使用者が着座面410Uから立ち上がり、トイレットルームから退出する。
【0066】
以上が、通常使用時の概要で、使用者が着座面410Uに着座する際に、実施の形態1で述べたような制御部90の異常が発生し、便座ヒータ450への通電が一定の温度で停止せず継続するような場合には、温度過昇防止装置470と便座ヒータ450の密領域部480とにより、温度過昇防止装置470が速やかに作動し、使用者に対する安全性を確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明の便座装置は、配設パターンの密領域部から温度過昇防止装置へ速やかに熱伝達させ、異常によって生じる温度過昇を速やかに検知して通電回路を遮断するだけでなく、密領域部における線状発熱体の部分的な高温化をも防止して断線などの耐久的問題を解消できるため、安全に使用し得る暖房便座が得られ、暖房便座に限らず使用者が着座する暖房機器の汎用的な安全機構技術としての適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における便座装置の概略構成の断面図
【図2】同実施の形態における便座ヒータの正面図
【図3】同実施の形態における便座全体の分解斜視図
【図4】同実施の形態における便座ヒータを着座面に貼着した状態図
【図5】同実施の形態における便座ヒータのEの領域の部分拡大図
【図6】同実施の形態における線状発熱体の部分拡大断面図
【図7】同実施の形態における線状発熱体の他の例の部分拡大断面図
【図8】同実施の形態における便座装置の制御ブロックの概念図
【図9】同実施の形態における温度過昇防止装置の斜視図
【図10】同実施の形態における便座ヒータのFの領域の部分拡大図
【図11】同実施の形態における温度過昇防止装置の装着部の拡大断面図
【図12】同実施の形態における温度過昇防止装置と着座部の温度上昇特性図
【図13】本発明の実施の形態2における便座装置の便座ヒータの正面図
【図14】同実施の形態における便座ヒータのGの領域の部分拡大図
【図15】同実施の形態における温度過昇防止装置の装着部の拡大断面図
【図16】本発明の実施の形態3における便座装置の便座ヒータの正面図
【図17】同実施の形態における便座ヒータのHの領域の部分拡大図
【図18】本発明の実施の形態4における衛生洗浄装置を示す外観斜視図
【図19】従来の便座装置の要部の断面図
【符号の説明】
【0069】
110 便座装置
200 本体部
400 便座
410U 着座面
450、450A、450B 便座ヒータ
460 線状発熱体
470 温度過昇防止装置(サーモスタット)
470a 感熱部
470b 集熱体
480、481、482 密領域部
480a、481a、481b 密領域部の線状発熱体
900 衛生洗浄装置
L1、L2、L3 中央部の蛇行線
La、Lb、Lc 中央部の蛇行長
Pa、Pb 中央部の蛇行ピッチ
Pc 蛇行ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座面を有し金属材料を含む便座と、前記便座の前記着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、前記着座面の温度過昇防止装置とを備え、前記温度過昇防止装置は感熱部を具備し、前記便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、前記感熱部を前記密領域部に密着させたものであって、前記密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長および蛇行ピッチを最大に配設したことを特徴とする便座装置。
【請求項2】
着座面を有し金属材料を含む便座と、前記便座の前記着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、前記着座面の温度過昇防止装置とを備え、前記温度過昇防止装置は感熱部を具備し、前記便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、前記感熱部を前記密領域部に密着させたものであって、前記密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長および蛇行ピッチを最小に配設したことを特徴とする便座装置。
【請求項3】
着座面を有し金属材料を含む便座と、前記便座の前記着座面の裏側に密着させた便座ヒータと、前記着座面の温度過昇防止装置とを備え、前記温度過昇防止装置は感熱部を具備し、前記便座ヒータは所定のパターンで線状発熱体を配設するとともに、その配設パターンの経路中に蛇行状に配設した密領域部を構成し、前記感熱部を前記密領域部に密着させたものであって、前記密領域部は少なくともその中央部の蛇行線の蛇行長を最大に配設し、かつ各蛇行曲げ部を蛇行ピッチより大きい寸法の略馬蹄形に構成したことを特徴とする便座装置。
【請求項4】
便座ヒータの密領域部の蛇行ピッチを、前記密領域部の中央部から端部に至り漸変させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項5】
温度過昇防止装置はサーモスタットとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】
温度過昇防止装置は、熱良導体で構成した集熱体を感熱部の周囲を囲繞するように嵌合させたことを特徴とする請求項5に記載の便座装置。
【請求項7】
温度過昇防止装置は、集熱体を便座ヒータの密領域部に接触させたことを特徴とする請求項5〜6のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項8】
便座ヒータの密領域部は、温度過昇防止装置の集熱体に遮蔽させたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の便座装置と、本体部とを備えた衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図12】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−29256(P2010−29256A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191931(P2008−191931)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】