説明

便座装置とそれを備えたトイレ装置

【課題】リレーを有する便座装置及び衛生洗浄装置において、常時通電されている場合でも自動的にそのコイルの通電を制御することにより、消費電力を低減させる。
【解決手段】便座2と、便座を加熱する便座ヒータ5と、便座ヒータに電力を供給する主給電路9を常に閉成し、かつ主給電路が漏電したときに開成して該主給電路を遮断し、電圧を印加されて主給電路を閉じた後に前記電圧を低下させても閉状態を保持可能なリレー11と主給電路を通じた漏電の有無に応じて主給電路を遮断及び閉成するようにリレー11を駆動するリレー駆動部12を有する漏電遮断器と、前記リレー駆動部を制御する制御手段14とを備え、制御手段は、便座の保温時においては、リレー駆動部に印加されている電圧を低下させることにより、リレーのコイル部の消費電力を低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房便座や温水洗浄便座等の便座装置とそれを備えたトイレ装置に関し、特に、装置の漏電時に作動する漏電遮断器のリレー駆動部の電力の省電力化を図ることに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の暖房便座や温水洗浄便座等の便座装置は、衛生製品であるため水を使用する環境に設置されて使用され、電気製品でもあるために漏電への対策が必要となり、漏電遮断機能を有している(例えば、特許文献1参照)。図13は前記特許文献1に記載された従来の温水洗浄便座装置を示すものである。
【0003】
図13において、温水洗浄便座装置は、電力を得るためトイレ室の壁の電源コンセント(図示せず)に着脱できる電源プラグ30を有し、温水洗浄便座装置本体31に漏電遮断回路32が含まれている構成等が知られている。一般に、漏電遮断器または漏電遮断回路(以下、便宜上まとめて漏電遮断器と称する。)は、動作時に電気的な接続を確実に遮断するために、リレー33に代表される機械的な手段が用いられる。
【0004】
ところで、漏電遮断器32は、漏電時における動作を確実なものとするため、定期的に動作試験を行い、正常な動作ができるか否かを確認する必要がある。リレー33における代表的な異常としてはリレー接点の溶着が挙げられる。それゆえ、通常、漏電遮断器32を備える温水洗浄便座装置本体31には動作確認用テストボタン34が設けられている。
【0005】
温水洗浄便座装置の使用者が動作確認用テストボタン34を押下すれば、漏電遮断器32内では模擬的な漏電状態が発生するようになっているため、漏電遮断器32のリレー33におけるリレー接点33aが遮断される。通常は、正常の場合はリレー33のコイル部33bには電圧が印加されているため、常時、コイル部33bには消費電力が発生している。また、このような温水洗浄便座装置では電源プラグに漏電遮断器が一体化された構成のものもある。
【特許文献1】特開2008−082044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の温水洗浄便座装置では人が周辺にいる、いない及び人が前記装置を操作する、しないに関係なくリレー32のコイル部33bに通常の電圧が印加されているため、コイル部33bの消費電力が常時発生している問題があった。すなわち、この種の便座装置では、常時、漏電遮断器のリレー駆動部に定格電圧が通電され続けておって、しかも便座装置の実際に使用される時間も少ない状況下のため、結果的に無駄な大きな電力を使用していた。
【0007】
前記従来の温水洗浄便座装置の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、温水洗浄便座装置等の漏電遮断器の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる便座装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の便座装置は、便座と、前記便座を加熱する便座ヒータ等のヒータと、前記ヒータに電力を供給する主給電路を常に閉成し、かつ前記主給電路が漏電したときに開成して遮断し、電圧が印加されて前記主給電路を閉じた後に前記電
圧を低下させても前記閉状態を保持可能なリレーと前記主給電路を通じた漏電の有無に応じて前記主給電路を前記遮断及び前記閉成するように前記リレーを駆動するリレー駆動部を有する漏電遮断器と、前記リレー駆動部を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記便座の保温時においては、前記リレー駆動部に印加されている電圧を低下させるものである。
【0009】
これによって、リレー駆動部の消費電力を低減させることが可能になり、装置の省電力化を図れるものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、制御手段により装置を使用していないときには、漏電遮断器のリレー駆動部の電圧を低下させるので、常時通電され続けておっても従来よりもリレー駆動部による消費電力を低減させ、大幅に装置の省電力化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、便座と、前記便座を加熱する便座ヒータ等のヒータと、前記ヒータに電力を供給する主給電路を常に閉成し、かつ前記主給電路が漏電したときに開成して遮断し、さらに電圧を印加されて前記主給電路を閉じた後に前記電圧を低下させても前記閉状態を保持可能なリレーと前記主給電路を通じた漏電の有無に応じて前記主給電路を前記遮断及び前記閉成するように前記リレーを開閉に駆動するリレー駆動部を有する漏電遮断器と、前記リレー駆動部を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記便座の保温時においては、前記リレー駆動部に印加されている電圧を低下させるもので、これによりリレーの消費電力を低減させることができる。
【0012】
すなわち、この種の便座装置では従来、常時、漏電遮断器のリレー駆動部に定格電圧が通電され続けておって、しかも便座装置の実際に使用される時間も少ない状況下のため、無駄な大きな電力を使用していたのが、便座の保温時においては、リレー駆動部に印加されている定格電圧を低下させられ、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、大幅に機器の省電力化を図ることができる。
【0013】
また、人が装置周辺にいるか、いないか、もしくは、便座装置の使用状態等を知ることにより自由にコイルの通電率を制御することにより、最大限の省電力化を実現させることができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明において制御手段は、人が洗浄装置を使用していない時にリレー駆動部に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明において制御手段は、人が便座に着座されていない時にはリレー駆動部に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0016】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明の制御手段は、人により洗浄装置等の操作部により装置が操作されていない時にはリレー駆動部に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0017】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の制御手段は、便座の便蓋が閉状態の時にはリレー駆動部に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続け
ておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0018】
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明に記載の便座装置を便器に設けたトイレ装置で、これにより上記第1〜第5のいずれか1つの発明に記載した作用効果を有するトイレ装置にできる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における便座装置を搭載したトイレ装置の斜視図で、図2は同じく便座装置の制御ブロック図で、図3は同便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図で、図4は同電圧切替回路のタイムチャートである。
【0021】
トイレ装置は、図1に示すように便器1とその後端部上に横に設け、便座2と便蓋3を上下方向へ倒立自在にそれぞれ設けた便座装置本体4で構成してある。そして、便座装置本体4には、図2に示す制御ブロックが内臓されているものである。
【0022】
すなわち、便座2を加熱する便座ヒータ5、洗浄ノズル6から用便後の人体局部に向かって温水を噴出させて洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータ7、そして前記洗浄により濡れた人体局部を温風で乾燥させる乾燥ヒータ8は、電力を得るため、それぞれ主給電路9に接続するとともに、主給電路9を通じた漏電の時に主給電路9を遮断および前記漏電の無い正常時には主給電路9を常に閉じている漏電遮断器10を介して交流電源(トイレ室の壁の電源コンセント)に接続している。
【0023】
漏電遮断器10は、便座ヒータ5、温水ヒータ7、乾燥ヒータ8等のヒータに電力を供給する主給電路9を常に閉成し、かつ主給電路9を通じた漏電が生じたときに開成して遮断し、さらに例えば、定格電圧V0を印加されて主給電路9を閉じた後に定格電圧V0をV1にやや低下させても主給電路9を閉じた状態を保持可能なリレー11と主給電路9を通じた漏電の有無に応じて主給電路9を遮断及び閉成するようにリレー11を開閉に駆動するリレー駆動部12と主給電路9を通じて漏電の有無を検出する漏電検出手段13で構成している。
【0024】
制御手段14は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路から成り、これより以下に説明する動作、作用を実行するプログラムが内蔵されており、そして漏電検出手段13が検出した主給電路9を通じた漏電の有無に応じてリレー11を開閉するようにリレー駆動部12を制御する。
【0025】
特に本実施の形態で、制御手段14は、リレー11の接点11aを開閉するコイル11bを含むリレー駆動部12の消費電力を抑えるために、コイル11bの保持機能を利用し、リレー11が主給電路9を閉じた後であって、便座2の保温時において(便座装置本体4を使用者が使用していない時)、リレー駆動部12に印加されている電圧、例えば定格電圧V0をV1にやや低下させ、便座装置本体4の省電力化を図ることを特徴とするものである。
【0026】
なお、上記したコイル11bの保持機能とは、リレー11のコイル11bを一度、定格電圧V0を印加させ励磁させると、その後に前記印加電圧をある程度低下させた電圧V1にしても、リレー11の接点11aを閉状態に保持するもので、この特性を利用して、電源回路15における電圧切替回路16の出力を制御手段14により切替えることで、リレー11のコイル11bを含むコイル駆動部12の通電率を変えるものである。
【0027】
すなわち、制御手段14は、リレー11のリレー駆動部12の消費電力を抑えるために、使用者が便座装置本体4を使用していない、つまり、トイレ室に使用者がいなく、そして便座2に使用者が着座していないため節電を図って便座ヒータ5の加熱能力を下げている便座2の保温時において行うようにした理由は、図2に示すリレー駆動部12の電源回路15が、便座装置本体4の洗浄ノズル6のノズル駆動部、脱臭、乾燥ファンのファン駆動部等の電源回路とも共通にして、構成の簡素化と安価に製造できるようにするものであり、便座装置本体4を使用する時に電源回路15の出力電圧を下げたままでは、洗浄ノズル6のノズル駆動部の作動に支障をきたすことは避けなければならない。
【0028】
そして、制御手段14は、使用者が便座2から立ち上がり着座検知手段25からの着座信号なしの信号、または、使用者がトイレ室からでて、壁に設けた人体検知手段24(図1、図2に示す)からの人体検知信号なしの信号を取り込むと、便座装置本体4を使用者が使用していないことを判断し、便座ヒータ5を制御して加熱能力下げ、便座2を保温状態にするとともに、この時にリレー駆動部12に印加されている電圧、例えば定格電圧V0をV1に低下させるため、図3に示す電圧切替回路16を制御するものである。
【0029】
すなわち、使用者がトイレ室に入ると、人体検知手段24が検知した人体検知信号が制御手段14に入力される。続いて、使用者が便座2に着座すると着座検知手段25が着座を検知して着座信号も制御手段14に入力される。
【0030】
そして、使用者による操作部26の操作により、用便後の人体局部の洗浄と乾燥を行うのに備えて制御手段14は洗浄ノズル6のノズル駆動部、脱臭、乾燥ファンのファン駆動部等が作動するのに支障のないように電圧切替回路16により電源回路15に含まれるSW電源18が、定格電圧V0より低い電圧V1が印加されていたリレー駆動部12に定格電圧V0が印加されるように制御する。
【0031】
図4に示す電圧切替回路16の制御のタイムチャートと合わせて図3に示す電圧切替回路16の動作を説明すると、リレー11のコイル11bに定格電圧V0の100%通電する場合は、予めトランジスタ17がオンの時でSW電源18のDC電圧19を100%出力させるように直列結線の抵抗20、21、22で設定されている。
【0032】
そして、人体検知手段24と着座検知手段25の両検知信号を取り込んだ制御手段14は、その電圧切替ポート23から高信号を出力するとトランジスタ17がオンして抵抗21が短絡され、SW電源18のDC電圧19の100%の定格電圧V0が出力され、一方、リレー出力ポート27からの信号でトランジスタ28がオンしてリレー駆動部12、コイル11bには定格電圧V0が印加される。
【0033】
使用者が用便後の人体局部の洗浄と乾燥が終わり、便座2から立ち上がると着座検知手段24からの着座信号の検知が無くなり、また、使用者がトイレ室から出ると人体検知手段24からの人体信号の検知が無くなり(便座ヒータ5は制御手段14により制御されて便座2が保温状態に入る)、この両信号を取り込んだ制御手段14は、電圧切替回路16を制御して電源回路15に含まれるSW電源18が、定格電圧V0より低い電圧V1をリレー駆動部12、コイル11bに印加するようにする。
【0034】
すなわち、便座2は保温が必要な状態にあり、従って、リレー11をオフすることはできないので、着座信号と人体信号の検知無しを受けた制御手段14は、省電力モード(便座2は保温状態)にするため、電圧切替ポート23から低信号を出力する。そして、電圧切替のスイッチであるトランジスタ17がオフすることにより、予め抵抗20、21、22とで設定され、SW電源18の出力電圧19が、ある程度低下した電圧V1(定格電圧
V0の任意の%の電圧)に切替えられリレー11の通電率が変わり、低減された分、電力を削減することができる。
【0035】
但し、前記した通り、この構成ではリレー11のコイル11bの接点保持電圧VH以下にすることはできないので、V1>VHに設定する必要がある。
【0036】
また、制御手段14は、使用者がトイレ室に入り、人体検知手段24と着座検知手段25の両検知信号を再び取り込むと、電圧切替ポート23を高信号の出力にして、定格電圧V0より低い電圧V1をリレー駆動部12、コイル11bに印加している省電力モード(便座の保温状態)の状態から、洗浄モードの状態に対応して、電圧切替回路16により通常の定格電圧V0に戻すことができる。
【0037】
なお、本実施の形態における制御手段14は、便座装置本体4のもつ、人体局部を温水で洗う洗浄機能、洗浄により濡れた人体局部を温風で乾燥させる乾燥機能、用便後の発生する臭いを脱臭する脱臭機能および着座しないとき加熱温度下げる便座2の保温機能等の全体の制御を行うプログラムも格納してある。
【0038】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図で、図6は同電圧切替回路の制御タイムチャートである。本実施の形態では、図1、図2に示す実施の形態1の便座装置本体の構成は同じで、制御手段14の構成のみが、実施の形態1の発明と異なるので、斯かる部分を中心に説明する。
【0039】
すなわち、制御手段14は、基本的に実施の形態1の発明と動作、作用は同じであるが、特に人体検知手段24からの人体検知信号の有無を取り込んで電圧切替回路16を制御するものであり、人が洗浄装置を使用していない時である人体検知手段24からの人体検知無しの信号を受けると、リレー駆動部12に印加されている電圧を低下させる構成である。また、電圧切替回路16は、実施の形態1の発明と同じなので、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
続いて、図5に示す電圧切替回路16及び図6に示す制御タイムチャートの動作は、基本的に実施の形態1の発明と同じなので、異なる処を中心に説明する。
【0041】
使用者は、用便のためトイレ室に入ると、人体検知手段24が人体検知の信号を制御手段1に出力し、これを取り込んだ制御手段14はトイレ室に人がいることを判断する。そして、制御手段14は人体検知有りのオン信号が入力されると、電圧切替ポート23を高信号に出力し、トランジスタ17がオンすることにより、SW電源18のDC電圧19の100%の定格電圧V0が出力され、一方、リレー出力ポート27からの信号でトランジスタ28がオンしてリレー駆動部12、コイル11bには定格電圧V0が印加される。
【0042】
続いて、トイレ室に人がいなくなると、人体検知無しの信号が人体検知手段24より制御手段14の人体検知無しのオフ信号が入力される。そして、制御手段14は電圧切替ポート23から低信号を出力してトランジスタ17がオフすることにより抵抗21、22、23で設定されると、SW電源18のDC電圧の出力電圧19がある程度、低下された電圧V1(リレー11の定格電圧V0の任意の%の電圧)に切り替えられリレーの通電率が変わり、低減された分だけ電力を削減することができる。
【0043】
このように制御手段14は、人体検知手段24がトイレ室で使用者を検知できなくなり、洗浄装置本体4を使用していない時にはリレー駆動部12に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部12の消費電力を低減させ、装
置の省電力化を図ることができる。
【0044】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図で、図8は同電圧切替回路の制御タイムチャートである。本実施の形態では、図1、図2に示す実施の形態1の便座装置本体の構成は同じで、制御手段14の構成のみが、実施の形態1の発明と異なるので、斯かる部分を中心に説明する。
【0045】
すなわち、制御手段14は、基本的に実施の形態1の発明と動作、作用は同じであるが、特に着座検知手段25から使用者が便座2に着座及び着座していない検知信号をそれぞれ取り込んで電圧切替回路16を制御するものであり、使用者が便座2に着座していない信号を受けると、リレー駆動部12に印加されている電圧を低下させる構成である。また、電圧切替回路16は、実施の形態1の発明と同じなので、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
続いて、図7に示す電圧切替回路16及び図8に示す制御タイムチャートの動作は、基本的に実施の形態1の発明と同じなので、異なる処を中心に説明する。
【0047】
使用者は、用便のためトイレ室に入ると、人体検知手段24が人体検知の信号を制御手段14に出力し、これを取り込んだ制御手段14はトイレ室に人がいることを判断する。そして、使用者が便座2に着座すると着座検知手段25が着座検知の信号を出力し、この着座検知信号を取り込んだ制御手段14は着座検知入力にオン信号が入力される。
【0048】
そして、制御手段14は電圧切替ポート23を高信号に出力し、トランジスタ17がオンすることにより、SW電源18のDC電圧19の100%の定格電圧V0が出力され、一方、リレー出力ポート27からの信号でトランジスタ28がオンしてリレー駆動部12、コイル11bには定格電圧V0が印加される。
【0049】
続いて、用便が済んで洗浄ノズル6による人体局部の洗浄と乾燥ファンによる乾燥が終わった使用者が便座2から立ち上がると、着座検知手段25からの着座検知無しの信号を取り込んだ制御手段14は、人体検知無しのオフ信号が入力される。そして、制御手段14は電圧切替ポート23から低信号を出力してトランジスタ17がオフすることにより抵抗21、22、23で設定されると、SW電源18のDC電圧の出力電圧19がある程度、低下された電圧V1(リレー11の定格電圧V0の任意の%の電圧)に切り替えられリレーの通電率が変わり、低減された分だけ電力を削減することができる。
【0050】
このように制御手段14は、着座検知手段24が便座2で使用者を検知できなくなると、リレー駆動部12に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部12の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。つまり、着座検知手段25による着座検知の有無の状態によって制御手段14の電圧切替ポート23の出力を切り換えることで電圧切替回路16によって省電力化を行うことができる。
【0051】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図で、図10は同電圧切替回路の制御タイムチャートである。本実施の形態では、図1、図2に示す実施の形態1の便座装置本体の構成は同じで、制御手段14の構成のみが、実施の形態1の発明と異なるので、斯かる部分を中心に説明する。
【0052】
すなわち、制御手段14は、基本的に実施の形態1の発明と動作、作用は同じであるが
、特に人によって操作部26が操作されたかどうかを判断する機能を有しておって、使用者により洗浄装置本体4の操作部26(図1に示す遠隔操作リモコンに相当する)により装置の作動操作がされていない時(使用者により洗浄装置本体4の操作部26が操作されるまで)は、そのリレー駆動部12に印加されている電圧を定格電圧V0より低下させた電圧V1にする構成である。
【0053】
逆に言えば、使用者が洗浄装置本体4を使用するため、その操作部26を操作した信号を取り込んだ制御手段14は、それまで低下した電圧V1の印加されていたリレー駆動部12に定格電圧V0を印加するものである。
【0054】
また、電圧切替回路16は、実施の形態1の発明と同じなので、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0055】
続いて、図9に示す電圧切替回路16及び図10に示す制御タイムチャートの動作は、基本的に実施の形態1の発明と同じなので、異なる処を中心に説明する。
【0056】
使用者は、トイレ室に入り便座2に着座して用便を済ませた後に、洗浄ノズル6による人体局部の洗浄と乾燥ファンによる乾燥を行うために操作部26を操作すると、この操作信号を取り込んだ制御手段14は、洗浄ノズル6による人体局部の洗浄と乾燥ファンによる乾燥を行うように制御するのと合わせて、電圧切替回路16を制御してそれまで省電力化のため低下した電圧V1の印加されていたリレー駆動部12に定格電圧V0を印加する。
【0057】
すなわち、制御手段14は、人によって操作部26が操作されると、その信号を取り込んで人により操作されたと判断すると、電圧切替ポート23から高信号の出力をさせてトランジスタ17をオンさせ、SW電源18のDC電圧の出力19を100%の定格電圧V0を出力させる。一方、リレー出力ポート27からの信号でトランジスタ28がオンしてリレー駆動部12、コイル11bには定格電圧V0が印加される。
【0058】
続いて、制御手段14は、使用者が操作部26を操作して作動させた便座装置本体4の洗浄機能、乾燥機能、脱臭機能等の全ての動作が終了すると、その終了信号を取り込んで、次に使用者によって操作部26が操作されるまでは、電圧切替ポート23から低信号を出力させて、トランジスタ17をオフさせSW電源18のDC電圧の出力19を定格電圧V0より低下させた電圧V1にしてリレー11のコイル11bの通電率を変え、省電力化を行うことができる。
【0059】
このように、制御手段14は、人により洗浄装置等の操作部により装置が操作されていない時にはリレー駆動部12に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0060】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5における便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図で、図12は同装置の漏電遮断器における電圧切替回路の制御タイムチャートである。本実施の形態では、図1、図2に示す実施の形態1の便座装置本体の構成は同じで、制御手段14の構成のみが、実施の形態1の発明と異なるので、斯かる部分を中心に説明する。
【0061】
すなわち、制御手段14は、基本的に実施の形態1の発明と動作、作用は同じであるが、特に便座2の便蓋3が閉状態の時にはリレー駆動部12に印加されている電圧を定格電圧V0より低下させた電圧V1にする構成である。
【0062】
すなわち、制御手段14は、トイレ室に入った人体を検知した人体検知手段24からの人体検知信号を取り込むと便蓋3を開閉駆動部で開き、トイレ室から人が退出すると人体検知手段24からの人体検知の信号無を取り込んで便蓋3を開閉駆動部で閉じさせる自動開閉制御する構成である。
【0063】
便蓋開閉検知手段29は、便蓋3の開閉駆動部に連動して便蓋3の開閉を検知するもので、その開閉信号を制御手段14に出力するものである。従って、制御手段14は、便蓋開閉検知手段29の便蓋開閉信号を取り込んで電圧切替回路16を制御して、便蓋閉状態の時にはリレー駆動部12に印加されている電圧を定格電圧V0より低下させた電圧V1にするとともに、便蓋開状態の時はこれまでリレー駆動部12に印加されている電圧V1を定格電圧V0にする構成である。
【0064】
また、電圧切替回路16は、実施の形態1の発明と同じなので、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0065】
続いて、図11に示す電圧切替回路16及び図12に示す制御タイムチャートの動作は、基本的に実施の形態1の発明と同じなので、異なる処を中心に説明する。
【0066】
使用者は、用便のためトイレ室に入ると、人体検知手段24が人体検知有りの信号を制御手段14に出力し、これを取り込んだ制御手段14はトイレ室に人がいることを判断する。そして、この人体検知有りの信号を取り込んだ制御手段14は、開閉駆動部を制御して便蓋3を開成する。この開閉駆動部に連動した便蓋開閉検知手段29は便蓋開信号を制御手段14に出力し、この信号を取り込んだ制御手段14は電圧切替回路16を制御する。
【0067】
すなわち、制御手段14は電圧切替ポート23を高信号に出力し、トランジスタ17がオンすることにより、SW電源18のDC電圧19の100%の定格電圧V0が出力され、一方、リレー出力ポート27からの信号でトランジスタ28がオンしてリレー駆動部12、コイル11bには定格電圧V0が印加される。
【0068】
続いて、用便が済んで洗浄ノズル6による人体局部の洗浄と乾燥ファンによる乾燥が終わった使用者が便座2から立ち上がり、トイレ室から退出すると、人体検知手段24からの人体検知無しの信号が制御手段14に入り、この信号を取り込んだ制御手段14は、便蓋3の開閉駆動部を制御して便蓋3を閉じる。
【0069】
この便蓋3の閉状態を検知した便蓋開閉検知手段29から便蓋閉の信号を取り込んだ制御手段14は、電圧切替ポート23から低信号を出力してトランジスタ17がオフすることにより抵抗21、22、23で設定されると、SW電源18のDC電圧の出力電圧19がある程度、低下された電圧V1(リレー11の定格電圧V0の任意の%の電圧)に切り替えられリレーの通電率が変わり、低減された分だけ電力を削減することができる。
【0070】
このように制御手段14は、便蓋3が閉状態の時にはリレー駆動部12に印加されている電圧を低下させるもので、常時通電され続けておってもリレー駆動部の消費電力を低減させ、装置の省電力化を図ることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、便蓋3の自動開閉による開および閉の信号を制御手段14で取り込んでいるが、便蓋3の手動による開閉を便蓋開閉検知手段29で検知して制御手段14に出力してもよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明にかかる便座装置は、制御手段により装置を使用していないときには、漏電遮断器のリレー駆動部の電圧を低下させ、常時通電され続けておっても従来よりもリレー駆動部による消費電力を低減させられ、漏電遮断器を使用した機器にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態1における便座装置を搭載したトイレ装置の斜視図
【図2】同便座装置の制御ブロック図
【図3】同便座装置の漏電遮断器における電圧切替回路図
【図4】同電圧切替回路の制御タイムチャート
【図5】同実施の形態2における便座装置の漏電遮断器の電圧切替回路図
【図6】同装置の電圧切替回路の制御タイムチャート
【図7】同実施の形態3における便座装置の漏電遮断器の電圧切替回路図
【図8】同装置の電圧切替回路の制御タイムチャート
【図9】同実施の形態4における便座装置の漏電遮断器の電圧切替回路図
【図10】同装置の電圧切替回路の制御タイムチャート
【図11】同実施の形態5における便座装置の漏電遮断器の電圧切替回路図
【図12】同装置の電圧切替回路の制御タイムチャート
【図13】従来の便座装置の制御ブロック図
【符号の説明】
【0074】
2 便座
3 便蓋
5 便座ヒータ(ヒータ)
9 主給電路
10 漏電遮断器
11 リレー
12 リレー駆動部
14 制御手段
24 人体検知手段
25 着座検知手段
26 操作部
29 便蓋開閉検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座と、前記便座を加熱する便座ヒータ等のヒータと、前記ヒータに電力を供給する主給電路を常に閉成し、かつ前記主給電路が漏電したときに開成して該主給電路を遮断し、電圧を印加されて前記主給電路を閉じた後に前記電圧を低下させても前記閉状態を保持可能なリレーと前記主給電路を通じた漏電の有無に応じて前記主給電路を前記遮断及び前記閉成するように前記リレーを駆動するリレー駆動部を有する漏電遮断器と、前記リレー駆動部を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記便座の保温時においては、前記リレー駆動部に印加されている電圧を低下させる便座装置。
【請求項2】
制御手段は、人が洗浄装置を使用していない時には、リレー駆動部に印加されている電圧を低下させる請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
制御手段は、人が便座に着座されていない時には、リレー駆動部に印加されている電圧を低下させる請求項1または請求項2に記載の便座装置。
【請求項4】
制御手段は、人により洗浄装置等の操作部により装置が操作されていない時には、リレー駆動部に印加されている電圧を低下させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項5】
制御手段は、便座の便蓋が閉状態の時にはリレー駆動部に印加されている電圧を低下させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の便座装置を便器に設けてなるトイレ装置。

【図2】
image rotate

【図13】
image rotate

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−227305(P2010−227305A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78421(P2009−78421)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】