便座装置
【課題】トイレ使用の快適性を高めるのに有利な便座装置を提供する。
【解決手段】制御部は、トイレ空間Rの温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。トイレ空間Rの温度が相対的に低いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に低い季節のとき、温水の設定温度Aを、トイレ空間Rの温度が相対的に高いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に高い季節のときよりも、上昇させ、且つ、トイレ空間Rの温度が相対的に高いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に高い季節のとき、温水の設定温度を、トイレ空間Rの温度が相対的に低いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に低い季節のときよりも、低下させる制御を実行する。
【解決手段】制御部は、トイレ空間Rの温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。トイレ空間Rの温度が相対的に低いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に低い季節のとき、温水の設定温度Aを、トイレ空間Rの温度が相対的に高いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に高い季節のときよりも、上昇させ、且つ、トイレ空間Rの温度が相対的に高いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に高い季節のとき、温水の設定温度を、トイレ空間Rの温度が相対的に低いときまたはトイレ空間Rの温度が相対的に低い季節のときよりも、低下させる制御を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座を備える便座装置に関する。特に、人体局部洗浄機能を有する便座装置に適用できる。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱体および温度検知体を有する便座と、発熱体の発熱温度を温度検知体を介して検出する温度検知手段と、発熱体への通電を制御する通電制御手段と、便座の発熱に影響を及ぼす物理量を計測する物理量計測手段と、温度検出手段および物理量計測手段に基づいて便座の表面温度を推定する表面温度推定手段と、表面温度推定手段に基づいて通電制御手段を制御して発熱体の通電を制御する制御手段とを有するトイレ装置が知られている(特許文献1)。このものによれば、表面温度推定手段は、使用される環境下での学習が既に済んだ複数の固定された結合重み係数を内部にもつ神経回路網膜式手段を有する。このものによれば、発熱体の発熱温度から便座の表面温度を推定している。
【0003】
また、着座スイッチにより使用者が便座に着座したことを検知すると、予め設定した時間だけ、温度検知手段による検知とは無関係にヒータに通電する制御手段をもつ暖房便座装置が知られている(特許文献2)。このものによれば、着座した直後の便座の温度の低下が抑制される。
【0004】
また、便座に配置したヒータと、便座の表面温度を検知するサーミスタとを用い、便座の表面温度が予め設定された温度になるように便座制御部が通電を制御し、室温演算部がヒータの通電率から、予め設定した演算式に基づいて温度を演算により求めるトイレ装置が知られている(特許文献3)。演算式で求めた室温に基づいて、乾燥制御部は乾燥機能部を操作させる。
【特許文献1】特開平5−199947号公報
【特許文献2】特開平6−245875号公報
【特許文献3】特開2005−137556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した人体局部洗浄装置によれば、トイレ空間の温度または年間を通した季節に応じて、温水の設定温度または暖房便座の設定温度を調整するものではない。このためトイレ使用の快適性を高めるには限界があった。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、トイレ空間の温度または季節に応じて温水の設定温度または暖房便座の設定温度を調整することにより、トイレ使用の快適性を高めるのに有利な便座装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)様相1に係る便座装置は、便座と、便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水生成用加熱部で加熱される温水の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする。温度制御の基準となる所定温度は一つの温度でも良いし、複数の温度でも良い。
【0008】
様相1に係る便座装置制御部によれば、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。そして、制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる。
【0009】
(2)様相2に係る便座装置は、便座と、便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水生成用加熱部で加熱される温水の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする。温度制御の基準となる所定温度は一つの温度でも良いし、複数の温度でも良い。
【0010】
様相2に係る便座装置制御部によれば、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。そして、制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度2よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度がある所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる。また制御部は、トイレ空間の温度がある所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に低下させる。
【0011】
(3)様相3に係る便座装置は、便座と、便座を加熱する便座加熱部と、便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする。
【0012】
制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を制御する。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる。
【0013】
(4)様相4に係る便座装置は、便座と、便座を加熱する便座加熱部と、便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする。
【0014】
制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を制御する。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行する。
【発明の効果】
【0015】
様相1および2に係る便座装置によれば、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を自動的に制御する。従って、トイレ空間の温度および季節が変わったとしても、便座に着座する人体の局部に向けて温水の温度を適温化させることができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。
【0016】
様相3および4に係る便座装置によれば、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、暖房便座の設定温度を自動的に制御する。従って、トイレ空間の温度および季節が変わったとしても、便座の温度を適温化させることができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
トイレ空間の温度が所定温度TK1よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度TK1よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度TK2よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度TK2よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行する。所定温度TK1および所定温度TK2は同一温度でも良いし、異なる温度でも良い。TK1=TK2、TK1≒TK2、TK1<TK2を採用できる。
【0018】
トイレ空間の温度を直接的または間接的に検知する温度検知手段を有する形態が例示される。トイレ空間の温度を直接的に検知するとは、トイレ空間の温度を検知する場合をいう。トイレ空間の温度を間接的に検知するとは、トイレ空間ではなく、便座またはケース等の他の部材の温度を直接的に検知することにより、トイレ空間の温度を間接的に検知する場合をいう。
【0019】
更に、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有している形態が例示される。この場合、制御部は、湿度検知手段で検知した湿度に応じて、設定温度を昇降させる形態が例示される。これにより設定温度を湿度に対処させることができる。
【0020】
また、制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高く且つトイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いときには、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、設定温度(温水および/または便座の設定温度)を自動的に低下させる形態が例示される。夏季の蒸し暑い時期等に、当該設定温度を低下させるため、快適性が確保される。
【0021】
本発明によれば、温水の設定温度を手動で操作する温水用の手動設定部を有していても良い。また、便座の設定温度を手動で操作する便座用の手動設定部を有していても良い。使用者の好みが自動にマッチングしないときには、使用者の好みに応じて設定温度(温水および/または便座の設定温度)を手動で設定できる。
【0022】
本発明によれば、制御部は、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有しており、湿度検知手段で検知した湿度に応じて、前記した設定温度を昇降させる形態が例示される。殊に、蒸し暑い湿度が存在するときには、温水の設定温度を自動的に低下させたり、便座加熱部をオフとすることができる。
【0023】
制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高く且つトイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いときには、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる形態が例示される。
【0024】
本発明によれば、制御部はタイマー機能を有しており、タイマー機能により計測した経過時間により現在の季節を判定する季節判定手段と、季節判定手段により冬季と判定されるとき、夏季よりも設定温度(温水および/または便座の設定温度)を上昇させる温度調整手段を備える形態が例示される。更に、季節判定手段により夏季の判定されるとき、温度調整手段は、冬季よりも設定温度(温水および/または便座の設定温度)を低下させる形態が例示される。制御部のタイマー機能を利用すれば、タイマー機能で季節を判定できるため、温度検知手段で季節を判定せずとも良い。
【0025】
本発明によれば、部品を収容するケースが設けられており、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部は、ケースの底面側、ケースのうち便座と反対側の側面壁、または、ケースの内部に配置されている形態が例示される。更に、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部は、便座および温水生成用加熱部から離れた部位に配置されている形態が例示される。これらの場合、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部が、暖房便座として機能する便座および温水生成用加熱部から離れるため、検知部の検知精度を確保するのに有利である。温水タンクが搭載される場合には、温水タンクからも離すことが好ましい。こられの部品から離れる距離としては、適宜選択できるが、3センチメートル以上、5センチメートル以上が好ましく、10センチメートル以上、50センチメートル以上とすることもできる。あるいは、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部と、便座または/および温水生成用加熱部との間に断熱構造(例えば断熱空間、断熱材)を適宜設けることができる。
【実施例1】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施例に係る便座装置は人体局部洗浄装置1である。人体局部洗浄装置1は、洋式の便器2の後部に装備されるものであり、上面に操作パネル3をもつ基部としてのケース4と、ケース4に回動可能に設けられた便座5と、ケース4に回動可能に設けられた便蓋6とを備える。洗浄部は、女性局部洗浄ノズル7と、排便局部洗浄ノズル8とからなる。ケース4は制御基板などが配置されたものであり、便座5の後方(便座5に着座する使用者の顔が向く方向と反対方向)に位置する第1ケース4aと、第1ケース4aと一体的な第2ケース4cとを有する。第2ケース4cは、便座5に着座する使用者の側方に配置されている。
【0027】
女性局部洗浄ノズル7は、不使用時には使用者から見えぬように隠蔽されており、女性局部洗浄スイッチ9が操作されると、便座5に着座している使用者の女性局部に向けて前進し、使用終了であれば、再び、後退して隠蔽される。排便局部洗浄ノズル8は、不使用時には使用者から見えぬように隠蔽されており、排便局部洗浄スイッチ10が操作されると、便座5に着座している使用者の排便局部に向けて前進し、使用終了であれば、再び、後退して隠蔽される。
【0028】
図2はブロック図を示す。図2に示すように、女性局部洗浄スイッチ9と、排便局部洗浄スイッチ10と、洗浄部を構成する女性局部洗浄ノズル7及び排便局部洗浄ノズル8にそれぞれ供給する温水を生成する温水生成用ヒータ11(温水生成用加熱部)と、便座5を加熱する便座ヒータ12(便座加熱部)と、トイレ空間Rの温度Taを検知する温度センサ13(温度検知手段)と、トイレ空間Rの湿度Waを検知する湿度センサ14(湿度検知手段)と、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを自動的に設定する自動モードに切り替える自動モード設定スイッチ15(自動モード設定部)と、温水の設定温度Aを手動で設定する温水用の手動設定スイッチ16(手動設定部)と、便座5の設定温度Bを手動で設定する暖房便座用の手動設定スイッチ17(手動設定部)とが設けられている。
【0029】
また、自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているとき、温水の好みの温度を高めまたは低めに使用者が設定する温水好み温度設定スイッチ20(温水好み温度設定部)と、便座5の好みの温度を高めに使用者が設定する便座好み温度設定スイッチ22(便座好み温度設定部)とが第2ケース部4cの上面に設けられている操作パネル3に設けられている。これらの信号は制御部24に入力される。制御部24は、入力処理回路25と、マイコン26と、マイコン26からの信号に基づいて制御信号を出力する出力処理回路27と、RAM、ROM等のメモリ28(記憶媒体)とを有する。マイコン26はタイマー機能を有する。
【0030】
温水生成用ヒータ11は、給水通路に繋がるようにケース4に搭載されているタンクに収容されている水をヒータで加熱する温水タンクタイプでも良いし、温水タンクを有さず、ケース4に搭載されている給水通路の水をヒータで加熱する瞬間給湯タイプでも良い。便座ヒータ12は便座5に搭載されている発熱体で形成されている。温度センサ13および湿度センサ14はケース4に搭載されていても良いし、あるいは、ケース4から離れたトイレ空間Rの室壁あるいはトイレ空間Rの他の部位に設けられていても良い。
【0031】
なお、人体局部洗浄装置1がリモコン装置(図示略)で操作される形態のものであれば、温度センサ13および湿度センサ14を、リモコン装置内に収容しても良い。この場合、リモコン装置は、便座5や温水生成用ヒータ11から離れて熱的に遮断された、トイレ空間Rの室壁等に着脱自在に吊設されるので、温水または暖房便座の影響が回避され、温度および/または湿度の検出精度が確保される。リモコン装置は洗浄スイッチ等の各種スイッチをユーザが操作するものである。
【0032】
自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているときには、制御部24は、トイレ空間Rの温度Taに応じて、温水の設定温度A、便座5の設定温度Bの双方を自動で制御する。具体的には、トイレ空間Rの温度Taが相対的に低いときには、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に高いときよりも、制御部24は、温水の設定温度Aを自動的に上昇させる制御を実行する。また、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときには、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に低いときよりも、制御部24は、温水の設定温度Aを自動的に低下させる制御を実行する。
【0033】
このように制御部24は、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて、人体の局部を洗浄する温水の設定温度Aを自動で設定する。このためトイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7から人体の女性局部に向けて吐出される温水や排便局部洗浄ノズル8から人体の排便局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。
【0034】
更に本実施例によれば、トイレ空間Rの温度Taが相対的に低いときには、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときよりも、制御部24は、便座5の設定温度Bを上昇させる制御を実行する。また、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときには、、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に低いときよりも、制御部24は、便座5の設定温度Bを低下させる制御を実行する。このようにトイレ空間Rの温度Taの変化に応じて便座5の設定温度Bを自動で設定する。このためトイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。
【0035】
図3および図4は制御部24が実行するフローチャートの一例を示す(フローチャートはこれに限定されるものではない)。まず、自動モード設定スイッチ15の状態を読み込む(ステップS2)。そして、自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているか否か判定する(ステップS3)。YESであれば、温水の設定温度Aと便座5の設定温度Bとを自動で設定する自動モードを実行する(ステップS4)。NOであれば、手動制御モードを実行する(ステップS6)。
【0036】
図4は自動モードのフローチャートを示す。図4に示すように、制御部24は、温度センサ13が検知するトイレ空間Rの温度Taの信号を読み込む(ステップS402)。この場合、複数個の信号を読み込み、平均値をトイレ空間Rの温度Taとする。次に制御部24は、検知温度Taと低温側の第1しきい値温度T1とを比較する(ステップS404)。検知温度Taが第1しきい値温度T1未満であれば、冬季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップS406)。従ってステップS406は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる昇温手段として機能する。
【0037】
また検知温度Taが第1しきい値温度T1以上であれば、制御部24は、検知温度Taと高温側の第2しきい値温度T2とを比較する(ステップS408)。そして検知温度Taが第2しきい値温度T2未満であれば、春季または秋季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定する。更に、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップS410)。
【0038】
そして検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であれば、夏季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定する。更に、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば26℃)に設定する(ステップS412)。従ってステップS412は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に高いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる降温手段として機能する。なお、検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であれば、制御部24は、便座5の設定温度Bをオフにして断電状態に設定しても良い。なお、Ahigh>Amiddle>Alowの関係とされている。また、Bhigh>Bmiddle>Blowの関係とされている。本実施例では、湿度センサ14が設けられているが、特に必要が無ければ、廃止しても良い。
【0039】
上記した制御が実行される本実施例によれば、女性局部洗浄ノズル7及び排便局部洗浄ノズル8から吐出される温水の設定温度Aとしては、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて自動的に、図5に示すような温度調整特性とされる。従って本実施例によれば、夏、秋、冬、春といった季節の変化に応じて、女性局部洗浄ノズル7および排便局部洗浄ノズル8から吐出される温水の設定温度Aを36〜40℃の範囲内において自動的に調整することができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。従って、季節が変わったとしても、使用者が温水の設定温度Aを季節の変化に合わせて手動調整せずとも良い。
【0040】
また、便座5の温度としては、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて自動的に、図6に示すような温度調整特性とされる。従って本実施例によれば、夏、秋、冬、春といった季節の変化に応じて、便座5の設定温度Bを26〜40℃の範囲内において自動的に調整することができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。従って、季節が変わったとしても、使用者が便座5の設定温度Bを季節の変化に合わせて調整せずとも良い。なお、図5および図6に示す縦軸の温度の数値は例示であり、この数値に限定されるものではない。
【0041】
なお、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bについては、トイレが使用されず待機しているときにおいても設定されるようにしても良い。あるいは、使用者がトイレ室に入室したり、便座5に着座したりするとき、設定されるようにしても良い。
【実施例2】
【0042】
実施例2は実施例1と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、トイレ空間Rの湿度を直接的または間接的に検知する湿度センサ14(湿度検知手段)が温度センサ13と共にケース4またはトイレ空間Rの壁に設けられている。制御部24は、湿度センサ14で検知した湿度に応じて、温水の設定温度Aを昇降させる。即ち、トイレ空間Rの温度Taが第1所定温度、つまりT2よりも高いとき、且つ、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(高湿:例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じる。このため、制御部24は、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低いときよりも、温水の設定温度AをΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させる。更に制御部24は、便座5の設定温度BをΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させるか、あるいは、便座ヒータ12をオフとして断電状態とする。これにより温水の設定温度Aと、便座5加熱の設定温度Bとを、蒸し暑い時期に対処させることができる。
【0043】
図7は自動モードのフローチャートを示す。図7に示すように、先ず、温度センサ13が検知するトイレ空間Rの温度Taの信号と、湿度センサ14が検知するトイレ空間Rの湿度Waの信号とを読み込む(ステップSH402)。検知温度Taが第1しきい値温度T1未満であれば、冬季に相当するため、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップSH406)。従ってステップSH406は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる昇温手段として機能する。
【0044】
また検知温度Taが第1しきい値温度T1以上であれば、検知温度Taと第2しきい値温度T2とを比較する(ステップSH408)。そして検知温度Taが第2しきい値温度T2未満であれば、春季または秋季に相当するため、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップSH410)。
【0045】
そして検知温度Taが第2しきい値温度T2(第1所定温度に相当)以上であれば、トイレ空間Rの温度Taは相対的に高温であり、夏季と判定されるため、トイレ空間Rの湿度Waと第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)とを比較する(ステップSH409)。トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低ければ、使用者はあまり蒸し暑く感じない。そこで、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば26℃)に設定する(ステップSH412)。従って、ステップSH412は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を下降させる降温手段として機能する。
【0046】
これに対して検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であり、且つ、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じると判定される。このため、制御部24は、温水の設定温度AをAlowよりもΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させると共に、便座5の設定温度BをBlowよりもΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させる(ステップSH414)。従ってステップSH414は、高湿であり蒸し暑いと使用者が感じると判定されるとき、温水の設定温度Aおよび/または便座5の設定温度Bを下降させる高湿降温手段として機能する。
【0047】
ここで、ΔT1=ΔT2、ΔT1≒ΔT2、ΔT1>ΔT2、ΔT1<ΔT2のいずれでも良い。なお、第1所定湿度Wa1は例えば湿度60%としているが、これに限らず、湿度は80%、90%、95%としても良い。
【0048】
本実施例においても、実施例1と同様に、トイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。
【0049】
更に、使用者が蒸し暑く感じるときであっても、便座5加熱の設定温度AをΔT1低下させると共に、便座5の設定温度BをΔT2低下させるため、蒸し暑さに対処することができる。
【実施例3】
【0050】
実施例3は実施例1,2と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例では、制御モードが自動モードに設定されているとき、温水の好みの温度を設定する温水好み温度設定スイッチ20(温水好み温度設定部)と、便座5の好みの温度を設定する便座好み温度設定スイッチ22(便座好み温度設定部)に基づいて、好み温度設定モードを実行する。
【0051】
図8は好み温度設定モードのフローチャートを示す。図8に示すように、温水の好み温度を設定する温水好み温度設定スイッチ20の状態と、便座5の好みの温度を設定する便座好み温度設定スイッチ22の状態とを読み込む(ステップS602)。温水好み温度設定スイッチ20の操作状態を判定し(ステップS604)、温水好み温度設定スイッチ20が高めに設定されていると、設定温度Aにα1を加算し、設定温度Aを更新する(ステップS608)。従ってステップS608は、温水好み温度設定スイッチ20が高めに設定されているとき、設定温度Aを高めに更新する更新手段として機能する。
【0052】
温水好み温度設定スイッチ20が低めに設定されていると、設定温度Aからα2を減算し、設定温度Aを更新する(ステップS610)。従ってステップS610は、温水好み温度設定スイッチ20が低めに設定されているとき、設定温度Aを低めに更新する更新手段として機能する。なお、α1=α2、α1≒α2、α1<α2、α1>α2のいずれでも良い。
【0053】
次に、便座好み温度設定スイッチ22の状態を判定する(ステップS612)。便座好み温度設定スイッチ22が高めに設定されていると、設定温度Bにβ1を加算し、設定温度Bを更新する(ステップS614)。従ってステップS614は、便座好み温度設定スイッチ22が高めに設定されているとき、便座5の設定温度Bを高めに更新する更新手段として機能する。
【0054】
また、便座好み温度設定スイッチ22が低めに設定されていると、設定温度Bからβ2を減算し、設定温度Bを更新する(ステップS616)。従ってステップS616は、便座好み温度設定スイッチ22が低めに設定されているとき、便座5の設定温度Bを低めに更新する更新手段として機能する。なお、β1=β2、β1≒β2、β1<β2、β1>β2のいずれでも良い。
【0055】
図9は温水の設定温度Aの変化、つまり、温水の温度変化を示す。図10は便座5の設定温度Bの変化を示す。使用者の好みに応じて、温水の設定温度A(標準設定温度)に対してα1高めに設定されたり、設定温度Aに対してα2低めに設定されたりできる。また使用者の好みに応じて、便座5の設定温度Bに対してβ1高めに設定されたり、便座5の設定温度B(標準設定温度)に対してβ2低めに設定されたりできる。なお、図9および図10に示す縦軸の温度の数値は例示であり、これに限定されるものではない。
【実施例4】
【0056】
実施例4は実施例1と基本的には同様の作用、効果を有する。制御部24のマイコン26はタイマー機能を有しており、タイマー機能により基準時刻から計測した経過時間を計測しており、経過時間により現在の季節を判定し、季節に応じて温水生成用ヒータ11(温水生成用加熱部)の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを制御する。トイレ空間Rの湿度を直接的または間接的に検知する湿度センサ14(湿度検知手段)が設けられている。本実施例では、トイレ空間Rの温度を検知する温度センサ13は設けられていないので、コスト低廉化を図り得る。
【0057】
図11は自動モードのフローチャートを示す。図11に示すように、基準時刻からの経過時間を読み込む(ステップSM402)。この場合、排便局部洗浄スイッチ10または女性局部洗浄スイッチ9等のスイッチ(あるいは着座センサ設けられているときには、着座センサでも良い)がオン操作されたとき、経過時間を読み込むことができる。経過時間から、現在の季節が冬季であるか否か判定する(ステップSM404)。現在の季節が冬季であると判定されると、制御部24は、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップSM406)。また季節が冬季でなければ、制御部24は経過時間から、現在の季節が夏季であるか否か判定する(ステップSM408)。そして季節が夏季でなければ、季節が春季または秋季と相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップSM410)。
【0058】
そして季節が夏季であれば、トイレ空間Rの温度Taは相対的に高温であり、蒸し暑さを考慮する必要がある。このため、制御部24は、トイレ空間Rの湿度Waと第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)とを比較する(ステップSM409)。トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低ければ、使用者はあまり蒸し暑く感じないと判定される。そこで、制御部24は、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば28℃)に設定する(ステップSM412)。
【0059】
これに対して、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じると判定される。このため、制御部24は、便座加熱の設定温度AをAlowよりもΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させると共に、便座5の設定温度BをBlowよりもΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させる(ステップSM414)。あるいは便座ヒータ12をオフとして断電状態としても良い。ここで、ΔT1=ΔT2、ΔT1≒ΔT2、ΔT1>ΔT2、ΔT1<ΔT2のいずれでも良い。
【0060】
ここで、ステップSM402,404,408は、タイマー機能により計測した基準時刻からの経過時間により、現在の季節を判定する季節判定手段として機能できる。ステップSM406,410,412は、季節判定手段で判定した季節に応じて、温水の設定温度Aおよび便座の設定温度Bを制御し、冬季のとき、夏季よりも設定温度Aおよび設定温度Bを上昇させ、且つ、夏季のとき、冬季のときよりも設定温度Aおよび設定温度Bを低下させる温度調整手段として機能できる。ステップSM414は、使用者が蒸し暑く感じると判定されるとき、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを標準設定温度よりも低下させる降温手段として機能する。
【0061】
本実施例においても、実施例1と同様に、季節の変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。更に、梅雨時期などのように使用者が蒸し暑く感じるときであっても、便座5加熱の設定温度AをΔT1低下させると共に、便座5の設定温度BをΔT2低下させるため、蒸し暑さに対処することができる。
【実施例5】
【0062】
図12は実施例5を示す。実施例5は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の底面4e側に形成されている。具体的には、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4のうち操作パネル3をもつ第2ケース4cの底面4e側に形成された凹状部4fにおいて、トイレ空間Rの温度を検知できるように配置されている。
【0063】
このため便座5が暖房便座として機能するときであっても、あるいは、温水の温度が高いときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の影響を受けることを抑制でき、検知精度が確保される。殊に、便座5が暖房便座として機能するとき、対流により暖気は上方に向かい易いことを考慮して、検知部13a,14aは、第2ケース4cの底面4e側に配置されている。更に、検知部13a,14aが底面4eに配置されているため、水、塵等が検知部13a,14aに付着することが抑制される。第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【実施例6】
【0064】
図13は実施例6を示す。実施例6は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の側面4s側に形成されている。具体的には、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の第2ケース4cの側面4s側に形成された凹状部4fに外気(トイレ空間R)に対面するように配置されている。側面4sは、第2ケース4cのうち便座5と反対側に配置されている。このため便座5が暖房便座として機能するときであっても、あるいは、温水の温度が高いときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の影響を受けることを抑制でき、検知精度が確保される。殊に、側面4s側に形成された凹状部4fに検知部13a,14aが配置されているため、水、塵等が検知部13a,14aに付着することが抑制される。第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【実施例7】
【0065】
図14は実施例7を示す。実施例7は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の第2ケース4cの収容室4kの内部において、断熱壁4pで覆われた状態で配置されている。温水生成用ヒータ11はケース4の第1ケース4aに配置されており、第2ケース4cには温水生成用ヒータ11は配置されていない。このため温水の温度が高いときであっても、あるいは、便座5が暖房便座として機能するときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の温度の影響を受けることを抑制できる。従って温度センサ13および湿度センサ14の検知精度が確保される。なお、第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【0066】
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、例えば、女性局部洗浄ノズル及び排便局部洗浄ノズルの双方が用いられているが、いずれか一方でも良い等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、これに対する温水または暖房便座による熱影響を避けるため、トイレ空間Rを区画する壁に取り付けたパネル、または、トイレ空間Rを区画する壁、人体局部洗浄装置1等に着脱可能に取り付けられるリモコン装置に配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1に係り、人体局部洗浄装置を装備した便器の斜視図である。
【図2】人体局部洗浄装置の制御部のブロック図である。
【図3】制御部が実行するフローチャートである。
【図4】制御部が実行するフローチャートである。
【図5】温水温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図6】便座温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図7】実施例2に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図8】実施例3に係り、好み温度設定モードのフローチャートである。
【図9】温水温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図10】便座温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図11】実施例4に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図12】実施例5に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【図13】実施例6に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【図14】実施例7に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1は人体局部洗浄装置(便座装置)、2は便器、5は便座、7は女性局部洗浄ノズル(洗浄部)、8は排便局部洗浄ノズル(洗浄部)、9は女性局部洗浄スイッチ、10は排便局部洗浄スイッチ、11は温水生成用ヒータ(温水生成用加熱部)、12は便座ヒータ(便座加熱部)、13は温度センサ(温度検知手段)、13aは検知部、14は湿度センサ(湿度検知手段)、14aは検知部、15は自動モード設定スイッチ(自動モード設定部)、20は温水好み温度設定スイッチ(温水好み温度設定部)、22は便座好み温度設定スイッチ(便座好み温度設定部)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は便座を備える便座装置に関する。特に、人体局部洗浄機能を有する便座装置に適用できる。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱体および温度検知体を有する便座と、発熱体の発熱温度を温度検知体を介して検出する温度検知手段と、発熱体への通電を制御する通電制御手段と、便座の発熱に影響を及ぼす物理量を計測する物理量計測手段と、温度検出手段および物理量計測手段に基づいて便座の表面温度を推定する表面温度推定手段と、表面温度推定手段に基づいて通電制御手段を制御して発熱体の通電を制御する制御手段とを有するトイレ装置が知られている(特許文献1)。このものによれば、表面温度推定手段は、使用される環境下での学習が既に済んだ複数の固定された結合重み係数を内部にもつ神経回路網膜式手段を有する。このものによれば、発熱体の発熱温度から便座の表面温度を推定している。
【0003】
また、着座スイッチにより使用者が便座に着座したことを検知すると、予め設定した時間だけ、温度検知手段による検知とは無関係にヒータに通電する制御手段をもつ暖房便座装置が知られている(特許文献2)。このものによれば、着座した直後の便座の温度の低下が抑制される。
【0004】
また、便座に配置したヒータと、便座の表面温度を検知するサーミスタとを用い、便座の表面温度が予め設定された温度になるように便座制御部が通電を制御し、室温演算部がヒータの通電率から、予め設定した演算式に基づいて温度を演算により求めるトイレ装置が知られている(特許文献3)。演算式で求めた室温に基づいて、乾燥制御部は乾燥機能部を操作させる。
【特許文献1】特開平5−199947号公報
【特許文献2】特開平6−245875号公報
【特許文献3】特開2005−137556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した人体局部洗浄装置によれば、トイレ空間の温度または年間を通した季節に応じて、温水の設定温度または暖房便座の設定温度を調整するものではない。このためトイレ使用の快適性を高めるには限界があった。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、トイレ空間の温度または季節に応じて温水の設定温度または暖房便座の設定温度を調整することにより、トイレ使用の快適性を高めるのに有利な便座装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)様相1に係る便座装置は、便座と、便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水生成用加熱部で加熱される温水の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする。温度制御の基準となる所定温度は一つの温度でも良いし、複数の温度でも良い。
【0008】
様相1に係る便座装置制御部によれば、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。そして、制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる。
【0009】
(2)様相2に係る便座装置は、便座と、便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水生成用加熱部で加熱される温水の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする。温度制御の基準となる所定温度は一つの温度でも良いし、複数の温度でも良い。
【0010】
様相2に係る便座装置制御部によれば、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を制御する。そして、制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度2よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度がある所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる。また制御部は、トイレ空間の温度がある所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のとき、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に低下させる。
【0011】
(3)様相3に係る便座装置は、便座と、便座を加熱する便座加熱部と、便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする。
【0012】
制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を制御する。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる。
【0013】
(4)様相4に係る便座装置は、便座と、便座を加熱する便座加熱部と、便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を自動的に制御し、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする。
【0014】
制御部は、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、便座の設定温度を制御する。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に上昇させる。制御部は、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行する。
【発明の効果】
【0015】
様相1および2に係る便座装置によれば、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、温水の設定温度を自動的に制御する。従って、トイレ空間の温度および季節が変わったとしても、便座に着座する人体の局部に向けて温水の温度を適温化させることができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。
【0016】
様相3および4に係る便座装置によれば、トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、暖房便座の設定温度を自動的に制御する。従って、トイレ空間の温度および季節が変わったとしても、便座の温度を適温化させることができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
トイレ空間の温度が所定温度TK1よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度TK1よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度TK2よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度TK2よりも相対的に高い季節のときよりも、温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行する。所定温度TK1および所定温度TK2は同一温度でも良いし、異なる温度でも良い。TK1=TK2、TK1≒TK2、TK1<TK2を採用できる。
【0018】
トイレ空間の温度を直接的または間接的に検知する温度検知手段を有する形態が例示される。トイレ空間の温度を直接的に検知するとは、トイレ空間の温度を検知する場合をいう。トイレ空間の温度を間接的に検知するとは、トイレ空間ではなく、便座またはケース等の他の部材の温度を直接的に検知することにより、トイレ空間の温度を間接的に検知する場合をいう。
【0019】
更に、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有している形態が例示される。この場合、制御部は、湿度検知手段で検知した湿度に応じて、設定温度を昇降させる形態が例示される。これにより設定温度を湿度に対処させることができる。
【0020】
また、制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高く且つトイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いときには、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、設定温度(温水および/または便座の設定温度)を自動的に低下させる形態が例示される。夏季の蒸し暑い時期等に、当該設定温度を低下させるため、快適性が確保される。
【0021】
本発明によれば、温水の設定温度を手動で操作する温水用の手動設定部を有していても良い。また、便座の設定温度を手動で操作する便座用の手動設定部を有していても良い。使用者の好みが自動にマッチングしないときには、使用者の好みに応じて設定温度(温水および/または便座の設定温度)を手動で設定できる。
【0022】
本発明によれば、制御部は、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有しており、湿度検知手段で検知した湿度に応じて、前記した設定温度を昇降させる形態が例示される。殊に、蒸し暑い湿度が存在するときには、温水の設定温度を自動的に低下させたり、便座加熱部をオフとすることができる。
【0023】
制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高く且つトイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いときには、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、便座の設定温度を自動的に低下させる形態が例示される。
【0024】
本発明によれば、制御部はタイマー機能を有しており、タイマー機能により計測した経過時間により現在の季節を判定する季節判定手段と、季節判定手段により冬季と判定されるとき、夏季よりも設定温度(温水および/または便座の設定温度)を上昇させる温度調整手段を備える形態が例示される。更に、季節判定手段により夏季の判定されるとき、温度調整手段は、冬季よりも設定温度(温水および/または便座の設定温度)を低下させる形態が例示される。制御部のタイマー機能を利用すれば、タイマー機能で季節を判定できるため、温度検知手段で季節を判定せずとも良い。
【0025】
本発明によれば、部品を収容するケースが設けられており、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部は、ケースの底面側、ケースのうち便座と反対側の側面壁、または、ケースの内部に配置されている形態が例示される。更に、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部は、便座および温水生成用加熱部から離れた部位に配置されている形態が例示される。これらの場合、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部が、暖房便座として機能する便座および温水生成用加熱部から離れるため、検知部の検知精度を確保するのに有利である。温水タンクが搭載される場合には、温水タンクからも離すことが好ましい。こられの部品から離れる距離としては、適宜選択できるが、3センチメートル以上、5センチメートル以上が好ましく、10センチメートル以上、50センチメートル以上とすることもできる。あるいは、温度検知手段の検知部および/または湿度検知手段の検知部と、便座または/および温水生成用加熱部との間に断熱構造(例えば断熱空間、断熱材)を適宜設けることができる。
【実施例1】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施例に係る便座装置は人体局部洗浄装置1である。人体局部洗浄装置1は、洋式の便器2の後部に装備されるものであり、上面に操作パネル3をもつ基部としてのケース4と、ケース4に回動可能に設けられた便座5と、ケース4に回動可能に設けられた便蓋6とを備える。洗浄部は、女性局部洗浄ノズル7と、排便局部洗浄ノズル8とからなる。ケース4は制御基板などが配置されたものであり、便座5の後方(便座5に着座する使用者の顔が向く方向と反対方向)に位置する第1ケース4aと、第1ケース4aと一体的な第2ケース4cとを有する。第2ケース4cは、便座5に着座する使用者の側方に配置されている。
【0027】
女性局部洗浄ノズル7は、不使用時には使用者から見えぬように隠蔽されており、女性局部洗浄スイッチ9が操作されると、便座5に着座している使用者の女性局部に向けて前進し、使用終了であれば、再び、後退して隠蔽される。排便局部洗浄ノズル8は、不使用時には使用者から見えぬように隠蔽されており、排便局部洗浄スイッチ10が操作されると、便座5に着座している使用者の排便局部に向けて前進し、使用終了であれば、再び、後退して隠蔽される。
【0028】
図2はブロック図を示す。図2に示すように、女性局部洗浄スイッチ9と、排便局部洗浄スイッチ10と、洗浄部を構成する女性局部洗浄ノズル7及び排便局部洗浄ノズル8にそれぞれ供給する温水を生成する温水生成用ヒータ11(温水生成用加熱部)と、便座5を加熱する便座ヒータ12(便座加熱部)と、トイレ空間Rの温度Taを検知する温度センサ13(温度検知手段)と、トイレ空間Rの湿度Waを検知する湿度センサ14(湿度検知手段)と、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを自動的に設定する自動モードに切り替える自動モード設定スイッチ15(自動モード設定部)と、温水の設定温度Aを手動で設定する温水用の手動設定スイッチ16(手動設定部)と、便座5の設定温度Bを手動で設定する暖房便座用の手動設定スイッチ17(手動設定部)とが設けられている。
【0029】
また、自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているとき、温水の好みの温度を高めまたは低めに使用者が設定する温水好み温度設定スイッチ20(温水好み温度設定部)と、便座5の好みの温度を高めに使用者が設定する便座好み温度設定スイッチ22(便座好み温度設定部)とが第2ケース部4cの上面に設けられている操作パネル3に設けられている。これらの信号は制御部24に入力される。制御部24は、入力処理回路25と、マイコン26と、マイコン26からの信号に基づいて制御信号を出力する出力処理回路27と、RAM、ROM等のメモリ28(記憶媒体)とを有する。マイコン26はタイマー機能を有する。
【0030】
温水生成用ヒータ11は、給水通路に繋がるようにケース4に搭載されているタンクに収容されている水をヒータで加熱する温水タンクタイプでも良いし、温水タンクを有さず、ケース4に搭載されている給水通路の水をヒータで加熱する瞬間給湯タイプでも良い。便座ヒータ12は便座5に搭載されている発熱体で形成されている。温度センサ13および湿度センサ14はケース4に搭載されていても良いし、あるいは、ケース4から離れたトイレ空間Rの室壁あるいはトイレ空間Rの他の部位に設けられていても良い。
【0031】
なお、人体局部洗浄装置1がリモコン装置(図示略)で操作される形態のものであれば、温度センサ13および湿度センサ14を、リモコン装置内に収容しても良い。この場合、リモコン装置は、便座5や温水生成用ヒータ11から離れて熱的に遮断された、トイレ空間Rの室壁等に着脱自在に吊設されるので、温水または暖房便座の影響が回避され、温度および/または湿度の検出精度が確保される。リモコン装置は洗浄スイッチ等の各種スイッチをユーザが操作するものである。
【0032】
自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているときには、制御部24は、トイレ空間Rの温度Taに応じて、温水の設定温度A、便座5の設定温度Bの双方を自動で制御する。具体的には、トイレ空間Rの温度Taが相対的に低いときには、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に高いときよりも、制御部24は、温水の設定温度Aを自動的に上昇させる制御を実行する。また、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときには、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に低いときよりも、制御部24は、温水の設定温度Aを自動的に低下させる制御を実行する。
【0033】
このように制御部24は、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて、人体の局部を洗浄する温水の設定温度Aを自動で設定する。このためトイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7から人体の女性局部に向けて吐出される温水や排便局部洗浄ノズル8から人体の排便局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。
【0034】
更に本実施例によれば、トイレ空間Rの温度Taが相対的に低いときには、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときよりも、制御部24は、便座5の設定温度Bを上昇させる制御を実行する。また、トイレ空間Rの温度Taが相対的に高いときには、、トイレ空間Rの温度が所定温度よりも相対的に低いときよりも、制御部24は、便座5の設定温度Bを低下させる制御を実行する。このようにトイレ空間Rの温度Taの変化に応じて便座5の設定温度Bを自動で設定する。このためトイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。
【0035】
図3および図4は制御部24が実行するフローチャートの一例を示す(フローチャートはこれに限定されるものではない)。まず、自動モード設定スイッチ15の状態を読み込む(ステップS2)。そして、自動モード設定スイッチ15が自動モードに設定されているか否か判定する(ステップS3)。YESであれば、温水の設定温度Aと便座5の設定温度Bとを自動で設定する自動モードを実行する(ステップS4)。NOであれば、手動制御モードを実行する(ステップS6)。
【0036】
図4は自動モードのフローチャートを示す。図4に示すように、制御部24は、温度センサ13が検知するトイレ空間Rの温度Taの信号を読み込む(ステップS402)。この場合、複数個の信号を読み込み、平均値をトイレ空間Rの温度Taとする。次に制御部24は、検知温度Taと低温側の第1しきい値温度T1とを比較する(ステップS404)。検知温度Taが第1しきい値温度T1未満であれば、冬季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップS406)。従ってステップS406は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる昇温手段として機能する。
【0037】
また検知温度Taが第1しきい値温度T1以上であれば、制御部24は、検知温度Taと高温側の第2しきい値温度T2とを比較する(ステップS408)。そして検知温度Taが第2しきい値温度T2未満であれば、春季または秋季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定する。更に、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップS410)。
【0038】
そして検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であれば、夏季に相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定する。更に、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば26℃)に設定する(ステップS412)。従ってステップS412は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に高いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる降温手段として機能する。なお、検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であれば、制御部24は、便座5の設定温度Bをオフにして断電状態に設定しても良い。なお、Ahigh>Amiddle>Alowの関係とされている。また、Bhigh>Bmiddle>Blowの関係とされている。本実施例では、湿度センサ14が設けられているが、特に必要が無ければ、廃止しても良い。
【0039】
上記した制御が実行される本実施例によれば、女性局部洗浄ノズル7及び排便局部洗浄ノズル8から吐出される温水の設定温度Aとしては、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて自動的に、図5に示すような温度調整特性とされる。従って本実施例によれば、夏、秋、冬、春といった季節の変化に応じて、女性局部洗浄ノズル7および排便局部洗浄ノズル8から吐出される温水の設定温度Aを36〜40℃の範囲内において自動的に調整することができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。従って、季節が変わったとしても、使用者が温水の設定温度Aを季節の変化に合わせて手動調整せずとも良い。
【0040】
また、便座5の温度としては、トイレ空間Rの温度Taの変化に応じて自動的に、図6に示すような温度調整特性とされる。従って本実施例によれば、夏、秋、冬、春といった季節の変化に応じて、便座5の設定温度Bを26〜40℃の範囲内において自動的に調整することができ、トイレ使用の快適性を高めるのに有利となる。従って、季節が変わったとしても、使用者が便座5の設定温度Bを季節の変化に合わせて調整せずとも良い。なお、図5および図6に示す縦軸の温度の数値は例示であり、この数値に限定されるものではない。
【0041】
なお、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bについては、トイレが使用されず待機しているときにおいても設定されるようにしても良い。あるいは、使用者がトイレ室に入室したり、便座5に着座したりするとき、設定されるようにしても良い。
【実施例2】
【0042】
実施例2は実施例1と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、トイレ空間Rの湿度を直接的または間接的に検知する湿度センサ14(湿度検知手段)が温度センサ13と共にケース4またはトイレ空間Rの壁に設けられている。制御部24は、湿度センサ14で検知した湿度に応じて、温水の設定温度Aを昇降させる。即ち、トイレ空間Rの温度Taが第1所定温度、つまりT2よりも高いとき、且つ、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(高湿:例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じる。このため、制御部24は、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低いときよりも、温水の設定温度AをΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させる。更に制御部24は、便座5の設定温度BをΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させるか、あるいは、便座ヒータ12をオフとして断電状態とする。これにより温水の設定温度Aと、便座5加熱の設定温度Bとを、蒸し暑い時期に対処させることができる。
【0043】
図7は自動モードのフローチャートを示す。図7に示すように、先ず、温度センサ13が検知するトイレ空間Rの温度Taの信号と、湿度センサ14が検知するトイレ空間Rの湿度Waの信号とを読み込む(ステップSH402)。検知温度Taが第1しきい値温度T1未満であれば、冬季に相当するため、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップSH406)。従ってステップSH406は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を自動的に上昇させる昇温手段として機能する。
【0044】
また検知温度Taが第1しきい値温度T1以上であれば、検知温度Taと第2しきい値温度T2とを比較する(ステップSH408)。そして検知温度Taが第2しきい値温度T2未満であれば、春季または秋季に相当するため、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップSH410)。
【0045】
そして検知温度Taが第2しきい値温度T2(第1所定温度に相当)以上であれば、トイレ空間Rの温度Taは相対的に高温であり、夏季と判定されるため、トイレ空間Rの湿度Waと第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)とを比較する(ステップSH409)。トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低ければ、使用者はあまり蒸し暑く感じない。そこで、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば26℃)に設定する(ステップSH412)。従って、ステップSH412は、トイレ空間Rの温度Ta温度が所定温度よりも相対的に低いとき、温水の設定温度および便座5の設定温度を下降させる降温手段として機能する。
【0046】
これに対して検知温度Taが第2しきい値温度T2以上であり、且つ、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じると判定される。このため、制御部24は、温水の設定温度AをAlowよりもΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させると共に、便座5の設定温度BをBlowよりもΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させる(ステップSH414)。従ってステップSH414は、高湿であり蒸し暑いと使用者が感じると判定されるとき、温水の設定温度Aおよび/または便座5の設定温度Bを下降させる高湿降温手段として機能する。
【0047】
ここで、ΔT1=ΔT2、ΔT1≒ΔT2、ΔT1>ΔT2、ΔT1<ΔT2のいずれでも良い。なお、第1所定湿度Wa1は例えば湿度60%としているが、これに限らず、湿度は80%、90%、95%としても良い。
【0048】
本実施例においても、実施例1と同様に、トイレ空間Rの温度Taの変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、あるいは、早朝、夜間、昼間の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。
【0049】
更に、使用者が蒸し暑く感じるときであっても、便座5加熱の設定温度AをΔT1低下させると共に、便座5の設定温度BをΔT2低下させるため、蒸し暑さに対処することができる。
【実施例3】
【0050】
実施例3は実施例1,2と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例では、制御モードが自動モードに設定されているとき、温水の好みの温度を設定する温水好み温度設定スイッチ20(温水好み温度設定部)と、便座5の好みの温度を設定する便座好み温度設定スイッチ22(便座好み温度設定部)に基づいて、好み温度設定モードを実行する。
【0051】
図8は好み温度設定モードのフローチャートを示す。図8に示すように、温水の好み温度を設定する温水好み温度設定スイッチ20の状態と、便座5の好みの温度を設定する便座好み温度設定スイッチ22の状態とを読み込む(ステップS602)。温水好み温度設定スイッチ20の操作状態を判定し(ステップS604)、温水好み温度設定スイッチ20が高めに設定されていると、設定温度Aにα1を加算し、設定温度Aを更新する(ステップS608)。従ってステップS608は、温水好み温度設定スイッチ20が高めに設定されているとき、設定温度Aを高めに更新する更新手段として機能する。
【0052】
温水好み温度設定スイッチ20が低めに設定されていると、設定温度Aからα2を減算し、設定温度Aを更新する(ステップS610)。従ってステップS610は、温水好み温度設定スイッチ20が低めに設定されているとき、設定温度Aを低めに更新する更新手段として機能する。なお、α1=α2、α1≒α2、α1<α2、α1>α2のいずれでも良い。
【0053】
次に、便座好み温度設定スイッチ22の状態を判定する(ステップS612)。便座好み温度設定スイッチ22が高めに設定されていると、設定温度Bにβ1を加算し、設定温度Bを更新する(ステップS614)。従ってステップS614は、便座好み温度設定スイッチ22が高めに設定されているとき、便座5の設定温度Bを高めに更新する更新手段として機能する。
【0054】
また、便座好み温度設定スイッチ22が低めに設定されていると、設定温度Bからβ2を減算し、設定温度Bを更新する(ステップS616)。従ってステップS616は、便座好み温度設定スイッチ22が低めに設定されているとき、便座5の設定温度Bを低めに更新する更新手段として機能する。なお、β1=β2、β1≒β2、β1<β2、β1>β2のいずれでも良い。
【0055】
図9は温水の設定温度Aの変化、つまり、温水の温度変化を示す。図10は便座5の設定温度Bの変化を示す。使用者の好みに応じて、温水の設定温度A(標準設定温度)に対してα1高めに設定されたり、設定温度Aに対してα2低めに設定されたりできる。また使用者の好みに応じて、便座5の設定温度Bに対してβ1高めに設定されたり、便座5の設定温度B(標準設定温度)に対してβ2低めに設定されたりできる。なお、図9および図10に示す縦軸の温度の数値は例示であり、これに限定されるものではない。
【実施例4】
【0056】
実施例4は実施例1と基本的には同様の作用、効果を有する。制御部24のマイコン26はタイマー機能を有しており、タイマー機能により基準時刻から計測した経過時間を計測しており、経過時間により現在の季節を判定し、季節に応じて温水生成用ヒータ11(温水生成用加熱部)の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを制御する。トイレ空間Rの湿度を直接的または間接的に検知する湿度センサ14(湿度検知手段)が設けられている。本実施例では、トイレ空間Rの温度を検知する温度センサ13は設けられていないので、コスト低廉化を図り得る。
【0057】
図11は自動モードのフローチャートを示す。図11に示すように、基準時刻からの経過時間を読み込む(ステップSM402)。この場合、排便局部洗浄スイッチ10または女性局部洗浄スイッチ9等のスイッチ(あるいは着座センサ設けられているときには、着座センサでも良い)がオン操作されたとき、経過時間を読み込むことができる。経過時間から、現在の季節が冬季であるか否か判定する(ステップSM404)。現在の季節が冬季であると判定されると、制御部24は、温水の設定温度AをAhigh(高温:例えば40℃)設定し、且つ、便座5の設定温度BをBhigh(高温:例えば40℃)に設定する(ステップSM406)。また季節が冬季でなければ、制御部24は経過時間から、現在の季節が夏季であるか否か判定する(ステップSM408)。そして季節が夏季でなければ、季節が春季または秋季と相当するため、制御部24は、温水の設定温度AをAmiddle(中温:例えば38℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBmiddle(中温:例えば36℃)に設定する(ステップSM410)。
【0058】
そして季節が夏季であれば、トイレ空間Rの温度Taは相対的に高温であり、蒸し暑さを考慮する必要がある。このため、制御部24は、トイレ空間Rの湿度Waと第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)とを比較する(ステップSM409)。トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも低ければ、使用者はあまり蒸し暑く感じないと判定される。そこで、制御部24は、温水の設定温度AをAlow(低温:例えば36℃)に設定し、且つ、便座5の設定温度BをBlow(低温:例えば28℃)に設定する(ステップSM412)。
【0059】
これに対して、トイレ空間Rの湿度Waが第1所定湿度Wa1(例えば湿度60%)よりも高いときには、使用者は蒸し暑く感じると判定される。このため、制御部24は、便座加熱の設定温度AをAlowよりもΔT1(例えば1〜2℃の任意値)低下させると共に、便座5の設定温度BをBlowよりもΔT2(例えば1〜2℃の任意値)低下させる(ステップSM414)。あるいは便座ヒータ12をオフとして断電状態としても良い。ここで、ΔT1=ΔT2、ΔT1≒ΔT2、ΔT1>ΔT2、ΔT1<ΔT2のいずれでも良い。
【0060】
ここで、ステップSM402,404,408は、タイマー機能により計測した基準時刻からの経過時間により、現在の季節を判定する季節判定手段として機能できる。ステップSM406,410,412は、季節判定手段で判定した季節に応じて、温水の設定温度Aおよび便座の設定温度Bを制御し、冬季のとき、夏季よりも設定温度Aおよび設定温度Bを上昇させ、且つ、夏季のとき、冬季のときよりも設定温度Aおよび設定温度Bを低下させる温度調整手段として機能できる。ステップSM414は、使用者が蒸し暑く感じると判定されるとき、温水の設定温度Aおよび便座5の設定温度Bを標準設定温度よりも低下させる降温手段として機能する。
【0061】
本実施例においても、実施例1と同様に、季節の変化の如何に拘わらず、女性局部洗浄ノズル7や排便局部洗浄ノズル8から人体の局部に向けて吐出される温水が適温となる。即ち、季節の如何に拘わらず、便座5の温度が適温となる。更に、梅雨時期などのように使用者が蒸し暑く感じるときであっても、便座5加熱の設定温度AをΔT1低下させると共に、便座5の設定温度BをΔT2低下させるため、蒸し暑さに対処することができる。
【実施例5】
【0062】
図12は実施例5を示す。実施例5は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の底面4e側に形成されている。具体的には、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4のうち操作パネル3をもつ第2ケース4cの底面4e側に形成された凹状部4fにおいて、トイレ空間Rの温度を検知できるように配置されている。
【0063】
このため便座5が暖房便座として機能するときであっても、あるいは、温水の温度が高いときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の影響を受けることを抑制でき、検知精度が確保される。殊に、便座5が暖房便座として機能するとき、対流により暖気は上方に向かい易いことを考慮して、検知部13a,14aは、第2ケース4cの底面4e側に配置されている。更に、検知部13a,14aが底面4eに配置されているため、水、塵等が検知部13a,14aに付着することが抑制される。第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【実施例6】
【0064】
図13は実施例6を示す。実施例6は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の側面4s側に形成されている。具体的には、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の第2ケース4cの側面4s側に形成された凹状部4fに外気(トイレ空間R)に対面するように配置されている。側面4sは、第2ケース4cのうち便座5と反対側に配置されている。このため便座5が暖房便座として機能するときであっても、あるいは、温水の温度が高いときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の影響を受けることを抑制でき、検知精度が確保される。殊に、側面4s側に形成された凹状部4fに検知部13a,14aが配置されているため、水、塵等が検知部13a,14aに付着することが抑制される。第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【実施例7】
【0065】
図14は実施例7を示す。実施例7は前記した各実施例と基本的には同様の作用、効果を有する。本実施例によれば、温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、ケース4の第2ケース4cの収容室4kの内部において、断熱壁4pで覆われた状態で配置されている。温水生成用ヒータ11はケース4の第1ケース4aに配置されており、第2ケース4cには温水生成用ヒータ11は配置されていない。このため温水の温度が高いときであっても、あるいは、便座5が暖房便座として機能するときであっても、温度センサ13および湿度センサ14が暖房便座や温水の温度の影響を受けることを抑制できる。従って温度センサ13および湿度センサ14の検知精度が確保される。なお、第2ケース4cの外壁4mは、便座5が暖房便座として機能するとき、遮熱機能を果たす。
【0066】
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、例えば、女性局部洗浄ノズル及び排便局部洗浄ノズルの双方が用いられているが、いずれか一方でも良い等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。温度センサ13の検知部13aおよび湿度センサ14の検知部14aは、これに対する温水または暖房便座による熱影響を避けるため、トイレ空間Rを区画する壁に取り付けたパネル、または、トイレ空間Rを区画する壁、人体局部洗浄装置1等に着脱可能に取り付けられるリモコン装置に配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1に係り、人体局部洗浄装置を装備した便器の斜視図である。
【図2】人体局部洗浄装置の制御部のブロック図である。
【図3】制御部が実行するフローチャートである。
【図4】制御部が実行するフローチャートである。
【図5】温水温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図6】便座温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図7】実施例2に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図8】実施例3に係り、好み温度設定モードのフローチャートである。
【図9】温水温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図10】便座温度の変化状態の一例を示すグラフである。
【図11】実施例4に係り、制御部が実行するフローチャートである。
【図12】実施例5に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【図13】実施例6に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【図14】実施例7に係り、温度センサおよび湿度センサの配置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1は人体局部洗浄装置(便座装置)、2は便器、5は便座、7は女性局部洗浄ノズル(洗浄部)、8は排便局部洗浄ノズル(洗浄部)、9は女性局部洗浄スイッチ、10は排便局部洗浄スイッチ、11は温水生成用ヒータ(温水生成用加熱部)、12は便座ヒータ(便座加熱部)、13は温度センサ(温度検知手段)、13aは検知部、14は湿度センサ(湿度検知手段)、14aは検知部、15は自動モード設定スイッチ(自動モード設定部)、20は温水好み温度設定スイッチ(温水好み温度設定部)、22は便座好み温度設定スイッチ(便座好み温度設定部)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座と、前記便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、前記洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、前記温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、前記温水生成用加熱部で加熱される前記温水の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
便座と、前記便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、前記洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、前記温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、前記温水生成用加熱部で加熱される前記温水の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項3】
便座と、前記便座を加熱する便座加熱部と、前記便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて前記便座の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項4】
便座と、前記便座を加熱する便座加熱部と、前記便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて前記便座の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、トイレ空間の温度を直接的または間接的に検知する温度検知手段を有することを特徴とする便座装置。
【請求項6】
請求項5において、部品を収容するケースが設けられており、前記温度検知手段の検知部は、前記ケースの底面側、前記ケースのうち前記便座と反対側の側面壁、または、前記ケースの内部に配置されているか、または、前記便座および前記温水生成用加熱部から離れた部位に配置されていることを特徴とする便座装置。
【請求項7】
請求項1〜5のうちのいずれか一項において、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有しており、前記制御部は、前記湿度検知手段で検知した湿度に応じて前記設定温度を昇降させることを特徴とする便座装置。
【請求項8】
請求項7において、部品を収容するケースが設けられており、前記湿度検知手段の検知部は、前記ケースの底面側、前記ケースのうち前記便座と反対側の側面壁、または、前記ケースの内部に配置されていることを特徴とする便座装置。
【請求項9】
請求項7または8において、前記制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高い場合には、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いとき、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、前記温水および/または前記便座の設定温度を自動的に低下させることを特徴とする便座装置。
【請求項10】
請求項1または2において、前記温水の設定温度の好みの温度の高めおよび/または低めを設定する温水好み温度設定部を有することを特徴とする便座装置。
【請求項11】
請求項3または4において、前記便座の設定温度の好みの温度の高めおよび/または低めを設定する便座好み温度設定部を有することを特徴とする便座装置。
【請求項12】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記制御部は、タイマー機能を有しており、タイマーにより計測した経過時間により現在の季節を判定する季節判定手段と、
前記季節判定手段により冬季と判定されるとき、夏季よりも前記設定温度を自動的に上昇させる温度調整手段を具備することを特徴とする便座装置。
【請求項13】
請求項12において、前記季節判定手段により夏季と判定されるとき、前記温度調整手段は、冬季よりも前記設定温度を自動的に低下させることを特徴とする便座装置。
【請求項1】
便座と、前記便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、前記洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、前記温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、前記温水生成用加熱部で加熱される前記温水の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項2】
便座と、前記便座に着座する人体の局部に向けて温水を吐出する洗浄部と、前記洗浄部に供給する温水を生成する温水生成用加熱部と、前記温水生成用加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて、前記温水生成用加熱部で加熱される前記温水の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、前記温水の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項3】
便座と、前記便座を加熱する便座加熱部と、前記便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて前記便座の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に上昇させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項4】
便座と、前記便座を加熱する便座加熱部と、前記便座加熱部を制御する制御部とを有する便座装置において、
前記制御部は、
トイレ空間の温度および季節のうちの少なくとも一方に応じて前記便座の設定温度を自動的に制御し、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に上昇させ、且つ、
トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に高い季節のときには、トイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低いときまたはトイレ空間の温度が所定温度よりも相対的に低い季節のときよりも、前記便座の設定温度を自動的に低下させる制御を実行することを特徴とする便座装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、トイレ空間の温度を直接的または間接的に検知する温度検知手段を有することを特徴とする便座装置。
【請求項6】
請求項5において、部品を収容するケースが設けられており、前記温度検知手段の検知部は、前記ケースの底面側、前記ケースのうち前記便座と反対側の側面壁、または、前記ケースの内部に配置されているか、または、前記便座および前記温水生成用加熱部から離れた部位に配置されていることを特徴とする便座装置。
【請求項7】
請求項1〜5のうちのいずれか一項において、トイレ空間の湿度を直接的または間接的に検知する湿度検知手段を有しており、前記制御部は、前記湿度検知手段で検知した湿度に応じて前記設定温度を昇降させることを特徴とする便座装置。
【請求項8】
請求項7において、部品を収容するケースが設けられており、前記湿度検知手段の検知部は、前記ケースの底面側、前記ケースのうち前記便座と反対側の側面壁、または、前記ケースの内部に配置されていることを特徴とする便座装置。
【請求項9】
請求項7または8において、前記制御部は、トイレ空間の温度が第1所定温度よりも高い場合には、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも高いとき、トイレ空間の湿度が第1所定湿度よりも低いときよりも、前記温水および/または前記便座の設定温度を自動的に低下させることを特徴とする便座装置。
【請求項10】
請求項1または2において、前記温水の設定温度の好みの温度の高めおよび/または低めを設定する温水好み温度設定部を有することを特徴とする便座装置。
【請求項11】
請求項3または4において、前記便座の設定温度の好みの温度の高めおよび/または低めを設定する便座好み温度設定部を有することを特徴とする便座装置。
【請求項12】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記制御部は、タイマー機能を有しており、タイマーにより計測した経過時間により現在の季節を判定する季節判定手段と、
前記季節判定手段により冬季と判定されるとき、夏季よりも前記設定温度を自動的に上昇させる温度調整手段を具備することを特徴とする便座装置。
【請求項13】
請求項12において、前記季節判定手段により夏季と判定されるとき、前記温度調整手段は、冬季よりも前記設定温度を自動的に低下させることを特徴とする便座装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−162333(P2007−162333A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359904(P2005−359904)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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